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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1310325 |
審判番号 | 不服2015-10311 |
総通号数 | 195 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-03-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-06-02 |
確定日 | 2016-02-19 |
事件の表示 | 特願2013-538920「識別子のリストのナビゲート用のデバイス、方法及びグラフィカルユーザインタフェース」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 5月18日国際公開、WO2012/065020、平成26年 1月16日国内公表、特表2014-501006、請求項の数(21)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成23年11月11日(優先権主張 平成22年11月12日、米国 平成23年3月30日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成26年5月26日付けで拒絶理由が通知され、同年8月27日付けで手続補正がされ、平成27年1月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年6月2日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がされたものである。 第2 平成27年6月2日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否 1.補正の内容 本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1を、補正後の特許請求の範囲の請求項1に変更する補正事項(以下、「補正事項1」という。)を含むものである。 そして、補正前の請求項1及び補正後の請求項1の各記載は、それぞれ、以下のとおりである。 なお、〈補正後の特許請求の範囲〉における下線は補正箇所を表している。 〈補正前の特許請求の範囲〉 「【請求項1】 電子デバイスであって、 ディスプレイと、 タッチセンサ面と、 1つ以上のプロセッサと、 メモリと、 1つ以上のプログラムとを備え、 前記1つ以上のプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成されていて、 前記1つ以上のプログラムは、 前記ディスプレイ上に、 識別子のリストの部分と、 前記識別子のリストをナビゲートするための文字選択要素と を表示するための命令と、 前記識別子のリストは、 第1の言語に関連付けられている、第1の数の第1のコンテンツ項目と、 前記第1の言語とは異なる第2の言語に関連付けられている、前記第1のコンテンツ項目とは異なる第2の数の第2のコンテンツ項目と に関連付けられていて、 前記文字選択要素は、複数の文字を示すものであり、前記文字選択要素は、 前記第1のコンテンツ項目に関連付けられていて、かつ第1のサイズを有する第1の文字選択サブ要素と、 前記第2のコンテンツ項目に関連付けられていて、かつ第2のサイズを有する第2の文字選択サブ要素と を含み、 前記第2のサイズに対する前記第1のサイズは、前記第2の数に対する前記第1の数に基づいて判定されていて、 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第1のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第2のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と を含んでいる ことを特徴とする電子デバイス。」 〈補正後の特許請求の範囲〉 「【請求項1】 電子デバイスであって、 ディスプレイと、 タッチセンサ面と、 1つ以上のプロセッサと、 メモリと、 1つ以上のプログラムとを備え、 前記1つ以上のプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成されていて、 前記1つ以上のプログラムは、 前記ディスプレイ上に、 識別子のリストの部分と、 前記識別子のリストをナビゲートするための文字選択要素と を表示するための命令と、 前記識別子のリストは、 第1の言語に関連付けられている、第1の数の第1のコンテンツ項目と、 前記第1の言語とは異なる第2の言語に関連付けられている、前記第1のコンテンツ項目とは異なる第2の数の第2のコンテンツ項目と に関連付けられていて、 前記文字選択要素は、複数の文字を示すものであり、前記文字選択要素は、 前記第1のコンテンツ項目に関連付けられる第1の文字選択サブ要素と、 ここで、前記第1の文字選択サブ要素は、前記第1の言語の第1の文字から開始され、前記第1の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第1の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第1の長さを有する; 前記第2のコンテンツ項目に関連付けられる第2の文字選択サブ要素と、 ここで、前記第2の文字選択サブ要素は、前記第2の言語の第1の文字から開始され、前記第2の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第2の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第2の長さを有する; を含み、 前記第2の長さに対する前記第1の長さは、前記第2の数に対する前記第1の数に基づいて判定されていて、且つ、前記第1の文字選択サブ要素と前記第2の文字選択サブ要素の両方が前記ディスプレイの領域内に表示される 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第1のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第2のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と を含んでいる ことを特徴とする電子デバイス。」 2.補正の適否 本件補正の内の補正事項1は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、「第1のサイズを有する第1の文字選択サブ要素」について、「前記第1の言語の第1の文字から開始され、前記第1の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第1の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第1の長さを有する」ものとの限定を付加し、「第2のサイズを有する第2の文字選択サブ要素」について、「前記第2の言語の第1の文字から開始され、前記第2の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第2の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第2の長さを有する」するものとの限定を付加し、また、「第1の文字選択サブ要素」と「第2の文字選択サブ要素」について、「前記第1の文字選択サブ要素と前記第2の文字選択サブ要素の両方が前記ディスプレイの領域内に表示される」ものであるとの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。 (1)引用例の記載事項と引用例記載の発明 原査定で引用された、林信行,“iPhone 3G徹底検証&アプリ100本トライ”,“MAC POWER 2008 Vol.3”,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2008年 8月 8日,p.24?25(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(審判注:iPhoneは商標。以下、同様。) a)「iphoneで電話をかけるには、ホームにある受話器の電話ボタンと、「キーパッド」アイコンを順にタップすると画面全体にキーパッドが表示される(図1)。番号をタップして電話番号を入力後、「発信」をタップすると電話がかかる。電話番号を登録済みの相手に電話をかける場合は、「連絡先」をタップし、表示される情報から電話番号をタップする(図2)。「連絡先」は、画面右に五十音とアルファベットのインデックスが付いており、その文字をタップするとその項目へ移動する。」(第24頁第3?13行の記載。)(下線は、当審で注目した点に付与。以下、同様。) b)図2には、連絡先の名前がリスト表示されると共に、画面右端に縦に、五十音とアルファベットの文字の一部がインデックスとして表示されている、「連絡先」をタップした場合の画面が図示されると共に、図2の説明として、「図2 電話番号を登録済みの相手に電話をかける場合は、「連絡先」をタップ。連絡先一覧(上)が表示されるので、相手の名前をタップ。相手の電話番号やメールアドレスが表示されるので、電話番号をタップすると発信(下)。・・・後略」と記載されている。(第24頁左中。) ここで、上記a)の「その文字をタップするとその項目へ移動する」とは、「インデックスの文字をタップすると、連絡先の名前のリストの表示される部分が、前記インデックスのタップされた文字に対応する部分へ移動する」ことと認められる。 また、iPhoneは、電子デバイスの一種といえる。 上記下線部及び関連箇所の記載によれば、引用例1には以下の発明(以下、「引用例1記載の発明」という。)が記載されている。 「電話番号を登録済みの相手に電話をかける場合は、ホームにある受話器の電話ボタンと、「連絡先」アイコンを順にタップし、 「連絡先」アイコンをタップした場合の画面には、連絡先の名前がリスト表示されると共に、画面右端に縦に、五十音とアルファベットの文字の一部がインデックスとして表示されており、 インデックスの文字をタップすると、連絡先の名前のリストの表示される部分が、前記インデックスのタップされた文字に対応する部分へ移動し、 相手の名前をタップすると、相手の電話番号やメールアドレスが表示され、電話番号をタップすると発信する 電子デバイス」 原査定で提示された、特開2001-184153号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 c)「【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、全データの一部を選択的に表示する情報処理装置において、表示対象とするデータの全データにおける位置を表示する位置表示手段と、全データを所定の項目に基づいて分類した際の各項目に対応するデータ量に応じた長さで、各項目名を一覧表示する項目名一覧表示手段と、前記位置表示手段によって表示された位置に対する変更指示または前記項目名一覧表示手段によって表示された一覧表示に対する項目名の選択指示に応じて、該当するデータを表示させるデータ表示手段とを具備したことを特徴とする。」(【0009】の記載。) d)「【0014】第1の実施形態における情報処理装置10は、表示可能な全データを所定の項目毎に分類し、各項目に対応するデータ数をその形状(長さ)によって表しているインデックス表示(項目名一覧表示)を行なうことができる。」(【0014】の記載。) e)「【0028】全てのインデックス項目について、それぞれに対応するデータ件数が求まると、CPU20は、一覧表示の対象とする全データ件数と、各インデックス項目に対応する対象データのデータ件数の割合をもとに、データの一覧表示と共にインデックス表示する際の各インデックス項目の形状、ここでは長さを計算して求める。すなわち、インデックス表示中においてインデックス項目を表示させる際に、インデックス項目に対応するデータの数に応じた長さによってそれぞれ表示させる(ステップA7)。」(【0028】の記載。) 原査定で提示された、特開平11-272688号公報(以下、「引用例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 f)「【0045】このように、レコード(データ)の全体数と、各レコードに対応する複数のインデックスに対応するレコードの数との割合に応じて各インデックス表示間隔を決定してインデックスバー部70に表示するため、各インデックス間のレコードの数及びインデックスの分布状況を知ることができる。また、全体のレコードから所望のレコードを選択するためのインジケータトグル82(指標)をインデックスバー部70に対応付けてインジケータバー部80に表示するため、選択するレコードが全レコードのどのあたりに位置するかを知ることができ検索の手間がかからず、高速の検索が可能となる。」(【0045】の記載。) (2)対比 本願補正発明と引用例1記載の発明とを対比する。 ア.引用例1記載の発明の「電子デバイス」である「iPhone」は、携帯電話の一種として広く知られたものであり「ディスプレイ」と「タッチセンサ面」と「1つ以上のプロセッサ」と「メモリ」と「1つ以上のプログラム」とを備え、「前記1つ以上のプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され」た「電子デバイス」といい得るものであることは明らかである。 イ.引用例1記載の発明の「連絡先の名前のリスト」は本願補正発明の「識別子のリスト」に、引用例1記載の発明の「インデックス」は本願補正発明の「前記識別子のリストをナビゲートするための文字選択要素」にそれぞれ相当し、上記「連絡先の名前のリスト」及び「インデックス」はプログラムにより「ディスプレイ」上に表示されるものであることは明らかであるから、引用例1記載の発明が有していることが明らかな「プログラム」は、本願補正発明の「1つ以上のプログラム」と、「前記ディスプレイ上に、識別子のリストの部分と、前記識別子のリストをナビゲートするための文字選択要素とを表示するための命令とを含んでいる」点で一致する。 ウ.引用例1記載の発明の「インデックス」は「五十音とアルファベットの文字の一部」を含むものであり、「インデックスの文字をタップすると、連絡先の名前のリストの表示される部分が、前記インデックスのタップされた文字に対応する部分へ移動」するものであるから、引用例1記載の発明の「連絡先の名前のリスト」は、「インデックスの五十音の文字を含む部分」に関連づけられる日本語の名前と「インデックスのアルファベットの文字を含む部分」に関連づけられる英語の名前とを含み得るものといえ、本願補正発明の「第1の言語に関連付けられている、第1の数の第1のコンテンツ項目と、前記第1の言語とは異なる第2の言語に関連付けられている、前記第1のコンテンツ項目とは異なる第2の数の第2のコンテンツ項目とに関連付けられている」「識別子のリスト」に相当するといえる。 エ.引用例1記載の発明の「インデックス」は、「五十音とアルファベットの文字の一部」を含むものであるから、「複数の文字を示すもの」といえる。 また、上記ウ.で述べたように、引用例1記載の発明の「連絡先の名前のリスト」は、「インデックスの五十音の文字を含む部分」に関連づけられる日本語の名前と「インデックスのアルファベットの文字を含む部分」に関連づけられる英語の名前とを含み得るものといえ、このことから、引用例1記載の発明の「インデックス」は、日本語の名前に関連付けられている五十音の文字を含む部分と、英語の名前に関連付けられているアルファベットの文字を含む部分とを有するといえる。 更に、引用例1記載の発明の「インデックス」は、五十音の文字を含む部分とアルファベットの文字を含む部分の両方がディスプレイ領域内に表示されるものである。 したがって、引用例1記載の発明の「インデックス」は、「複数の文字を示すものであり、日本語の名前に関連付けられている五十音の文字を含む部分と英語の名前に関連付けられているアルファベットの文字を含む部分とを有し、五十音の文字を含む部分とアルファベットの文字を含む部分の両方がディスプレイ領域内に表示されるもの」といえる。 そして、引用例1記載の発明の「インデックス」の「日本語の名前に関連付けられている五十音の文字を含む部分」は本願補正発明の「第1のコンテンツ項目に関連付けられる第1の文字選択サブ要素」に、「英語の名前に関連付けられているアルファベットの文字を含む部分」は本願補正発明の「第2のコンテンツ項目に関連付けられた第2の文字選択サブ要素」にそれぞれ相当し、引用例1記載の発明の「インデックス」は、本願補正発明の「文字選択要素」と、「複数の文字を示すものであり、 前記第1のコンテンツ項目に関連付けられる第1の文字選択サブ要素と、 ここで、前記第1の文字選択サブ要素は、前記第1の言語の第1の文字から開始され、前記第1の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第1の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第1の長さを有する; 前記第2のコンテンツ項目に関連付けられる第2の文字選択サブ要素と、 ここで、前記第2の文字選択サブ要素は、前記第2の言語の第1の文字から開始され、前記第2の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第2の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第2の長さを有する; を含み、 前記第1の文字選択サブ要素と前記第2の文字選択サブ要素の両方が前記ディスプレイの領域内に表示される」ものである「文字選択要素」 である点で一致するといえる。 オ.引用例1記載の発明は「インデックスの文字をタップすると、連絡先の名前のリストの表示される部分が、前記インデックスのタップされた文字に対応する部分へ移動」するものであり、この表示の移動がプログラムによりおこなわれることは明らかであるから、引用例1記載の発明が有していることが明らかな「プログラム」は、本願補正発明の「1つ以上のプログラム」と、「前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第1のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第2のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と を含んでいる」点で一致する。 したがって、両者は以下の一致点と相違点を有する。 〈一致点〉 「電子デバイスであって、 ディスプレイと、 タッチセンサ面と、 1つ以上のプロセッサと、 メモリと、 1つ以上のプログラムとを備え、 前記1つ以上のプログラムは、前記メモリに記憶され、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成されていて、 前記1つ以上のプログラムは、 前記ディスプレイ上に、 識別子のリストの部分と、 前記識別子のリストをナビゲートするための文字選択要素と を表示するための命令と、 前記識別子のリストは、 第1の言語に関連付けられている、第1の数の第1のコンテンツ項目と、 前記第1の言語とは異なる第2の言語に関連付けられている、前記第1のコンテンツ項目とは異なる第2の数の第2のコンテンツ項目と に関連付けられていて、 前記文字選択要素は、複数の文字を示すものであり、前記文字選択要素は、 前記第1のコンテンツ項目に関連付けられる第1の文字選択サブ要素と、 ここで、前記第1の文字選択サブ要素は、前記第1の言語の第1の文字から開始され、前記第1の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第1の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第1の長さを有する; 前記第2のコンテンツ項目に関連付けられる第2の文字選択サブ要素と、 ここで、前記第2の文字選択サブ要素は、前記第2の言語の第1の文字から開始され、前記第2の言語の第2の文字で終了し、且つ、前記第2の言語の当該第1の文字と第2の文字の間で示される第2の長さを有する; を含み、 前記第1の文字選択サブ要素と前記第2の文字選択サブ要素の両方が前記ディスプレイの領域内に表示される 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第1の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第1のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の場所に対応する、前記タッチセンサ面上の場所における入力を検出するための命令と、 前記ディスプレイ上の前記第2の文字選択サブ要素上の前記場所に対応する、前記タッチセンサ面上の前記場所における前記入力を検出することに応じて、前記第2のコンテンツ項目に関連付けられている1つ以上の識別子を備える前記識別子のリストの部分を表示するための命令と を含んでいる ことを特徴とする電子デバイス。」 〈相違点〉 本願補正発明は、「前記第2の長さに対する前記第1の長さは、前記第2の数に対する前記第1の数に基づいて判定され」るという構成を有するのに対し、引用例1記載の発明は、そのような構成を有さない点。 (3)判断 〈相違点についての判断〉 引用例2,3の上記摘記事項d)?g)に記載されるように、全データ数に対する各インデックス項目に対応するデータの数の割合に応じて各インデックスの長さを決定することは、本願出願前周知技術であったものと認められる。 しかしながら、引用例2,3のいずれにも、「第1の言語」に関連付けられているコンテンツ項目の「第1の数」と、「第2の言語」に関連付けられているコンテンツ項目の「第2の数」とに基づいて、「第2の言語」に対応するインデックスの部分である「第2の文字選択サブ要素」の「第2の長さ」に対する「第1の言語」に対応するインデックスの部分である「第1の文字選択サブ要素」の「第1の長さ」を判定することは記載されておらず、また、そのようにすることを示唆する記載も見当たらない。 この点、引用例1記載の発明に上記周知技術を適用することで、結果として、「第2の長さに対する第1の長さ」の割合が「第2の数に対する第1の数」の割合と等しいものとなることはあり得ると考えられるが、そのようになることは、引用例1記載の発明が、上記相違点に係る本願補正発明の構成を有するものになることを意味しない。 したがって、引用例2または3に記載された技術を根拠には、上記相違点の克服が容易であったとはいえない。 他に、本願補正発明を、引用例1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべき理由も、特許出願の際独立して特許を受けることができないものというべき理由も発見しない。 よって、本件補正の補正事項1は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。 本件補正のその余の補正事項についても、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に違反するところはない。 (4)むすび 以上のとおり本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。 第3 本願発明について 本件補正は上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1?21に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?21に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶するべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-02-08 |
出願番号 | 特願2013-538920(P2013-538920) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩橋 龍太郎 |
特許庁審判長 |
小曳 満昭 |
特許庁審判官 |
高瀬 勤 山田 正文 |
発明の名称 | 識別子のリストのナビゲート用のデバイス、方法及びグラフィカルユーザインタフェース |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 永川 行光 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 木村 秀二 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 下山 治 |