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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 H04J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04J
管理番号 1314175
審判番号 不服2015-7022  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-14 
確定日 2016-05-06 
事件の表示 特願2013-514514「基準信号を送信および復号するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年12月22日国際公開,WO2011/156939,平成25年 8月15日国内公表,特表2013-532429〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2010年6月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2010年6月16日 中国)を国際出願日とする出願であって,平成26年12月11日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成27年4月14日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。その後,同年5月22日付けで審査官により作成された前置報告書に対して,同年8月28日付けで上申書が提出された。

第2 補正却下の決定
[結論]
平成27年4月14日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本願発明と補正後の発明
平成27年4月14日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,平成26年6月18日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1,2に記載された
「【請求項1】
無線ネットワークノードにおいてアンテナポートを通じて基準信号を送信する方法であって,当該基準信号は符号分割多重(CDM)グループにより送信され,当該CDMグループには少なくとも2つのCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループはリソースエレメントを含んでおり,前記方法は,
直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第1のCDMサブグループ(510,710)により前記基準信号を送信するステップ(610)と,
前記直交カバーコードの置換を使用して,前記第1のタイムスロットと第2のタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第2のCDMサブグループ(520,720)により前記基準信号を送信するステップ(620,720)と
を有し,
前記直交カバーコードの置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記CDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記基準信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第1のCDMサブグループ(510,710)は,2つのリソースブロックにわたって,前記第2のCDMサブグループ(520,720)と同一の回数だけ繰り返されることを特徴とする方法。
【請求項2】
第2のアンテナポートを通じて第2のCDMグループにより第2の基準信号を送信するステップをさらに有し,当該第2のCDMグループには少なくとも2つのCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループは少なくとも1つ以上のリソースエレメントを含んでおり,
前記方法は,
前記直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第3のCDMサブグループ(730)により前記第2の基準信号を送信するステップ(830)と,
前記直交カバーコードの第2の置換を使用して,前記第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第4のCDMサブグループ(740)により前記第2の基準信号を送信するステップ(840)と
を有し,
前記直交カバーコードの第2の置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記第2のCDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記第2の基準信号を周波数領域において復号できるように選択されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。」
という発明を,
「【請求項1】
無線ネットワークノードにおいてアンテナポートを通じて基準信号を送信する方法であって,当該基準信号は符号分割多重(CDM)グループにより送信され,当該CDMグループには2つのCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループはリソースエレメントを含んでおり,
前記方法は,
直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第1のCDMサブグループ(510,710)により前記基準信号を送信するステップ(610)と,
前記直交カバーコードの置換を使用して,前記第1のタイムスロットと前記それに続くタイムスロットである第2のタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第2のCDMサブグループ(520,720)により前記基準信号を送信するステップ(620)と
を有し,
前記直交カバーコードの置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記CDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記基準信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第1のCDMサブグループ(510,710)は,2つのリソースブロックにわたって,前記第2のCDMサブグループ(520,720)と同一の回数だけ繰り返され,
前記方法は,
第2のアンテナポートを通じて第2のCDMグループにより第2の基準信号を送信するステップをさらに有し,当該第2のCDMグループには2つのCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループは少なくとも1つ以上のリソースエレメントを含んでおり,
前記方法は,
前記直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第3のCDMサブグループ(730)により前記第2の基準信号を送信するステップ(830)と,
前記直交カバーコードの第2の置換を使用して,前記第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第4のCDMサブグループ(740)により前記第2の基準信号を送信するステップ(840)と
を有し,
前記直交カバーコードの第2の置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記第2のCDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記第2の基準信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第3のCDMサブグループ(730)は,2つのリソースブロックにわたって,前記第4のCDMサブグループ(740)と同一の回数だけ繰り返されることを特徴とする方法。」
という発明(以下,「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。
([当審注]:下線部は補正箇所を示す。)

2 補正の適否
(1)補正の概要及び新規事項の有無,補正の目的並びにシフト補正の有無について
上記補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において,請求項1を削除し,請求項1に従属していた請求項2を新請求項1とするとともに,「少なくとも2つの」を「2つの」に限定し,「第2のタイムスロット」を「前記それに続くタイムスロットである第2のタイムスロット」に限定し,「第3のCDMサブグループ」及び「第4のCDMサブグループ」について請求項13に記載された「前記第3のCDMサブグループ(730)は,2つのリソースブロックにわたって,前記第4のCDMサブグループ(740)と同一の回数だけ繰り返される」なる限定を付すものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的としており,特許法第17条の2第4項に違反するところはない。
ここで,請求項2に記載された事項は「第2のCDMグループ」に関する事項であって,「第1のCDMグループ」に関する請求項1に記載された事項をさらに限定するものではないから,請求項1についての補正は特許法第17条の2第5項第2号を目的とするものとはいえない。よって,請求項1についての補正は請求項の削除を目的としたものであって,請求項1に従属していた請求項2を新請求項1としたと解するのが相当である。
請求項14,15についての補正も同様に,請求項14を削除し,請求項15について請求項2と同様の補正をするものである。
請求項19についての補正は,「第3のCDMサブグループ」及び「第4のCDMサブグループ」について,請求項21に記載された「前記第3のCDMサブグループは,1つのリソースブロックにわたって,前記第4のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返される」なる限定を付すものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的としており,特許法第17条の2第4項に違反するところはない。
請求項27,28についての補正は,異なるカテゴリーに係る請求項2,15についての上記補正内容と同様の補正内容を付して特許請求の範囲の減縮しており,特許法第17条の2第4項に違反するところはない。また,請求項29についての補正は,異なるカテゴリーに係る請求項19についての上記補正内容と同様の補正内容を付して特許請求の範囲の減縮しており,特許法第17条の2第4項に違反するところはない。
また,請求項1,14の他,請求項13,21を削除し,これらの請求項の削除に伴い,項番が繰り上げられている。
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第3項及び第4項の規定に適合することは明らかであり,また,同法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(2)独立特許要件
上記補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのか否かについて,以下検討する。

ア 補正後の発明
補正後の発明は,上記「1 本願発明と補正後の発明」の項の「補正後の発明」のとおりのものと認める。

イ 先願発明
原査定の拒絶の理由に引用された特願2013-508359号(国際公開第2011/137699号)(国際出願日 2011年4月1日,優先権主張番号 201010175872.3(以下,当該優先権主張の基礎となる中国出願に係る書類を「優先権書類」という。),優先日 2010年5月6日,優先権主張国 中国)(以下,「先願」という。)の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲又は図面(以下,「先願明細書」という。)には,「ORTHOGONAL CODES BASED CODE DIVISION MULTIPLEXING METHOD, MULTIPLEXING DEVICE, AND DE-MULTIPLEXING DEVICE」([当審仮訳]:多重化方法および多重化装置)([当審注]:当審仮訳は,先願の公表公報である特表2013-530593号公報の記載に基づく。)に関し,図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「 Fig.2 is a schematic diagram showing that different base stations transmit multiple data streams to a mobile terminal in a wireless communication system.
(中略)
Fig.3 is a diagram showing an example of a resource block constituting a data stream transmitted to a mobile terminal from a base station in a wireless communication system.

In Fig.3, one resource block (RB) constituting a data stream is shown. The horizontal axis of the resource block represents time, while the vertical axis represents frequency bandwidth. The horizontal axis is divided into 14 segments, each of which forms one OFDM symbol along the vertical axis beginning at the horizontal axis. The vertical axis is divided into 12 segments, each of which is one sub-carrier along the horizontal axis beginning at the vertical axis. Each of small squares in the resource block represents one resource unit. All of 12 X 14 resource units in the resource block constitute one sub-frame on the horizontal axis. The first three columns of the resource units in the resource block constitute a control region for transmitting control data. Other resource units without grid lines are used to transfer data signals. In the same base station including multiple antennas, for example, in the base station 201, the multiple data streams may be transmitted to the mobile terminal 203 in a way of spatial multiplexing. The multiple data streams are located at different layers respectively, and each layer of data streams of the resource block may use the same time and frequency resources. For example, the multiple antennas of the base station 201 may transmit two layers of data streams, that is, a first layer of data streams and a second layer of data streams, to the mobile terminal 203 through spatial modulation, and the corresponding resource blocks in each layer of data streams may be located at the same time and frequency resources, that is, at the same time and frequency but using different pre-coding manners.
(中略)
However, when the number of layers of demodulation reference signals for code division multiplexing is multiple, the case that the peak values and the zero values can not be distributed evenly as shown in Fig.4 still exists.
(中略)
According to methods and devices of the present disclosure, distributions of the peak values and the zero values can be evened on the time domain, the forward compatibility of the LTE-A Release-9 can be kept, that is, the first layer and second layer of demodulation reference signals use the mapping manner of Release-9, and dual-orthogonality on the time domain and the frequency domain is possessed. Thereby, the power fluctuation situation of downlink signals on the time can be improved, the usage efficiency of the power amplifier at the base station side can be improved, and the demodulation reference signals are robust on the time and frequency selectively fading channels.」(2ページ5?6行,同ページ13?35行,4ページ14?16行,5ページ22?30行)
([当審仮訳]:
【0005】
図2は,異なる基地局が無線通信システム内で複数のデータストリームを移動端末に送信することを示す概略図である。
(中略)
【0007】
図3は,無線通信システム内で基地局から移動端末に送信されたデータストリームを構成するリソースブロックの一例を示す図である。
【発明の効果】
【0008】
図3には,データストリームを構成する1個のリソースブロック(RB)が示されている。リソースブロックの横軸は時間を表し,縦軸は周波数を表す。横軸は,横軸を起点として縦軸に沿って1個のOFDMシンボルを形成する14個のセグメントに分割される。縦軸は,縦軸を起点として横軸に沿った1個のサブキャリアである12個のセグメントに分割される。リソースブロック内の小さな正方形の各々は,1個のリソース単位を表す。リソースブロック内の12×14個のリソース単位のすべてが,横軸上で1個のサブフレームを構成する。リソースブロック内のこれらのリソース単位のうち,最初の3列は,制御データを送信するための制御領域を構成する。格子線のない他のリソース単位は,データ信号を転送するために使用される。複数のアンテナを備える同一基地局内,例えば,基地局201内において,空間多重によって,複数のデータストリームを移動端末203に送信することが可能である。複数のデータストリームは,それぞれ,異なるレイヤに配置され,リソースブロックのデータストリームの各レイヤは,同一時間リソースおよび周波数リソースを使用することが可能である。例えば,基地局201の複数のアンテナは,空間変調を介して,データストリームの2つのレイヤ,すなわち,データストリームの第1レイヤおよびデータストリームの第2レイヤを移動端末203に送信することが可能である。データストリームの各レイヤ内の対応するリソースブロックは,同一時間リソース内および同一周波数リソース内に,すなわち,同一時間および周波数であるが異なるプリコーディング方法を使用して配置可能である。
(中略)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし,符号分割多重化に関する復調用参照信号のレイヤ数が多数であるとき,ピーク値およびゼロ値を図4に示されるように均一に分散できない場合が依然として存在する。
(中略)
【発明の効果】
【0024】
本開示の方法および装置によれば,ピーク値およびゼロ値の分散を時間領域で均一にすることが可能であり,LTE Release-9の前方互換性(forward compatibility)を維持することが可能である。すなわち,復調用参照信号の第1レイヤおよび第2レイヤは,Release-9のマッピング方法を使用して,時間領域および周波数領域の双対直交性(dual-orthogonality)を有する。これによって,時間上のダウンリンク信号の電力変動状況を改善することが可能であり,基地局側の電力増幅器の利用効率を改善することが可能であり,復調用参照信号は時間選択性フェージングチャネルおよび周波数選択性フェージングチャネルにおいてロバストである。)
(優先権書類の対応する記載:

)


(イ)「 Fig.8 shows a case of the demodulation reference signals of a resource block in the LTE- Advanced Release- 10 standard.

In the LTE- Advanced Release- 10 standard, at most eight layers of data can be multiplexed on one resource block. As shown in Fig.8, the demodulation reference signals in the first to fourth layers of the resource block and the demodulation reference signals in the fifth to eighth layers of the resource block are located on adjacent sub-carriers. When the number of multiplexed layers is over four layers (for example, the number of multiplexed layers is five to eight layers), Walsh sequences with the length of four chips can be used to multiplex the demodulation reference signals in the first to fourth layers and the demodulation reference signals in the fifth to eighth layers respectively. In Fig.8, it is Frequency Division Multiplexing (FDM) that is performed between the demodulation reference signals in the first to the fourth layers and the demodulation reference signals in the fifth to the eighth layers, that is, they are located on different sub-carriers respectively. The multiplexing manner (mapping manner) for the demodulation reference signals in the first to the fourth layers may also be applied to the multiplexing of the demodulation reference signals in the fifth to the eighth layers. For a case that the number of multiplexed layers is multiple layers in the Release- 10, the problem that distributions of the peak values and the zero values are not even as described above still exists.

Fig.9 is a diagram showing that the alternating reverse multiplexing is performed in the time direction for different sub-carriers.

In Fig.9, on the right side, there is shown an orthogonal matrix with the code length of 4, that is, a Walsh orthogonal code matrix A

The matrix contains four rows and four columns of chips, with four chips of each column corresponding to respective demodulation reference signals in the first to the fourth layers respectively. According to the resolution of Release-9, the mapping directions of Walsh codes are alternately reverse on the frequency domain.

Specifically, on a first sub-carrier Fl, four demodulation reference signals in the first layer are multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the first row of the orthogonal matrix respectively, that is, [1, 1, 1, 1], in the positive direction (the direction from the left to the right as shown here) of the time axis. Four demodulation reference signals in the second layer are multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the second row of the orthogonal matrix respectively, that is, [1, -1, 1, -1], in the positive direction of the time axis. Four demodulation reference signals in the third layer are multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the third row of the orthogonal matrix respectively, that is, [1, 1, -1, -1], in the positive direction of the time axis. Four demodulation reference signals in the fourth layer are multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the fourth row of the orthogonal matrix respectively, that is, [1, -1, -1, 1], in the positive direction of the time axis. At this time, on the first sub-carrier Fl, the superposed values of the demodulation reference signals located at the same time and frequency positions in the first to the fourth layers of the resource block are a, b, c, d in the positive direction of the time axis respectively. If the pre-coding factors for the demodulation reference signals in the first to the fourth layers of the resource block are the same, it can be found that, on the first sub-carrier, the superposed value "a" located at the OFDM symbol 901 is the largest peak value, while the superposed values located at other OFDM symbols 902, 903 and 904 are zero.

On a second sub-carrier F2, four demodulation reference signals in the first layer are respectively multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the first row of the orthogonal matrix, that is, [1, 1, 1, 1], in the reverse direction (the direction from the right to the left as shown here) of the time axis. Four demodulation reference signals in the second layer are respectively multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the second row of the orthogonal matrix, that is, [1, -1, 1, -1], in the reverse direction of the time axis. Four demodulation reference signals in the third layer are respectively multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the third row of the orthogonal matrix, that is, [1, 1, -1, -1], in the reverse direction of the time axis. Four demodulation reference signals in the fourth layer are respectively multiplied by four chips from the first column to the fourth column in the fourth row of the orthogonal matrix, that is, [1, -1, -1, 1], in the reverse direction of the time axis. At this time, on the second sub-carrier F2, the superposed values of the demodulation reference signals located at the same time and frequency positions in the first to the fourth layers of the resource block are respectively d, c, b, a in the positive direction of the time axis. If the pre-coding factors for the demodulation reference signals in the first to the fourth layers of the resource block are the same, it can be found that, on the second sub-carrier, the superposed value "a" located at the OFDM symbol 904 is the largest peak value, while the superposed values located at other OFDM symbols 901, 902 and 903 are zero.

For a third sub-carrier F3, a fourth sub-carrier F4, a fifth sub-carrier F5 and a sixth sub-carrier F6 and the like, the above process on the first sub-carrier Fl and the second sub-carrier F2 is repeated respectively.

The multiplexing manner as shown in Fig.9 has two advantages. The one is that the forward compatibility for the Release-9 is kept: the first and the second layers of demodulation reference signals keep the property of alternating reverse on the frequency domain of the Release-9. The other is that there are orthogonal properties on the time domain and on the frequency domain simultaneously, so that the de-multiplexing can be performed through the orthogonal property of the frequency domain when the orthogonal property of the time domain is destroyed (selectively fading on the time domain).

However, it can also be seen that, in the above multiplexing (mapping) manner, if the pre-coding factors for the demodulation reference signals in the first to the fourth layers of the resource block are the same, for any sub-carrier containing the demodulation reference signals, the largest superposed peak value "a" appears only on the OFDM symbol 901 and the OFDM symbol 904, and the superposed values located at other OFDM symbols 902 and 903 are zero. In such a mapping manner, the effect of averaging the peak values and the zero values is not good, and it still causes the power fluctuation on the time (between different OFDM symbols) larger, which disadvantages the usage efficiency of the power amplifier at the base station side. Therefore, an improvement of the mapping manner as shown in Fig.9 is still needed. The improvement of the mapping manner as shown in Fig.9 should meet the following three conditions simultaneously: 1. the peak values and zero values can be averaged on the time domain; 2. the forward compatibility of Release-9 can be kept, that is, the first and the second layers of demodulation reference signals use the mapping manner of Release-9; 3. the dual-orthogonality on the time domain and the frequency domain is possessed.

In the present disclosure, although the first sub-carrier Fl and the second sub-carrier F2 and the like are not absolutely adjacent sub-carriers on a resource block, and there are other sub-carriers transferring data therebetween, they are adjacent in the sub-carriers modulated with the demodulation reference signals. Thus, they are referred to as "adjacent sub-carriers" carrying the demodulation reference signals below.

The present disclosure provides orthogonal codes based code division multiplexing method and a code division multiplexing device and de-multiplexing device by using such a method in a wireless communication system. The orthogonal codes based multiplexing method provided by the present disclosure has characteristics as follows: the demodulation reference signals in different layers can use different mapping manners, that is, they use different orthogonal matrices. However, in Fig.9, the demodulation reference signals in different layers use the same mapping manner on the same sub-carrier, and they use different mapping manners only on different sub-carriers.」(7ページ34行?10ページ34行)
([当審仮訳]:
【0028】
図8は,LTE-A Release-10標準におけるリソースブロックの復調用参照信号の一例を示す。
【0029】
LTE-A Release-10標準では,最大で8レイヤのデータを1個のリソースブロック上で多重化することが可能である。図8に示されるように,リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号,およびリソースブロックの第5レイヤから第8レイヤ内の復調用参照信号は,隣接するサブキャリア上に配置される。多重化されるレイヤ数が4レイヤを超えるとき(例えば,多重化されるレイヤ数が5レイヤから8レイヤであるとき),第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号と,第5レイヤから第8レイヤ内の復調用参照信号とをそれぞれ多重化するために,長さが4チップのウォルシュ系列を使用することが可能である。図8では,第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号と,第5レイヤから第8レイヤ内の復調用参照信号との間で実行されるのは周波数分割多重(FDM)である。すなわち,これらの復調用参照信号は,それぞれ,異なるサブキャリア上に配置される。第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号に関する多重化方法(マッピング方法)を第5レイヤから第8レイヤ内の復調用参照信号の多重化に適用することも可能である。Release-10において,多重化されるレイヤ数が複数レイヤである場合,ピーク値およびゼロ値の分散が上述のように均一でないという問題が依然として存在する。
【0030】
図9は,異なるサブキャリアに対して時間方向で交互に逆方向に実行される多重化を示す図である。
【0031】
図9では,右側に,符号長4を有する直交行列,すなわち,ウォルシュ直交符号行列A
(【数1】は省略。)
が示されている。
【0032】
この行列は,4行および4列のチップを含み,それぞれの列の4個のチップは,それぞれ,第1レイヤから第4レイヤ内のそれぞれの復調用参照信号に対応する。Release-9の解決策によれば,ウォルシュ符号のマッピング方向は,周波数領域上で交互に反転する。
【0033】
具体的には,第1のサブキャリアF1上では,第1レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の正方向(ここで示されるように左から右への方向)に直交行列の第1の行内の第1の列から第4の列に4個のチップ,すなわち,[1,1,1,1]がそれぞれ乗算される。第2レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の正方向に直交行列の第2の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,-1,1,-1]がそれぞれ乗算される。第3レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の正方向に直交行列の第3の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,1,-1,-1]がそれぞれ乗算される。第4レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の正方向に直交行列の第4の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,-1,-1,1]がそれぞれ乗算される。このとき,第1番目のサブキャリアF1上で,リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内で同じ時間位置および周波数位置に配置された
復調用参照信号の重畳値は,それぞれ,時間軸の正方向にa,b,c,dである。リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号に関するプリコーディング係数が同じである場合,第1のサブキャリア上において,OFDMシンボル901に位置する重畳値「a」は最大のピーク値である一方,OFDMシンボル902,903,および904に位置する重畳値はゼロであることが分かる。
【0034】
第2のサブキャリアF2上でで,第1レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の逆方向(ここで示されるように右から左への方向)に直交行列の第1の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,1,1,1]がそれぞれ乗算される。第2レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の逆方向に直交行列の第2の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,-1,1,-1]がそれぞれ乗算される。第3レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の逆方向に直交行列の第3の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,1,-1,-1]がそれぞれ乗算される。第4レイヤ内の4個の復調用参照信号には,時間軸の逆方向に直交行列の第4の行内の第1の列から第4の列の4個のチップ,すなわち,[1,-1,-1,1]がそれぞれ乗算される。このとき,第2のサブキャリアF2上で,リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内で同じ時間位置および周波数位置に配置された復調用参照信号の重畳値は,それぞれ,時間軸の正方向にd,c,b,aである。リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号に関するプリコーディング係数が同じである場合,第2のサブキャリア上において,OFDMシンボル904に位置する重畳値「a」は最大ピーク値である一方,他のOFDMシンボル901,902,および903に位置する重畳値はゼロであることが分かる。
【0035】
第3のサブキャリアF3,第4のサブキャリアF4,第5のサブキャリアF5,および第6のサブキャリアF6などに関して,第1のサブキャリアF1および第2のサブキャリアF2に関する上記のプロセスがそれぞれ繰り返される。
【0036】
図9に示される多重化方法は2つの利点を有する。1つは,Release-9に関する前方互換性が維持されることである。復調用参照信号の第1レイヤおよび第2レイヤは,周波数領域で交互に逆方向であるRelease-9の特性を維持する。もう1つは,時間領域および周波数領域に直交特性が同時に存在することである。この結果,時間領域の直交特性が破壊されたとき(時間領域で選択的にフェージングするとき),周波数領域の直交特性を介して逆多重化を実行することが可能である。
【0037】
しかし,上記の多重化(マッピング)方法では,リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号に関するプリコーディング係数が同じ場合,それらの復調用参照信号を含む任意のサブキャリアに関して,最大重畳ピーク値「a」は,OFDMシンボル901上およびOFDMシンボル904上だけに出現し,他のOFDMシンボル902および903に位置する重畳値はゼロであると理解することもできる。そのようなマッピング方法では,ピーク値およびゼロ値を平均化する効果は良好ではなく,その効果は(異なるOFDMシンボル同士の間の)時間に関する電力変動を依然としてより大きくする。これは,基地局側の電力増幅器の利用効率に不利である。したがって,図9に示されるようなマッピング方法の改善が依然として必要とされる。図9に示されるようなマッピング方法の改善は,以下の3つの条件を同時に満たすべきである。すなわち,1.ピーク値およびゼロ値を時間領域で平均化することが可能であること,2.Release-9の前方互換性を維持することが可能であること,すなわち,復調用参照信号の第1レイヤおよび第2レイヤに対してRelease-9のマッピング方法を使用すること,3.時間領域および周波数領域で双対直交性が保持されること。
【0038】
本開示では,第1のサブキャリアF1および第2のサブキャリアF2などは,リソース
ブロックで完全に隣接するサブキャリアではなく,その間にはデータを転送する他のサブキャリアが存在するが,これらのサブキャリアは,復調用参照信号を用いて変調されたサブキャリアで隣接している。したがって,これらのサブキャリアは,以下,復調用参照信号を搬送する「隣接するサブキャリア」と呼ばれる。
【0039】
本開示は,直交符号に基づく符号分割多重化方法,ならびに無線通信システム内でそのような方法を使用する符号分割多重化装置および逆多重化装置を提供する。本開示によって提供される直交符号に基づく多重化方法は,以下の特性を有する。すなわち,異なるレイヤ内の復調用参照信号は異なるマッピング方法を使用することが可能である。すなわち,それらの復調用参照信号は,異なる直交行列を使用する。しかし,図9では,異なるレイヤ内の復調用参照信号は,同じサブキャリア上で同じマッピング方法を使用し,それらの復調用参照信号は,異なるサブキャリア上のみで異なるマッピング方法を使用する。)
(優先権書類の対応する記載:

)


(ウ)「 The manner of the code division multiplexing based on the orthogonal codes of the demodulation reference signals in the fifth to the eighth layers of the resource block may be performed by employing the same processing manner as the first to the fourth layers of the resource block.
(中略)
When the mapping manner in the fifth to the eighth layers of the demodulation reference signals is designed, one simple method is to use repeatedly the mapping manner of the first to the fourth layers, such as the method in the first embodiment.
(中略)
For the orthogonal matrix of 4 X 4 orders and the fifth to the eighth layers of the eight layers of the resource block, the orthogonal codes based code division multiplexing method according to the present embodiment may also include a step of performing the same processing manner for the demodulation reference signals in the fifth to the eighth of the resource block as the demodulation reference signals in the first to the fourth layers of the resource block.」(20ページ14?17行,同ページ27?30行,29ページ6?11行)
([当審仮訳]:
【0088】
リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤと同じ処理方法を用いることによって,リソースブロックの第5レイヤから第8レイヤ内の復調用参照信号の直交符号に基づく符号分割多重化の方法を実行することが可能である。
(中略)
【0090】(中略)復調用参照信号の第5レイヤ内から第8レイヤ内のマッピング方法が設計されるとき,1つの簡単な方法は,実施の形態1の方法など,第1レイヤから第4レイヤのマッピング方法を繰り返し使用することである。
(中略)
【0129】
4×4の次数の直交行列および第5レイヤから第8レイヤの8レイヤのリソースブロックの場合,本実施形態による直交符号ベースの符号分割多重化方法は,リソースブロックの第5レイヤから第8レイヤ内の復調用参照信号に関して,リソースブロックの第1レイヤから第4レイヤ内の復調用参照信号と同じ処理方法を実行するステップを含むことも可能である。)
(優先権書類の対応する記載:

)

(エ)「 Fig.25 is a diagram showing a sub-frame with an extended cyclic prefix.

The main difference between the sub-frame shown in Fig.25 and the sub-frame structure shown in Fig.3 is in that a resource block RB has only 12 OFDM symbols in the sub-frame with the extended cyclic prefix, while a resource block RB contains 14 OFDM symbols in the sub-frame structure shown in Fig.3. The possible positions of the demodulation reference signals (DMRSs) in the sub-frame with the extended cyclic prefix are given in Fig.25. Different from Fig.8, one OFDM symbol contains 4 DMRSs in Fig.25, while one OFDM symbol contains only 3 DMRSs in Fig.8. 」(35ページ17?24行)
([当審仮訳]:
【0162】
図25は,ECPを有するサブフレームを示す図である。
【0163】
図25に示されるサブフレームと図3に示されるサブフレーム構造との間の主な違いは,図3に示されるサブフレーム構造においてリソースブロックRBが14個のOFDMシンボルを含むのに対して,ECPを有するサブフレームにおいてリソースブロックRBが12個のOFDMシンボルのみを有する点である。ECPを有するサブフレーム内の復調用参照信号(DMRS)の考えられる位置が図25に提示されている。図8と異なるのは,図8では,1個のOFDMシンボルは3個のDMRSだけを含むのに対して,図25では,1個のOFDMシンボルは4個のDMRSを含む点である。)
(優先権書類の対応する記載:

)


上記摘記事項及び図面の記載並びにこの分野における技術常識を考慮すると,
a 上記(ア),(イ)の1?3段落目及び10段落目(【0028】?【0030】,【0037】)の記載及び図3,図8,図9によれば,図8及び図9は,LTE-Aにおいて基地局が複数のアンテナを通じて移動端末に送信する復調用参照信号のリソースブロック上の配置を示していることは当業者に明らかである。したがって,先願明細書には,基地局において複数のアンテナを通じて復調用参照信号を送信する方法について記載されていると認められる。

b 上記(イ)の2段落目(【0029】)の記載及び図8によれば,リソースブロックには,「長さ4の直交系列を使用することによって多重化された第1レイヤから第4レイヤ内のDMRS」に係るリソースエレメントのグループと「長さ4の直交系列を使用することによって多重化された第5レイヤから第8レイヤ内のDMRS」に係るリソースエレメントのグループとがあることが見て取れ,これらのグループをそれぞれ「第1のCDMグループ」,「第2のCDMグループ」と称することは任意である。
そして,上記(イ)の3?8段落目(【0030】?【0035】)の記載及び図9によれば,前述の「第1のCDMグループ」には,第1レイヤから第4レイヤの各4個の復調用参照信号(DMRS)に4×4の直交行列の各行の第1?4列の4個のチップが乗算されることにより,第1のサブキャリアF1上の4つのリソース単位にCDMされることが見て取れ,第2のサブキャリアF2,第3のサブキャリアF3についても同様のプロセスが繰り返されるものである。そして,これらサブキャリアF1?F3上の各々の4つのリソース単位の復調用参照信号は,異なるサブキャリアによって送信されるものであり,これらを「CDMサブグループ」と称することは任意である。
したがって,先願明細書には,「復調用参照信号は符号分割多重(CDM)グループにより送信され,当該CDMグループには複数のCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループはリソース単位を含んでいる」ことが記載されているといえる。

c 上記(イ)の6,7段落目(【0033】,【0034】)の記載及び図9によれば,第1のサブキャリアF1上の4つのリソース単位(901?904)では,4×4の直交行列の各行の第1?4列の4個のチップが時間軸の正方向にa,b,c,dの順に復調用参照信号と乗算されるものである。ここで,LTE-Aのサブフレームは第1のタイムスロット及びそれに続く第2のタイムスロットからなることは技術常識であるから,リソース単位901,902がサブフレームの第1のタイムスロットに属し,リソース単位903,904がサブフレームの第2のタイムスロットに属することは自明である。
また,第2のサブキャリアF2上の4つのリソース単位では,4×4の直交行列の各行の第1?4列の4個のチップが時間軸の正方向にd,c,b,aの順に復調用参照信号と乗算されるものであり,第3のサブキャリアF3上の4つのリソース単位では,第1のサブキャリアF1上の4つのリソース単位と同様に,時間軸の正方向にa,b,c,dの順に復調用参照信号と乗算されるものである。
したがって,複数のCDMサブグループには,a,b,c,dの順を適用するCDMサブグループと,d,c,b,aの順を適用するCDMサブグループとの,2種類のCDMサブグループが存在することが見て取れる。そして,当該2種類のCDMサブグループは,「第1のCDMサブグループ」及び「第2のCDMサブグループ」と称することができる。
ここで,d,c,b,aの順を適用することは,a,b,c,dの順を適用する場合の直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させた直交行列を用いることと数学的に同じであることは当業者に自明である。
したがって,先願明細書には,「直交行列を使用して,第1のタイムスロットとそれに続く第2のタイムスロットとによるリソース単位を有する第1のCDMサブグループにより前記復調用参照信号を送信し,前記直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させた直交行列を使用して,前記第1のタイムスロットと第2のタイムスロットとによるリソース単位を有する第2のCDMサブグループにより前記復調用参照を送信する」ことが記載されていると認められる。

d 図9によれば,第1のサブキャリアF1(第1のCDMサブグループ)と第2のサブキャリアF2(第2のCDMサブグループ)とにより,サブフレームの第1のタイムスロットにおいてa,b,c,dが全て揃うことが見て取れ,上記(イ)の9段落目(【0036】)の記載によれば,時間領域の直交特性が破壊されたとき,周波数領域の直交特性を介して逆多重化を実行することが可能であるのであるから,「前記直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記CDMグループにおけるリソース単位にだけ前記直交行列を適用することで,前記復調用参照信号を周波数領域において復号できるように選択され」ているといえる。
また,図9によれば,a,b,c,dの順を適用する第1のCDMサブグループと,d,c,b,aの順を適用する第2のCDMサブグループとは,RB1とRB2にわたって同一の回数だけ繰り返されていることが見て取れる。したがって,先願明細書には,「前記第1のCDMサブグループは,2つのリソースブロックにわたって,前記第2のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返され」ることが記載されていると認められる。

e 図9及びその説明には,第1レイヤから第4レイヤについてのみしか記載されておらず,第5レイヤから第8レイヤについては言及されていない。しかしながら,上記(イ)の2段落目(【0029】)及び上記(ウ)の記載によれば,第5レイヤから第8レイヤの復調用参照信号についても,第1レイヤから第4レイヤの復調用参照信号と同様の方法を採用することが示唆されていることは明らかである。ここで,第2のCDMグループにおける,a,b,c,dの順を適用する4つのリソース単位からなるCDMサブグループを「第3のCDMサブグループ」と称し,d,c,b,aの順を適用する4つのリソース単位からなるCDMサブグループを「第4のCDMサブグループ」と称することは任意である。
してみれば,先願明細書には,第5レイヤから第8レイヤの復調用参照信号についても,第1レイヤから第4レイヤの復調用参照信号と同様に,
「複数のアンテナを通じて第2のCDMグループにより復調用参照信号を送信するものであり,当該第2のCDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループは少なくとも1つ以上のリソース単位を含んでおり,前記方法は,前記直交行列を使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソース単位を有する第3のCDMサブグループにより前記第2の復調用参照信号を送信し,前記直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させた直交行列を使用して,前記第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソース単位を有する第4のCDMサブグループにより前記第2の復調用基準信号を送信し,前記直交行列の行内の符号要素の並び順序の反転は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記第2のCDMグループにおけるリソース単位にだけ前記直交行列を適用することで,前記復調用参照信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第3のCDMサブグループは,2つのリソースブロックにわたって,前記第4のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返される」ことが記載されていると認められる。

以上を総合すると,先願明細書には以下の発明(以下,「先願発明」という。)が記載されているものと認める。
「基地局において複数のアンテナを通じて復調用参照信号を送信する方法であって,当該復調用参照信号は符号分割多重(CDM)グループにより送信され,当該CDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループはリソース単位を含んでおり,
前記方法は,
直交行列を使用して,第1のタイムスロットとそれに続く第2のタイムスロットとによるリソース単位を有する第1のCDMサブグループにより前記復調用参照信号を送信し,
前記直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させた直交行列を使用して,前記第1のタイムスロットと第2のタイムスロットとによるリソース単位を有する第2のCDMサブグループにより前記復調用参照を送信し,
前記直交行列の行内の符号要素の並び順序の反転は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記CDMグループにおけるリソース単位にだけ前記直交行列を適用することで,前記復調用参照信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第1のCDMサブグループは,2つのリソースブロックにわたって,前記第2のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返され,
前記方法は,
複数のアンテナを通じて第2のCDMグループにより復調用参照信号を送信するものであり,当該第2のCDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループは少なくとも1つ以上のリソース単位を含んでおり,
前記方法は,
前記直交行列を使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソース単位を有する第3のCDMサブグループにより前記第2の復調用参照信号を送信し,
前記直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させた直交行列を使用して,前記第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソース単位を有する第4のCDMサブグループにより前記第2の復調用基準信号を送信し,
前記直交行列の行内の符号要素の並び順序の反転は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記第2のCDMグループにおけるリソース単位にだけ前記直交行列を適用することで,前記復調用参照信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第3のCDMサブグループは,2つのリソースブロックにわたって,前記第4のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返されることを特徴とする方法。」

上記先願発明は,優先権主張の基礎となる中国出願に係る優先権書類にも記載されている発明である。したがって,先願発明は2010年5月6日に我が国へ出願があったものとして扱われる。

ウ 対比・判断
補正後の発明と先願発明とを対比すると,
(ア)補正後の発明の「無線ネットワークノード」,「基準信号」,「リソースエレメント」と,先願発明の「基地局」,「復調用参照信号」,「リソース単位」とは,表現が異なるのみであって,実質的な差異は無い。
また,本願明細書の【0004】の「本明細書を通して,述べていることが単一の物理アンテナに必ずしも対応していないことを強調するために,アンテナではなく「アンテナポート」という用語を使用する。」との記載によれば,補正後の発明の「アンテナポート」と先願発明の「アンテナ」とは実質的な差異は無い。
また,本願明細書の【0013】によれば,補正後の発明の「直交カバーコード」はウォルシュ行列の各行に対応するものであるところ,先願明細書(上記イ(イ)の3?5段落目(【0030】?【0032】)及びFIG.9(図9)参照)から明らかなように,先願発明の「直交行列を使用して」とは直交行列の各行に対応するウォルシュ符号を用いることである。したがって,補正後の発明の「直交カバーコードを使用して」と先願発明の「直交行列を使用して」との間には差異は無い。

(イ)特許請求の範囲の請求項8を参酌すれば,補正後の発明の「直交カバーコードの置換」は,「直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させること」を含むのであるから,先願発明の「直交行列の行内の符号要素の並び順序を反転させた直交行列を使用して」は補正後の発明の「直交カバーコードの置換を使用して」に含まれる。

(ウ)補正後の発明の「複数のアンテナ」は,第1レイヤ?第8レイヤの各レイヤに対応するアンテナであることは明らかであり,このうち「第2のCDMグループ」に属する第5レイヤ?第8レイヤに対応するアンテナを「第2のアンテナポート」と称することは任意である。
また,第1レイヤ?第8レイヤのうち「第2のCDMグループ」に属する第5レイヤ?第8レイヤに係る復調用参照信号を「第2の基準信号」と称することや,「第2のCDMグループ」に属する第5レイヤ?第8レイヤに係る置換を「第2の置換」と称することも,任意である。

(エ)補正後の発明の「2つのCDMサブグループ」は,直交カバーコードを使用するものと,直交カバーコードの置換を使用するものとの「2種類のCDMサブグループ」ともいえる。

したがって,補正後の発明と先願発明とを対比すると,両者は,以下の点で一致している。
(一致点)
「無線ネットワークノードにおいてアンテナポートを通じて基準信号を送信する方法であって,当該基準信号は符号分割多重(CDM)グループにより送信され,当該CDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループはリソースエレメントを含んでおり,
前記方法は,
直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第1のCDMサブグループにより前記基準信号を送信するステップと,
前記直交カバーコードの置換を使用して,前記第1のタイムスロットと前記それに続くタイムスロットである第2のタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第2のCDMサブグループにより前記基準信号を送信するステップと
を有し,
前記直交カバーコードの置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記CDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記基準信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第1のCDMサブグループは,2つのリソースブロックにわたって,前記第2のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返され,
前記方法は,
第2のアンテナポートを通じて第2のCDMグループにより第2の基準信号を送信するステップをさらに有し,当該第2のCDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループは少なくとも1つ以上のリソースエレメントを含んでおり,
前記方法は,
前記直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第3のCDMサブグループにより前記第2の基準信号を送信するステップと,
前記直交カバーコードの第2の置換を使用して,前記第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第4のCDMサブグループにより前記第2の基準信号を送信するステップと
を有し,
前記直交カバーコードの第2の置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記第2のCDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記第2の基準信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第3のCDMサブグループは,2つのリソースブロックにわたって,前記第4のCDMサブグループと同一の回数だけ繰り返されることを特徴とする方法。」

一方,一致点の「当該CDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており」及び「当該第2のCDMグループには2種類のCDMサブグループが含まれており」に関し,補正後の発明は「2つのCDMサブグループ」であるのに対し,先願発明は1つのCDMグループに含まれるCDMサブグループの種類は2種類であるものの,1つのリソースブロック内の1つのCDMグループに含まれるCDMサブグループの数は3つ(第1のサブキャリアF1?第3のサブキャリアF3)である点で一応の相違がみられるので,この点について以下検討する。

本願明細書の図5,図7,図9によれば,1つのリソースブロック内の1つのCDMグループに含まれるCDMサブグループの数は3つ(すなわち,奇数。)であり,【0064】,【0065】によれば,2つの連続するPRBを通して第1(第3)のCDMサブグループと第2(第4)のCDMサブグループを同じ回数(3回)送信するのは,当該例示におけるものである。そして,【0077】,【0078】によれば,1つのリソースブロック内の1つのCDMグループに含まれるCDMサブグループの数が4つ(すなわち,偶数。)である図11,図12の例では,第1,2のCDMサブグループ(第3,4のCDMサブグループ)は1つのリソースブロック内で同じ回数繰り返されるのである。してみると,2つのリソースブロックを通して第1,2のCDMサブグループを同じ回数繰り返すのは,1つのリソースブロック内の1つのCDMグループに含まれるCDMサブグループの数が奇数であることに由来していることは明らかである。
そうすると,「2つのCDMサブグループ」をCDMサブグループの数が2個(偶数)と解釈すると,「2つのリソースブロックを通して第1,2のCDMサブグループを同じ回数繰り返す」ことと整合しないことになる。そして,「2つのリソースブロックを通して第1,2のCDMサブグループを同じ回数繰り返す」場合は,1つのリソースブロック内の1つのCDMグループに,2種類のCDMサブグループのうちの一方が奇数個,他方が偶数個存在し,双方併せて奇数個存在する場合であるから,「2つのCDMサブグループ」を2種類のCDMサブグループと解釈する方が,本願明細書の開示内容に照らしてより整合的である。
したがって,補正後の発明は「2つのCDMサブグループ」なる記載には,「2種類のCDMサブグループ」との解釈も含み得るから,上記点には実質的な差異は無く,補正後の発明と先願発明は実質的に同一である。
なお,仮に,2種類ではなく,個数が2であるとしても,復調用参照信号(DMRS)は2次元補間して各リソースエレメントの復調に使用されることに鑑みれば,例えば先願明細書の図25にはCDMサブグループの数を4つとする例が示されている(上記イ(エ)参照。)ように,CDMサブグループの数は,後方互換性,CPの長さ,復調の精度等を勘案して適宜設計し得る程度のことにすぎないから,単なる設計微差に過ぎないものであり,補正後の発明と先願発明は実質的に同一である。

なお,請求人は,平成27年8月28日付け上申書にて,「一方,図9では,第1レイヤから第4レイヤが直交カバーコードの置換を使用すること
を示しているかもしれません。しかし,第5レイヤから第8レイヤがどのような直交カバーコードを使用するかについては一切の説明がありません。図8によれば,第5レイヤから第8レイヤは,置換されていない直交カバーコードを使用することが示されており,図9においても第5レイヤから第8レイヤは,置換されていない直交カバーコードを使用すると理解することが妥当です。もし,第5レイヤから第8レイヤにおいて直交カバーコードの置換を使用するのであれば,当然にそのように記載されているはずですが,そのような記載はどこにも見当たりません。つまり,LTE規格のRelease-10の通りに,直交カバーコードの置換を使用しないと考えるのが普通です。」と主張している。
しかしながら,上記イeのとおり,先願明細書(上記イ(ウ)参照。)には,図8のみならず,直交カバーコードの行のチップの順序を変更する種々の例において,第5レイヤから第8レイヤの復調用参照信号についても第1レイヤから第4レイヤの復調用参照信号と同様の方法を採用することが記載されているから,一般論として,第5レイヤから第8レイヤの復調用参照信号についても第1レイヤから第4レイヤの復調用参照信号と同様の方法を採用することが示唆されていると解するのが自然である。したがって,上記主張は採用できない。

エ むすび
以上のとおり,補正後の発明は,その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって,その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり,しかも,この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく,またこの出願の時において,その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので,特許法第29条の2の規定により,特許を受けることができない(同法第184条の13参照。)ものである。

(3) 結語
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1 本願発明
平成27年4月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願発明は,平成26年6月18日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】
無線ネットワークノードにおいてアンテナポートを通じて基準信号を送信する方法であって,当該基準信号は符号分割多重(CDM)グループにより送信され,当該CDMグループには少なくとも2つのCDMサブグループが含まれており,各CDMサブグループは異なるサブキャリアによって送信され,各CDMサブグループはリソースエレメントを含んでおり,前記方法は,
直交カバーコードを使用して,第1のタイムスロットとそれに続くタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第1のCDMサブグループ(510,710)により前記基準信号を送信するステップ(610)と,
前記直交カバーコードの置換を使用して,前記第1のタイムスロットと第2のタイムスロットとによるリソースエレメントを有する第2のCDMサブグループ(520,720)により前記基準信号を送信するステップ(620,720)と
を有し,
前記直交カバーコードの置換は,前記第1のタイムスロットに含まれている前記CDMグループにおけるリソースエレメントにだけ前記直交カバーコードを適用することで,前記基準信号を周波数領域において復号できるように選択され,前記第1のCDMサブグループ(510,710)は,2つのリソースブロックにわたって,前記第2のCDMサブグループ(520,720)と同一の回数だけ繰り返されることを特徴とする方法。」

2 先願発明
先願発明は,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「イ 先願発明」の項で認定したとおりである。

3 対比・判断
そこで,本願発明と先願発明とを対比するに,本願発明は補正後の発明から「第2のCDMグループ」に係る補正前の請求項2に係る構成及び当該補正に係る限定を省いたものである。そして,本願発明は「当該CDMグループには少なくとも2つのCDMサブグループが含まれており」と規定しているところ,「少なくとも2つのCDMサブグループ」は「3つのCDMサブグループ」を包含していることは明らかである。
このため,本願発明の構成に当該補正に係る限定を付加した補正後の発明には,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「2 補正の適否」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の「ウ 対比・判断」の項で検討したとおりの「一応の相違」があったところ,本願発明には当該「一応の相違」も存在しないことになる。したがって,本願発明は,先願発明と同一である。

4 むすび
以上のとおり,本願発明は,先願発明は同一であるから,特許法第29条の2の規定により,特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-12-09 
結審通知日 2015-12-11 
審決日 2015-12-25 
出願番号 特願2013-514514(P2013-514514)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04J)
P 1 8・ 161- Z (H04J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 洋岡 裕之  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 菅原 道晴
林 毅
発明の名称 基準信号を送信および復号するための方法および装置  
代理人 下山 治  
代理人 大塚 康弘  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康徳  
代理人 高柳 司郎  
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