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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する E02D
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する E02D
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する E02D
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する E02D
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する E02D
管理番号 1315971
審判番号 訂正2016-390040  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-03-15 
確定日 2016-06-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3263037号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3263037号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第3263037号は、平成10年12月28日(優先権主張平成10年6月11日)に出願されたものであって、その請求項1ないし8に係る発明は平成13年12月21日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成28年3月15日に請求項1ないし8に係る発明について本件訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第3263037号の明細書(以下「本件特許明細書」という。)を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲における請求項1に「前記オーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部と、前記凸部を掴むオーガケーシングチャック手段と、を備えたことを特徴とするチャック装置。」とあるのを、「前記オーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部を掴むオーガケーシングチャック手段を備えたことを特徴とするチャック装置。」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲における請求項5に「パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルと前記オーガケーシングを掴むチャック装置であって、」とあるのを、「パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルとオーガケーシングを掴むチャック装置であって、」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲における請求項5に「前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシング部の上下方向の移動を案内するレールと、」とあるのを、「前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシングチャック部の上下方向の移動を案内するレールと、」と訂正する。

(4)訂正事項4
明細書の段落【0003】に「例えば、図4に示すように、この排土口103の上部のオーガケーシングKをオーガケーシングチャック部102の油圧シリンダ装置102aで直接掴むと、」とあるのを、「例えば、図8に示すように、この排土口103の上部のオーガケーシングKをオーガケーシングチャック部102の油圧シリンダ装置102aで直接掴むと、」と訂正する。

(5)訂正事項5
明細書の段落【0006】に「前記オーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部と、前記凸部を掴むオーガケーシングチャック手段と、を備えたことを特徴としている。」とあるのを、「前記オーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部を掴むオーガケーシングチャック手段を備えたことを特徴としている。」と訂正する。

(6)訂正事項6
明細書の段落【0014】に「請求項5記載の発明は、パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルと前記オーガケーシングを掴むチャック装置であって、」とあるのを、「請求項5記載の発明は、パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルとオーガケーシングを掴むチャック装置であって、」と訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0014】に「前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシング部の上下方向の移動を案内するレールと、」とあるのを、「前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシングチャック部の上下方向の移動を案内するレールと、」と訂正する。

(8)訂正事項8
明細書の段落【0029】に「また、前記外周部11の内側に、オーガケーシングKの軸方向に長尺なガイドレール20,20が設けられている。そして、このガイドレール20、20には、前記オーガケーシングチャック部14に設けられたガイド部21、21がガイドレール20、20に沿って上下に摺動自在に係合されている。前記ガイド部21、21は、前記外周部11の下部に固定された上下シリンダ装置22、22のシリンダチューブから構成され、その下面にはピストンロッド22a、22aが取り付けられ、前記上下シリンダ装置22、22によって前記オーガケーシングチャック部14が上下に移動(図4の実線から2点鎖線への移動)出来るようになっている。」とあるのを、「また、前記外周部12の内側に、オーガケーシングKの軸方向に長尺なガイドレール20,20が設けられている。そしてこのガイドレール20、20には、前記オーガケーシングチャック部14に設けられたガイド部21、21がガイドレール20、20に沿って上下に摺動自在に係合されている。前記ガイド部21、21は前記外周部12の下部に固定された上下シリンダ装置22、22のシリンダチューブから構成され、その下面にはピストンロッド22a、22aが取り付けられ、前記上下シリンダ装置22、22によって前記オーガケーシングチャック部14が上下に移動(図4の実践から2点鎖線への移動)出来るようになっている。」と訂正する。

(9)訂正事項9
明細書の段落【0030】に「オーガケーシングKをオーガケーシングチャック部13に挿通する。」とあるのを、「オーガケーシングKをオーガケーシングチャック部14に挿通する。」と訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否について
請求項1に係る発明は、「チャック装置」に関する発明であって、「チャック装置」は「オーガケーシング」等を掴む装置であるところ、訂正事項1は、「オーガケーシング」(その外周部の所定位置に設けられた「凸部」)が「チャック装置」を構成するものではないことを明確にして、「チャック装置」と「オーガケーシング」の関係を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記(1)で述べたように、訂正事項1は、「チャック装置」と「オーガケーシング」の関係を明瞭にしたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとはいえない。
(3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
本件特許明細書には、「オーガケーシングチャック手段によりオーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部が掴まれ」(段落【0007】)、及び「前記チャック装置1をその1ストローク分だけ下降させてパイルPとオーガケーシングKを1ピッチだけ圧入したならば、前記パイルチャック部2とオーガケーシングチャック部3をそれらの掴みを解除してパイルPとオーガケーシングKから離したうえで、チャック装置1をそのストローク分だけ上昇させて、その位置で再び、パイルPとオーガケーシングKを掴み、さらに、チャック装置1を下降させてパイルPとオーガケーシングKを圧入していく工程を所定回数繰り返して行うことによって、パイルPとオーガケーシングKを圧入していく。」(段落【0024】)と記載されているように、「チャック装置」が「オーガケーシング」(その外周部の所定位置に設けられた「凸部」)を掴むことが具体的に記載されているので、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

2 訂正事項2について
訂正前の請求項5には「パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルと前記オーガケーシングを掴むチャック装置であって」と記載されているところ、「前記オーガケーシング」の前に「オーガケーシング」に関連する記載は一切存在しないから、その前に現れた用語を指し示す「前記」という文言は明らかに誤記である。
したがって、「前記オーガケーシング」における「前記」を削除して「オーガケーシング」と訂正する訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

3 訂正事項3について
訂正前の請求項5には「前記オーガケーシングを掴むオーガケーシングチャック部と、前記オーガケーシングチャック部に設けられたガイド部と、前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシング部の上下方向の移動を案内するレールと、」と記載されているところ、「前記オーガケーシング部」の前に「オーガケーシング部」は記載されていないが、「オーガケーシング」と「オーガケーシングチャック部」が記載されている。
そして、本件特許明細書の「また、前記外周部11の内側に、オーガケーシングKの軸方向に長尺なガイドレール20,20が設けられている。そして、このガイドレール20、20には、前記オーガケーシングチャック部14に設けられたガイド部21、21がガイドレール20、20に沿って上下に摺動自在に係合されている。前記ガイド部21、21は、前記外周部11の下部に固定された上下シリンダ装置22、22のシリンダチューブから構成され、その下面にはピストンロッド22a、22aが取り付けられ、前記上下シリンダ装置22、22によって前記オーガケーシングチャック部14が上下に移動(図4の実線から2点鎖線への移動)出来るようになっている。従って、上下シリンダ装置22、22によって直接ガイド部21、21を上下動させてオーガケーシングチャック部14を上下動させることが出来ることとなって、ガイド部21、21とシリンダ装置22、22が別個に設けてあるものに比べて装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。特に、ガイド部21、21がシリンダ装置の一部を構成しているので、更に装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。」(段落【0029】)との記載から、「レール」に案内されるのは「オーガケーシングチャック部14」に設けられた「ガイド部21、21」であるといえるので、訂正前の請求項5における「前記オーガケーシング部」は「前記オーガケーシングチャック部」の誤記である。
したがって、「前記オーガケーシング部」を「前記オーガケーシングチャック部」と訂正する訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

4 訂正事項4について
本件特許明細書の段落【0003】には、「ところで、従来、オーガスクリュー(図示省略)により掘削した土砂は、オーガケーシングKの上部まで上げて上部のシュート(図示省略)から排土していた。また、前記オーガケーシングKの上部には、オーガスクリュー(図示省略)により掘削した土砂を排出する排土口103を設けた場合、例えば、図4に示すように、この排土口103の上部のオーガケーシングKをオーガケーシングチャック部102の油圧シリンダ装置102aで直接掴むと、排土口103を設けることによるオーガケーシングKの強度低下によってオーガケーシングKが潰れてしまうおそれがあった。」と記載されているように、従来技術に関する事項が記載されている。
ところで、本件特許明細書の段落【0002】には「【従来の技術】従来、・・・・チャック装置が設けられている。このようなチャック装置としては、例えば、図7、図8に示すものが知られている。・・・・」と、同【図面の簡単な説明】には「【図7】従来のチャック装置の平面図である。【図8】図7のチャック装置の正面図である。」と記載されているように、従来技術を示す図面は、図7及び図8である。また、「排土口」の符号「103」は、図8には記載されているものの、図4及び図7には記載されていない。
以上のことを踏まえると、段落【0003】における「図4」は「図8」の誤記といえる。
したがって、図面の番号を「図4」から「図8」に訂正する訂正事項4は、誤記の訂正を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

5 訂正事項5について
訂正事項5は、請求項1に係る発明の訂正(訂正事項1)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0006】に記載された対応する記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

6 訂正事項6について
訂正事項6は、請求項5に係る発明の訂正(訂正事項2)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0014】に記載された対応する記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

7 訂正事項7について
訂正事項7は、請求項5に係る発明の訂正(訂正事項3)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0014】に記載された対応する記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

8 訂正事項8について
本件特許明細書の段落【0026】には「[第2の実施の形態]図3は、本発明に係るチャック装置の第2の実施例を示す平面図、図4は同右側面図である。図3、4に示すチャック装置11は、図示しないパイル圧入装置に装着され、該パイル圧入装置に設けられた油圧シリンダ装置(図示省略)よって昇降されるようになっている。前記チャック装置11は、筒状の外周部12の内部に、パイルPを掴むパイルチャック部13と、アースオーガのオーガケーシングKを掴むオーガケーシングチャック部14と、このオーガケーシングチャック部14が設けられる本体部15などを備えている。」と、また、同【符号の説明】には「11 チャック装置」及び「12 外周部」と記載されているように、「外周部」の符号は「12」である。
そうすると、段落【0029】における「外周部11」(符号「11」)は「外周部12」(符号「12」)の誤記といえる。
したがって、符号を「11」から「12」に訂正する訂正事項8は、誤記の訂正を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

9 訂正事項9について
本件特許明細書の段落【0026】には「[第2の実施の形態]図3は、本発明に係るチャック装置の第2の実施例を示す平面図、図4は同右側面図である。図3、4に示すチャック装置11は、図示しないパイル圧入装置に装着され、該パイル圧入装置に設けられた油圧シリンダ装置(図示省略)よって昇降されるようになっている。前記チャック装置11は、筒状の外周部12の内部に、パイルPを掴むパイルチャック部13と、アースオーガのオーガケーシングKを掴むオーガケーシングチャック部14と、このオーガケーシングチャック部14が設けられる本体部15などを備えている。」と、また、同【符号の説明】には「13 パイルチャック部」「14 オーガケーシングチャック部」と記載されているように、「オーガケーシングチャック部」の符号は「14」である。
そうすると、段落【0030】における「オーガケーシングチャック部13」(符号「13」)は「オーガケーシングチャック部14」(符号「14」)の誤記といえる。
したがって、符号を「13」から「14」に訂正する訂正事項9は、誤記の訂正を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

10 独立特許要件について
訂正後の請求項1ないし8に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。

第5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
チャック装置、オーガケーシングおよびオーガケーシングのチャック方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 パイルとアースオーガを地中に圧入し、前記アースオーガのオーガケーシングに設けられた排土口からオーガスクリューにより掘削した土砂を排出するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルと前記オーガケーシングを掴むチャック装置であって、
前記オーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部を掴むオーガケーシングチャック手段を備えたことを特徴とするチャック装置。
【請求項2】 前記オーガケーシングチャック手段は、
前記チャック装置の本体部に設けられ、前記凸部の一の側面部に当接する当接部と、
前記凸部の一の側面部と対向する前記凸部の他の一の側面部を押圧する押圧手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のチャック装置。
【請求項3】 前記排土口に面した前記本体部に、前記排土口から排出された土砂を流入させ、外部に排出する排出空間部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のチャック装置。
【請求項4】 前記オーガケーシングチャック手段を備えたオーガケーシングチャック部と、
前記オーガケーシングチャック部に設けられたガイド部と、
前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシングチャック部の上下方向の移動を案内するレールと、
を備え、
前記ガイド部と一体化され、前記レールに沿って前記ガイド部を上下方向に移動させるシリンダ装置と、を備えたことを特徴とする請求項1?3の何れかに記載のチャック装置。
【請求項5】 パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルとオーガケーシングを掴むチャック装置であって、
前記オーガケーシングを掴むオーガケーシングチャック部と、
前記オーガケーシングチャック部に設けられたガイド部と、
前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシングチャック部の上下方向の移動を案内するレールと、
前記ガイド部と一体化され、前記レールに沿って前記ガイド部を上下方向に移動させるシリンダ装置と、
を備えたことを特徴とするチャック装置。
【請求項6】 前記ガイド部は、前記シリンダ装置の一部を構成していることを特徴とする請求項4又は5に記載のチャック装置。
【請求項7】 チャック装置によって掴まれるオーガケーシングであって、
外周部の所定位置に、前記チャック装置に掴まれる凸部が設けられ、かつ、掘削された土砂を排出する排土口を備えたことを特徴とするオーガケーシング。
【請求項8】 請求項7記載のオーガケーシングをチャックするチャック方法であって、
前記オーガケーシングの凸部を前記チャック装置で掴むことにより前記オーガケーシングをチャックすることを特徴とするオーガケーシングのチャック方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アースオーガを備えたパイル圧入装置のオーガケーシングのチャック装置、オーガケーシングおよびオーガケーシングのチャック方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤にパイル(矢板)を圧入しつつこれに沿ってアースオーガを掘進させて行くことは公知であり、アースオーガの掘進でパイルの圧入が容易化されるので、パイルの圧入、すなわち油圧による静荷重の負荷によるパイルの建て込みを比較的硬質の地盤についても行うことができ、有利である。上記パイルの圧入に使用されるパイル圧入装置には、パイルとアースオーガのオーガケーシングを掴むチャック装置が設けられている。このようなチャック装置としては、例えば、図7、図8に示すものが知られている。即ち、図7、図8に示すチャック装置100は、パイルPを掴むパイルチャック部101と、オーガケーシングKを掴むオーガケーシングチャック部102と、を備えており、このチャック装置100を下降させるとともに、オーガケーシングK内に挿入したオーガスクリュー(図示省略)を回転させて地盤を掘削することで、パイルPを地盤に容易に圧入することが出来るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、オーガスクリュー(図示省略)により掘削した土砂は、オーガケーシングKの上部まで上げて上部のシュート(図示省略)から排土していた。また、前記オーガケーシングKの上部には、オーガスクリュー(図示省略)により掘削した土砂を排出する排土口103を設けた場合、例えば、図8に示すように、この排土口103の上部のオーガケーシングKをオーガケーシングチャック部102の油圧シリンダ装置102aで直接掴むと、排土口103を設けることによるオーガケーシングKの強度低下によってオーガケーシングKが潰れてしまうおそれがあった。
【0004】上記問題点を解決するために、例えば、オーガケーシングKの肉厚を大きくしてオーガケーシングKの強度を上げることが考えられるが、この場合、オーガケーシングKの大きさや重量が増大して、オーガケーシングKをハンドリングする装置等のスペックをそれらに対応させて大きくしなければならないこともあって必ずしも有効でないという問題点があった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、排土口が設けられたオーガケーシングを確実、且つ経済的に掴むことが可能なオーガケーシング、チャック装置、およびそれらを利用したオーガケーシングのチャック方法を提供することを目的とし、更に効率よく、コンパクトな構造で排土出来るチャック装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、パイルとアースオーガを地中に圧入し、前記アースオーガのオーガケーシングに設けられた排土口からオーガスクリューにより掘削した土砂を排出するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルと前記オーガケーシングを掴むチャック装置であって、前記オーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部を掴むオーガケーシングチャック手段を備えたことを特徴としている。
【0007】請求項1記載の発明によれば、オーガケーシングチャック手段によりオーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部が掴まれ、オーガケーシング自体を直接挟まないので、オーガケーシングが潰れてしまうことがなくなることとなって、排土口を設けた場合でもオーガケーシングの厚みを大きくしてオーガケーシングの強度を上げる必要がなく、確実、且つ経済的にオーガケーシングを掴むことが出来る。
【0008】ここで、オーガケーシングチャック手段は、例えば、万力のようなものであってもよいし、シリンダ装置により押圧して挟むようにしてもよく、凸部の対向する2つの側面部を挟むことが出来るものであればどのようなものであってもよい。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のチャック装置において、前記オーガケーシングチャック手段は、前記チャック装置の本体部から突出して設けられ、前記凸部の一の側面部に当接する当接部と、前記凸部の一の側面部と対向する前記凸部の他の一の側面部を押圧する押圧手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明によれば、当接部に凸部の一の側面部が当接され、押圧手段によって凸部の一の側面部と対向する前記凸部の他の一の側面部が押圧されて凸部が挟まれるので、確実に凸部を当接部に押しつけて挟持させることが出来る。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のチャック装置において、前記排土口に面した前記本体部に、前記排土口から排出された土砂を流入させ、外部に排出させる排出空間部を設けたことを特徴としている。請求項3記載の発明によれば、排土口に面した本体部に設けられた排出空間部によってチャック装置と排土口とが重なった場合でも、土砂を排土口から排出空間部を介して外部に排出することが出来る。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1?3の何れかに記載のチャック装置において、前記オーガケーシングチャック手段を備えたオーガケーシングチャック部と、前記オーガケーシングチャック部に設けられたガイド部と、前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシングチャック部の上下方向の移動を案内するレールと、前記ガイド部と一体化され、前記レールに沿って前記ガイド部を上下方向に移動させるシリンダ装置と、を備えたことを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明によれば、請求項1?3に何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、ガイド部とオーガケーシングチャック部を上下動させるシリンダ装置とが一体化されているので、シリンダ装置によって直接ガイド部を上下動させてオーガケーシングチャック部をレールに沿って上下動させることが出来ることとなって、ガイド部とシリンダ装置が別個に設けてあるものに比べて装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。ここで、ガイド部と一体化されとは、ガイド部にシリンダ装置を取り付けたものであってもよいし、或いはガイド部がシリンダ装置の一部を構成してもよいことを意味する。
【0014】請求項5記載の発明は、パイルとアースオーガを地中に圧入するパイル圧入装置に設けられ、前記パイルとオーガケーシングを掴むチャック装置であって、前記オーガケーシングを掴むオーガケーシングチャック部と、前記オーガケーシングチャック部に設けられたガイド部と、前記ガイド部と摺動自在に係合し、前記オーガケーシングチャック部の上下方向の移動を案内するレールと、前記ガイド部と一体化され、前記レールに沿って前記ガイド部を上下方向に移動させるシリンダ装置と、を備えたことを特徴としている。
【0015】請求項5記載の発明によれば、ガイド部とオーガケーシングチャック部を上下動させるシリンダ装置とが一体化されているので、シリンダ装置によって直接ガイド部を上下動させてオーガケーシングチャック部をレールに沿って上下動させることが出来ることとなって、ガイド部とシリンダ装置が別個に設けてあるものに比べて装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のチャック装置において、前記ガイド部は、前記シリンダ装置の一部を構成していることを特徴としている。
【0017】請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、ガイド部がシリンダ装置の一部を構成しているので、より装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。請求項7記載の発明は、チャック装置によって掴まれるオーガケーシングであって、外周部の所定位置に、前記チャック装置に掴まれる凸部が設けられ、かつ、掘削された土砂を排出する排土口を備えたことを特徴としている。請求項8記載の発明は、請求項7記載のオーガケーシングをチャックするチャック方法であって、前記オーガケーシングの凸部を前記チャック装置で掴むことにより前記オーガケーシングをチャックすることを特徴している。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のチャック装置の実施の形態の一例について説明する。
[第1の実施の形態]図1は、本発明に係るチャック装置の第1の実施例を示す平面図、図2は同正面図である。
【0019】図1、図2に示すチャック装置1は、図示しないパイル圧入装置に装着され、該パイル圧入装置に設けられた油圧シリンダ装置(図示省略)よって昇降されるようになっている。また、前記チャック装置1内には、パイルPを掴むパイルチャック部2と、アースオーガのオーガケーシングKを掴むオーガケーシングチャック部3とが設けられている。前記パイルチャック部2は、前記チャック装置1の下部に設けられた油圧シリンダ装置4と、この油圧シリンダ装置4と対向する位置の前記オーガケーシングKに設けられたパイル固定爪5とを備えており、前記パイルPの頭頂部P1を油圧シリンダ装置4のピストンロッド4aの上昇によってシリンダ4bとパイル固定爪5とで挾持して固定するようになっている。
【0020】前記オーガケーシングKの上部には、オーガスクリュー(図示省略)によって掘削された土砂を排出する排土口6が設けられているとともに、該排土口6の上部のオーガケーシングKの外周部には、凸部K1、K1が所定の位置に設けられている。ここで、凸部K1、K1を設ける位置は、任意に定めてよく、また、凸部K1の数も2つに限らず3つ以上でもよい。
【0021】前記オーガケーシングチャック部3は、左右および上下にそれぞれ一対の油圧シリンダ装置7(押圧手段)と、前記凸部K1を挟んで、前記油圧シリンダ装置7と対向して前記チャック装置1の本体部1aから内側に突出して設けられた突設片8(当接部)とで構成されたオーガケーシングチャック手段を有している。そして、前記突設片8は、前記オーガケーシングKの凸部K1の一の側面部K2と当接するようになっており、また、前記シリンダ装置7のシリンダヘッド7aは、前記凸部K1の前記側面部K2と対向する他の一の側面部K3を、ピストンロッド7bの上昇とともに押圧することが出来るようになっている。
【0022】次に、上記構成のチャック装置1を図示しないパイル圧入装置に装着して、パイルPを地盤に圧入していく方法について説明する。まず、図1および図2に示すように、パイルPをチャック装置1内に挿通するとともに、オーガケーシングKをオーガケーシングチャック部3に挿通する。そして、オーガケーシングKの凸部K1の一の側面部K2を突設片8に当接させ、他の一の側面部K3に油圧シリンダ装置7…のシリンダヘッド7aを押しつけることによってオーガケーシングKを掴み、さらに、前記シートパイルPを前記パイルチャック部2の油圧シリンダ装置4とパイル固定爪5とによって掴んでおく。
【0023】次に、前記チャック装置1を油圧シリンダ装置(図示省略)によって下降させることで、パイルPをオーガケーシングKとともに地盤に圧入していく。なお、オーガケーシングKを圧入していく際においては、該オーガケーシングK内のオーガスクリュー(図示省略)を回転させ、その先端部で地盤を掘削し、その土砂をオーガケーシングK内を通して排出口6から排出する。
【0024】前記チャック装置1をその1ストローク分だけ下降させてパイルPとオーガケーシングKを1ピッチだけ圧入したならば、前記パイルチャック部2とオーガケーシングチャック部3をそれらの掴みを解除してパイルPとオーガケーシングKから離したうえで、チャック装置1をそのストローク分だけ上昇させて、その位置で再び、パイルPとオーガケーシングKを掴み、さらに、チャック装置1を下降させてパイルPとオーガケーシングKを圧入していく工程を所定回数繰り返して行うことによって、パイルPとオーガケーシングKを圧入していく。
【0025】以上説明した本発明に係るチャック装置1によれば、前記突設片8と前記シリンダ装置7とによって、前記オーガケーシングKの凸部K1を挾持することが出来てオーガケーシングK自体を直接挟まないので、オーガケーシングKが潰れてしまうことがなくなることとなって、排土口6を設ける場合でもオーガケーシングKの厚みを大きくしてオーガケーシングKの強度を上げる必要がなく、確実、且つ経済的にオーガケーシングKを掴むことが出来る。
【0026】[第2の実施の形態]図3は、本発明に係るチャック装置の第2の実施例を示す平面図、図4は同右側面図である。図3、4に示すチャック装置11は、図示しないパイル圧入装置に装着され、該パイル圧入装置に設けられた油圧シリンダ装置(図示省略)よって昇降されるようになっている。前記チャック装置11は、筒状の外周部12の内部に、パイルPを掴むパイルチャック部13と、アースオーガのオーガケーシングKを掴むオーガケーシングチャック部14と、このオーガケーシングチャック部14が設けられる本体部15などを備えている。
【0027】前記パイルチャック部13は、前記外周部12の下部に設けられ、油圧シリンダ装置16などを備えており、前記パイルPの頭頂部P1を油圧シリンダ装置16のシリンダヘッド(図示省略)と本体部15とで挾持して固定するようになっている。前記オーガケーシングKには、オーガスクリュー(図示省略)によって掘削された土砂を排出する排土口17が所定の間隔で複数設けられているとともに、該オーガケーシングKの外周部には、凸部K1、K1が所定の位置に設けられている。
【0028】前記オーガケーシングチャック部14は、前記本体部15に設けられ左右および上下にそれぞれ一対の油圧シリンダ装置18と、前記凸部K1を挟んで、前記油圧シリンダ装置18と対向して前記本体部15に設けられた当接部19と、を有し、該シリンダ装置18と当接部19によりオーガケーシングKを狭持出来るようになっている。前記本体部15には、前記オーガケーシングKの排土口17に面して該排土口17から流出した土砂を流入させ、下方から外部に排出させる排出空間部15aが設けられている。この排出空間部15aは、排土口17とチャック装置11とが重なった場合に、排土口17を塞ぐことなく、土砂をチャック装置11の下部から排出可能に構成された外部と連通した空間である。
【0029】また、前記外周部12の内側に、オーガケーシングKの軸方向に長尺なガイドレール20,20が設けられている。そして、このガイドレール20、20には、前記オーガケーシングチャック部14に設けられたガイド部21、21がガイドレール20、20に沿って上下に摺動自在に係合されている。前記ガイド部21、21は、前記外周部12の下部に固定された上下シリンダ装置22、22のシリンダチューブから構成され、その下面にはピストンロッド22a、22aが取り付けられ、前記上下シリンダ装置22、22によって前記オーガケーシングチャック部14が上下に移動(図4の実線から2点鎖線への移動)出来るようになっている。従って、上下シリンダ装置22、22によって直接ガイド部21、21を上下動させてオーガケーシングチャック部14を上下動させることが出来ることとなって、ガイド部21、21とシリンダ装置22、22が別個に設けてあるものに比べて装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。特に、ガイド部21、21がシリンダ装置の一部を構成しているので、更に装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。
【0030】次に、上記構成のチャック装置11を図示しないパイル圧入装置に装着して、パイルPを地盤に圧入していく方法について説明する。まず、図3および図4に示すように、パイルPをチャック装置11内に挿通するとともに、オーガケーシングKをオーガケーシングチャック部14に挿通する。そして、オーガケーシングKの凸部K1を当接部19と油圧シリンダ装置1のシリンダヘッドとでオーガケーシングKを掴み、さらに、前記シートパイルPを前記パイルチャック部13の油圧シリンダ装置16と本体部15とによって掴んでおく。
【0031】次に、前記チャック装置1を油圧シリンダ装置(図示省略)によって下降させることで、パイルPをオーガケーシングKとともに地盤に圧入していく。そして、パイルPとオーガケーシングKとを圧入していく途中、パイルP圧入の困難な硬い地盤があれば、前記チャック装置11の下降を一時停止することによって、パイルPの圧入を停止し、次いで、前記オーガケーシングチャック部14を上下シリンダ装置22によって上下に往復させながらオーガスクリュー(図示省略)の掘削に従って所定量だけ下降させていき、オーガケーシングKをパイルPに先行させて圧入する。
【0032】次いで、前記オーガケーシングKを上下シリンダ装置22によって上昇させたうえで、パイルPとオーガケーシングKとを一緒に圧入していく。この場合、パイルPはオーガスクリュー(図示省略)によって既に掘削された地盤に圧入させることが出来ることとなって、パイル圧入の困難な硬い地盤でも、容易にパイルPを圧入することができる。なお、オーガケーシングKを圧入していく際においては、該オーガケーシングK内のオーガスクリュー(図示省略)を回転させ、その先端部で地盤を掘削し、その土砂をオーガケーシングK内を通して排土口17…から排出する。また、排土口17…にオーガケーシングチャック部14が重なった場合でも排土口17から排出された土砂は、本体部15の排出空間部15aを通って下方から外部に排出される。
【0033】前記チャック装置11をその1ストローク分だけ下降させてパイルPとオーガケーシングKを1ピッチだけ圧入したならば、前記パイルチャック部13とオーガケーシングチャック部14をそれらの掴みを解除してパイルPとオーガケーシングKから離したうえで、チャック装置11をそのストローク分だけ上昇させて、その位置で再び、パイルPとオーガケーシングKを掴み、さらに、チャック装置11を下降させてパイルPとオーガケーシングKを圧入していく工程を所定回数繰り返して行うことによって、パイルPとオーガケーシングKを圧入していく。
【0034】そして、パイルPを所定深さ圧入したならば、前記オーガケーシングチャック部14によるオーガケーシングKの掴みを維持する一方で、前記パイルチャック部13によるパイルPの掴みを解除したうえで、チャック装置11を1ストローク分だけ上昇させることによって、オーガケーシングKを1ピッチだけ引き抜き、その後は、チャック装置11を昇降させることを繰り返すとともに、上昇しているときは、オーガケーシングチャック部14によってオーガケーシングKをつかみ、下降しているときは、オーガケーシングKを離すことによって、オーガケーシングKを1ピッチずつ引き抜いていく。
【0035】また、本例のチャック装置11では、オーガケーシングチャック部14を上下シリンダ装置22によって上昇させることで、オーガケーシングKを引き上げると、このオーガケーシングKには、その周面抵抗によって下方に向かう反力が作用する。すると、この反力はオーガケーシングチャック部14を介してチャック装置11に伝達され、チャック装置11を下方に押し込むように作用する。一方、前記オーガケーシングKを引き上げると同時かあるいは一定時間をおいて、前記パイルPを掴んでいるチャック装置11を下降させると、該チャック装置11には、圧入力に前記反力が加算された力が作用する。したがって、パイルPを圧入するために必要な圧入力を前記反力の分だけ軽減することができる。
【0036】なお、図5、6に示すチャック装置31のように、ガイド部とシリンダ装置とを一体化させずに、別個の構成にしたものであってもよい。即ち、チャック装置31は、外周部32の内側に、オーガケーシングKの軸方向に長尺なガイドレール33,33を備えている。そして、このガイドレール33、33には、オーガケーシングチャック部34に取り付けられたガイド部35、35がガイドレール33、33に沿って上下に摺動自在に係合されている。また、前記オーガケーシングチャック部34の本体部36には、外周部32の下部に固定された上下シリンダ装置37、37のピストンロッド37a、37aと接合されたシリンダヘッド37b、37bが取り付けられ、前記上下シリンダ装置37、37によって前記オーガケーシングチャック部34が上下に移動(図6の実線から2点鎖線への移動)出来るようになっている。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、オーガケーシングチャック手段によりオーガケーシングの外周部の所定位置に設けられた凸部が掴まれ、オーガケーシング自体を直接挟まないので、オーガケーシングが潰れてしまうことがなくなることとなって、排土口を設けた場合でもオーガケーシングの厚みを大きくしてオーガケーシングの強度を上げる必要がなく、確実、且つ経済的にオーガケーシングを掴むことが出来る。
【0038】請求項2記載の発明によれば、当接部に凸部の一の側面部が当接され、押圧手段によって凸部の一の側面部と対向する前記凸部の他の一の側面部が押圧されて凸部が挟まれるので、確実に凸部を当接部に押しつけて挟持させることが出来る。
【0039】請求項3記載の発明によれば、排土口に面した本体部に設けられた排出空間部によってチャック装置と排土口とが重なった場合でも、土砂を排土口から排出空間部を介して外部に排出することが出来る。
【0040】請求項4及び5記載の発明によれば、ガイド部とオーガケーシングチャック部を上下動させるシリンダ装置が一体化されているので、シリンダ装置によって直接ガイド部を上下動させてオーガケーシングチャック部を上下動させることが出来ることとなって、ガイド部とシリンダ装置が別個に設けてあるものに比べて装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。
【0041】請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、ガイド部がシリンダ装置の一部を構成しているので、より装置全体をコンパクトにまとめることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチャック装置の第1の実施例を示すもので、チャック装置の平面図である。
【図2】図1のチャック装置の正面図である。
【図3】本発明のチャック装置の第2の実施例を示すもので、チャック装置の平面図である。
【図4】図3のチャック装置の右側面図である。
【図5】本発明のチャック装置の第3の実施例を示すもので、チャック装置の平面図である。
【図6】図5のチャック装置の右側面図である。
【図7】従来のチャック装置の平面図である。
【図8】図7のチャック装置の正面図である。
【符号の説明】
P パイル
K オーガケーシング
1 チャック装置
1a 本体部
2 パイルチャック部
3 オーガケーシングチャック部
6 排土口
7 油圧シリンダ装置(押圧手段)
8 突設片
11 チャック装置
12 外周部
13 パイルチャック部
14 オーガケーシングチャック部
15 本体部
15a 排出空間部
17 排土口
18 油圧シリンダ装置(押圧手段)
19 当接部
20 レール
21 ガイド部
22 上下シリンダ装置(シリンダ装置)
22a ピストンロッド
31 チャック装置
32 外周部
33 レール
34 オーガケーシングチャック部
35 ガイド部
36 本体部
37 上下シリンダ装置(シリンダ装置)
37a ピストンロッド
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-05-19 
結審通知日 2016-05-23 
審決日 2016-06-03 
出願番号 特願平10-374865
審決分類 P 1 41・ 854- Y (E02D)
P 1 41・ 856- Y (E02D)
P 1 41・ 841- Y (E02D)
P 1 41・ 852- Y (E02D)
P 1 41・ 853- Y (E02D)
最終処分 成立  
特許庁審判長 中田 誠
特許庁審判官 小野 忠悦
赤木 啓二
登録日 2001-12-21 
登録番号 特許第3263037号(P3263037)
発明の名称 チャック装置、オーガケーシングおよびオーガケーシングのチャック方法  
代理人 井上 義隆  
代理人 井上 義隆  
代理人 鈴木 守  
代理人 鈴木 守  

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