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審決分類 |
審判 訂正 判示事項別分類コード:857 訂正する C09D 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C09D |
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管理番号 | 1318312 |
審判番号 | 訂正2016-390043 |
総通号数 | 202 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-10-28 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2016-03-18 |
確定日 | 2016-06-16 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5716027号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5716027号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1-16について訂正することを認める。 |
理由 |
1.事件の経緯 特許第5716027号に係る特許出願(特願2012-527392)は、平成22年9月3日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2009年9月3日 (GB)英国)を国際出願日とする出願であって、平成27年3月20日に権利の設定登録がされ、平成28年3月18日に本件審判の請求がされたものである。 2.請求の趣旨及び請求の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5716027号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?16について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 そして、その訂正の内容を以下の訂正事項1、2のとおりである。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「光開始剤がα-ヒドロキシケトン光開始剤を含む」と記載されているのを、「光開始剤が、光開始剤の全重量を基準として25?100重量%の量のα-ヒドロキシケトン光開始剤を含む」に訂正する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 3.当審の判断 (1)訂正の目的について(特許法第126条第1項ただし書の規定について) ア 訂正事項1について 本件訂正前請求項1には、「光開始剤がα-ヒドロキシケトン光開始剤を含む」と記載されていたところ、訂正後請求項1は、「光開始剤が、光開始剤の全重量を基準として25?100重量%の量のα-ヒドロキシケトン光開始剤を含む」との記載により、訂正前請求項1に係る発明のインク組成物の一成分である光開始剤中のα-ヒドロキシケトン光開始剤の分量を、任意から特定量に限定するものであるから、当該訂正は、特許請求の範囲の減縮と認められる。 また、請求項1を引用する請求項2?16における訂正についても、当該点は、特許請求の範囲の減縮と認められる。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 訂正事項2について 訂正事項2は請求項の削除を目的とするものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)新規事項追加について(特許法第126条第5項の規定について) 訂正事項1は、訂正前請求項10の記載の技術事項を訂正前請求項1に導入するものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものと認められる。 また、訂正事項2は請求項の削除を目的とするものであるが、削除された技術事項は、訂正後請求項1に導入されることから、これにより新規な技術事項が追加されることはなく、訂正事項2も、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものと認められる。 したがって、訂正事項1、2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更について(特許法第126条第6項の規定について) 訂正事項1は、上記(1)のアのとおり、訂正前請求項1に係る発明のインク組成物の一成分である光開始剤中のα-ヒドロキシケトン光開始剤の分量を、任意から特定量に限定するものであって、発明のカテゴリー、対象、目的の変更等をするものでもなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するもののいずれにも該当しない。 また、訂正前請求項10に記載の技術事項が訂正後請求項1に追加されている本件訂正において、訂正事項2により、下位請求項である請求項10が削除されても、これにより、特許請求の範囲の拡張・変更は生じない。 したがって、訂正事項1、2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について(特許法第126条第7項の規定について) 訂正後請求項1に係る発明は、訂正前請求項10に係る発明と実質的に異なるものでなく、その独立特許要件の判断が替わるものでない。また、訂正後請求項2?16に係る発明は、訂正後請求項1に係る発明をさらに限定するものであるから、同様に、独立特許要件が認められることになる。 また、訂正事項2は、下位請求項の削除であって、これにより、訂正後請求項1?16に係る発明の独立特許要件の判断が変わることはない。 したがって、訂正事項1、2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 4.むすび 以上のとおり、本件訂正審判に係る訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号又は4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5ないし7項の規定に適合するものと認められる。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 インク組成物の全重量を基準として少なくとも30重量%の単官能性アクリレートモノマーと、 インク組成物の全重量を基準として3?40重量%のN-ビニルアミドおよび/またはN-アクリロイルアミンと、 インク組成物の全重量を基準として少なくとも3重量%の光開始剤とを 含む無色のインクジェットインク組成物であって、光開始剤が、光開始剤の全重量を基準として25?100重量%の量のα-ヒドロキシケトン光開始剤を含む、組成物。 【請求項2】 インク組成物の全重量を基準として6重量%以下のアシルホスフィン光開始剤をさらに含む、請求項1に記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項3】 インク組成物の全重量を基準として35?80重量%の単官能性アクリレートモノマーを含む、請求項1または2に記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項4】 多官能性(メタ)アクリレートモノマー、N-ビニルアミド、N-(メタ)アクリロイルアミンおよびβ-不飽和エーテルモノマーから選択される、1つのまたは複数の異なる放射線硬化性モノマーを含む、請求項1?3のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項5】 インク組成物の全重量を基準として15?50重量%の多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1?4のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項6】 脂肪族または芳香族環状基を含む1つまたは複数の単官能性モノマーを含む、請求項1から5のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項7】 単官能性アクリレートモノマーが、環状TMPホルマールアクリレート、イソボルニルアクリレート、またはそれらの混合物を含む、請求項1から6のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項8】 α-ヒドロキシケトン光開始剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンと、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンとから選択される、請求項1から7のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項9】 インク組成物の全重量を基準として3?20重量%の光開始剤を含む、請求項1から8のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項10】(削除) 【請求項11】 インク組成物の全重量を基準として0?4重量%のアシルホスフィン光開始剤を含む、請求項1から10のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物。 【請求項12】 請求項1から10のいずれかに記載の無色のインクジェットインク組成物を基材に印刷するステップおよびインク組成物を化学線に露光するステップを含む、インクジェット印刷の方法。 【請求項13】 インク組成物を化学線に露光するステップが、 インク組成物が基材に噴射されてから1.0秒以内は、インク組成物を300mW/cm^(2)未満の強度を有する化学線に露光するステップと、 インク組成物が基材に噴射されてから1.0秒を超えると、インク組成物を500mW/cm^(2)を超える強度を有する化学線に露光するステップと を含む、請求項12に記載の方法。 【請求項14】 インク組成物を化学線に露光するステップが、 インク組成物が基材に噴射されてから1.0秒以内は、インク組成物を化学線に露光せずに、 インク組成物が基材に噴射されてから1.0秒を超えると、インク組成物を500mW/cm^(2)を超える強度を有する化学線に露光するステップ を含む、請求項12に記載の方法。 【請求項15】 請求項1から11のいずれかに記載のインク組成物を含むインクジェットカートリッジ。 【請求項16】 請求項1から11のいずれかに記載のインク組成物が印刷されている基材。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2016-05-25 |
結審通知日 | 2016-05-27 |
審決日 | 2016-06-08 |
出願番号 | 特願2012-527392(P2012-527392) |
審決分類 |
P
1
41・
857-
Y
(C09D)
P 1 41・ 851- Y (C09D) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 吉田 邦久 |
特許庁審判長 |
豊永 茂弘 |
特許庁審判官 |
日比野 隆治 岩田 行剛 |
登録日 | 2015-03-20 |
登録番号 | 特許第5716027号(P5716027) |
発明の名称 | 印刷インク |
代理人 | 大森 規雄 |
代理人 | 大森 規雄 |
代理人 | 小林 浩 |
代理人 | 小林 浩 |