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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A61L
管理番号 1320871
審判番号 不服2015-5680  
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-03-25 
確定日 2016-10-26 
事件の表示 特願2011-552970「血液適合性表面を創出するためのポリマー」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 9月10日国際公開、WO2010/101722、平成24年 8月30日国内公表、特表2012-519540〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年2月19日(パリ条約による優先権主張 2009年3月3日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする特許出願であって、平成23年10月4日に手続補正書が提出され、平成26年3月6日付けで拒絶理由が通知され、同年6月9日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月6日付けで拒絶査定され、平成27年3月25日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年5月28日付けで前置審査の結果が報告され、同年9月9日付けで上申書が提出されたものである。

第2 補正の却下の決定

[結論]
平成27年3月25日付け手続補正書による補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
平成27年3月25日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、特許法第17条の2第1項ただし書第4号の場合の補正であって、特許請求の範囲の請求項9について、本件補正前の

「両親媒性ジブロックコポリマーを含む埋め込み型医療デバイスであって、
前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み、
前記コポリマーは、その親水性末端又は疎水性末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされている、埋め込み型医療デバイス。」

を、

「両親媒性ジブロックコポリマーを含む埋め込み型医療デバイスであって、
前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み、
前記コポリマーは、前記親水性ポリマーブロックの末端又は前記疎水性ポリマーブロックの末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされており、
前記親水性ポリマーブロックが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)(PVP-co-VA)、プルロニックポリマー及びこれらの組合せを含み、
前記疎水性ポリマーブロックが、ポリラクチド(PLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリ(e-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリカーボネート、パリレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリウレタン尿素(PUU)及びこれらの組合せを含む、埋め込み型医療デバイス。」

とする補正(以下、「本件補正事項」という。)を含むものである。

2.補正の目的
本件補正事項は、「親水性ポリマーブロック」及び「疎水性ポリマーブロック」を、それぞれ「ポリエチレングリコール(PEG)・・・これらの組合せを含み」及び「ポリラクチド(PLA)・・・及びこれらの組合せを含む」とする補正を含むものであるが、これは、本件補正前の請求項9に係る発明の発明特定事項である「親水性ポリマーブロック」及び「疎水性ポリマーブロック」を、それぞれ「ポリエチレングリコール(PEG)・・・これらの組合せを含み」及び「ポリラクチド(PLA)・・・及びこれらの組合せを含む」ものに限定するものであって、本件補正前の請求項9に記載された発明と本件補正後の請求項9に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項である「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

3.独立特許要件
本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の場合に該当するから、同条第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合しているか否かを検討する。
(1)本願補正発明
本件補正後の請求項9に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は次のとおりである。

「両親媒性ジブロックコポリマーを含む埋め込み型医療デバイスであって、
前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み、
前記コポリマーは、前記親水性ポリマーブロックの末端又は前記疎水性ポリマーブロックの末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされており、
前記親水性ポリマーブロックが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)(PVP-co-VA)、プルロニックポリマー及びこれらの組合せを含み、
前記疎水性ポリマーブロックが、ポリラクチド(PLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリ(e-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリカーボネート、パリレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリウレタン尿素(PUU)及びこれらの組合せを含む、埋め込み型医療デバイス。」

(2)引用刊行物及びその記載事項
本願の出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物であることが明らかな刊行物(原査定の引用文献1)である特表2007-530733号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付した。)

ア.「【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体分解性又は非分解性ポリマーとコリン又はリン脂質成分とを含む、生体分解性又は非分解性ポリマー骨格を有する生体適合性ポリマー。
【請求項2】
前記リン脂質成分が、ホスホリルコリン、ホスホリルセリン、ホスホリルイノシトール、ジホスホリルグリセロール、双性イオンホスホリルエタノールアミンとその組合せからなる群から選択される成分を含む請求項1に記載の生体適合性ポリマー。
・・・
【請求項21】
請求項1に記載の生体適合性ポリマーを含むコーティングを含む埋め込み型デバイス。
【請求項22】
請求項2に記載の生体適合性ポリマーを含むコーティングを含む埋め込み型デバイス。
・・・」

イ.「【0001】
本発明は、概して薬剤溶出ステントのような埋め込み型デバイスにコーティングするのに有用なホスホリルコリンのような少なくとも1つのリン脂質を含む組成物に関する。」

ウ.「【0018】
(生体適合性ポリマー)
一実施形態において、リン脂質成分を含むコポリマーを作製するのに有用な生体適合性ポリマーは生体分解性ポリマーであり、これは当該技術分野において公知の任意の生体分解性ポリマーであり得る。代表的な生体分解性ポリマーは、これらに限定されるわけではないが、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、アルキル;アミノ酸;PEG及び/又はアルコール基を任意で含有し得るポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PEG)ブロックコポリマー、ポリ(D,L-ラクチド-co-トリメチレンカーボネート)、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸-co-トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカーボネート、ポリウレタン、コポリ(エーテル-エステル)(例えばPEO/PLA)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA-PEGとその組合せを含む。PHAはポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(β-ヒドロキシ酸)、例えばポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB);ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-バレレート)(PHBV);ポリ(3-ヒドロキシプロプリオネート)(PHP);ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHH)又はポリ(4-ヒドロキシ酸)、例えばポリポリ(4-ヒドロキシブチレート);ポリ(4-ヒドロキシバレレート);ポリ(4-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(チロシンカーボネート)、ポリ(チロシンアリレート)を含み得る。」

エ.「【0025】
(リン脂質を含むコポリマーを作製する方法)
本明細書に記載するコポリマーは、リン脂質成分をポリマーに導入することにより合成することができる。リン脂質成分は、例えばヒドロキシル基、アミノ基、ハロ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)であり得る反応性官能基を介してポリマーに導入することができる。或いは、リン脂質成分はオキシランのようなモノマーに導入することができる。このモノマーの重合化によりリン脂質成分を担持するポリマーを生成することができる。
・・・
【0035】
リン脂質成分はリンケージの有無に関わらず、リン脂質成分と官能基との単純な結合により、反応性官能基を介してポリマーに容易に導入することができる。代表的なリンケージはポリ(エチレングリコール)などのようなスペーサーの有無に関わらず、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、チオール又は他の基であり得る。或いは、リン脂質成分は標準的有機反応を介してそのままの状態で(in situ)合成することができる(後記の実施形態を参照されたい)。
【0036】
一実施形態において、PC官能基はスキーム5に従ってヒドロキシル基を担持するポリマーに導入することができる。このポリマーは、
【化5】

と指定される反復単位を有し、エチレンクロロホスフェートのような作用剤と反応させられ、ポリマーのエチレンホスフェート誘導体を形成する。このエチレンホスフェート官能基は、約60℃のような温度にてトリメチルアミンのようなアミンと反応し、PC官能基を生成することができる(スキーム5)。
【0037】
【化6】

【0038】
リン脂質成分を担持するモノマーは、当該技術分野で公知の手段、例えば触媒重合、化学反応又は遊離基重合により、リン脂質成分の有無に関わらず、単独で或いは他のコモノマーと重合し、リン脂質成分を担持するそれぞれのポリマーを形成することができる。例えば、ホスホリルコリン官能基を担持するオレフィンモノマーであるMPCは、遊離基重合により単独で或いは1つ以上の他のコモノマーと容易に重合し、ホスホリルコリン成分を担持するポリマーを形成することができる。」

(3)刊行物に記載された発明
刊行物1には、摘示アからみて、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「生体分解性ポリマーとホスホリルコリンとを含む、生体分解性ポリマー骨格を有する生体適合性ポリマーを含むコーティングを含む埋め込み型デバイス。」

(4)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「生体適合性ポリマー」と本願補正発明の「両親媒性ジブロックコポリマー」とは、「生体適合性ポリマー」であり、「生体適合性ポリマーは、ホスホリルコリン部分を含む」点で共通する。
また、本願明細書の【0023】でホスホリルコリン部分でキャッピングされた両親媒性ジブロックコポリマーを薬物溶出性ステント等の埋め込み型デバイスに対するコーティングとして使用することができると記載されていること、及び、刊行物1の摘示イで薬物溶出性ステントが埋め込み型デバイスとして記載されていることからみて、引用発明の「コーティングを含む埋め込み型デバイス」が、本願補正発明の「埋め込み型医療デバイス」に相当する。
そうすると、本願補正発明と引用発明とは、
「生体適合性ポリマーを含む埋め込み型医療デバイスであって、
前記生体適合性ポリマーは、ホスホリルコリン部分を含む、埋め込み型医療デバイス。」
の点で一致し、以下の点で一応相違する。

相違点1:
「生体適合性ポリマー」について、前者は「両親媒性ジブロックコポリマーを含」み、「前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み」、「前記親水性ポリマーブロックが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(ビニルピロリドン-co-酢酸ビニル)(PVP-co-VA)、プルロニックポリマー及びこれらの組合せを含み、前記疎水性ポリマーブロックが、ポリラクチド(PLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリ(e-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリカーボネート、パリレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリウレタン尿素(PUU)及びこれらの組合せを含む」と特定しているのに対し、後者は「生体分解性ポリマー・・・を含む、生体分解性ポリマー骨格を有する生体適合性ポリマー」であると特定している点

相違点2:
前者は(両親媒性ジブロックコポリマーである)「前記コポリマーは、前記親水性ポリマーブロックの末端又は前記疎水性ポリマーブロックの末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされて」いると特定しているのに対し、後者は「生体分解性ポリマーとホスホリルコリンとを含む、生体分解性ポリマー骨格を有する生体適合性ポリマー」であると特定している点

(5)判断
上記相違点について検討する。
ア.相違点1
引用発明の生体適合性ポリマーに含まれる生体分解性ポリマーには、「ポリ(D,L-ラクチド-co-PEG)ブロックコポリマー」が含まれ(摘示ウ参照。)、当該「ポリ(D,L-ラクチド-co-PEG)ブロックコポリマー」は、「ポリ(・・・PEG)ブロック」と、「ポリ(D,L-ラクチド・・・)ブロック」とを含むから、本願補正発明でいう「ジブロックコポリマー」といえる。
そして、上記「ポリ(・・・PEG)ブロック」は、本願補正発明の「両親媒性ジブロックコポリマー」に含まれる「ポリエチレングリコール(PEG)」を含む「親水性ポリマーブロック」に相当し、また、上記「ポリ(D,L-ラクチド・・・)ブロック」は、本願補正発明の「両親媒性ジブロックコポリマー」に含まれる「ポリラクチド(PLA)」を含む「疎水性ポリマーブロック」に相当する。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「両親媒性ジブロックコポリマーを含」み、「前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み」、「前記親水性ポリマーブロックが、ポリエチレングリコール(PEG)・・・を含み、前記疎水性ポリマーブロックが、ポリラクチド(PLA)・・・を含む」 という特定を実質的に満たしている。
よって、相違点1は実質的には相違点ではない。

イ.相違点2
刊行物1記載の「ポリ(D,L-ラクチド-co-PEG)ブロックコポリマー」自体(ホスホリルコリンを導入する前のもの)は、「ポリ(・・・PEG)ブロック」部分の末端にヒドロキシル基を有するものであることは技術常識である。
そして、刊行物1の摘示エには、リン脂質成分(すなわちホスホリルコリン)が、反応性官能基であるヒドロキシル基を介してコポリマーに導入されることが記載されている。
そうすると、引用発明の生体適合性ポリマーは、生体適合性ポリマーに含まれる「ポリ(D,L-ラクチド-co-PEG)ブロックコポリマー」の「ポリ(・・・PEG)ブロック」の末端に、反応性官能基であるヒドロキシル基を介して、ホスホリルコリンが導入されている態様、すなわち生体適合性ポリマーに含まれる「ポリ(D,L-ラクチド-co-PEG)ブロックコポリマー」の「ポリ(・・・PEG)ブロック」(本願補正発明の「ポリエチレングリコール(PEG)」を含む「親水性ポリマーブロック」に相当する。)の末端がホスホリルコリンでキャッピングされている態様を包含している。
そうであれば、引用発明は、本願補正発明の「前記コポリマーは、前記親水性ポリマーブロックの末端又は前記疎水性ポリマーブロックの末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされて」いるという特定を実質的に満たしている。
よって、相違点2は実質的には相違点ではない。

(6)まとめ
そうすると、本願補正発明は、引用発明と相違する点が実質的に存在せず、刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。
したがって、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

4.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項の規定に違反しているものと認められるので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
1.本願発明
上記第2で結論したとおり平成27年3月25日付け手続補正書による補正は却下されたので、本願に係る発明は平成26年6月9日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?19にそれぞれ記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項9に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「両親媒性ジブロックコポリマーを含む埋め込み型医療デバイスであって、
前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み、
前記コポリマーは、その親水性末端又は疎水性末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされている、埋め込み型医療デバイス。」

2.引用刊行物及びその記載事項
原査定において引用され、本願出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物は、上記「第2 3(2)」における刊行物1であり、当該刊行物1には上記「第2 3(2)」で摘示したア?エの事項が記載されている。

3.刊行物に記載された発明
刊行物1には、上記「第2 3(3)」で認定した引用発明が記載されている。

4.対比・判断
本願発明の「前記コポリマーは、その親水性末端又は疎水性末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされている」という特定は、「前記コポリマー」の前に「前記両親媒性ジブロックコポリマーが、親水性ポリマーブロックと、疎水性ポリマーブロックと、を含み」と記載されていることから、「前記コポリマーは、その親水性ポリマーブロック末端又は疎水性ポリマーブロック末端がホスホリルコリン部分によってキャッピングされている」ことを意味すると解されるから、本願発明は、前記「第2 3(4)」で検討した本願補正発明に対し、「親水性ポリマーブロック」及び「疎水性ポリマーブロック」に含まれるポリマーの種類を限定していないものである。
そうすると、本願発明の特定をすべて含み、かつ、その特定の一部をさらに限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 3(5)」及び「第2 3(6)」に記載したとおり、刊行物1に記載された発明であるから、本願発明も同様の理由により、刊行物1に記載された発明である。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項に係る発明についての判断を示すまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-05-25 
結審通知日 2016-05-31 
審決日 2016-06-14 
出願番号 特願2011-552970(P2011-552970)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (A61L)
P 1 8・ 575- Z (A61L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 牧野 晃久関 景輔  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 小久保 勝伊
関 美祝
発明の名称 血液適合性表面を創出するためのポリマー  
代理人 木元 克輔  
代理人 池田 成人  
代理人 城戸 博兒  
代理人 池田 正人  
代理人 三上 敬史  
代理人 清水 義憲  
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