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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G06F
管理番号 1318073
異議申立番号 異議2016-700453  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2016-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-05-18 
確定日 2016-08-08 
異議申立件数
事件の表示 特許第5821099号発明「タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5821099号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5821099号の請求項1?9に係る特許についての出願は、平成24年10月11日に特許出願され、平成27年10月16日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人 井谷俊悟により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
特許第5821099号の請求項1?9の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
屈折率(na)が1.61?1.70である基材フィルム(A)と、この基材フィルム(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム(A)側から順に、屈折率(nb)が1.61?1.75である樹脂層(B)と、屈折率(nc)が1.61?1.80であるハードコート層(C)と、屈折率(nd)が1.50以下でかつ厚みが5?40nmである低屈折率層(D)とを有し、前記屈折率(na)、屈折率(nb)および屈折率(nc)の関係が下記式1?式3の全てを満足し、かつ、該低屈折率層(D)上に透明導電膜を設けることによりタッチパネル用透明導電性フィルムを得ることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
-0.02≦(nb-na)≦0.05 ・・・ 式1
-0.02≦(nc-nb)≦0.05 ・・・ 式2
|nb-{na+(nc-na)/2)}|≦0.02 ・・・ 式3
【請求項2】
前記樹脂層(B)の厚みが5nm以上300nm未満であり、かつ樹脂層(B)が縮合芳香族環を有するポリエステル樹脂および屈折率が1.65以上の金属酸化物微粒子を含有する、請求項1に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
【請求項3】
前記ハードコート層(C)の厚みが200nm以上5μm未満であり、かつハードコート層(C)が酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムを含有する、請求項1または2に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
【請求項4】
前記低屈折率層(D)の屈折率(nd)が1.25以上1.50以下である、請求項1?3のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
【請求項5】
前記基材フィルム(A)がポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1?4のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
【請求項6】
前記基材フィルム(A)の一方の面に基材フィルム(A)側から順に、前記樹脂層(B)、前記ハードコート層(C)および前記低屈折率層(D)を有し、基材フィルム(A)の他方の面に、屈折率(ne)が1.55?1.60でありかつ厚みが50?200nmである樹脂層(E)を介して、屈折率(nf)が1.48?1.54でありかつ厚みが200nm以上であるハードコート層(F)を有する、請求項1?5のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
【請求項7】
前記ハードコート層(F)が、平均粒子径が500nm以下の粒子を含有する、請求項6に記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。
【請求項8】
請求項1?7のいずれかに記載のタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムの低屈折率層(D)の上に透明導電膜(G)を有する、タッチパネル用透明導電性フィルム。
【請求項9】
前記透明導電膜(G)がパターン化されている、請求項8に記載のタッチパネル用透明導電性フィルム。」

第3 申立理由の概要
特許異議申立人 井谷俊悟は、証拠として甲第1号証である特開2010-208169号公報(以下、「刊行物1」という。)、甲第2号証である特開2007-178999号公報(以下、「刊行物2」という。)、甲第3号証である特開2008-6782号公報(以下、「刊行物3」という。)及び甲第4号証である東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300を紹介するWEBページ http://www.toyobo.co.jp/seihin/film/kogyo/list/optics/(以下、「文献4」という。)を提出し、請求項1?7に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、請求項1?7に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

第4 刊行物の記載
1.刊行物1には、図面とともに次の記載がある。
「【0001】
本発明は、透明面状体及び透明タッチスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
入力位置を検出するための透明タッチスイッチの構成は、従来から種々検討されているが、一例として静電容量式の透明タッチスイッチが知られている。例えば、特許文献1に開示された透明タッチスイッチは、それぞれ所定のパターン形状を有する透明導電膜を備えた一対の透明面状体の間に誘電体層が介在されて構成されており、指などが操作面に触れると、人体を介して接地されることによる静電容量の変化を利用して、タッチ位置を検出することができる。
【0003】
この透明タッチパネルは、液晶表示装置やCRTなどの表面に装着して用いられるが、透明面状体に形成された透明導電膜のパターン形状が目立ってしまい、視認性の低下を招いていた。その対策として本発明と同出願人の特許文献2には、光学設計された透明面状体がある。」

「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、透明面状体に形成された透明導電膜のパターン形状を目立たなくし、視認性を向上させる透明面状体及び透明タッチスイッチの提供を目的とする。」

「【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る透明タッチスイッチの概略構成断面図である。この透明タッチスイッチ101は、静電容量式のタッチスイッチであり、透明基板11の一方面にパターニングされた透明導電膜12が形成された第1の透明面状体1と、透明基板21の一方面にパターニングされた透明導電膜22が形成された第2の透明面状体2とを備えている。第1の透明面状体1と第2の透明面状体2とは、透明導電膜12を全体的に被覆する粘着性材料からなる被覆層14を貼着することにより一体化されている。一方、透明導電膜22を全体的に被覆する粘着性材料からなる被覆層24により支持体31が貼合され、タッチパネルに剛直性を付与する構成となっている。
【0016】
図6は、図1に示す透明タッチスイッチを構成する透明面状体の概略構成断面図である。この透明面状体を2枚重ねて透明タッチスイッチを構成することができ、透明導電膜のパターン形状を見え難くし、視認性を向上させることが必要である。透明導電膜のパターン形状を見え難くし、視認性を向上させる為には、透明導電膜がある部分とパターニングされて無い部分との光学特性、具体的には図6の反射光R1とR2、透過光T1とT2の強度及び分光スペクトルを近似させることが重要である。本件はこれを達成する為の発明に関するものであり、図1の透明タッチスイッチ構成を説明していく。
【0017】
(透明基板11,21について)
まず透明基板であるが、透明基板11,21は、基材層111,211と接着層114、214とハードコート層113,213を備えて構成されている。
【0018】
基材層111,211は、透明性が高い材料からなることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリアクリル(PAC)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、脂肪族環状ポリオレフィン、ノルボルネン系の熱可塑性透明樹脂などの可撓性フィルムやこれら2種以上の積層体、或いは、ガラス板などを挙げることができる。基材層111,211の厚みは、20?500μm程度が好ましい。
【0019】
接着層114、214は基材層111,211の両面に設けられ、易接着加工と称して基材層111,211製造時に加工される場合もある。接着層114、214は、基材層とハードコート層とが密着し難い場合に有効ではあるが設けなくてもよい。」

「【0022】
(ハードコート層112,212について)
透明基板11,21の片面には、ハードコート層112,212を設ける。ハードコート層112,212は屈折率1.60?1.80であることが望ましく、1.65を超え1.80以下であることがより望ましい。屈折率が1.60未満であると透明導電膜の有る部分と無い部分の光学特性が近似させ難くなり、透明導電膜のパターン形状が目立ってしまい、良好な視認性が得られ難い。屈折率が1.65を超えると非常に良好な視認性が得られるようになる。また、屈折率が1.80を超える場合、基材層111、211やハードコート層と基材層との接着層114、214との屈折率差が大きくなり、この素材界面での反射光とハードコート層112、212と後述するアンダーコート層13、23の界面での反射光との光干渉による干渉斑が強く発生する結果、透明導電層のパターン形状が見えやすくなり、視認性が悪化する為好ましくない。また、屈折率が1.8を超え、傷つき性を改良できる程度の硬度と厚みを有する層を工業的に効率よく形成できる素材や手法が得られ難い事実もある。屈折率が1.65を超え1.80以下であるハードコート素材としては、前記の一般的なハードコート素材に酸化チタン、酸化ジルコニウム等屈折率の高い金属酸化物の微粒子を添加したものが例示できる。この場合、添加する金属酸化物微粒子は透明性を阻害しないように数十nm程度の粒子径であることが必要である。ハードコート層112,212の厚みは3μm以上が望ましい。3μm未満であると、基材層111、211やハードコート層と基材層との接着層114、214との界面での反射光とハードコート層112、212と後述するアンダーコート層13、23との界面での反射光との光干渉による干渉斑が強く発生する結果、透明導電層のパターン形状が見えやすくなり、視認性が悪化する為好ましくない。
【0023】
(アンダーコート層13,23について)
アンダーコート層13,23は、それぞれハードコート層112,212と透明導電膜12,22との間に介在するように配置されており、透明導電膜12,22及びハードコート層112,212よりも屈折率が低くなるように構成されている。このアンダーコート層13,23の厚みは、視認性向上の観点から2?20nmであることが好ましい。」

「【0026】
(透明導電膜12,22について)
アンダーコート層13,23の上には透明導電膜12,22を設ける。透明導電膜12,22の材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛-酸化錫系、酸化インジウム-酸化錫系、酸化亜鉛-酸化インジウム-酸化マグネシウム系などの金属酸化物を例示すことができ、これら2種以上を複合して形成してもよい。」

「【実施例1】
【0035】
まず、試作された透明面状体1の構成について説明する。基材層111の表裏面にハードコート接着層114を積層したフィルムとして、東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300,フィルム厚み125μmを用いた。このフィルムの片面にハードコート層112として、東洋インキ製造株式会社製リオデュラス(屈折率1.65)を塗布、硬化成膜し、厚みは3μmとした。
アンダーコート層13は、酸化ケイ素(屈折率1.45)をマグネトロンスパッタリング法により成膜し、厚みは5nmとした。透明導電膜12はITO(屈折率1.95)をマグネトロンスパッタリング法により成膜し、厚みは15nmとした。また、被覆層14は厚み25μmのアクリル系粘着材を用いた。」

上記記載によれば、透明基板11について次のことがいえる。
a.段落【0017】の「透明基板11,21は、基材層111,211と接着層114、214とハードコート層113,213を備えて構成されている。」、段落【0019】の「接着層114、214は基材層111,211の両面に設けられ」、段落【0022】の「透明基板11,21の片面には、ハードコート層112,212を設ける。」、段落【0023】の「アンダーコート層13,23は、それぞれハードコート層112,212と透明導電膜12,22との間に介在するように配置され」の記載及び図1によれば、「基材層111と、基材層111の少なくとも基材層111側から順に、接着層114と、ハードコート層112と、アンダーコート層13とを有し、アンダーコート層13上に透明導電膜12を設けて透明面状体1を形成する透明基板11。」が記載されている。
b.段落【0015】?【0016】の記載によれば、透明面状体1は、透明タッチスイッチ用である。
c.段落【0018】の記載によれば、基材層111は、透明性が高い材料からなることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性フィルムであり、【実施例1】では、基材層111の表裏面にハードコート接着層114を積層したフィルムとして、東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300,フィルム厚み125μmを用いている。
d.段落【0022】の記載によれば、ハードコート層112は屈折率1.60?1.80であることが望ましく、1.65を超え1.80以下であることがより望ましく、【実施例1】では、ハードコート層112として、東洋インキ製造株式会社製リオデュラス(屈折率1.65)を塗布、硬化成膜し、厚みは3μmとした。
e.段落【0023】の記載によれば、アンダーコート層13は、透明導電膜12及びハードコート層112よりも屈折率が低くなるように構成され、このアンダーコート層13の厚みは、2?20nmであることが好ましく、【実施例1】では、アンダーコート層13は、酸化ケイ素(屈折率1.45)をマグネトロンスパッタリング法により成膜し、厚みは5nmとしている。

上記a.?e.によれば、刊行物1には、次の発明(以下、「刊行物1の発明」)が記載されていると認められる。

「基材層111と、基材層111の少なくとも基材層111側から順に、接着層114と、ハードコート層112と、アンダーコート層13とを有し、アンダーコート層13上に透明導電膜12を設けて透明面状体1を形成する透明基板11であって、
基材層111は、透明性が高い材料からなることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性フィルムであり、
ハードコート層112は屈折率1.60?1.80であることが望ましく、1.65を超え1.80以下であること(実施例では、屈折率は1.65)がより望ましく、
アンダーコート層13は、透明導電膜12及びハードコート層112よりも屈折率が低くなるように(実施例では、屈折率は1.45)構成され、このアンダーコート層13の厚みは、2?20nmであることが好ましい(実施例では、厚みは5nm)、透明タッチスイッチ用である透明面状体1を形成する透明基板11。」

2.刊行物2には、図面とともに次の記載がある。
「【0004】
この種の用途に用いられる反射防止フィルムとして、透明基材フィルム上に易接着層、ハードコート層及び低屈折率層、或いは易接着層、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層が、この順で積層されたものが提供されている(特開2005-181545号公報)。
【0005】
このような反射防止フィルムには、反射防止機能、即ち、反射率(視感反射率)を下げることはもとより、干渉縞をなくすこと、帯電防止性を付与すること、などが要求されている。
【0006】
このうち、反射率は、屈折率の異なる2つの層を積層し、その屈折率差による光の干渉作用を利用して低減することができる。また、干渉縞は、透明基材フィルムと易接着層の屈折率の差と、易接着層とハードコート層の屈折率の差を同等とすることにより、緑色波長域(540?545nm)の光の振幅を小さくすることで、その改善が図られている。
【0007】
また、(透明基材フィルムの屈折率-易接着層の屈折率)-(易接着層の屈折率-ハードコート層の屈折率)の値を-0.05?0.05とし、易接着層の厚さを0.01?0.10μmとすることで、反射光の位相を逆転させて(λ/4の位相差)干渉縞を改善することが行われている。」

「【0024】
図1(a)の反射防止フィルム10は、易接着層2を有する透明基材フィルム1の易接着層2面側にハードコート層3を介して低屈折率層4が形成されたものである。図1(b)の反射防止フィルム10Aは、このような反射防止フィルムに更にハードコート層3と低屈折率層4との間に高屈折率層5を設けたものである。
【0025】
本発明において、透明基材フィルム1としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、セロファン等、好ましくはPET、PC、PMMAの透明フィルムが挙げられる。
【0026】
透明基材フィルム1の厚さは得られる反射防止フィルムの用途による要求特性(例えば、強度、薄膜性)等によって適宜決定されるが、通常の場合、0.1?2mmの範囲とされる。
【0027】
易接着層2は、透明基材フィルム1へのハードコート層3の密着性を良くするためのものであり、通常、共重合ポリエステル樹脂とポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂に、SiO2、ZrO2、TiO2、Al2O3等の金属酸化物微粒子、好ましくは平均粒径1?100nm程度の金属酸化物微粒子を配合して、屈折率を調整したものが用いられる。なお、樹脂だけで屈折率を1.58程度にすることも可能である。
【0028】
易接着層2の屈折率は1.58?1.75、特に1.585?1.70の範囲で、厚さは0.01?0.10μm程度であることが好ましい。易接着層2の屈折率が1.58未満又は1.60を超えると、535?550nmの振幅が大きくなる。また、易接着層2の厚さが0.01μm未満であるとハードコート層との密着性が悪化し、535?550nmの振幅が大きくなり、0.10μmを超えると535?550nmの振幅が大きくなる。
【0029】
ハードコート層3は、導電性金属酸化物微粒子を含む、好ましくは紫外線硬化型樹脂層である。
・・・中略・・・
【0034】
ハードコート層3の屈折率は、下記式で算出される屈折率差が-0.05?0.05、好ましくは-0.03?+0.03となるような屈折率であることが、干渉縞の改善のために好ましい。
(透明基材フィルム1の屈折率-易接着層2の屈折率)-(易接着層2の屈折率-ハードコート層3の屈折率)」

「【0053】
実施例1
図1(a)に示す本発明の反射防止フィルムを次の方法で製造した。
【0054】
まず、易接着層2が形成された透明基材フィルム1として、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製PETフィルムを準備した。このPETフィルムは、厚さ188μmのPET製透明基材フィルム(屈折率1.65)の一方の面に屈折率1.59、厚さ0.085μmの易接着層が形成されたものである。
【0055】
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製「A-DPH」)90gをメチルイソブチルケトン(関東化学社製)200.0gに溶解した溶液に光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア184」)3.5gを混合した後、PTO微粒子(触媒化成社製「ELCOM 1014PTV」、PTO微粒子(平均粒径100nm):20重量%、イソプロピルアルコール/ブチルセロソルブ:80重量%)50gを混合してハードコート層形成用塗布液とした。
【0056】
このハードコート層形成用塗布液を上記のPETフィルムの易接着層上にバーコーター(PL Print Coat Instruments Ltd社製「K101コントロールコーター」番手#2)にて約0.1m/秒(speed7)で塗工し、乾燥後、紫外線照射して、厚さ2μmのハードコート層3を形成した。このハードコート層3のPTO/樹脂=10/90(重量比)であり、屈折率は1.53であった。
【0057】
次に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製「A-DPH」)10.0gをメチルイソブチルケトン400gに溶解した溶液に光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア184」)0.60gを混合した後、ポーラスシリカ(触媒化成社製「スルーリア1420」、ポーラスシリカ(平均粒径40nm、屈折率1.35):20重量%、イソプロピルアルコール:80重量%)50gを混合して低屈折率層形成用塗布液とした。
【0058】
この低屈折率層形成用塗布液を上記のハードコート層上にバーコーター(PL Print Coat Instruments Ltd社製「K101コントロールコーダー」番手#0)にて約0.1m/秒(speed7)で塗工し、乾燥後、紫外線照射して、厚さ0.09μmの低屈折率層4を形成した。この低屈折率層4の屈折率は1.43であった。
【0059】
得られた反射防止フィルムについて、鉛筆硬度及び干渉縞を以下の方法で評価し、結果を表1に示した。
鉛筆硬度:JIS K 5600-5-4に準拠して評価した。
干渉縞:日立製作所社製U-4000形自動分光光度計を用いて反射率を測定し、535?550nmの最大波長と最小波長の差を測定し、下記基準で評価した。
差が0.5%以上‥×
差が0.5%未満0.3%以上‥△
差が0.3%未満‥○
【0060】
実施例2
実施例1において、易接着層2が形成された透明基材フィルム1として、厚さ188μmのPET製透明基材フィルム(屈折率1.65)の一方の面に屈折率1.65、厚さ0.050μmの易接着層が形成されたものを用いたこと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製「A-DPH」)20gをメチルイソブチルケトン20.0gに溶解した溶液に光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア184」)0.8gを混合した後、PTO微粒子(触媒化成社製「ELCOM 1014PTV」、PTO微粒子(平均粒径100nm):20重量%、イソプロピルアルコール/ブチルセロソルブ:80重量%)900gを混合してハードコート層形成用塗布液としたこと以外は、同様にして反射防止フィルムを製造し、同様に評価を行って、結果を表1に示した。」

刊行物2には、反射防止フィルムについて次の技術事項a.?d.が記載されているといえる。
a.段落【0006】の記載によれば、「屈折率の異なる2つの層を積層し、その屈折率差による光の干渉作用を利用して反射率を低減することができ、干渉縞は、透明基材フィルムと易接着層の屈折率の差と、易接着層とハードコート層の屈折率の差を同等とすることにより、緑色波長域(540?545nm)の光の振幅を小さくすることで、その改善が図られていること。」
b.段落【0007】の記載によれば、「(透明基材フィルムの屈折率-易接着層の屈折率)-(易接着層の屈折率-ハードコート層の屈折率)の値を-0.05?0.05とし、易接着層の厚さを0.01?0.10μmとすることで、反射光の位相を逆転させて(λ/4の位相差)干渉縞を改善することが行われていること。」
c.段落【0054】、【0060】の記載によれば「PET製透明基材フィルムの屈折率は1.65であること。」
d.段落【0024】?【0034】の記載によれば、
「易接着層2を有する透明基材フィルム1の易接着層2面側にハードコート層3を介して低屈折率層4が形成された反射防止フィルム10であって、
透明基材フィルム1としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、
易接着層2の屈折率は1.58?1.75、特に1.585?1.70の範囲で、厚さは0.01?0.10μm程度であることが好ましく、
ハードコート層3の屈折率は、
式 (透明基材フィルム1の屈折率-易接着層2の屈折率)-(易接着層2の屈折率-ハードコート層3の屈折率)により算出される屈折率差が-0.05?0.05、好ましくは-0.03?+0.03となるような屈折率であることが、干渉縞の改善のために好ましい、反射防止フィルム10。」

3.刊行物3には、図面とともに次の記載がある。
「【0001】
本発明は、タッチパネル、液晶表示板(LCD)、テレビやコンピューターのブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)等の表示画面の前面に装着して、外光の写り込み、ぎらつき、虹彩状色彩等を抑制することができる、反射防止性を付与した反射防止フィルムの基材として用いられる、耐候性に優れた光学用易接着性ポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムに関する。」

「【0008】
また、本発明のハードコートフィルムとは、前記の光学用易接着ポリエステルフィルムの易接着層の少なくとも片面に、電子線または紫外線硬化型アクリル樹脂またはシロキサン系熱硬化性樹脂からなるハードコート層を積層してなるハードコートフィルムである。」

「【0021】
かかる易接着層中に含有させる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。中でもシリカがポリエステル樹脂と屈折率が比較的近く高い透明性が得やすいため最も好適である。」

「【0041】
本発明の易接着性ポリエステルフィルムにおいて、易接着層は水性ポリエステル樹脂(A)と、水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物、水溶性のジルコニウムキレート化合物、または水溶性のジルコニウムアシレート化合物の少なくとも1種(B)とを主たる構成成分とし、(A)/(B)の混合比(質量比)が10/90?95/5である樹脂組成物を用いることが好ましい。」

「【0050】
さらに、前記の水性ポリエステル樹脂(A)は、ガラス転移温度が40℃以上であることが好ましい。そのため、ポリエステル樹脂(A)の酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系を主成分とすることが好ましい。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロパングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の比較的炭素数の少ないグリコール、またはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の芳香族系が好ましい。また、ポリエステル樹脂(A)の原料として、ビフェニル等の剛直な成分、または臭素、イオウ等の屈折率の高い原子を有するジカルボン酸成分またはジオール成分をフィルムの物性が低下しない範囲で使用してもよい。ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃未満であると、高温高湿下での密着性(耐湿熱性)が不十分となりやすくなる。さらに、ポリエステル樹脂(A)の屈折率も低下するために塗布層の屈折率も低下する。その結果、蛍光灯下での虹彩状色彩の抑制が不十分となりやすくなる。」

上記記載によれば、刊行物3には、次の技術事項が記載されていると認められる。
「タッチパネル用として用いられる光学用易接着ポリエステルフィルムの易接着層は、二酸化チタン粒子を含有し、水性ポリエステル樹脂(A)を主たる構成成分とするものであって、水性ポリエステル樹脂(A)はナフタレンジカルボン酸等の芳香族系を主成分とすること。」

4.文献4には、東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300が、高透明・易接着性ポリエステルフィルムであって、PETフィルムであることが記載されている。

第5 判断
(1)特許法第29条2項について
ア.請求項1に係る発明について
(ア)対比
請求項1に係る発明と刊行物1の発明とを対比する。
・刊行物1の発明の「基材層111」は、透明性が高い材料からなることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性フィルムであり、PETの屈折率は1.65であることが周知であるから、請求項1に係る発明の「屈折率(na)が1.61?1.70である基材フィルム(A)」と「屈折率(na)が1.65である基材フィルム(A)」である点では共通する。
・刊行物1の発明の「接着層114」は、請求項1に係る発明と同様の「樹脂層(B)」といい得る。
・刊行物1の発明の「ハードコート層112」は屈折率1.60?1.80であることが望ましいから、請求項1に係る発明の「屈折率(nc)が1.61?1.80であるハードコート層(C)」に相当するといえる。
・刊行物1の発明の「アンダーコート層13」は、透明導電膜12及びハードコート層112よりも屈折率が低くなるよう(実施例では屈折率は1.45)に構成され、このアンダーコート層13の厚みは、2?20nmであることが好ましいから、請求項1に係る発明の「屈折率(nd)が1.50以下でかつ厚みが5?40nmである低屈折率層(D)」と「屈折率(nd)が1.45でかつ厚みが5?20nmである低屈折率層(D)」である点では共通するといえる。
・刊行物1の発明の「透明導電膜12」は、請求項1に係る発明の「透明導電膜」に相当する。
・刊行物1の発明の「透明面状体1」は、タッチスイッチ用であるから、請求項1に係る発明の「タッチパネル用透明導電性フィルム」に相当し、刊行物1の発明の「透明基板11」は、「透明面状体1」を形成するから、請求項1に係る発明の「タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム」に相当するといえる。
・刊行物1の発明が「基材層111と、基材層111の少なくとも基材層111側から順に、接着層114と、ハードコート層112と、アンダーコート層13とを有し、アンダーコート層13上に透明導電膜12を設けて透明面状体1を形成する」構成と、請求項1に係る発明の「基材フィルム(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム(A)側から順に、屈折率(nb)が1.61?1.75である樹脂層(B)と、屈折率(nc)が1.61?1.80であるハードコート層(C)と、屈折率(nd)が1.50以下でかつ厚みが5?40nmである低屈折率層(D)とを有し、該低屈折率層(D)上に透明導電膜を設けることによりタッチパネル用透明導電性フィルムを得る」構成とは、「基材フィルム(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム(A)側から順に、樹脂層(B)と、屈折率(nc)が1.61?1.80であるハードコート層(C)と、屈折率(nd)が1.45でかつ厚みが5?20nmである低屈折率層(D)とを有し、該低屈折率層(D)上に透明導電膜を設けることによりタッチパネル用透明導電性フィルムを得る」構成である点では共通する。

したがって、請求項1に係る発明と刊行物1の発明とは、
「屈折率(na)が1.65である基材フィルム(A)と、この基材フィルム(A)の少なくとも一方の面に基材フィルム(A)側から順に、樹脂層(B)と、屈折率(nc)が1.61?1.80であるハードコート層(C)と、屈折率(nd)が1.45でかつ厚みが5?20nmである低屈折率層(D)とを有し、該低屈折率層(D)上に透明導電膜を設けることによりタッチパネル用透明導電性フィルムを得ることを特徴とする、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム。」の点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>
請求項1に係る発明は、「基材フィルム(A)」の屈折率(na)が1.61?1.70であるのに対し、刊行物1の発明の「基材層111」は、PETフィルムである場合、屈折率が1.65である点。

<相違点2>
請求項1に係る発明は、「樹脂層(B)」の屈折率(nb)が1.61?1.75であるのに対し、刊行物1の発明の「接着層114」は、屈折率が特定されていない点。

<相違点3>
請求項1に係る発明では、「低屈折率層(D)」は、「屈折率(nd)が1.50以下でかつ厚みが5?40nmである」のに対し、刊行物1の発明の「アンダーコート層13」は、透明導電膜12及びハードコート層112よりも屈折率が低くなるよう(実施例では屈折率は1.45)に構成され、厚みは、2?20nmである点。

<相違点4>
請求項1に係る発明は、「基材フィルム(A)の屈折率(na)、樹脂層(B)の屈折率(nb)およびハードコート層(C)の屈折率(nc)の関係が、」
「 -0.02≦(nb-na)≦0.05 ・・・ 式1
-0.02≦(nc-nb)≦0.05 ・・・ 式2
|nb-{na+(nc-na)/2)}|≦0.02 ・・・ 式3」「の全てを満足」するものであるの対し、刊行物1の発明は、そのような特定はない点。

(イ)判断
上記相違点4について検討する。
刊行物1には「ハードコート層112,212は屈折率1.60?1.80であることが望ましく、1.65を超え1.80以下であることがより望ましい。屈折率が1.60未満であると透明導電膜の有る部分と無い部分の光学特性が近似させ難くなり、透明導電膜のパターン形状が目立ってしまい、良好な視認性が得られ難い。屈折率が1.65を超えると非常に良好な視認性が得られるようになる。また、屈折率が1.80を超える場合、とが望ましく、1.65を超え1.80以下であることがより望ましい。屈折率が1.60未満であると透明導電膜の有る部分と無い部分の光学特性が近似させ難くなり、透明導電膜のパターン形状が目立ってしまい、良好な視認性が得られ難い。屈折率が1.65を超えると非常に良好な視認性が得られるようになる。また、屈折率が1.80を超える場合、基材層111、211やハードコート層と基材層との接着層114、214との屈折率差が大きくなり、この素材界面での反射光とハードコート層112、212と後述するアンダーコート層13、23の界面での反射光との光干渉による干渉斑が強く発生する結果、透明導電層のパターン形状が見えやすくなり、視認性が悪化する為好ましくない。」(段落【0022】)と記載されており、ハードコート層の屈折率と基材層111や接着層114の屈折率との屈折率差が大きくならないようにすることが記載されているが、上記相違点4の式1?3の条件は示されていない。
刊行物2には、「(透明基材フィルムの屈折率-易接着層の屈折率)-(易接着層の屈折率-ハードコート層の屈折率)の値を-0.05?0.05とし、易接着層の厚さを0.01?0.10μmとすることで、反射光の位相を逆転させて(λ/4の位相差)干渉縞を改善することが行われること。」、すなわち、透明基材フィルムの屈折率(na)、易接着層の屈折率(nb)およびハードコート層の屈折率(nc)の関係が |(na-nb)-(nb-nc)|≦0.05(上記相違点4の式3と略等価である。)を満足することが必要なことが示されているが、上記相違点4の式1、2の条件は示されていない。
この点は、刊行物3、文献4にも記載されていない。

したがって、本件請求項1に係る発明は、刊行物1の発明及び刊行物2、刊行物3、文献4に記載された技術的事項から当業者が容易になし得るものではない。
特許異議申立人 井谷俊悟は、甲1発明(刊行物1の発明、実施例1)では、基材層111にPETフィルム(PETフィルムの屈折率が1.65は周知)を使用し、ハードコート層112の屈折率は1.65であるから、甲第2号証(刊行物2)の計算式「-0.05≦(na-nb)-(nb-nc)≦0.05」を甲1発明(刊行物1の発明)に適用すると、「1.625≦nb≦1.675」となり、屈折率1.65の基材フィルムに屈折率1.65のハードコート層を積層する場合、干渉縞を無くして視認性を向上するためには「接着層(樹脂層(B))の屈折率を1.625?1.675」にしなければならないことが導き出せ、「接着層(樹脂層(B))の屈折率(nb)がこの条件を満たせば、基材フィルム(A)の屈折率(na)及びハードコート層(C)の屈折率(nc)も共通するので、本件特許発明1(請求項1に係る発明)と甲1発明(刊行物1の発明)との相違点である「前記屈折率(na)、屈折率(nb)および屈折率(nc)の関係が下記式1?式3の全てを満足する
-0.02≦(nb-na)≦0.05 ・・・ 式1
-0.02≦(nc-nb)≦0.05 ・・・ 式2
|nb-{na+(nc-na)/2)}|≦0.02 ・・・ 式3」と同様の条件は自ずと容易に導き出せると主張している。
しかしながら、刊行物1の発明に刊行物2に記載された技術事項を適用しても導き出されるのは、刊行物1の発明において、「接着層(樹脂層(B))の屈折率を1.625?1.675」とすること、すなわち、上記相違点2に対することのみであり、上記相違点4における、基材層(基材フィルム(A))の屈折率(na)、接着層(樹脂層(B))の屈折率(nb)及びハードコート層(C)の屈折率(nc)の関係が、「-0.02≦(nb-na)≦0.05 ・・・ 式1」及び「-0.02≦(nc-nb)≦0.05 ・・・ 式2」を満たすようにすることは、刊行物1の発明、刊行物2に記載された技術事項のどちらにも示唆されておらず、刊行物1の発明に刊行物2に記載された技術事項を適用しても導き出されるものではないから上記主張は根拠がない。

イ.請求項2?7に係る発明について
請求項2?7に係る発明は、請求項1に係る発明を更に減縮したものであるから、上記請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、刊行物1の発明及び刊行物2、刊行物3、文献4に記載された技術的事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2016-07-25 
出願番号 特願2012-225795(P2012-225795)
審決分類 P 1 652・ 121- Y (G06F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松田 岳士  
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 千葉 輝久
和田 志郎
登録日 2015-10-16 
登録番号 特許第5821099号(P5821099)
権利者 東レフィルム加工株式会社
発明の名称 タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム  
代理人 岩見 知典  

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