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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1318319
審判番号 訂正2016-390064  
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-05-11 
確定日 2016-06-23 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5730370号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第5730370号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5730370号(以下「本件特許」という。)は,平成25年10月18日に特願2013-217762号として特許出願され,平成27年4月17日に特許権の設定登録がなされ,平成28年5月11日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は,本件特許の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものである(下線は,訂正箇所を示す。)。

第3 訂正の内容
1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1における「前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合,所定回数目のラウンド遊技において遊技球が所定の領域を通過し易い第1特別遊技,または,所定回数目のラウンド遊技において遊技球が当該所定の領域を通過し難い第2特別遊技を行うことが可能な特別遊技制御手段」という記載を,「前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合,所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口を長時間にわたって前記第2の態様にするとともに遊技球が所定の領域を通過し易い第1特別遊技,または,所定回数目のラウンド遊技において当該入賞口を短時間にわたって当該第2の態様にするとともに遊技球が当該所定の領域を通過し難い第2特別遊技を行うことが可能な特別遊技制御手段」に訂正する。

2 訂正事項2
本件特許請求の範囲の請求項1における「前記第2指示手段は,前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の開始前に前記第2の指示を開始し,当該所定回数目のラウンド遊技において前記所定の領域に遊技球が通過すると当該第2の指示を終了する」という記載を,「前記第2指示手段は,前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口が長時間にわたって前記第2の態様になる前に前記第2の指示を開始し,当該所定回数目のラウンド遊技において前記所定の領域に遊技球が通過すると当該第2の指示を終了する」に訂正する。

3 訂正事項3
本件特許明細書の段落【0007】における「前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合,所定回数目のラウンド遊技において遊技球が所定の領域215C(128)を通過し易い第1特別遊技,または,所定回数目のラウンド遊技において遊技球が当該所定の領域215C(128)を通過し難い第2特別遊技を行うことが可能な特別遊技制御手段」という記載を,「前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合,所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口(125,127)を長時間にわたって前記第2の態様にするとともに遊技球が所定の領域215C(128)を通過し易い第1特別遊技,または,所定回数目のラウンド遊技において当該入賞口(125,127)を短時間にわたって当該第2の態様にするとともに遊技球が当該所定の領域215C(128)を通過し難い第2特別遊技を行うことが可能な特別遊技制御手段」と訂正し,「前記第2指示手段は,前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の開始前に前記第2の指示を開始し,当該所定回数目のラウンド遊技において前記所定の領域215C(128)に遊技球が通過すると当該第2の指示を終了する」という記載を,「前記第2指示手段は,前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口(125,127)が長時間にわたって前記第2の態様になる前に前記第2の指示を開始し,当該所定回数目のラウンド遊技において前記所定の領域215C(128)に遊技球が通過すると当該第2の指示を終了する」に訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は,「第1特別遊技」の「所定回数目のラウンド遊技」が「前記入賞口を長時間にわたって前記第2の態様にする」ことを具体的に限定し,「第2特別遊技」の「所定回数目のラウンド遊技」が「当該入賞口を短時間にわたって当該第2の態様にする」ことを具体的に限定するものであるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
本件特許明細書の段落【0138】には,「『ロング開放当たり』に当選した場合,第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127の開放時間は,約10秒間である長い開放時間に設定する」及び「『ショート開放当たり』に当選した場合,第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127の開放時間は,約0.1秒となる短い開放時間に設定する」と記載されているから,「第1特別遊技」(ロング開放当たり)である場合には,所定回数目のラウンド遊技(第14ラウンドおよび第16ラウンド)において「前記入賞口を長時間にわたって前記第2の態様にする」(長い開放時間に設定する)といえ,「第2特別遊技」(ショート開放当たり)である場合には,所定回数目のラウンド遊技(第14ラウンドおよび第16ラウンド)において「前記入賞口を短時間にわたって前記第2の態様にする」(短い開放時間に設定する)といえる。
このことから,訂正事項1は,本件特許明細書の段落【0138】の記載に基づくものであって,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲及び図面(以下,「本件特許明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また,訂正事項1は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は,訂正事項1において「第1特別遊技」の「所定回数目のラウンド遊技」が「前記入賞口を長時間にわたって前記第2の態様にする」ことに具体的に限定することに伴って,「前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の開始前」が「前記入賞口が長時間にわたって前記第2の態様になる前」であることを具体的に限定するものであるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2は,上記1(2)において検討したとおり,本件特許明細書の段落【0138】の記載に基づくものであって,本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また,訂正事項2は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
したがって,訂正事項2は,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は,訂正事項1及び2の訂正により,訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正を行った結果,記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0007】の記載を,訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる,明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3は,本件特許請求の範囲の記載に基づくものであって,本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

また,訂正事項3は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
したがって,訂正事項3は,特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

4 独立特許要件について
本件訂正審判の請求に係る訂正後の請求項により特定される発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見することはできない。
したがって,本件訂正審判の請求に係る訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合する。

第5 むすび
したがって,本件訂正審判の請求に係る訂正は,特許法第126条第1項ただし書き第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし,かつ,同条第5?7項の規定に適合する。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の状況に応じて演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。したがって、遊技機が設置されたホールでは、遊技者は、遊技機を大当たり遊技状態にすべく、遊技球を打つことで入賞による大当たりの抽選が行われるように遊技を行う。
【0003】
また、例えば特許文献1に記載される遊技機では、大当たり遊技中に開放されるVアタッカの内部には特定領域が設けられている。そして、遊技者にとって最も有利な確率変動時短状態は、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することのみを条件として生起されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2013-128683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、所定の領域に遊技球を入球させて特定の遊技状態に移行させる構成を備えた遊技機では、所定の領域に遊技球を入球させて特定の遊技状態に移行させる局面において、その所定の領域に遊技球を通過させなければ、特定の遊技状態に移行させることができず、遊技者は得られる利益を失うことになる。
【0006】
本発明は、所定の領域を遊技球が通過することにより特定の遊技状態に移行させる遊技機において、所定の領域への遊技球の入賞し損ないを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機100として実現される。この遊技機100は、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、開閉可能な開閉部を有し、遊技球の入球が困難な第1の態様と当該第1の態様に比べて遊技球の入球が容易な第2の態様とに制御可能な入賞口(125,127)と、所定条件の成立により、前記入賞口(125,127)の前記第2の態様を伴うラウンド遊技を複数回行う特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口(125,127)を長時間にわたって前記第2の態様にするとともに遊技球が所定の領域215C(128)を通過し易い第1特別遊技、または、所定回数目のラウンド遊技において当該入賞口(125,127)を短時間にわたって当該第2の態様にするとともに遊技球が当該所定の領域215C(128)を通過し難い第2特別遊技を行うことが可能な特別遊技制御手段と、前記入賞口(125,127)に入球した遊技球が前記所定の領域215C(128)を通過すると、前記第1特別遊技または前記第2特別遊技の終了後、通常の遊技状態とは異なる特定の遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段と、前記特別遊技制御手段により前記第1特別遊技または前記第2特別遊技を行う際に、前記入賞口(125,127)に対する遊技球の入球を促す第1の指示を行う第1指示手段と、前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の実行に際して、前記入賞口(125,127)に対する遊技球の入球または前記所定の領域215C(128)への遊技球の通過を促す第2の指示を行い、前記第2特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の実行に際して当該第2の指示を行わない第2指示手段と、を備え、前記第2指示手段は、前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口(125,127)が長時間にわたって前記第2の態様になる前に前記第2の指示を開始し、当該所定回数目のラウンド遊技において前記所定の領域215C(128)に遊技球が通過すると当該第2の指示を終了することを特徴とする遊技機100である。
【0008】
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定の領域を遊技球が通過することにより特定の遊技状態に移行させる遊技機において、所定の領域への遊技球の入賞し損ないを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。
【図2-1】本実施形態の第2大入賞口および特別入賞口を示す図である。
【図2-2】本実施形態のパチンコ遊技機を詳細に説明するための図である。
【図3】本実施形態の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。
【図6】始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。
【図11】停止中処理の内容を示すフローチャートである。
【図12】客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図13】図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
【図14】電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
【図15】遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図16】電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
【図17】本実施形態で用いられる乱数(乱数テーブル)の構成例を示す図である。
【図18】遊技制御部からコマンドを受信した際の演出制御部の動作を示すフローチャートである。
【図19】大当たりの種類による第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンを説明するための図である。
【図20】ロング開放パターンを説明するための図である。
【図21】ショート開放パターンを説明するための図である。
【図22】操作指示処理の内容を示すフローチャートである。
【図23】特別入賞口の入賞時演出を説明するための図である。
【図24】特別入賞口の入賞に応じた大当たり遊技の終了後の演出を説明するためのフローチャートである。
【図25】大当たり遊技終了後の遊技における演出内容の設定を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
【0012】
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
【0013】
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
【0014】
本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
【0015】
第2始動口122は、電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ123を備えている。電動チューリップ123は、閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
【0016】
パチンコ遊技機100は、通常の確率で大当たり抽選を行う低確率状態と、低確率状態よりも高い確率で大当たり抽選を行う高確率状態とを有している。なお、所定の条件において低確率状態と、高確率状態とのいずれかの状態に制御される。
また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。なお、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。ここで、時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたはすべての組合せによって制御される。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
【0017】
また、本実施形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての第1大入賞口125および第2大入賞口127と、遊技球が入賞しても抽選が行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。なお、本実施形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。そして、本実施形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
さらに、本実施形態では、第2大入賞口127は、内側に特別入賞口128(所定の領域)を備えている。そして、第2大入賞口127では、第2大入賞口127に入球した遊技球が内部に設けられた所定の経路を流れて特別入賞口128に入球することによって、後述するように遊技者にとって有利な特定の遊技状態に移行させる機能を実現する。
以下に、上記の機能を実現する第2大入賞口127および特別入賞口128の構成について詳述する。
【0018】
図2-1は、本実施形態の第2大入賞口127および特別入賞口128を示す図である。
図2-1に示すように、第2大入賞口127は、第2大入賞口127の外形を形成する筐部材127Uと、筐部材127U内にて遊技球を案内する第1案内部材127G1と、第2案内部材127G2と、第2大入賞口127を開閉する第2大入賞口開閉部216Bと、遊技球の通過を検知する第2大入賞口スイッチ215Bと、遊技球を排出する排出口127Oと、を備える。
また、特別入賞口128は、特別入賞口128を開閉する特別入賞口開閉部216Cと、筐部材127Uの内側にて遊技球を案内する案内部材128Gと、遊技球の通過を検知する特別入賞口スイッチ215Cと、遊技球を排出する排出口128Oと、を備える。
【0019】
筐部材127Uは、遊技盤110に設けられ、遊技球が進入可能な開口部127H1を除いて盤面を流下する遊技球が外から内部に進入できない空間を形成する。なお、筐部材127Uは、可視光に対して透明な部材によって構成されている。従って、遊技者は、筐部材127Uの内側を視認することができる。例えば、遊技者は、特別入賞口128を開閉する特別入賞口開閉部216Cの動きや、特別入賞口スイッチ215Cを通過する遊技球の挙動を確認することができる。
また、第2大入賞口開閉部216Bは、開口部127H1に設けられ、軸を中心として回転可能に構成される。そして、第2大入賞口開閉部216Bは、先端が垂直方向上側を向くことで開口部127H1に遊技球が進入し難くして開口部127H1への遊技球の進入を阻害する閉状態(図中実線で示す)と、先端が水平方向に傾くことで開口部127H1に遊技球が進入し易く開口部127H1に遊技球を導き入れる開状態(図中破線で示す)との2つの状態を形成する。
【0020】
第1案内部材127G1は、開口部127H1から第2大入賞口スイッチ215Bまでの遊技球の経路を形成する。第2大入賞口スイッチ215Bは、第1案内部材127G1における遊技球の移動経路上に設けられるため、開口部127H1から進入した遊技球は、この第2大入賞口スイッチ215Bによって検出される。
また、第2案内部材127G2は、第2大入賞口スイッチ215Bを通過した後の遊技球が進入可能な進入口127H2から排出口127Oまでの遊技球の案内経路を形成する。
【0021】
特別入賞口128の案内部材128Gは、筐部材127Uの内側の壁とともに、第2大入賞口スイッチ215Bを通過した後の遊技球が進入可能な進入口128Hから排出口128Oまでの遊技球の案内経路を形成する。特別入賞口スイッチ215Cは、案内部材128Gにおける遊技球の移動経路上に設けられるため、進入口128Hから進入した遊技球は、この特別入賞口スイッチ215Cによって検出される。
【0022】
特別入賞口開閉部216Cは、進入口128Hに設けられ、軸を中心として回転可能に構成される。そして、特別入賞口開閉部216Cは、先端が進入口128H側に傾くことで進入口128Hに遊技球を進入し難くして進入口128Hへの遊技球の進入を阻害する閉状態(図中実線で示す)と、先端が進入口127H2側に傾くことで進入口128Hに遊技球が進入し易くして進入口128Hへ遊技球を導き入れる開状態(図中破線で示す)との2つの状態を形成する。
なお、本実施形態では、特別入賞口開閉部216Cは、進入口128Hを閉じる閉状態になると進入口127H2へと遊技球が流れる状態を形成する。このように、特別入賞口開閉部216Cは、第2大入賞口スイッチ215Bを通過した後の遊技球を、進入口128Hと進入口127H2とのいずれかに導く分岐点の切り替えとしても機能している。
【0023】
そして、第2大入賞口127にて第2大入賞口スイッチ215Bにより遊技球の通過が検出されることで、後述する大入賞口処理が行われる。また、特別入賞口128にて特別入賞口スイッチ215Cにより遊技球の通過が検出されることで、後述するように特定の遊技状態に移行するように構成している。本実施形態では、特別入賞口128に入賞した場合に、所定の条件(抽選回数が145回に限定(抽選回数Xの初期値:後述の図15のステップ1510参照))が付された高確率遊技状態に移行するように設定している。なお、特別入賞口128に入賞した場合に移行する特定の遊技状態としては、遊技者にとって有利な遊技状態であれば良く、本実施形態のような高確率遊技状態に限らず、例えば時短遊技状態に設定しても構わない。
【0024】
以上のように、本実施形態の第2大入賞口127は、第2大入賞口127に入球した遊技球が通過する経路が複数設けられるとともに複数の経路のうち一の経路を流れることにより遊技球が通過可能となる特別入賞口128の特別入賞口スイッチ215Cを内部に備えている。
そして、第2大入賞口127に入球した遊技球は、必ず第2大入賞口スイッチ215Bを通過するとともに、本実施形態では特別入賞口開閉部216Cによって特別入賞口スイッチ215Cへ向かう経路が形成されるという条件が満たされた場合には遊技球が特別入賞口スイッチ215Cを通過し、特別入賞口開閉部216Cによって特別入賞口スイッチ215Cへ向かう経路が形成されるという条件が満たされない場合には遊技球が特別入賞口スイッチ215Cを通過しない。
【0025】
なお、上記の構成において第2大入賞口スイッチ215Bは、特別入賞口開閉部216Cよりも遊技球の流れの上流側に位置しているが、これに限定されるものではない。すなわち、特別入賞口スイッチ215Cを通過した後や、特別入賞口スイッチ215Cを通過せずに進入口127H2を経由した遊技球が、第2大入賞口スイッチ215Bを通過するように構成しても構わない。
なお、第1大入賞口125、第2大入賞口127および特別入賞口128に係わる遊技制御および演出制御については、後に詳しく説明する。
【0026】
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
【0027】
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2-2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、本実施形態では、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる。
【0028】
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、本実施形態の枠ランプ157は、光の照射方向を変更する演出を行うことが可能になっている。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
【0029】
図2-2は、パチンコ遊技機100を詳細に説明するための図である。
なお、図2-2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2-2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2-2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
【0030】
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
【0031】
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
【0032】
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)、本実施形態のパチンコ遊技機100では第1大入賞口125、第2大入賞口127、特別入賞口128および第2始動口122に入賞しやすい、遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知してもよい。
【0033】
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2-2(b)に示すように、本実施形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶことが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
【0034】
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、本実施形態の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
【0035】
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
【0036】
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
【0037】
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である第1大入賞口125および第2大入賞口127が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、遊技制御部200は、第1大入賞口125および第2大入賞口127が開く際の開閉動作間隔を制御する。なお、遊技制御部200は、第2大入賞口127の動作に伴う特別入賞口128の開閉動作も制御する。
【0038】
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、第1大入賞口125、第2大入賞口127および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、第1大入賞口125または第2大入賞口127に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
【0039】
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215Aと、第1大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する第1大入賞口開閉部216Aと、第2大入賞口127への遊技球の入賞を検出する第2大入賞口検出部(第2大入賞口スイッチ(SW))215Bと、第2大入賞口127を閉状態と開状態とに設定する第2大入賞口開閉部216Bと、特別入賞口128への遊技球の入賞を検出する特別入賞口検出部(特別入賞口スイッチ(SW))215Cと、特別入賞口128を閉状態と開状態とに設定する特別入賞口開閉部216Cと、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
【0040】
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
【0041】
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、第1大入賞口スイッチ215A、第2大入賞口スイッチ215B、特別入賞口スイッチ215Cおよび普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、第1大入賞口開閉部216A、第2大入賞口開閉部216B、特別入賞口開閉部216C、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
【0042】
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
【0043】
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
【0044】
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
【0045】
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
【0046】
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
【0047】
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
【0048】
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
【0049】
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
【0050】
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
【0051】
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
【0052】
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、本実施形態の遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
【0053】
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
【0054】
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、後述の図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が本実施形態のパチンコ遊技機100では「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことを言う。
【0055】
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たりが有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
【0056】
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが例えば15回繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口が開状態となるラウンドが例えば15回繰り返される。
【0057】
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口が開状態となる態様が15回行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
【0058】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機100では、大当たりの種類として長当たりのみが設定される。さらに、本実施形態では、2種類の長当たりが設定され、大当たり遊技中に第1大入賞口125とともに作動する第2大入賞口127の開放時間が長い「ロング開放当たり」と、第2大入賞口127の開放時間が短い「ショート開放当たり」とが設けられている。また、本実施形態のパチンコ遊技機100では、大当たり遊技終了後の遊技状態として、大当たりの種類に関わらず時短遊技状態が必ず発生するように設定している。
なお、以下の説明では、小当たりや大当たりの種類として短当たりなどを設ける例を用いていないが、これらを設けないことに限定するものではない。後述の図17に示すように乱数値を振り分けることによって、小当たりに当選したり、大当たりの種類として短当たりに当選したりするように設定することで、各種の遊技状態に制御されるように構成して構わない。
【0059】
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
【0060】
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
【0061】
大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125、第2大入賞口127および特別入賞口128の開放動作を制御する。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
【0062】
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
【0063】
図5は、本実施形態の遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501?506)。
【0064】
乱数更新処理(ステップ501)では、遊技制御部200の乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
【0065】
スイッチ処理(ステップ502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
【0066】
図柄処理(ステップ503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
【0067】
電動役物処理(ステップ504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて第1大入賞口125、第2大入賞口127および特別入賞口128の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
【0068】
賞球処理(ステップ505)では、遊技制御部200の賞球処理部240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
【0069】
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、始動口スイッチ処理(図5のステップ502参照)の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNO)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
【0070】
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップ602でYES)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(ステップ603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態か低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
【0071】
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップ605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
【0072】
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(ステップ607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップ608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップ608でNO)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
【0073】
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップ608でYES)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(ステップ609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のステップ604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップ501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
【0074】
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップ611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップ605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わないパチンコ遊技機100においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
【0075】
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNO)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
【0076】
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップ702でYES)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(ステップ703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(ステップ704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
【0077】
ステップ704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、ステップ703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
【0078】
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図柄処理(図5のステップ503参照)のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。さらに、本実施形態のパチンコ遊技機100では、当たりの種類に応じて、ロング開放当たり遊技フラグおよびショート開放当たり遊技フラグのいずれかがセットされる。本実施形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
【0079】
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップ801でYES)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップ801でNO)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップ802)。特別図柄変動中でない場合(ステップ802でNO)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(ステップ803?806)。本実施形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
【0080】
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップ803)。保留数U2が1以上である場合(ステップ803でYES)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(ステップ804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップ803でNO)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップ805)。保留数U1が1以上である場合(ステップ805でYES)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(ステップ806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップ805でNO)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップ816)。
【0081】
ステップ804またはステップ806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップ807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(ステップ816、図12参照)においてセットされる。
【0082】
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップ808、809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
【0083】
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップ810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(ステップ811)。ステップ811でセットされた変動開始コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0084】
ステップ802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップ802でYES)、またはステップ811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ812)。すなわち、ステップ810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ812でNO)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
【0085】
一方、変動時間を経過した場合(ステップ812でYES)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をステップ808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(ステップ813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(ステップ814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップ815)。停止中処理の内容については後述する。ステップ814でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0086】
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりか否かを判断する(ステップ902)。大当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(後述の図17(a)参照)。
【0087】
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップ902でYES)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(ステップ903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(「ロング開放当たり」、「ショート開放当たり」のいずれか)が決定される。いずれの大当たりとなるかは、図6のステップ604または610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(後述の図17(b)参照)。
【0088】
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ904)。
ステップ901の乱数判定の結果が大当たりでない場合(ステップ902でNO)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(ステップ905)。
【0089】
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYES)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
【0090】
一方、大当たりしなかった場合(ステップ1001でNO)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(ステップ1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(後述の図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYES)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNO)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
【0091】
次に、変動パターン選択部235は、図6のステップ604またはステップ610で取得した変動パターン乱数値およびステップ1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(ステップ1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
【0092】
この後変動パターン選択部235は、ステップ1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(ステップ1008)。ステップ1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のステップ811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0093】
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYES)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYES)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
【0094】
時短フラグがOFFであった場合(ステップ1101でNO)またはステップ1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップ1103でNO)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
【0095】
確変フラグがONである場合(ステップ1105でYES)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップ1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップ1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップ1107でYES)、確変フラグをOFFにする(ステップ1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
【0096】
確変フラグがOFFであった場合(ステップ1105でNO)またはステップ1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップ1107でNO)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1109)。そして、大当たりだった場合(ステップ1109でYES)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類がロング開放当たりか否かを判断する(ステップ1110)。
【0097】
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、ステップ1109でYESである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄がセットされているならば、ステップ1109でNOである。
【0098】
大当たりの種類がロング開放当たりであった場合(ステップ1110でYES)、遊技制御部200は、ロング開放当たり遊技フラグをONにする(ステップ1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類がロング開放当たりである大当たり遊技状態となる。
一方、大当たりの種類がロング開放当たりでなかった場合(ステップ1110でNO)、遊技制御部200は、ショート開放当たり遊技フラグをONにする(ステップ1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類がショート開放当たりである大当たり遊技状態となる。
【0099】
ステップ1111またはステップ1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップ1113)。また、遊技制御部200は、ステップ1101において時短フラグがONであって、ステップ1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップ1114)。同様に、ステップ1105において確変フラグがONであって、ステップ1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップ1114)。
【0100】
ステップ1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(ステップ1115)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップ1111、1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、ロング開放当たり遊技、ショート開放当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1116)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0101】
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
【0102】
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップ1201でYES)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(ステップ1202)、客待ちフラグをONにする(ステップ1203)。ステップ1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
【0103】
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図柄処理(図5のステップ503参照)のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
【0104】
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップ1301でYES)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップ1301でNO)、次に普通図柄変動制御部237は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップ1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップ1302でNO)、次に普通図柄変動制御部237は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(ステップ1303)。保留数G=0である場合は(ステップ1303でNO)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
【0105】
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップ1303でYES)、普通図柄変動制御部237は、保留数Gの値を1減算し(ステップ1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1305)。当選したか否かは、図7のステップ704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
【0106】
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップ1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情吉報としてRAM203にセットする。
【0107】
次に、普通図柄変動制御部237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップ1307)。この変動時間は、図11におけるステップ1104、1114、後述の図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップ1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部237は、ステップ1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(ステップ1308)。
【0108】
ステップ1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップ1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップ1302でYES)、普通図柄変動制御部237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップ1309)。すなわち、ステップ1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップ1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップ1309でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
【0109】
一方、変動時間が終了した場合(ステップ1309でYES)、普通図柄変動制御部237は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(ステップ1310)。そして、普通図柄変動制御部237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ1311)。当選したならば(ステップ1311でYES)、補助遊技フラグをONにする(ステップ1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップ1311でNO)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
【0110】
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、電動役物処理(図5のステップ504参照)のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、第1大入賞口125および第2大入賞口127への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNO)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYES)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
【0111】
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(ステップ1402でYES)、次に大入賞口動作制御部238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1403)。オープニング時間を経過していないならば、本実施形態では第1大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1403でNO)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップ1403でYES)、次に大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125、第2大入賞口127および特別入賞口128の作動設定を行い(ステップ1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップ1405)、第1大入賞口125または第2大入賞口127の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップ1406)、第1大入賞口125を作動開始(開放)する(ステップ1407)。
【0112】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、ラウンドに応じて、第1大入賞口125を作動させるか、第2大入賞口127を作動させるかが予め定められている(後述の図19参照)。このとき、第2大入賞口127が作動するラウンドでは、特別入賞口128の作動させる特別入賞口処理を実行する(ステップ1408)。
ステップ1408の特別入賞口128の作動によって、特別入賞口128に遊技球が入球した場合には、大当たり遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態になる「高確率時短移行確定フラグ」をRAM203にセットする。一方、特別入賞口128が作動した後に、特別入賞口128に遊技球が入球しなければ、大当たり終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態になる「低確率時短移行確定フラグ」をRAM203にセットする。
【0113】
次に、大入賞口動作制御部238は、ステップ1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップ1409)。第1大入賞口125および第2大入賞口127での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップ1409でNO)、次に大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125および第2大入賞口127への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップ1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、第1大入賞口125および第2大入賞口127の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1410でNO)。一方、開放時間を経過したか(ステップ1409でYES)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップ1410でYES)、大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125および第2大入賞口127を作動終了(閉口)する(ステップ1411)。
【0114】
次に、大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125および第2大入賞口127の作動のラウンド数Rがステップ1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップ1412)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップ1412でNO)。
【0115】
第1大入賞口125および第2大入賞口127の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップ1412でYES)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング動作を開始する(ステップ1413)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、ロング開放当たりおよびショート開放当たりの遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1414)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
【0116】
次に、大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125および第2大入賞口127の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップ1415)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップ1418)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップ1418でNO)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップ1417でYES)、次に大入賞口動作制御部238は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(ステップ1419)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップ1420)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
【0117】
ステップ1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップ1402でNO)、次に大入賞口動作制御部238は、エンディング中か否かを判断する(ステップ1416)。そして、エンディング中であるならば(ステップ1416でYES)、上記ステップ1418以降の動作を実行する。
【0118】
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(ステップ1416でNO)、次に大入賞口動作制御部238は、第1大入賞口125および第2大入賞口127が作動(開放)中か否かを判断する(ステップ1417)。そして、作動中でないならば(ステップ1417でNO)、上記ステップ1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップ1417でYES)、上記ステップ1409以降の動作を実行する。
【0119】
〔遊技状態設定処理〕
図15は、遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1418でYES)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1419)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。さらに、本実施形態では、ステップ1408の特別入賞口処理において、フラグ(「高確率時短移行確定フラグ」または「低確率時短移行確定フラグ」)がRAM203に設定情報としてセットされている。
【0120】
RAM203に低確率時短移行確定フラグがセットされていた場合(ステップ1501、1502でYES)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1503)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1504)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
【0121】
RAM203に高確率時短移行確定フラグがセットされていた場合(1501でNO、ステップ1505でYES)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(ステップ1506)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップ1507)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では145回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(ステップ1508)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップ1509)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では145回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が145回行われたならば、高確率時短遊技状態は終了する。
【0122】
なお、本実施形態では、大当たり終了後に設定される遊技状態として、高確率時短遊技状態および低確率時短遊技状態の何れかが設定されるが、他の設定が設けられる場合には、例えば高確率時短無し遊技状態(ステップ1501でNO、ステップ1505でNO)などの遊技状態が設定される。また、高確率時短移行確定フラグおよび低確率時短移行確定フラグのいずれもRAM203にセットされていなければ、ステップ1501でYES、ステップ1502でNOとなり、高確率遊技および時短遊技のいずれにも移行しないで処理が終了する。
【0123】
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、電動役物処理(図5のステップ504参照)のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNO)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYES)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
【0124】
電動チューリップ123が作動中でない場合(ステップ1602でNO)、電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(ステップ1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(ステップ1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるステップ1104、1114、図15におけるステップ1504、1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップ1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短遊技状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
【0125】
ステップ1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(ステップ1602でYES)、またはステップ1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップ1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1605でNO)。一方、開放時間を経過したならば(ステップ1605でYES)、電動チューリップ動作制御部239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1606)。
【0126】
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施形態で用いられる乱数(乱数テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の構成例、図17(d)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
【0127】
図17(a)を参照すると、大当たり乱数は、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりとの2種類が設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲はいずれも0?399の400個である。通常時の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/400である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は4個設定され、当選確率は4/400(=1/100)である。すなわち図示の例では、高確率状態で第1始動口121、第2始動口122に入賞し特別図柄抽選が行われると、通常時に特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が4倍となる。
【0128】
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、特別図柄Aおよび特別図柄Bの2種類が用意されている。ここで、特別図柄Aは、「ショート開放当たり」であることを表す図柄である。また、特別図柄Bは、「ロング開放当たり」であることを表す図柄である。このように、本実施形態の大当たり図柄には、第1大入賞口125および第2大入賞口127の開放パターンを特定する役割を持たせている。そして、本実施形態の大当たり図柄には、高確率状態や低確率状態などの大当たり遊技後の遊技状態の割り当てがなされていない。
乱数の値の範囲は0?99の100個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
【0129】
第1始動口121において、特別図柄Aでは、当選値として49個の値が割り当てられている。従って、大当たりに当選した場合に「ショート開放当たり」となる特別図柄Aでの当選となる確率は、49/100である。
さらに、第1始動口121において、特別図柄Bでは、当選値として51個の値が割り当てられている。従って、大当たりに当選した場合に「ロング開放当たり」となる特別図柄Bでの当選となる確率は、51/100である。
【0130】
第2始動口122において、特別図柄Aでは、当選値が割り当てられていない。従って、第2始動口122において、大当たりに当選した場合に「ショート開放当たり」となる特別図柄Aでの当選となる確率は0である。
そして、第2始動口122において、特別図柄Bでは、当選値として100個の値が割り当てられている。すなわち、第2始動口122にて大当たりに当選した場合に「ロング開放当たり」となる特別図柄Bでの当選となる確率は100/100である。
【0131】
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合に、51:49の比率で、「ショート開放当たり」と「ロング開放当たり」とに当選するように設定される。また、第2始動口122に入賞した場合に、100パーセントの割合で、「ロング開放当たり」に当選するように設定される。ここで、後述するように、「ロング開放当たり」によって、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態に移行する可能性が高まるように設定している。すなわち、第1始動口121における入賞にて大当たりに当選すると、51パーセントの割合で高確率時短遊技状態への移行が準備され、さらに第2始動口122における入賞にて大当たりに当選すると、100パーセントの割合で高確率時短遊技状態への移行が準備されるようになっている。
【0132】
次に、リーチ乱数について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0?249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
【0133】
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0?9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。従って、時短遊技状態が発生していないときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短遊技状態が発生しているときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
【0134】
各種の抽選に用いられる乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(ステップ501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では399)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
【0135】
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期に従って、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
【0136】
割り込み処理は、ステップ1802で設定された周期に従って定期的に行われる。図18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップ1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップ1812)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップ1813)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
【0137】
続いて、大当たりの種類に基づいて行われる大入賞口処理における第1大入賞口125および第2大入賞口127の開放ラウンド数と開放時間である開放パターンについて詳細に説明する。
図19は、大当たりの種類による第1大入賞口125および第2大入賞口127の開放パターンを説明するための図である。
図19に示すように、大当たりによって開放する作動ラウンド数Rの総数は、16ラウンドである。そして、本実施形態では、16ラウンドのうち、第1大入賞口125が合計で14ラウンド開放し、第2大入賞口127が合計で2ラウンド開放する。
具体的には、大当たり(「ショート開放当たり」および「ロング開放当たり」)に当選した場合、第1ラウンド(1R)から第13ラウンド(13R)および第15ラウンド(15R)は、第1大入賞口125を開放させる。また、大当たりに当選した場合、第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)では、第1大入賞口125を開放せずに第2大入賞口127を開放させる。
【0138】
そして、「ロング開放当たり」に当選した場合、第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127の開放時間は、約10秒間である長い開放時間に設定する。なお、以下の説明において、この第2大入賞口127を長く開放させる開放パターンのことを「ロング開放パターン」とよぶ。
一方、「ショート開放当たり」に当選した場合、第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127の開放時間は、約0.1秒となる短い開放時間に設定する。なお、以下の説明において、この第2大入賞口127を短く開放させる開放パターンのことを「ショート開放パターン」とよぶ。
【0139】
図20は、ロング開放パターンを説明するための図である。
図20に示すように、ロング開放パターンにおいては、第1ラウンド(1R)から第13ラウンド(13R)および第15ラウンド(15R)においては第1大入賞口125が作動する。また、第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)では、第2大入賞口127の作動を行う。
ここで、第2大入賞口127の作動に合わせて、第2大入賞口127の内側に設けられる特別入賞口128も作動する。具体的には、第2大入賞口127の第2大入賞口開閉部216Bの開放タイミングから予め定めた時間(本実施形態では約3秒)が経過したときに、特別入賞口128の特別入賞口開閉部216Cの開放が行われる。特別入賞口128の特別入賞口開閉部216Cの開放は、様々な態様を取り得るが、例えば約1秒間、複数回(例えば5回など)実行される。なお、以下の説明において、1ラウンドにおける特別入賞口128の複数回の開放によって特別入賞口スイッチ215Cでの遊技球の通過が少なくとも1回検出されることを、特別入賞口128への1回の入賞とよぶ。
【0140】
ロング開放パターンでは、例えば第14ラウンド(14R)において、第2大入賞口127が長時間開放される。従って、第2大入賞口127が設けられる遊技盤110における右側の領域に向けて遊技球を打ち込む限り、第2大入賞口127には、次々に遊技球が入球する状態となる。そして、ロング開放パターンにおいて、所定のタイミングにて特別入賞口128の特別入賞口開閉部216Cが開放することで、高い確率で特別入賞口128に遊技球が入賞することができる。そして、本実施形態では、特別入賞口128への入賞により、大当たり遊技の終了後における高確率時短遊技状態への移行が確定する。
【0141】
なお、本実施形態では、第16ラウンド(16R)においても、第2大入賞口127が長時間開放される。この第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127の開放においても合わせて特別入賞口128の開放が行われる。例えば第14ラウンド(14R)において特別入賞口128に入賞しなかった場合であっても、第16ラウンド(16R)にて特別入賞口128に入賞させることで、同様に、大当たり遊技の終了後における高確率時短遊技状態への移行が確定する。このように、本実施形態では、第14ラウンド(14R)と第16ラウンド(16R)との2回における特別入賞口128に対する入賞の機会を設けることによって、遊技者が高確率時短遊技状態に移行させる機会を増やしている。
【0142】
図21は、ショート開放パターンを説明するための図である。
図21に示すように、ショート開放パターンにおいても、第1ラウンド(1R)から第13ラウンド(13R)および第15ラウンド(15R)においては第1大入賞口125が開放する。また、第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)では、第2大入賞口127の開放を行う。
また、ショート開放パターンにおいても、第2大入賞口127の開放に合わせて、第2大入賞口127の内側に設けられる特別入賞口128の開放も行われる。法令により、特別入賞口128の開放動作は、ショート開放パターンおよびロング開放パターンにおいて同じにすることが定められている。従って、ショート開放パターンにおいても、第2大入賞口127の第2大入賞口開閉部216Bの開放タイミングから予め定めた時間(本実施形態では約3秒)が経過したときに、特別入賞口128の特別入賞口開閉部216Cの開放が行われる。特別入賞口128の開放は、本実施形態では、ロング開放パターンと同様に例えば約1秒間、複数回(例えば5回)実行される。
【0143】
そして、ショート開放パターンでは、例えば第14ラウンド(14R)において、第2大入賞口127が短時間開放される。ここで、本実施形態では、第2大入賞口127の第2大入賞口開閉部216Bの開放時間は、約0.1秒に設定している。そのため、第2大入賞口127に遊技球が入球する可能性が極めて低くなっている。この場合、第2大入賞口127の内側に設けられる特別入賞口128に対しても遊技球が入賞しない。
【0144】
なお、仮に、第2大入賞口127の上記の開放時間にて例えば1個の遊技球が入球した場合であっても、特別入賞口128に入賞し難くなるように構成されている。すなわち、図2-1を参照しながら説明したように、第2大入賞口開閉部216Bが開状態となるタイミングにおいて特別入賞口開閉部216Cは閉状態になっている。また、第2大入賞口127および特別入賞口128は、構造的に、第2大入賞口127の開口部127H1から進入した遊技球が1秒にも満たないタイミングで特別入賞口開閉部216Cに到達するように構成されている。さらに、特別入賞口開閉部216Cは、第2大入賞口開閉部216Bが開いてから3秒後に開放されるように設定されている。そのため、ショート開放パターンにおいて第2大入賞口127に遊技球が入球したとしても、特別入賞口128の特別入賞口開閉部216Cが開放される前に、遊技球が特別入賞口開閉部216Cを通り過ぎてしまう。従って、やはりショート開放パターンにおいては、遊技球は、特別入賞口128に入賞することができない。
【0145】
(大当たり遊技における操作指示)
図22は、操作指示処理の内容を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ遊技機100では、大当たり遊技においてレバー152を操作することによる所定の役物に向けて遊技球の発射することを遊技者に対して指示する操作指示を実行する。本実施形態では、大当たり遊技の開始の際に行う後述の開始時操作指示(第1の指示)と、特別入賞口128の開放の際に行う後述の特別操作指示(第2の指示)との2つの操作指示を行う。なお、操作指示は、本実施形態では演出制御部300が演出制御部200から取得した各種コマンドに基づき、各部を動作させることによって実現する。
【0146】
まず、大当たり遊技を行う際に、本実施形態では第1大入賞口125に対する遊技球の入球を促す指示である操作指示(以下、開始時操作指示と呼ぶ。)を実行する。
本実施形態では、例えば第1始動口121が遊技領域111の中央部に配置されている(図1参照)。従って、大当たり遊技の開始以前は、遊技領域111の左側を遊技球が流れて第1始動口121に向かうように、レバー152を第1の強度で操作する所謂左打ちの状況となっている。一方、第1大入賞口125は、遊技領域111における右側に配置されている(図1参照)。そのため、大当たり遊技が行われる際には、第1大入賞口125に遊技球が向かうように、レバー152を第1の強度よりも強い第2の強度で操作する所謂右打ちを行う状況に移行する。
従って、本実施形態では、開始時操作指示として例えば「ハンドルを右に回して!」といったテキストメッセージを画像表示部114に表示し、遊技者に対してレバー152の操作を指示する。このようにして、本実施形態では第1大入賞口125に対する遊技球の入球を促す開始時操作指示を行う。さらに、この場合には、遊技者から見て右側を向く矢印の画像を併せて表示することで、遊技者がより分かりやすい開始時操作指示を行うことができる。
【0147】
また、開始時操作指示は、例えば第1大入賞口125の名称(例えば○○アタッカ)が遊技盤110において明示され、遊技者が第1大入賞口125の名称を確認できるような場合には、具体的に「○○アタッカを狙え!」といったようなメッセージを画像表示部114の表示画面114aに表示することによって行っても良い。その際に、テキストメッセージのみや、テキストメッセージに加えて第1大入賞口125を示す画像と併せて表示を行うことで、遊技者に対して認識し易い指示を出すことができる。
なお、本実施形態の開始時操作指示では、画像表示部114を用いた視覚的な操作指示に加えて、スピーカ156を用いて「○○アタッカを狙ってください」という音声を流すことで聴覚的な操作指示も併せて実行しても良い。
【0148】
そして、上述したように、「ロング開放当たり」に基づく大当たり遊技の場合、本実施形態では、所定回数目のラウンドにおいて特別入賞口128に遊技球を通過させることによって、高確率時短遊技状態に移行させることができる。ただし、実際に第2大入賞口127に設けられる特別入賞口128に遊技球を入賞させなければ、大当たり遊技の終了後に高確率時短遊技状態へと移行しない。
【0149】
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、ロング開放パターンの大当たり遊技が実行される際に、特別入賞口128が設けられた第2大入賞口127に対する遊技球の入球を促す操作指示(以下、特別操作指示と呼ぶ。)を行う。
具体的には、特別操作指示は、画像表示部114の表示画面114aに「○○アタッカを狙って!」というように、第2大入賞口127に遊技球を供給することを促すメッセージテキストの表示することにより行う。その際に、テキストメッセージのみや、テキストメッセージに加えて第2大入賞口127を示す画像と併せて表示を行うことで、遊技者が認識し易い操作指示を行うことができる。
【0150】
また、例えば本実施形態の遊技盤110のように、第2大入賞口127を透明な部材によって構成することにより内側の特別入賞口128における遊技球の入球を遊技者が確認することができる。例えばこのような場合には、特別入賞口128を意味する○○入賞口の名称を用いて、「○○入賞口を狙って!」といったように、特別入賞口128を直接的に狙わせるテキストメッセージや特別入賞口128を表示する画像を表示して、特別操作指示を行っても良い。
【0151】
また、本実施形態の特別操作指示では、画像表示部114を用いた視覚的な操作指示に加えて、スピーカ156を用いて「○○アタッカを狙ってください」などの音声を流すことで聴覚的な操作指示も併せて行っている。
なお、画像表示部114の表示画面114aにおける表示ではなく、例えば第2大入賞口127や特別入賞口128を狙うことを指示する内容のメッセージや形状を表示する表示部材を別途設け、所定のタイミングにてその表示部材を発光させるなどして明示することによって遊技者に対して特別操作指示を行っても良い。
【0152】
さらに、開始時操作指示(第1の指示)と特別操作指示(第2の指示)とが同じ内容であっても良い。具体的には、開始時操作指示として「ハンドルを右に回して!」と表示画面114aに表示し、特別操作指示においても「ハンドルを右に回して!」と表示画面114aに表示するなど、同じ内容の操作指示を開始時操作指示(第1の指示)と特別操作指示(第2の指示)とにおいて実行しても構わない。
【0153】
続いて、図22を参照しながら操作指示処理のフローの内容について具体的に説明する。
図22に示すように、大当たり遊技を行う際に、開始時操作指示を実行する(ステップ2201)。
開始時操作指示は、図20および図21に示すように、「ロング開放当たり」および「ショート開放当たり」の両方において実行される。また、開始時操作指示は、第1ラウンド(1R)が開始される前から実行することが好ましい。
ただし、第1ラウンド(1R)が開始された後に、開始時操作指示を開始しても良い。この場合、例えば、第1ラウンド(1R)における第1大入賞口125が開放された状態となり、遊技球の第1大入賞口125における通過が確認できない状態が一定時間経過した場合に、開始時操作指示を行う。そして、第1大入賞口125における遊技球の入球によって、開始時操作指示を終了させるように構成する。
【0154】
次に、操作指示処理において、特別操作指示を行うか否かの判断のために、大当たりの種類がロング開放当たりであるか否かを判断する(ステップ2202)。この判断は、RAM203においてセットされるフラグの設定において、ロング開放当たりフラグかショート開放当たりフラグかのいずれのフラグが設定されているかによって特定することができる。
そして、ロング開放当たりではなくショート開放当たりである場合には(ステップ2202にてNO)、操作指示処理は終了する。ショート開放当たりである場合でのショート開放パターンでは、上述のとおり、特別入賞口128に遊技球を入球させることは、事実上不可能である。そのため、ショート開放パターンにおいて遊技者に特別操作指示を行うことは好ましくないため、本実施形態ではショート開放当たりの場合には特別操作指示を実行しない(図21参照)。
【0155】
一方、大当たりの種類がロング開放当たりである場合には(ステップ2202にてYES)、特別入賞口128への入球の最初(1回目)の機会となる第14ラウンド(14R)の開始前(図20参照)に、1回目の特別操作指示を行う(ステップ2203)。そして、実際に第14ラウンド(14R)における第2大入賞口127および特別入賞口128の動作が実行される(ステップ2204)。なお、この特別操作指示は、第14ラウンド(14R)の開始前であることが好ましく、例えば第13ラウンド(13R)中や、第13ラウンド(13R)と第14ラウンド(14R)とのインターバルに行うことができる。また、特別操作指示は、後述の特別入賞口128への入球または第14ラウンド(14R)の終了時まで連続または断続的に継続させる。
【0156】
その後、本実施形態において特別入賞口128への入球の最初(1回目)の機会となる第14ラウンド(14R)における特別入賞口128の作動の際に、遊技球が入賞したか否かの判断を行う(ステップ2205)。この判断は、特別入賞口スイッチ215Cにおける遊技球の通過の検出に基づいて行われる。
【0157】
そして、第14ラウンド(14R)における1回目の特別入賞口128の作動時に遊技球が入球した場合(ステップ2205にてYES)、特別入賞口スイッチ215Cによる遊技球の通過を検出したタイミングにて、特別操作指示を終了させる(ステップ2206)。すなわち、図20に矢印a1で示すように、継続して実行されている特別操作指示は、特別入賞口128に遊技球が通過すると終了する。
特別入賞口128に遊技球が入球することによって、特別操作指示の目的が達成される。逆に、特別入賞口128に遊技球が入球したにもかかわらず、そのまま特別操作指示を継続すると、遊技者が特別入賞口128に未だ入っていないと考えてしまう可能性も考えられる。そこで、本実施形態では、特別入賞口スイッチ215Cによる遊技球の通過を検出したタイミングにて、即座に特別操作指示を終了させ、遊技者に特別入賞口128への入球を実感できるようにしている。
【0158】
一方、1回目の特別入賞口128の開放によって遊技球が検出されなかった場合(ステップ2205にてNO)、第14ラウンド(14R)の終了のタイミングにて、特別操作指示を終了させる(ステップ2207)。すなわち、図20に矢印a2で示すように、継続して実行されている特別操作指示は、第14ラウンド(14R)の終了に伴って終了する。本実施形態では、例えば第15ラウンド(15R)は、第1大入賞口125が開放するラウンドであり、そのまま特別操作指示を実行し続けると遊技者に混乱を招く。そこで、特別入賞口128が開放するラウンドの終了に伴って特別操作指示を終了させている。
【0159】
さらに、特別入賞口128への入球の2回目の機会となる第16ラウンド(16R)の開始前(図20参照)に特別操作指示を再び実行する(ステップ2208)。なお、2回目の特別操作指示は、第16ラウンド(16R)の開始前であることが好ましく、例えば第15ラウンド(15R)中や、第15ラウンド(15R)と第16ラウンド(16R)とのインターバルに行うことができる。また、特別操作指示は、後述の特別入賞口128への入球または第16ラウンド(16R)の終了時まで連続または断続的に継続させる。
【0160】
1回目の特別入賞口128の開放の機会において、特別入賞口128に遊技球が入球していない場合、2回目の特別入賞口128の開放の際に遊技球を入賞させないと、大当たり遊技の終了後の高確率時短遊技状態への移行の機会を失することとなる。このような状態は遊技者にとって極めて不利益となるため、本実施形態のパチンコ遊技機100では、1回目の特別操作指示に重ねて2回目の特別操作指示を実行するようにしている。
一方で、特別入賞口128に一度でも入賞することによって、大当たり終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に移行することが確定する。従って、2回目の特別入賞口128の作動の際に、再度の特別操作指示を実行する必要がない。逆に、再度の特別操作指示を実行した場合、遊技者が何らかの状態に移行するのか困惑する可能性も生じる。そのため、本実施形態では、1回目の特別入賞口128の作動により入賞した場合には、2回目の特別入賞口128の作動前に、再度の特別操作指示を行わないようにしている。
【0161】
その後、遊技制御部200は、大入賞口処理において、第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127および特別入賞口128を開放させる(ステップ2209)。
次に、特別操作指示が実行中であるか否かを判断する(ステップ2210)。ステップ2205にて特別入賞口128に遊技球が入球している場合には、ステップ2208を経ないため再度の特別操作指示は実行されない。そして、ステップ2210にて特別操作指示が実行中でないと判断された場合には(ステップ2210でNO)、処理を終了する。
【0162】
一方で、ステップ2210にて特別操作指示を実行していると判断された場合には(ステップ2210にてYES)、特別操作指示を所定のタイミングで終了させるためにステップ2211に進む。そして、本実施形態において特別入賞口128への入球の2回目の機会となる第16ラウンド(16R)における特別入賞口128の作動の際に、遊技球が入球したか否かの判断を行う(ステップ2211)。この判断は、特別入賞口スイッチ215Cにおける遊技球の通過の検出に基づいて行われる。
【0163】
そして、第16ラウンド(16R)における2回目の特別入賞口128の作動時に遊技球が入球した場合(ステップ2211にてYES)、特別入賞口スイッチ215Cによる遊技球の通過を検出したタイミングにて、2回目の特別操作指示を終了させる(ステップ2212)。そして、操作指示処理を終了する。すなわち、図20に矢印b1で示すように、継続して実行されている特別操作指示は、特別入賞口128に遊技球が通過すると終了する。
例えば、1回目の特別入賞口128において遊技球の入賞ができなかった場合であっても、2回目の入賞の機会と、繰り返される特別操作指示によって、遊技者は、ほぼ確実に特別入賞口128の開放時における入賞を行うことができる。
【0164】
一方、2回目の特別入賞口128の開放によって遊技球が検出されなかった場合(ステップ2211にてNO)、第16ラウンド(16R)の終了のタイミングにて、2回目の特別操作指示を終了させる(ステップ2213)。すなわち、図20に矢印b2で示すように、継続して実行されている特別操作指示は、第16ラウンド(16R)の終了に伴って終了する。そして、操作指示処理を終了する。
【0165】
なお、本実施形態では、2回のラウンドにおいて特別操作指示を行う例について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、3回以上のラウンドにおいて特別入賞口128が開放するような構成の場合には、最初(1回目)の特別入賞口128の作動の前に特別操作指示を実行し、2回目以降における特別入賞口128の作動において、前回の特別入賞口128の作動において遊技球の入賞がなされていないことを条件に、特別操作指示を再度行うようにすれば良い。
【0166】
引き続いて、特別入賞口128の入賞時演出について説明する。
図23は、特別入賞口128の入賞時演出を説明するための図である。
本実施形態のパチンコ遊技機100において、例えばロング開放当たりに基づく大当たり遊技における第14ラウンド(14R)や第16ラウンド(16R)において特別入賞口128に遊技球が通過した場合には、特定の遊技状態として本実施形態では高確率時短遊技状態に移行することを示唆する示唆演出を実行する。
【0167】
具体的には、図23に示すように、特別入賞口128の特別入賞口スイッチ215Cにおける遊技球の通過に基づいて、可動役物115を画像表示部114の前面側へと移動させる。そして、可動役物115自体の動作や、可動役物115と共に表示画面114aに所定の効果画像を表示する。さらに、表示画面114aには、本実施形態では大当たり遊技終了後の遊技機の状態が高確率時短遊技状態に移行することを意味する「○○モード突入!」といったテキストメッセージを表示する。このようにして、本実施形態では、特別入賞口128への入賞によって、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に移行することを示唆する示唆演出を行う。
本実施形態では、特別入賞口128の特別入賞口スイッチ215Cにおける遊技球の通過の検知の直後に、上記の示唆演出を実行するようにしている。なお、示唆演出の実行のタイミングは、特別入賞口スイッチ215Cにおける遊技球の通過の検知の直後に限らず、例えば本実施形態の第14ラウンド(14R)または第16ラウンド(16R)である特別入賞口128が開放するラウンドの終了時に示唆演出を開始しても良い。
【0168】
なお、本実施形態の第14ラウンド(14R)または第16ラウンド(16R)において、特別入賞口128に遊技球が通過しなかった場合には、上述した示唆演出は実行されない。
【0169】
また、例えば、第14ラウンド(14R)または第16ラウンド(16R)において遊技球が第2大入賞口127の内側に入ったものの、例えば特別入賞口開閉部216Cに遊技球が引っ掛かる可能性もある(図2-1参照)。そして、大入賞口動作制御部238による大当たり遊技のエンディング終了の前後において、その遊技球の引っ掛かりが解けて特別入賞口スイッチ215Cを通過する場合が考えられる。
この場合、特別入賞口128への遊技球の通過に基づいた示唆演出を実行すると、エンディング中やエンディング終了後に例えば可動役物115による演出や画像表示部114における表示が行われることとなる。ただし、エンディングの時間は比較的に短いため、例えばエンディングが終了するまでに示唆演出を完了させようとすると時間的に困難となる。さらに、エンディングに重ねて可動役物115や画像表示部114を用いた示唆演出を実行しようとすると演出制御部300における処理の負荷が大きくなる。従って、本実施形態では、大当たり遊技のエンディング中やエンディング終了後に特別入賞口128に遊技球が入球した場合には、示唆演出を実行しないようにしている。
【0170】
続いて、本実施形態にて行われる特別入賞口の入賞演出について説明する。
図24は、特別入賞口の入賞に応じた大当たり遊技の終了後の演出を説明するためのフローチャートである。
上述のとおり、本実施形態では、1回目となる第14ラウンド(14R)と2回目となる第16ラウンド(R16)との2回の機会においてそれぞれ特別入賞口128を作動させる。ただし、特別入賞口128に1回でも入賞することによって、大当たり遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行することが確定する。そのため、例えば特別入賞口128の1回目の作動の際に入賞した場合、特別入賞口128の2回目の作動時に遊技球が入球しても、大当たり遊技の終了後の遊技状態という点では、遊技者にとって差異はない。
【0171】
ただし、実際には、1回目となる第14ラウンド(14R)の作動時に遊技球が特別入賞口128に入賞した場合であっても、第16ラウンド(16R)において2回目の特別入賞口128の開放が実行される。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機100では、特別入賞口128に対する入賞の回数に応じて異なる演出を実行する特別入賞口の入賞演出を行うように構成した。本実施形態では、特別入賞口の入賞演出として、大当たり遊技の終了後に実行される高確率時短遊技状態での遊技中の演出を、特別入賞口128に対する入賞の回数に応じて異ならせる演出を実行する。これによって、例えば、特別入賞口128に複数回入賞したことにより1回入賞とは異なる演出を実行し、遊技者がお得感を得られるようにしている。
【0172】
図24に示すように、本実施形態では第14ラウンド(14R)において第2大入賞口127および特別入賞口128の1回目の開放が行われる(ステップ2401)。そして、特別入賞口128の1回目の作動時に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップ2402)。
特別入賞口128の1回目の作動において入賞した場合(ステップ2402でYES)、特別入賞口128に入賞したことを示す内容のフラグをセットする(ステップ2403)。
【0173】
ステップ2403にてフラグをセットした後、または、特別入賞口128の1回目の開放において入賞しなかった場合(ステップ2402でNO)、第16ラウンド(16R)における第2大入賞口127および特別入賞口128の2回目の作動を実行する(ステップ2404)。
そして、特別入賞口128の2回目の作動時に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップ2405)。特別入賞口128の2回目の開放において入賞した場合(ステップ2405にてYES)、特別入賞口128に入賞したことを示す内容のフラグをセットする(ステップ2406)。一方、特別入賞口128の2回目の開放において入賞しなかった場合(ステップ2405にてNO)、ステップ2407に進む。
【0174】
ここで、1回目の特別入賞口128の開放時に入賞していた場合(ステップ2402でYES)、かつ、2回目の特別入賞口128の開放時に入賞していた場合(ステップ2405でYES)、2本のフラグが設定されることになる。また、1回目の特別入賞口128の開放時および2回目の特別入賞口128の開放時のうちいずれかに入賞している場合、1本のフラグが設定される。さらに、1回目の特別入賞口128の開放時および2回目の特別入賞口128の開放時の両方ともに入賞しなかった場合、フラグは設定されない。
【0175】
そして、上述したフラグの数が0、1および2のいずれであるかを判断する(ステップ2407)。
フラグの数が0である場合(ステップ2407にて“0”)、大当たり終了後には高確率時短遊技状態に移行せず、通常の遊技状態による遊技が行われる。この場合、通常の遊技状態において実行する演出と同じ内容の演出(通常演出)を実行する(ステップ2408)。
一方、フラグの数が1である場合(ステップ2407にて“1”)、特別入賞口128に入賞しているため、大当たり遊技終了後に高確率時短遊技状態に移行する。そして、本実施形態では、大当たり遊技の終了後の遊技において、フラグの数が1であることに基づいた内容の演出である第1の高確率時短遊技中演出を実行する(ステップ2409)。
【0176】
さらに、フラグの数が2である場合(ステップ2407にて“2”)、特別入賞口128に入賞しているため、大当たり遊技終了後に高確率時短遊技状態に移行する。そして、本実施形態では、大当たり遊技の終了後における遊技において、フラグの数が2であることに基づいた内容の演出であって、通常遊技状態における演出および第1の高確率時短遊技中演出とは異なる内容での演出である第2の高確率時短遊技中演出を実行する(ステップ2410)。
【0177】
本実施形態では、第2の高確率時短遊技中演出では、例えば第1の高確率時短遊技中演出とは異なる背景を用いたり、第1の高確率時短遊技中演出においては登場しないプレミアムなキャラクタが表示されたりするなど、遊技者がお得感を得られるような内容の演出を実行する。
また、第2の高確率時短遊技中演出の場合には、例えば保留表示を用いて、例えば第1の高確率時短遊技中演出よりも信頼性(確度)の高い保留球の先読みを実行するなど、遊技者にとって利益になる遊技にかかわる情報を提示するといった特典の付与を行っても良い。
【0178】
以上のように、複数回の開放を伴う特別入賞口128において、特別入賞口128における入賞の回数に応じて、その後に行う遊技演出の内容を異ならせることによって、遊技制御上は実質的に差異がなくとも、演出上での違いを持たせる。これによって、例えば1回目の作動によって特別入賞口128への入賞がなされた後の、2回目の作動における特別入賞口128への遊技球の入球に意義を持たせることができる。これによって、遊技者にとっての遊技の興趣性を高めることが可能になる。
【0179】
なお、第14ラウンド(14R)である1回目の第2大入賞口127の開放の前には、特定の遊技状態(本実施形態では高確率時短遊技状態)に移行することを示唆しながら、第2大入賞口127へと遊技球を入賞させるように遊技者に促す指示を行う。
そして、例えば1回目の第2大入賞口127の開放にて遊技球が入賞した場合には、実施形態では第16ラウンド(16R)である2回目の第2大入賞口127の開放の前では、特定の遊技状態に移行するという内容ではなく例えば遊技者が特典を得られることを示唆しながら、第2大入賞口127へと遊技球を入球させる指示を行う。一方、例えば1回目の第2大入賞口127の開放にて遊技球が入賞しなかった場合には、実施形態では第16ラウンド(16R)である2回目の第2大入賞口127の開放の前では、特定の遊技状態(本実施形態では高確率時短遊技状態)に移行することを示唆しながら、第2大入賞口127へと遊技球を入賞させる指示を再度行うようにしても良い。
【0180】
続いて、ロング開放パターンとショート開放パターンとにおける特別入賞口128への入賞回数に応じた演出の変更について説明する。
図25は、大当たり遊技終了後の遊技における演出内容の設定を説明するための図である。
本実施形態では、ロング開放パターンとショート開放パターンとの2種類の開放パターンを備えている。また、各々のパターンにおいて、特別入賞口128は第14ラウンド(14R)および第16ラウンド(16R)の2回開放する。従って、ロング開放パターンにおける2回の特別入賞口128への入球と、ロング開放パターンにおける1回の特別入賞口128への入球と、ショート開放パターンにおける1回の特別入賞口128への入球と、ショート開放パターンにおける2回の特別入賞口128への入球との4種類が想定される。
【0181】
ここで、本実施形態では、ロング開放パターンにおいては特別入賞口128に入賞する可能性は十分に高く設定されている。すなわち、遊技者が通常と大きくかけ離れた打ち方をしない限り、第2大入賞口127および特別入賞口128が開放されることで確実に入賞し、本実施形態では特別入賞口128に2回の入賞が発生する。
ただし、ショート開放パターンにおいては、特別入賞口128に入賞することがないように設定されている。すなわち、遊技者が普通に遊技球を打ち込んでも、特別入賞口128に実際に入賞することはない。従って、ショート開放パターンにおける特別入賞口128への入賞は、第2大入賞口127(特別入賞口128)の機械的な故障や、あるいは、不正な方法による特別入賞口128への操作が行われたものと推測できる。
【0182】
そこで、本実施形態では、上述の4つの特別入賞口128の入球の種類に応じて、大当たり遊技後の遊技における演出内容を異ならせている。これによって、機械的な故障や不正などの発生をパチンコ遊技機100において示唆するようにしている。
なお、ロング開放パターンにおける1回の入賞と、2回の入賞とについては、図22を参照しながら説明したとおりである。従って、以下では、ショート開放パターンにおける1回の入賞と、2回の入賞とについて詳しく説明する。
【0183】
まず、遊技制御部200では、大当たりの際に得られた大当たりの種類を特定する図柄の情報を保持している。この図柄の情報より、ロング開放パターンであるかショート開放パターンであるかの判断が行われる。
そして、ショート開放パターンにおける大当たり遊技であるにもかかわらず、特別入賞口128に入賞した際には、ロング開放パターンとは異なった内容の演出を実行する。なお、本実施形態では、高確率時短遊技状態に移行するか否かは、特別入賞口128に入賞するか否かで決定する。従って、ショート開放パターンであっても、大当たり遊技の終了後の遊技状態は高確率時短遊技状態に設定される。
【0184】
そして、本実施形態では、ショート開放パターンにて特別入賞口128に例えば1回のみ入賞することによって生じた高確率時短遊技状態における演出では、図25(a)に示すように、ロング開放パターンの場合と比較して、比較的に暗い背景を表示する。また、高確率時短遊技状態においてロング開放パターンの場合と比較して、登場するキャラクタが違和感のある雰囲気を醸し出すようにしている。図25の例では、キャラクタが驚きを感じている表情をしている。
このように、ショート開放パターンにて特別入賞口128に入賞した場合には、画像表示部114に表示する背景、キャラクタ等の画像を用いて、不正手段による遊技や機械の故障が発生していることを周囲に示唆するようにしている。
【0185】
なお、ショート開放パターンにおける特別入賞口128への入賞は、可能性としてはゼロではない。例えば、ショート開放パターンにおける特別入賞口128の開放時に第2大入賞口開閉部216Bに遊技球が挟まり、挟まった遊技球に他の遊技球が衝突するなどして、特別入賞口開閉部216Cが開くタイミングで遊技球が内部に進入するといった希なケースが考えられる。そのため、正当な方法によって偶然に特別入賞口128に1回入賞した場合に、例えば警告音を鳴らすなど、不正な手段による遊技によるものだと遊技者や周囲の者に感じさせるような方法を用いないようにし、本実施形態のパチンコ遊技機100では、遊技者に不快な思いをさせないようにしている。
また、画像表示部114における表示内容の変更の他に、盤ランプ116や枠ランプ157の発光パターンを異ならせたり、通常とは異なる音声を流したりしても良い。
【0186】
そして、本実施形態では、ショート開放パターンにて特別入賞口128に例えば2回入賞することによって生じた高確率時短遊技状態における演出では、図25(b)に示すように、ショート開放パターンにおける1回入賞の場合と比較して、さらに極端に暗い背景を表示する。また、高確率時短遊技状態においてロング開放パターンの場合およびショート開放パターンにおける1回入賞の場合と比較して、登場するキャラクタに関しても極めて違和感を覚えるような設定を行う。図25の例では、キャラクタの表情により不思議に感じている様を表現している。また、盤ランプ116や枠ランプ157の発光量などを他の状態と比べて著しく低下させるなどの設定を行う。
【0187】
本実施形態のパチンコ遊技機100では、ショート開放パターンにおける特別入賞口128への1回入賞は上述のとおり可能性はある。ただし、上述のような1回入賞が2回も連続するようなショート開放パターンにおける特別入賞口128への2回入賞の可能性は極めて少ない。この場合、不正な手段に基づいた入賞であると断定できる。そこで、本実施形態では、ショート開放パターンにおける特別入賞口128への2回入賞の場合には、例えば他の遊技機との違いが目立つ演出を構成することによって、その遊技機に異変が生じていることを周囲に暗に報知するようにした。
また、ショート開放パターンにおける特別入賞口128への2回の入賞の場合には、遊技機の盤ランプ116や枠ランプ157などを赤く点滅させるなど、異変が起きていることを極端に表現して、周囲に積極的に報知するようにしても良い。
【0188】
なお、本実施形態では、第1大入賞口125と第2大入賞口127との2つの大入賞口を設ける構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、大入賞口は1つ設け、その大入賞口に特別入賞口128を設ける構成を採用しても構わない。この場合においても、例えば特別入賞口128を作動させるラウンドにおける大入賞口の開放時間が長時間開放となる開放パターンと短時間開放となる開放パターンとを設定しておくことで、特別入賞口128への入球を契機とする特定の遊技状態への移行を制御することができる。
また、本実施形態では、第2大入賞口127内に第2大入賞口スイッチ215Bとは別に特別入賞口スイッチ215Cを設けているが、これに限定されるものではない。例えば、第2大入賞口スイッチ215Bに特別入賞口スイッチ215Cの機能を兼用させるようにし、第2大入賞口スイッチ215Bにおける遊技球の検知を契機として、特定の遊技状態に移行するように構成しても構わない。
【符号の説明】
【0189】
100…パチンコ遊技機、125…第1大入賞口、127…第2大入賞口、128…特別入賞口、200…遊技制御部、300…演出制御部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられ、開閉可能な開閉部を有し、遊技球の入球が困難な第1の態様と当該第1の態様に比べて遊技球の入球が容易な第2の態様とに制御可能な入賞口と、
所定条件の成立により、前記入賞口の前記第2の態様を伴うラウンド遊技を複数回行う特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口を長時間にわたって前記第2の態様にするとともに遊技球が所定の領域を通過し易い第1特別遊技、または、所定回数目のラウンド遊技において当該入賞口を短時間にわたって当該第2の態様にするとともに遊技球が当該所定の領域を通過し難い第2特別遊技を行うことが可能な特別遊技制御手段と、
前記入賞口に入球した遊技球が前記所定の領域を通過すると、前記第1特別遊技または前記第2特別遊技の終了後、通常の遊技状態とは異なる特定の遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段と、
前記特別遊技制御手段により前記第1特別遊技または前記第2特別遊技を行う際に、前記入賞口に対する遊技球の入球を促す第1の指示を行う第1指示手段と、
前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の実行に際して、前記入賞口に対する遊技球の入球または前記所定の領域への遊技球の通過を促す第2の指示を行い、前記第2特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技の実行に際して当該第2の指示を行わない第2指示手段と、
を備え、
前記第2指示手段は、前記第1特別遊技における前記所定回数目のラウンド遊技において前記入賞口が長時間にわたって前記第2の態様になる前に前記第2の指示を開始し、当該所定回数目のラウンド遊技において前記所定の領域に遊技球が通過すると当該第2の指示を終了することを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-05-31 
結審通知日 2016-06-02 
審決日 2016-06-14 
出願番号 特願2013-217762(P2013-217762)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 池谷 香次郎  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 本郷 徹
清藤 弘晃
登録日 2015-04-17 
登録番号 特許第5730370号(P5730370)
発明の名称 遊技機  
代理人 伊與田 幸穂  
代理人 古部 次郎  
代理人 古部 次郎  
代理人 伊與田 幸穂  
代理人 尾形 文雄  
代理人 尾形 文雄  

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