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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B23Q 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B23Q |
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管理番号 | 1311241 |
審判番号 | 不服2015-6910 |
総通号数 | 196 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-04-13 |
確定日 | 2016-02-17 |
事件の表示 | 特願2012-15331「電動クランプ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年8月15日出願公開、特開2013-154420〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 出 願 平成24年 1月27日 手 続 補 正 書(提出日) 平成25年 9月 5日 拒絶理由の通知(起案日) 平成26年 6月 5日 意 見 書(提出日) 平成26年 8月11日 手 続 補 正 書(提出日) 平成26年 8月11日 拒 絶 査 定(起案日) 平成27年 1月 7日 拒 絶 査 定(発送日) 平成27年 1月13日 審 判 請 求 書(提出日) 平成27年 4月13日 手 続 補 正 書(提出日) 平成27年 4月13日 第2 平成27年4月13日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成27年4月13日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容の概要 平成27年4月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正をするとともにそれに関連して明細書の一部について補正をするものであって、特許請求の範囲の請求項1について補正前後の記載を補正箇所に下線を付して示すと以下のとおりである。 (1)補正前 「【請求項1】 回動するクランプアームによってワークを把持する電動クランプ装置であって、 ボディと、 電気信号によって回転駆動する駆動部と、 前記駆動部の回転駆動力を伝達する伝達機構と、 前記伝達機構によって伝達された回転運動を直線運動へと変換する送りねじ機構と、 前記送りねじ機構によって伝達される直線運動をクランプアームの回動動作へと変換するトグルリンク機構と、 前記ワークの厚さに応じて前記クランプアームによるクランプ位置を調整する調整機構と、 前記ボディの側方へ突出して前記クランプアームとの間で前記ワークを把持する把持部と、 を備え、 前記調整機構は、前記クランプアームに設けられ、前記ワーク側に向かって押圧力の付勢された押圧体を有し、前記押圧体を介して前記ワークが前記把持部との間にクランプされると共に、前記押圧体は、先端部が半球状に形成されることを特徴とする電動クランプ装置。」 (2)補正後 「【請求項1】 回動するクランプアームによってワークを把持する電動クランプ装置であって、 ボディと、 電気信号によって回転駆動する駆動部と、 前記駆動部の回転駆動力を伝達する伝達機構と、 前記伝達機構によって伝達された回転運動を変位体の直線運動へと変換する送りねじ機構と、 前記変位体の直線運動をクランプアームの回動動作へと変換するトグルリンク機構と、 前記ワークの厚さに応じて前記クランプアームによるクランプ位置を調整する調整機構と、 前記ボディの側方へ突出して前記クランプアームとの間で前記ワークを把持する把持部と、 を備え、 前記調整機構は、前記クランプアームの端部に設けられた貫通孔の内部に配設されるスプリングと、前記貫通孔の内部で前記スプリングの弾発力により前記ワーク側に向かって付勢されて該貫通孔に沿って前記クランプアームの下端側に変位する押圧体とからなり、前記弾発力により前記貫通孔から外部に露呈する前記押圧体の先端部は半球状に形成されることを特徴とする電動クランプ装置。」 2 補正の適否 上記請求項1についてする本件補正のうち、「送りねじ機構」および「トグルリンク機構」についてした補正は、明細書の段落[0023]等の記載を根拠として「直線運動」する主体として「変位体」を明確化したものである。 また、「調整機構」についての補正は、明細書の段落[0027]及び図3等の記載を根拠として、押圧体の押圧力を付勢するとした事項を、その付勢を行う部材が「クランプアームの端部に設けられた貫通孔の内部に配設されるスプリング」であることを限定すると共に、「押圧体」の「押圧」の態様を、「前記貫通孔の内部で前記スプリングの弾発力により前記ワーク側に向かって付勢されて該貫通孔に沿って前記クランプアームの下端側に変位する」ものと特定し、さらに、「押圧体の先端部」は、「前記弾発力により貫通孔から外部に露呈する」ことを特定するものである。 なお、補正後の調整機構は、補正前の調整機構の「前記押圧体を介して前記ワークが前記把持部との間にクランプされる」という事項(以下、「事項A」という。)が削除されているが、請求項1には事項Aと実質的に一致する「前記クランプアームとの間で前記ワークを把持する把持部」という事項が特定されていることからみて、補正後の調整機構について事項Aが削除されているからといって、そのことによって補正後の請求項1に係る発明の内容が拡張ないし変更することはない。 したがって、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とすることが明らかであるので、さらに、補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記1(2)に示す補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの「電動クランプ装置」であると認める。 (2)引用文献記載事項及び引用発明 これに対して、本件出願前に日本国内において頒布された刊行物であって原査定の拒絶の理由に引用された実願昭53-160693号(実開昭55-80139号)のマイクロフィルム(以下「引用文献1」という。)に記載された事項は、以下のとおりである。 ア 引用文献1の記載事項 引用文献1には以下の事項が記載されている。 (ア)実用新案登録請求の範囲 「基台(1)に軸支される回動軸(3)を介してクランプアーム(2)を取付けると共に該回動軸(3)に固定の第1リンク(4)と、前記基台(1)に設けたシリンダ(5)のピストンロッド(6)に枢軸(7)を介して軸支される第2リンク(8)とを連結ピン(9)で連結し、これら第1リンク(4)と第2リンク(8)とがクランプ位置において直交するようにしたクランプ装置において、前記クランプアーム(2)に皿ばね(15)を介して、第1リンク(4)と第2リンク(8)とが直交位置まで移動できる可変部を形成させたことを特徴とするクランプ装置。」 (イ)第1ページ下から第4行?第2ページ第1行 「本考案はトグルリンク機構を介して連結されるクランプアームがワークをクランプするときワークの許容誤差が相当大きな場合でもトグルリンク機構における支点がデッドポイントとなって確実にクランプするようにしたものである。」 (ウ)第2ページ第14行?第3ページ下から第2行 「なお図示のものでは、ピストンロッド(6)の先端に取付けられるホーク状のシリンダ用受金具(10)に前記枢軸(7)を支承させ、更に該枢軸(7)には基台(1)設けたスライド受圧板(11)上を転動するローラ(12)を支承させてピストンロッド(6)の摺動を円滑に行わせた。しかして、かゝるものでは、ワークの許容誤差が相当大きなものでは、クランプアーム(2)がワークをクランプした状態においても第1リンク(4)と第2リンク(8)とは、直交状態にならない場合を生じ、かゝる場合はクランプアーム(2)がワークをクランプしている間中、シリンダに加圧流体を供給しなければならないし、又ワークに不等の力が作用したときはその力がシリンダに直接作用して故障する等の不都合が存する。 本考案はかゝる不都合を防止するため、更にクランプアーム(2)には、これがワークに当接したとき第1リンク(4)と第2リンク(8)とが直交する位置まで偏位できる可変部を形成したもので、該可変部は、第1?2図示のものでは、クランプアーム(2)の先端の押え片(13)をアームに固定することなくその背面に軸杆(14)を突設し、該軸杆(14)をこれに嵌挿される皿ばね(15)を介してアーム(2)の先端の透孔に摺動自在に挿通させその端末に締付ねじ(16)を螺合させることにより押え片(13)の摺動で可変部を形成した」 (エ)第4ページ第9行?第5ページ第4行 「このように本考案によるときはクランプアーム(2)に連結されるトグルリンク機構の第1リンク(4)と第2リンク(8)とがクランプ位置において直交するようにしたものにおいて、そのクランプアーム(2)には皿ばね(15)を介して第1リンク(4)と第2リンク(8)とが直交位置まで移動できる可変部を形成したものであるからワークの許容誤差に拘りなく常にクランプアーム(2)がワークをクランプしたときは第1リンク(4)と第2リンク(8)とは直交されるため、その支点はデッドポイントとなって、クランプアーム(2)は確実にワークをクランプし、これが上述した如くクランプ位置において、その作動シリンダに加圧流体の供給を必要とすることもなければ、又そのワークの反力によって作動シリンダが直接負荷されないので安全である等の効果を有する。」 イ 引用文献1記載の発明 引用文献1記載の事項を整理すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用文献1発明A」という。)が記載されていると認める。 (引用文献1発明A) 「 回動するクランプアーム(2)によってワークを把持するクランプ装置であって、 基台(1)と、 シリンダ(5)と、 シリンダ(5)のピストンロッド(6)の先端に取付けられる直線運動するホーク状のシリンダ用受金具(10)と、 前記シリンダ用受金具(10)の直線運動をクランプアーム(2)の回動動作へと変換する第1リンク(4)と第2リンク(8)とからなるトグルリンク機構と、 クランプアーム(2)には、これがワークに当接したとき第1リンク(4)と第2リンク(8)とが直交する位置まで偏位できる可変部と、 前記クランプアーム(2)との間で前記ワークを把持する把持部と、 を備え、 前記可変部は、クランプアーム(2)の先端の押え片(13)をアームに固定することなくその背面に軸杆(14)を突設し、該軸杆(14)をこれに嵌挿される皿ばね(15)を介してアーム(2)の先端の透孔に摺動自在に挿通させその端末に締付ねじ(16)を螺合させることにより押え片(13)の摺動で可変部を形成したクランプ装置。」 (3)対比 本願補正発明と引用文献1発明Aとを対比すると以下のとおりである。 引用文献1発明Aの「基台(1)」は、本願補正発明の「ボディ」に相当することが明らかである。 また、引用文献1発明Aの「シリンダ(5)」は、そのピストンロッド(6)の先端に取付けられる直線運動するホーク状のシリンダ用受金具(10)、すなわち、変位体の駆動源であるという限りで本願補正発明の「駆動部」と共通している。 また、引用文献1発明Aの「可変部」は、クランプアーム(2)がワークに当接したときトグルリンク機構を構成する第1リンク(4)と第2リンク(8)とが直交する位置まで偏位できるようにするためのものであることからみて、ワークの厚さに応じてクランプアームによるクランプ位置を調整することができるものであり、クランプアームの端部に設けられた皿ばね(15)、すなわち、スプリングの弾発力により前記ワーク側に向かって付勢されて変位する押え片(13)、すなわち、押圧体で構成されているという限りで、本願補正発明の「調整機構」と共通している。 したがって、本願補正発明と引用文献1発明Aとは、以下の点で一致し、以下の点で相違しているいえる。 [一致点] 回動するクランプアームによってワークを把持するクランプ装置であって、 ボディと、 駆動部と、 駆動部によって直線運動する変位体と、 前記変位体の直線運動をクランプアームの回動動作へと変換するトグルリンク機構と、 前記ワークの厚さに応じて前記クランプアームによるクランプ位置を調整する調整機構と、 前記クランプアームとの間で前記ワークを把持する把持部と、 を備え、 前記調整機構は、前記クランプアームの端部に設けられたスプリングの弾発力により前記ワーク側に向かって付勢されて変位する押圧体とからなるクランプ装置である点。 [相違点] ア 相違点1 本願補正発明は、電動クランプ装置であって、駆動部が、電気信号によって回転駆動する駆動部であり、駆動部とトグルリンク機構との間に、駆動部の回転駆動力を伝達する伝達機構と、この伝達機構によって伝達された回転運動を変位体の直線運動へと変換する送りねじ機構とが備えられているのに対して、引用文献1発明Aは、そのようなものではない点。 イ 相違点2 本願補正発明では、ワークを把持する把持部がボディの側方へ突出しているのに対して、引用文献1発明Aでは、当該把持部がどのように設けられているのか明らかでない点。 ウ 相違点3 本願補正発明では、調整機構のスプリングと押圧体とがクランプアームの端部に設けられた貫通孔の内部に配設されており、スプリングの弾発力により前記貫通孔から外部に露呈する前記押圧体の先端部は半球状に形成されるのに対して、引用文献1発明Aでは、そのようになっていない点。 (4)相違点の検討 ア 相違点1について 電動クランプ装置において、駆動部が、電気信号によって回転駆動する駆動部であって、駆動部とトグルリンク機構との間に、駆動部の回転駆動力を伝達する伝達機構と、この伝達機構によって伝達された回転運動を変位体の直線運動へと変換する送りねじ機構とを備えることは、本件出願前に日本国内において頒布された刊行物であって原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2001-105332号公報及び同じく引用文献3として引用された特開2004-255559号公報の各図に示されているように従来周知であり、この従来周知の事項を引用文献1発明Aに適用して、本願補正発明のように構成することに格別の困難性は見当たらない。 イ 相違点2について クランプ装置において、ワークを把持する把持部をボディの側方へ突出して設けることは、原査定の際に、「ボディの側方へ突出してクランプアームとの間でワークを把持する把持部」を設けて、当該「把持部」との間にワークをクランプするものの周知例として挙げられた特開2004-216515号公報、特開2004-216514号公報の各図1に示されているように従来周知であり、この従来周知の事項を引用文献1発明Aに適用して、本願補正発明のように構成することに格別の困難性は見当たらない。 ウ 相違点3について 相違点3について検討するために本件出願前に頒布された刊行物である独国特許出願公開第19635865号明細書(以下、「刊行物2」という。)を参照すると、 刊行物2には、クランプ装置において、クランプアームの端部に設けられた貫通孔の内部にスプリングと、このスプリングの弾発力によりワーク側に向かって付勢されて貫通孔に沿ってクランプアームの下端側に変位する押圧体とを設けること、また、前記弾発力により前記貫通孔から外部に露呈する前記押圧体の先端部は半球状に形成されることが開示されている。 そして、刊行物2記載の上記各事項を引用文献1発明Aに適用して本願補正発明のように構成することにも格別の困難性は見当たらない。 エ まとめ 本願補正発明によってもたらされる効果も、引用文献1発明A、刊行物2記載の事項及び上記従来周知の各事項から当業者であれば予測できる程度のものであって格別のものではない。 したがって、本願補正発明は、引用文献1発明A、刊行物2記載の事項及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本件出願の発明について 1 本件発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1及び請求項2に係る発明は、平成26年8月11日付け手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに願書に添付した図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、上記第2の1(1)に示す補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの「電動クランプ装置」である。 2 引用文献記載事項及び引用発明 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1及びその記載事項は、上記第2の2(2)のアに示したとおりである。 そして、引用文献1記載の事項を整理すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用文献1発明B」という。)が記載されていると認めることができる。 「回動するクランプアーム(2)によってワークを把持するクランプ装置であって、 基台(1)と、 シリンダ(5)と、 シリンダ(5)のピストンロッド(6)の先端に取付けられる直線運動するホーク状のシリンダ用受金具(10)と、 前記シリンダ用受金具(10)の直線運動をクランプアーム(2)の回動動作へと変換する第1リンク(4)と第2リンク(8)とからなるトグルリンク機構と、 クランプアーム(2)には、これがワークに当接したとき第1リンク(4)と第2リンク(8)とが直交する位置まで偏位できる可変部と、 前記クランプアーム(2)との間で前記ワークを把持する把持部と、 を備え、 前記可変部は、前記クランプアーム(2)に設けられ、前記ワーク側に向かって押圧力の付勢された押え片(13)を有し、前記押え片(13)を介して前記ワークが前記把持部との間にクランプされるクランプ装置。」 3 対比 上記第2の2(3)の冒頭で指摘した点を考慮すると、本件発明と引用文献1発明Bとは、以下の点で一致しているということができる。 [一致点] 「回動するクランプアームによってワークを把持するクランプ装置であって、 ボディと、 駆動部と、 駆動部によって直線運動する変位体と、 前記変位体の直線運動をクランプアームの回動動作へと変換するトグルリンク機構と、 前記ワークの厚さに応じて前記クランプアームによるクランプ位置を調整する調整機構と、 前記クランプアームとの間で前記ワークを把持する把持部と、 を備え、 前記調整機構は、前記クランプアームに設けられ、前記ワーク側に向かって押圧力の付勢された押圧体を有し、前記押圧体を介して前記ワークが前記把持部との間にクランプされるクランプ装置。」 そして、本件発明と引用文献1発明Bとは以下の3点で相違している。 (1)相違点1 本件発明は、電動クランプ装置であって、駆動部が、電気信号によって回転駆動する駆動部であり、駆動部とトグルリンク機構との間に、駆動部の回転駆動力を伝達する伝達機構と、この伝達機構によって伝達された回転運動を直線運動へと変換する送りねじ機構とが備えられているのに対して、引用文献1発明Bは、そのようなものではない点。 (2)相違点2 本件発明では、ワークを把持する把持部がボディの側方へ突出しているのに対して、引用文献1発明Bでは、当該把持部がどのように設けられているのか明らかでない点。 (3)相違点3 本件発明では、調整機構の押圧体は、先端部が半球状に形成されるのに対して、引用文献1発明Bでは、そのようになっていない点。 4 相違点の検討 (1)相違点1及び相違点2は、それぞれ上記第2の2(3)のア及びイに示した相違点1及び相違点2と同一であり、上記第2の2(4)のア及びイに示したとおりである。 (2)クランプ装置において、ワークの押圧体の先端部を半球状に形成することは、例えば、実願昭61-201893号(実開昭63-103938号)のマイクロフィルム(特に第1、4図参照。)、特開2006-205331号公報(クランプ駒6を参照)等に示されているように従来周知であり、この従来周知の事項を引用文献1発明Bに適用して、本件発明のように構成することに格別の困難性は見当たらない。 (3)本件発明によってもたらされる効果も、引用文献1発明B及び上記従来周知の各事項から当業者であれば予測できる程度のものであって格別のものではない。 5 むすび したがって、本件発明は、引用文献1発明B及び従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 よって、本件出願は、本件出願の請求項2に係る発明について検討するまでもなく拒絶されるべきであるから、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-11-27 |
結審通知日 | 2015-12-08 |
審決日 | 2015-12-21 |
出願番号 | 特願2012-15331(P2012-15331) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(B23Q)
P 1 8・ 121- Z (B23Q) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山本 忠博 |
特許庁審判長 |
平岩 正一 |
特許庁審判官 |
栗田 雅弘 西村 泰英 |
発明の名称 | 電動クランプ装置 |
復代理人 | 千馬 隆之 |
代理人 | 宮寺 利幸 |
代理人 | 仲宗根 康晴 |
代理人 | 大内 秀治 |
代理人 | 坂井 志郎 |
代理人 | 千葉 剛宏 |