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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A61H
管理番号 1311862
異議申立番号 異議2015-700082  
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2016-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-10-13 
確定日 2016-03-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第5702019号「美容器」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第5702019号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5702019号の請求項1に係る特許についての出願は、平成23年11月16日に出願した特願2011-250916号の一部を平成26年10月27日に新たな特許出願(特願2014-218573号)としたものであって、平成27年2月27日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成27年10月13日付けで特許異議申立人高橋繁により、また、平成27年10月15日付けで特許異議申立人ヤーマン株式会社により特許異議の申立てがされ、当審において平成27年12月9日付けで取消理由を通知し、平成28年2月9日付けで意見書が提出されたものである。

第2 本件発明
特許第5702019号の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「ハンドルの先端部に一対の回転体を、相互間隔をおいてそれぞれ支持軸の軸線を中心に回転可能に支持した美容器において、
前記回転体の支持軸の軸線をハンドルの把持部に対して前傾させ、その前傾角度を90?110度の範囲内とするとともに、その前傾角度を不変にし、前記一対の回転体の支持軸の軸線の開き角度を40?120度としたことを特徴とする美容器。」

第3 取消理由の概要
当審において、請求項1に係る特許に対して通知した取消理由は、要旨次のとおりである。

1 取消理由1
引用例1(意匠登録第1405888号公報(ヤーマン株式会社による申立ての甲5-1号証))により、本件発明は、特許法第29条第2項の規定に違反する。

2 取消理由2
引用例2(登録実用新案第3154738号公報(ヤーマン株式会社による申立ての甲1号証))及び引用例1により、本件発明は、特許法第29条第2項の規定に違反する。

3 取消理由3
引用例3(登録実用新案第3159255号公報(高橋繁による申立ての甲第5号証、ヤーマン株式会社による申立ての甲2号証))及び引用例1により、本件発明は、特許法第29条第2項の規定に違反する。

4 取消理由4
引用例4(特許第3082065号公報(ヤーマン株式会社による申立ての甲3号証))及び引用例1により、本件発明は、特許法第29条第2項の規定に違反する。

第4 各引用例に記載された発明
1 引用例1に記載された発明
引用例1には、【意匠に係る物品の説明】において、「美容マッサージ器」、「2本のローラは、取り付け角度が独立して変更でき、また変更した位置に固定できる」及び「ローラを取付軸を中心に正転または逆転して外周面の凹凸によりマッサージを行う。頬や腹部などをマッサージする場合は、2本のローラを平行に揃え、腕や脚などをマッサージする場合は、2本のローラをハの字に開いたりして、マッサージを行う身体の部位に応じて、ローラの取り付け角度を変更して、2本の配列を調整する。」と記載されている。 また、【図面】の【ローラ間の角度が95°になった状態の参考斜視図】及び【ローラ間の角度が115°になった状態の参考斜視図】からは、上記「マッサージを行う身体の部位に応じて、ローラの取り付け角度を変更して、2本の配列を調整」した状態が看取できる。
また、これらの図から、「ハンドル」が、操作者が把持する箇所と推察できる部位(以下「把持部」という。)と、該把持部から垂直下方に延在する軸状の部材(以下「軸部」という。)を有することが看取できる。また、該軸部に接続する「取付軸」に対して「ローラ」が取り付けられていることが看取できる。
しかしながら、【ローラ間の角度が95°になった状態の参考斜視図】及び【ローラ間の角度が115°になった状態の参考斜視図】からは、該2本のローラの取付軸が、所定角度開いた構成が看取できるものの、ローラの取付軸と把持部との角度については、引用例1には何ら記載はなく、図面からも看取できず、前傾しているか否かも不明である。
そうすると、引用例1には、ハンドルの先端部に一対のローラを、相互間隔をおいてそれぞれ取付軸の軸線を中心に回転可能に支持した美容器において、取付軸の軸線についてローラの取り付け角度が独立して変更でき、また変更した位置に固定できるようにし、前記一対のローラの支持軸の軸線の開き角度を95°又は115°とした美容マッサージ器が記載されている(以下「引用例1に記載された発明」という。)ものと認められる。

2 引用例2に記載された発明
引用例2には、柄部3の先端部に一対のローラー部4を、相互間隔をおいてそれぞれローラー支持部の軸線を中心に回転可能に支持した美容ローラーにおいて、前記ローラー部4のローラー支持部の軸線を柄部3に対して前傾させ、その前傾角度を135?170度の範囲内とするとともに、その前傾角度を不変にし、前記一対のローラー部4の支持軸の軸線の開き角度を50?80度とした美容ローラーが記載されている(以下「引用例2に記載された発明」という。)ものと認められる(特に段落【0010】-【0011】、【図2】、【図3】を参照。)。

3 引用例3に記載された発明
引用例3には、把持部3の先端部に一対のローラ部5を、相互間隔をおいてそれぞれローラ保持部4の軸線を中心に回転可能に支持した美容ローラ1において、前記ローラ部5のローラ保持部4の軸線を把持部3に対して前傾させ、その前傾角度を120?160度の範囲内とするとともに、その前傾角度を不変にし、前記一対のローラ部5のローラ保持部4の軸線の開き角度を100?140度とした美容ローラ1が記載されている(以下「引用例3に記載された発明」という。)ものと認められる(特に段落【0019】-【0022】、【図2】、【図3】を参照。)。

4 引用例4に記載された発明
引用例4には、把持部1の先端部に一対の球状形状の押圧転子3を、相互間隔をおいてそれぞれ押圧転子の回転軸6の軸線を中心に回転可能に支持した脊柱整復器において、前記押圧転子の回転軸6の軸線を把持部1に対して前傾させ、その前傾角度を120?150度の範囲内とするとともに、その前傾角度を不変にし、前記一対の押圧転子の回転軸6の軸線の開き角度を120度とした脊柱整復器が記載されている(以下「引用例4に記載された発明」という。)ものと認められる(特に段落【0019】-【0024】、【0037】、【図1】?【図4】を参照。)。

第5 判断
1 取消理由1について
引用例1に記載された発明は、ローラの取付軸と把持部との角度についても、前傾しているか否かも不明であり、90?110度の範囲内の角度とすることについて、引用例1には何らの記載も示唆もない。
また、本件明細書の段落【0037】-【0040】の記載を踏まえると、使用感の官能評価について、90?110度の範囲内の角度に対して、評価者から「良い」と感じた評価が認められ、美容器としての効果が認められるものである。
したがって、本件発明は、引用例1に記載の発明から当業者が容易になし得るものではない。

2 取消理由2について
本件発明と、引用例1及び2に記載された発明とを対比すると、当該引用例1及び2のいずれにも、前傾角度を90?110度の範囲内とすることが記載されていない。
したがって、本件発明は、引用例1及び2に記載の発明から当業者が容易になし得るものではない。

3 取消理由3について
本件発明と、引用例1及び3に記載された発明とを対比すると、当該引用例1及び3のいずれにも、前傾角度を90?110度の範囲内とすることが記載されていない。
したがって、本件発明は、引用例1及び3に記載の発明から当業者が容易になし得るものではない。

4 取消理由4について
本件発明と、引用例1及び4に記載された発明とを対比すると、当該引用例1及び4のいずれにも、前傾角度を90?110度の範囲内とすることが記載されていない。
したがって、本件発明は、引用例1及び4に記載の発明から当業者が容易になし得るものではない。

第6 むすび
したがって、上記取消理由1-4によっては、請求項1に係る特許を取り消すことができない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2016-02-25 
出願番号 特願2014-218573(P2014-218573)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A61H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 金丸 治之  
特許庁審判長 山口 直
特許庁審判官 関谷 一夫
竹下 和志
登録日 2015-02-27 
登録番号 特許第5702019号(P5702019)
権利者 株式会社 MTG
発明の名称 美容器  
代理人 恩田 誠  
代理人 小川 憲久  
代理人 恩田 博宣  
代理人 新保 斉  
代理人 塚本 鳩耶  
代理人 上田 望美  
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