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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C23C |
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管理番号 | 1321271 |
異議申立番号 | 異議2016-700829 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-09-07 |
確定日 | 2016-11-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5886416号発明「表面処理銅箔」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5886416号の請求項1?24に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第5886416号の請求項1?24に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2013年3月29日(優先権主張2012年3月29日 日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年2月19日に特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人山田大介により特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 特許第5886416号の請求項1?24の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1?24」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?24に記載された事項により特定されるとおりのものである。 第3 申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として甲第1号証?甲第15号証を提出し、以下の1?2の理由により、請求項1?24に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 1 本件発明1?24は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本件発明1?24は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1?24に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである(以下、「(以下、「申立理由1-1」という。)。 2 本件発明1?24は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本件発明1?24は、甲第2号証に記載された発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1?24に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである(以下、「申立理由1-2」という。)。 [証拠方法] 甲第1号証:特開2011-168887号公報 甲第2号証:特開2008-118163号公報 甲第3号証:中村吉伸、永田員也監修、「シランカップリング剤の効果と使用法」、サイエンス&テクノロジー株式会社、2007年10月10日、p.140-151 甲第4号証:特開2003-291256号公報 甲第5号証:特開2012-41626号公報 甲第6号証:特開平7-331454号公報 甲第7号証:特公昭60-15654号公報 甲第8号証:国際公開第2011/138876号 甲第9号証:特開2005-48269号公報 甲第10号証:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社の製品カタログ「シランカップリング剤」、2007年5月改訂 甲第11号証:特開2011-216598号公報 甲第12号証:特開2011-91438号公報 甲第13号証:特開2010-236058号公報 甲第14号証:特開2010-221694号公報 甲第15号証:特開2010-13738号公報 第4 甲号証の記載事項 1 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第1号証には、「粗化処理銅箔、その製造方法、銅張積層板及びプリント配線板」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている(なお、下線は当合議体が付加したものであり、「・・・」は記載の省略を表す。以下、同様である。)。 (1a) 「【請求項1】 母材銅箔(未処理銅箔)の少なくとも片面に、前記母材銅箔の表面粗さRzに対してRzが0.05?0.3μm増加する粗化処理が施されて、粗化処理後の表面粗さRzが1.1μm以下である粗化処理面を有する粗化処理銅箔であって、前記粗化処理面は幅が0.3?0.8μm、高さが0.4?1.8μmで、アスペクト比[高さ/幅]が1.2?3.5で、先端が尖った凸部形状の粗化粒子で形成されている粗化処理銅箔。 【請求項2】 前記粗化処理面の二次元表面積に対するレーザーマイクロスコープによる三次元表面積の比が、3倍以上である請求項1に記載の粗化処理銅箔。 【請求項3】 前記粗化処理面に、Ni、Ni合金、Zn、Zn合金のいずれかの金属めっきにより金属めっき層が施されている請求項1又は2に記載の粗化処理銅箔。 【請求項4】 前記金属めっき層の表面に、Crめっき、Cr合金めっき、クロメート処理のいずれかの防錆処理が施された請求項3に記載の粗化処理銅箔。 【請求項5】 前記防錆処理が施された表面に、シランカップリング処理が施された請求項4に記載の粗化処理銅箔。」 (1b) 「【発明が解決しようとする課題】 ・・・ 【0016】 本発明の目的は、ファインパターンの回路形成性や高周波域における伝送特性に優れ、かつ樹脂基材との密着性に優れる粗化処理銅箔を提供することにある。 また本発明の目的は、前記粗化処理銅箔を樹脂基材に張り付けた銅張積層板および前記銅張積層板を用いたプリント配線板を提供することにある。」 (1c) 「【発明の効果】 【0022】 本発明の粗化処理銅箔はファインパターンの回路形成性や高周波域における伝送特性に優れ、かつ樹脂基材との密着性や耐薬品性(銅箔と樹脂基材との界面での薬品の染み込みを阻止)に優れる粗化処理銅箔である。 更に、本発明の粗化処理銅箔を用いた銅張積層板によれば、ファインパターンや高周波基板に適するだけでなく、樹脂基材と銅箔との密着性が良好で信頼性の高いプリント配線板を提供することができる。」 (1d) 「【発明を実施するための形態】 【0023】 銅箔表面には樹脂基材との密着性を改善するための粗化処理と、必要によりその上に粗化処理粒子の脱落や防錆を目的とした表面処理がなされる。本発明では表面処理として、主として銅又は銅合金からなる粗化処理を施し、その上に必要によりNi、Znおよびこれらの合金等やCrによる表面処理を施し、さらに必要に応じて樹脂基材との密着性向上のためのシランカップリング処理が施される。 【0024】 銅箔と樹脂基材との密着性を向上させる粗化処理は、粗化粒子を粗くするほど、すなわち表面の凹凸を粗くするほど密着性は向上するが、ファインパターンでの回路形成性や高周波帯域における伝送特性、ブラインドビアホール穿設時のデスミア性は悪くなる傾向にある。 【0025】 本発明では、母材銅箔(未処理銅箔)の表面に先ず母材銅箔の表面粗さRzが0.05?0.30μm増加する粗化処理を銅又は銅合金で施す。このとき、粗化処理後の表面粗さRzは1.1μm以下とする。 なお、上記銅又は銅合金で施す粗化処理では、表面粗さRaを0.02?0.05μm増加する範囲で行い、粗化処理後のRaを0.35μm以下とすることが好ましい。 粗化処理後の表面粗さRzが上記下限値に満たない処理であると、樹脂基材との密着性がやや低くなり、Rzが上記上限値を超えると表面が粗くなり、後述する回路形成性や伝送特性が低下する。 また、粗化処理後の表面粗さRzを1.1μmよりも粗くしないことで、樹脂基材との密着性を損なうことなく、ファインパターンでの回路形成性や高周波帯域での伝送特性に優れた粗化処理銅箔とすることができる。 なお、表面粗さRa、RzはJIS-B-0601の規定に準じて測定される値である。 ・・・ 【0032】 また、粗化粒子の表面に、樹脂基材との密着性・耐熱性・耐薬品性・粉落ち性等を向上させることを目的にNi、Ni合金、Zn、Zn合金の群から選ばれる少なくとも1種の金属めっき層を設けると良い。 これらの目的を果たすためには、Ni、Ni合金、Zn、Zn合金の付着金属量は0.05mg/dm^(2)?10mg/dm^(2)であることが望ましい。 上記金属めっき層の上に、Crめっきやクロメート被膜からなる防錆層を形成することが望ましい。 更に、防錆層の上にシランカップリング処理を施すと良い。 ・・・ 【0034】 前記防錆層の上に、必要に応じて前記粗化処理銅箔と樹脂基材との密着性を向上させるためにシランカップリング処理を施してもよい。 シランカップリング剤は対象となる樹脂基材によりエポキシ系、アミノ系、メタクリル系、ビニル系、メルカプト系等から適宜選択することができる。 高周波対応基板に用いられる樹脂基材には、特に相性の優れるエポキシ系、アミノ系、ビニル系のカップリング剤を選択することが好ましく、フレキシブルプリント配線板に用いられるポリイミドには、特に相性の優れるアミノ系のカップリング剤を選択することが好ましい。 ・・・ 【0036】 これらの樹脂基材と粗化処理銅箔を張り合わせる方法としては、熱プレス方式、連続ロールラミネート方式、連続ベルトプレス方式などを用いることができ、接着剤等を介さずに熱圧着することができる。 また、別の方法としては、溶融状態や溶剤に溶解して流動性を有する状態とした樹脂含有物を粗化処理銅箔の表面に塗布した後に、熱処理により樹脂を硬化させる方法もある。 ・・・ 【0038】 電気信号の伝送速度が速くなると、樹脂基材の材質が特性インピーダンスや信号伝搬速度等に重要に関与してくるため、高周波回路用プリント配線板に適した樹脂基材として誘電率や誘電体損失等の特性に優れた基材が要求される。これらを満足させるために種々な材料が提案されており、例えば電気信号の高速伝送のためには、誘電率が小さく、誘電体損失も小さい樹脂基材として、液晶ポリマー、ポリフッ化エチレン、イソシアネート化合物、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。」 (1e) 「【実施例】 ・・・ 【0049】 (5)シラン処理 防錆めっき処理後に、下記の処理液および処理条件でシランカップリング処理を施した。 シラン種:γ-アミノプロピルトリメトキシシラン シラン濃度:0.1g/L?10g/L 液温:20?50℃」 (1f) 「【0061】 【表1】 」 2 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第2号証には、「電解銅箔」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (2a) 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 導体層と、該導体層が積層された絶縁層とを有し、該導体層をエッチングして回路形成されたチップオンフィルム(以下、COFと称す)用フレキシブルプリント配線板における導体層用の電解銅箔において、 前記電解銅箔は、絶縁層に接着される接着面が、表面粗度Rz0.05?1.5μmであるとともに、入射角60°における鏡面光沢度が250以上であり、 前記導体層である電解銅箔をエッチングして回路形成した際のエッチング領域における絶縁層の光透過率が50%以上となることを特徴とする電解銅箔。 【請求項2】 前記接着面は、99?50wt%ニッケルと、1?50wt%亜鉛とからなるニッケル-亜鉛合金による防錆処理層を備える請求項1に記載の電解銅箔。 【請求項3】 防錆処理層は、ニッケル-亜鉛合金層上にクロメート層を形成したものであり、該防錆処理層表面にはアミノ官能性シランカップリング剤を吸着させたシランカップリング剤吸着層を形成したものである請求項2に記載の電解銅箔。」 (2b) 「【発明が解決しようとする課題】 ・・・ 【0011】 本発明は、以上のような事情のもとになされたもので、フレキシブルプリント配線板を構成する際の絶縁層の高光透過率を実現できるとともに、導体層と絶縁層との密着性、及び耐マイグレーション特性に優れるCOFに好適なフレキシブルプリント配線板を実現可能な電解銅箔を提供するものである。」 (2c) 「【課題を解決するための手段】 ・・・ 【0013】 本発明は、導体層と、該導体層が積層された絶縁層とを有し、該導体層をエッチングして回路形成されたチップオンフィルム(以下、COFと称す)用フレキシブルプリント配線板における導体層用の電解銅箔において、 前記電解銅箔は、絶縁層に接着される接着面が、表面粗度Rz0.05?1.5μmであるとともに、入射角60°における鏡面光沢度が250以上であり、前記導体層である電解銅箔をエッチングして回路形成した際のエッチング領域における絶縁層の光透過率が50%以上となることを特徴とする電解銅箔に関する。 ・・・ 【0015】 本発明に係る電解銅箔を用いれば、導体層のエッチング処理後における絶縁層の光透過率が50%以上であり、形成した導体回路と絶縁層との密着強度も実用上問題ないフレキシブルプリント配線板を実現できる。そして、耐マイグレーションに優れ、非常にファインな導体形成が可能となる。 ・・・ 【0017】 このように高光透過率を実現できるフレキシブルプリント配線板とする場合、電解銅箔の接着面を表面粗度Rz0.05?1.5μmとするとともに鏡面光沢度(入射角60°)で250以上であることが必要である。上述したように、表面粗度がある程度小さくても、実用的な光透過率を確保できない場合がある。そのため、現状の本発明者らの研究結果に基づけば、電解銅箔の接着面は、少なくとも表面粗度がRzで1.5μm以下であり、且つ入射角60°における鏡面光沢度が250以上であることが結論として導かれたのである。表面粗度Rzが、0.05μm未満であっても本発明のフレキシブルプリント配線板を構成できるものであるが、Rz0.05μm未満の極低粗度の電解銅箔を製造することの困難性を考慮し、この下限値を定めたものである。尚、この困難性とは、例えば、極低粗度の電解銅箔を製造するには、製造時に用いるドラム状回転陰極の表面を非常に平滑にするため、電解液中で陰極表面に析出した電解銅箔がその表面から容易に剥離し、その剥離した電解銅箔が陽極と接触して短絡するという製造技術上の問題が挙げられる。 ・・・ 【0019】 そして、本発明に係る電解銅箔は、非常に低粗度であっても、絶縁層との密着性に優れるものとするために、電解銅箔の接着面に、50?99wt%ニッケルと50?1wt%亜鉛との組成からなるニッケル-亜鉛合金による防錆処理層を備えることが好ましい。この防錆処理層は、電解銅箔自体の表面酸化を防止するとともに接着面と絶縁層との密着強度及び耐マイグレーション特性を向上させる役目を果たす。COF用のフレキシブルプリント配線板では、絶縁材としてポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、液晶ポリマー等が用いられ、特に全芳香族ポリイミドが好適なものとされているが、ニッケル-亜鉛合金はこれら絶縁材との密着性向上に有効である。・・・ 【0021】 そして、この防錆処理層は、ニッケル-亜鉛合金層上にクロメート層を形成したものであり、該防錆処理層表面にはアミノ官能性シランカップリング剤を吸着させたシランカップリング剤吸着層を形成することが望ましい。クロメート層とシランカップリング剤吸着層は、絶縁層との密着性をさらに向上させ、耐湿性や耐薬品性の向上を図ることができる。 【0022】 このシランカップリング剤の種類には特に制限はなく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4-グリシジルブチルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。また、本発明者等の研究によると、ポリイミド系の絶縁材に対しては、特にアミノ官能性シランが好適なものであることも確認している。例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-3-(4-(3-アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。」 (2d) 「【発明を実施するための最良の形態】 ・・・ 【0033】 上記のようにして電解銅箔を3ロット準備し、その光沢面に対し防錆処理として、ニッケル-亜鉛合金メッキ処理、クロメート処理、シランカップリング剤処理の順で処理を行い、本実施形態のフレキシブルプリント配線板用の電解銅箔を製造した。その表面処理条件は表2に示す通りである。・・・ 【0034】 【表2】 ・・・ 【0036】 実施例1?3、比較例1、2に関して、その接着面側の表面粗度、防錆処理の各付着量を測定した結果について説明する。表面粗度は、JIS B 0601に準拠して行い、十点平均粗さ(Rz)として算出した。また、防錆処理に関する付着量測定は、所定面積のサンプルを切り出し、サンプルの表面を溶解した溶液を作成して、その溶液をICPにより吸光度分析して溶液中のNi、Zn等の濃度を求め、単位面積当たりの各付着量を算出したものである。表3に測定結果を示す。 【0037】 【表3】 」 3 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第3号証には、「銅箔におけるシランカップリング剤の効果と使用法」(140頁1行)に関して、以下の事項が記載されている。 (3a) 「携帯電話やパソコン、ディスプレーなどの電気電子機器の配線回路にはプリント配線板が使用されている。・・・」(140頁4?5行) (3b) 「プリント配線板に使用される銅箔の製造法には、銅板を目標厚みまで機械的に引き延ばす圧延銅箔と、円筒状の金属ドラムカソードを回転させながら、目標厚みまで電解析出により製造する電解銅箔がある。・・・」(140頁10?12行) (3c) 「4.1アンカー効果 厚み18μmの電解銅箔のマット両側に、表面処理を施した。図4に表面処理フローを示す。 粗化処理は、はじめに、銅濃度12?20g/dm^(3)、硫酸濃度45?120g/dm^(3)、浴温22?35℃の浴を用い、限界電流密度付近の6?18A/dm^(2)にて、銅をデンドライト状に析出させ(ヤケめっき)、次に、その上部に、銅濃度40?85g/dm^(3)、硫酸濃度40?120g/dm^(3)、浴温36?55℃の浴から、電流密度12?30A/dm^(2)にて、厚み1μmの銅めっきを施し、このデンドライト状の銅析出物を基板に固定させる。このとき、はじめに施す電流密度を制御することで、粗化処理前後の粗さの制御が可能である。図5に、粗化処理後の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。このような形状にすることで、アンカー効果により樹脂基材と強固に接着する。 上記の方法で、粗さの異なる粗化処理面とシャイニー面に対して、厚み10nmの電気Ni-Zn合金めっきを^(13,14))、ピロリン酸亜鉛0.7g/dm^(3)、硫酸ニッケル11g/dm^(3)、ピロリン酸カリウム100g/dm^(3)、pH10.5、浴温40℃に調整した浴から、電流密度1A/dm^(2)で施した後、クロメート処理をおこなった。クロメート処理は、CrO_(3) 1g/dm^(3)、pH12で1.3A/dm^(2)にて5秒間処理した。そして、樹脂基材との密着性を高めるために、0.5wt%γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン溶液を塗布し、200℃にて30秒間、硬化させた。その後、ガラスエポキシ樹脂基材と180℃、1時間で熱圧着させ、エッチングにより導体パターンを形成し、引き剥がし強さを測定した。」(143頁16行?144頁15行) (3d) 「 」(143頁) (3e) 「 」(145頁) (3f) 「 」(146頁) (3g) 「 」(147頁) 4 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第4号証には、「銅箔/樹脂積層体の製造方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (4a) 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、銅箔/樹脂積層体の製造方法に関し、より詳しくは、銅箔と樹脂間の接着強度を高めることの可能な、銅箔/樹脂積層体の製造方法に関する。」 (4b) 「【0012】本発明においては、また、上記付着工程において、上記電着銅層表面に上記加水分解性ケイ素化合物を付着させた後に、当該加水分解性ケイ素化合物の加水分解及び縮合を生じせしめることが好ましい。加水分解性ケイ素化合物の加水分解及び縮合を樹脂との接合に先立って生じせしめることにより、銅箔と樹脂との接着性をより向上させることができるようになる。」 (4c) 「【0022】本発明においては、加水分解性ケイ素基は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。 R_(n)-Si-X_((4-n)) ・・・(1) 【0023】式中、Rは1価有機基であり、Xは加水分解性基であり、nは0?3の整数を示す。Rは、官能基を有する1価有機基であることが好ましく、当該官能基としてはアミノ基、メルカプト基、エポキシ基及びビニル基が挙げられる。また、加水分解性基Xとしては、上述の基が例示可能である。 【0024】加水分解性能の観点から、一般式(1)におけるnは0又は1であり、Xはアルコキシル基であることが好ましい。nが0でありXがアルコキシル基である化合物としては、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。 【0025】一方、nが1でありXがアルコキシル基である化合物としては、一般にシランカップリング剤と称される化合物が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等の不飽和二重結合を有するシランカップリング剤;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が例示可能である。」 (4d) 「【0028】付着工程においては、加水分解性ケイ素化合物を、スプレー法やロールコート法等により付着させることができる。また、液状の加水分解性ケイ素化合物に銅箔を浸漬してもよい。いずれの付着方法を採用した場合であっても、加水分解性ケイ素化合物の付着量は、2?10×10^(-3)g/m^(2)が好ましい。 【0029】次に、接着工程を説明する。接着工程においては、付着工程で得られた表面処理銅箔を、加水分解性ケイ素化合物が付着した面を接着面として、樹脂と接着する。 【0030】接着工程において用いられる樹脂としては、ガラス繊維強化樹脂が好ましい。ガラス繊維強化樹脂に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。 【0031】ガラス繊維で強化する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリサルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂、フッ素樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が例示でき、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が例示できる。」 5 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第5号証には、「銅張積層基板とその製造方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (5a) 「【0001】 本発明は、プリント配線板等の回路基板を作成するのに適した銅張積層基板と該銅張積層基板の製造方法に関するものである。」 (5b) 「【0024】 プリント配線板用の銅箔の場合には該シランカップリング保護層を複数層に重ね塗工処理することにより、樹脂基板との密着性をより高めることができる。この場合のシランカップリング剤の選択は、金属との親和性に優れる例えばエポキシ系のメトキシ基やエトキシ基を有するカップリング剤が好ましく、樹脂側であれば同様にメトキシ基やエトキシ基を有する例えばビニル系やアミノ系のカップリング剤との組み合わせが好ましい。」 (5c) 「【0037】 インジウム処理の施された防錆被膜面の主に樹脂基板と接着される面にはシランカップリング剤を適宜コーティングする。シランカップリング剤は積層する絶縁樹脂基板により適宜選択されるが、特に汎用モジュール対応基板やポリイミド基板には相性に優れるエポキシ系、アミノ系、ビニル系のカップリング剤を選択することが好ましい。 また、本発明においてはシランカップリング剤の品種種類を限定しないが、シランカップリング剤の付着量はケイ素として0.001?0.015mg/dm^(2)の範囲であることが好ましい。」 6 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第6号証には、「銅箔の処理方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (6a) 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、銅張積層板等の製造に用いられる銅箔の処理方法に関する。」 (6b) 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のようにカップリング剤を用いることによって、ある程度までは接着性を向上できる。しかしながら、最近プリント回路が緻密化しているので、使用されるプリント回路用銅箔に要求される特性はますます厳しくなっている。本発明は、こうした要請に対応できる、すなわち、とくに銅箔表面と樹脂基板との接着性を向上し、煮沸後のピール劣化率を改善する銅箔の表面処理方法を提供することを目的とするものである。」 (6c) 「【0009】次いで本発明の処理方法においては、銅箔表面に水酸基導入後、カップリング剤が塗布される。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましく、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、テトラエトキシシラン等がある。 【0010】カップリング剤は、そのまま直接銅箔表面に塗布してもよいが、水、エタノール、メタノール等のアルコール類、更にはアセトン、酢酸エチル、トルエン等の溶剤で0.001?20重量%、好ましくは0.01?6重量%になるように希釈し、この溶液に銅箔を浸漬させる方法で塗布するのが簡便で好ましいが、スプレーして塗布してもよい。0.001重量%未満では煮沸後のピール強度の改善効果が少なく、又20重量%を超えると効果が飽和すると共に溶解性が悪くなるので好ましくない。・・・」 (6d) 「【0013】・・・ これら実施例及び比較例1?4で得た表面処理銅箔の粗化面を、ガラス繊維クロスにエポキシ樹脂を含浸させた基材に接着し、銅張積層板を得た。・・・」 7 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第7号証には、「銅箔のクロメ-ト処理層と樹脂基材との接着方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (7a) 「2 銅箔の粗面側に形成したクロメート処理層を、前記一般式で示したシランカップリング剤の0.001?5重量%溶液で処理し、ついでこれを樹脂基材と接着させる特許請求の範囲第1項記載の接着方法。」(2頁1欄15?19行) (7b) 「この発明は、銅箔のクロメート処理層と樹脂基材とを、強固に接着させるための新規な方法に関するものである。」(1頁2欄2?4行) (7c) 「この発明は、前記従来法にみられるステインの発生や煩雑な工程を解消し、銅箔のクロメート処理層と樹脂基材とを強固に接着する方法を提供するものである。・・・」(2頁3欄15?18行) (7d) 「 」(3頁) (7e) 「本発明は、上記のようなシランカップリング剤を用いて、銅箔粗面側に形成したクロメート処理層を処理したのち、これを樹脂基材と接着させるか、または前記銅箔粗面側のクロメート処理層に対し、シランカップリング剤を添加した接着剤層を形成後、樹脂基材と接着するものである。そして上記銅箔のクロメート層処理のためのシランカップリング剤の濃度は0.001?5重量%、好適には0.1?3重量%の溶液である。・・・」(3頁5欄25?33行) (7f) 「実施例 1 公知の酸性硫酸銅メッキ浴を用い、チタン製の陰極面に32μ厚みの銅箔を電析させた後、これを陰極から剥離し、水洗を行った後、その粗面側をpH3?5に調整したNa_(2)Cr_(2)O_(7)・2H_(2)Oの5g/l溶液中で浴温20℃、陰極電流密度1A/dm^(2)において1分間処理し、水洗乾燥して銅箔粗面にクロメート層を形成させた。つぎにこの試料を、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランのエチルアルコール溶液に水を加えて希釈し、酢酸によりそのPHを4.5?5.0となし、かつその濃度を0.01重量%、0.1重量%および3.0重量%に調整した3種類の溶液中に、それぞれ常温において1分間浸漬し、引上げて室温乾燥を行い、引続きこれを110?120℃に保持した乾燥器中で3分間乾燥後、各試片のクロメート処理面を、ガラス?エポキシ樹脂基材と重ね合わせて155℃、圧力100kg/cm^(2)において30分間乾燥し、250×250×2mmの銅張積層板を試作した。・・・」(3頁5欄44行?6欄42行) (7g) 「実施例1 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 」(3頁5欄最下行?5頁10欄10行) 8 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第8号証には、「印刷回 路用銅箔」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (8a) 「[0014]本発明の課題は、最も基本的な、銅-コバルト-ニッケル合金めっきからなる粗化処理において、樹枝状に形成される粗化粒子が銅箔の表面から剥がれ落ち、一般に粉落ちと言われる現象、処理ムラを抑制し、ピール強度を高め、かつ耐熱性を向上させることのできる印刷回路用銅箔を提供するものである。・・・」 (8b) 「[0018]本発明は、最も基本的な、銅-コバルト-ニッケル合金めっきからなる粗化処理(二次粒子層の形成)において、樹枝状に形成される粗化粒子が銅箔の表面から剥がれ落ち、一般に粉落ちと言われる現象を抑制し、ピール強度を高め、かつ耐熱性を向上させることのできる印刷回路用銅箔を提供するものである。・・・」 (8c) 「[0025]前記一次粒子層の平均粒子径を0.25-0.45μm、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径を0.05-0.25μmとするのが、下記に示す実施例から明らかなように、粉落ちを防止する最適な条件である。・・・」 (8d) 「[0027](銅の一次粒子のめっき条件) 銅の一次粒子のめっき条件の一例を挙げると、下記の通りである。 なお、このめっき条件はあくまで好適な例を示すものであり、銅の一次粒子は銅箔上に形成される平均粒子径が粉落ち防止の役割を担うものである。したがって、平均粒子径が本願発明の範囲に入るものであれば、下記に表示する以外のめっき条件であることは何ら妨げるものではない。本願発明はこれらを包含するものである。 また、一次粒子形成前に、銅箔と一次粒子の間に、金属層めっきを施してもよい。金属めっき層としては、銅めっき層、銅合金めっき層が代表的に考えられる。銅めっき層を行う場合には、硫酸銅と硫酸を主成分とする硫酸銅水溶液のみを使用する場合や、硫酸、メルカプト基を有する有機硫黄化合物、ポリエチレングリコールなどの界面活性剤、さらに塩化物イオンを組み合わせた硫酸銅水溶液を使用して、電気めっきにより銅めっき層を形成する方法が挙げられる。 液組成 :銅10?20g/L、硫酸50?100g/L 液温 :25?50C 電流密度 :1?58A/dm^(2) クーロン量:4?81As/dm^(2) [0028](二次粒子のめっき条件) なお、上記と同様に、このめっき条件はあくまで好適な例を示すものであり、二次粒子は一次粒子の上に形成されるものであり、平均粒子径が粉落ち防止の役割を担うものである。したがって、平均粒子径が本願発明の範囲に入るものであれば、下記に表示する以外のめっき条件であることは何ら妨げるものではない。本願発明はこれらを包含するものである。 液組成 :銅10?20g/L、ニッケル5?15g/L、コバルト5?15g/L pH :2?3 液温 :30?50C 電流密度 :24?50A/dm^(2) クーロン量:34?48As/dm^(2) [0029](耐熱層1を形成するめっき条件) 本願発明は、上記二次粒子層の上に、さらに耐熱層を形成することができる。このめっき条件を下記に示す。 液組成 :ニッケル5?20g/L、コバルト1?8g/L pH :2?3 液温 :40?60C 電流密度 :5?20A/dm^(2) クーロン量:10?20As/dm^(2) [0030](耐熱層2を形成するめっき条件) 本願発明は、上記二次粒子層の上に、さらに次の耐熱層を形成することができる。このめっき条件を下記に示す。 液組成 :ニッケル2?30g/L、亜鉛2?30g/L pH :3?4 液温 :30?50C 電流密度 :1?2A/dm^(2) クーロン量:1?2As/dm^(2) [0031](防錆層を形成するめっき条件) 本願発明は、さらに次の防錆層を形成することができる。このめっき条件を下記に示す。下記においては、浸漬クロメート処理の条件を示したが、電解クロメート処理でも良い。 液組成 :重クロム酸カリウム1?10g/L、亜鉛0?5g/L pH :3?4 液温 :50?60C 電流密度 :0?2A/dm^(2)(浸漬クロメート処理のため) クーロン量:0?2As/dm^(2)(浸漬クロメート処理のため) [0032](耐候性層の種類) 一例として、エポキシシラン水溶液の塗布を挙げることができる。」 (8e) 「[0042]この後、必要に応じ、防錆処理が実施される。本発明において好ましい防錆処理は、クロム酸化物単独の皮膜処理或いはクロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合物皮膜処理である。クロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合物皮膜処理とは、亜鉛塩または酸化亜鉛とクロム酸塩とを含むめっき浴を用いて電気めっきにより亜鉛または酸化亜鉛とクロム酸化物とより成る亜鉛-クロム基混合物の防錆層を被覆する処理である。 めっき浴としては、代表的には、K_(2)Cr_(2)O_(7)、Na_(2)Cr_(2)O_(7)等の重クロム酸塩やCrO_(3)等の少なくとも一種と、水溶性亜鉛塩、例えばZnO、ZnSO_(4)・7H_(2)Oなど少なくとも一種と、水酸化アルカリとの混合水溶液が用いられる。代表的なめっき浴組成と電解条件例は次の通りである。」 (8f) 「[0045]最後に、必要に応じ、銅箔と樹脂基板との接着力の改善を主目的として、防錆層上の少なくとも粗化面にシランカップリング剤を塗布するシラン処理が施される。 このシラン処理に使用するシランカップリング剤としては、オレフィン系シラン、エポキシ系シラン、アクリル系シラン、アミノ系シラン、メルカプト系シランを挙げることができるが、これらを適宜選択して使用することができる。 塗布方法は、シランカップリング剤溶液のスプレーによる吹付け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ等いずれでもよい。例えば、特公昭60-15654号は、銅箔の粗面側にクロメート処理を施した後シランカップリング剤処理を行なうことによって銅箔と樹脂基板との接着力を改善することを記載している。詳細はこれを参照されたい。この後、必要なら、銅箔の延性を改善する目的で焼鈍処理を施すこともある。」 (8g) 「[0051] [表1] 」 (8h) 「[請求項1] 銅箔の表面に、銅の一次粒子層を形成した後、該一次粒子層の上に、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層を形成した印刷回路用銅箔であって、一次粒子層の平均粒子径が0.25-0.45μmであり、銅、コバルト及びニッケルからなる3元系合金からなる二次粒子層の平均粒子径が0.05-0.25μmであることを特徴とする印刷回路用銅箔。」 9 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第9号証には、「表面処理銅箔およびそれを使用した基板」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (9a) 「【0015】 本発明の銅箔は、表面粗さが2.5μm以下である電解銅箔又は圧延銅箔を使用し、さらにこの電解銅箔又は圧延銅箔上に耐熱処理層、防錆処理層、窒素を含有するシランカップリング剤層をこの順に備えていることが重要である。 これによって、銅箔と絶縁層、特にはポリイミド系樹脂層との間の接着強度が優れており、耐酸性及び耐錫めっき液性を備え、良好なエッチング性と高い光沢度を備え、さらに配線のファインパターン化が可能であるという総合的な優れた効果を保有させることができる。」 (9b) 「【0023】 上記のように耐熱処理を施した銅箔は、次に防錆処理される。防錆層の形成方法は、公知のものはすべて本発明に適用することができるが、好ましくは浸漬または電解クロメート処理によりクロム酸化物、或いは電解クロム・亜鉛処理によりクロム酸化物と亜鉛若しくは酸化亜鉛との混合物からなる防錆層を形成する。・・・」 10 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第10号証には、「シランカップリング剤」(標題)に関して、以下の事項が記載されている。 (10a) 「 」(4?5頁) 11 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第11号証には、「高周波回路基板」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (11a) 「【請求項1】 表面に凹凸を有する金属箔であって、表面粗度(Rz)が0.5?5μmの範囲内にあり、表面粗度(Rz)と表面の凹凸間の間隔(Sm)との比(Rz/Sm)が、1.5?3.5の範囲内にある表面を有する金属箔に、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを積層した積層体からなる高周波回路基板。」 (11b) 「【0002】 近年、高速伝送の普及に伴い、高速伝送時の伝送損失の小さい材料が求められる。熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、高速伝送時の伝送損失の小さい材料として知られているが(特許文献1)・・・」 (11c) 「【0012】 (熱可塑性液晶ポリマーフィルム) 熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、溶融成形できる液晶性ポリマー(または溶融時における光学的異方性を有する液晶性ポリマー)から形成され、この熱可塑性液晶ポリマーは、溶融成形できる液晶性ポリマーであればその化学的構成については特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性液晶ポリエステル、又はこれにアミド結合が導入された熱可塑性液晶ポリエステルアミドなどを挙げることができる。 【0013】 また熱可塑性液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステルアミドに、更にイミド結合、カーボネート結合、カルボジイミド結合やイソシアヌレート結合などのイソシアネート由来の結合等が導入されたポリマーであってもよい。 【0014】 本発明に用いられる熱可塑性液晶ポリマーの具体例としては、以下に例示する(1)から(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれる公知の熱可塑性液晶ポリエステルおよび熱可塑性液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。ただし、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを形成するためには、種々の原料化合物の組合せには適当な範囲があることは言うまでもない。 【0015】 (1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化合物(代表例は表1参照) 【表1】 【0016】 (2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸(代表例は表2参照) 【表2】 【0017】 (3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表例は表3参照) 【表3】 【0018】 (4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参照) 【表4】 【0019】 これらの原料化合物から得られる液晶ポリマーの代表例として表5および6に示す構造単位を有する共重合体を挙げることができる。 【0020】 【表5】 【0021】 【表6】 【0022】 これらの共重合体のうち、p?ヒドロキシ安息香酸および/または6-ヒドロシキ-2-ナフトエ酸を少なくとも繰り返し単位として含む重合体が好ましく、特に、(i)p-ヒドロキシ安息香酸と6-ヒドロシキ-2-ナフトエ酸との繰り返し単位を含む重合体、(ii)p-ヒドロキシ安息香酸および6-ヒドロシキ-2-ナフトエ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ヒドロキシカルボン酸と、4,4’-ジヒドロキシビフェニルおよびヒドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジオールと、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸との繰り返し単位を含む重合体が好ましい。 【0023】 例えば、(i)の重合体では、熱可塑性液晶ポリマーが、少なくともp-ヒドロキシ安息香酸と6-ヒドロシキ-2-ナフトエ酸との繰り返し単位を含む場合、繰り返し単位(A)のp-ヒドロキシ安息香酸と、繰り返し単位(B)の6-ヒドロシキ-2-ナフトエ酸とのモル比(A)/(B)は、液晶ポリマー中、(A)/(B)=10/90?90/10程度であるのが望ましく、より好ましくは、(A)/(B)=50/50?85/15程度であってもよく、さらに好ましくは、(A)/(B)=60/40?80/20程度であってもよい。 【0024】 また、(ii)の重合体の場合、p-ヒドロキシ安息香酸および6-ヒドロシキ-2-ナフトエ酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ヒドロキシカルボン酸(C)と、4,4’-ジヒドロキシビフェニルおよびヒドロキノンからなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジオール(D)と、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸(E)の、液晶ポリマーにおける各繰り返し単位のモル比は、芳香族ヒドロキシカルボン酸(C):前記芳香族ジオール(D):前記芳香族ジカルボン酸(E)=30?80:35?10:35?10程度であってもよく、より好ましくは、(C):(D):(E)=35?75:32.5?12.5:32.5?12.5程度であってもよく、さらに好ましくは、(C):(D):(E)=40?70:30?15:30?15程度であってもよい。 【0025】 また、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位と芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位とのモル比は、(D)/(E)=95/100?100/95であることが好ましい。この範囲をはずれると、重合度が上がらず機械強度が低下する傾向がある。 【0026】 なお、本発明にいう溶融時における光学的異方性とは、例えば試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を観察することにより認定できる。 【0027】 熱可塑性液晶ポリマーとして好ましいものは、融点(以下、Mpと称す)が260?360℃の範囲のものであり、さらに好ましくはMpが270?350℃のものである。なお、Mpは示差走査熱量計((株)島津製作所DSC)により主吸熱ピークが現れる温度を測定することにより求められる。 【0028】 前記熱可塑性液晶ポリマーには、本発明の効果を損なわない範囲内で、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステルエーテルケトン、フッ素樹脂等の熱可塑性ポリマーを添加してもよい。 【0029】 本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得られる。熱可塑性液晶ポリマーの剛直な棒状分子の方向を制御できる限り、任意の押出成形法が適用できるが、周知のTダイ法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが工業的に有利である。特にインフレーション法やラミネート体延伸法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられ、MD方向とTD方向における誘電特性を制御したフィルムが得られる。 【0030】 押出成形では、配向を制御するために、延伸処理を伴うのが好ましく、例えば、Tダイ法による押出成形では、Tダイから押出した溶融体シートを、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方向と略す)の双方に対して同時に延伸してもよいし、またはTダイから押出した溶融体シートを一旦MD方向に延伸し、ついでTD方向に延伸してもよい。 【0031】 また、インフレーション法による押出成形では、リングダイから溶融押出された円筒状シートに対して、所定のドロー比(MD方向の延伸倍率に相当する)およびブロー比(TD方向の延伸倍率に相当する)で延伸してもよい。 【0032】 このような押出成形の延伸倍率は、MD方向の延伸倍率(またはドロー比)として、例えば、1.0?10程度であってもよく、好ましくは1.2?7程度、さらに好ましくは1.3?7程度であってもよい。また、TD方向の延伸倍率(またはブロー比)として、例えば、1.5?20程度であってもよく、好ましくは2?15程度、さらに好ましくは2.5?14程度であってもよい。 【0033】 そして、MD方向とTD方向とのそれぞれの延伸倍率の比(TD方向/MD方向)は、例えば、2.6以下、好ましくは0.4?2.5程度であってもよい。 【0034】 また、必要に応じて、押出成形された原反シートに対して、公知または慣用の熱処理(例えば、液晶ポリマーの融点(Mp)以上(例えば、Mp?Mp+30℃程度、好ましくはMp+10?Mp+20℃程度)で熱処理を行い、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点や熱膨張係数を調整してもよい。 【0035】 また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムには、押出成形した後に、必要に応じて延伸を行ってもよい。延伸方法自体は公知であり、二軸延伸、一軸延伸のいずれを採用してもよいが、分子配向度を制御することがより容易であることから、二軸延伸が好ましい。また、延伸は、公知の一軸延伸機、同時二軸延伸機、逐次二軸延伸機などが使用できる。 【0036】 以上のようにして得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムでは、剛直な棒状分子の方向性が制御された結果、分子配向度を示すSOR(Segment Orientation Ratio)が、例えば、SOR≦1.20(例えば、1.02?1.20程度)であってもよく、好ましくは1.05?1.19、さらに好ましくは1.07?1.19であってもよい。ここで、分子配向度SORとは、分子配向の度合いを与える指標をいい、従来のMOR(Molecular Orientation Ratio)とは異なり、物体の厚さを考慮した値である。本発明で使用する熱可塑性液晶ポリマーフィルムのSORは、MD方向の誘電特性を改善し且つMD方向とTD方向との間における機械的性質および熱的性質のバランスが良好を考慮する必要があり、SORは、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。 【0037】 本発明において使用される熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、任意の厚みであってもよく、そして、5mm以下の板状またはシート状のものをも包含する。ただし、高周波伝送線路に使用する場合は、厚みが厚いほど伝送損失が小さくなるので、できるだけ厚みを厚くする必要がある。しかしながら電気絶縁層として熱可塑性液晶ポリマーフィルムを単独で用いる場合、そのフィルムの膜厚は、10?500μmの範囲内にあることが好ましく、15?200μmの範囲内がより好ましい。フィルムの厚さが薄過ぎる場合には、フィルムの剛性や強度が小さくなることから、フィルム膜厚10?200μmの範囲のフィルムを積層させて任意の厚みを得る方法を使用してもよい。」 (11d) 「【0050】 (熱可塑性液晶ポリマーフィルム) p-ヒドロキシ安息香酸と6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の共重合物で、融点が280℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押出し、インフレーション成形することにより得られた、膜厚が50μmの熱可塑性液晶ポリマーフィルム(分子配向度:1.05)を用いた。 【0051】 (回路基板) 上記の熱可塑性液晶ポリマーフィルムの上下に、表7に示す銅箔を重ね合わせ、真空熱プレス装置を用いて、加熱盤を295℃に設定し、4MPaの圧力下、10分間、圧着して、電解銅箔/熱可塑性液晶ポリマーフィルム/電解銅箔の構成の積層体(A)を作製した。得られた積層体の銅箔面に回路パターンを化学エッチング法により作製し、回路パターンを有する積層体(B)を得た。」 12 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第12号証には、「繰り返し屈曲用途向け両面フレキシブル回路基板」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (12a) 「【請求項1】 絶縁層の両側に、導体回路とカバー材とが設けられた両面フレキシブル回路基板において、絶縁層は厚み10?100μmの液晶ポリマーフィルムからなり、カバー材は絶縁層とは熱変形温度の異なる液晶ポリマーフィルムのみからなるものであって、下記計算式(1)によって算出される銅箔歪み値Yが0.5?3%の範囲で使用され、該両面フレキシブル回路基板が、屈曲部と非屈曲部を有し、屈曲部が、周回されて使用されていることを特徴とする周回部を有する両面フレキシブル回路基板。・・・」 (12b) 「【0003】 高周波信号を伝送するためには低誘電率、低誘電正接である材料を用いることが必要である。ここで、液晶ポリマーフィルムは、高耐熱性、吸湿寸法安定性、高周波電気特性等に優れた材料として知られている。例えば、従来の回路基板では、寸法の安定性を狙うためにガラス繊維と接着剤としての樹脂を用いたプリプレグ層を絶縁体として用いており、また、微細配線を有する回路基板においても微細配線間への充填性を確保するため、接着剤を塗布したフィルムを用いてカバー材としている。しかしながら、高周波信号を伝送することに対して、上記材料は適さない。ここで、絶縁層とカバー材を同一材料とする、又は、カバー材に液晶ポリマーフィルムのみを用いることで、絶縁層及びカバー材の材料特性を考慮せず、液晶ポリマーフィルムの特性を損なわないフレキシブル回路基板を構成することができる。」 (12c) 「【0040】 実施例1 厚さ25μmの液晶ポリマーフィルム280(クラレ社製ベクスター、熱変形温度280℃)を絶縁層とし、その両面に厚さ18μmの圧延銅箔(日鉱マテリアルズ社製BHY-22B-T)を有する両面銅張積層板にドライフィルムをラミネートし、レジスト幅100μm、回路幅100μmのパターンフィルムを使用してUV露光により回路パターンを形成した。・・・」 13 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第13号証には、「粗化処理銅箔、粗化処理銅箔の製造方法及び銅張積層板」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (13a) 「【0001】 本件発明は、粗化処理銅箔及び粗化処理銅箔の製造方法に関する。特に、プリント配線板製造に用いる液晶ポリマー基材との密着性に優れた粗化処理面を備える銅箔に関する。」 (13b) 「【0007】 特許文献6には、吸湿性が低く、高温での半田耐熱性を有する液晶ポリマーフィルムと銅箔とをラミネートした銅張積層板を製造し、これにファインパターンを形成することが可能な高周波プリント配線板用銅箔として、銅箔の少なくとも一方の面に直径が0.05?1.0μmである球状の微細な粗化粒子からなる粗化処理層を施し、更に該粗化処理層上にモリブデン、ニッケル、タングステン、リン、コバルト、ゲルマニウムの内の少なくとも一種類以上からなる耐熱・防錆層を施し、更に該耐熱・防錆層上にクロメート皮膜層を施し、更に該クロメート皮膜層上にシランカップリング剤層を施すことを特徴とするものが開示されている。 【0008】 特許文献7には、PPE樹脂含浸基材を代表とする高周波基板に対して強い引き剥がし強さを得ることができ、粗面粗度を超低粗度にする事でエッチングによる回路パターン形成後の回路ボトムラインの直線性を高め伝送損失の低減が可能な高周波プリント配線板用銅箔等が開示され、「少なくとも銅箔の片面に粗化粒子を付着して、その表面粗さRz:2.5?4.0μmであり、明度値:25以下である粗化処理面とした表面処理銅箔と、50%以上が熱可塑性液晶ポリマーからなる絶縁基板とが積層されてなることを特徴とする基板用複合材。」と記載されている。」 (13c) 「【0063】 引き剥がし強度測定用試料は、当該粗化処理銅箔と液晶ポリマー基材とを、290℃のプレス温度で張り合わせて、銅張積層板を製造し、エッチング法で、引き剥がし強さ測定用の10mm幅直線回路を形成したものを用いた。・・・」 14 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第14号証には、「フレキシブルプリント配線板用積層板の製造方法、フレキシブルプリント配線板用積層板及びフレキシブルプリント配線板」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (14a) 「【請求項1】 一対のエンドレスベルト間に液晶ポリマーで形成される絶縁フィルムと金属箔とを連続的に供給し、前記エンドレスベルト間で絶縁フィルムと金属箔とを重ねると共に熱圧成形することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用積層板の製造方法。」 (14b) 「【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高周波特性が高く、且つ寸法安定性の高いフレキシブルプリント配線板を製造することができるフレキシブルプリント配線板用積層板の製造方法、フレキシブルプリント配線板用積層板、及びフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明に係るフレキシブルプリント配線板用積層板1の製造方法は、一対のエンドレスベルト4間に液晶ポリマーで形成される絶縁フィルム2と金属箔3とを連続的に供給し、前記エンドレスベルト4間で絶縁フィルム2と金属箔3とを重ねると共に熱圧成形することを特徴とする。」 (14c) 「【0045】 尚、表1中の絶縁フィルムの材質のうち、LCPは液晶ポリマーフィルム(株式会社クラレ製の品番「ベクスターCTS50N」、融点325℃)を、PIはポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製の品番「ユーピレックス50VT」)を、それぞれ示す。」 15 本件特許に係る出願の優先日前に頒布された甲第15号証には、「表面処理銅箔及びその製造方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。 (15a) 「【請求項6】 請求項4又は5記載の表面処理銅箔を、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又は液晶ポリマーから選ばれる絶縁基板に貼り合わせて作成したことを特徴とする基板用複合材。」 (15b) 「【0014】 本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべくなされたものであり、一般的に使用されているエポキシ樹脂・ポリイミドフィルム及び吸湿性が著しく低いために誘電特性の変化が少なく、半田付けに耐えられる耐熱性を有しながら、加熱により銅箔とラミネートが可能であるが、ピール強度が得られにくい液晶ポリマー樹脂に対し、ピール強度が大きく、ファインパターン化を可能とした表面処理銅箔であり該表面処理銅箔を使用して、高周波特性が良好な回路基板を提供することにある。」 (15c) 「【0052】 (ハ)絶縁基板用フィルム: (i)液晶ポリマーフィルム(絶縁基板)1(以下「フィルム1」とする) ジャパンゴアテックス(株)製のI型液晶ポリマーフィルム、BIAC BA050F-NTを用いた。 (ii)液晶ポリマーフィルム(絶縁基板)2(以下「フィルム2」とする) ジャパンゴアテックス(株)製のII型液晶ポリマーフィルム、BIAC BC050F-NTを用いた。 ・・・ 【0054】 次に、このようにして得た表面処理銅箔に、以下のようにして液晶ポリマーフィルム(絶縁基板)のラミネートを行なった。 即ち、上記のようにして得た表面処理銅箔と前記フィルム1又はフィルム2のいずれかとを積層し、多段式真空プレス機(北川製作所製ホットアンドコールドプレスVH3-1377)を用いて、前記フィルム1の場合には335℃で4MPaの条件で、前記フィルム2の場合には310℃で4MPaの条件で、5分間保持した後冷却してラミネート処理を行い基板用複合材とした。室温からの昇温は、7℃/分の速度で行った。」 第5 甲号証に記載された発明 1 甲第1号証に記載された発明 甲第1号証の上記(1a)、(1d)の記載によれば、甲第1号証には、以下の発明が記載されていると認められる。 「液晶ポリマー、ポリフッ化エチレン、イソシアネート化合物、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテルのいずれかからなる樹脂基材に貼り合わされる粗化処理銅箔であって、 前記粗化処理銅箔表面に、金属めっき層が設けられ、 前記金属めっき層上に防錆層が設けられ、 前記防錆層の表面が、エポキシ系、アミノ系、ビニル系のいずれかのシランカップリング剤で処理されており、 前記粗化処理銅箔の表面粗さRzが1.1μm以下である、 粗化処理銅箔。」(以下、「甲1発明」という。) 2 甲第2号証に記載された発明 甲第2号証の上記(2a)、(2c)、(2d)の【0036】の記載によれば、甲第2号証には、以下の発明が記載されていると認められる。 「ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、液晶ポリマーのいずれかからなる絶縁層に接着される電解銅箔であって、 前記絶縁層に接着される接着面は、99?50wt%ニッケルと、1?50wt%亜鉛とからなるニッケル-亜鉛合金層上にクロメート層を形成した防錆処理層を備え、 前記防錆処理層表面には、アミノ官能性シランカップリング剤を吸着させたシランカップリング剤吸着層が形成され、 前記電解銅箔表面の十点平均粗さ(Rz)が0.05?1.5μmである、 電解銅箔。」(以下、「甲2発明」という。) 第6 対比・判断 1 申立理由1-1について (1) 本件発明1について ア 本件発明1と甲1発明との対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア) 甲1発明の「粗化処理銅箔」は、「前記粗化処理銅箔表面に、金属めっき層が設けられ、 前記金属めっき層上に防錆層が設けられ、 前記防錆層の表面が、エポキシ系、アミノ系、ビニル系のいずれかのシランカップリング剤で処理されて」いるものであるから、表面処理銅箔であるといえる。 また、甲1発明の「液晶ポリマー、ポリフッ化エチレン、イソシアネート化合物、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテルのいずれかからなる樹脂基材に貼り合わされる粗化処理銅箔」と、本件発明1の「液晶ポリマーに接合される表面処理銅箔」とは、ポリマーに接合される表面処理銅箔である点で共通する。 (イ) 甲1発明において、「粗化処理銅箔の表面粗さRz」は、甲第1号証の上記(1d)の【0025】の記載によれば、JIS-B-0601の規定に準じて測定される値であるから、十点平均粗さであることは技術常識であって、その範囲は、「1.1μm以下」であるところ、「前記粗化処理銅箔表面に、金属めっき層が設けられ、 前記金属めっき層上に防錆層が設けられ、 前記防錆層の表面が、エポキシ系、アミノ系、ビニル系のいずれかのシランカップリング剤で処理されて」いる表面(以下、「粗化処理銅箔の処理表面」という。)のRzは、「粗化処理銅箔の表面粗さRz」よりも大きくなることはないから、1.1μm以下であるといえる。 そうすると、甲1発明の「粗化処理銅箔の処理表面」のRzは1.1μm以下であり、一方、本件発明1の「該表面処理銅箔表面の十点平均粗さRz」は、「1.6μm以下」であるから、甲1発明の上記Rzの範囲は、本件発明1のRzの範囲に含まれている。 (ウ) 以上から、本件発明1と甲1発明とは、「ポリマーに接合される表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔表面の十点平均粗さRzが1.1μm以下である表面処理銅箔。」である点で一致し、以下の2点で相違する。 相違点1-1:表面処理銅箔について、本件発明1は、「液晶ポリマーに接合される」ものであるのに対し、甲1発明は、「液晶ポリマー、ポリフッ化エチレン、イソシアネート化合物、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテルのいずれかからなる樹脂基材に貼り合わされる」ものである点。 相違点1-2:表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量について、本件発明1は、Siの付着量が3.5?243.5μg/dm^(2)であり、Nの付着量が4.5?399.3μg/dm^(2)であるのに対し、甲1発明は、Siの付着量及びNの付着量のいずれもが不明である点。 イ 相違点についての判断 (ア) まず、本件発明1において、相違点1-1に係る、表面処理銅箔が、液晶ポリマーに接合されることと、相違点1-2に係る、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量との関連性について検討する。 本件特許明細書【0011】の記載によれば、本件発明1が解決すべき課題は、「高周波用途に好適な液晶ポリマー(LCP)に銅箔を積層したフレキシブルプリント基板(FPC)用銅箔を提供するに際して、ピール強度を向上させた銅箔を得ること」である。 そして、本件特許明細書の【0022】の「高周波回路用途に用いることができる表面処理銅箔は、銅箔表面のSiの付着量が3.1?300μg/dm^(2)であり、銅箔表面のNの付着量が2.5?690μg/dm^(2)であることを特徴とする。これによって、銅箔を液晶ポリマー(LCP)積層基板に接着する際に、接着強度(ピール強度)を高めることが可能となる。・・・また、本願の表面処理銅箔を高周波回路用銅箔に用いることは有効である。」との記載、及び、同【0025】の「接着強度を高めた銅箔は、液晶ポリマーからなるフレキシブルプリント回路基板用として最適な高周波回路用銅箔となる。すなわち、液晶ポリマーからなるフレキシブルプリント回路基板に接合された場合の90度の常態ピール強度が0.3kg/cm以上とすることが可能となる。」との記載によれば、本件発明1は、上記課題を解決するために、液晶ポリマーに接合される表面処理銅箔において、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にするものであり、それによって、銅箔を液晶ポリマー積層基板に接着する際に、接着強度(ピール強度)を高めることができ、このように、接着強度を高めた銅箔は、液晶ポリマーからなるフレキシブルプリント回路基板用として、最適な高周波回路用銅箔となるという効果を奏するものと認められる。 そうすると、本件発明1において、表面処理銅箔が、液晶ポリマーに接合されることと、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることとは、密接に関連しているといえるから、相違点1-1と相違点1-2とを併せて検討する。 (イ) 本件特許明細書の【0038】には、銅箔表面にSi及びNを付着させる方法の一例として、アミノシランを用いたシランカップリング処理が記載されているところ、甲1発明は、シランカップリング剤として、「エポキシ系、アミノ系、ビニル系」の中から、アミノ系のシランカップリング剤を選択し得るものであり、このアミノ系のシランカップリング剤で処理した「粗化処理銅箔の処理表面」には、Si及びNが付着しているといえる。 また、甲1発明は、粗化処理銅箔に貼り合わせる樹脂基材として、「液晶ポリマー、ポリフッ化エチレン、イソシアネート化合物、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル」の中から、液晶ポリマーを選択し得るものである。 しかし、甲第1号証には、液晶ポリマーからなる樹脂基材に貼り合わされる粗化処理銅箔において、アミノ系のシランカップリング剤で処理した際の、「粗化処理銅箔の処理表面」のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることについては、何ら記載も示唆もされていない。 (ウ) また、液晶ポリマーからなる樹脂基材に貼り合わされる粗化処理銅箔において、アミノ系のシランカップリング剤で処理した際の、「粗化処理銅箔の処理表面」のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることについては、甲第3号証?甲第15号証のいずれにも、何ら記載も示唆もされていないから、この点が、本件特許に係る出願の優先日前において、周知技術であるともいえない。 (エ) そうすると、「高周波用途に好適な液晶ポリマー(LCP)に銅箔を積層したフレキシブルプリント基板(FPC)用銅箔を提供するに際して、ピール強度を向上させた銅箔を得る」という課題を解決するために、「液晶ポリマーに接合される表面処理銅箔において、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にする」という本件発明1の技術思想(上記(ア)参照。)は、甲第1号証及び甲第3?15号証には記載も示唆もされていないし、また、「銅箔を液晶ポリマー積層基板に接着する際に、接着強度(ピール強度)を高めることができ、このように、接着強度を高めた銅箔は、液晶ポリマーからなるフレキシブルプリント回路基板用として、最適な高周波回路用銅箔となる」という本件発明1の効果(上記(ア)参照。)は、甲第1号証及び甲第3?15号証の記載からは予測し得ないものである。 (オ) したがって、甲1発明において、樹脂基材として液晶ポリマーを選択し、シランカップリング剤として、アミノ系のシランカップリング剤を選択するとともに、「粗化処理銅箔の処理表面」のSiの付着量及びNの付着量を、相違点1-2に係る本件発明1の範囲にすることは、当業者にとって容易に想到し得るものとはいえない。 よって、本件発明1は、甲1発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものとはいえないし、また、本件発明1は、甲1発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものともいえない。 (2) 本件発明2?24について 本件発明2?24は、本件発明1の全ての発明特定事項を有しているから、上記(1)の判断と同様の理由により、甲1発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものとはいえないし、また、甲1発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものともいえない。 (3) まとめ 以上から、本件発明1?24は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、また、本件発明1?24は、甲第1号証に記載された発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 2 申立理由1-2について (1) 本件発明1について ア 本件発明1と甲2発明との対比 本件発明1と甲2発明とを対比する。 (ア) 甲2発明の「電解銅箔」は、「前記絶縁層に接着される接着面」に、「99?50wt%ニッケルと、1?50wt%亜鉛とからなるニッケル-亜鉛合金層上にクロメート層を形成した防錆処理層を備え、 前記防錆処理層表面には、アミノ官能性シランカップリング剤を吸着させたシランカップリング剤吸着層が形成され」ているものであるから、表面処理銅箔であるといえる。 また、甲2発明の「ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、液晶ポリマーのいずれかからなる絶縁層に接着される電解銅箔」と、本件発明1の「液晶ポリマーに接合される表面処理銅箔」とは、ポリマーに接合される表面処理銅箔である点で共通する。 (イ) 甲2発明の「前記電解銅箔の表面粗度(Rz)」の範囲である「0.05?1.5μm」は、本件発明1の「該表面処理銅箔表面の十点平均粗さRz」の範囲である「1.62μm以下」に含まれている。 (ウ) 以上から、本件発明1と甲2発明とは、「ポリマーに接合される表面処理銅箔であって、該表面処理銅箔表面の十点平均粗さRzが0.05?1.5μmである表面処理銅箔。」である点で一致し、以下の2点で相違する。 相違点2-1:表面処理銅箔について、本件発明1は、「液晶ポリマーに接合される」ものであるのに対し、甲2発明は、「ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、液晶ポリマーのいずれかからなる絶縁層に接着される」ものである点。 相違点2-2:表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量について、本件発明1は、Siの付着量が3.5?243.5μg/dm^(2)であり、Nの付着量が4.5?399.3μg/dm^(2)であるのに対し、甲2発明は、Siの付着量及びNの付着量のいずれもが不明である点。 イ 相違点についての判断 (ア) まず、本件発明1において、相違点2-1に係る、表面処理銅箔が、液晶ポリマーに接合されることと、相違点2-2に係る、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることとの関連性について検討するに、上記1(1)イ(ア)で検討したように、本件発明1において、表面処理銅箔が、液晶ポリマーに接合されることと、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることとは、密接に関連しているといえるから、相違点2-1と相違点2-2とを併せて検討する。 (イ) 本件特許明細書の【0038】には、銅箔表面にSi及びNを付着させる方法の一例として、アミノシランを用いたシランカップリング処理が記載されているところ、甲2発明の「電解銅箔」は、「前記絶縁層に接着される接着面」に、「99?50wt%ニッケルと、1?50wt%亜鉛とからなるニッケル-亜鉛合金層上にクロメート層を形成した防錆処理層を備え、前記防錆処理層表面には、アミノ官能性シランカップリング剤を吸着させたシランカップリング剤吸着層が形成され」ているから、電解銅箔表面に、アミノシランを用いたシランカップリング処理を行っており、その表面には、Si及びNが付着しているといえる。 また、甲2発明は、電解銅箔に接着する絶縁層として、「ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルサルホン、液晶ポリマー」の中から、液晶ポリマーを選択し得るものである。 しかし、甲第2号証には、液晶ポリマーからなる絶縁層に接着される電解銅箔の表面に、アミノシランを用いたシランカップリング処理を行った際の、当該表面のSiの付着量及びNの付着量については、何ら記載も示唆もされていない。また、甲第2号証には、当該表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることについても、何ら記載も示唆もされていない。 (ウ) また、液晶ポリマーからなる絶縁層に接着される電解銅箔の表面に、アミノシランを用いたシランカップリング処理を行った際の、当該表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にすることについては、甲第3号証?甲第15号証のいずれにも、何ら記載も示唆もされていないから、この点が、本件特許に係る出願の優先日前において、周知技術であるともいえない。 (エ) そうすると、「高周波用途に好適な液晶ポリマー(LCP)に銅箔を積層したフレキシブルプリント基板(FPC)用銅箔を提供するに際して、ピール強度を向上させた銅箔を得る」という課題を解決するために、「液晶ポリマーに接合される表面処理銅箔において、該表面処理銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を所定の範囲にする」という本件発明1の技術思想(上記1(1)イ(ア)参照。)は、甲第2号証及び甲第3号証?甲第15号証には記載も示唆もされていないし、また、「銅箔を液晶ポリマー積層基板に接着する際に、接着強度(ピール強度)を高めることができ、このように、接着強度を高めた銅箔は、液晶ポリマーからなるフレキシブルプリント回路基板用として、最適な高周波回路用銅箔となる」という本件発明1の効果(上記1(1)イ(ア)参照。)は、甲第2号証及び甲第3号証?甲第15号証の記載からは予測し得ないものである。 (オ) したがって、甲2発明において、絶縁層として液晶ポリマーを選択するとともに、電解銅箔表面のSiの付着量及びNの付着量を、相違点2-2に係る本件発明1の範囲にすることは、当業者にとって容易に想到し得るものであるとはいえない。 よって、本件発明1は、甲2発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものとはいえないし、また、本件発明1は、甲2発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものともいえない。 (2) 本件発明2?24について 本件発明2?24は、本件発明1の全ての発明特定事項を有しているから、上記(1)の判断と同様の理由により、甲1発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものとはいえないし、また、甲1発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得るものともいえない。 (3) まとめ 以上から、本件発明1?24は、甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証?甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、また、本件発明1?24は、甲第2号証に記載された発明、周知技術(甲第3号証?甲第7号証)及び甲第8号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?24に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1?24に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-11-08 |
出願番号 | 特願2014-508073(P2014-508073) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(C23C)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 祢屋 健太郎 |
特許庁審判長 |
板谷 一弘 |
特許庁審判官 |
河本 充雄 富永 泰規 |
登録日 | 2016-02-19 |
登録番号 | 特許第5886416号(P5886416) |
権利者 | JX金属株式会社 |
発明の名称 | 表面処理銅箔 |
代理人 | アクシス国際特許業務法人 |