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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B60C |
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管理番号 | 1315149 |
審判番号 | 不服2015-9765 |
総通号数 | 199 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-05-26 |
確定日 | 2016-05-26 |
事件の表示 | 特願2013-521458号「空気入りタイヤ」拒絶査定不服審判事件〔平成24年12月27日国際公開、WO2012/176447〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)6月20日(優先権主張 2011年6月20日、日本)を国際出願日とする出願であって、平成26年9月8日付けで拒絶理由が通知され、同年11月5日に意見書及び手続補正書が提出され、平成27年3月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年5月26日に拒絶査定不服審判請求がなされたものである。 2 本願発明 本願の特許請求の範囲の請求項1ないし6に係る発明は、平成26年11月5日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「1本のビードワイヤをゴム被覆してなるストランドを環体状に従って巻き回して、該環体の軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなるビードコアをタイヤのビード部に埋設した空気入りラジアルタイヤであって、 前記ビードコアは、前記環体の軸方向2列からなり、 前記ビードワイヤの巻き始端及び巻き終端が、該巻き始端及び巻き終端が位置するそれぞれの列での径方向最外側の段に位置し、 前記巻き始端と隣接する内周層のとの間のビードワイヤの間隔が、他の隣接する間の間隔より大きいことを特徴とする、空気入りラジアルタイヤ。」 3 引用刊行物 (1)刊行物の記載事項 これに対して、原査定の拒絶理由に引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2005-28944号公報(以下「刊行物1」という。)、特開2001-97010号公報(以下「刊行物2」という。)及び特開2009-51451号(以下「刊行物3」という。)には、それぞれ以下の事項が記載されている。 ア 刊行物1の記載事項 (刊1-1)「【請求項1】 ビードワイヤをタイヤの半径方向及び幅方向にそれぞれ複数列ずつ配列されるようにタイヤの周方向に連続して巻回してなるタイヤ用ビードにおいて、 前記ビードワイヤをタイヤの半径方向一方から他方に向かって所定の巻数だけ積み重ねて配列した部分と、タイヤの半径方向他方から一方に向かって所定の巻数だけ積み重ねて配列した部分とをタイヤの幅方向一方から他方に向かって一列ずつ交互に配列したことを特徴とするタイヤ用ビード。 【請求項2】 前記タイヤの半径方向に積み重ねて配列されるビードワイヤをタイヤの幅方向偶数列に配列した ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ビード。」 (刊1-2)「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、タイヤのサイドウォールにタイヤをホイールに固定するための補強部材として設けられるタイヤ用ビードに関するものである。」 (刊1-3)「【0010】 【発明の実施の形態】 図1乃至図4は本発明の一実施形態を示すもので、図1はビードの一部切断斜視図、図2はビードを埋設したタイヤの一部断面図、図3はビードワイヤの配列を示す概略正面図、図4はビードワイヤの偏位部分を示す平面図である。 【0011】 同図に示すビード10は、鋼線からなるビードワイヤ11をタイヤ20の周方向に巻回してなり、タイヤ20のサイドウォール21の下端部に埋設されるものである。ビードワイヤ11は、タイヤ20の半径方向(Y方向)及び幅方向(X方向)にそれぞれ複数列ずつ配列され、1本のワイヤを連続して巻回することによって形成される。(後略) 【0012】 このビード10を形成する場合には、図3(a) に示すようにビードワイヤ11を下方から上方に向かって順次積み重ねるように巻回して上下方向1列目を形成した後、幅方向2列目に移行して上方から下方に向かって順次積み重ねるように巻回し、これを繰り返して1列ずつ幅方向に順次配列する。即ち、ビードワイヤ11は、図3(b) の番号に示す順番で配列される。」 (刊1-4)「【0017】 尚、ビードワイヤ11をタイヤ20の半径方向外側から内側に向かって巻き始めるようにすれば、ビードワイヤ11の巻き始めの端部と巻き終わりの端部を何れもタイヤ20の径方向外側に配置することができ、ビードワイヤ11の内径側の平滑性を高めることができる。」 (刊1-5) 図3(a)には、次の図が示されている。 イ 刊行物2の記載事項 (刊2-1)「【0001】【発明の属する技術分野】 この発明は空気入りタイヤ、なかでもビード部構造の改良に関するものであり、ビード部、ひいては、タイヤ自体の所要の剛性の増加、チューニング等を容易にするとともに、操縦安定性および乗心地を高い次元で両立させるものである。」 (刊2-2)「【0018】 ここでは、タイヤの各ビード部1で、周方向に連続して延びる一本もしくは複数本のビードワイヤ4を、たとえば、半径方向内方から外方に向けて渦巻状に巻回することでビードワイヤ構体5を形成するとともに、このようなビードワイヤ構体5をタイヤ幅方向の内外側に隣接させて二列に配設し、そして、図1(a)に示すところでは、それらの両ビードワイヤ構体5で、カーカス2の端部分を挟み込み、図 1(b)に示すところでは、それらのビードワイヤ構体5を、カーカスプライ2の本体部分2aと折返し部分2bとの間に挟み込む。」 (刊2-3) 図1(b)には、次の図が示されている。 ウ 刊行物3の記載事項 (刊3-1)「【請求項1】 一対のビード部にそれぞれ複数本のスチールワイヤを引き揃えて層状に巻回してなる複数の層巻きビードコアを埋設した空気入りバイアスタイヤにおいて、最もビードトウ側に位置する第1ビードコアのスチールワイヤの外周側端末下に、硫黄を含有するゴムシートを貼り付け、第1ビードコアの外周側から数えて1層目のスチールワイヤと2層目のスチールワイヤとの間の外周側端末位置でのゴムゲージG1と第1ビードコアの外周側から数えて2層目のスチールワイヤと3層目のスチールワイヤとの間の外周側端末位置でのゴムゲージG2との関係をG1/G2≧1.5とした空気入りバイアスタイヤ。」 (刊3-2)「【0011】 そこで、本発明では、複数の層巻きビードコアを各ビード部に埋設した空気入りバイアスタイヤにおいて、最もビードトウ側に位置する第1ビードコアのスチールワイヤの外周側端末下に、硫黄を含有するゴムシートを貼り付け、ゴムゲージG1とゴムゲージG2との関係を規定することにより、第1ビードコアのスチールワイヤの外周側端末部分におけるゴムへの応力集中を緩和して接着耐久性を向上し、その部分でのスチールワイヤとゴムとの剥離を防止することができる。その結果、スチールワイヤの疲労破断を防止し、ビード部の耐久性を向上することができる。(後略)」 (刊3-3) 図2及び図3には、次の図が示されている。 (2)刊行物1に記載された発明 ア 刊行物1には、「タイヤ用ビード」に関する技術が開示される(上記(刊1-2))ところ、その特許請求の範囲には、 「【請求項1】 ビードワイヤをタイヤの半径方向及び幅方向にそれぞれ複数列ずつ配列されるようにタイヤの周方向に連続して巻回してなるタイヤ用ビード(中略) 【請求項2】 前記タイヤの半径方向に積み重ねて配列されるビードワイヤをタイヤの幅方向偶数列に配列した ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ビード。」と記載されている(上記(刊1-1))。 イ 刊行物1には、1本のビードワイヤを巻回してなるタイヤ用ビードをサイドウォールの下端部に埋設されるタイヤが記載されている(上記(刊1-3))。 ウ 刊行物1には、上記タイヤ用ビードの実施の形態として、ビードワイヤ11の巻き始めの端部と巻き終わりの端部を何れもタイヤ20の径方向外側に配置することが記載されている(上記(刊1-4))。 そうすると、刊行物1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「1本のビードワイヤをタイヤの半径方向及び幅方向にそれぞれ複数列ずつ配列されるようにタイヤの周方向に連続して巻回してなるタイヤ用ビードがサイドウォールの下端部に埋設されるタイヤにおいて、 前記タイヤの半径方向に積み重ねて配列されるビードワイヤをタイヤの幅方向偶数列に配列し、 ビードワイヤの巻き始めの端部と巻き終わりの端部を何れもタイヤの径方向外側に配置したタイヤ用ビードを備えるタイヤ。」 4 対比・判断 ア 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「1本のビードワイヤ」及び「タイヤ用ビード」は、その技術的意義及び機能からみて、本願発明の「1本のビードワイヤ」及び「ビードコア」に相当し、引用発明の「タイヤ用ビードがサイドウォールの下端部に埋設される」は、本願発明の「ビードコアをタイヤのビード部に埋設した」に相当し、また、引用発明の「タイヤ」が「空気入りタイヤ」であることは明らかである。 また、引用発明の「タイヤの周方向に連続して巻回し」及び「タイヤの半径方向及び幅方向にそれぞれ複数列ずつ配列される」は、本願発明の「環体状に従って巻き回し」及び「環体の軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなる」に相当する。 してみると、引用発明の「1本のビードワイヤをタイヤの半径方向及び幅方向にそれぞれ複数列ずつ配列されるようにタイヤの周方向に連続して巻回してなるタイヤ用ビードがサイドウォールの下端部に埋設されるタイヤ」と、本願発明の「1本のビードワイヤをゴム被覆してなるストランドを環体状に従って巻き回して、該環体の軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなるビードコアをタイヤのビード部に埋設した空気入りラジアルタイヤ」とは、「1本のビードワイヤを環体状に従って巻き回して、該環体の軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなるビードコアをタイヤのビード部に埋設した空気入りタイヤ」である限度で共通する。 (イ)引用発明の「タイヤの幅方向」は、本願発明の「環体の軸方向」に相当するから、引用発明の「タイヤの半径方向に積み重ねて配列されるビードワイヤをタイヤの幅方向偶数列に配列し」と、本願発明の「ビードコアは、前記環体の軸方向2列からなり」とは、「ビードコアは、前記環体の軸方向偶数列からなり」である限度で共通する。 (ウ)引用発明の「ビードワイヤの巻き始めの端部と巻き終わりの端部を何れもタイヤの径方向外側に配置した」は、本願発明の「ビードワイヤの巻き始端及び巻き終端が、該巻き始端及び巻き終端が位置するそれぞれの列での径方向最外側の段に位置し」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、 「1本のビードワイヤを環体状に従って巻き回して、該環体の軸方向へ複数列及び径方向へ複数段に積み重ねてなるビードコアをタイヤのビード部に埋設した空気入りタイヤであって、 前記ビードコアは、前記環体の軸方向偶数列からなり 前記ビードワイヤの巻き始端及び巻き終端が、該巻き始端及び巻き終端が位置するそれぞれの列での径方向最外側の段に位置する、空気入りタイヤ」 である点で一致し、次の点でそれぞれ相違する。 <相違点1> 「ビードワイヤ」が、本願発明では「ゴム被覆してなるストランド」として巻き回されるのに対し、引用発明では、そのような構成を備えるとはされていない点。 <相違点2> 「空気入りタイヤ」が、本願発明では、「ラジアルタイヤ」であるのに対し、引用発明では、「ラジアルタイヤ」であるとはされていない点。 <相違点3> 「ビードコア」が、本願発明では、環体の「軸方向2列」からなるのに対し、引用発明では「軸方向偶数列」からなる点。 <相違点4> 本願発明では、「前記巻き始端と隣接する内周層のとの間のビードワイヤの間隔が、他の隣接する間の間隔より大きい」のに対して、引用発明では、そのような構成を備えるとはされていない点。 イ 判断 上記各相違点について検討する。 (ア)相違点1について ビードワイヤを、ゴム被覆してなるストランドとして巻き回してビードコアを形成することは、例えば特開2005-305768号公報(特に段落【0003】)等に開示されているように、本願優先日前に周知の技術であるから、引用発明の「ビードワイヤ」について、当該周知の技術を適用して、上記相違点1に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点2について 空気入りタイヤとして、ラジアル構造のものは、例を挙げるまでもなく、本願優先日前に周知慣用の技術であるから、引用発明の「空気入りタイヤ」を「ラジアルタイヤ」とし、上記相違点2に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が特段の困難性なくなし得たことである。 (ウ)相違点3について 刊行物2には、空気入りタイヤのビード部構造に関する技術が開示される(上記(刊2-1))ところ、「周方向に連続して延びる・・・ビードワイヤ4を、・・・半径方向内方から外方に向けて渦巻状に巻回することでビードワイヤ構体5を形成するとともに、このようなビードワイヤ構体5をタイヤ幅方向の内外側に隣接させて二列に配設」するとの事項が記載されている(上記(刊2-2))。 ここで、刊行物2の「ビードワイヤ4」及び「タイヤ幅方向」は、本願発明の「ビードワイヤ」及び「環体の軸方向」に相当し、また、刊行物2の「ビードワイヤ構体5」を隣接させて配設したものは、本願発明の「ビードコア」に相当することが明らかであるから、刊行物2には、ビードコアを、環体の軸方向2列からなるよう構成するとの技術的事項(以下「刊行物2に記載された技術的事項」という。)が記載されているといえる。 そして、引用発明のビードコアを、環体の軸方向偶数列からなるように形成するに際して、偶数列としてどの列数に設定するかは、タイヤの用途や必要となる強度等に応じて、当業者が適宜設定し得るものであるから、上記刊行物2に記載された技術的事項も踏まえて、引用発明の「ビードコア」について、上記相違点3に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (エ)相違点4について 刊行物3には、空気入りバイアスタイヤのビード部構造に関する技術が開示される(上記(刊3-1))ところ、「ビードコアの外周側から数えて1層目のスチールワイヤと2層目のスチールワイヤとの間の外周側端末位置でのゴムゲージG1と第1ビードコアの外周側から数えて2層目のスチールワイヤと3層目のスチールワイヤとの間の外周側端末位置でのゴムゲージG2との関係をG1/G2≧1.5とした」との事項(上記(刊3-1))、及び、これにより「第1ビードコアのスチールワイヤの外周側端末部分におけるゴムへの応力集中を緩和して接着耐久性を向上し、その部分でのスチールワイヤとゴムとの剥離を防止する」との事項(上記(刊3-2))が記載されている。 ここで、刊行物3の「ビードコア」、「スチールワイヤ」及び「外周側から数えて1層目」は、本願発明の「ビードコア」、「ビードワイヤ」及び「径方向最外側の段」に相当し、刊行物3の「スチールワイヤ」の「端末部分」と本願発明の「ビードワイヤの巻き始端及び巻き終端」は、「ビードワイヤの端」である限度で共通し、刊行物3の「外周側から数えて2層目」は、本願発明での「ビードワイヤ」の「端と隣接する内周層」に相当するとともに、刊行物3の「外周側端末位置」は、本願発明での「巻き始端及び巻き終端」が「径方向最外側の段」で位置する場所に相当すると解することができる。 また、刊行物3の「ゴムゲージG1」及び「ゴムゲージG2」は、本願発明のビードワイヤの「端と隣接する内周層のとの間のビードワイヤの間隔」及び「他の隣接する間の間隔」に相当し、刊行物3の「G1/G2≧1.5」との関係と、本願発明のビードワイヤの「巻き始端と隣接する内周層のとの間のビードワイヤの間隔が、他の隣接する間の間隔より大きい」との関係とは、ビードワイヤの「端と隣接する内周層のとの間のビードワイヤの間隔が、他の隣接する間の間隔より大きい」限度で共通するものである。 してみると、刊行物3には、径方向最外側の段に位置するビードワイヤの端と隣接する内周層のとの間のビードワイヤの間隔が、他の隣接する間の間隔よりも大きくすることで、ビードワイヤ端末部分における応力集中を緩和するとの技術的事項(以下「刊行物3に記載された技術的事項」という。)が記載されているといえる。 そして、タイヤのビードコア表面に位置するビードワイヤの巻き始めの端部又は巻き終わりの端部で応力集中等に起因して破断が生じ得ることは、本願優先日前に周知の技術的課題である(例えば特開平1-145209号公報(特に第1ページ右欄第10?15行、第2ページ左下欄第2?11行、第5ページ左上欄第2行?右上欄第13行、第6ページ右下欄第15行?第7ページ左上欄第8行、同ページ左下欄第3?10行、第1?12図)、特開2005-254885号公報(特に段落【0009】?【0011】、図3)、特開2006-347375号公報(特に段落【0003】、【0004】)等を参照。)ことを踏まえると、引用発明において、タイヤの径方向外側に配置したビードワイヤの巻き始めの端部(及び巻き終わりの端部)に応力集中等に起因した破断が生じ得ることも、当業者にとって自明の技術的課題といえるから、当該技術的課題を解決するために、引用発明について上記刊行物3に記載された技術的事項を適用する動機付けは十分に存在するものといえる。更には、タイヤ用ビードに関する技術に関し、バイヤス構造のタイヤ技術を、ラジアル構造のタイヤ技術へ適用できない特段の事情も見当たらない。 したがって、引用発明でタイヤの径方向外側(本願発明での「径方向最外側の段」に相当。)に配置されたビードワイヤの巻き始めの端部(「巻き始端」)(及び巻き終わりの端部(「巻き終端」))での応力集中等に起因した破断が生じないようにするため、上記刊行物3に記載された技術的事項を参考にして、上記相違点4に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (オ)本願発明の効果について 本願発明が奏する作用効果は、引用発明及び上記刊行物2、3に記載された技術的事項、上記周知の技術及び上記周知慣用の技術から、当業者が予測し得る範囲内のものであって、格別なものとはいえない。 ウ まとめ したがって、本願発明は、引用発明及び上記刊行物2、3に記載された技術的事項、上記周知の技術及び上記周知慣用の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-03-24 |
結審通知日 | 2016-03-29 |
審決日 | 2016-04-11 |
出願番号 | 特願2013-521458(P2013-521458) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B60C)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田々井 正吾、野口 絢子 |
特許庁審判長 |
和田 雄二 |
特許庁審判官 |
平田 信勝 上尾 敬彦 |
発明の名称 | 空気入りタイヤ |
代理人 | 山口 雄輔 |
代理人 | 杉村 憲司 |