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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1310055
審判番号 不服2014-26637  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-12-26 
確定日 2016-01-14 
事件の表示 特願2013- 47471「携帯端末、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月 8日出願公開、特開2013-153497〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1.手続
本願は、平成24年5月23日に出願した特願2012-117103号(優先権主張平成23年9月28日)の一部を、平成25年3月11日に新たな特許出願としたものであって、手続の概要は以下のとおりである。

手続補正 :平成25年 3月11日
拒絶理由通知 :平成25年11月14日(起案日)
手続補正 :平成26年 1月20日
拒絶理由通知 :平成26年 4月17日(起案日)
手続補正 :平成26年 6月20日
拒絶査定 :平成26年 9月29日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成26年12月26日
手続補正 :平成26年12月26日
前置報告書 :平成27年 3月31日

2.査定
原査定の理由は、概略、以下のとおりである。

本願の請求項1ないし請求項24に係る発明(平成26年6月20日付け手続き補正後)は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


刊行物1:欧州特許出願公開第2200279号明細書

第2 補正の却下の決定
平成26年12月26日付けの手続補正について次のとおり決定する。

《結論》
平成26年12月26日付けの手続補正を却下する。

《理由》
1.補正の内容
平成26年12月26日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の請求項1の記載を、以下のように、補正後の請求項1の記載とする補正を含むものである。

(補正前の請求項1)
【請求項1】
受信装置と直接または間接的に通信可能な通信I/Fと、
コンテンツを示す情報の一覧であるコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、
タッチパネルと一体に構成され、前記コンテンツリストの少なくとも一部を表示可能な表示部と、
前記タッチパネルへの指のタッチ及び前記タッチパネル上での指の移動を検出する検出部と、を備え、
前記表示部が前記コンテンツリストの一部を表示している状態において、前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする第1の方向への指の移動を検出した場合には、前記表示部は、表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示し、
前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする前記第1の方向に対して略直交する第2の方向への指の移動を検出した場合には、前記通信I/Fは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を、前記受信装置に送信する、
ことを特徴とする携帯端末。

(補正後の請求項1)
【請求項1】
受信装置と直接または間接的に通信可能な通信I/Fと、
コンテンツを示す情報の一覧であるコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、
タッチパネルと一体に構成され、前記コンテンツリストの少なくとも一部を表示可能な表示部と、
前記タッチパネルへの指の接触であるタッチ、前記タッチパネルを指で叩く操作であるタップ操作、及び前記タッチパネル上での指の移動を検出する検出部と、を備え、
前記表示部が前記コンテンツリストの一部を表示している状態において、前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする第1の方向への指の移動を検出した場合には、前記表示部は、表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示し、
前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内でのタップ操作を検出した場合には、前記表示部は、前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示し、
前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする前記第1の方向に対して略直交する第2の方向への指の移動を検出した場合には、前記通信I/Fは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を前記受信装置に送信し、
前記表示部が表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示する処理と、前記表示部が前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示する処理と、前記通信I/Fが前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を、前記受信装置に送信する処理とは、互いに異なる指操作の検出結果に応じて行われる
ことを特徴とする携帯端末。

2.本件補正の適合性
(2-1)補正の範囲
上記補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正である。

(2-2)補正の目的
上記補正事項は、補正前の発明特定事項である「検出部」の検出内容、「表示部」の表示内容、及び「検出結果に応じて行われる」処理内容を限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2-3)独立特許要件
上記補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項を含む補正であるから、独立特許要件について検討する。

(ア)補正後発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正後発明」という。)は、以下のとおりである。
((A)ないし(I)は当審において付与した。以下「構成要件(A)」等として引用する。)

【請求項1】
(A)受信装置と直接または間接的に通信可能な通信I/Fと、
(B)コンテンツを示す情報の一覧であるコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、
(C)タッチパネルと一体に構成され、前記コンテンツリストの少なくとも一部を表示可能な表示部と、
(D)前記タッチパネルへの指の接触であるタッチ、前記タッチパネルを指で叩く操作であるタップ操作、及び前記タッチパネル上での指の移動を検出する検出部と、を備え、
(E)前記表示部が前記コンテンツリストの一部を表示している状態において、前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする第1の方向への指の移動を検出した場合には、前記表示部は、表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示し、
(F)前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内でのタップ操作を検出した場合には、前記表示部は、前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示し、
(G)前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする前記第1の方向に対して略直交する第2の方向への指の移動を検出した場合には、前記通信I/Fは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を前記受信装置に送信し、
(H)前記表示部が表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示する処理と、前記表示部が前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示する処理と、前記通信I/Fが前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を、前記受信装置に送信する処理とは、互いに異なる指操作の検出結果に応じて行われる
(I)ことを特徴とする携帯端末。

(イ)引用刊行物の記載
(イ-1)刊行物1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である欧州特許出願公開第2200279号明細書(以下、刊行物1という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

(イ-1-1)
BACKGROUND OF INVENTION
Field of Invention
[0001]Apparatuses and methods consistent with the present invention relate to a main image processing apparatus, a sub image processing apparatus and a control method thereof, and more particularly, to a main image processing apparatus, a sub image processing apparatus and a control method thereof, in which the sub image processing apparatus is used in transmitting a control command to the main image processing apparatus.

Description of the Related Art

[0002]An image processing apparatus receives a video signal from a broadcasting station or a video signal from an external device such as a digital versatile disc (DVD) player or the like, and processes it to be displayed as an image. The image processing apparatus processes not only the broadcasting signal from the broadcasting station but also various contents such as a game application, a still image (photograph), and a moving picture of digital data.
[0003]Recently, a demand for a dual image processing system has been on the rise, in which the dual image processing system includes two or more image processing apparatuses and displays contents in various methods according to a user's request.
[0004]However, a general dual image processing system receives various control commands from a user through a user input unit provided in the image processing apparatus or an external input device provided separately.
[0005]Thus, there is a growing need for a dual image processing system in which one image processing apparatus can be used to transmit a control command to another image processing apparatus.

SUMMARY OF THE INVENTION

[0006]The foregoing and/or other aspects of the present invention can be achieved by providing a control method of a sub image processing apparatus connectable with a main image processing apparatus, the control method including: receiving a user's touch input through the sub image processing apparatus; determining which contents correspond to a touched area where the touch input occurs; sensing change in location of the touch input; and transmitting a control command for the contents to the main image processing apparatus in response to the sensed change in the location of the touch input.
(訳)
発明の背景
発明の分野
[0001]本発明による装置及び方法は、メイン画像処理装置、サブ画像処理装置及びその制御方法に関するもので、より詳細には、サブ画像処理装置が、メイン画像処理装置に制御コマンドを送信するのに使用される、メイン画像処理装置、サブ画像処理装置及びその制御方法に関するものです。

関連技術の説明
[0002]画像処理装置は、放送局からのビデオ信号やデジタルバーサタイルディスク(DVD)プレーヤ等の外部機器から映像信号を受信し、それを画像として表示するように処理します。画像処理装置は、放送局からの放送信号だけでなく、ゲームアプリケーション、静止画(写真)、デジタルデータの動画などの様々なコンテンツも処理します。
[0003]最近、デュアル画像処理システムに対する需要は、上昇を続けています。この、デュアル画像処理システムは、2あるいはそれ以上の画像処理装置を含み、ユーザーの要求に応じて様々な方法でコンテンツを表示することを含みます。
[0004]しかし、一般的なデュアル画像処理システムは、画像処理装置又は別途設けられた外部入力装置に設けられたユーザ入力部を介して、ユーザからの各種制御コマンドを受信します。
[0005]したがって、一つの画像処理装置は、他の画像処理装置に制御コマンドを送信するために使用することができるデュアル画像処理システムの必要性が高まっています。

発明の要約

[0006]本発明の前述および/または他の態様は、メイン画像処理装置と接続可能なサブ画像処理装置の制御方法を提供することによって達成することができる。
上記制御方法は以下を含む、
サブ画像処理装置を介してユーザのタッチ入力を受信し、
タッチ入力が発生した接触エリアに対応するコンテンツを決定し、
タッチ入力の位置の変化を検知し、
上記検出されたタッチ入力の位置の変化に応答してメイン画像処理装置への上記コンテンツのための制御コマンドを送信します。

(イ-1-2)
[0027]FIGs. 2 and 3 illustrate control of a main image processing apparatus as a user touches a sub image processing apparatus for input;
[0028]-[0032](省略)
[0033]FIG. 1A is a block diagram of a dual image processing system 10 according to an exemplary embodiment of the present invention. The dual image processing system 10 includes a sub image processing apparatus 100, and a main image processing apparatus 200 that receives a control command from the sub image processing apparatus 100.
[0034]In this exemplary embodiment, the sub image processing apparatus 100 is a portable media player capable of processing an image about various contents such as a still image (photograph), a moving picture, music, etc., and the main image processing apparatus 200 may be achieved by a digital television (TV), a set-top box, etc.The sub image processing apparatus 100 transmits a control command to the main image processing apparatus 200 in order to control operation of the main image processing apparatus 200.
[0035]As shown in FIG. 1A , the sub image processing apparatus 100 includes a first image receiving unit 110, a first image processing unit 120, a first display unit 130a, a first user input unit 140a, a first storage unit 150, a first communication unit 160, and a first controller 170.
[0036]The first image receiving unit 110 receives a video signal from a broadcasting station or from an external device such as a DVD player or the like. The first image receiving unit 110 includes an antenna, a tuner, etc. to receive a broadcasting signal. Meanwhile, the sub image processing apparatus 100 according to this embodiment may receive a video signal from the outside via a network.
[0037]The first image processing unit 120 processes the video signal received by the first image receiving unit 110 into a signal having a format displayable in the first display unit 130a.
[0038]The first display unit 130a displays contents processed by the first image processing unit 120. The first display unit 130a may change and display the contents corresponding to change in location of touch input on the first user input unit 140.
[0039]The first display unit 130a includes a display panel (not shown) where the contents are displayed, and a panel driver (not shown) to drive the video signal output from the first image processing unit 120 to be displayed on the display panel. In this exemplary embodiment, the display panel (not shown) may include a liquid crystal display (LCD) panel or a plasma display panel (PDP) by way of example.
[0040](省略)
[0041]In another exemplary embodiment, as a first user input unit 140b, the first user input unit 140a may further include a touch panel (hereinafter, it will be also referred to as a "touch pad" or "touch screen") which is in the first display unit 130b and receives a user's touch input ( FIG. 1 B) . The touch panel may include a graphic user interface (GUI) presented by executing a predetermined application and displayed on the first display unit 130b as a touch area enabling a user's touch input.
[0042]Here, the touch input is an input based on a touch of a user, which not only includes a touch, a tap or the like, but also includes at least one of tap and hold, drag and drop, flicking and circle as a directional gesture input. Below, the touch input will be explained in more detail with exemplary embodiments to be described.
[0043]Further, the first user input unit 140a, 140b displays a plurality of menu items 21 (refer to FIG. 5A ), and a menu navigation displayed in an area of the first display unit 130a, 130b. The first display unit 130a, 130b includes a view zone 22 (refer to FIG. 5A ) to display thumbnail contents corresponding to a menu item 21 selected in the menu navigation, in which the view zone 22 may receive the touch input of a user.
[0044]Meanwhile, the first user input unit 140a, 140b receives a user's instruction for controlling the main image processing apparatus 200. Specifically, the first user input unit 140a, 140b includes a TV control panel 24 (refer to FIG. 5B ) presented to control the contents displayed on the main image processing apparatus 200 and displayed on the first display unit 140a, 140b. If the touch input is received through the TV control panel 24, the first controller 170 controls the first communication unit 160 to transmit a control command corresponding to the touch input to the main image processing apparatus 200.
[0045]The first storage unit 150 stores the contents received from the outside. Here, an image stored in the first storage unit 150 may include not only a broadcasting signal transmitted from the broadcasting station and received by the first image receiving unit 110, but also contents such as a game application, a still image (photograph), and a moving picture of digital data received from various external sources such as a DVD player, an MP3 player, a digital camera, etc.
[0046](省略)
[0047]The first communication unit 160 performs wire/wireless communication with the outside according to a predetermined communication protocol. Specifically, the first communication unit 160 transmits a control command corresponding to the touch input of a user to the main image processing apparatus 200, and transmits the contents stored in the first storage unit 150 to the main image processing apparatus 200. Further, the first communication unit 160 may receive the contents from the main image processing apparatus 200.
[0048]Here, the control command is a signal for giving various commands of a user such as power on/off of the main image processing apparatus 200, switch of a channel, synchronization between the sub image processing apparatus 100 and the main image processing apparatus 200, adjustment of screen and volume, and recording reservation, etc.
[0049]Further, the first communication unit 160 may communicate with not only the main image processing apparatus 200 but also various connectable external apparatuses to transmit and receive the contents.
[0050]The first communication unit 160 may include a wired/wireless communication module connectable with the outside locally or through a network based on a predetermined protocol, a USB port connectable with a portable storage medium such as a USB memory, etc.
[0051]The first controller 170 performs general control of the sub image processing apparatus 100. In more detail, if a user touches the first user input unit 140a, 140b for input, the first controller 170 determines contents corresponding to a touched area and controls the first communication unit 160 to transmit a control command about the determined contents to the main image processing apparatus 200.
[0052](省略)
[0053]In more detail, the first controller 170 determines the contents corresponding to the touched area where the touch input is performed, and, if sensing a location change of the touch input by a touch input having directionality (e.g., flicking), transmits the control command about the contents to the main image processing apparatus 200 in response to the sensed location change. Here, the touched area may include the view zone 22 where the contents are displayed.
[0054](省略)
[0055]Further, the first controller 170 may control the first communication unit 160 to transmit a channel-shifting command for the determined contents.
(訳)
[0027]図2と図3は、ユーザが入力のためにサブ画像処理装置に触れたときのメイン画像処理装置の制御について表した図である。
[0028]-[0032](省略)
[0033]図1Aは、本発明の実施形態に係るデュアル画像処理システム10のブロック図です。デュアル画像処理システム10は、サブ画像処理装置100と、サブ画像処理装置100から制御コマンドを受信したメイン画像処理装置200を含みます。
[0034]本実施の形態では、サブ画像処理装置100は静止画像(写真)、映画、音楽などのようないろいろな内容についてイメージを処理することができる携帯用メディア・プレーヤーです、そして、メイン画像処理装置200はデジタルテレビジョン(TV)、セットトップボックス、その他によって提供されるかもしれません。サブ画像処理装置100は、メイン画像処理装置200の操作を制御するためにメイン画像処理装置200に制御コマンドを送信します。
[0035]図1Aに示すように、サブ画像処理装置100は、第1画像受信部110、第1画像処理部120、第1表示部130a、第1ユーザ入力部140a、第1記憶部150、第1通信部160、第1制御部170を含みます。
[0036]受信部110第1の画像は、DVDプレーヤ等の放送局から、または外部機器からの映像信号を受信します。第1画像受信部110は、放送信号を受信するアンテナ、チューナ、などを含みます。一方、サブ画像処理装置100は、本実施形態によれば、ネットワークを介して外部からの映像信号を受信してもよいです。
[0037]第1画像処理部120は、第1表示部130Aで表示可能なフォーマットの信号に受信部110により受信された第1の画像の映像信号を処理します。
[0038]第1表示部130aは、第1画像処理部120で処理されたコンテンツを表示します。第1表示部130aは、第1ユーザー入力部140のタッチ入力の位置の変化に対応するコンテンツを変更し、表示します。
[0039]第1表示部130Aは、コンテンツが表示される表示パネル(図示せず)を含み、パネル駆動部(図示せず)が表示パネルに表示される第1画像処理部120から出力される映像信号を駆動します。この例示的な実施形態では、表示パネル(図示せず)、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、または一例として、プラズマディスプレイパネル(PDP)を含むことができます。
[0040](省略)
[0041]別の模範的具体化では、第1ユーザ入力部140aは、第1ユーザ入力部140bのように、第1表示部130bに設けられユーザのタッチ入力を受け取る(図1B)タッチパネル(以下、それは「タッチパッド」か「タッチスクリーン」と呼ばれる。)をさらに含むかもしれない。タッチパネルは、所定のアプリケーションを実行することによって提示されて、ユーザーのタッチ入力を可能にしているタッチ領域としての第1表示部130bに表示されるグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を含むかもしれません。
[0042]ここでは、タッチ入力は、タッチ、タップなどを含むユーザのタッチに基づいて入力するだけでなく、ドラッグ、ドロップ、フリック、方向ジェスチャー入力としてフリックや円の少なくとも1つが含まれています。以下では、タッチ入力がさらに詳細に具体化して説明している。
[0043]さらに、第1ユーザ入力部140a、140bは、複数のメニュー項目21(図5(A)参照)と、第1表示部130a、130bの領域に表示されたメニューのナビゲーションを表示します。第1表示部130a、130bは、ユーザのタッチ入力を受け取ることができるビューゾーン22であって、メニューナビゲーションの中から選択されたメニュー項目21に対応するサムネイル画像の内容を表示するためのビューゾーン22(図5(A)参照)を含んでいる。
[0044]一方、第1ユーザ入力部140a、140bは、メイン画像処理装置200を制御するために、ユーザの指示を受け付けます。具体的には、第1ユーザ入力部140a、140bは、第1表示部140a、140b上に表示され、かつ、メイン画像処理装置200に表示された表示内容を制御するために提供されたTVコントロールパネル24(図5B参照)を含みます。TVコントロールパネル24を介してタッチ入力を受け取ったら、第1制御部170は、メイン画像処理装置200へのタッチ入力に対応する制御コマンドを送信するため、第1通信部160を制御する。
[0045] 第1記憶部150外部から受信したコンテンツをストアする。ここで、第1記憶部150に記憶された画像は、放送局から送信され、第1画像受信部110によって受信された放送信号だけではなく、ゲームアプリケーション、静止画(写真)、DVDプレーヤー、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、等の種々の外部ソースから受信したデジタルデータの動画のようなコンテンツを含むことができる。
[0046](省略)
[0047]第1通信部160は、所定の通信プロトコルに応じて外部との有線/無線通信を実行する。具体的には、第1通信部160はメイン画像処理装置200にユーザーのタッチ入力と一致している制御コマンドを送って、メイン画像処理装置200に第1記憶部150に保存されるコンテンツを送信します。さらに、第1通信部 160は、メイン画像処理装置200のコンテンツを受信することがあります。
[0048]ここで、制御コマンドは、メイン画像処理装置200の電源オン/オフ、チャンネルのスイッチ、サブ画像処理装置100とメイン画像処理装置200との同期、スクリーンとボリュームの調整、録画予約などのユーザーの様々なコマンドを与えるための信号です。
[0049] さらに、第1通信部160は、コンテンツを送受信するためにメイン画像処理装置200だけではなく、様々な接続可能な外部の装置とも通信します。
[0050]第1通信部160は、USBメモリ等のような可搬記憶媒体と接続可能なUSBポートや、局所的にまたは所定のプロトコルに基づいたネットワークを介して、外部と接続可能な有線/無線通信モジュールを含むことができる。
[0051] 第1制御部170は、サブ画像処理装置100の全体の制御を行う。より詳細には、ユーザが入力するための第1ユーザ入力部140a、140bにタッチするならば、第1制御部170は、タッチ領域に対応するコンテンツを決定し、第1通信制御部160は、メイン画像処理装置200へ決定されたコンテンツについての制御コマンドを送信するように制御します。
[0052](省略)
[0053]より詳細には、第1制御部170は、タッチ入力が行われたタッチされたエリアに対応するコンテンツを決定し、タッチ入力が有する方向性によってタッチ入力の位置の変化を検知する場合、(例えば、フリック)、メイン画像処理装置200に、感知された位置の変化に応じて、そのコンテンツに関する制御コマンドを送信します。ここでは、タッチされたエリアは、コンテンツが表示されるビューゾーン22を含むことができます。
[0054](省略)
[0055]さらに、第1制御部170は、決定されたコンテンツのためのチャンネルシフトコマンドを送信するために、第1通信部160を制御してもよい。

(イ-1-3)
[0057]Meanwhile, as shown in FIGs. 1A and 1B , the main image processing apparatus 200 according to an exemplary embodiment of the present invention may include a second image receiving unit 210, a second image processing unit 220, a second display unit 230, a second user input unit 240, a second storage unit 250, a second communication unit 260, and a second controller 270.
[0058]The second image receiving unit 210 receives a video signal from a broadcasting station or from an external device such as a DVD player or the like. The second image receiving unit 210 includes an antenna, a tuner, etc. to receive a broadcasting signal.
[0059]-[0065](省略)
[0066]The second communication unit 260 performs wire/wireless communication with the outside according to a predetermined communication protocol. Specifically, the second communication unit 260 receives a control command from the sub image processing apparatus 100.
[0067]Further, the second communication unit may receive contents from the sub image processing apparatus 100. Here, the sub image processing apparatus 100 may decode (or trans-code) the contents to have a predetermined format before transmitting the contents, and transmit it to the main image processing apparatus 200.
(訳)
[0057]一方、図1Aおよび図1Bに示されるように、本発明の実施形態に係るメイン画像処理装置200は、第2画像受信部210、第2画像処理部220、第2表示部230、第2ユーザ入力部240、第2記憶部250、第2通信部260、第2制御部270を含むことができる。
[0058]第2画像受信部210は、放送局からあるいはDVDプレーヤー等ような外部機器から映像信号を受信します。第2画像受信部210は、放送信号を受信するアンテナ、チューナ、などを含みます。
[0059]-[0065](省略)
[0066]第2通信部260は、所定の通信プロトコルに従って外部と有線/無線通信を行います。具体的には、第2通信部260は、サブ画像処理装置100からの制御コマンドを受信します。
[0067]また、第2の通信部は、サブ画像処理装置100からコンテンツを受信してもよいです。ここで、サブ画像処理装置100は、コンテンツを送信する前に所定のフォーマットを有するように、コンテンツを復号(またはトランスコード)することができ、そして、それをメイン画像処理装置200に送信します。

(イ-1-4)
[0075]Below, exemplary embodiments of controlling the main image processing apparatus 200 through the sub image processing apparatus 100 will be described in more detail with reference to accompanying drawings.
[0076]FIGs. 2 and 3 illustrate control of the main image processing apparatus 200 as a user touches the sub image processing apparatus 100 for input.
[0077]As shown in FIG. 2 , the sub image processing apparatus 100 may receive a flicking input 11 as the touch input while displaying predetermined contents. In this embodiment, the flicking input 11 means a touch input based on tap & hold where a finger or the like (e.g., a stylus) moves in a predetermined direction (e.g., toward the main image processing apparatus 200 or an upward direction of the touch screen) and by a predetermined distance or more in a predetermined direction while being in contact with a touching area corresponding to the predetermined contents.
[0078]When receiving the flicking input 11 toward the main image processing apparatus 200 for the contents displayed on the first display unit 130a, 130b, the first controller 170 transmits the control command to the main image processing apparatus 200 so that the same contents as displayed on the first display unit 130a, 130b can be displayed on the second display unit 230. To this end, the sub image processing apparatus 100 may transmit information about relevant contents to the main image processing apparatus 200. The main image processing apparatus 200 displays the relevant contents on the second display unit 230 on the basis of the information about the received contents.
[0079]If the main image processing apparatus 200 has been turned off as shown in Fig. 2 , the first controller 170 receives information about the power-off state of the main image processing apparatus 200 and transmits a power-on command to the main image processing apparatus 200 on the basis of the received information about the power-off state. The second controller 270 turns on the main image processing apparatus 200 on the basis of the received power-on command, and controls the second image processing unit 220 so that the same contents as displayed on the first display unit 130a, 130b can be displayed on the second display unit 230 on the basis of the control command corresponding to the flicking input 11. In an exemplary embodiment, the main image processing apparatus 200 in a "power-off' state may not be entirely "off" in that the image processing apparatus 200 may be in a low power consumption setting so that it can receive and process a power-on command.
[0080]As shown in FIG. 3 , if the contents displayed on the first display unit 130a, 130b of the sub image processing apparatus 100 include channel information, the first controller 170 may control the first communication unit 160 to transmit a channel-switching command to the main image processing apparatus 200. Here, if the channel-switching command is received while the main image processing apparatus 200 has been turned off, the second controller 270 receives the power-on command from the sub image processing apparatus 100 and turns on the main image processing apparatus 200 in response to the power-on command, thereby controlling the second image processing unit 220 to display contents corresponding to the channel-switching command.
(訳)
[0075]以下、サブ画像処理装置100を介してメイン画像処理装置200を制御するための例示的な実施形態が図面を参照して詳細に説明します。
[0076]図 2 及び 3 は、ユーザが、入力のためにサブ画像処理装置100にタッチしたときのメイン画像処理装置200の制御を説明しています。
[0077] 図2で示すように、所定のコンテンツを表示している間、サブ画像処理装置100は、タッチ入力としてフリック入力11を入力することが可能です。この具体例では、フリック入力11は、指またはその種の他のもの(例えば、スタイラス)が、所定のコンテンツに対応するタッチ領域に接触している間に、所定の方向(例えば、メイン画像処理装置200の方向、あるいはタッチスクリーンの上への方向)に移動することや、所定の距離だけあるいはさらに所定の方向に移動することのようなタップとホールドに基づくタッチ入力を意味します。
[0078]第1表示部130a,130bに表示されたコンテンツに対して、メイン画像処理装置200の方へ向かうフリック入力11を受けるとき、第1表示部130a,130bに表示されたのと同じコンテンツが第2表示部230に表示されることができるように、第1制御部170は制御コマンドをメイン画像処理装置200に送ります。このため、サブ画像処理装置 100 は、メイン画像処理装置 200 に関連するコンテンツについての情報を送信します。メイン画像処理装置 200 は、受信したコンテンツに関する情報に基づいて、第2表示部230に、関連するコンテンツを表示します。
[0079]メイン画像処理装置200が図2で示すようにオフにされたならば、第1制御部170はメイン画像処理装置200の電源オフ状態に関する情報を受けて、電源オフ状態に関する受信した情報に基づいて電源オン命令をメイン画像処理装置200に送ります。第2制御部270は受信した電源オンコマンドに基づいてメイン画像処理装置200をオンにして、第1表示部130a,130bに表示されているのと同じコンテンツが、第2表示部230に表示されることができるように、フリック入力11に対応する制御コマンドに基づいて第2画像処理部220を制御します。典型的な具体例では、メイン画像処理装置200は、電源オンコマンドを受け取り、処理することができるように、低消費電力設定にあるように、パワー-オフ状態のメイン画像処理装置200は完全なオフ状態ではないかもしれない。
[0080]図3で示すように、サブ画像処理装置100の第1表示部130a,130bに表示されたコンテンツがチャンネル情報を含むのであれば、第1制御部170は、メイン画像処理装置200にチャンネル切換コマンドを送信するために第1通信部160を制御できます。ここで、メイン画像処理装置200がオフにされている間にチャンネル切換命令が受け取られるならば、第2制御部270は、サブ画像処理装置100から電源オン命令を受け取って、電源オン命令に応じてメイン画像処理装置200をオンにし、それによって、チャンネル切換コマンドに対応するコンテンツを表示するために第2画像処理部220を制御します。



(イ-2)刊行物2の記載事項
本願出願前公知の刊行物である特開2009-60487号公報(以下、刊行物2という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

【0001】
この発明は、デジタル放送の受信した複数の動画像を表示部に表示するリモートコントローラおよびリモートコントロールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の操作キーを有するリモートコントローラは、テレビジョン受像機、ビデオ記録/再生装置等の被制御装置のリモートコントロールに用いられている。近年では、これら被制御装置の多機能化に伴い、リモートコントロール装置に設けられる操作キーの数が増加する傾向にある。
【0003】
従来、リモートコントローラに設けられた複数の操作キーには、それぞれに決められた機能が割り当てられており、決められた機能を呼び出すことしかできないのが普通であった。
【0004】
近年では、テレビジョン放送の多チャンネル化、機能の複雑化が進み、操作が煩雑となっているため、データ放送等の情報を利用してメニュー、ボタン等をテレビジョン受像機の画面上に表示することが考えられる。その場合には、リモートコントロール用の画面を
表示している間、放送番組の映像を視聴することができない問題が生じる。また、表示されている画面に対する操作は、リモートコントローラの方向キーおよび決定キーを使用するので、操作性の改善の程度が小さい問題がある。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、リモートコントローラ自身に液晶モニタ等の表示部を設け、リモートコントローラの表示部にメニュー表示を行うことができるリモートコントローラが提案されている。
【0006】
また、液晶モニタ等の表示部を有するリモートコントローラでは、下記の特許文献1に示すように、テレビジョン受像機で現在選局中の番組および現在選局していない他の番組のそれぞれについて、番組の静止画像をリモートコントローラの表示部に表示させる構成も提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001-103335号公報
【0008】
特許文献1のリモートコントローラでは、表示部をタッチパネル型表示部としている。このため、各番組の内容を表示した静止画像をタッチすることにより選局を行うことが可能となり、選局操作を容易にすることができる。

【0044】
例えば図5の状態から、リモートコントローラ20の動画アイコン28aの領域がタッチ操作により選択されると、リモートコントローラ20は、テレビジョン受像機1に対して動画アイコン28aに対応するチャンネル1を選択するように選局信号を送信する。テレビジョン受像機1は、チャンネル1を選択するような選局信号を受信することにより、選局処理を行ってチャンネル1を選局する。
【0045】
なお、図5において、動画アイコン28a?28dは、チャンネル番号順に同じ大きさで表示しているが、例えば主番組の動画アイコン28aのみを他の動画アイコン28b?28dよりも大きく表示してもよい。また、番組名や放送時間帯等を動画アイコン28の近傍に表示するようにしてもよい。さらに、タッチ操作の時間が所定長さ未満の場合は、表示部24に各番組の詳細情報が表示されるようにし、タッチ操作の時間が所定長さ以上の場合は、リモートコントローラ20が選局信号を送信するように、タッチ操作の時間に応じて制御を切り替えるようにしてもよい。

(ウ)刊行物1に記載された発明
(ウ-1)
刊行物1の(イ-1-1)の記載によれば、刊行物1に記載された発明は、「一つの画像処理装置は、他の画像処理装置に制御コマンドを送信するために使用することができるデュアル画像処理システム」に関する発明であって、メイン画像処理装置とサブ画像処理装置を有し、サブ画像処理装置を介してユーザのタッチ入力を受信し、タッチ入力の位置の変化を検知し、上記検出されたタッチ入力の位置の変化に応答してメイン画像処理装置への上記コンテンツのための制御コマンドを送信」することが開示されている。
すなわち、サブ画像処理装置は、メイン画像処理装置にタッチ入力の検出値に応答した制御コマンドを送信する手段を有していることが開示されている。
そして、上記送信する手段の具体的な構成は、刊行物1の(イ-1-2)の[0047]、[0049]、[0050]の記載によれば、第1通信部が、上記メイン画像処理装置との間で信号を送受信する有線/無線通信モジュールを備えていることが記載されている。
以上のことから、刊行物1には、メイン画像処理装置にタッチ入力の検出値に応答した制御コマンドを送信する有線/無線通信モジュールを有する第1通信部を備えるサブ画像処理装置が記載されている。

(ウ-2)
刊行物1の(イ-1-2)の[0041]の記載によれば、刊行物1のサブ画像処理装置の第1ユーザ入力部は、タッチパネルを含むことが記載されている。
上記タッチパネルは、第1表示部130bと第1ユーザ入力部140bとが一体となったタッチパネルであることは特に[0041]の記載から明らかであるから、第1表示部130bはタッチパネルと一体に構成されている。
上記第1表示部130bに表示される表示内容について、特に[0080]及び図3を参酌して検討する。
刊行物1の(イ-1-4)の[0080]には「図3で示すように、サブ画像処理装置100の第1表示部130a,130bに表示されたコンテンツがチャンネル情報を含むのであれば」の記載があるから、刊行物1の図3の引き出し線100で示された四角い枠(以下、枠100という。)は、サブ画像処理装置の第1表示部130a,130bに表示されている表示の内容であることが理解でき、上記枠100の中にはチャンネル情報が表示されていることが記載されている。
そして、図3の枠100の上下方向の中間部には、左から順に、「NBC、one」と記載される3重の四角い枠(以下、枠Aという。)、「BBC、twe」という小さい枠を含んだ枠Aよりもやや大きい上部が途中で切れている枠(以下、枠Bという。)、「CNN、three」と記載される3重の四角い枠(以下、枠Cという。)が記載されている。
上記枠Aないし枠Cは、図の「NBC」、「BBC」、「CNN」は海外では周知の放送局名であり、[0080]の記載によれば、当該図3はチャンネル情報を含むのであるから、左から右に、1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示されているといえる。
したがって、第1表示部130bには、1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示されることが開示されている。
以上まとめると、刊行物1のサブ画像処理装置は、タッチパネルと一体に構成され、1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示される第1表示部130bを備えている。

(ウ-3)
刊行物1の(イ-1-2)の[0042]の記載によれば、刊行物1のサブ画像処理装置のタッチパネルに設けられた第1ユーザ入力部140bへのタッチ入力は、「タッチ」、「タップ」、「ドラッグ」、「ドロップ」、「フリック」等の動作に基づくものであることが記載されており、(イ-1-4)の[0077]の記載によれば「指またはその種の他のもの」による入力を検知しているから、上記動作は指の動作に基づく構成を含むことは明らかである。
以上のことから、刊行物1のサブ画像処理装置は、指の動作に基づく「タッチ」、「タップ」、「ドラッグ」、「ドロップ」、「フリック」等の入力を検出するタッチパネルに設けられた第1ユーザ入力部140bを備えている。

(ウ-4)
刊行物1の(イ-1-4)の記載について検討する。
[0076]には、「図 2 及び 3 は、ユーザが、入力のためにサブ画像処理装置100にタッチしたときのメイン画像処理装置200の制御を説明しています。」との記載があり、[0077]-[0079]には、所定のコンテンツを表示している間、タッチ入力を行った時の動作の具体的な構成が記載されている。
上記タッチ入力を受け付けるのは、先に検討したとおり、サブ画像処理装置のタッチパネルに設けられた第1ユーザ入力部140bである。
上記[0077]-[0079]に「フリック入力11は、・・・所定のコンテンツに対応するタッチ領域に接触している間に、所定の方向(例えば、メイン画像処理装置200の方向、・・・)に移動すること・・・に基づくタッチ入力を意味します。・・・第1表示部130a,130bに表示されたコンテンツに対して、メイン画像処理装置200の方へ向かうフリック入力11を受けるとき、第1表示部130a,130bに表示されたのと同じコンテンツが第2表示部230に表示されることができるように、第1制御部170は制御コマンドをメイン画像処理装置200に送ります。」の記載がある。
以上のことから、刊行物1には、上記第1ユーザ入力部140bの所定のコンテンツに対応するタッチ領域に接触している間に、メイン画像処理装置200の方向に向かうフリック入力11を受けるとき、第1表示部130bに表示されたのと同じコンテンツが第2表示部230に表示されることができるように、第1制御部170は制御コマンドをメイン画像処理装置200に送る構成が開示されている。
そして、[0080]の記載をみると「図3で示すように、サブ画像処理装置100の第1表示部130a,130bに表示されたコンテンツがチャンネル情報を含むのであれば、第1制御部170は、メイン画像処理装置200にチャンネル切換コマンドを送信するために第1通信部160を制御できます。」とあるから、[0077]-[0079]の、「所定のコンテンツを表示している間、タッチ入力を行った時の動作の具体的な構成」の『コンテンツ』が『チャンネル情報』であった場合、[0077]-[0079]に記載される動作を行い、チャンネル切換コマンドを送信する処理が行われることが開示されていると捉えることができるから、上記コンテンツをチャンネル情報に限定して解釈すると、刊行物1には「第1ユーザ入力部140bの所定のチャンネルに対応するタッチ領域に接触している間に、メイン画像処理装置200の方向に向かうフリック入力11を受けるとき、第1表示部130bに表示されたのと同じチャンネルが第2表示部230に表示されることができるように、第1制御部170は制御コマンドをメイン画像処理装置200に送る」構成が開示されているといえる。

(ウ-5)まとめ
以上(ウ-1)ないし(ウ-4)の記載によれば、刊行物1には以下の発明(以下、刊行物1発明という。)が開示されている。
((a)ないし(e)は当審において付与し、以下「構成要件(a)」等として引用する。)

(a)メイン画像処理装置にタッチ入力の検出値に応答した制御コマンドを送信する有線/無線通信モジュールを有する第1通信部と、
(b)タッチパネルと一体に構成され、1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示される第1表示部130bと、
(c)指の動作に基づく「タッチ」、「タップ」、「ドラッグ」、「ドロップ」、「フリック」等の入力を検出するタッチパネルに設けられた第1ユーザ入力部140bを備え、
(d)第1ユーザ入力部140bの所定のチャンネルに対応するタッチ領域に接触している間に、メイン画像処理装置の方向に向かうフリック入力を受けるとき、第1表示部130bに表示されたのと同じチャンネルが第2表示部に表示されることができるように、第1制御部170は制御コマンドをメイン画像処理装置200に送る、
(e)サブ画像処理装置。

(エ)対比
補正後発明と刊行物1発明とを対比する。

(エ-1)補正後発明の構成要件(A)と刊行物1発明の構成要件(a)とを対比する。
刊行物1発明のメイン画像処理装置は、(イ-1-3)の[0057]、[0058]等の記載を参酌すると、放送を受信する受信部を有しているから、受信装置であり、刊行物1発明のサブ画像処理装置は上記受信装置ということができるメイン画像処理装置と通信するための線/無線通信モジュールを有する第1通信部を備えているから、「受信装置と直接または間接的に通信可能な通信I/F」を備えている点で、補正後発明と相違がない。

(エ-2)補正後発明の構成要件(B)と刊行物1発明とを対比する。
刊行物1発明では、チャンネル情報を表示しているが、上記チャンネル情報は補正後発明のコンテンツリストとはいえないから、補正後発明の構成要件(B)を備えていない。

(エ-3)補正後発明の構成要件(C)と刊行物1発明の構成要件(b)とを対比する。
刊行物1発明の第1表示部130bは、タッチパネルと一体に構成されている。
また、刊行物1発明の第1表示部130bが表示する内容は、「1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示」しているから、チャンネル情報の一覧を表示しているといえる。
これに対して、補正後発明のコンテンツリストは、発明の詳細な説明を参酌すると、番組表のことであるから、チャンネル情報の一覧である点で刊行物1発明とその表示内容が共通している。
以上のことから、刊行物1発明は、タッチパネルと一体に構成され、チャンネル情報を表示可能な表示部を備えている点で補正後発明と対応している。
もっとも、刊行物1発明では、チャンネル情報について、「1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示」されることが理解できるのみで、他のチャンネルについてはどのような構成であるか特定することができず、補正後発明の「少なくとも一部を表示」とはいえない点、また、補正後発明のチャンネル情報は、番組表というコンテンツリストであるのに対し、刊行物1発明のチャンネル情報は、上記番組表のようなコンテンツリストとはいえない点で相違する。

(エ-4)補正後発明の構成要件(D)と刊行物1発明の構成要件(c)とを対比する。
刊行物1発明の第1ユーザ入力部140bはタッチパネルに設けられ、指の動作に基づく「タッチ」、「タップ」、「ドラッグ」、「ドロップ」、「フリック」等の入力を検出しているから、刊行物1発明のタッチパネルは、上記タッチパネルに対する指の接触動作である「タッチ」、上記タッチパネルを指でたたく動作である「タップ」、上記タッチパネル上で指の移動を検出する「ドラッグ」、「ドロップ」、「フリック」等の入力を検出していることは明らかである。
したがって、刊行物1発明は補正後発明の構成要件(D)を備えている。

(エ-5)補正後発明の構成要件(E)、(F)と刊行物1発明とを対比する。
刊行物1発明は、チャンネル情報について、第1表示部130bに表示されていないチャンネル情報の表示に関する構成は、特に特定していないから、補正後発明の構成要件(E)を有していない。
また、刊行物1発明は、コンテンツについての詳細情報について想定していないから、補正後発明の構成要件(F)を備えていない。

(エ-6)補正後発明の構成要件(G)と刊行物1発明の構成要件(d)とを対比する。
刊行物1発明の「第1ユーザ入力部140bの所定のチャンネルに対応するタッチ領域」は、第1ユーザ入力部140bがタッチパネルに設けられているから、上記第1ユーザ入力部140bに対するタッチ入力は、タッチパネルに対するタッチ入力に等しいことは明らかであり、タッチパネル上の所定のチャンネルに対応するタッチ領域にタッチ入力を行っている。
そして、刊行物1発明の所定のチャンネルに対応するタッチ領域は、図3も参酌すると、チャンネル一覧に含まれる一つの所定のチャンネルの枠が表示されている領域に対応するタッチ領域といえ、この点で補正後発明の前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内といえる。
もっとも、補正後発明では、前記コンテンツリストであるのに対し、刊行物1発明では、チャンネル情報である点で相違することは、上記(エ-3)のとおりである。
また、刊行物1発明の「所定のチャンネルに対応するタッチ領域に接触している間に、メイン画像処理装置の方向に向かうフリック入力を受ける」とは上記所定のチャンネルに対応するタッチ領域に接触し、上記接触位置始点として、メイン画像処理装置の方向に向かう指の動きを検出していることであることは明らかであるから、補正後発明の、第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする第2の方向への指の移動を検出した場合、に対応しているといえる。
もっとも、補正後発明では、コンテンツについての情報であるのに対し、刊行物1発明ではチャンネル情報である点、および、補正後発明では、前記第1の方向に対して略直交する第2の方向であるのに対し、刊行物1発明では、第1の方向についての特定事項を有さない点で相違している。
そして、刊行物1発明では、「・・・フリック入力を受けるとき、第1表示部130bに表示されたのと同じチャンネルが第2表示部に表示されることができるように、第1制御部170は制御コマンドをメイン画像処理装置200に送る」のであるが、刊行物1発明において、「制御コマンドをメイン画像処理装置200に送る」のは、上記(エ-1)で検討した通信I/Fであることは明らかであり、「第1表示部130bに表示されたのと同じチャンネルが第2表示部に表示されることができるように」しているのであって、上記チャンネルを表示することによって、当該チャンネルのコンテンツを表示するのであるから、刊行物1発明において送信されるコマンドは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報といえる。
以上まとめると、刊行物1発明は、「前記検出部が前記タッチパネル上で、前記チャンネル一覧に含まれる第1のチャンネル情報の情報表示枠内を始点とする第2の方向への指の移動を検出した場合には、前記通信I/Fは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を前記受信装置に送信し」の構成を有している点で補正後発明と相違がない。
もっとも、本願発明では「コンテンツリスト」、「第1のコンテンツについての情報」であるのに対し、刊行物1発明では「チャンネル一覧」、「チャンネル情報」である点、補正後発明では「前記第1の方向に対して略直交する第2の方向」であるのに対し、刊行物1発明では、「前記第1の方向に対して略直交する」の特定事項を有さない点で、補正後発明と刊行物1発明とは相違する。

(エ-7)補正後発明の構成要件(H)と刊行物1発明とを対比する。
上記(エ-5)で検討したように、刊行物1発明は、チャンネル情報について、表示されていないチャンネル情報の表示に関する構成は、特に特定せず、また、コンテンツについての詳細情報について想定していないから構成要件(H)を有していない。

(エ-8)補正後発明の構成要件(I)と刊行物1発明の構成要件(e)とを対比する。
刊行物1発明のサブ画像処理装置は、刊行物1に「サブ画像処理装置100は静止画像(写真)、映画、音楽などのようないろいろな内容についてイメージを処理することができる携帯用メディア・プレーヤーです」([0034])との記載があるから携帯端末といえる点で補正後発明と相違がない。

(エ-9)まとめ(一致点・相違点)
以上まとめると、補正後発明と刊行物1発明とは以下の一致点で一致し相違点で相違する。

(一致点)
受信装置と直接または間接的に通信可能な通信I/Fと、
タッチパネルと一体に構成され、チャンネル情報を表示可能な表示部と、
前記タッチパネルへの指の接触であるタッチ、前記タッチパネルを指で叩く操作であるタップ操作、及び前記タッチパネル上での指の移動を検出する検出部と、を備え、
前記検出部が前記タッチパネル上で、前記チャンネル一覧に含まれる第1のチャンネル情報の情報表示枠内を始点とする第2の方向への指の移動を検出した場合には、前記通信I/Fは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を前記受信装置に送信する、
ことを特徴とする携帯端末。

(相違点)
相違点1
刊行物1発明は、補正後発明の「コンテンツを示す情報の一覧であるコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部」を備えていない点。

相違点2
刊行物1発明では、チャンネル情報について、「1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示」されることが理解できるのみで、他のチャンネルについてはどのような構成であるか特定することができず、補正後発明の「少なくとも一部を表示」とはいえない点、

相違点3
補正後発明のチャンネル情報は、番組表といえるコンテンツリストであるのに対し、刊行物1発明のチャンネル情報は、上記番組表のようなコンテンツリストとはいえない点

相違点4
刊行物1発明は、補正後発明の「前記表示部が前記コンテンツリストの一部を表示している状態において、前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする第1の方向への指の移動を検出した場合には、前記表示部は、表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示し」の構成を有していない点。

相違点5
刊行物1発明は、補正後発明の「前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内でのタップ操作を検出した場合には、前記表示部は、前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示し」の構成を有していない点。

相違点6
補正後発明では「コンテンツリスト」、「第1のコンテンツについての情報」であるのに対し、刊行物1発明では「チャンネル一覧」、「チャンネル情報」である点。

相違点7
補正後発明では「前記第1の方向に対して略直交する第2の方向」であるのに対し、刊行物1発明では、「第2の方向」が「前記第1の方向に対して略直交する」の特定事項を有さない点。

相違点8
刊行物1発明は、補正後発明の「前記表示部が表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示する処理と、前記表示部が前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示する処理と、前記通信I/Fが前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を、前記受信装置に送信する処理とは、互いに異なる指操作の検出結果に応じて行われる」の構成を有していない点。

(オ)判断
(オ-1)相違点1、相違点3、相違点6について
刊行物1発明の第1表示部130bに表示される内容について、刊行物1には、模式的に1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報が枠で囲われて並べて表示され、当該表示状態から、所望のチャンネルの番組を選択することが開示されている。
しかし、刊行物1のような表示の態様では、チャンネル番号と放送局は理解できるが、どの放送局でどのような内容を放送しているかは即座に理解することができず、チャンネル選択を行うにあたり、上記チャンネル選択を素早く行うことができないことは当業者には普通に想起できることである。
そして、上記チャンネル選択を素早く行うことができるよう、チャンネル番号や放送局の情報に加えて番組名や番組内容等を含んだ番組情報を一覧で表示する番組表(EPG)を表示し、上記番組表から所望の番組を選択する技術は本願出願前周知の事項であり、刊行物1発明において、1チャンネルの「NBC」、2チャンネルの「BBC」、3チャンネルの「CNN」というチャンネル情報を枠で囲んだ表示に代えて番組表を採用することは、当業者が容易になしえたことであり、当該番組表を表示するためには、上記番組表を生成する手段を設けることは当然のことである。
したがって、刊行物1発明に相違点1、相違点3の構成を採用することは、当業者が容易になしえたことである。

(オ-2)相違点2、相違点4について
刊行物1の図3には、1チャンネルの「NBC」(枠A)、2チャンネルの「BBC」(枠B)、3チャンネルの「CNN」(枠C)が表示されることが記載されている。
上記枠Aの左側には、枠A(または枠C)の一部と同じ形状の3重の枠が、枠Cの右側には、枠A(または枠C)の一部と同じ形状の3重の枠が、それぞれ、記載されていることから見て、枠Aないし枠Cの右側、及び左側には、さらに、他のチャンネル情報が並んでいることが当業者であれば理解できる。
したがって、上記枠Aないし枠Cは表示対象であるチャンネル情報の一部であることは当業者が図3の記載から理解できるといえ、相違点2の構成は、図3を見れば当業者が普通に想起しえたことである。
このように、枠Aないし枠Cの右側、及び左側にさらに他のチャンネルがあるとき、上記他のチャンネルを選択するためには、上記枠を右または左に移動させ、現在表示されていない枠に相当するチャンネルを表示させようとすることは普通のことであり、刊行物1発明の上記サブ画像処理装置(携帯端末)は、タッチパネルであるから、上記チャンネル枠を移動させる際に当該タッチパネルの機能を利用して、タッチパネルの上記チャンネル枠が表示されている部分で、タッチパネルにタッチしながら指を左右に移動させる(刊行物1発明は、例えばドラッグが検知できる構成も有している。)ことで、上記表示されていない枠に相当するチャンネルを表示させることを実現しようとすることは当業者が容易になしえたことである。
したがって、刊行物1発明において、相違点4の構成を採用することは、当業者が容易になしえたことである。

(オ-3)相違点5について
チャンネルの情報に加えて、さらに当該チャンネルで放送されている番組の詳細情報を、所望のチャンネル情報の領域をタッチすることにより表示可能とすることは、刊行物2に記載されるとおり本願出願前公知の事項であり、刊行物1発明において、番組選択をより行いやすくするように、詳細情報を表示する構成を刊行物2に記載された技術を用いて実現することは当業者が容易になしえたことである。

(オ-4)相違点7について
刊行物1発明において「前記検出部が前記タッチパネル上で、前記チャンネル一覧に含まれる第1のチャンネル情報の情報表示枠内を始点とする第2の方向への指の移動を検出した場合には」の第2の方向について検討する。
刊行物1の図3を参酌すると、引き出し線11で表される矢印は、フリック入力11であることは、発明の詳細な説明から明らかであり、当該フリック入力11でチャンネル変更を可能としているのであるから、第2の方向は、図面の上方であるといえる。
そして、上記(オ-2)で検討したように、第1の方向は、図面の左右方向であるから、第1の方向と第2の方向とは略直行しているといえる。
したがって、刊行物1発明において、相違点7の構成を採用することは、当業者が容易になしえたことである。

(オ-5)相違点8について
上記(オ-2)、(オ-3)、(オ-4)にて検討したように、刊行物1発明において、「前記表示部が表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示する処理」、「前記表示部が前記第1のコンテンツについての詳細情報を表示する処理」、「前記通信I/Fが前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を、前記受信装置に送信する処理」のそれぞれについて、互いに異なる指操作の検出結果に応じて行われることは当業者が容易になしえたことであるから、刊行物1発明に、相違点8の構成を採用することは当業者が容易になしえたことである。

(カ)効果
以上のように、上記相違点は、当業者が容易に想到し得たものと認められ、本願発明全体としてみても格別のものはなく、その作用効果も、上記相違点に係る構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。

(キ)まとめ(独立特許要件)
以上によれば、補正後発明は、刊行物1、刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成26年12月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし24に係る発明は、平成26年6月20日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし24に係る発明のとおりであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成26年6月20日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

【請求項1】
受信装置と直接または間接的に通信可能な通信I/Fと、
コンテンツを示す情報の一覧であるコンテンツリストを生成するコンテンツリスト生成部と、
タッチパネルと一体に構成され、前記コンテンツリストの少なくとも一部を表示可能な表示部と、
前記タッチパネルへの指のタッチ及び前記タッチパネル上での指の移動を検出する検出部と、を備え、
前記表示部が前記コンテンツリストの一部を表示している状態において、前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする第1の方向への指の移動を検出した場合には、前記表示部は、表示されていなかった前記コンテンツリストの一部を表示し、
前記検出部が前記タッチパネル上で、前記コンテンツリストに含まれる第1のコンテンツについての情報表示枠内を始点とする前記第1の方向に対して略直交する第2の方向への指の移動を検出した場合には、前記通信I/Fは、前記第1のコンテンツを前記受信装置で出力するための情報を、前記受信装置に送信する、
ことを特徴とする携帯端末。

2.刊行物1の記載
審査官が拒絶の査定で引用した刊行物1には、上記第2 2.(2-3)(イ)(イ-1)に示したとおりの事項が記載されている。

3.刊行物1記載の発明
上記刊行物1には、上記第2 2.(2-3)(ウ)に示した、刊行物1発明が記載されている。

4.対比・判断
本願発明は、前記第2 2.(2-3)(ア)で認定した補正後発明から、上記第2 2.(2-2)で検討した付加して限定する構成を省いたものである。
上記補正後発明と本願発明とを対比すると、以下の点で、補正後発明を限定する特定事項が省かれている。

(ア)補正後発明の構成要件(D)において、「前記タッチパネルへの指の接触であるタッチ、前記タッチパネルを指で叩く操作であるタップ操作、及び前記タッチパネル上での指の移動を検出する検出部」特定されているのに対し、
(ア-1)本願発明では、上記特定事項の「前記タッチパネルへの指の接触であるタッチ」の特定事項の「接触である」の特定事項が省かれ、
(ア-2)本願発明では、上記特定事項の「前記タッチパネルを指で叩く操作であるタップ操作」の特定事項が省かれている点。

(イ)補正後発明の構成要件(F)が省かれている点。

(ウ)補正後発明の構成要件(H)が省かれている点。

上記構成要件が省かれた本願発明と、刊行物1とを対比すると、上記第2 2.(2-3)(エ)で検討した相違点1ないし相違点4、相違点6、相違点7が、本願発明と刊行物1発明との相違点であるといえる。
そして、上記の相違点は、上記第2 2.(2-3)(オ)で検討したとおり、刊行物1に記載された発明および本願出願前周知の技術事項に基づき当業者が容易に想到し得たことであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 まとめ
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、残る請求項2ないし24に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-11-13 
結審通知日 2015-11-17 
審決日 2015-12-01 
出願番号 特願2013-47471(P2013-47471)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福西 章人  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 渡邊 聡
小池 正彦
発明の名称 携帯端末、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム  
代理人 青稜特許業務法人  

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