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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 特37 条出願の単一性( 平成16 年1 月1 日から) 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1317749
審判番号 不服2015-8250  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-05-01 
確定日 2016-08-26 
事件の表示 特願2012-271675「二酸化炭素供給システム、抽出システム、およびリソグラフィ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月 4日出願公開、特開2013-131746、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2012年(平成24年)12月12日(パリ条約による優先権主張 2011年12月20日 米国)の出願であって、平成26年1月29日付けで拒絶理由が通知され、同年7月29日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年12月24日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、平成27年5月1日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに同時に手続補正がされ、その後、当審において平成28年4月22日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年7月22日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成28年7月27日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものと認められる。
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。
「供給源からデバイスに二酸化炭素を供給する、リソグラフィ装置のための二酸化炭素供給システムであって、
前記供給源から前記デバイスへの二酸化炭素の流れのための供給ラインと、
前記供給ラインにおけるバルブであって、前記供給ラインに沿ってガスが流れることができる開位置と、前記供給ラインに沿った前記ガス流が遮断される閉位置とを有するバルブと、
制御システムであって、
前記供給ラインにおけるガスの第1の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第1のスイッチと、
前記供給ラインにおけるガスの第2の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第2のスイッチと、を備え、
前記第1のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第1の流量または圧力を上回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させ、
前記第2のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第2の流量または圧力を下回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させる制御システムと、を備え、
前記第2の流量または圧力は前記第1の流量または圧力より小さい、供給システム。」

第3 原査定の理由について
1 原査定の理由の概要
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



(1)引用文献
1.国際公開第2010/103822号(以下、「引用文献1」という。)
2.特開2000-133585号公報(以下、「引用文献2」という。)
3.国際公開第00/31780号(以下、「引用文献3」という。)

(2)周知例
1.特開2011-52857号公報(以下、「周知例1」という。)
2.特開2011-165318号公報(以下、「周知例2」という。)
3.特開2008-8734号公報(以下、「周知例3」という。)

(3)請求項1ないし5
引用文献1には、液体LQを供給する液体供給口35と、液体LQで形成された液浸空間LSの周囲の空間S1に、二酸化炭素を供給するガス供給口36と、その外側に設けられたガス回収口38とを有する液浸部材4を備えた露光装置が記載されている(特に[0049]-[0052]及び[図2]参照)。
また、引用文献2には、給気系に異常が発生し、給気ラインの圧力が所定のガス圧に達しない場合にコントローラに異常を知らせる信号を送り、装置の停止を行う、不活性ガス供給システムを有する露光装置が記載されている(特に段落【0043】及び【図4】参照)。
引用文献3には、不活性ガスの排気不良を検知したら不活性ガスの供給を停止して良好な作業環境を確保する、クリーンルームのガス給排気機構を有する露光装置が記載されている(特に第4頁(ロ)、(ハ)参照)。
ここで、供給ラインの圧力を検出し圧力が異常に高い場合や低い場合に供給停止することは周知の技術事項であるし(周知例1の段落【0082】-【0083】、周知例2の段落【0013】、【0027】参照)、供給系の管路の流量を測定することで異常を検知して供給を停止することも周知である(周知例3の段落【0010】参照)から、本願請求項1に係る発明は、引用文献1及び2に記載された発明及びこれらの周知技術に基づいて、当業者が容易になし得たものである。
また、ガス供給機構の制御弁にノーマルクローズ弁を採用するインターロック機構は周知の技術事項であるし、本願請求項3ないし5で新たに特定された事項も引用文献1及び2に記載されているかもしくは設計的事項であるから、本願請求項2ないし5に係る発明も、同様の理由により、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易になし得たものである。

2 原査定の理由の判断
(1)引用文献の記載事項
ア 引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審が付した。)。
(ア)「技術分野
[0001] 本発明は、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
背景技術
[0002] フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。・・・
発明が解決しようとする課題
[0004] 液浸露光装置において、露光光の光路を満たす液体が帯電する可能性がある。また、液体と接触する部材が帯電する可能性もある。その帯電により、液体及び部材の少なくとも一方に異物が吸着される可能性がある。その結果、露光不良が発生し、不良デバイスが発生する可能性がある。
[0005] 本発明の態様は、液体等の帯電に起因する露光不良の発生を抑制できる露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。」

(イ)「[0049] 本実施形態において、液浸部材4は、露光光ELの光路Kを液体LQで満たすために液体LQを供給する液体供給口35と、液体LQで形成された液浸空間LSの周囲の空間S1の少なくとも一部に、液体LQの比抵抗値を変更可能な物質を含むガスGDを供給するガス供給口36と、ガス供給口36と別の位置に配置され、液浸空間LSの周囲の空間S2の少なくとも一部に、液体LQの比抵抗値を変更可能な物質を含むガスGDを供給するガス供給口37とを備えている。
[0050] ガス供給口36は、液浸部材4と基板Pとの間の空間の少なくとも一部に、ガスGDを供給する。ガス供給口36は、液浸部材4の下面30と基板Pの表面との間における、界面LG1の周囲の空間S1の少なくとも一部にガスGDを供給する。
[0051] ガス供給口37は、投影光学系PLと液浸部材4との間の空間の少なくとも一部に、ガスGDを供給する。ガス供給口37は、投影光学系PLの側面31と液浸部材4の内面32との間における、界面LG2の周囲の空間S2の少なくとも一部にガスGDを供給する。本実施形態においては、ガス供給口36、37から供給されるガスGDは、チャンバ装置5(環境制御装置5B)によって制御される内部空間8の気体よりも、液体LQの比抵抗値を変更する(低下させる)物質を多く含んでいる。すなわち、本実施形態においては、ガス供給口36、37からガスGDを供給することによって、液体LQの比抵抗値を変更する物質の濃度(割合)が内部空間8よりも高い気体空間S1,S2を液浸空間LSの周囲の少なくとも一部に形成する。
[0052] 本実施形態において、液体LQの比抵抗値を変更可能な物質は、二酸化炭素である。ガス供給口36,37は、二酸化炭素を含むガス(炭酸ガス)GDを供給する。」

(ウ)「[0106] ガス供給口36は、給気流路を介して、ガス供給装置48と接続されている。給気流路は、液浸部材4の内部流路、及びその内部流路とガス供給装置48とを接続する給気管の流路を含む。ガス供給装置48は、クリーンで温度調整された気体GDを、ガス供給口36に供給することができる。
[0107] 同様に、ガス供給口37は、給気流路を介して、ガス供給装置49と接続されている。」

(エ)「[0127] 本実施形態において、制御装置7は、ガス供給口36から空間S1に供給する単位時間当たりの気体GDの供給量とガス供給口37から空間S2に供給する単位時間当たりの気体GDの供給量の少なくとも一方を調整してもよい。例えば、液体LQの帯電量を検出可能なセンサを設け、そのセンサの検出結果に基づいて、制御装置7は、気体GDの供給量を調整する。例えば、液浸部材4の少なくとも一部に設けられた、液体LQの帯電量を検出可能な静電容量センサの検出結果に基づいて、制御装置7は、気体GDの供給量を調整することができる。気体GDの供給量に応じて、液体LQの比抵抗値が変更される。例えば、センサの検出結果に基づいて、液体LQの帯電量が大きいと判断された場合、制御装置7は、気体GDの供給量を多くする。一方、液体LQの帯電量が小さいと判断された場合、制御装置7は、気体GDの供給量を少なくする。また、制御装置7は、ガス供給口36からのガスGDに含まれる二酸化炭素の割合(濃度)とガス供給口37からのガスGDに含まれる二酸化炭素の割合(濃度)の少なくとも一方を調整してもよい。この場合も、上述のセンサの結果に基づいて調整を行うことができる。また、制御装置7は、給気口45から空間S1に供給する単位時間当たりの蒸気GWの量(流速)を調整してもよい。この場合も、センサの検出結果に基づいて調整を行うことができる。」

(オ)図2は次のものである。


(カ)上記(ア)ないし(オ)の記載によれば、フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置は、ガスGD供給システムを備えるといえるから、上記(ア)ないし(オ)によれば、引用文献1には、下記の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置の液浸部材4は、露光光ELの光路Kを液体LQで満たすために液体LQを供給する液体供給口35と、液体LQで形成された液浸空間LSの周囲の空間S1の少なくとも一部に、液体LQの比抵抗値を変更可能な二酸化炭素を含むガスGDを供給するガス供給口36と、ガス供給口36と別の位置に配置され、液浸空間LSの周囲の空間S2の少なくとも一部に、液体LQの比抵抗値を変更可能な物質を含むガスGDを供給するガス供給口37とを備え、
前記ガス供給口36は、液浸部材4と基板Pとの間の空間の少なくとも一部に、ガスGDを供給し、
前記ガス供給口37は、投影光学系PLと液浸部材4との間の空間の少なくとも一部に、ガスGDを供給し、
前記ガス供給口36、37からガスGDを供給することによって、液体LQの比抵抗値を変更する物質の濃度(割合)が内部空間8よりも高い気体空間S1,S2を液浸空間LSの周囲の少なくとも一部に形成するものであって、
前記ガス供給口36は、給気流路を介して、ガス供給装置48と接続され、
前記給気流路は、液浸部材4の内部流路、及びその内部流路とガス供給装置48とを接続する給気管の流路を含み、
同様に、前記ガス供給口37は、給気流路を介して、ガス供給装置49と接続され、
制御装置7は、ガス供給口36から空間S1に供給する単位時間当たりのガスGDの供給量とガス供給口37から空間S2に供給する単位時間当たりのガスGDの供給量の少なくとも一方を調整する、
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置のガスGD供給システム。」

イ 引用文献2には、以下の記載がある。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクに描かれた回路パターンを感光剤が塗布された基板上に縮小投影して焼き付け形成する露光装置に関するもので、特に遠紫外線やエキシマレーザを露光光源とする露光装置に関するものである。」

(イ)「【0043】次に、図4の構成にしたがって各構成要素の設定および動作について説明する。窒素供給の開始は、不図示のコントローラの指令により、第1電磁弁84および第3電磁弁92が開かれることで行われる。その際、第2の電磁弁88は閉じた状態となっている。圧力計85および93は、上述のコントローラ(不図示)に接続されており、第1電磁弁84および第3電磁弁92が開いて、所定のガス圧力に達したことを確認する。もしも給気系に異常が発生し、所定のガス圧力に達しない場合はコントローラに異常を知らせる信号を送り、装置の停止等の処置をとるシステムとなっている。
【0044】絞り86,87は、それぞれ容器17、投影光学系22内の大気等のガスを必要最小限の時間で窒素に置換するように、最適流量にそれぞれ設定されている。絞り94については、前述の通り容器17の置換が行われ、実質的にArFエキシマレーザ1の発振を開始しても良い状態になるまでの間に、インプットレンズ内の置換が終了されるように流量設定されている。
【0045】不図示のコントローラは、所定の時間経過した後に第1電磁弁84と第3電磁弁92を閉じる一方で、第2電磁弁88を開く。圧力計89は、第2電磁弁88が開いて所定のガス圧力に達したことを確認する。もしも給気系に異常が発生し、所定のガス圧力に達しない場合はコントローラに異常を知らせる信号を送り、装置の停止等の処置をとるシステムとなっている。」

(ウ)図4は次のものである。


ウ 引用文献3には、以下の記載がある。
(ア)「技術分野
本発明は、その内部に各種の光学素子を収納する光学装置に関し、詳しくは、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスを製造する際のフォトリソグラフィー工程で使用される露光装置、及びその露光装置に使用されるレーザ光源、ガスの供給方法、露光方法、デバイスの製造方法に関する。」(1頁4?9行)

(イ)「(ロ) 酸素センサ42、78、79により検出された周囲の雰囲気ガス中の酸素濃度が、大気酸素濃度未満である場合には、光源室16、接続筒59、第1鏡筒46及び第2鏡筒48内に供給されるパージガスが、不活性ガスから乾燥空気に切り換えられる。このため、例えば光源室16、接続筒59、第1鏡筒46及び第2鏡筒48の気密性が低下しても、不活性ガスがチャンバ15,45、さらにクリーンルーム内に漏出することがない。従って、クリーンル一ム内の作業環境が良好に維持される。また、この状態では、光源室16、接続筒59、第1鏡筒46及び第2鏡筒48内に乾燥空気が供給されているため、汚染物質の侵入が阻止され、各光学素子における曇りの発生が抑制される。特に、パージガスとして窒素よりも軽いヘリゥムを使用するときに有効である。
(ハ) 排気ダクト40内に工場外に排出される不活性ガスの排気量を検出する排気量モニタ41、77が設けられている。そして、排気量モニタ41、77により検出された排気量が所定値未満である場合には、光源室16、接続筒59、第1鏡筒46及び第2鏡筒48内に供給されるパージガスが、不活性ガスから乾燥空気に切り換えられる。このため、何らかの原因で、排気ダクト40の排気能力が低下しても、不活性ガスがチャンバ15、45、さらにタリーンルーム内に逆流しない。従って、クリーンルーム内の作業環境が良好に維持される。」(19頁8?26行)

エ 周知例1には、以下の記載がある。
「【0082】
そして、制御装置161では、図11に示す異常制御処理を実行する。
この異常制御処理は、図11に示すように、先ず、ステップS1で、保温炉11および各気体燃料供給装置12a?12cに配設されたガス分析計51で検出したガス濃度、着火検知器52、各種圧力発信機の各種検出信号、主排風装置28および昇圧ブースター33及び34の回転センサ160a?160cの検出値を読込む。
【0083】
次いで、ステップS2に移行して、読込んだ圧力発信機の圧力検出値P1?Pnのうち個別に設定された圧力上限値P1max?Pnmaxを超えている圧力検出値が存在するか否かを判定する。この判定結果が、圧力検出値Pi(i=1?n)が圧力上限値Pimaxを超えているときには、ステップS3に移行して、Pi>Pimaxとなっている圧力発信機が何処の領域すなわち、気体燃料供給源60、個別気体燃料供給制御部61および62a?62cの何れに存在するかを判別し、該当領域に存在する気体燃料用遮断弁83,85又は122,124を遮断する遮断信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いで、ステップS4に移行して、該動する領域における窒素ガス用遮断弁94,97又は146,149を所定時間だけ開操作する開操作信号を該当する遮断弁駆動回路162に出力する。次いでステップS5に移行して異常警報信号を警報装置163に出力してから前記ステップS1に戻る。」

オ 周知例2には、以下の記載がある。
(ア)「【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池発電装置システムは、原料ガス供給配管内のガス圧が所定値より低い異常な圧力になると、速やかにガス供給弁を閉じガスの供給を停止することができる。また、水素生成装置またはスタックまたはそれらの周辺部からの可燃性の原料ガスや燃料ガスの漏れがあったとしても、また、水素生成装置またはスタックまたはそれらの周辺部からの水漏れがあったとしても、電力変換装置と電装側制御手段は、そのガス漏れや水漏れの影響を受けにくい。」

(イ)「【0027】
次に、図2のフローチャートを参照しながら説明する。ガス圧異常検知手段9により検知した水素生成装置1とガス供給弁10との間に位置する原料ガス配管内のガス圧が所定値以上である時は、図2の(S-1)をNo側に分岐して、ガス側制御手段5は、所定の通信周期にてガス側制御手段5に関する複数の情報を電装側制御手段4に送信する(S-1)。しかし、ガス圧異常検知手段9により検知した水素生成装置1とガス供給弁10との間に位置する原料ガス配管内のガス圧が所定値より低い異常なガス圧になれば、図2の(S-1)をYes側に分岐して、ガス側制御手段5は、ガス圧異常検知手段9により検知したガス圧情報を、通常の通信周期ではなく最優先で電装側制御手段4に送信し(S-3)、電装側制御手段4は、ガス圧異常検知手段9により検知されガス側制御手段5を介して伝えられたガス圧情報に基づいてガス供給弁10を閉じる(S-4)。」

カ 周知例3には、以下の記載がある。
「【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために本発明は、配管内の流量を流速検出手段で検出し、流量演算手段で流量に換算し、使用器具等の異常流量判定値を流量記憶手段に記憶し、流量演算手段で求めた瞬時流量より流量推定手段で瞬時流量推定値を求め、流量推定手段の瞬時流量と流量異常記憶手段の異常流量判定値とを比較し、瞬時流量推定値が流量異常記憶値より大きいと異常判定手段で判定すると、媒体供給を停止する遮断手段とからなる。」

(2)対比
引用発明の「制御装置7」は、「ガス供給口36から空間S1に供給する単位時間当たりのガスGDの供給量とガス供給口37から空間S2に供給する単位時間当たりのガスGDの供給量の少なくとも一方を調整する」ものであるから、引用発明が「ガスGDの供給量」「を調整する」開閉位置を備えるバルブを備えることは明らかである。
そこで、本願発明と引用発明とを対比すると、
「供給源からデバイスに二酸化炭素を供給する、リソグラフィ装置のための二酸化炭素供給システムであって、
前記供給源から前記デバイスへの二酸化炭素の流れのための供給ラインと、
前記供給ラインにおけるバルブであって、前記供給ラインに沿ってガスが流れることができる開位置と、前記供給ラインに沿った前記ガス流が遮断される閉位置とを有するバルブと、を備える、
供給システム。」
の点で一致している。
他方、本願発明と引用発明は、本願発明が、「前記供給ラインにおけるガスの第1の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第1のスイッチと、前記供給ラインにおけるガスの第2の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第2のスイッチと、を備え、前記第1のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第1の流量または圧力を上回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させ、前記第2のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第2の流量または圧力を下回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させる制御システム」を備えるのに対して、引用発明はこのような制御システムを備えるものとはされない点(以下、「相違点」という。)で相違する。

(3)判断
上記相違点について検討する。
本願発明の「制御システム」は、「二酸化炭素は特定の濃度以上では窒息を引き起こしうるので、例えば人間には危険である。・・・例えば二酸化炭素の安全な取り扱いのための1つ以上のコンポーネントを提供することが望ましい」(本願明細書段落【0007】?【0008】)ため、「リソグラフィ装置の周りの雰囲気における二酸化炭素の割合が人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にすることを支援する安全システムが設けられるべきである。・・・接続部が開いてしまうまたは破損してしまうことにより、さらにはバルブの故障、または抽出ポンプといった別のコンポーネントの破損により、二酸化炭素が漏れる可能性がある。これらの原因により、危険な二酸化炭素漏れと、それに続く例えばリソグラフィ装置の周りの周囲雰囲気における危険なレベルへの蓄積につながりうる。・・・本発明の一実施形態では、生じた途端に二酸化炭素の漏れが検出されるか、または、対処されなければ上昇してしまいうる二酸化炭素の濃度を下げるために用いられるシステムが故障すると、二酸化炭素の供給が停止される」(本願明細書段落【0051】?【0053】)ことを目的として、「前記供給ラインにおけるガスの第1の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第1のスイッチと、前記供給ラインにおけるガスの第2の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第2のスイッチと、を備え、前記第1のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第1の流量または圧力を上回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させ、前記第2のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第2の流量または圧力を下回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させる制御システム」を設けるものである。
一方で、上記相違点に関して、引用文献2には、給気系に異常が発生し、給気ラインの圧力が所定のガス圧に達しない場合にコントローラに異常を知らせる信号を送り、装置の停止を行う、不活性ガス供給システムを有する露光装置が記載され(上記「第3」「2」「イ」参照)、また、引用文献3には、不活性ガスの排気不良を検知したら不活性ガスの供給を停止して良好な作業環境を確保する、クリーンルームのガス給排気機構を有する露光装置が記載され(上記「第3」「2」「ウ」参照)、さらに、供給ラインの圧力を検出し圧力が異常に高い場合や低い場合に供給停止すること、及び、供給系の管路の流量を測定することで異常を検知して供給を停止することが周知の技術的事項である(上記「第3」「2」「エ」ないし「カ」参照)といえる。
しかしながら、引用発明には、二酸化炭素は人間には危険であるから、二酸化炭素の安全な取り扱いのための構成を設けるとの記載は見当たらず、上記引用文献2、3及び周知例1ないし3に記載されているような、「異常発生時にガス供給を停止するシステム」を適用する動機付けがないから、引用発明、引用文献2及び3に記載された事項、ならびに、周知の技術的事項に基づいて、上記相違点に係る本願発明の構成を容易に想到し得たとはいえない。

(4)小括
したがって、本願発明は、当業者が引用発明、引用文献2及び3に記載された事項、並びに、周知の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願の請求項2ないし5に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、同様に、当業者が引用発明、引用文献2及び3に記載された事項、並びに、周知の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

(4)小括
したがって、本願発明は、当業者が引用発明、引用文献2及び3に記載された事項、ならびに、周知の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願の請求項2ないし5に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、同様に、当業者が引用発明、引用文献2及び3に記載された事項、ならびに、周知の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第4 当審拒絶理由について
A.当審拒絶理由の概要
[理由1]
本願は、下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていない。



平成27年5月1日付け補正書で補正された本願請求項1ないし14によれば、請求項1、6、11及び13が独立請求項である。
本願請求項1に係る発明の、発明の特別な技術的特徴は、「前記供給源から前記デバイスへの二酸化炭素の流れのための供給ライン」と、「前記供給ラインにおけるバルブであって、前記供給ラインに沿ってガスが流れることができる開位置と、前記供給ラインに沿った前記ガス流が遮断される閉位置とを有するバルブ」と、「前記供給ラインにおけるガスの第1の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第1のスイッチと、前記供給ラインにおけるガスの第2の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第2のスイッチと、を備え」る「制御システム」であるところ、本願請求項6、11及び13に係る発明の、発明の特別な技術的特徴に関して、同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在しているとは認められないから、発明の単一性の要件を満たさない。
また、上記各独立請求項を引用する従属項も同様である。

[理由2]
本願は、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

1 本願請求項1について
(1)本願発明は、「リソグラフィ装置」において、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が、漏れない、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にすること、を解決すべき課題とするものであると理解される。
しかしながら、本願請求項1に係る発明は、単に「供給システム」であって、「リソグラフィ装置」に特定されないものを含み、上記アの記載から理解される本願発明解決すべき課題を有する「リソグラフィ装置」に特定されない、単なる「供給システム」を含むところ、明細書をみても、当該一般的な「供給システム」まで一般化できるとの記載は認められないため、「リソグラフィ装置」に特定されない、単なる「供給システム」を含む本願請求項1に係る発明が、明細書に記載されていたものとすることはできない。

(2)「第1の流量または圧力」及び「第2の流量または圧力」について
本願請求項1の「制御システム」は、「前記供給ラインにおけるガスの第1の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第1のスイッチと、前記供給ラインにおけるガスの第2の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第2のスイッチと、を備え、前記第1のスイッチからの信号が前記供給ラインにおけるガスが前記第1の流量または圧力を上回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させ」、「前記第2のスイッチからの信号が前記供給ラインにおけるガスが前記第2の流量または圧力を下回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させる」ものであるとされる。
しかるところ、本願請求項1では、「第1の流量または圧力」と「第2の流量または圧力」の大小関係が特定されないため、上記構成は、下記アまたはイの両方の場合を含む。
(ア)「第1の流量または圧力」>「第2の流量または圧力」の場合
「第1の流量または圧力」から「第2の流量または圧力」の間の圧力のときバルブが開位置となる。
(イ)「第1の流量または圧力」<「第2の流量または圧力」の場合
「第1の流量または圧力」から「第2の流量または圧力」の間の圧力のときバルブが閉位置となる。
しかしながら、上記(イ)の場合は、明細書の記載に対応しないものである。
したがって、上記アの構成を備える本願請求項1に係る発明が、明細書に記載されていたものとすることはできない。

2 本願請求項6について
(1)本願請求項6は、「・・・第1のガスアウトレットを有する流体ハンドリングシステム」と「・・・第2のガスアウトレット」及び「・・・制御システム」とを備える「リソグラフィ装置」とのみ特定するものであって、下記[理由3]1(2)で指摘するとおり、「リソグラフィ装置」のどの構成から、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するものであるのか、全体構成がなく理解できず不明確な記載である。

(2)そうすると、上記本願請求項6の発明特定事項からは、上記1(2)に示した、本願発明の解決すべき課題である、「リソグラフィ装置」において、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が、漏れない、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にする、ことを解決する発明を発明特定事項として特定したものであるとは理解できない。

(3)したがって、本願請求項6に係る発明は、上記1(1)の記載から理解される本願発明解決すべき課題を有しない「リソグラフィ装置」を含むところ、本願明細書の記載をみても、本願請求項6に係る発明のように、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するための構成としての「制御システム」を備える「リソグラフィ装置」としての全体構成を特定しない一般的な「リソグラフィ装置」まで一般化できるとは認められない。

3 本願請求項11について
(1)本願請求項11は、「・・・ガスを送出するポンプ」と「・・・圧力センサ」と「・・・コントローラ」とを備える「抽出システム」であることのみを発明特定事項としており、下記[理由3]2で指摘するとおり、ガスが特定されず、「リソグラフィ装置」とも特定されず、「リソグラフィ装置」のどの構成から、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するものであるのか、全体構成がなく理解できず不明確な記載である。

(2)そうすると、上記本願請求項11の発明特定事項からは、上記1(2)に示した、本願発明の解決すべき課題である、「リソグラフィ装置」において、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が、漏れない、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にする、ことを解決する発明を発明特定事項として特定したものであるとは理解できない。

(3)したがって、本願請求項11に係る発明は、上記1(1)の記載から理解される本願発明解決すべき課題を有しない、「リソグラフィ装置」とも特定されない「抽出システム」を含むところ、明細書の記載をみても、本願請求項11に係る発明のように、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するために、特定の構成で「抽出」するシステムを備える「リソグラフィ装置」としての全体構成を特定することのない一般的な「抽出システム」まで一般化できるとは認められない。

4 本願請求項13について
(1)本願請求項13は、「・・・二酸化炭素供給システム」、並びに、「・・・ポンプ」と「・・・圧力センサ」と「・・・制御システム」とを備える「抽出システム」とを備える「リソグラフィ装置」であることを発明特定事項としており、下記[理由3]2で指摘するとおり、「供給源からデバイスに二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給システム」及び「二酸化炭素供給システムを停止する制御システム」を備えるとは特定されるものの、ガスが特定されず、「二酸化炭素供給システム」及び「二酸化炭素供給システムを停止する制御システム」と「抽出システム」との関係がとの関係が明らかでなく、「リソグラフィ装置」のどの構成から、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するものであるのか、全体構成がなく理解できず不明確な記載である。

(2)そうすると、上記本願請求項13の発明特定事項からは、上記1(2)に示した、本願発明の解決すべき課題である、「リソグラフィ装置」において、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が、漏れない、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にする、ことを解決する発明を発明特定事項として特定したものであるとは理解できない。

(3)したがって、本願請求項13に係る発明は、上記1(1)の記載から理解される本願発明解決すべき課題を有しない、「二酸化炭素供給システム」及び「二酸化炭素供給システムを停止する制御システム」との関係が明らかでない、「抽出システム」「リソグラフィ装置」特定されない「抽出システム」を含むところ、明細書の記載をみても、本願請求項13に係る発明のように、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するために、特定の構成で「抽出」するシステムを備える「リソグラフィ装置」としての全体構成を特定することのない一般的な「抽出システム」を含むだけの「リソグラフィ装置」まで一般化できるとは認められない。

5 よって、本願請求項1、6、11及び13に係る発明が、明細書に記載されていたものとすることはできない。
上記各項を引用する各従属項も同様である。

[理由3]
本願は、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

1 本願請求項6について
(1)本願請求項6の「第2のガスアウトレット」の「ガス」は、「クリーンおよび/またはドライであり、二酸化炭素を希釈するためのものである」と特定される。
しかしながら、「リソグラフィ装置」用のガスにおいて「クリーン」でないガスを用いることは想定されないため、「クリーン」でないガスを用いることを含み得る「クリーンおよび/またはドライ」との記載は不明確な記載である。
また、上記[理由2]1でも検討したとおり、本願発明は、「リソグラフィ装置」において、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が、漏れない、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にすること、を解決すべき課題とするものであると理解されるものであるところ、「二酸化炭素を希釈する」「ガス」との記載では、「人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がらないことを確実にする」とはいえず(「人間の安全に危険を及ぼす」ガスでも、「二酸化炭素を希釈する」ことができるため)、上記「二酸化炭素を希釈するためのものである」との記載は不明確な記載である。

(2)本願請求項6は、概略「・・・第1のガスアウトレットを有する流体ハンドリングシステム」と「・・・第2のガスアウトレット」及び「・・・制御システム」とを備える「リソグラフィ装置」とのみ特定するものであるところ、当該「リソグラフィ装置」のどの構成から、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するために、「制御」するのか、「第1のガスアウトレットを有する流体ハンドリングシステム」と「第2のガスアウトレット」及び「制御システム」とを備える「リソグラフィ装置」に係る全体構成がなく理解できないため、不明確である。

2 本願請求項11及び13について
本願請求項11及び13は、「抽出システム」を発明特定事項とする。
しかしながら、本願請求項11は、概略「・・・ガスを送出するポンプ」と「・・・圧力センサ」と「・・・コントローラ」とを備える「抽出システム」とのみ特定するものであり、また、本願請求項13は、概略「・・・二酸化炭素供給システム」、並びに、「・・・ポンプ」と「・・・圧力センサ」と「・・・制御システム」とを備える「抽出システム」とを備える「リソグラフィ装置」とのみ特定するものであるところ、当該「抽出システム」ないしは「リソグラフィ装置」の構成において、「人間の安全に危険を及ぼす」「二酸化炭素」が漏れ、あるいは、人間の安全に危険を及ぼす濃度にまで上がることを防止するために、どのような構成で何を「抽出」するシステムであるのか特定がなく、何から何を「抽出」するシステムなのか不明であるから、本願請求項11及び13は、「抽出システム」を備える「リソグラフィ装置」に係る全体構成がなく理解できないため、不明確な記載である。

B.当審拒絶理由の判断
平成28年7月22日付けの手続補正によって、本願の請求項1は、
「供給源からデバイスに二酸化炭素を供給する、リソグラフィ装置のための二酸化炭素供給システムであって、
前記供給源から前記デバイスへの二酸化炭素の流れのための供給ラインと、
前記供給ラインにおけるバルブであって、前記供給ラインに沿ってガスが流れることができる開位置と、前記供給ラインに沿った前記ガス流が遮断される閉位置とを有するバルブと、
制御システムであって、
前記供給ラインにおけるガスの第1の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第1のスイッチと、
前記供給ラインにおけるガスの第2の流量または圧力にて切り替わる、前記供給ラインにおける第2のスイッチと、を備え、
前記第1のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第1の流量または圧力を上回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させ、
前記第2のスイッチからの信号が、前記供給ラインにおけるガスが前記第2の流量または圧力を下回ることを示す場合、前記バルブを前記開位置から前記閉位置に移動させる制御システムと、を備え、
前記第2の流量または圧力は前記第1の流量または圧力より小さい、供給システム。」
と補正された(下線は当審が付した。)。このことにより、請求項1に係る発明は明確となった。
また、平成28年7月22日付けの手続補正によって、請求項6ないし14は削除された。
したがって、当該請求項6ないし14に対する上記拒絶の理由は解消した。
よって、当審拒絶理由は全て解消した。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-08-16 
出願番号 特願2012-271675(P2012-271675)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H01L)
P 1 8・ 65- WY (H01L)
P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 関口 英樹  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 伊藤 昌哉
松川 直樹
発明の名称 二酸化炭素供給システム、抽出システム、およびリソグラフィ装置  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  

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