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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1313335
審判番号 不服2015-14489  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-31 
確定日 2016-05-06 
事件の表示 特願2012-515482「セル間ハンドオーバのための品質制御」拒絶査定不服審判事件〔平成22年12月23日国際公開、WO2010/146095、平成24年11月29日国内公表、特表2012-530443、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年6月16日(パリ条約による優先権主張 2009年6月18日(FR)フランス共和国)を国際出願日とする出願であって、平成26年1月10日付けで拒絶理由が通知され、平成26年5月2日付けで手続補正がされ、平成26年11月25日付けで拒絶理由が通知され、平成27年3月26日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成27年7月31日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1-4に係る発明は、平成26年5月2日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
セルに分割された通信ネットワークを介して通信するように構成された通信端末のための回路であって、
前記回路は、
- 第1のセルで進行中の通信を、第2のセルにハンドオーバする命令を受信し(S30)、
- 前記第2のセルにおける通信品質を測定し(S31)、
- 得られた測定値を、基準閾値と比較し(T32)、
- 前記得られた測定値が、前記基準閾値以上である場合には、前記ハンドオーバを行い(S34)、または、前記得られた測定値が、前記基準閾値未満である場合には、ハンドオーバ要求を拒絶する(S33)、ように構成され、
前記測定値は、前記第2のセルから発行された情報を復号することにより得られ、
前記測定値は、前記第2のセルを特徴付ける、前記通信ネットワーク上で利用可能な情報を読むことによって得られる、ことを特徴とする回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路を制御するための方法であって、
- 第1のセルで進行中の通信を、第2のセルにハンドオーバする命令を受信するステップ(S30)と、
- 前記第2のセルにおける通信品質を測定するステップ(S31)と、
- 得られた測定値を、基準閾値と比較するステップ(T32)と、
- 前記得られた測定値が、前記基準閾値以上である場合には、前記ハンドオーバを行い(S34)、または、前記得られた測定値が、前記基準閾値未満である場合には、ハンドオーバ要求を拒絶する(S33)、ステップとを含み、
前記測定値は、前記第2のセルから発行された情報を復号することにより得られ、
- 前記第2のセルを特徴付ける通信ネットワーク上で利用可能な情報を読み、前記測定値を推定するステップをさらに含む、ことを特徴とする方
法。
【請求項3】
請求項1に記載の回路の制御ユニットのプロセッサによって実行された場合に、請求項2に記載の方法を実施するための命令を含む、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項4】
- 通信ユニット(COM)と、
- メモリ(MEM)と、
- 制御ユニット(PROC)と、を備え、
前記制御ユニットは、請求項1に記載の回路を備える、ことを特徴とする携帯通信端末(TERM)。」
(以下、本願の請求項1に係る発明を「本願発明」という。)

第3 原査定の理由の概要
原査定の理由となった平成26年11月25日付けの拒絶理由の概要は以下のとおりである。

本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



刊行物1.特表2007-529939号公報
刊行物2.国際公開第01/88790号公報
刊行物3.特開2000-348297号公報

第4 当審の判断
1.刊行物の記載事項
1-1.刊行物1
刊行物1には、図面とともに以下の記載がなされている。

(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線システムにおいて第1のセルからもう1つのセルへのハンドオーバを実行する無線端末のための方法において、
(A) 無線チャネル上で第1の基地局から第1のチャネルバーストを受信する段階であって、該第1の基地局が該第1のセルにサービスし、該第1のチャネルバーストがデータサービスをサポートする段階と、
(B) 前記第1のセルについての信号品質がハンドオーバ基準を満たすか否かを決定する段階と、
(C) (B)に応答して、候補セルのリストに係る測定を獲得する段階であって、該リストが少なくとも1つの候補セルを含み、各測定は、対応する候補セルによって提供される対応する信号品質を評価する段階と、
(D) 選択された信号品質が許容可能である場合、選択された候補セルに対する前記ハンドオーバの実行を決定する段階であって、該選択された候補セルが該リストのメンバーであり、該選択された信号品質が該選択された候補セルに対応する段階と、
(E) (D)を実行した後、前記第1の基地局から最終チャネルバーストを受信する段階と、
(F) (E)に応答して、前記選択された候補セルに対する前記ハンドオーバを実行し、選択された候補基地局から新規チャネルバーストを受信する段階であって、該選択された候補基地局が該選択された候補セルにサービスする段階と、
からなる方法。」

(2)「【0034】
図12は、フローチャート1100に従ってハンドオーバが必要であるか否かを決定するための、無線端末115についてのフローチャート1200を示している。ステップ1201で無線端末115を初期化した後、無線端末115は、後のステップ1203で所望のデータサービスを提供するセル(例えば、図4のセル401)に隣接するLセル(例えば、図4に示されているセル403および405)についての’L’個の代替の中心周波数値のリストを編集する。(例えば、TPSビットcell_id情報およびNIT SIテーブルcell_id情報を用いて、隣接セル情報を決定することができる。)本実施例において、該リストは、セル403および405についてのブロードキャスト周波数が含まれよう。代替の中心周波数値は、セル401にてサービス中の基地局(例えば基地局103)によってブロードキャストされるチャネルバーストにて提供され得る。(DVB-Hをサポートする本発明の1つの実施形態においては、送信機は、連続的にデータを伝送する。本実施形態においては、タイムスライスバーストを、PID値に
よって相互に分離された論理バーストとみなすことができる。バーストは、「オフ」周期中、特定の基本ストリームについてデータがないことを保証できるように規定される。バーストは、「オン」周期中に伝送されるが、正確な伝送時間は、本実施形態では規定されない。)例えば、チャネルバースト209は、同一のデータサービスを提供する隣接セルの中心周波数値のリストを含み得る。さらに、前述したとおり、位相シフトオフセット情報も含まれ得る。(データサービスが隣接セルにて提供されていない場合、無線端末115は、該データサービスを提供しているセルによるサービスを受け続けるよう命令されることができる。他の実施形態では、無線端末115は、該サービスをいずれかの隣接セルに移すように要求することができる。このような場合、ネットワークは要求されたサービスを移すべきか否かを決定す
る。)
【0035】
サービス中の基地局103の信号データは、ステップ1205において無線端末115内で誘導される。これらのデータには、無線セル401内の基地局103によって使用されている、ここでは原中心周波数と称される信号周波数についての受信信号強度指標(RSSI)値、パケット誤り率(PER)、およびビット誤り率(BER)値が含まれている。予め定められたハンドオーバ基準が満たされた場合、ハンドオーバが考慮されるかあるいは開始される。1つの実施形態においては、該ハンドオーバ基準は原周波数BERが予め定められた限界を超えた場合、又代替的には、原周波数RSSIが予め規定された値を下回った場合に満たされる。(本発明の他の実施形態では、ハンドオーバを実行すべきか否かを決定するために別の基準(測定されたもの又は導出したものであり得る)を使用することができる)。決定ブ
ロック1207の決定によるように、ハンドオーバ基準が満たされていない場合、無線端末115は原周波数RSSIおよびBER値を監視し続ける。
【0036】
(ステップ1207で決定されるように)ハンドオーバ基準が満たされた場合、そして新規セルがステップ1209で既に決定済みである場合には、無線端末115はステップ1211でハンドオーバを完了すべく新規セルに同調する。
【0037】
一方、ハンドオーバ基準が満たされた場合で新規セルが未決定の場合に
は、ステップ1213は、割り込みフラグがステップ1235で既に設定済みであるか否か決定する。該割り込みフラグが未設定の場合、無線端末115は、ステップ1215で同一のサービスを提供する’L’個の隣接セル伝送信号についてのRSSI値を測定するか又は決定する。隣接セル伝送信号についての’L’個のRSSI値は、ハンドオーバ基準が満たされた後に獲得された読取り値であり、そうでなければRSSI値は、選択された時間全体にわたり得られかつ平均化されそして無線端末115内に保持された値であり得る。ハンドオーバについての候補信号周波数の選択は、’L’個の隣接セル伝送信号周波数について得られたRSSI値の関数である。
【0038】
最強のRSSI値を有する’N’個の隣接セル周波数は、’N’個の候補周波数と称され、ここにN<=Lである。好ましい実施形態では、3<=N
<=5である。ステップ1215で’N’個の候補周波数および原周波数を
含む(N+l)RSSI周波数値のリストが形成される。一変形実施形態においては、原周波数についてのRSSI値は、オプションステップ1217で原周波数から候補周波数への頻繁な又は不必要なハンドオーバの尤度を減少させるために予め決められたヒステリシス値、例えば5dBだけ増大させられる。最大のRSSI値を有する候補周波数は、ステップ1219で該リストから選択され、かつこの現行の候補周波数についてのBER値は、ス
テップ1221で測定される。
【0039】
現行の候補周波数BER値が、決定ブロック1223によって決定されるように、許容できないものである場合、現行の候補周波数はステップ1227でリストから除去される。追加の候補周波数が、決定ブロック1229により決定されるように、リスト中に残っている場合そしてステップ1231がサービス中の基地局103からの次のチャネルバーストまで十分な時間が残っていることを決定した場合、最大のRSSI値を有する次の候補周波数値は、ステップ1219で現行の候補周波数と称される。プロセスは上述のものと同様ステップ1221に進む。(フェーディング、ノイズ又は干渉のために、最大RSSIに対応するセルが、最小のBER又はPERを伴うセルに対応しない可能性がある。)。決定ブロック1229でいかなる候補周波数値もリスト中に残っていない場合、無線端末115は、ステップ1233で情報の受信に原周波数を使い続け、動作はステップ1205へと続く。ステップ1231が、もう1つの測定を実行するのには十分な時間が無いとの決定を下した場合には、割り込みフラグがステップ1235で設定され、無線端末115はステップ1205でサービス中の基地局103からチャネルバーストを受信するために、ステップ1233において原周波数を使い続ける。
【0040】
決定ブロック1223において現行の候補周波数BER値が許容可能なものである場合、無線端末115はステップ1225で割り込みフラグを再設定し、見付けたセルを新規セルとして設定する。動作はステップ1203に戻る。1実施形態では、QEF限界は、デジタルビデオブロードキャスト受信機でのビタビ(Viterbi)復号後のおよそ2×10-4のBER値に相当す
る。当業者であれば十分認識できるように、デジタルビデオブロードキャスト受信機で使用されている誤り訂正チェーンには、ビタビ復号器段および
リードソロモン復号器段を含むことができる。」

したがって、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。

無線システムにおいて第1のセルからもう1つのセルへのハンドオーバを実行する無線端末のための方法において、
サービス中の基地局の信号品質がハンドオーバ基準を満たすか否かを決定する段階と、
ハンドオーバ基準が満たされた場合、そして新規セルが既に決定済みである場合には、無線端末はハンドオーバを完了すべく新規セルに同調する段階と、
ハンドオーバ基準が満たされた場合で新規セルが未決定の場合には、
隣接セル伝送信号についてのRSSI値を測定するか又は決定し、
最良のRSSI値を有する候補周波数を選択し、
選択された候補周波数でBERを測定し、
候補周波数BER値が許容可能なものである場合、見付けたセルを新規 セルとして設定する段階と、
からなる方法。

1-2.刊行物2
刊行物2には、図面とともに以下の記載がなされている。

(3)「[1.1.3]第1実施形態の変形例
上述した第1実施形態においては、移動局50としてPDCのような携帯電話機を用いていた。しかし、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)ような簡易携帯電話機を用いてもよい。
以下では、移動局50として簡易携帯電話機を用い、移動電話網60として簡易携帯電話網を用いた場合について説明する。
簡易携帯電話網の基地局61は、前述した携帯電話網60の無線セルより小さいマイクロセルを形成し、自己の基地局IDを示す信号を常時送信している。一方、簡易携帯電話機は、周辺の複数の基地局61から送信されている信号の電界強度を測定しており、受信した信号の電界強度と当該信号に含まれる基地局IDとを対応付けて保持している。このように簡易携帯電話機が保持する電界強度及び基地局IDを、以下、電界強度情報と呼ぶ。
……
このように、第1実施形態によれば、ユーザが所持する移動局50の位置を検出し、この移動局50の位置と利用店舗の位置とを照合することによってユーザ認証を行うので、ユーザに負担をかけることなく認証処理を行うことができる。
また、移動局50の位置検出処理については、これをユーザに意識させることなく網側が主体的に行うので、仮に第3者がクレジットカード10を不正取得してこれを利用する場合であっても、この第3者に知られることなくユーザ認証を行うことができる。」

したがって、刊行物2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているといえる。

移動局の位置検出処理について、
周辺の複数の基地局から送信されている信号の電界強度を測定し、
受信した信号の電界強度と当該信号に含まれる基地局IDとを対応付けて保持する方法。

1-3.刊行物3
刊行物3には、図面とともに以下の記載がなされている。

(4)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも地図を表示する表示手段と、
サービスセンタと基地局を経由して双方向通信を行う通信手段と、
基地局から送信される基地局識別情報を含む電波を受信して電界強度を測定するとともに、その受信電波中から前記基地局識別情報を抽出する電界強度測定手段と、
この電界強度測定手段の測定電界強度と抽出基地局識別情報とを前記通信手段で前記サービスセンタに対して送信させ、この送信情報に基づいて前記サービスセンタが求めた現在位置とこの現在位置に対応する地図を前記通信手段で受信させ、この受信に基づいて前記現在位置を含む地図を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする移動端末装置。」

(5)「 【0100】
まず、ステップS51では、無線通信部13の電源がオンにされる。次のステップS52では、基地局21から送信されている基地局識別情報を含む電波を無線通信部13が受信し、この受信電波の電界強度を測定するとともにその基地局識別情報を抽出する。ステップS53では、無線通信部13が基地局21を経由してサービスセンタ3の通信部31と通信を行い、その測定電界強度と抽出基地局識別情報とをサービスセンタ3に向けて送信す
る。」

したがって、刊行物3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されているといえる。

サービスセンタと基地局を経由して双方向通信を行う通信手段と、
基地局から送信される基地局識別情報を含む電波を受信して電界強度を測定するとともに、その受信電波中から前記基地局識別情報を抽出する電界強度測定手段と、
この電界強度測定手段の測定電界強度と抽出基地局識別情報とを前記通信手段で前記サービスセンタに対して送信させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする移動端末装置。

2.対比
引用発明1は、ハンドオーバを実行する無線端末のための方法であるか
ら、そのための回路を実質的に示しているといえる。
また、引用発明1は、「選択された候補周波数でBERを測定し、
候補周波数BER値が許容可能なものである場合、……」とするものであるから、通信品質の測定値は情報を復号することにより得られるもので、基準閾値と比較して許容可能なものかどうか決定されるものといえる。
そこで、本願発明と引用発明1とを対比すると、次の点で一致している。

セルに分割された通信ネットワークを介して通信するように構成された通信端末のための回路であって、
前記回路は、
ハンドオーバのために、
通信を進行中の第1のセルとは異なるセルの通信品質を測定し、
得られた測定値を、基準閾値と比較し、
前記測定値は、前記異なるセルから発行された情報を復号することにより得られる、ことを特徴とする回路。

また、相違点は以下のとおりである。

相違点1
本願発明は「第1のセルで進行中の通信を、第2のセルにハンドオーバする命令を受信し」とするものであるのに対して、引用発明1はそのような命令を受信するものではなく、「サービス中の基地局の信号品質がハンドオーバ基準を満たすか否かを決定する」とあるように、無線端末がハンドオーバすることを決定するものであり、「…見付けたセルを新規 セルとして設定する段階」とあるように、ハンドオーバ先のセルも無線端末が決定する点。

相違点2
本願発明は「前記得られた測定値が、前記基準閾値以上である場合には、前記ハンドオーバを行い(S34)、または、前記得られた測定値が、前記基準閾値未満である場合には、ハンドオーバ要求を拒絶する(S33)、ように構成され」とあるように、測定値は、ハンドオーバする命令を行うか拒絶するかを判断するためのものであるのに対して、引用発明1は「候補周波数BER値が許容可能なものである場合、見付けたセルを新規セルとして設定する段階」とあるように、ハンドオーバ先である新規セルを選択するためのものである点。

相違点3
本願発明は「前記測定値は、前記第2のセルを特徴付ける、前記通信ネットワーク上で利用可能な情報を読むことによって得られる」とするのに対して、引用発明1の「BER値」は、セルを特徴付ける、通信ネットワーク上で利用可能な情報を読むことによって得られるものであるかどうか特定されていない点。

3.相違点についての判断
相違点1について
本願発明のように「第1のセルで進行中の通信を、第2のセルにハンド
オーバする命令を受信し」とすることは、刊行物1-3には記載も示唆もない。
引用発明1は、上記のとおり、無線端末がハンドオーバすること及びハンドオーバ先のセルを決定するものであるから、引用発明1において、上記のように決定することに代えて、そのような命令を受信することとすると、引用発明1を特徴付ける発明特定事項のほぼ全てを置き換えることになり、本願発明のようにすることが当業者が容易にできることとはいえない。

相違点2について
上記のとおり、本願発明のように「第1のセルで進行中の通信を、第2のセルにハンドオーバする命令を受信し」とすることは、当業者が容易にできることとはいえないから、そのような命令を拒絶することに関する相違点2についても、当業者が容易にできることとはいえない。

相違点3について
引用発明2の「基地局ID」及び引用発明3の「基地局識別情報」は、セルを特徴付ける、通信ネットワーク上で利用可能な情報である。
しかし、測定されるものは、引用発明2及び引用発明3のどちらも「電界強度」であり、引用発明2の「基地局ID」及び引用発明3の「基地局識別情報」は、「電界強度」がどの基地局のものであるかを識別するためのものであり、「基地局ID」または「基地局識別情報」を復号することにより測定値を得るものではない。
したがって、引用発明1に引用発明2または引用発明3を適用しても、相違点3を本願発明のようにすることはできない。

上記のとおりであるから、本願発明は、引用発明1-3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、請求項1を引用する請求項2-4に係る発明も、請求項1に係る発明である本願発明と同様に、引用発明1-3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1-4に係る発明発明は、刊行物1-3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることができないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-04-19 
出願番号 特願2012-515482(P2012-515482)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 望月 章俊石井 則之  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 加藤 恵一
近藤 聡
発明の名称 セル間ハンドオーバのための品質制御  
代理人 吉元 弘  
代理人 勝沼 宏仁  
代理人 川崎 康  
代理人 佐藤 泰和  
代理人 関根 毅  
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