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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09B
管理番号 1317998
審判番号 不服2015-10662  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-05 
確定日 2016-08-08 
事件の表示 特願2012-142301「地図表示装置、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 1月16日出願公開、特開2014- 6397〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年6月25日の出願であって、平成26年6月23日付けで手続補正がなされ、平成27年3月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月5日付けで拒絶査定に対する不服審判請求がなされると同時に手続補正がなされ、その後、当審において、平成28年3月25日付けで拒絶の理由を通知したところ、これに対し、同年5月24日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明
本願発明は、平成28年5月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものと認める。
「地図を保持する地図保持部と、
前記地図の場所に関連付けられた記号又は/及び語であるワードを保持するワード保持部と、
前記地図を画面上に表示するために出力する地図表示出力部と、
前記画面上に表示された地図の一部又は全部の領域をワードの取得枠として設定する枠設定部と、
前記出力された地図上で前記ワード取得枠を移動するためのワード取得枠移動部と、
前記ワード取得枠の移動に応じて新たにワード取得枠内に所定時間以上含まれたワードのみをワード保持部から取得するワード取得部と、
取得したワードを検索ワードとして検索サーバ装置に出力する検索ワード出力部と、
を有する地図表示装置。」(以下「本願発明」という。下線は審決で付した。以下同じ。)


第3 平成28年3月25日付け当審拒絶理由の概要
理由1.この出願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
理由2.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
・理由1及び理由2について、請求項1及び5の「ワード取得枠内に表示される地図の場所に関連付けられたワードをワード保持部から取得する」とは、地図上に表示されたワードを取得することなのか、地図上に表示されるか否かは問わず、ワード取得枠内に表示された地図に関連付けられたワードの全てを取得することなのか,それとも前記以外のことなのか定かでない。
また、発明の詳細な説明をみても,上記「ワード取得枠内に表示される地図の場所に関連付けられたワードをワード保持部から取得する」とは、どのようなものであるのか定かでない。
よって、請求項1?6に係る発明は明確でない。
よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1?6に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

理由3.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項 1?6
・引用文献等
(1)特開2002-90169号公報
(2)特開平11-272687号公報
(3)特開平10-333565号公報
(4)特開2010-9399号公報
(5)特開2006-24196号公報


第4 記載不備について
請求項1には、「ワード取得部」とは、「ワード取得枠の移動に応じて新たにワード取得枠内に所定時間以上含まれたワードのみをワード保持部から取得する」ものと記載されている。
他方、請求項1における「ワード」とは、「地図の場所に関連付けられた記号又は/及び語である」と記載されているだけで、地図上に表示されるものであるのか否かは特定されていない。
そうすると、「ワード取得枠内に所定時間以上含まれたワード」とは、地図上に表示されたワードであってワード取得枠内に所定時間以上含まれたワードなのか、地図の縮小表示(広域表示)等により地図上に表示されないワードを含めて地図上のワード取得枠内に含まれたワードのことなのか、依然として不明であり、平成28年5月24日付け手続補正書によって補正された請求項1の記載をみても、明瞭となったわけではない。
したがって、本願発明は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


第5 引用刊行物
(1)刊行物1
当審の拒絶の理由に引用し、本願の出願前である平成14年3月27日に頒布された刊行物である特開2002-90169号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】 地図をスクロール表示可能なナビゲーション装置において、
地図およびカーソルを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示されている地図をスクロールするスクロール手段と、
施設の名称と位置とを対応して記憶する地図情報記憶手段と、
前記スクロール手段により地図スクロール中に、地図上の前記カーソルの示す領域内に位置する施設の名称を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。」
イ 「【0019】(b)ナビゲーション装置の構成
図3は、本発明のナビゲーション装置の要部構成図である。同図において、11は地図データを記憶した地図情報記憶媒体であり、例えばDVD-ROM、12はDVD-ROMから地図情報の読み出しを制御するDVD-ROM読み出し制御部、13は車両現在位置を測定する位置測定部であり、車両の移動距離を検出する距離センサ13a、移動方位を検出するジャイロ13b、GPS受信機13c、図示しない位置測定用CPU等で構成されている。
【0020】14はDVD-ROMから読み出した地図情報を記憶する地図情報メモリ、15は設定された誘導経路を記憶する誘導経路メモリ、16はナビゲーション装置全体を制御する制御部であり、DVD-ROM読み出し制御部12を制御してDVD-ROM11から車両周辺の地図情報を読み出して地図情報メモリ14に記憶したり、設定された目的地までの経路を探索して誘導経路メモリ15に記憶したり、記憶された誘導経路にしたがって案内を行ったり、ユーザの指示に従って地図のスクロール制御を行ったりするものである。
【0021】17は操作部であり、地図の拡大縮小操作、地図のスクロール操作、目的地の設定操作、メニュー選択操作等を行うものである。18は地図情報に基づいて地図画像を発生するとともに、各種情報の表示制御をするディスプレイコントローラ、19はディスプレイ装置、20はバスである。
【0022】DVD-ROM11には、地図データの他に各種情報が記憶されており、地図上の施設に関連付けて、その施設に関する情報が記憶されている。例えば、住所、施設の名称、電話番号、施設の属するジャンル等が記憶されている。また、主要な施設の名称はその施設の位置と関連付けて施設名称を記憶しており、広域地図でもカーソルの領域内に位置する施設を検索することが可能なようになっている。図5に示すように、主要施設の名称とその施設の位置(経度、緯度)、属するジャンル等が関連付けられて記憶されている。
【0023】制御部16は、ユーザが操作部17に設けられたジョイスティック等の操作方向に応じて、地図表示をスクロール表示させると共に、地図上のカーソルの示す領域に位置する施設の名称を表示させたりする。また、カーソルの示す領域に位置する施設のリストの中から一つの施設を選択すると、選択された施設を中心とした詳細地図表示に切り替える。詳細地図が表示されると、目的地設定や地点登録メニューを表示し、ユーザの選択操作にしたがって目的地設定や地点登録を行う。
【0024】図1で説明したように、地図表示上のカーソルの示す範囲内に位置する施設をDVD-ROM11から読み出して、カーソル内の施設名称をディスプレイ画面に表示させ、地図のスクロールによってカーソル内に位置する施設が変わるのにともなって、カーソル内の施設名称リストも更新して表示するようになる。つまり、地図表示の縮尺に関係なく、カーソルの示す領域内にある施設を容易に知ることができる。また、施設のリスト表示の中から一つを選択した場合、地図表示縮尺を変更して選択された施設を中心とした詳細地図を表示するようにする。表示される施設周辺地図をみて、所望の地域ではなかった場合には、メニューMNの中の「戻る」を選択して前の画面に戻し、再びスクロール操作をしてカーソルの位置を移動させてカーソル内の施設を表示しながら地図をスクロールさせることができる。」
ウ 上記イより、DVD-ROM11には、施設の名称がその施設の位置と関連付けて記憶されているから、地図情報記憶手段といえる。そして、DVD-ROM11には、地図データが記憶されているから、地図情報記憶手段に地図データが記憶されていることは明らかである。

上記ア乃至ウの記載から、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「地図をスクロール表示可能なナビゲーション装置において、
地図およびカーソルを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示されている地図をスクロールするスクロール手段と、
地図データ及び施設の名称と位置とを対応して記憶する地図情報記憶手段と、
前記スクロール手段により地図スクロール中に、地図上の前記カーソルの示す領域内に位置する施設の名称を前記地図情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。」

(2)刊行物2
当審の拒絶の理由に引用し、本願の出願前である平成11年10月8日に頒布された刊行物である特開平11-272687号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】 インターネットにて情報を探索するナビゲーション用のブラウザ装置において、
入力される地名データを検索キーとして関連情報を検索する検索手段と、人工衛星の発信した電波を捉え、緯度及び経度を含む位置情報を検出する測位手段と、
地図データを保持する地図データ保持手段と、
前記位置情報に基づき、前記地図データから周辺地図を検索する地図検索手段と、
前記位置情報及び前記周辺地図を表示する表示手段と、
前記周辺地図内に表示される地名データを取得し、前記地名データを文字列に変換し、サイト側の検索手段に送信する送信手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション用のブラウザ装置。
【請求項2】 インターネットにて情報を探索するナビゲーション用のブラウザプログラムを記録した記録媒体において、コンピュータを、
入力される地名データを検索キーとして関連情報を検索する検索手段、
人工衛星の発信した電波を捉え、緯度及び経度を含む位置情報を検出する測位手段、
地図データを保持する地図データ保持手段、
前記位置情報に基づき、前記地図データから周辺地図を検索する地図検索手段、
前記位置情報及び前記周辺地図を表示する表示手段、
前記周辺地図内に表示される地名データを取得し、前記地名データを文字列に変換し、サイト側の検索手段に送信する送信手段、
として動作させることを特徴とするナビゲーション用のブラウザプログラムを記録した記憶媒体。」
イ 「【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のナビゲーション用のブラウザ装置の原理構成を示すブロック図である。
【0015】ブラウザ装置1は、インターネット2にて情報を探索するにあたって、測位手段1bと、地図データ保持手段1cと、地図検索手段1dと、表示手段1eと、送信手段1fとを有している。
【0016】測位手段1bは、人工衛星の発信した電波を捉え、緯度及び経度を含む位置情報を検出し、地図検索手段1dと表示手段1eに通知する。地図データ保持手段1cは、地図データを保持する。地図検索手段1dは、測位手段1bから通知される位置情報に基づき、地図データ保持手段1cに保持された地図データから周辺地図を検索し、表示手段1eに通知する。
【0017】表示手段1eは、測位手段1bから通知される位置情報と、地図検索手段1dから通知される周辺地図を表示する。送信手段1fは、表示手段1eにて周辺地図内に表示される地名データを、地図データ保持手段1cとアクセスして取得し、文字列に変換し、インターネット2を介して、サイト3の検索手段3aに送信する。検索手段3aは、送信された地名データを検索キーとして、関連情報を検索する。
【0018】本発明のナビゲーション用のブラウザ装置1では、入力手段1fが周辺地図に含まれる地名データを取得して、文字列に変換し、検索キーとして検索手段3aに送信するので、インターネット上で関連情報を検索する検索手段3aが利用できる。」

上記ア及びイの記載から、刊行物2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「インターネットにて情報を探索するナビゲーション用のブラウザ装置において、
入力される地名データを検索キーとして関連情報を検索する検索手段と、人工衛星の発信した電波を捉え、緯度及び経度を含む位置情報を検出する測位手段と、
地図データを保持する地図データ保持手段と、
前記位置情報に基づき、前記地図データから周辺地図を検索する地図検索手段と、
前記位置情報及び前記周辺地図を表示する表示手段と、
前記周辺地図内に表示される地名データを取得し、前記地名データを文字列に変換し、サイト側の検索手段に送信する送信手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション用のブラウザ装置。」

(3)対比
そこで、本願発明と引用発明1とを対比すると、
ア 後者の「地図情報記憶手段」は、地図データ及び施設の名称と位置とを対応して記憶するものであるから、「地図を保持する地図保持部」及び「地図の場所に関連付けられた語であるワードを保持するワード保持部」を有するといえる。
イ 後者の「地図を表示する表示手段」は、前者の「地図を画面上に表示するために出力する地図表示出力部」に相当する。
ウ 後者の「カーソル」は、地図上でカーソルの示す領域内に位置する施設の名称が表示手段に表示されるものであって、カーソルの示す領域が地図の一部の領域であることは明らかであるから、前者の「画面上に表示された地図の一部の領域を(設定する)ワードの取得枠」に相当し、後者が、「ワードの取得枠として設定する枠設定部」を有することは明らかである。
エ 後者において、地図はスクロール手段によりスクロールされるため、「カーソルの示す領域内に位置する施設」は、地図スクロールに伴い、カーソルの示す領域内に位置しなくなったり、逆に、カーソルの示す領域内に位置することになったりするものであるから、「地図上のカーソルの示す領域内に位置する施設」は、「新たに」「地図上のカーソルの示す領域内に位置する」といえる。そして、後者の「表示制御手段」は、スクロール手段により地図スクロール中に、地図上の前記カーソルの示す領域内に位置する施設の名称を前記地図情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示させるものであるから、「新たにワード取得枠内に含まれたワードのみをワード保持部から取得するワード取得部」を有するといえる。

したがって、両者は、
「地図を保持する地図保持部と、
前記地図の場所に関連付けられた記号又は/及び語であるワードを保持するワード保持部と、
前記地図を画面上に表示するために出力する地図表示出力部と、
前記画面上に表示された地図の一部又は全部の領域をワードの取得枠として設定する枠設定部と、
新たにワード取得枠内に含まれたワードのみをワード保持部から取得するワード取得部と、
を有する地図表示装置。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明が、「出力された地図上で前記ワード取得枠を移動するためのワード取得枠移動部」を有するのに対して、引用発明1では、そのような構成を有していない点。

[相違点2]
本願発明が、「ワード取得枠の移動に応じて」新たにワード取得枠内に「所定時間以上」含まれたワードのみをワード保持部から取得するワード取得部を有するのに対して、引用発明1では、スクロール手段により地図スクロール中に、地図上のカーソルの示す領域内に位置する施設の名称を地図情報記憶手段から読み出すものである点。

[相違点3]
本願発明が、「取得したワードを検索ワードとして検索サーバ装置に出力する検索ワード出力部」を有するのに対して、引用発明1では、そのような構成を有していない点。

(4)判断
ア [相違点1]及び[相違点2]について
地図表示装置において、表示された地図上で情報を得るための枠を移動するための手段を有するものは、本願出願日時点で周知の技術事項といえる(特開平8-194434号公報(【0020】?【0023】等参照。)、特開平11-52844号公報(【0031】?【0035】等参照。)及び特開2006-166421号公報(【0035】?【0039】等参照。)、以下「周知の技術事項1」という。)。
また、表示画面上からワード取得枠によりワードを取得するに際し、ワード取得枠に所定時間以上含まれたワードのみを取得することは、特開2010-9399号公報(【0005】、【0007】、【0021】?【0028】等参照。)に記載されているように周知の技術手段である。(以下「周知の技術事項2」という。)
そして、引用発明1、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2のいずれも、情報表示装置である点で技術分野が共通する。
また、一般に情報表示装置に関連する技術分野において、情報を迅速かつ容易に得ようとすることは、周知の課題であるから、引用発明1、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2においても、内在する自明の課題である。
してみれば、引用発明1、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2とは、その技術分野及び課題が共通するものであるから、引用発明1において、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2を適用することは、当業者が容易に想到し得るものである。
そして、引用発明1において、上記周知の技術事項1を適用すれば、必然的に、ワード取得枠の移動に応じて新たにワード取得枠内に含まれたワードのみをワード保持部から取得するワード取得部となる。
したがって、引用発明1において、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2を適用することにより、上記相違点1及び上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

イ [相違点3]について
引用発明2の「周辺地図」は、表示手段により表示されるものであるから、本願発明の「地図」に相当する。
引用発明2の「地図データを保持する地図データ保持手段」、「周辺地図内に表示される地名データ」、「周辺地図を表示する表示手段」及び「サイト側の検索手段」は、それぞれ本願発明の「地図を保持する地図保持部」、「地図の場所に関連付けられた語であるワード」、「地図を画面上に表示するために出力する地図表示出力部」及び「検索サーバ装置」に相当する。
引用発明2の「送信手段」は、周辺地図内に表示される地名データを取得し、前記地名データを文字列に変換し、サイト側の検索手段に送信するものであるから、本願発明の「検索ワード出力部」に相当する。
そうすると、相違点3に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明2に記載されている。
そして、引用発明1も引用発明2も、地図表示装置である点で技術分野が共通する。

また、一般に地図表示装置に関連する技術分野において、地図に関する情報を迅速かつ容易に得ようとすることは、周知の課題であるから、引用発明1及び引用発明2においても、内在する自明の課題である。

そうすると、引用発明1において、引用発明2を適用することは、当業者が容易に想到し得るものである。
したがって、引用発明1において、引用発明2を適用することにより、上記相違点3に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、本願発明の発明特定事項によって奏される効果も、引用発明1、引用発明2、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2から、当業者が予測し得る範囲内のものである。

(5)むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1、引用発明2、上記周知の技術事項1及び上記周知の技術事項2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-06-10 
結審通知日 2016-06-13 
審決日 2016-06-28 
出願番号 特願2012-142301(P2012-142301)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (G09B)
P 1 8・ 537- WZ (G09B)
P 1 8・ 121- WZ (G09B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 坪内 優佳  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 藤本 義仁
吉村 尚
発明の名称 地図表示装置、およびプログラム  
代理人 工藤 一郎  

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