• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A47L
管理番号 1321077
審判番号 不服2014-25435  
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-12-12 
確定日 2016-10-31 
事件の表示 特願2013-193419「移動式清掃ロボット」拒絶査定不服審判事件〔平成26年4月3日出願公開、特開2014-57863〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2006年(平成18年)12月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年(平成17年)12月2日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2008-543547号の一部を新たな特許出願とした、特願2012-46045号の出願の一部を平成25年9月18日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成25年 9月18日 特許出願及び出願審査の請求
同年11月 6日 翻訳文及び上申書の提出
同年12月24日 手続補正書及び上申書の提出
平成26年 1月24日付け 拒絶理由の通知
同年 5月26日 手続補正書及び意見書の提出
同年 8月14日付け 拒絶査定
同年12月12日 拒絶査定不服審判の請求及び
それと同時に手続補正書の提出
平成27年 7月 7日 上申書の提出
同年 9月 2日 上申書の提出
平成28年 1月14日付け 当審合議体からの拒絶理由の通知
同年 5月13日 手続補正書及び意見書の提出


第2 本願発明
本願の請求項1?7に係る発明は、平成28年5月13日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
移動式清掃ロボットであって、
略円筒形のハウジングと、
床面上で該ロボットを動かすための駆動システムと、
前記床面上を清掃するための清掃部と、
可聴コンテンツを再生するためのスピーカと、
障害物との衝突を検出する衝突センサと、を備え、
清掃作業中に前記衝突センサが前記ロボットの衝突を検出すると、該検出に呼応して、前記ロボットの衝突に対応した可聴コンテンツを前記スピーカで再生するよう構成された、移動式清掃ロボット。」


第3 当審合議体からの拒絶理由通知
当審が平成28年1月14日付けで通知した拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
本件出願の請求項1?7に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開平3-162814号公報
2.特開2000-135186号公報
3.特開2005-296512号公報
4.特開2005-192988号公報
5.実願平2-130880号(実開平4-83393号)のマイクロフィルム
6.特開平10-113318号公報
7.特開2000-342496号公報


第4 刊行物
1.当審が通知した上記拒絶の理由で引用した特開平3-162814号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は理解の便のため、当審で付与した。)。

ア 第2頁「産業上の利用分野」
「この発明は住宅等の建築物の屋内や、平面域を有する屋外構造物等で使用され、空気を吸込むためのファン及びそのファンを駆動するモータを内蔵した主体を床上に移動させて掃除を行う掃除機に関するものである。」

イ 第5頁右上欄第19行目?右下欄第12行目
「更にこの他の発明によれば主体に床面上を動力走行する駆動および操舵機構が設けられた掃除機において、少くとも下記の何れか一つの電子式手動制御機構を有する。……
(c) 受信部のセンサーが机・椅子等で妨害されないように主体に対し十分な高さで設置された機構。
先きの発明の床面用で主体が移動自在とされ、ダストの吸取りを容易としかつコードレスとしたものに、動力走行機構を設けるとともに、走行駆動・操舵や掃除機機能の制御回路を設け、更にコンピュータを内蔵し、予め人間が手動により制御し特定領域を掃除し、その時の各制御回路の制御シーケンスや必要に応じて位置センサ出力を、時間、および/または走行距離の函数として記憶した学習プログラムを人間の始動によって実行し、最初の掃除行動を自動的に繰り返すように構成されている。
掃除実行中に学習したプログラムにない障害物との接触(センサ、又はモータ電流より)により、その時点で停止すると共に走行及び/又は掃除機能を中断し、音・光等によりアラームを発生する。障害物を除去後、再スタート・スイッチを作動することにより、自動走行・掃除の実行を再開する。」

ウ 第6頁「実施例」、第6頁左上欄第8行目?右上欄第12行目
「第1図はこの発明を床面用掃除機に適用した実施例を示し、……。主体11内にはファン13、モータ14、ダストフィルタ18が設けられ、主体11は車輪12により床面上を移動自在とされている。この例では床面用であるため、主体11の底面の前方部に床面用吸気口17が半円筒状に開口され、その中心部が吸込気管16でフィルタ18の吸込側に連結されている。……。
……ダストを被掃除体から遊離させる。一度遊離して気流中に入ったダストは吸気口17より容易に吸込まれてフィルタ18に導びかれる。」

エ 第11頁左上欄第1?8行目
「 二回目以降、椅子移動や、小物物品の放置等により、初回のシーケンス走行途中走行障害物に衝突することがあり得る。この時は、予め主体に接触センサを設けておくか、走行の中断や方向の変化や、モータ電流変化等から接触を検出し、直ちに制御プログラム・シーケンスを止め、走行駆動や掃除機能を停止し、音又は光等でアラームを発し、人間の補助を求めるようにする。」

オ 第13頁右下欄第14?16行目
「更に上記の諸効果により、掃除ロボットの実現が可能となり、認識技術の進展とともに実用化に近づけ得る効果がある。」

カ 清掃部
上記摘記事項ウには、床面用掃除機において床面用吸気口17からダストを吸込み、掃除することが記載されているから、この床面用掃除機は、床面上を清掃するための清掃部を有しているものと認められる。

キ 移動式掃除ロボット
上記摘記事項ウ及びエの記載を総合すれば、床面用掃除機は掃除ロボットであって、移動式のものであると認められる。

ク スピーカ
上記摘記事項エには音でアラームを発することが記載されており、音を発生させる際にスピーカを用いることは技術常識であるから、実質的に、アラーム音を発生させるためのスピーカが開示されていると認められる。

ケ 引用発明
上記摘記事項ア?オ及び認定事項カ?クより、刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
(引用発明)
「移動式掃除ロボットであって、
主体11と、
前記床面上で該ロボットを動かすための駆動機構と、
床面上を清掃するための清掃部と、
アラーム音を発生させるためのスピーカと、
障害物との接触を検出する接触センサと、を備え、
掃除作業中に前記接触センサが前記ロボットとの接触を検出すると、該検出に呼応して、アラーム音を前記スピーカで発生するように構成された、移動式掃除ロボット。」


2.当審が通知した上記拒絶の理由で引用した特開2000-135186号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は理解の便のため、当審で付与した。)。

ア 段落【0005】
「本発明は、上述した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたもので、部屋の所定位置に置き、スイッチを押すと、自動的に掃除を行なうという実用性があり、また人との対話による制御も可能で、さらに人と対話する置物としても利用できる掃除玩具を提供することを目的とする。」

イ 段落【0016】
「本実施の形態に係る自走対話式の掃除玩具10は、図1,2に示すように、軽量な合成樹脂製のほぼ密閉筒状をした胴体11の外部に、揺動若しくは回動可能な一対の手部12を取り付け、下部に脚部13……を設け、胴体11の外部を、動物あるいは人形等の形状をした縫いぐるみ15により覆うとともに、この胴体11の内部に掃除機20(図3参照)を組み込み、常時は可愛い置物や、手足を動かしつつ対話する玩具として使用し、場合によっては自走しつつ掃除を行なう実用性のある掃除用ロボットとして使用するものである。」

ウ 段落【0029】
「音声合成部57で合成された応答メッセージの音声をアンプ58で増幅した後にスピーカ59より出力するようにしている。」

エ 段落【0059】
「音声のみに限定されるものではなく、英語による音声や他の言葉等種々の音声を出力することができることはいうまでもない。」

オ 段落【0073】
「人の音声入力に対して所定の応答メッセージを出力するようにしたので、指令に対して応答する楽しい掃除玩具が構成でき、また、特定の者による指令にしか応答しない掃除玩具とすることもできるが、このようにすれば、所有者の独占欲が満たされ、掃除玩具のおもちゃとしての可愛らしさを助長することができる。」

カ 段落【0076】
「マグネットと磁気感応センサーからの信号に基づいて操舵角、走行距離を決定し、予め設定された掃除パターンに沿って走行するようにしたので、完全自動で部屋を掃除する実用性のある掃除玩具が提供できる。」

3.当審が通知した上記拒絶の理由で引用した特開2005-296512号公報(以下「刊行物3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は理解の便のため、当審で付与した。)。

ア 段落【0003】
「上述した従来の自走式掃除機において、前者のものは、光や音で感情を表現しようとしているが、一般的であって趣向性に欠ける。後者のものは、あくまでも掃除機であって、感情などを表現するようなものではなく、その機能もない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、個性的なロボットであって掃除も可能な自走式掃除機を提供することを目的とする。」

イ 段落【0006】
「このように自走式の掃除が可能であることを前提としつつも、吸引モータの回転を制御することで吸気音に変化を生じさせて感情を表現できる。また、感情表現は吸気音にとどまらず、動作でも実現する。」

ウ 段落【0008】
「感情を表現させる場合には吸引及び排気経路にアダプタを装着する。これにより、通常の吸気音とは大きく音を変化さえることができ、これを前提とした感情表現が豊かとなる。」

エ 段落【0035】
「 図10は、サイドブラシSBと、メインブラシMBの配置を平面図により示している。本体BDの中央部分を横切るようにメインブラシMBが配置されており、その前方側の左右に一対のサイドブラシSB,SBが配置されている。」

オ 段落【0077】
「 図15は、吸気音に変化を生じさせるために排気口EXに取り付けるアダプタADを指名している。排気口EXは本体BD後方側上面に短円筒形状として突出して形成されており、アダプタADは同円筒部分に装着できる短円筒部分とともに同短円筒部分から先細りとなるダクト部分を有している。ダクト部分の内部に笛のように音を発する形状を形成してあり、排気により、笛状の音を発生させることができるようになる。むろん、ダクト部分の形状を変化させることで各種の音を発生させることができ、ユーザーが複数の音色から選択して取り付けるようにしても良い。」

カ 段落【0078】
「また、ペットらしさをより強調するために、図16に示すようなぬいぐるみ状のカバーCVを装着できるようにしても良い。」

キ 図10



ク 図15



ケ 本体BDの形状
上記記載事項キ及びクには、概略平面図である図10と概略側面図である図15が図示されており、当該両図を総合すれば、本体BDの形状は略円筒形であると認められる。


4.当審が通知した上記拒絶の理由で引用した特開2005-192988号公報(以下「刊行物4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は理解の便のため、当審で付与した。)。

ア 段落【0001】
「車体を押圧する力および駆動される車輪の速度に応じてエンジン音、始動音、出発音、衝突音、ブレーキ音、アクセラレーター音のような様々な音響効果とそれによるLED光とを同時に提供する視聴覚的な効果を利用し、幼児に親近感と興味を誘発させて新奇さを提供できるようにした、フリックション作動玩具に関する。」

イ 段落【0010】
「基板15に設けられる衝撃感知センサー19の作動によって衝撃音を提供……し、視聴覚的な効果を同時に提供できるようにしたものである。」

ウ 段落【0020】
「作動玩具1が作動中に衝突した場合は、ベースフレーム17に具備された衝撃感知センサー19が作動し、該情報がプロセッサ18に伝送され、スピーカ4から衝突音が鳴らされ、またLEDは2.5秒間に亘って0.3秒の間隔で作動されるようになる。」


5.当審が通知した上記拒絶の理由で引用した実願平2-130880号(実開平4-83393号)のマイクロフィルム(以下「刊行物5」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は理解の便のため、当審で付与した。)。

ア 実用新案登録請求の範囲
「外力または自力によって所定方向に走行する乗物の玩具において、
ボディの前記所定方向側に突出した突出部を有し、前記所定方向と逆向きの外力を前記突出部で受けて、前記ボディ内方向へ移動する第1の可動体と、
前記ボディ外表部に設けられ、前記第1の可動体の前記ボディ内方向への移動に連動して可動する第2の可動体と、
予め、前記乗物の衝突音に対応した音声データが記憶され、前記第1の可動体が前記ボディ内方向へ移動したとき、前記音声データを読出して衝突音を発生させる音声発生装置とを備えたことを特徴とする乗物の玩具。」

イ 明細書第10頁第1行目?第11頁第19行目
「衝突音の4種の音を発生することが可能な音声発生装置60が配置されている。
この音声発生装置60は、第5図に示すように構成されている。……
メモリ回路62には、第6図に示すように、上位アドレスに対応した領域に、アイドリング音、走行音、ブレーキ音および衝突音の音声データが記憶されている。……
メモリ回路62から読み出された音声データは、D/A変換器65によりアナログ信号に変換され、この音声信号は、増幅器66によって増幅されてスピーカ67より出力される。」

ウ 明細書第13頁第4?16行目
「自動車を壁等に向って前方から衝突させると、この衝突の反作用で、バンパ8がボディ43内に移動する。
……この第1の可動体2の移動により、第1、第2の銅板接点22、24が接続されるため、音声発生装置60からは、衝突音が発生される。」



第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)一致点の検討
引用発明における「移動式掃除ロボット」、「主体11」、「駆動機構」は、本願発明における「移動式清掃ロボット」、「ハウジング」、「駆動システム」にそれぞれ相当する。
また、「障害物との接触」とは、「障害物との衝突」に他ならないから、引用発明における「障害物との接触を検出する接触センサ」、「前記接触センサが前記ロボットとの接触を検出する」は、本願発明における「障害物との衝突を検出する衝突センサ」、「前記衝突センサが前記ロボットの衝突を検出する」にそれぞれ相当する。
さらに、引用発明の「アラーム音を発生させるためのスピーカ」と本願発明の「可聴コンテンツを再生するためのスピーカ」とは、「音を発生するためのスピーカ」という点で共通する。

(2)一致点と相違点
よって、本願発明と引用発明との一致点、相違点は、以下のとおりである。
〔一致点〕
「移動式清掃ロボットであって、
ハウジングと、
床面上で該ロボットを動かすための駆動システムと、
前記床面上を清掃するための清掃部と、
音を発生するためのスピーカと、
障害物との衝突を検出する衝突センサと、を備え、
清掃作業中に前記衝突センサが前記ロボットの衝突を検出すると、該検出に呼応して、音を前記スピーカで発生するよう構成された、移動式清掃ロボット。」

〔相違点〕
(相違点1)
本願発明が備えるハウジングは、「略円筒形」であるのに対し、引用発明が備える主体11は、略円筒形ではない点。

(相違点2)
ロボットの衝突の検出時にスピーカで発生する音について、本願発明は、「ロボットの衝突に対応した可聴コンテンツ」を再生するのに対し、引用発明は、アラーム音を発生する点。


第6 当審の判断
上記相違点について判断する。

1.相違点1について
移動式清掃ロボットのハウジングの形状に関して、本願の優先日(平成17年12月2日)時点において様々なものが知られており、略円筒形のものも良く知られていると認められる(例えば、上記刊行物3に記載のもの(併せて、上記第4 3 ケを参照のこと)が挙げられる。他にも、特開2003-228421号公報、特開2004-195215号公報、国際公開第2005/083541号(国際公開日:2005年(平成17年)9月9日)参照のこと。) 。
そして、移動式清掃ロボットの外観であるハウジングの形状は、当業者が美感や安定走行性、設計・製造容易性等を考慮して必要に応じて適宜変更し得る事項であると認められる。よって、引用発明において、移動式清掃ロボットの外観である主体11(ハウジング)の形状について、周知の事項を考慮して、略円筒形とすることは、当業者が適宜なし得たことである。


2.相違点2について
移動式清掃ロボット(自走式掃除機)に関して、玩具にみられるようなエンタテイメント性、趣向性を取り入れ、これを向上させることは、従来適宜行われてきたことである。 例えば、刊行物2には、掃除用ロボットに掃除関連機能以外の対話機能を持たせ、可愛らしさを助長することが記載されている。他にも刊行物3には、ロボットである自走式掃除機に関して、趣向性に欠けることを課題とし、音を用いて感情表現を豊かにすることが記載されている。
そして、玩具、特に自走式の玩具に関して、障害物と衝突を検出するセンサ(検出器)を備え、衝突を検出した際に、検出に呼応して、衝突音を再生することは、周知技術である。例えば、刊行物4には、玩具に関して、衝突時に衝撃感知センサー19を作動させ、衝突音をスピーカー4で再生することが記載されている。また、刊行物5には、自力で走行する玩具に関して、 衝突時に可動体が移動すると共に、衝突音を音声発生装置60のスピーカ67で再生することが記載されている。
また、引用発明において、衝突検出時に再生する音は、利用者等の周囲の環境に対して衝突が発生したことを通知し、人間の補助を求めるためのものであるから(上記第4 1 エ参照)、人間が衝突と認識できる音である。そして、刊行物2?5に示されたように、移動式のロボット等において種々の音を発生させることが知られている以上、衝突を通知する音として、人間が衝突と認識できる音のうちでどのような音とするかは当業者が適宜選択、決定し得るものである。

以上を総合すれば、移動式清掃ロボットに関する引用発明において、エンタテイメント性、趣向性を向上させようとすることは、当業者が適宜想起し得ることであって、その際にエンタテイメント性に関する技術分野であって、刊行物2にも示唆されている玩具の技術の適用を試みることは、自然なことであるから、引用発明において、玩具技術分野における周知技術である、衝突時に衝突音を再生することを適用して、衝突時にスピーカから発生させるものをアラーム音に替えて衝突音、つまり衝突に対応した可聴コンテンツとすることは、当業者が容易に想到し得たことであるといえる。


3.審判請求人の主張について
審判請求人は、平成28年5月13日提出の意見書において、上記各刊行物に記載のものは、衝突時にユーザが当然に期待する音を発生しているものであるのに対し、本願発明は、意外性のある可聴コンテンツを再生するものであって、両者は相違する旨、主張している。
しかしながら、「ロボットの衝突に対応した可聴コンテンツ」(請求項1)を再生するものであって、衝突に関するあらゆる音が含まれ得るものと認められるから、本願発明の可聴コンテンツとは、ユーザにとって意外性のあるものもないものも当然に含まれることから、本願発明の可聴コンテンツは意外性のあるものであるとの出願人の主張は採用できない。さらには、「衝突に対応したコンテンツ」とは、「ユーザが聞いたときに、衝突であることが把握できる可聴音声」(上記意見書)であり、具体的には「車の衝突音」(審判請求書)であるのであるから、衝突時に再生される周知技術の衝突音は、まさに「衝突に対応したコンテンツ」であり、周知技術の再生される音(衝突音)と本願発明の再生される音の間に何ら相違は無いから、審判請求人の主張は失当である。
よって、審判請求人の主張を採用することはできない。


第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、刊行物2?5に記載の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-06-09 
結審通知日 2016-06-10 
審決日 2016-06-21 
出願番号 特願2013-193419(P2013-193419)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A47L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 稲垣 浩司  
特許庁審判長 栗田 雅弘
特許庁審判官 平岩 正一
落合 弘之
発明の名称 移動式清掃ロボット  
代理人 尾山 栄啓  
代理人 松岡 修平  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ