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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1314141
審判番号 不服2014-22756  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-11-07 
確定日 2016-05-06 
事件の表示 特願2012-505954「対話的活動に関するユーザ体験を測定するための方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成22年10月28日国際公開、WO2010/123770、平成24年10月11日国内公表、特表2012-524458〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯及び本願発明
1 手続の経緯
本件出願は、2010年(平成22年)4月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年4月19日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成25年11月29日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成26年6月4日付けで手続補正がなされたが、平成26年7月1日付け(発送日同年7月7日)で拒絶査定がなされた。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成26年11月7日付けで請求された拒絶査定不服審判である。

2 本願発明
本願の請求項26に係る発明は、平成26年6月4日付け手続補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項26に記載された事項によって特定されるものであり、次のとおりのものと認められる。

(A)1以上のメンバーを含む視聴者のプレゼンテーションに対する反応の尺度をコンピュータシステムが求める方法であって、
(B)一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の個々のメンバーに対して、生体測定センサ装置が、前記一定期間中に前記プレゼンテーションに対する少なくとも1つの生体測定に基づく感情反応を測定し、
個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けて、メモリに記憶するステップと、
(C)一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の少なくとも1人のメンバーに対して、視標追跡センサ装置が前記プレゼンテーションの1以上の画像の、前記少なくとも1人の視聴者メンバーが見ている1以上の場所を判定し、
前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けて、前記メモリに記憶するステップと、
(D)前記コンピュータシステムが、前記少なくとも1つのイベントウィンドウに対して、前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数を、全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として求めるステップと、
(E)前記コンピュータシステムが、前記少なくとも1つのイベントウィンドウの前記生体測定感情視覚影響指数を示す報告を作成するステップと、
(F)を含むことを特徴とする方法。

((A)?(F)は、当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

上記構成要件Dにおける「前記少なくとも1つのイベントウィンドウ」は、この記載の前に「少なくとも1つのイベントウィンドウ」の記載はないから、「前記」は誤記と認められる。そうすると、本願の請求項26に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認められる。

(本願発明)
(A)1以上のメンバーを含む視聴者のプレゼンテーションに対する反応の尺度をコンピュータシステムが求める方法であって、
(B)一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の個々のメンバーに対して、生体測定センサ装置が、前記一定期間中に前記プレゼンテーションに対する少なくとも1つの生体測定に基づく感情反応を測定し、
個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けて、メモリに記憶するステップと、
(C)一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の少なくとも1人のメンバーに対して、視標追跡センサ装置が前記プレゼンテーションの1以上の画像の、前記少なくとも1人の視聴者メンバーが見ている1以上の場所を判定し、
前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けて、前記メモリに記憶するステップと、
(D)前記コンピュータシステムが、少なくとも1つのイベントウィンドウに対して、前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数を、全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として求めるステップと、
(E)前記コンピュータシステムが、前記少なくとも1つのイベントウィンドウの前記生体測定感情視覚影響指数を示す報告を作成するステップと、
(F)を含むことを特徴とする方法。

第2 刊行物1の記載事項及び刊行物1に記載された発明
1 刊行物1の記載事項
原査定における拒絶の理由に引用された国際公開第2008/030493号(以下「刊行物1」という。)には、「METHOD AND SYSTEM FOR DETERMING AUDIENCE RESPONSE TO ASENSORY STIMULUS」(発明の名称、訳:感覚的刺激への視聴者反応を決定する方法及び装置)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
(下線は当審が付与した。)

(ア)「BACKGROUND
The present invention is directed to a method and system for exposing a sample population audiance to a presentation (a sensory stimulus) and evaluating the audience's experience by measuring the biologically based responses of the audience to the presentation and determining a measure of the level and pattern of intensity, synchrony and engagement of that audience to the presentation.」(1頁15?20行)
[訳:発明の技術分野
本発明は、標本集団の視聴者をプレゼンテーション(感覚的刺激)に曝し、そして、その視聴者の体験を評価するための方法およびシステムに関し、その評価は、プレゼンテーションに対する視聴者の生物学に基づく反応を測定し、そして、プレゼンテーションに対する視聴者の強度、同調性、および関与についてのレベルの程度およびパターンを決定することによって実行される。]

(イ)「The present invention relates to a system and method for use in the field of audience measurement. Specifically, the invention is directed to a method and system for recording the biologically based audience responses to a presentation (for example, a live or recorded, passive or interactive audio, visual, audio-visual presentation) and for determining a measure of moment-to-moment and overall intensity, synchrony and engagement of the audience with that stimulus presentation. The measure of engagement of the sample population audience can then be used to estimate the level to which a population as a whole will be engaged by, or like or dislike, the same presentation. The measure of engagement of the audience when combined with eye-tracking technology can also be used to determine what elements of a presentation are most engaging relative to other elements in that or a similar presentation. The measures of intensity, synchrony and engagement can be used both for diagnostic value and/or to anticipate the success or failure of a presentation. This can be accomplished via predictive models for comparing, for example, the measure of intensity, synchrony or engagement of known successful presentations to the measure of engagement for an unknown or not previously evaluated presentation for a sample population ( representative audience).」(3頁11?25行)
[訳:本発明は、視聴者測定の分野での使用のためのシステムおよび方法に関する。具体的には、本発明は、プレゼンテーション(例えば、生または記録された受動的または対話型の聴覚、視覚、視聴覚のプレゼンテーション)に対する生物学に基づく視聴者の反応を記録するため、および、その刺激プレゼンテーションによる、視聴者の経時的および全体的な強度、同調性、および関与の程度を決定するための方法およびシステムに関連する。次いで標本集団の視聴者の関与の程度は、全体としての集団が同じプレゼンテーションに引き付けられるか、またはそれを好むか、もしくは好まないレベルを推定するために使用することができる。視聴者の関与の程度は、視標の追跡技術と組み合わされると、プレゼンテーションのどの要素が、そのプレゼンテーションまたは類似のプレゼンテーションの他の要素に比べて最も引き付けるかを決定するためにも使用可能である。強度、同調性、および関与の程度は、次いで、診断値に使用可能、および/またはプレゼンテーションの成功または失敗を予期するために使用可能である。これは、例えば、既知の成功したプレゼンテーションの強度、同調性、または関与の程度を、標本集団(代表視聴者)の未知のまたは以前に評価されていないプレゼンテーションに対する関与の程度と比較するための予測モデルによって達成することができる。]

(ウ)「Biometric response data can be gathered via a multi-sensor wearable body monitoring device that enables continuous collection of biologically based data that is time-stamped in order to correlate it to the presentation. This sensor package can include a measure of skin conductivity (SC), and can include any number of additional sensors to monitor responses such as heart response, brain waves, respiratory response, body movements, eye tracking, facial expressions and other biologically based signals.」(4頁5?10行)
[訳:生体測定反応データは、複数センサ装着型監視デバイスを介して収集することができ、このデバイスは、プレゼンテーションに相関させるための、タイムスタンプされた生物学に基づくデータの連続収集が可能である。このセンサパッケージは、皮膚導電性(SC)の程度を含むことができ、心臓反応、脳波、呼吸反応、体の動作、視標追跡、表情、および他の生物学に基づく信号等の反応を監視するための追加のセンサをいかなる数でも含むことができる。]

(エ)「Biologically based responses to passive and interactive presentations can be measured using various sensors affixed to the body to record various biological responses including but not limited to heart rate, respiration rate, motion, and skin conductivity. There are now multiple products and new technologies on the market that allow continuous unobtrusive monitoring of biologically based human responses, for example, many are often employed for health and fitness purposes. One product, offered under the name LifeShirt System (VivoMetrics, Ventura CA) is a state-of-the-art garment that is worn unobtrusively by a person being evaluated and can simultaneously collect pulmonary, cardiac, skin, posture and vocal information for later analysis. Another product, offered under the name SenseWear (BodyMedia, Pittsburgh PA) is an armband that simultaneously collects skin conductance, body temperature, motion, and heart rate. Also, a product offered under the name Tobii x50 Eye Tracker or Tobii 2150 (Tobii Technology, McLean VA) is a state-of-the-art eye-tracking device that allows for unobtrusive monitoring of eye fixation location and fixation duration to a high degree of certainty. By combining eye-tracking with other biologically based responses, the system can uniquely predict what specific elements within a complex sensory experience (e.g., multimedia or Internet experience) are triggering the response.」(8頁16行?9頁1行)
[訳:受動的および対話型プレゼンテーションに対する生物学に基づく反応は、心拍数、呼吸速度、動作、および皮膚導電性を含むがこれらに限定されない様々な生物学的反応を記録するために体に取り付けられた様々なセンサを使用して測定することができる。現在、生物学に基づく人間の反応の、連続的で目立たない監視を可能とする多くの製品および新技術が市場にあり、例えば、多くは健康またはフィットネスを目的として使用されることが多い。LifeShirt System(VivoMetrics、Ventura CA)の名称で提供されているある製品は、評価対象者により目立たずに装着され、肺、心臓、皮膚、姿勢、および声の情報を後の分析のために同時に収集することができる最新の衣服である。SenseWear(BodyMedia、Pittsburgh PA)の名称で提供されている他の製品は、皮膚コンダクタンス、体温、動作、および心拍数を同時に収集するアームバンドである。また、Tobii x50 Eye TrackerまたはTobii 2150(Tobii Technology、McLean VA)の名称で提供されている製品は、目の凝視場所および凝視間隔を高度の正確性で目立たずに監視することを可能にする最新の視標追跡デバイスである。視標追跡を他の生物学に基づく反応と組み合わせることにより、システムは、複雑な感覚体験(例えば、マルチメディアまたはインターネット体験)内のどの特定の要素が反応の引き金となっているかを一意に予測することができる。]

(オ)「In accordance with the present invention, a measure of the intensity of the response to the presentation over the period of exposure to the presentation and a measure of the synchrony of the response to the presentation over the period of exposure to the presentation can be determined from the biologically based responses. Further, the period of exposure can be divided into time slots or windows of a variety of durations (fixed or varying), or event based units with a corresponding response value determined for and associated with each time slot or event window. The measure of intensity can include measuring the change, from a base level, of a biologically based response to the presentation, aggregated across two or more biological measures and aggregated across the population or part of the population.. Further, the response value can be determined as a function of the measured change and a set of predefined thresholds. The measure of synchrony can include determining a value indicative of the synchronized change or the correlation of the biologically based responses over the sample population. The measure of synchrony for a given time slot can be determined as a function of the inverse of the variance for the measured biologically based responses of the sample population for a common time slot. The measure of engagement can be determined by combining the measure of intensity and the measure of synchrony on a time slot by time slot basis. The measures of intensity and synchrony can be evenly or unevenly weighted in determining the measure of engagement.」(9頁28行?10頁14行)
[訳:本発明によれば、プレゼンテーションに対する曝露期間にわたる、プレゼンテーションに対する反応の強度の程度、およびプレゼンテーションに対する曝露期間にわたる、プレゼンテーションに対する反応の同調性の程度は、生物学に基づく反応から決定され得る。さらに、曝露期間は、様々な間隔(固定または可変)のタイムスロットもしくはウィンドウ、またはイベントベースの単位に分割され、対応する反応値が、各タイムスロットまたはイベントウィンドウに対し決定され、それと関連付けられることが可能である。強度の程度は、2つ以上の生物学的な程度にわたって集められた、および集団または集団の一部にわたって集められた、プレゼンテーションに対する生物学に基づく反応の基準レベルからの変化の測定を含むことができる。さらに、反応値は、測定された変化および1組の既定の閾値の関数として決定され得る。同調性の程度は、標本集団に対する同調性した変化または生物学に基づく反応の相関関係を表す値の決定を含むことができる。所与のタイムスロットの間の同調性の程度は、共通のタイムスロットの間の標本集団の測定された生物学に基づく反応の分散の逆数の関数として決定することができる。関与の程度は、強度の程度と同調性の程度をタイムスロット毎に組み合わせることにより決定することができる。強度および同調性の程度は、関与の程度の決定において、均一または不均一に加重され得る。]

(カ)「The system can include three time-locked or synchronized sources of data: 1) a media presentation device or some other apparatus or forum for presenting the sensory stimulus or series of stimuli, 2) a response monitoring device for the collection of a plurality of biological responses to the presentation, and 3) an eye-tracking system and/or video camera to determine the location and duration of pupil fixation plus facial responses. Additional video cameras can be used to determine the proximity of the individual and/or audience to the media device and the specific elements of the presentation being experienced. The response monitoring device and the eye-tracking system and/or video camera can be time-locked or synchronized with the sensory stimulus so that the monitoring device and the eye-tracking system and/or video camera can consistently record the biological responses that correspond to the same portions of the presentation. The system sensor package can include, but is not limited to, a measure of skin conductivity, heart rate, heart rate variability, vagal tone, respiration, body movement, measures of facial muscle movement/expression, eye-tracking and other biologically based signals such as body temperature, near body temperature, facial and body thermography imaging, facial EMG, EEG, fMRI and the like. The presentation content can include, but is not limited to, passive and interactive television, radio, movies, internet, gaming, and print entertainment and educational materials as well as live social interaction, theatrical, experiential, and amusement presentations. The time-locked data sources can be connected to or transferred to a computerized data processor to automatically apply the described method of scoring resulting in a pattern (or map) of engagement per unit time (time slot), per event, or across the entire presentation.」(10頁15行?11頁4行)
[訳:システムは、1)メディアプレゼンテーションデバイス、または、感覚的刺激または一連の刺激を提示するためのいくつかの他の装置もしくはフォーラム、2)プレゼンテーションに対する複数の生物学的反応の収集のための反応監視デバイス、および3)瞳孔の凝視および顔面の反応の場所及び期間を決定するための、視標追跡システムおよび/またはビデオカメラ、の3つのタイムロックまたは同調化されたデータのソースを含むことができる。追加のビデオカメラを使用して、メディアデバイスに対する個人および/または視聴者の近接性、ならびに、体験されているプレゼンテーションの特定の要素を決定することができる。反応監視デバイスおよび視標追跡システムおよび/またはビデオカメラは、監視デバイスおよび視標追跡システムおよび/またはビデオカメラが一致してプレゼンテーションの同じ部分に対応する生物学的反応を記録するように、感覚的刺激にタイムロックされるかまたは同調されることが可能である。システムセンサパッケージは、皮膚導電性の程度、心拍数、心拍数変動、迷走神経緊張、呼吸、体の動作、顔面筋の動き/表情の程度、視標追跡、ならびに他の生物学に基づく信号、例えば、体温、体の近辺の温度、顔面および体のサーモグラフィ画像、顔面EMG、EEG、fMRI等を含むことができるが、これらに限定されない。プレゼンテーションコンテンツは、受動的および対話型のテレビ、ラジオ、映画、インターネット、ゲーム、ならびに印刷されたエンターテイメントおよび教育資料の他、生の社会的相互作用、劇場用、体験的、および娯楽用のプレゼンテーションを含むことができるが、これらに限定されない。タイムロックされたデータソースは、自動的に上述のスコア方法を適用し、単位時間(タイムスロット)当たり、イベント当たり、またはプレゼンテーション全体にわたる関与のパターン(またはマップ)を得るために、コンピュータ化されたデータプロセッサに接続または転送され得る。]

(キ)「FIGURE 1 shows a schematic diagram of an embodiment of the system according to the invention. Thepresentation is presented to the audience 12 via a display device 10, such as a video display screen or other commercially available technology for presenting the presentation to the test or sample audience 12. The presentation can include, but is not limited to, passive and interactive television, radio, movies, internet, gaming, and print entertainment and educational materials. The display device 10 can include but is not limited to a television, movie screen, a desk-top, hand-held or wearable computer device, gaming consol, home or portable music device or any other device for the presentation of passive or interactive audio, visual or audio-visual presentation. For the purposes of this invention, the test audience 12 can be a single individual who is monitored viewing the same content several times, or any small or large group defined by any number of parameters (e.g., demographics, level of interest, physiological or psychological profile). The test audience can be monitored using a biological monitoring system 12a for the collection of a plurality of biological responses time-locked to each other and the test stimulus. The system can include a focus and/or facial monitoring system 14 (e.g., eye-tracking system, or a digital video camera) for the collection of data on the behavior, facial response and/or precise focus of the audience. The three data-sources (media stimulus, biological response data, and focus data) can be synchronized or time-locked and/or event-locked to each other whereby the response data collected is associated with a portion of the presentation and sent to a computer data processing device 16. The computer data processing device can be a general purpose computer or personal computer with a processor, memory and software for processing the biological response data and generating the intensity, synchrony and engagement values. The three data sources can be time-locked or synchronized externally or in the data processor 16 by a variety of means including but not limited to starting them all at the same time, or by providing a common event marker that allows the each system (in data processor 16) collecting the data from the three data sources to synchronize their clocks/event timers or simply synchronizing the clocks in each of the systems or use a common clock. The data processing device 16 can run software that includes the scoring algorithm to calculate the moment-to-moment, event-to-event or total level of engagement and compares it to a database of other audience responses to the same or similar test presentations and delivers the results to a user-interface 18. The user interface 18 can be provided on a desktop or portable computer or a computer terminal that accesses data processor 16.. The user interface 16 can ba a web based user interface or provided by a dedicated client running on the desktop or portable computer or computer terminal. The results can be interpreted and collected into a printed or electronic report 20 for distribution. The response data can be associated with the portion of the presentation that was displayed when the response was measured. Alternatively, the response data can be associated with an earlier portion of the presentation that is presumed to have caused the response based on a determined delay.」(14頁30行?16頁5行)
[訳:図1は、本発明によるシステムの実施形態の説明図を示す。プレゼンテーションは、試験または標本視聴者12にプレゼンテーションを提示するためのビデオ表示画面、または、他の市販の技術等の、表示デバイス10を介して視聴者12に提示される。プレゼンテーションは、受動的および対話型のテレビ、ラジオ、映画、インターネット、ゲーム、ならびに印刷されたエンターテイメントおよび教育資料を含むことができるが、これらに限定されない。表示デバイス10は、テレビ、映画スクリーン、デスクトップ、ハンドヘルド型もしくは装着型コンピュータデバイス、ゲーム機、家庭用もしくは携帯型音楽デバイス、または、受動的もしくは対話型の聴覚、視覚、もしくは視聴覚プレゼンテーションの提示のための他のいかなるデバイスをも含むことができるが、これらに限定されない。本発明の目的のために、試験視聴者12は、同じコンテンツを複数回視聴していることを監視されている1人の個人であってもよく、または、任意の数のパラメータ(例えば、人口統計、関心のレベル、生理学的または心理学的のプロファイル等)により定義される、小集団もしくは大集団であってもよい。試験視聴者は、互いに、および試験刺激にタイムロックされた複数の生物学的反応の収集のために、生物学的監視システム12aを使用して監視され得る。システムは、行動、顔面の反応および/または視聴者の明確な集中に関するデータの収集のための集中および/または顔面監視システム14(例えば、視標追跡システム、またはデジタルビデオカメラ等)を含むことができる。3つのデータソース(メディア刺激、生物学的反応データ、および集中データ)は、互いに同調されるか、タイムロックおよび/もしくはイベントロックされ、それにより、収集された反応データはプレゼンテーションの一部と関連付けられ、コンピュータデータ処理デバイス16に送信される。コンピュータデータ処理デバイスは、プロセッサ、メモリ、ならびに、生物学的反応を処理し、強度、同調性、および関与の値を生成するためのソフトウェアを備える汎用コンピュータまたはパソコンであってもよい。3つのデータソースは、様々な手段により外部的に、またはデータプロセッサ16内でタイムロックまたは同調され得るが、該手段には、それらすべてを同時に起動する、または、(データプロセッサ16内の)各システムが3つのデータソースからデータを収集してそれらのクロック/イベントタイマを同調することができるようにする共通のイベントマーカを提供するか、または単にシステムのそれぞれにおけるクロックを同調するか、または共通のクロックを使用することによるものが含まれるが、それらに限定されない。データ処理デバイス16は、経時的な、イベント毎の、または総合的な関与のレベルを計算するためのスコア化アルゴリズムを含み、それを同じまたは類似した試験プレゼンテーションに対する他の視聴者の反応のデータベースと比較し、結果をユーザインタフェース18に送達するソフトウェアを実行することができる。ユーザインタフェース18は、データプロセッサ16にアクセスするデスクトップ若しくは携帯型のコンピュータまたはコンピュータ端末に提供することができる。ユーザインタフェース16は、ウェブベースのユーザインタフェースであってもよく、または、デスクトップまたは携帯型コンピュータもしくはコンピュータ端末上で動作する専用クライアントにより提供されていてもよい。結果は、解釈され、配布のために印刷された報告または電子報告20内に収集され得る。反応データは、反応が測定されたときに表示されたプレゼンテーションの部分と関連付けられることが可能である。あるいは、反応データは、決定された遅延に基づき、反応をもたらしたと推測される、プレゼンテーションのそれより前の部分と関連付けられることが可能である。]

(ク)「As a result, for each person, a response map can be determined as a set of intensity values associated with each time (or event) window during which each person was exposed to the presentation. The measure of intensity for the sample population can be determined by adding the measure of intensity associated with the same time window for each person exposed to the presentation. The result is a response time line that is the aggregate of the population sample. The response patterns for two or more biologically based responses (e.g. skin conductivity, heart rate, respiration rate, motion, etc.) can be combined (evenly or unevenly weighted) in a time window by time window basis to determine an overall intensity score or intensity time line. The aggregate can be normalized for a population size, for example 10 or 25 people.」(17頁13?21行)
[訳:結果として、各人物に対し、各人物がプレゼンテーションに反応した各タイム(またはイベント)ウィンドウと関連付けられた1組の強度値として反応マップを決定することができる。標本集団の強度の程度は、プレゼンテーションに曝された各人物の同じタイムウィンドウと関連付けられた強度の程度を加えることにより決定することができる。結果は、集団標本の集合である反応タイムラインである。2つ以上の生物学に基づく反応(例えば、皮膚導電性、心拍数、呼吸速度、動作等)の反応パターンをタイムウィンドウ毎のベースで組み合わせて(均一または不均一に加重されて)、全体的な強度スコアまたは強度タイムラインを決定することができる。集合は、集団サイズ、例えば10人または25人等に正規化することができる。]

2 刊行物1に記載された発明
上記(ア)によると、刊行物1には、『標本集団の視聴者をプレゼンテーションに曝し、プレゼンテーションに対する視聴者の生物学に基づく反応を測定し、プレゼンテーションに対する視聴者の強度についてのレベルの程度およびパターンを決定する方法』が記載されている。
上記(カ)によると、システムは、メディアプレゼンテーションデバイス、プレゼンテーションに対する複数の生物学的反応の収集のための反応監視デバイス、瞳孔の凝視場所及び期間を決定するための、視標追跡システムの3つのタイムロックまたは同調化されたデータのソースを含み、反応監視デバイスおよび視標追跡システムは、監視デバイスおよび視標追跡システムが一致してプレゼンテーションの同じ部分に対応する生物学的反応を記録するように、感覚的刺激にタイムロックされるかまたは同調されることが可能であり、上記(ウ)によると、監視デバイスはプレゼンテーションに相関させるための、タイムスタンプされた生物学に基づくデータの連続収集が可能であり、皮膚導電性及び視標追跡を監視するから、『生物学的反応の収集のための反応監視デバイスは、タイムスタンプされた、プレゼンテーションに対する皮膚導電性を収集し、瞳孔の凝視場所及び期間を決定するための、視標追跡システムは、タイムスタンプされた、プレゼンテーションに対する瞳孔の凝視場所を収集』することが、刊行物1には記載されている。
上記(キ)によると、システムはコンピュータ処理デバイス16を含み、3つのデータはコンピュータ処理デバイス16に送信され、コンピュータ処理デバイス16はイベント毎の関与のレベルを計算するためにスコア化アルゴリズムを含み、結果をコンピュータ処理デバイス16にアクセスするコンピュータに提供し、結果を報告内に収集する。コンピュータ処理デバイス16はコンピュータであってもよいから、コンピュータといえる。また、上記(ク)によると、イベントウィンドウと関連付けられた集団標本の強度を決定する。そうすると、刊行物1には、『コンピュータが、イベントウインドウに対して集団標本の皮膚導電性の強度、瞳孔の凝視場所を求め、他のコンピュータが結果を報告内に収集する』ことが記載されている。

以上まとめると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

(刊行物1発明)
(a)標本集団の視聴者をプレゼンテーションに曝し、プレゼンテーションに対する視聴者の生物学に基づく反応を測定し、プレゼンテーションに対する視聴者の強度についてのレベルの程度およびパターンを決定する方法であって、
(b)生物学的反応の収集のための反応監視デバイスは、タイムスタンプされた、プレゼンテーションに対する皮膚導電性を収集し、
(c)瞳孔の凝視場所及び期間を決定するための、視標追跡システムは、タイムスタンプされた、プレゼンテーションに対する瞳孔の凝視場所を収集し、
(d)コンピュータが、イベントウインドウに対して集団標本の皮膚導電性の強度、瞳孔の凝視場所を求め、他のコンピュータが結果を報告内に収集する、
(e)方法。

なお、(a)?(e)は、構成を識別するために付与した。以下各構成を「構成a」等という。

第3 対比
1 対比
本願発明と刊行物1発明とを対比する。

(1)構成要件Aと構成aとを対比する。
構成aにおける「標本集団の視聴者」は、構成要件Aにおける「1以上のメンバーを含む視聴者」に相当する。構成aにおける「プレゼンテーションに対する視聴者の生物学に基づく反応を測定し、プレゼンテーションに対する視聴者の強度」を「決定」することは、構成要件Aにおける「プレゼンテーションに対する反応の尺度を」「求める」ことに相当する。刊行物1発明は、構成dにおいて「コンピュータ」が強度を求めているから、刊行物1発明は、「コンピュータシステム」が強度を求めているといえる。
したがって、本願発明と刊行物1発明とは「1以上のメンバーを含む視聴者のプレゼンテーションに対する反応の尺度をコンピュータシステムが求める方法」として一致する。

(2)構成要件Bと構成bとを対比する。
構成bにおける「反応監視デバイス」は、構成要件Bにおける「生体測定センサ装置」に相当する。
刊行物1発明は構成aのとおり、「標本集団の視聴者をプレゼンテーションに曝し、」「プレゼンテーションに対する視聴者の強度」「を決定する」ものであり、プレゼンテーションは、一定期間にわたるものであるから、刊行物1発明は、「一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の個々のメンバーに対」するものといえる。
構成bにおける「皮膚導電性」は、本願明細書の段落【0029】における「(例えば、皮膚コンダクタンス、心拍数及び呼吸によって測定した)強い感情反応」の記載、段落【0111】における「皮膚コンダクタンス、心拍数及び呼吸反応の1又はそれ以上などの感情反応(値又は振幅の値、振幅又は変化率)」の記載から見て、本願発明の「感情反応」に相当する。
また、構成bにおける「タイムスタンプされた、プレゼンテーションに対する皮膚導電性を収集」することは、「個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けるステップ」として本願発明と共通する。
しかしながら、本願発明においては、「個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けて、メモリに記憶する」のに対し、刊行物1発明においては「メモリに記憶する」か不明である点で相違する。
以上まとめると、本願発明と刊行物1発明とは、
「一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の個々のメンバーに対して、生体測定センサ装置が、前記一定期間中に前記プレゼンテーションに対する少なくとも1つの生体測定に基づく感情反応を測定し、個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けるステップ」として共通する。
しかしながら、「個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付ける」ことが、本願発明においては「個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けて、メモリに記憶する」ことであるのに対し、刊行物1発明においては、「メモリに記憶する」か不明である点で相違する。

(3)構成要件Cと構成cとを対比する。
構成cにおける「視標追跡システム」は、構成要件Cにおける「視標追跡センサ装置」に相当し、構成cにおける「瞳孔の凝視場所を決定する」ことは、構成要件Cにおける「前記プレゼンテーションの1以上の画像の、前記少なくとも1人の視聴者メンバーが見ている1以上の場所を判定」することに相当する。
「一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の少なくとも1人のメンバーに対して」については上記(2)のとおりである。
また、構成cにおける「タイムスタンプされた、プレゼンテーションに対する瞳孔の凝視場所を収集」することは、「前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付ける」ることで本願発明と共通する。
しかしながら、本願発明においては、「前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けて、前記メモリに記憶する」のに対し、刊行物1発明においては「メモリに記憶する」か不明である点で相違する。
以上まとめると、本願発明と刊行物1発明とは、
「一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の少なくとも1人のメンバーに対して、視標追跡センサ装置が前記プレゼンテーションの1以上の画像の、前記少なくとも1人の視聴者メンバーが見ている1以上の場所を判定し、前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けるステップ」として共通する。
しかしながら、「前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付ける」ことが、本願発明においては「前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けて、前記メモリに記憶する」ことであるのに対し、刊行物1発明においては、「前記メモリに記憶する」か不明である点で相違する。

(4)構成要件Dと構成dとを対比する。
構成dにおける「コンピュータ」は、構成要件Dにおける「前記コンピュータシステム」に相当する。
構成dにおける「イベントウインドウに対して集団標本の皮膚導電性の強度、瞳孔の凝視場所を求め」ることは、「少なくとも1つのイベントウィンドウに対して、全ての前記視聴者メンバーにおける前記凝視場所、前記測定した生体測定に基づく感情反応を求めるステップ」として、本願発明と共通する。
しかしながら、本願発明においては、「前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数を、全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として求めるステップ」であるのに対し、刊行物1発明においては、「前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数」を求めるものでなく、さらに、「全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として」求めるものでない点で相違する。

(5)構成要件Eと構成dとを対比する。
構成dにおいては「他のコンピュータが結果を報告内に収集する」ものであり、「前記少なくとも1つのイベントウィンドウの報告を作成するステップ」として本願発明と共通する。
しかしながら、「前記少なくとも1つのイベントウィンドウの報告を作成する」主体が、本願発明のおいては「前記コンピュータシステム」であるのに対し、刊行物1発明においては、「他のコンピュータ」であり、「報告」が、本願発明においては、「前記生体測定感情視覚影響指数を示す」ものであるのに対し、刊行物1発明においては、「前記生体測定感情視覚影響指数を示す」ものでない点で相違する。

(6)構成要件Fと構成eとを対比すると、「を含むことを特徴とする方法」として一致する。

2 一致点、相違点
以上より、本願発明と刊行物1発明との一致点、相違点は、次のとおりである。

(一致点)
1以上のメンバーを含む視聴者のプレゼンテーションに対する反応の尺度をコンピュータシステムが求める方法であって、
一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の個々のメンバーに対して、生体測定センサ装置が、前記一定期間中に前記プレゼンテーションに対する少なくとも1つの生体測定に基づく感情反応を測定し、
個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けるステップと、
一定期間にわたって前記プレゼンテーションに曝される前記視聴者の少なくとも1人のメンバーに対して、視標追跡センサ装置が前記プレゼンテーションの1以上の画像の、前記少なくとも1人の視聴者メンバーが見ている1以上の場所を判定し、
前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けるステップと、
前記コンピュータシステムが、少なくとも1つのイベントウィンドウに対して、全ての前記視聴者メンバーにおける前記凝視場所、前記測定した生体測定に基づく感情反応を求めるステップと、
前記少なくとも1つのイベントウィンドウの報告を作成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。

(相違点1)
「個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けるステップ」における「関連付ける」が、本願発明のおいては「関連付けて、メモリに記憶する」のに対し、刊行物1発明は「メモリに記憶する」か不明である点

(相違点2)
「前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けるステップ」における「関連付ける」が、本願発明のおいては「関連付けて、メモリに記憶する」のに対し、刊行物1発明は「メモリに記憶する」か不明である点

(相違点3)
「前記コンピュータシステムが、少なくとも1つのイベントウィンドウに対して、全ての前記視聴者メンバーにおける前記凝視場所、前記測定した生体測定に基づく感情反応求めるステップ」が、本願発明においては、
「前記コンピュータシステムが、少なくとも1つのイベントウィンドウに対して、前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数を、全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として求めるステップ」であるのに対し、刊行物1発明においては、「前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数」を求めるものでなく、さらに、「全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として」求めるものでない点

(相違点4)
「前記少なくとも1つのイベントウィンドウの報告を作成するステップ」の主体が、本願発明においては、「前記コンピュータシステム」であるのに対し、刊行物1発明においては、「他のコンピュータ」であり、
「報告」が、本願発明においては、「前記生体測定感情視覚影響指数を示す」ものであるのに対し、刊行物1発明においては、「前記生体測定感情視覚影響指数を示す」ものでない点

第4 判断
1 相違点1、相違点2について
データを処理する際に、データをメモリに記憶することは普通のことであり、刊行物1発明において、「個々の測定した生体測定に基づく感情反応を、前記一定期間における時点と関連付けて、メモリに記憶する」、「前記場所の各々を、前記一定期間における時点と関連付けて、前記メモリに記憶する」ことは、当業者が容易になし得ることである。

2 相違点3について
上記第2の1(イ)のとおり、刊行物1には、「視聴者の関与の程度は、視標の追跡技術と組み合わされると、プレゼンテーションのどの要素が、そのプレゼンテーションまたは類似のプレゼンテーションの他の要素に比べて最も引き付けるかを決定するためにも使用可能である」ことが記載されており、刊行物1発明において、視標追跡システムが収集した瞳孔の凝視場所と感情反応である皮膚導電性の強度とを関係づけることは当業者が容易に想到することである。
そして、感情反応である皮膚導電性の強度と凝視場所とを対応させることは、関数として求めることといえ、この関数は、生体測定感情と凝視場所に関するものであるから、生体測定感情視覚影響指数といえる。
したがって、刊行物1発明において、「前記視聴者の少なくとも1つの生体測定感情視覚影響指数を、全ての前記視聴者メンバー及び前記凝視場所の前記測定した生体測定に基づく感情反応の関数として求める」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

3 相違点4について
刊行物1発明においては、報告を作成するのは「他のコンピュータ」であるが、報告は「コンピュータ」であれば作成できることは明らかであって、刊行物1発明において、「前記コンピュータ」が報告を作成するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることであり、その際、上記2において検討したように、生体測定感情視覚指数を関数として求めたものを報告することになるから、当該生体測定感情視覚指数を報告するものとなる。

4 効果について
本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項26に係る発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-11-26 
結審通知日 2015-11-30 
審決日 2015-12-11 
出願番号 特願2012-505954(P2012-505954)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保 光宏  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 小池 正彦
清水 正一
発明の名称 対話的活動に関するユーザ体験を測定するための方法及びシステム  
代理人 上杉 浩  
代理人 西島 孝喜  
代理人 近藤 直樹  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 須田 洋之  
代理人 大塚 文昭  
代理人 弟子丸 健  
代理人 工藤 嘉晃  

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