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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1320877
審判番号 不服2015-10897  
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-09 
確定日 2016-10-26 
事件の表示 特願2014- 4076「位置決定基準信号送信方法、位置決定基準信号送信装置、データ送信方法、データ送信装置、データ受信方法及びデータ受信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 4月10日出願公開、特開2014- 64331〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯

本件特許出願は、平成21年12月29日(パリ条約による優先権主張 平成21年10月29日 中国)を国際出願日とする特願2012-535584号の一部を平成26年1月14日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成26年 1月14日 :上申書の提出
平成26年 7月22日付け:拒絶理由の通知
平成26年10月29日 :意見書の提出
平成27年 2月 6日付け:拒絶査定
平成27年 6月 9日 :審判請求書の提出
平成28年 2月 5日付け:当審にて拒絶理由の通知
平成28年 5月 9日 :意見書の提出


第2.本件発明について

本件特許出願の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、出願当初(平成26年1月14日)の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものと認める。

「非MBSFNサブフレームにおいて、システムが、ノーマルサイクリックプレフィックスを用い、且つシステム帯域幅が、リソースブロック10個以下であり、且つ前記サブフレームで位置決定基準信号(Position Reference Signal:PRS)を送信する場合、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical downlink control channel:PDCCH)によって搬送されるデータを、サブフレームに含まれる最初のn個のOFDMシンボル上で送信し、n=2又は3である
データ送信方法。」


第3.引用文献

1.これに対して、当審において平成28年2月5日付けで通知した拒絶理由にて引用した、「Huawei,PRS in MBSFN subframe,3GPP TSG-RAN WG1#58 R1-093025,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58/Docs/R1-093025.zip>,2009年8月18日」(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(なお、下線部は当審にて付与した。)

(ア)「2 Analysis of PRS pattern in the MBSFN subframe
During the last meeting, the PRS patterns in the normal subframe have been discussed and agreed as following:


According to the discussion, the PRS patterns in the MBSFN subframe have the same pattern as that in the normal subframe. However, different companies still have different understanding of the exact PRS pattern in MBSFN subframes. The PDCCH and PRS need to be transmitted in the MBSFN subframe used for positioning while the MBSFN reference signals are not transmitted. In order to define the PRS patterns in the MBSFN subframe, the following questions need to be clarified first.」(第1頁)

(仮訳:2 MBSFNサブフレームにおけるPRSパターンの分析
前回の会議の中でノーマルサブフレームにおけるPRSパターンが議論され、以下の様に合意された。
議論によると、MBSFNサブフレームにおけるPRSパターンはノーマルサブフレームのそれと同じパターンを備えている。しかしながら、企業間において、MBSFNサブフレームにおける正確なPRSパターンについて異なった理解がいまだになされている。MBSFN参照信号が送信されない間において、PDCCHとPRSはポジショニングのために用いられるMBSFNサブフレームにおいて送信されなければならない。MBSFNサブフレームにおけるPRSパターンを定義するため、以下の疑問については最初に明確化されなければならない。)

(イ)更に、Figure 1 の左側の図には、以下の事項が記載されている。
Figure 1 の左側の図に示されるノーマルサブフレームを用いてデータを送信する動作主体は、例えば、eNB等の基地局であることは、特に明記されていなくても当業者にとっては自明の事項であり、Figure 1 の左側の図の最初の3つのOFDMシンボルは、PDCCH/PCFICH/PHICHの送信のために用いることは、下記(ウ)の記載より明らかであるから、Figure 1 の左側の図には、「ノーマルサブフレームにおいて、eNB等の基地局が、Normal CPを用い、且つ前記ノーマルサブフレームでPRSを送信する場合、PDCCHによって搬送されるデータは、前記ノーマルサブフレームに含まれる最初の3つのOFDMシンボル上で送信する、というデータ送信の方法。」が記載されている。

(ウ)「Maximum number of OFDM symbols used for transmitting PDCCH in MBSFN positioning subframe?

It was agreed that the PRS in the MBSFN subframe has the same pattern as that in the normal subframe. In the normal subframe, maximum three OFDM symbols can be used for the transmission of PDCCH/PCFICH/PHICH; but for the MBSFN subframe allocated for MBSFN transmissions, the maximum number for PDCCH/PCFICH/PHICH is two. Considering the backward compatibility with the LTE R8 mobiles, maximum two OFDM symbols used in MBSFN subframe allocated for positioning transmissions is reasonable.」(第1?2頁)

(仮訳:MBSFNポジショニングサブフレームにおいてPDCCHを送信するために用いられるOFDMシンボルの最大数
MBSFNサブフレームにおけるPRSパターンはノーマルサブフレームのそれと同じであることが合意された。ノーマルサブフレームにおいて、最大3つのOFDMシンボルがPDCCH/PCFICH/PHICHの送信のために用いることができる。MBSFN送信のために配置されたMBSFNサブフレームがなかったら、PDCCH/PCFICH/PHICHの送信のために用いられることができるOFDMシンボルの最大数は2つである。LTEリリース8のモバイルとの互換性を考慮すると、ポジショニング送信のために配置されたMBSFNサブフレームにて用いられるOFDMシンボルは最大2つが合理的である。」

上記(ア)?(ウ)の記載から引用文献1には、

「ノーマルサブフレームにおいて、eNB等の基地局が、Normal CPを用い、且つ前記ノーマルサブフレームでPRSを送信する場合、PDCCHによって搬送されるデータは、前記ノーマルサブフレームに含まれる最初の最大3つのOFDMシンボル上で送信する、というデータ送信の方法。」(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。


2.また、当審において平成28年2月5日付けで通知した拒絶理由にて引用した、「Ericsson,Editorial corrections to 36.211,3GPP TSG-RAN1 Meeting #58bis R1-094330,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58b/Docs/R1-094330.zip>,2009年10月16日」(以下、「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。

(エ)「6.7 Physical control format indicator channel
The physical control format indicator channel carries information about the number of OFDM symbols used for transmission of PDCCHs in a subframe. The set of OFDM symbols possible to use for PDCCH in a subframe is given by Table 6.7-1.」(第51頁)



(仮訳:6.7 物理制御フォーマットインジケータチャネル
物理制御フォーマットインジケータチャネルはサブフレームにおけるPDCCHの送信のために用いられるOFDMシンボルの数についての情報を搬送する。サブフレームにおいてPDCCHのために使用可能なOFDMシンボルのセットは表6.7-1に示されている。)


3.さらに、当審において平成28年2月5日付けで通知した拒絶理由にて引用した、国際公開2009/118097号(以下、「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。(なお、仮訳は対応する国内出願である特表2011-517889号公報を用いた。そして、下線部は当審にて付与した。)

(オ)「Details on Resource Block allocation signaling in LTE/SAE for Downlink

・・・前段省略・・・

PDCCHs with the resource allocation field of which is indicating a type 0 and type 1 resource allocation have the same format (e.g. formats 1 or 2) and are distinguished from each other via the type field. For system bandwidth less than or equal to 10 Physical Resource Blocks (PRBs) the resource allocation field in each PDCCH contains only information of the actual resource allocation in terms of a bitmap (allocation type 0). ・・・途中省略・・・・ In resource allocations of type 0, a bitmap indicates the resource block groups that are allocated to the scheduled UE. The size of the group is a function of the system bandwidth that is shown in table 3 below (which is a copy of Table 7.1.1-1 in 3GPP TR 36.213):」(第9頁第7行?第18行)



(仮訳:LTE/SAEにおける下りのリソースブロック割り当てのシグナリングの詳細

・・・前段省略・・・

リソース割り当てフィールドがタイプ0およびタイプ1のリソース割り当てを示しているPDCCHは、同じフォーマット(例:フォーマット1、フォーマット2)を有し、タイプフィールドによって互いに区別される。システム帯域幅の物理リソースブロック(PRB)が10個以下である場合、各PDCCHにおけるリソース割り当てフィールドは、ビットマップで表した実際のリソース割り当ての情報のみを含んでいる(割り当てタイプ0)。 ・・・途中省略・・・ タイプ0のリソース割り当てにおいては、ビットマップは、スケジューリング対象のUEに割り当てられているリソースブロックグループを示す。グループのサイズはシステム帯域幅の関数であり、次の表3はこの関係を示している(この表は非特許文献8の表7.1.1-1のコピーである)。)




第4.本件発明と引用発明の対比

1.引用文献1においては、「ノーマルサブフレーム」と「MBSFNサブフレーム」とは明確に異なったサブフレームであるので、引用発明の「ノーマルサブフレーム」は、本件発明でいうところの『非MBSFNサブフレーム』に対応するものといえる。

2.引用発明に係る「eNB等の基地局」はノーマルサブフレームにおいてデータを送信する送信側システムであることは明らかであるので、引用発明の「eNB等の基地局」は、本件発明でいうところの『システム』に対応する。

3.引用発明の「Normal CP」、「PRS」、「PDCCH」は、それぞれ、本件発明でいうところの『ノーマルサイクリックプレフィックス』、『位置決定基準信号(Position Reference Signal:PRS)』、『物理ダウンリンク制御チャネル(Physical downlink control channel:PDCCH)』に相当することは明らかである。

上記1.?3.の事項を踏まえると、本件発明と引用発明とは、

「非MBSFNサブフレームにおいて、システムが、ノーマルサイクリックプレフィックスを用い、且つ前記サブフレームで位置決定基準信号(Position Reference Signal:PRS)を送信する場合、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical downlink control channel:PDCCH)によって搬送されるデータを、サブフレームに含まれる最初の3個のOFDMシンボル上で送信する
データ送信方法。」

で一致し、下記の点で相違する。

[相違点1]
引用発明には、本件発明に係る『システム帯域幅が、リソースブロック10個以下であり』との条件に関する事項がない点。

[相違点2]
本件発明においては、『(物理ダウンリンク制御チャネル(Physical downlink control channel:PDCCH)によって搬送されるデータを、)サブフレームに含まれる最初のn個のOFDMシンボル上で送信し、n=2又は3である』とされているのに対し、引用発明においては、「(物理ダウンリンク制御チャネル(Physical downlink control channel:PDCCH)によって搬送されるデータを、)サブフレームに含まれる最初の3個のOFDMシンボル上で送信する」となっており、OFDMシンボルの数の選択肢として『2』が明示されていない点。


第5.当審の判断

上記相違点について検討する。

●[相違点1]について
引用文献2の「表6.7-1」や引用文献3の「表3」に開示されている様に、OFDMシンボルを含むサブフレームでデータを送信する技術やLTE技術において、リソースブロック10個以下のシステム帯域幅を自体は周知であり、引用発明をOFDMシンボルを含むサブフレームでデータを送信する技術やLTE技術において周知のシステム帯域幅に適用することは当業者であれば容易になし得るものと認められ、また、その適用について阻害要因があるとの合理的な理由があるともいえない。

●[相違点2]について
引用発明は「PDCCHによって搬送されるデータは、前記ノーマルサブフレームに含まれる最初の最大3つのOFDMシンボル上で送信する」のであり、OFDMシンボルの数として「3未満」のものを排除するものではない。
してみると、引用発明において、「PDCCHによって搬送されるデータをノーマルサブフレームに含まれる最初の2つのOFDMシンボル上で送信する」との様に変更することは、当業者が必要に応じて適宜なし得る設計的事項と認められる。

したがって、本件発明は、引用発明に引用文献2及び引用文献3に記載された周知の事項を組み合わせることで、当業者が容易に発明をすることができたものである。

そして、本件発明のように構成したことによる効果も引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された事項から予測できる範囲のものである。


第6.平成28年5月9日提出の意見書の主張について

1.審判請求人は、平成28年2月5日付け拒絶理由通知書に対する平成28年5月9日提出の意見書において、概略、以下の様に主張している。(「a」、「b」・・等の記号は便宜上、当審にて付与した。)

「(2)本願発明が特許されるべき理由

(a)引用文献1には、MBSFNサブフレームにおいて、PDCCHによって搬送されるデータが、サブフレームに含まれて最初の2個のOFDMシンボル上で送信されること(引用文献1の「Figure3」参照)が記載されています。つまり引用文献には、MBSFNサブフレームのPDCCHのデータが搬送される例が示されています。

・・・途中省略・・・

(b)しかしながら、引用文献1の記載によれば、MBSFNサブフレームの最初の2個のOFDMシンボル上でPDCCHのデータを送信する例を示して、MBSFNによって搬送されるサービスが、マルチキャストサービスであり、非MBSFNサブフレームによって搬送されるサービスが、ユニキャストサービスであります。本願の請求項1のPDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲は、2個であります。引用文献1の図1には、サブフレームの3個のOFDMシンボルによってPDCCHのデータを搬送しますが、搬送される例のみ示され、PDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲は、1個であり、本願の請求項1におけるPDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲とは相違します。

(c)また、引用文献1の記載によれば、ノーマルサブフレームにおいて、最大3つのOFDMシンボルは、PDCCH/PCFICH/PHICHの伝送のために使用することができます。ノーマルサブフレームには、PDCCH/PCFICH/PHICHのデータを伝送するOFDMシンボルがセットアップされていますが、これは、PDCCH/PCFICH/PHICHのデータを伝送するOFDMシンボルがサブフレームの最初の3個のOFDMシンボルであることを意味するものではありません。

(d)本願の請求項1は、システム帯域幅がリソースブロック10個以下であり、且つサブフレームでPRSを送信する場合、4番目以上のOFDMシンボル上でPDCCHによって搬送されるデータを送信することができなく、すなわち、4番目のOFDMシンボル上でPDCCHのデータを送信することができません。引用文献2の「Table6.7-1」には、本願の請求項1の実行条件である「サブフレームでPRSとPDCCHのデータを送信する場合」が記載されておらず、4番目のOFDMシンボル上でPDCCHのデータを送信することができます。
本願の請求項1は、従来の技術でPDCCHのデータを送信するOFDMシンボルに対して限定することにより、PDCCHとPRSとが衝突する課題を解決します。しかしながら、引用文献2には、PDCCHを送信するOFDMシンボルに対して限定しないため、PDCCHとPRSとが衝突する課題を解決することができません。
また、本願の出願当初の明細書における「発明が解決しようとする課題」(段落0005参照)には、非MBSFNサブフレームにおいて、ダウンリンク帯域幅がリソースブロック10個以下である場合、nの値は、2、3又は4であり、物理ダウンリンク制御チャネルが、サブフレームに含まれる最初の4個のOFDMシンボル上で送信される場合、物理ダウンリンク制御チャンネルによって搬送されるデータが、4番目のOFDMシンボル上で、PRSと衝突することが記載されます。すなわち、本願の出願当初の明細書の「発明が解決しようとする課題」には、ダウンリンク帯域幅がリソースブロック10個以下である場合、nの値は、2、3又は4であることが記載されており、これは、引用文献2の「6.7 Physical control format indicator channel」の「Table6.7-1」の「All other cases」と同じ内容です。しかしながら、引用文献2のPDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲は3個であるのに対し、本願の請求項1のPDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲は2個であります。
本願の請求項1は、システム帯域幅がリソースブロック10個以下であり、且つサブフレームでPRSを送信する場合、4番目以上のOFDMシンボル上でPDCCHによって搬送されるデータを送信することができなく、すなわち、4番目のOFDMシンボル上でPDCCHのデータを送信することができません。引用文献2の「Table6.7-1」には、本願の請求項1の実行条件である「サブフレームでPRSとPDCCHのデータを送信する場合」が記載されておらず、4番目のOFDMシンボル上でPDCCHのデータを送信することができます。これは、本願の請求項1と全く相違する点である。

(e)引用文献3には、システム帯域幅が物理リソースブロック(PRB)の10個以下である場合、各PDCCHにおけるリソース割り当てフィールドは、ビットマップで表した実際のリソース割り当ての情報のみを含んでいることが記載されていますが、PDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲については記載されません。
以上のように、引用文献1-3には、上記した本願の請求項1の技術的特徴である「システム帯域幅がリソースブロック10個以下である場合、1番目、2番目のOFDMシンボルでPDCCHによって搬送されるデータを送信し、あるいは、システム帯域幅がリソースブロック10個以下である場合、1番目、2番目、3番目のOFDMシンボルでPDCCHによって搬送されるデータを送信する」、「非MBSFNサブフレームにおいて」、「且つ前記サブフレームでPRSを送信する場合」については、記載されていません。
したがって、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1-3に基づいて当業者が容易に発明できたものではありません。」

2.審判請求人の上記主張について検討する。
(a)について、審判請求人は引用文献1の「Figure3」を基に主張しているが、拒絶理由及び審決は、引用文献1の「Figure1の左側の図」を根拠にした拒絶理由を展開しているのであり、審判請求人の主張は当を得るものではない。

(b)については、一部において引用文献1の図1を基に「引用文献1の図1には、サブフレームの3個のOFDMシンボルによってPDCCHのデータを搬送しますが、搬送される例のみ示され、PDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲は、1個であり、本願の請求項1におけるPDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲とは相違します。」と主張しているが、審判請求人も認めている様に「引用文献1の図1には、サブフレームの3個のOFDMシンボルによってPDCCHのデータを搬送」するのであるから、「本願の請求項1におけるPDCCHのデータを搬送するOFDMシンボルの範囲とは相違します。」との主張は失当である。

(c)については、引用文献1の「Figure1の左側の図」から明らかな様に、「PDCCH/PCFICH/PHICHのデータを伝送するOFDMシンボルがサブフレームの最初の3個のOFDMシンボルである」と認められるので採用は出来ない。

(d)及び(e)については、拒絶理由及び審決において引用文献2及び引用文献3は、システム帯域幅が周知のものであることを示すために引用したものであり、引用文献2及び引用文献3に本願の請求項1に係る発明の主要な構成が開示されていないとする審判請求人の主張を採用することは出来ない。

以上のとおりであるから、審判請求人の主張は採用できない。


第7.むすび

以上のとおり、本件発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-05-30 
結審通知日 2016-05-31 
審決日 2016-06-14 
出願番号 特願2014-4076(P2014-4076)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 紀之高野 洋  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 佐藤 智康
山本 章裕
発明の名称 位置決定基準信号送信方法、位置決定基準信号送信装置、データ送信方法、データ送信装置、データ受信方法及びデータ受信装置  
代理人 中村 哲平  
代理人 金子 彩子  
代理人 折居 章  
代理人 大森 純一  
代理人 金山 慎太郎  
代理人 吉田 望  

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