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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G02B |
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管理番号 | 1313425 |
審判番号 | 不服2014-21731 |
総通号数 | 198 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-10-27 |
確定日 | 2016-04-15 |
事件の表示 | 特願2013-56412「偏光板の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月11日出願公開,特開2014-232126〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 事案の概要 1 手続の経緯 本件出願は,平成25年3月19日の特許出願であって,その手続の経緯の概要は,以下のとおりである。 平成26年 1月 7日:拒絶理由通知(同年同月15日発送) 平成26年 3月 4日:意見書 平成26年 3月 4日:手続補正書 平成26年 4月25日:拒絶理由通知(最後:同年5月7日発送) 平成26年 6月11日:意見書 平成26年 8月 1日:拒絶査定(同年同月6日送達) 平成26年10月27日:手続補正書 平成26年10月27日:審判請求 平成26年12月26日:前置報告 平成27年11月18日:拒絶理由通知(同年同月25日発送) 平成28年 1月19日:意見書(以下「意見書」という。) 平成28年 1月19日:手続補正書 2 本願発明 本件出願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,以下のとおりである。 「 樹脂基材と該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体を延伸,染色して,該樹脂基材上に偏光膜を作製する工程と, 該偏光膜の該樹脂基材と反対側に第1の保護フィルムを積層した後に加熱する工程と, 該樹脂基材を剥離する工程と, 該偏光膜の該樹脂基材を剥離した側に第2の保護フィルムを積層する工程と,を含み, 該第1の保護フィルムを,水系接着剤を介して積層し, 該第2の保護フィルムを,水分率が10%以下の接着剤を介して積層し, 該第1の保護フィルムの透湿度が100g/m^(2)・24h以下である, 偏光板の製造方法。」 3 拒絶の理由 平成27年11月18日の拒絶理由通知による拒絶の理由は,概略,本件出願の請求項1に係る発明は,その出願前日本国内又は外国において頒布された引用例に記載された発明等に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。 引用例 :特開2012-256018号公報 周知例1:特開2013-11774号公報 周知例2:特開2012-181279号公報 周知例3:特開2012-53078号公報 第2 当合議体の判断 1 引用例の記載及び引用発明 (1) 引用例の記載 引用例には,以下の事項が記載されている(下線は,当合議体が付した。以下同じ。)。 ア 「【請求項1】 熱可塑性樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程と, 該積層体のポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色する工程と, 該積層体を延伸する工程と, 該染色工程および延伸工程の後に,該積層体のポリビニルアルコール系樹脂層表面を透湿度が100g/m^(2)・24h以下の被覆フィルムで被覆し,この状態で該積層体を加熱する工程と を含む,偏光膜の製造方法。 【請求項2】 前記加熱温度が60℃以上である,請求項1に記載の偏光膜の製造方法。 【請求項3】 前記ポリビニルアルコール系樹脂層表面を,接着剤を介して前記被覆フィルムで被覆する,請求項1または2に記載の偏光膜の製造方法。 【請求項4】 前記接着剤が水系接着剤である,請求項3に記載の偏光膜の製造方法。」 イ 「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は,偏光膜の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 代表的な画像表示装置である液晶表示装置は,その画像形成方式に起因して,液晶セルの両側に偏光膜が配置されている。偏光膜の製造方法として,例えば,熱可塑性樹脂基材とポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層とを有する積層体を延伸し,次に染色液に浸漬させて偏光膜を得る方法が提案されている(例えば,特許文献1)。このような方法によれば,厚みの薄い偏光膜が得られるため,近年の液晶表示装置の薄型化に寄与し得るとして注目されている。しかし,このような方法では,得られる偏光膜の光学特性が不十分であるという問題がある。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2001-343521号公報」 ウ 「【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり,その主たる目的は,優れた光学特性を有する偏光膜を製造する方法を提供することにある。」 エ 「【発明を実施するための形態】 【0008】 以下,本発明の好ましい実施形態について説明するが,本発明はこれらの実施形態には限定されない。 A.製造方法 本発明の偏光膜の製造方法は,熱可塑性樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して積層体を作製する工程(工程A)と,積層体のPVA系樹脂層をヨウ素で染色する工程(工程B)と,積層体を延伸する工程(工程C)と,積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する工程(工程D)とを含む。以下,各工程について説明する。」 オ 「【0009】 A-1.工程A 図1は,本発明の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。 【図1】 積層体10は,熱可塑性樹脂基材11とPVA系樹脂層12とを有し,熱可塑性樹脂基材11上にPVA系樹脂層12を形成することにより作製される。PVA系樹脂層12の形成方法は,任意の適切な方法を採用し得る。好ましくは,熱可塑性樹脂基材11上に,PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し,乾燥することにより,PVA系樹脂層12を形成する。」 カ 「【0022】 A-2.工程B 上記工程Bでは,PVA系樹脂層をヨウ素で染色する。具体的には,PVA系樹脂層にヨウ素を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては,例えば,ヨウ素を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法,PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法,当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは,染色液に積層体を浸漬させる方法である。ヨウ素が良好に吸着し得るからである。」 キ 「【0024】 工程Bは,後述の工程Cの前に行ってもよいし,工程Cの後に行ってもよい。後述するが,工程Cにおいて水中延伸方式を採用する場合,好ましくは,工程Bは工程Cの前に行う。」 ク 「【0025】 A-3.工程C 上記工程Cでは,上記積層体を延伸する。積層体の延伸方法は,任意の適切な方法を採用することができる。具体的には,固定端延伸でもよいし,自由端延伸(例えば,周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。積層体の延伸は,一段階で行ってもよいし,多段階で行ってもよい。多段階で行う場合,後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は,各段階の延伸倍率の積である。」 ケ 「【0034】 A-4.工程D 工程Bおよび工程Cの後,上記工程Dでは,積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する。積層体のPVA系樹脂層に対して,このような処理を施すことにより,得られる偏光膜の光学特性を向上させることができる。工程Dにより,光学特性への寄与が低い配向性の低いヨウ素錯体が選択的に分解され得ることが,光学特性向上の要因の一つとして考えられる。具体的には,熱可塑性樹脂基材上に形成され,染色工程および延伸工程を経たPVA系樹脂層は,その熱可塑性樹脂基材側(下側)と表面側(上側)とで構成が異なる。具体的には,下側と上側とではPVA系樹脂の配向性が異なり,上側が下側に比べて配向性が低い傾向にある。配向性の低い部分に存在するヨウ素錯体もその配向性は低く,光学特性(特に,偏光度)への寄与が低いだけでなく,光学特性(特に,透過率)の低下の原因となり得る。一方で,このようなヨウ素錯体は,その配向性の低さから結合力も弱く分解されやすい。その結果,工程Dにより,配向性の低いヨウ素錯体を選択的に分解させて,可視光領域の吸収を低減させ,透過率を向上させることができる。なお,配向性の低いヨウ素錯体は,もともと偏光度への寄与が低いため,分解されても偏光度の低下は最小限に抑えられる。 【0035】 上記被覆フィルムとしては,任意の適切な樹脂フィルムを採用し得る。好ましくは,その透湿度が100g/m^(2)・24h以下であり,さらに好ましくは90g/m^(2)・24h以下である。このような被覆フィルムにより,PVA系樹脂層に存在する水分を層中にとどめた状態で加熱処理を行うことができる。水分存在下で加熱することにより,特に,水溶化されている(配向性の低い)ヨウ素錯体は分解されやすく,ヨウ素イオンに分解され得,得られる偏光膜の可視光領域の吸収が低減して,透過率が向上し得る。ここで,上記熱可塑性樹脂基材の透湿度が低いほど,PVA系樹脂層に存在する水分をとどめることができ,好ましい。上記延伸工程(工程C)後の熱可塑性樹脂基材の透湿度は,好ましくは100g/m^(2)・24h以下であり,さらに好ましくは90g/m^(2)・24h以下である。なお,「透湿度」は,JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準拠して,温度40℃,湿度92%RHの雰囲気中,面積1m2の試料を24時間に通過する水蒸気量(g)を測定して求められる値である。 【0036】 被覆フィルムの構成材料は,上記透湿度を満足し得る任意の適切な材料を採用し得る。被覆フィルムの構成材料としては,例えば,ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂,ポリエステル系樹脂,(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。なお,「(メタ)アクリル系樹脂」とは,アクリル系樹脂および/またはメタクリル系樹脂をいう。 【0037】 被覆フィルムの厚みは,上記透湿度を満足し得る厚みに設定し得る。代表的には10μm?100μmである。 【0038】 好ましい実施形態においては,接着剤を介して,PVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆する。接着剤を用いることにより,PVA系樹脂層と被覆フィルムとの間に隙間が生じるのを防いで密着性を高めることができる。その結果,配向性の低いヨウ素錯体を効率的に分解させることができる。接着剤としては,任意の適切な接着剤が用いられ,水系接着剤であってもよいし溶剤系接着剤であってもよい。好ましくは,水系接着剤が用いられる。水系接着剤に含まれる水分がPVA系樹脂層に移行し得る。これにより,ヨウ素錯体の安定性が低下し,特に配向性の低いヨウ素錯体は,もともとの安定性が低いため,分解されやすい状態になる。その結果,配向性の低いヨウ素錯体の分解を選択的に促進させることができる。」 コ 「【0042】 具体的には,PVA系樹脂層表面に接着剤を塗布して被覆フィルムを貼り合わせる。接着剤の塗布時の厚みは,任意の適切な値に設定し得る。例えば,加熱(乾燥)後に,所望の厚みを有する接着剤層が得られるように設定する。接着剤層の厚みは,好ましくは10nm?300nm,さらに好ましくは10nm?200nm,特に好ましくは20nm?150nmである。被覆フィルムを貼り合わせる際,接着剤に含まれる単位面積当たりの水分量は,好ましくは0.05mg/cm^(2)以上である。このような水分量を満足することにより,配向性の低いヨウ素錯体を効率的に分解させ得る。一方,水分量は,好ましくは2.0mg/cm^(2)以下,さらに好ましくは1.0mg/cm^(2)以下である。接着剤の乾燥に時間がかかるおそれがあるからである。好ましくは,工程Dの前に積層体を乾燥させ,乾燥後,PVA系樹脂層表面に接着剤を塗布して被覆フィルムを貼り合わせ,接着剤に水が含まれる状態でPVA系樹脂層が加熱される。接着剤に含まれる単位当たりの水分量は上記のとおりであり,当該水分量は,接着剤に含まれる水分量とPVA系樹脂層表面への接着剤の塗布量とにより求められる。」 サ 「【0045】 A-5.その他の工程 本発明の偏光膜の製造方法は,上記工程A,工程B,工程Cおよび工程D以外に,その他の工程を含み得る。その他の工程としては,例えば,不溶化工程,架橋工程,上記工程Cとは別の延伸工程,洗浄工程,乾燥工程等が挙げられる。その他の工程は,任意の適切なタイミングで行い得る。」 シ 「【0055】 図2は,本発明の偏光膜の製造方法の一例を示す概略図である。 【図2】 積層体10を,繰り出し部100から繰り出し,ロール111および112によってホウ酸水溶液の浴110中に浸漬させた後(不溶化工程),ロール121および122によって二色性物質(ヨウ素)およびヨウ化カリウムの水溶液の浴120中に浸漬させる(工程B)。次いで,ロール131および132によってホウ酸およびヨウ化カリウムの水溶液の浴130中に浸漬させる(架橋工程)。その後,積層体10を,ホウ酸水溶液の浴140中に浸漬させながら,速比の異なるロール141および142で縦方向(長手方向)に張力を付与して延伸する(工程C)。延伸処理した積層体(光学フィルム積層体)10を,ロール151および152によってヨウ化カリウム水溶液の浴150中に浸漬させ(洗浄工程),乾燥工程に供する(図示せず)。その後,PVA系樹脂層表面を被覆フィルム20で被覆して所定の温度に保持された恒温ゾーン160にて加熱し(工程D),巻き取り部170にて巻き取る。」 ス 「【0056】 B.偏光膜 本発明の偏光膜は,上記製造方法により得られる。本発明の偏光膜は,実質的には,二色性物質が吸着配向されたPVA系樹脂膜である。偏光膜の厚みは,代表的には25μm以下であり,好ましくは15μm以下,より好ましくは10μm以下,さらに好ましくは7μm以下,特に好ましくは5μm以下である。一方,偏光膜の厚みは,好ましくは0.5μm以上,より好ましくは1.5μm以上である。偏光膜は,好ましくは,波長380nm?780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光膜の単体透過率は,好ましくは40.0%以上,より好ましくは41.0%以上,さらに好ましくは42.0%以上,特に好ましくは43.0%以上である。偏光膜の偏光度は,好ましくは99.8%以上,より好ましくは99.9%以上,さらに好ましくは99.95%以上である。」 セ 「【0057】 上記偏光膜の使用方法は,任意の適切な方法が採用され得る。具体的には,上記熱可塑性樹脂基材および/または被覆フィルムと一体となった状態で使用してもよいし,熱可塑性樹脂基材および/または被覆フィルムを剥離して使用してもよい。被覆フィルムを剥離しない場合,被覆フィルムを後述の光学機能フィルムとして用いることができる。 【0058】 C.光学積層体 本発明の光学積層体は,上記偏光膜を有する。図3(a)および(b)は,本発明の好ましい実施形態による光学フィルム積層体の概略断面図である。 【図3】(a)及び(b) 光学フィルム積層体100は,熱可塑性樹脂基材11’と偏光膜12’と粘着剤層13とセパレータ14とをこの順で有する。光学フィルム積層体200は,熱可塑性樹脂基材11’と偏光膜12’と接着剤層15と光学機能フィルム16と粘着剤層13とセパレータ14とをこの順で有する。本実施形態では,上記熱可塑性樹脂基材を,得られた偏光膜12’から剥離せずに,そのまま光学部材として用いている。熱可塑性樹脂基材11’は,例えば,偏光膜12’の保護フィルムとして機能し得る。 【0059】 図4(a),(b),(c)および(d)は,本発明の別の好ましい実施形態による光学機能フィルム積層体の概略断面図である。 【図4】(a)?(d) 光学機能フィルム積層体300は,セパレータ14と粘着剤層13と偏光膜12’と接着剤層15と光学機能フィルム16とをこの順で有する。光学機能フィルム積層体400では,光学機能フィルム積層体300の構成に加え,第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’とセパレータ14との間に粘着剤層13を介して設けられている。光学機能フィルム積層体500は,光学機能フィルム16が偏光膜12’に粘着剤層13を介して積層され,第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’に接着剤層15を介して積層されている。光学機能フィルム積層体600は,光学機能フィルム16および第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’に接着剤層15を介して積層されている。本実施形態では,上記熱可塑性樹脂基材は取り除かれている。 【0060】 本発明の光学積層体を構成する各層の積層には,図示例に限定されず,任意の適切な粘着剤層または接着剤層が用いられる。粘着剤層は,代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。接着剤層としては,代表的にはPVA系接着剤で形成される。上記光学機能フィルムは,例えば,偏光膜保護フィルム,位相差フィルム等として機能し得る。」 (2) 引用発明 引用例の段落【0008】?【0056】には,引用例の【請求項1】,【請求項3】及び【請求項4】に対応する実施形態として,工程A?Dを含む偏光膜の製造方法が開示されている。また,引用例の段落【0057】?【0060】には,この偏光膜の使用方法として,光学フィルム積層体が開示されているところ,その一例として,【図4】(d)の光学フィルム積層体が開示されている。 そうしてみると,引用例には,以下の,偏光膜の使用方法が開示されている(以下「引用発明」という。引用箇所を明示することを目的として段落番号を併記する。)。 「 【0009】工程A:積層体は,熱可塑性樹脂基材とPVA系樹脂層とを有し,熱可塑性樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成することにより作製され, 【0022】工程B:PVA系樹脂層をヨウ素で染色し, 【0025】工程C:積層体を延伸し, 【0034】工程D:積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する, 【0008】偏光膜の製造方法において, 【0035】被覆フィルムの透湿度が100g/m^(2)・24h以下であり, 【0038】接着剤を介して,PVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,接着剤としては,好ましくは,水系接着剤が用いられ, そして, 【0057】上記偏光膜の使用方法は,任意の適切な方法が採用され,熱可塑性樹脂基材および/または被覆フィルムを剥離して使用してもよく,被覆フィルムを剥離しない場合,被覆フィルムを光学機能フィルムとして用いることができるところ, 【0059】光学機能フィルム積層体600は,光学機能フィルム16および第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’に接着剤層15を介して積層され,【0060】接着剤層は,代表的にはPVA系接着剤で形成され, 【0059】熱可塑性樹脂基材は取り除かれている, 偏光膜の使用方法。」 2 対比及び判断 (1) 対比 ア 樹脂基材上に偏光膜を作製する工程 引用発明は,工程A?Dとして,「工程A:積層体は,熱可塑性樹脂基材とPVA系樹脂層とを有し,熱可塑性樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成することにより作製され,工程B:PVA系樹脂層をヨウ素で染色し,工程C:積層体を延伸し,工程D:積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する」工程を具備する。 ここで,引用発明は,工程A?Dの全体を「偏光膜の製造方法」とするものであるが,技術的にみると,工程Cまでで,偏光膜が熱可塑性樹脂基材上に作製されている。また,引用発明の「熱可塑性樹脂基材」,「熱可塑性樹脂基材上」,「PVA系樹脂層」,「積層体」,「延伸」及び「染色」は,それぞれ,本願発明の「樹脂基材」,「樹脂基材の片側」,「ポリビニルアルコール系樹脂層」,「積層体」,「延伸」及び「染色」に相当する。 したがって,引用発明の工程A?Cは,本願発明の「樹脂基材上に偏光膜を作製する工程」に相当し,また,引用発明の工程A?Cは,本願発明の「樹脂基材と該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体を延伸,染色して,該樹脂基材上に偏光膜を作製する工程」の要件を満たす。 なお,本願発明の「延伸,染色して」との構成は,「延伸」と「染色」の処理の順序を特定する構成でない。例えば,本件出願の発明の詳細な説明の段落【0041】には,「染色処理は,任意の適切なタイミングで行い得る。上記水中延伸を行う場合,好ましくは,水中延伸の前に行う。」と記載されている。また,仮に,本願発明の「延伸,染色して」との構成を「延伸した後に染色して」の構成に限定解釈して引用発明との相違点とするとしても,引用例の段落【0024】には,「工程Bは,後述の工程Cの前に行ってもよいし,工程Cの後に行ってもよい。」と記載されているから,相違点は,引用例が選択肢として示唆する設計的事項にすぎない。 イ 加熱する工程 引用発明は,工程Dとして,「工程D:積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する」工程を具備する。 ここで,引用発明の「積層体のPVA系樹脂層表面」は,本願発明でいう「該偏光膜の該樹脂基材と反対側」である。また,技術的にみると,引用発明の「被覆フィルム」は,偏光膜を保護する機能を具備するから,引用発明の「被覆フィルム」は,本願発明の「第1の保護フィルム」に相当する。なお,引用発明の「被覆フィルム」は「光学機能フィルムとして用いることができ」るところ(段落【0057】),引用例の段落【0060】には,「上記光学機能フィルムは,例えば,偏光膜保護フィルム,位相差フィルム等として機能し得る。」と記載されている。 したがって,引用発明の「工程D:積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する」工程は,本願発明の「該偏光膜の該樹脂基材と反対側に第1の保護フィルムを積層した後に加熱する工程」に相当する。 ウ 第2の保護フィルムを積層する工程 引用発明において,「熱可塑性樹脂基材および/または被覆フィルムを剥離して使用して」もよいとされているところ,引用発明の「光学機能フィルム積層体600は,光学機能フィルム16および第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’に接着剤層15を介して積層され」た構成を具備し,「接着剤層は,代表的にはPVA系接着剤で形成され」ている。 ここで,引用発明の偏光膜において,「熱可塑性樹脂基材は取り除かれている」とされる面は,本願発明でいう「該偏光膜の該樹脂基材を剥離した側」である。また,引用発明の偏光膜において,「熱可塑性樹脂基材は取り除かれている」とされる面に「接着剤層15を介して積層され」た光学機能フィルム(光学機能フィルム16又は第2の光学機能フィルム16’のいずれか,以下「剥離側光学機能フィルム」という。)は,偏光膜を保護する機能を具備する(前記イと同様である。)。したがって,引用発明の剥離側光学機能フィルムは,本願発明の「第2の保護フィルム」に相当する。加えて,引用発明の「光学機能フィルム積層体600は,光学機能フィルム16および第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’に接着剤層15を介して積層され」た構成を具備するから,その前提として,引用発明は,「偏光膜の熱可塑性樹脂基材を剥離した側に接着剤層15を介して剥離側光学機能フィルムを積層する工程」(以下「第2積層工程」という。)を,事実上,具備する。 そうしてみると,引用発明は,第2積層工程を事実上具備する点において,「該偏光膜の該樹脂基材を剥離した側に第2の保護フィルムを積層する工程」の要件を満たす。 エ 第1の保護フィルムの積層 引用発明は,「接着剤を介して,PVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆」する工程を具備するところ,「接着剤としては,好ましくは,水系接着剤が用いられ」ている。したがって,引用発明は,本願発明の「該第1の保護フィルムを,水系接着剤を介して積層し」の要件を満たす。 オ 透湿度 引用発明では,「被覆フィルムの透湿度が100g/m^(2)・24h以下」であるから,本願発明の「該第1の保護フィルムの透湿度が100g/m^(2)・24h以下である」の要件を満たす。 カ 偏光板の製造方法 引用発明の「光学機能フィルム積層体600は,光学機能フィルム16および第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’に接着剤層15を介して積層され」てなるものであるから,引用発明の「光学機能フィルム積層体600」は,本願発明でいう「偏光板」である。また,引用発明の「偏光膜の使用方法」は,偏光膜との関係においては「偏光膜の使用方法」であるが,「光学機能フィルム積層体600」との関係においては,「光学機能フィルム積層体600の製造方法」といえる。 したがって,引用発明の「偏光膜の使用方法」は,本願発明の「偏光板の製造方法」に相当する。 (2) 一致点 本願発明と引用発明は,以下の構成において一致する。 「 樹脂基材と該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体を延伸,染色して,該樹脂基材上に偏光膜を作製する工程と, 該偏光膜の該樹脂基材と反対側に第1の保護フィルムを積層した後に加熱する工程と, 該偏光膜の該樹脂基材を剥離した側に第2の保護フィルムを積層する工程と,を含み, 該第1の保護フィルムを,水系接着剤を介して積層し, 該第1の保護フィルムの透湿度が100g/m^(2)・24h以下である, 偏光板の製造方法。」 (3) 相違点 本願発明と引用発明は,以下の点において(一応)相違する。 ア 相違点1 本願発明は,「該偏光膜の該樹脂基材と反対側に第1の保護フィルムを積層した後に加熱する工程」と「該偏光膜の該樹脂基材を剥離した側に第2の保護フィルムを積層する工程」の間に,「該樹脂基材を剥離する工程」を具備するのに対し,引用発明は,熱可塑性樹脂基材を剥離する工程の前後関係が,一応,明らかではない点。 すなわち,(A)本件出願の請求項1には,「…工程と,…工程と,…工程と,…工程と,を含み」と記載されているけれども,本願発明は実施例2(段落【0103】)に対応するものであるから,「該偏光膜の該樹脂基材と反対側に第1の保護フィルムを積層した後に加熱する工程」と「該偏光膜の該樹脂基材を剥離した側に第2の保護フィルムを積層する工程」の間に,「該樹脂基材を剥離する工程」を具備すると,一応,解されるのに対して,(B)引用例の段落【0034】には,「ここで,上記熱可塑性樹脂基材の透湿度が低いほど,PVA系樹脂層に存在する水分をとどめることができ,好ましい。」と記載されているから,工程Dの段階では,熱可塑性樹脂基材は,まだ,剥離しないことが好ましいと認められるところではあるけれども,引用例には,引用発明(【図4】(d)の実施形態)以外にも,【図3】(a)及び(b)のような,熱可塑性樹脂基材11’を剥離しない実施形態も開示されており,また,引用例には,熱可塑性樹脂基材を剥離する工程について,段落【0059】に「本実施形態では,上記熱可塑性樹脂基材は取り除かれている。」と記載されているにとどまることから,引用発明において,剥離工程がどの段階に入るか断定できない点において,本願発明と引用発明は,一応,相違する。 イ 相違点2 本願発明は,「該第2の保護フィルムを,水分率が10%以下の接着剤を介して積層し」ているのに対し,引用発明の「接着剤層は,代表的にはPVA系接着剤で形成され」る点。 (4) 判断 相違点についての判断は,以下のとおりである。 ア 相違点1 引用例の段落【0056】には,「偏光膜の厚みは,代表的には25μm以下であり,好ましくは15μm以下,より好ましくは10μm以下,さらに好ましくは7μm以下,特に好ましくは5μm以下である」と記載されている。すなわち,引用発明の偏光膜は極めて薄い膜であるから,引用発明の「工程D:積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する」工程Dの前に,熱可塑性樹脂基材を剥離する工程を設けることは,およそ非現実的である。また,【図2】及び段落【0055】に開示された工程を参照しても,工程Dの前に熱可塑性樹脂基材を剥離する工程は存在しない。加えて,段落【0055】に続く段落【0056】には「本発明の偏光膜は,上記製造方法により得られる。」と記載され,段落【0056】に続く段落【0057】には,「上記偏光膜の使用方法は,任意の適切な方法が採用され得る。」と記載され,そして,段落【0058】?【0060】において,光学フィルム積層体の各実施形態(【図3】(a)及び(b),並びに,【図4】(a)?(d))が記載されている。そうしてみると,引用例の段落【0056】?【0060】の記載は,【図2】及び段落【0055】に開示されているような,工程Dの前に熱可塑性樹脂基材を剥離する工程が存在しない製造方法によって製造された偏光膜を,【図3】(a)及び(b)のように使用することや,【図4】(a)?(d)のように使用することを開示していると解するのが妥当である。 したがって,相違点1に係る構成は,実質的に引用発明も具備する構成であるから,相違点1は,実質的に相違点ではない。 あるいは,引用発明の偏光膜は極めて薄い膜であるから,製造容易性を考慮した当業者ならば,引用発明の工程Dの前に熱可塑性樹脂基材を剥離する工程を設けるよりも,相違点1に係る構成を採用する方が,より良い製造方法であると判断する。したがって,引用発明において相違点1に係る構成を採用することは,当業者が容易にできたことである。 イ 相違点2 偏光膜にフィルムを積層するに際し,水系接着剤を使用した場合に水抜けが悪く,接着剤の水分によって偏光フィルムの損傷や偏光性能の劣化などを引き起こす場合があることは,当業者において周知事項であり(必要ならば,周知例1の段落【0129】,周知例2の段落【0104】,周知例3の段落【0150】を参照。),少なくとも,周知例1?3に記載され公知である。 ここで,引用発明は,「被覆フィルムを剥離しない場合,被覆フィルムを光学機能フィルムとして用いることができ」という構成を具備し,また,引用発明の第2積層工程は,透湿度が低い被覆フィルムを積層した状態で行われるといえるから,水抜けは比較的悪い(乾燥に時間を要する等,製造上の問題がある)。あるいは,剥離側光学機能フィルムの材質の透湿度も低い場合,水抜けは極めて悪いといえる。 したがって,上記周知事項又は周知例1?3記載技術を心得た当業者において,引用発明のPVA系接着剤に替えて,「水分率が10%以下の接着剤」を採用することは,容易にできた事項である。 なお,引用発明の第2積層工程の「接着剤層は,代表的にはPVA系接着剤で形成され」るところ,PVA系接着剤は,水系接着剤であるから,念のため,阻害要因の有無についても検討すると,以下のとおりとなる。 すなわち,引用発明において,「接着剤を介して,PVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,接着剤としては,好ましくは,水系接着剤が用いられ」ることの技術的意義に関して,引用例の段落【0038】には,「好ましくは,水系接着剤が用いられる。水系接着剤に含まれる水分がPVA系樹脂層に移行し得る。これにより,ヨウ素錯体の安定性が低下し,特に配向性の低いヨウ素錯体は,もともとの安定性が低いため,分解されやすい状態になる。その結果,配向性の低いヨウ素錯体の分解を選択的に促進させることができる。」と記載されている。すなわち,引用発明において,「接着剤を介して,PVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,接着剤としては,好ましくは,水系接着剤が用いられ」ることには,積極的な理由が存在する。 これに対して,引用例の段落【0060】には,「本発明の光学積層体を構成する各層の積層には,図示例に限定されず,任意の適切な粘着剤層または接着剤層が用いられる。粘着剤層は,代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。接着剤層としては,代表的にはPVA系接着剤で形成される。」と記載されている。すなわち,引用発明の第2積層工程においてPVA系接着剤が用いられることについては,「代表的」という,良く使用されるものを例示したという程度の技術的意義にとどまるものである。 したがって,引用発明のPVA系接着剤に替えて,「水分率が10%以下の接着剤」を採用することには,特段の阻害要因は存在しないと解するのが相当である。 (5) 効果について 本願発明の効果は,引用発明及び周知技術から期待される効果の範囲内にとどまる。 3 小括 本願発明は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された引用例に記載された発明等に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 4 請求人の主張について (1) 剥離工程に関して 請求人は,意見書において,「相違点1については,ご認定のとおり,引用例1には偏光膜の厚みが代表的には25μm以下であることが明確に記載されています。厚みが25μmの偏光膜は十分に自己支持性を有します。したがって,例えば厚み25μmの偏光膜について「『該偏光膜の該樹脂基材と反対側に第1の保護フィルムを積層した後に加熱する工程』の前に『該樹脂基材を剥離』する工程を設けることは,およそ非現実的である。」とのご認定は適切ではありません。」」と主張する。 しかしながら,「偏光膜の厚みは,代表的には25μm以下であり」(段落【0056】)という記載は,偏光膜の厚みが「代表的には25μm」であることを意味するものではなく,偏光膜の厚みが「代表的には25μm以下」であることを意味するものである。そして,引用発明の偏光膜の厚みは,特に好ましくは,5μm以下である(段落【0056】)。 加えて,25μmのPVA樹脂膜は,ある程度の自己支持性を具備するとしても,それのみでは,被覆フィルムを剥離したときに破れやすいと考えるのが自然である。 したがって,引用発明の「工程D:積層体のPVA系樹脂層表面を被覆フィルムで被覆し,この状態で積層体を加熱する」工程Dの前に,熱可塑性樹脂基材を剥離する工程を設けることは,およそ非現実的であり,請求人の主張は採用できない。 (2) 接着層について 請求人は,意見書において,「引用発明は,透湿度の低いフィルムで被覆して水分存在下でPVA系樹脂層を加熱することにより透過率を向上させるという発明です(例えば,段落0035)。すなわち,引用発明は,層中の水分を積極的に利用する発明であり,そのような発明においては,水分がPVA系樹脂層に移行し得る水系接着剤が好ましいことが明記されています(段落0038)。したがって,仮に水系接着剤を使用した場合の水抜けの悪さが周知事項であったとしても,引用発明はその水抜けの悪さ(そのことによる層中の水分)を利用するものです。したがって,水系接着剤を低水分率接着剤に変更するということは,引用発明の原理にも主たる目的にも反しますから,当業者が引用例1を基準として低水分率接着剤に想到することはなく,むしろ排除します。」と主張する。 しかしながら,前記「2」(4)イのなお書きで判断したとおりであるから,請求人の主張は採用できない。 なお,引用例の段落【0034】には,「熱可塑性樹脂基材上に形成され,染色工程および延伸工程を経たPVA系樹脂層は,その熱可塑性樹脂基材側(下側)と表面側(上側)とで構成が異なる。具体的には,下側と上側とではPVA系樹脂の配向性が異なり,上側が下側に比べて配向性が低い傾向にある。配向性の低い部分に存在するヨウ素錯体もその配向性は低く,光学特性(特に,偏光度)への寄与が低いだけでなく,光学特性(特に,透過率)の低下の原因となり得る。」と記載されている。また,この記載を読み替えると,「熱可塑性樹脂基材上に形成され,染色工程および延伸工程を経たPVA系樹脂層は,その熱可塑性樹脂基材側(下側)と表面側(上側)とで構成が異なる。具体的には,下側と上側とではPVA系樹脂の配向性が異なり,下側が上側に比べて配向性が高い傾向にある。配向性の高い部分に存在するヨウ素錯体もその配向性は高く,光学特性(特に,偏光度)への寄与が高いだけでなく,光学特性(特に,透過率)の低下の原因とならない。」となる。 周知例1?周知例3に記載された技術を心得た当業者が,引用例の段落【0034】の記載を読み替えて理解したならば,引用発明の剥離側光学機能フィルムの接着剤は,極力水分率の低いものとするのが望ましく,そうしなければ,せっかく製造された,配向性が高く,偏光度への寄与が高く,透過率の低下の原因とならないヨウ素錯体を,無駄に分解してしまうことに気づくといえる。 したがって,水系接着剤を低水分率接着剤に変更することは,引用発明の原理にも主たる目的にも反することではなく,むしろ,引用発明の原理及び主たる目的に沿ったものである。 第3 まとめ 以上のとおりであるから,他の請求項について審理するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-02-15 |
結審通知日 | 2016-02-17 |
審決日 | 2016-03-03 |
出願番号 | 特願2013-56412(P2013-56412) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G02B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大隈 俊哉、貝沼 憲司 |
特許庁審判長 |
藤原 敬士 |
特許庁審判官 |
樋口 信宏 清水 康司 |
発明の名称 | 偏光板の製造方法 |
代理人 | 籾井 孝文 |