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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1310249
審判番号 不服2015-2647  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-10 
確定日 2016-01-21 
事件の表示 特願2013-229779「医用情報処理装置、医用情報処理方法、医用情報処理システム、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月 3日出願公開、特開2014- 59892〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

平成19年9月28日に、特願2007-256013号が出願され、平成25年11月5日に、該出願を原出願とする特許法第44条第1項の規定による新たな特許出願(以下「分割出願」と記す。)として、本件に係る特許出願(以下「本願」と記す。)が出願され、平成25年12月5日付けで審査請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされ、平成26年7月16日付けで拒絶理由が通知され、同年9月22日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされたが、同年11月4日付けで拒絶査定がなされたものである。
これに対して、平成27年2月10付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。

第2 平成27年2月10日付けの手続補正についての却下の決定

[補正却下の結論]
平成27年2月10日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
平成27年2月10日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。(なお、下線は、補正の箇所を示すものとして審判請求人が付加したものである。)
「【請求項1】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段と、
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との相違点がある場合に、当該相違点を取得する第二の取得手段と、
前記取得される相違点についての評価値を取得する第三の取得手段と、
前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記評価値に基づいて、前記病変に関する情報を出力するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記評価値に基づいて、前記病変の類似症例のデータ、前記病変の診療方法のデータの少なくともいずれかを表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた画像特徴量の値、前記処理手段により用いられた計測数値及び患者属性、前記医用検査データを入力とした識別器による計算結果の少なくともいずれかを表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記第一の取得手段は、前記被検体の診断結果を示す情報として、前記被検体の病変の種別、寸法、状態及び所見に関するデータの少なくともいずれか一つを取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との相違点を検出する検出手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記検出された相違点に基づいて該相違点の評価値を算出する算出手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、前記評価値として、病変の重要度、病変の進行度、病変と検査目的の関連度合いの少なくともいずれかに基づく値を得る
ことを特徴とする請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる
ことを特徴とする請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段と、
被検体の医用検査データを処理することにより前記被検体の病変に関する情報を取得する処理手段と、
前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との相違点がある場合に、当該相違点を取得する第二の取得手段と、
前記取得される相違点についての評価値を取得する第三の取得手段と、
前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用情報処理システム。
【請求項11】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得するステップと、
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との相違点がある場合に、当該相違点を取得するステップと、
前記取得される相違点についての評価値を取得するステップと、
前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させるステップと、
を有することを特徴とする医用情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の医用情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。」

(2)補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段と、
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との差分がある場合に、当該差分を取得する第二の取得手段と、
前記取得される差分についての評価値を取得する第三の取得手段と、
前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記評価値に基づいて、前記病変に関する情報を出力するか否かを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記評価値に基づいて、前記病変の類似症例のデータ、前記病変の診療方法のデータの少なくともいずれかを表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた画像特徴量の値、前記処理手段により用いられた計測数値及び患者属性、前記医用検査データを入力とした識別器による計算結果の少なくともいずれかを表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記第一の取得手段は、前記被検体の診断結果を示す情報として、前記被検体の病変の種別、寸法、状態及び所見に関するデータの少なくともいずれか一つを取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との差分を検出する検出手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記検出された差分に基づいて該差分の評価値を算出する算出手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、前記評価値として、病変の重要度、病変の進行度、病変と検査目的の関連度合いの少なくともいずれかに基づく値を得る
ことを特徴とする請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記被検体の病変に関連する情報を表示させるか否かを制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段と、
被検体の医用検査データを処理することにより前記被検体の病変に関する情報を取得する処理手段と、
前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との差分がある場合に、当該差分を取得する第二の取得手段と、
前記取得される差分についての評価値を取得する第三の取得手段と、
前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用情報処理システム。
【請求項11】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得するステップと、
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との差分がある場合に、当該差分を取得するステップと、
前記取得される差分についての評価値を取得するステップと、
前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御するステップと、
を有することを特徴とする医用情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の医用情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。」

2 補正の適否について
(1)補正の目的について
補正後の請求項1および12に係る発明は、補正前の請求項1および12に係る発明に対応し、補正後の請求項1および12に係る発明は、補正前の請求項1および12に係る発明に次の補正がなされたものである。

(a)補正前の請求項1,10および11の「差分」について、補正後の請求項1,10および11において、「相違点」とする補正。

補正事項(a)について検討すると、補正後の「相違点」は、補正前の不明りょうな記載である「差分」を「相違点」とすることで明りょうにするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

(b)補正前の請求項1および10の「前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御する表示制御手段」について、補正後の請求項1および10において、「前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる表示制御手段」とする補正。

補正事項(b)について検討すると、補正後の「前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる表示制御手段」は、補正前の「前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御する表示制御手段」について、その「表示制御手段」の制御する、「前記被検体の病変に関連する情報の表示」を、「前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示」と表示する内容を限定するものである。

(c)補正前の請求項9の「前記表示制御手段は、前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記被検体の病変に関連する情報を表示させるか否かを制御する」について、補正後の請求項9において、「前記表示制御手段は、前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる」とする補正。

補正事項(c)について検討すると、補正後の「前記表示制御手段は、前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる」は、補正前の「前記表示制御手段は、前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記被検体の病変に関連する情報を表示させるか否かを制御する」について、その「表示制御手段」の制御を、「前記評価値と閾値との大小関係に基づいて前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる」として、表示させる内容を限定するものである。

(d)補正前の請求項11の「前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御するステップ」について、補正後の請求項11において、「前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させるステップ」とする補正。

補正事項(d)について検討すると、補正後の「前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させるステップ」は、補正前の「前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御するステップ」について、その「制御するステップ」の「前記被検体の病変に関連する情報の表示」を、「前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示」と、表示する内容を限定するものである。

(e)小括
したがって、上記補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定された「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とし、また、同法第17条の2第5項第4号に規定された「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものに該当する。

そこで、補正後の請求項に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

(2)進歩性について
補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)は、手続補正書によって補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、上記[理由]1の「(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載」の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。

(a)各引用例について
(a-1)引用例1の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-333972号公報(以下,「引用例1」という。)には、図面とともに、以下のことが記載されている。(なお、下線は、当審において付与した。以下、同じ。)


(ア)「【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、医用画像等の医用検査デ-タに対する医師の所見やコンピュータによる分析等の複数の診断情報を比較対照して、医師の医用検査デ-タの診断効率向上に利用できる医用診断支援システムに関する。」

(イ)【0008】ところで、撮影フィルムなどのアナログ画像に対して、デジタル画像は複写や年月を経ることによる画質の劣化がなく、またコンピュータによる画像処理が容易であるという特長を有するため、このデジタル画像をコンピュータで解析し、患者の異常を検出する試みがなされてきており、成果をあげている。この技術はコンピュータ支援診断(Computer-Aided Diagnosis;以下「CAD」と称する。)と呼ばれ、画像診断の正確度を向上させ、かつ医師の画像診断に掛かる負担を軽減させるものとして期待されている。

(ウ)「【0019】
【作用】本発明の医用診断支援システムは、複数の医師の診断情報、コンピュータ処理で得られた複数の診断情報、あるいは医師の診断情報とコンピュータ処理で得られた診断情報など複数の診断情報を比較して、その同一か否かを判断し、もし異なる場合はこれを知らせることにより、医師が単独で医用検査デ-タの処理、特に医用画像の読影を行う場合に比べて、医用診断行為を支援し、読影正確度の向上と読影効率の向上を図ることができる。 」

(エ)「【0282】4.CAD処理と診断情報の作成(1)CAD処理
ワークステーションは、入手した4検査分のすべての画像について、CAD処理が適用できる画像についてCAD処理を行う。このCAD処理は読影前に行われる確率が高い。なぜならば、現状の技術では、検査が行われて画像が収集されてから数分後にはワークステーションに画像が準備できるが、その検査の画像が読影されるのはそれより後になるのが普通だからである。
・・・( 中 略 )・・・
【0285】CAD処理装置(WS-CADP)4eは、入力された画像データに対して肺間質性疾患検出手段を作用させ、画像データの解析を行う。解析の結果えられた異常位置と異常度のデータ、および正常解剖構造または画像診断上の領域の位置データは、CAD処理装置(WS-CADP)4eの内部のメモリに記憶される。
【0286】4-1-3)ワークステーションWS-1の制御装置(WS-CTRL)4aは、検査ID番号103541の検査の画像番号が1の画像を画像等記憶装置(WS-IM)4fから読み出し、“肺小結節”検出指示を意味するデータとともにCAD処理装置(WS-CADP)4eに入力する。
【0287】CAD処理装置(WS-CADP)4eは、入力された画像データに対して肺小結節検出手段を作用させ、画像データの解析を行う。解析の結果えられた異常位置と異常度のデータは、CAD処理装置(WS-CADP)4eの内部のメモリに記憶される。
・・・( 中 略 )・・・
【0293】この時点で、CAD処理装置(WS-CADP)4eの内部のメモリに記憶されている異常位置と異常度を表わすデータを下記表22に示す。
【0294】
【表22】
【0295】この表における異常度は、肺間質性疾患の場合、1から10までの数字で表わすことができる。なお異常の種類が肺小結節の場合、異常度は小結節の大きさ(cm)を表す。また、異常が存在する領域を示すデータは、この段階では作成されておらず、空欄となる。この表22に示すデータを、簡単のため以下「異常データ表」と呼ぶことにする。 」

(オ)「【0351】5.読影医による画像の読影と読影レポートの入力
ワークステーションには、一般的に複数患者の画像が準備されていが、読影医は、読影を行う場合、どの患者の画像を先に読影するかについては無関心なのが普通である。よって、ワークステーションでは、読影対象検査の検査年月日が古いものから順に読影するように、自動的に順序を決めておく。
・・・( 中 略 )・・・
【0375】(2)読影医による読影レポートの入力画像の読影を終えたら、医師はワークステーション(WS)に読影レポートを入力する。入力には入力装置(WS-INPUT)4cが、表示には文字表示装置(WS-CDISP)4dが用いられる。読影レポートは、単語や句や文章を選択することにより入力される。選択されるべき単語、句、文章は、ワークステーション(WS)の制御装置(WS-CTRL)4aのシステムディスクに予め登録されており、この辞書はシステム全体で共通に使用される。」

(カ)「【0386】6.診断情報の比較と読影医への注意の喚起
(1)読影レポートからの比較対象所見の抽出読影レポートの所見のうち、CAD処理結果から作成された診断情報との比較の対象になる所見を抽出する。
【0387】ワークステーションWS-1の制御装置(WS-CTRL)4aは、読影レポートの各所見について、次のデータの組合わせが異常検出手段選択情報の中に存在するかどうかを調べ、一致した所見を抽出する。
【0388】
○異常の種類(読影レポートの所見にあるもの)
○読影対象検査の検査部位(検査歴にある)
○モダリティ(検査歴にある)
○検査方法(検査歴にある)
○画像の撮影方向(読影レポートの所見にある読影対象検査の中の画像番号の画像についての撮影方向であり、画像付随情報にある)
本実施例の場合は、上記表29における所見番号1の所見が抽出される。
【0389】(2)読影レポートと異常データ表との比較と注意の喚起
ワークステーションWS-1の制御装置(WS-CTRL)4aは、上述の動作(1) で抽出された読影レポートの所見の各々について、次の手順で異常データ表との比較を行う。
【0390】(a)読影レポートの所見にある「比較した過去の検査の検査ID番号」を読み、読影対象画像のみの読影によって得られた所見かどうかを判断する。
すなわち、比較した過去の検査の検査ID番号が0であるかを調べる。そして、0であれば、(b)のステップに進み、0でなければ、(c)に進む。
【0391】(b)ワークステーションWS-1の制御装置(WS-CTRL)4aは、読影レポートのその所見と異常データ表(表22)の各異常について、次の4組のデータを比較し、4組とも一致する異常データ表の各異常を抽出する。
【0392】
○異常の種類
○異常が存在する領域
○読影対象検査の検査ID番号(読影レポートの所見には記入されていないが、検査歴から容易に分かる)
○読影対象検査の中の画像番号
ここで抽出された異常データ表の異常については、読影医の所見と結果が一致したものと判断する。
【0393】(c)動作(1)で抽出された読影レポートの他の所見についても、(a)と(b)のステップを実行する。
【0394】(d)この段階で、動作(1)で抽出された全ての所見および異常データ表のすべての異常について、一致した相手があった場合は、読影医の所見とCAD処理の結果は一致したと判断する。そして、これ以降のステップは実行されない。
【0395】一致した相手がひとつもなかったレポートの所見または異常データ表の異常があれば、それらについては、読影医の所見とCAD処理の結果が異なっていると判断する。これには次の2つの場合がある。
【0396】ケース1:読影医は正常と判断し(所見はない)、CADは異常を検出した。
【0397】ケース2:読影医は異常と判断し、CADは異常を検出できなかった。
【0398】ワークステーションWS-1の制御装置(WS-CTRL)4aは、一致した相手がひとつもなかった読影レポートの所見と異常データ表の異常を、読影レポートと異常データ表から読み出し、別に記憶する。
【0399】(e)上記のケース1に属する異常データがある場合は、制御装置(WS-CTRL)4aは、次のことを行う。
【0400】○「ピーッ」という音を出力する。
【0401】○文字表示装置(WS-CDISP)4dの作成された読影レポートが表示されている部分の用語表示領域に、「CADは所見にない異常を指摘しています。」というメッセージを表示する。
【0402】○ケース1に該当する異常データを検出した画像を画像表示装置(WS-IDISP)4dに表示する。
【0403】○その画像についての異常の検出結果を示すオーバーレイデータをその画像に重ねて表示する。
【0404】○オーバーレイデイータして表示された矢印のうち、ケース1に該当する異常の矢印だけを点滅して表示させる。すなわち、この時だけは、オーバーレイ表示情報の中の点滅制御情報を「点滅あり」に変更したデータを画像表示マネージャ4hに送る。
【0405】ところで、ケース2の場合について読影医に注意を喚起しないのは、現状のCAD技術では画像の中に異常検出できない領域が存在しており、読影医はその領域に異常を認めたかもしれないからである。技術の進歩によって異常を検出できない領域がなくなれば、ケース2の場合についても読影医に注意を喚起することになろう。その場合は、
○文字表示装置(WS-CDISP)4dの読影レポートが表示されている部分の用語表示領域に、「所見1:CADは正常と指摘しています」のように、所見番号と注意喚起のメッセージを表示する。
【0406】などの方法が考えられる。」

(キ)「【0431】7.読影医によるCAD処理結果の参照
読影医はここで、表示された画像と矢印を見て参考にする。そして、必要ならば、さらにCADの処理結果すなわち異常データや異常の経時変化データ表を、文字表示装置(WS-CDISP)4dに表示させることができる。そのためには、読影医は、入力装置(WS-INPUT)4cからコマンドと検査ID番号と画像番号を入力する。
・・・( 中 略 )・・・
【0446】なお、これらの情報は、前記6.診断情報の比較と読影医への注意の喚起のシステム動作において、自動的に表示するようにしてもよい。 」

(ク)「【0447】8.読影レポートの完成と保管
(1)読影レポートの完成
(a)読影医は、必要と認めたならば、入力装置(WS-INPUT)4dからの入力により、先ほど入力した読影レポートを修正する。ワークステーションWS-1の制御装置(WS-CTRL)4aは、システムメモリに記憶している読影レポートを変更し、変更されたデータを文字表示装置(WS-CDISP)4dの読影レポート作成領域に表示する。」

(a-2)引用例1記載の発明について
上記(ア)?(ク)の記載を参照すると、次のことがいえる。

(あ)上記(ウ)の記載によれば、引用例1記載の発明は、「医師の診断情報とコンピュータ処理で得られた診断情報など複数の診断情報を比較して、その同一か否かを判断し、もし異なる場合はこれを知らせることにより、医師が単独で医用検査デ-タの処理、特に医用画像の読影を行う場合に比べて、医用診断行為を支援し、読影正確度の向上と読影効率の向上を図ることができる。」
(い)上記(ア)の記載から、引用例1記載の発明は、医用画像等の医用検査デ-タに対する医師の所見やコンピュータによる分析等の複数の診断情報を比較対照して、医師の医用検査デ-タの診断効率向上に利用できる医用診断支援システムに関する発明である。
(う)上記(イ)(エ)の記載から、引用例1記載の発明は、コンピュータ支援診断(CAD)により、入力された画像データについてCAD処理を行い、異常位置と異常度を表わすデータを「異常データ表」として作成している。
(え)上記(オ)の記載から、引用例1記載の発明は、読影医による読影レポートの入力画像の読影を終えたら、医師はワークステーション(WS)に「読影レポート」を入力している。
(お)上記(カ)の記載から、引用例1記載の発明は、「読影レポート」の所見の各々について、「異常データ表」との比較を行い、一致する相手がある場合は、読影医の所見とCAD処理の結果は一致したと判断し、また、一致した相手が一つも無かった「読影レポート」の所見または「異常データ表」の異常があれば、それらを、読影は正常と判断し、CADは異常を検出した場合(ケース1)と、読影医は異常と判断し、CADは異常を検出できなかった場合(ケース2)とに分け、ケース1に該当する異常データがある場合は、「ピーッ」という音を出力し、「CADは所見にない異常を指摘しています。」というメッセージを表示し、ケース1に該当する異常データを検出した画像を画像表示装置(WS-IDISP)に表示し、その画像についての異常の検出結果を示すオーバーレイデータをその画像に重ねて表示し、オーバーレイデイータして表示された矢印のうち、ケース1に該当する異常の矢印だけを点滅して表示させている。
(か)上記(キ)の記載から、引用例1記載の発明は、上記(お)記載の動作において、ケース1に該当する異常データがある場合に、CADの処理結果すなわち「異常データ表」を自動的に表示している。
(き)上記(ク)の記載から、引用例1記載の発明は、上記(お)(か)記載の動作において、読影医が必要と認めたならば「読影レポート」を修正する。

上記(あ)?(き)の事項を踏まえると、引用例1には、実質的に次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。

医用画像等の医用検査デ-タに対する医師の所見やコンピュータによる分析等の複数の診断情報を比較対照して、医師の医用検査デ-タの診断効率向上に利用できる医用診断支援システムであって、
医師の診断情報とコンピュータ処理で得られた診断情報など複数の診断情報を比較して、その同一か否かを判断し、もし異なる場合はこれを知らせることにより、医師が単独で医用検査デ-タの処理、特に医用画像の読影を行う場合に比べて、医用診断行為を支援し、読影正確度の向上と読影効率の向上を図るために、
コンピュータ支援診断(CAD)により、入力された画像データについてCAD処理を行い、異常位置と異常度を表わすデータを「異常データ表」として作成し、
読影医は、読影医による読影レポートの入力画像の読影を終えたら、医師はワークステーション(WS)に「読影レポート」を入力し、
「読影レポート」の所見の各々について、「異常データ表」との比較を行い、一致する相手がある場合は、読影医の所見とCAD処理の結果は一致したと判断し、また、一致した相手が一つも無かった「読影レポート」の所見または「異常データ表」の異常があれば、それらを、読影は正常と判断し、CADは異常を検出した場合(ケース1)と、読影医は異常と判断し、CADは異常を検出できなかった場合(ケース2)とに分け、ケース1に該当する異常データがある場合は、「ピーッ」という音を出力し、「CADは所見にない異常を指摘しています。」というメッセージを表示し、ケース1に該当する異常データを検出した画像を画像表示装置(WS-IDISP)に表示し、その画像についての異常の検出結果を示すオーバーレイデータをその画像に重ねて表示し、オーバーレイデータとして表示された矢印のうち、ケース1に該当する異常の矢印だけを点滅して表示させるとともに、「異常データ表」を自動的に表示し、
読影医が必要と認めたならば「読影レポート」を修正する、
医用診断支援システム。

(a-3)引用例2の記載について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2007-61638号公報(以下,「引用例2」という。)には、図面とともに、以下のことが記載されている。

(ケ)「【0018】
[参考例1]
まず診断支援の詳細について説明する。一般に医療における診断行為は医師の判断により行われている、このことは医師の経験差や主観判断の違いによる診断結果の相違が生じる可能性があることを示している。この問題に対し、診断支援は所見に対する情報の客観的表示、線形判別関数やニューラルネットワーク等の識別分類手法を用いた疾患分類結果表示、診断時における典型症例や類似症例の参照表示等、様々な情報を提供することでばらつきのない正確な診断を実現することを目的としている。診断支援コンテンツは診断支援において提供する支援情報の内容や種類であり、例えば以下の(1)?(5)に示すバリエーションが考えられる。これらの診断支援コンテンツは、画像撮像機器(モダリティ、本願発明においては内視鏡システムを例に説明する)、検査部位、注目する疾患名等に応じて適宜作成される。」

(コ)「【0024】
(3)典型症例、類似症例画像及び患者・検査情報表示
診断対象となる症例の画像に対し、疑われる診断結果の典型症例及び類似症例画像を比較参照用に表示することで診断支援を行うための診断支援コンテンツの例を図11に示す。図11は医師に対し提示される表示画面の内容であり、マウス等の入力手段を用いてインタラクティブに指示を行うことができるウィンドウとして構成されている。図11の内容としては、表示領域A21において診断支援コンテンツ名称A22、診断対象画像表示領域A23、参照用画像表示領域A24、参照用画像を典型症例または類似症例のいずれとするかを選択するためのボタンA25、複数の参照用画像がある場合に前後の画像を選択表示するための選択ボタンA26、参照用画像の詳細を表示するための詳細表示ボタンA27、参照用画像の診断名表示兼プルダウンメニューA28、診断対象画像及び参照用画像の各種特徴量等の比較情報表示領域A29、各ボタンとメニューをマウス操作及びクリックにより選択するためのカーソルA30からなっている。
【0025】
参照用画像としては、前述の診断支援コンテンツ(1)及び(2)により得られた診断結果やメニューA28を用いた医師のマニュアル指定による診断名に基づく症例の画像が選択される。本例においてはIIa型早期胃癌のNo.12が付与された参照用画像を表示している。詳細表示ボタンA27がクリックされた場合には、図12に示す参照用画像の詳細表示画面が別のウィンドウとして開き、各種の情報を表示する。また、参照用画像として類似症例画像を選択した場合には、比較情報表示領域A29に示す各種特徴量の値が近い症例画像を検索の上、表示する。
【0026】
このように、疑われる疾患の典型的症例画像や類似症例画像を表示し、診断時に比較検討することができるため、医師の経験差や知識を補うとともに診断の正確さが向上する。」

(く)上記(ケ)(コ)の記載によれば、引用例2には,次の事項が記載されているといえる。

<引用例2の記載事項>
ばらつきのない正確な診断を実現することを目的として、診断対象となる症例の画像に対し、疑われる診断結果の典型症例及び類似症例画像を比較参照用に表示することで診断支援を行う。

(b)対比
(b-1)本件補正発明と引用例1発明とを対比する。
(ア)引用例1発明の「医用診断支援システム」は、本件補正発明の「医用情報処理装置」に相当する。
(イ)引用例1発明は、読影医が、読影医による読影レポートの入力画像の読影を終えたら、医師はワークステーション(WS)に「読影レポート」を入力しており、引用例1発明の「読影レポート」は、本件補正発明の「ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報」に相当するから、引用例1発明においても、本件補正発明の「ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段」を備えていると認められる。
(ウ)引用例1発明は、コンピュータ支援診断(CAD)により、入力された画像データについてCAD処理を行い、異常位置と異常度を表わすデータを「異常データ表」として作成しているから、引用例1発明の「異常データ表」は、本件補正発明の「被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報」に相当する。
(エ)引用例1発明は、「読影レポート」の所見の各々について「異常データ表」との比較を行い、一致する相手がある場合は、読影医の所見とCAD処理の結果は一致したと判断し、また、一致した相手が一つも無かった「読影レポート」の所見または「異常データ表」の異常があれば、それらを、読影は正常と判断し、CADは異常を検出した場合(ケース1)と、読影医は異常と判断し、CADは異常を検出できなかった場合(ケース2)とに分けているから、(ケース1)および(ケース2)の判断は、「読影レポート」と「異常データ表」との間に相違があるときに行われていると認められる。また、この相違点に基づいて(ケース1)および(ケース2)の判断を行っているから、当然その判断のための情報、即ち、相違点を取得するための手段を有している。
そうすと、引用例1発明は、本件補正発明の「被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との相違点がある場合に、当該相違点を取得する第二の取得手段」と同様の手段を有していると認められる。
(オ)さらに、引用例1発明は、一致した相手が一つも無かった「読影レポート」の所見または「異常データ表」の異常について、(ケース1)および(ケース2)に分けているから、上記(エ)で取得した相違点について、(ケース1)および(ケース2)に分けるための「評価」を行っていると認められる。また、該「評価」を行う(取得する)ための「(取得)手段」を当然備えていると認められる。
そうすると、引用例1発明は、本件補正発明の「前記取得される相違点についての評価値を取得する第三の取得手段」について、「前記取得される相違点についての評価を取得する第三の取得手段」を備える点で一致する。

(b-2)以上(ア)?(オ)のことから、本件補正発明と引用例1発明とは、以下の点で一致し、また、相違する。

[一致点]
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段と、
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との相違点がある場合に、当該相違点を取得する第二の取得手段と、
前記取得される相違点についての評価を取得する第三の取得手段と、
を有することを特徴とする医用情報処理装置。

[相違点1]
本件補正発明は、「第三の取得手段」において「前記取得される相違点についての評価値を取得」しているのに対して、引用例1発明は「評価」の取得において、「評価値」について明示されていない点。

[相違点2]
本件補正発明は、「前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる表示制御手段」を有しているのに対して、引用例1発明は、対応する表示を行っていない点。

(c)当審の判断
上記相違点について検討する。

(ア)[相違点1]について
コンピュータ等を用いたシステムを用いて「評価」を行う際に、コンピュータが何らかの値(即ち、「評価値」。)を計算し、その値を基準に「評価」を行うことは、周知の技術である。
そして、引用例1発明の「評価」において、「評価値」を用いて「評価」を行うことを妨げるものは無く、また、評価の手法として「評価値」を用いることに格別の困難性は認められないから、引用例1発明において、上記周知技術を採用することは、当業者が適宜為し得る事項である。
そうすると、引用例1発明に上記周知技術を採用し、本件補正発明の「前記取得される相違点についての評価値を取得する第三の取得手段」と同様の手段を有することに、格別の困難性は認められない。

(イ)[相違点2]について
引用例1発明の目的は、「医師の診断情報とコンピュータ処理で得られた診断情報など複数の診断情報を比較して、その同一か否かを判断し、もし異なる場合はこれを知らせることにより、医師が単独で医用検査デ-タの処理、特に医用画像の読影を行う場合に比べて、医用診断行為を支援し、読影正確度の向上と読影効率の向上を図る」ことであり、また、引用例2の記載事項である「ばらつきのない正確な診断を実現することを目的として、診断対象となる症例の画像に対し、疑われる診断結果の典型症例及び類似症例画像を比較参照用に表示することで診断支援を行う」ことも、医用診断行為を支援し、読影正確度の向上と読影効率の向上を図ることであるから、引用例1発明の目的も、引用例2の目的も、「医用診断行為を支援し、読影正確度の向上と読影効率の向上を図る」という点で、共通する。
また、引用例2の記載事項は、引用例1発明を妨げるものではないことも明らかである。
そうすると、引用例1発明において、ケース1に該当する異常データがあった場合に、ケース1に該当する異常データを検出した画像を画像表示装置に表示するとともに、「読影正確度の向上と読影効率の向上を図る」ための情報、即ち、診断対象となる症例の画像に対し、疑われる診断結果の典型症例及び類似症例画像を比較参照用に表示することとし、本件補正発明の「前記評価値に基づいて、前記処理手段により得られた病変についての類似症例のデータを表示させる表示制御手段」を備えるようにすることは、当業者が適宜為し得る事項である。
そして、引用例1発明に、引用例2の記載事項を適用し、本件補正発明と同様の発明とすることは、本件補正発明および引用例1発明並びに引用例2の記載事項が、ともに、医療における診断に関する技術であることから、格別の困難性は認められない。

(ウ)小括
そして、上記相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は,引用例1発明及び公知の技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
よって、本件補正発明は、引用例1発明及び公知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(d)進歩性についての結論
したがって、本件補正発明は、引用例1発明及び公知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 むすび
「2 補正の適否について」で検討したとおり、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 補正却下の決定を踏まえた検討
(1)本願発明
平成27年2月10日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成26年9月22日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
ユーザにより入力された、被検体の診断結果を示す情報を取得する第一の取得手段と、
被検体の医用検査データを処理する処理手段により得られる前記被検体の病変に関する情報と、前記診断結果を示す情報との差分がある場合に、当該差分を取得する第二の取得手段と、
前記取得される差分についての評価値を取得する第三の取得手段と、
前記評価値に基づいて、前記被検体の病変に関連する情報の表示を制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用情報処理装置。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及び2には、上記「第2 [理由]2(2)(a)」に記載したとおりの事項が記載されている。

(3)対比・判断
本願発明は、上記「第2 [理由]」で検討した本件補正発明から、上記「第2 [理由]2(1)」に記載した補正事項(b)に係る限定を省き、補正事項(a)に係る「相違点」を「差分」に変更したものである。
ここで、「相違点」と「差分」は、実質同義であり、「相違点」を「差分」に変更したとしても、「第2 [理由]2(2)(b)」における一致点の判断に変わりはない。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、更に他の要件を付加したものに相当する本件補正発明が、前記「第2 [理由]2(2)」に記載したとおり、引用例1発明及び公知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1発明及び公知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび

以上のとおり、本願発明は、引用例1発明及び公知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-11-20 
結審通知日 2015-11-24 
審決日 2015-12-08 
出願番号 特願2013-229779(P2013-229779)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06Q)
P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 梅岡 信幸  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 石川 正二
小田 浩
発明の名称 医用情報処理装置、医用情報処理方法、医用情報処理システム、及びプログラム  
代理人 永川 行光  
代理人 高柳 司郎  
代理人 大塚 康徳  
代理人 下山 治  
代理人 大塚 康弘  
代理人 木村 秀二  
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