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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04N
管理番号 1321454
審判番号 訂正2016-390094  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-07-12 
確定日 2016-09-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5912079号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第5912079号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 経緯

本件特許第5912079号に係る出願は,2010年(平成22年)7月23日(パリ条約による優先権主張,2009年(平成21年)7月24日 韓国)を国際出願日とする出願であって,平成28年4月8日に特許権の設定登録がなされた。その後,同年7月12日付けで本件審判が請求されたものである。

第2 請求

1 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は,特許第5912079号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものである。

2 訂正事項
特許請求の範囲の請求項1に
「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化に分割されるか否かを示す分割情報」
とあるのを,
「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す分割情報」
に訂正する。

第3 当審の判断

1 訂正の目的
請求人は,上記訂正事項に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の目的を,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」であるとしている。そこで,本件訂正が,本来その意であることが明細書の記載等から明らかな字句ないし語句の誤りを,その意味内容の字句ないし語句に正すものであって,誤記の訂正を目的としたものといえるか否かを検討する。

(1)明らかな字句ないし語句の誤りの存在について
上記訂正事項に係る本件訂正前の記載をみると,「符号化単位」が「符号化に分割されるか否かを示す分割情報」という表現がなされているところ,「符号化単位」という領域が,「符号化」という処理内容に「分割される」というのは,明らかに日本語として不自然である。また,明細書や図面において,当該表現における「符号化」について,本件特許の特許発明に特有の定義又は説明がなされている訳でもない。
したがって,訂正前の記載には,明らかな字句ないし語句の誤りがあるといえる。

(2)本来の意味内容について
そこで,この明らかな字句ないし語句の誤りについて,本来,どのような意味内容であるのか,関連する記載を基に検討する。

ア 訂正前の特許請求の範囲の請求項1には,訂正事項に係る「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化に分割されるか否かを示す分割情報」について,以下の記載がなされている(下線は,説明のために当審で付したものである。以下同じ。)。
「映像復号化方法において」,
「前記分割情報により,前記最大符号化単位を分割して現在符号化単位を獲得する段階と」,
「を含み」,
「前記現在符号化単位を獲得する段階は,
前記上位深度k(kは整数)の符号化単位の分割情報が分割を示す場合,前記上位深度kの符号化単位を下位深度(k+1)の四つの正方形の符号化単位に分割することによって前記現在符号化単位を獲得し,
前記上位深度kの符号化単位の分割情報が非分割を示す場合,前記上位深度kの符号化単位を前記現在符号化単位と決定する」

イ また,「映像復号化方法」としての発明特定事項が記載された,訂正前の特許請求の範囲の請求項1に対し,「映像符号化装置」としての発明特定事項が記載された,訂正前の特許請求の範囲の請求項4には,「分割情報」について,以下の記載がなされている。
「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す分割情報」

ウ さらに,訂正前の明細書の発明の詳細な説明には,「分割情報」について,以下の記載がなされている。
「【0085】
図9は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示している。
【0086】
深度の変化いかんを示すために分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。」
「【0104】
分割情報は、現在符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示している。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が、現在符号化単位が下位符号化単位に、それ以上分割されない深度が符号化深度であるから、符号化深度について、パーティション・タイプ情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割される場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに独立して、符号化が行われねばならない。」
「【0132】
再び図19を参照すれば、段階1740で、各符号化単位ごとに、各符号化単位が含まれる下位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定する。段階1740による分割情報を設定する段階は、前述の本発明の一実施形態と同一であり、具体的な説明は省略する。」

エ 上記アないしウに掲げる,「分割情報」についての,訂正前の特許請求の範囲の請求項1の記載,訂正前の特許請求の範囲の請求項4の記載,及び訂正前の明細書の発明の詳細な説明の記載,特に,下線を付した箇所の記載を踏まえれば,「分割情報」が示すのは,「下位深度の符号化単位に分割されるか否か」であることが明らかである。
したがって,「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化に分割されるか否かを示す分割情報」の本来の意味内容は,「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す分割情報」であるといえる。

(3)結語
以上によれば,本件訂正は,本来その意であることが明細書,特許請求の範囲又は図面の記載等から明らかな字句ないし語句の誤りを,その意味内容の字句ないし語句に正すものであるといえる。したがって,本件訂正は,「誤記の訂正」を目的とするものであり,特許法第126条第1項ただし書第2号の規定に適合する。

2 本件訂正の特許法第126条第5項から第7項までの規定に対する適合性

(1)訂正の範囲
上記「1 訂正の目的」の(2)ウにおいて摘記した明細書の発明の詳細な説明の各段落の記載事項については,「国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲又は図面」(特許法第184条の19。以下「当初明細書等」という。)においても同じく記載されている。
そして,本件訂正は,上記「1 訂正の目的」の(2)ウに明示的に記載された事項に正す訂正ということができるから,本件訂正は,当初明細書等に対して新たな技術的事項を導入するものではないといえる。
したがって,本件訂正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるといえる。

(2)特許請求の範囲の拡張又は変更
上記訂正事項に係る,本件訂正前の「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化に分割されるか否かを示す分割情報」という記載が,本件訂正後の「上位深度の符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す分割情報」という記載の誤記であることは,上記「1 訂正の目的」において示したとおりである。
したがって,本件訂正は,単に誤記を正すものであって,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(3)独立特許要件
上記のとおり,本件訂正は,単に誤記を正すものであるから,特許発明の内容を変えるものではなく,訂正後における特許請求の範囲の請求項に記載される事項により特定される発明についても,特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって,訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができるものといえる。

第4 むすび

以上のとおり,本件訂正は,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり,また,同条第5項から第7項までに規定する要件に適合する。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
映像の符号化方法及び装置、並びに映像の復号化方法及び装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像の符号化及び復号化に関する。
【背景技術】
【0002】
映像の予測符号化には、イントラ予測方式及びインター予測方式がある。イントラ予測は、単一フレーム内で、隣接した画素の相関関係(correlation)に基づいた予測方式である。インター予測は、動き予測及び補償を介して隣接フレームから符号化されるデータと類似した領域を予測する方式である。
【0003】
一般的に、あるブロックの動きベクトルは、隣接ブロックの動きベクトルと密接な相関関係を有する。そのために、隣接ブロックから現在ブロックの動きベクトルを予測し、現在ブロックの動きベクトルと、予測動きベクトルとの差分動きベクトルだけを符号化することによって、符号化時に発生するビット量を減らすことができる。
【0004】
スキップモードは、マクロブロックの動きベクトルが、周辺ブロックの動きベクトルを利用して予測された予測動きベクトルと同一であり、予測誤差が十分に小さい場合に選択されるモードである。マクロブロックの予測モードとして、スキップモードが選択された場合、符号化器は、マクロブロックがスキップモード情報だけを伝送し、残留データ(residual data)は伝送しない。復号化器では、スキップモードで符号化されたマクロブロックについて、その周辺ブロックから予測された予測動きベクトルを利用し、動き補償を遂行してマクロブロックを復元することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、多様なサイズの階層的符号化単位に基づいて符号化された映像の分割形態情報と、各符号化単位のスキップモード情報と、を効率的に伝送する映像符号化、復号化方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多様なサイズの階層的符号化単位に基づいて符号化された映像の分割形態情報と、各符号化単位のスキップモード情報と、を効率的に伝送する映像符号化、復号化方法及び装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多様なサイズの階層的符号化単位に基づいて符号化された映像の分割形態情報と、各符号化単位のスキップモード情報と、を効率的に伝送する映像符号化、復号化方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による映像符号化装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による映像復号化装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による階層的符号化単位を図示する図である。
【図4】本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による深度別符号化単位及び予測単位を図示する図である。
【図7】本発明の一実施形態による符号化単位及び変換単位の関係を図示する図である。
【図8】本発明の一実施形態によって、深度別符号化情報を図示する図である。
【図9】本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示する図である。
【図10】本発明の一実施形態による符号化単位、予測単位及び周波数変換単位の関係を図示する図である。
【図11】本発明の一実施形態による符号化単位、予測単位及び周波数変換単位の関係を図示する図である。
【図12】本発明の一実施形態による符号化単位、予測単位及び周波数変換単位の関係を図示する図である。
【図13】表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示する図である。
【図14】本発明の一実施形態によって、深度別符号化単位に基づいて決定された最大符号化単位の分割形態の一例である。
【図15】図12の深度2の符号化単位が有する縮小情報について説明するための図である。
【図16】図12の深度3の符号化単位が有する縮小情報について説明するための図である。
【図17】本発明の一実施形態による符号化単位の処理順序の一例を示した図である。
【図18】本発明の一実施形態による映像符号化方法を示したフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施形態による映像符号化方法を示したフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態による映像復号化方法を示したフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態による映像復号化方法によって、最大サイズ復号化単位を分割する過程及びスキップ情報を復号化する過程を示したフローチャートである。
【図22】本発明の他の実施形態による映像復号化方法を示したフローチャートである。
【図23】本発明の他の実施形態による映像復号化方法によって、最大サイズ復号化単位を分割する過程及びスキップ情報を復号化する過程を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態による映像符号化方法は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位の少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、深度(depth)が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位の映像データを符号化し、前記最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する段階と、前記各符号化単位ごとに、前記各符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定する段階と、前記各符号化単位ごとに、前記決定された予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を設定する段階と、前記各符号化単位ごとに設定された分割情報及びスキップ情報を符号化する段階と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施形態による映像符号化方法は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位の少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位の映像データを符号化し、前記最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する段階と、前記各符号化単位ごとに、前記各符号化単位と、前記各符号化単位が含まれる上位深度との予測モードが、スキップモードであるか否かということを含むスキップ情報を設定する段階と、前記各符号化単位ごとに、前記各符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定する段階と、前記各符号化単位ごとに設定された分割情報及びスキップ情報を符号化する段階と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態による映像復号化方法は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位別に符号化された映像データから、復号化される現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを含む分割情報を抽出する段階と、前記映像データから、前記現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を抽出する段階と、前記分割情報によって、前記現在復号化単位が含まれた最大復号化単位の分割形態を決定する段階と、前記スキップ情報によって、前記現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断する段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の他の実施形態による映像復号化方法は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位別に符号化された映像データから、復号化される現在復号化単位と、前記現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位との予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を抽出する段階と、前記現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを含む分割情報を抽出する段階と、前記抽出されたスキップ情報によって、前記現在復号化単位と、前記上位深度の復号化単位との予測モードが、スキップモードであるか否かを判断する段階と、前記縮小情報によって、前記現在復号化単位が含まれた最大復号化単位の分割形態を決定する段階と、を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態による映像符号化装置は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位の少なくとも1つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部;深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位の映像データを符号化し、前記最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する符号化深度決定部;及び前記各符号化単位ごとに、前記各符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報と、前記各符号化単位ごとに、前記決定された予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報と、を設定し、前記設定された分割情報及びスキップ情報を符号化する符号化情報符号化部;を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の実施形態による映像符号化装置は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位の少なくとも1つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部;深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号単位に基づいて、前記最大符号化単位の映像データを符号化し、前記最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する符号化深度決定部;及び前記各符号化単位ごとに、前記各符号化単位と、前記各符号化単位が含まれる上位深度との予測モードが、スキップモードであるか否かということを含むスキップ情報、及び前記各符号化単位ごとに、前記各符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定し、前記各符号化単位ごとに、前記設定された分割情報及びスキップ情報を符号化する符号化情報符号化部;を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態による映像復号化装置は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位別に符号化された映像データから、復号化される現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを含む分割情報と、前記現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報と、を抽出する符号化情報抽出部;及び前記分割情報によって、前記現在復号化単位が含まれた最大復号化単位の分割形態を決定し、前記スキップ情報によって、前記現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断する復号化部;を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の他の実施形態による映像復号化装置は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位別に符号化された映像データから、復号化される現在復号化単位と、前記現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位との予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報、及び前記現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを含む分割情報を抽出する符号化情報抽出部;及び前記抽出されたスキップ情報によって、前記現在復号化単位、及び前記上位深度の復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断し、前記分割情報によって、前記現在復号化単位が含まれた最大復号化単位の分割形態を決定する復号化部;を含むことを特徴とする。
【0017】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の望ましい実施形態による映像符号化装置及び映像復号化装置、映像符号化方法及び映像復号化方法について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による映像符号化装置のブロック図である。図1を参照すれば、本発明の一実施形態による映像符号化装置100は、最大符号化単位分割部110、符号化深度決定部120、映像データ符号化部130及び符号化情報符号化部140を含む。
【0019】
最大符号化単位分割部110は、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャまたは現在スライスを分割する。現在ピクチャまたは現在スライスは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。一実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256などのデータ単位であり、縦横サイズが8より大きい2の二乗である正方形のデータ単位であってもよい。分割された映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位別に、符号化深度決定部120に出力される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、最大符号化単位及び深度(depth)を利用し、符号化単位が表現される。最大符号化単位は、現在ピクチャの符号化単位のうちサイズが最も大きい符号化単位を示し、深度は、最大符号化単位から、符号化単位が空間的に分割された回数を示す。深度が深くなるほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割され、最大符号化単位の深度が最上位深度であり、最小符号化単位が、最下位符号化単位であると定義される。最大符号化単位は、深度が深くなるにつれて、深度別符号化単位のサイズは減少するので、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含んでもよい。
【0021】
前述のように、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。本発明の一実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが深度によって階層的に分類される。
【0022】
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる総回数を制限する最大深度と、符号化単位の最大サイズとが既設定であってもよい。このような最大符号化単位及び最大深度は、ピクチャ単位またはスライス単位で設定することができる。すなわち、ピクチャまたはスライスごとに、異なる最大符号化単位及び最大深度を有し、最大深度によって、最大映像符号化単位に含まれた最小符号化単位サイズを可変的に設定することができる。このように、ピクチャまたはスライスごとに、最大符号化単位及び最大深度を可変的に設定することによって、平坦な領域の映像は、さらに大きい最大符号化単位を利用して符号化することによって、圧縮率を向上させ、複雑度が大きい映像は、さらに小さいサイズの符号化単位を利用し、映像の圧縮効率を向上させることができる。
【0023】
符号化深度決定部120は、最大符号化単位ごとに深度を決定する。深度は、R-Dコスト(rate-distortion cost)計算に基いて決定されてもよい。具体的には、符号化深度決定部120は、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に、最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、符号化深度決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位に映像データを符号化し、最も小さい符号化誤差が発生する深度を選択し、符号化深度として決定する。決定された最大深度は、符号化情報符号化部140に出力され、最大符号化単位別映像データは、映像データ符号化部130に出力される。
【0024】
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最も小さい深度が選択される。それぞれの最大符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化深度が決定されてもよい。
【0025】
最大符号化単位のサイズは、深度が深くなるにつれて、符号化単位が階層的に分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同じ深度の符号化単位であるといっても、それぞれのデータに係わる符号化誤差を測定し、下位深度への縮小いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであるといっても、位置によって、深度別符号化誤差が異なるので、位置によって、符号化深度が異なって決定される。換言すれば、最大符号化単位に含まれるデータであっても、位置によって、深度別誤差が異なるので、位置によって、符号化深度が異なるように決定されてもよい。従って、1つの最大符号化単位について、符号化深度が一つ以上設定され、最大符号化単位のデータは、一つ以上の符号化深度の符号化単位によって分割される。
【0026】
従って、一実施形態による符号化深度決定部120は、現在最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位を決定することができる。一実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれるあらゆる深度別符号化単位のうち、符号化深度として決定された深度の符号化単位を含む。符号化深度の符号化単位は、最大符号化単位内において同一領域では、深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定されてもよい。同様に、現在領域に係わる符号化深度は、他の領域に係わる符号化深度と独立して決定されてもよい。
【0027】
一実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数と関連した指標である。一実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示すことができる。一実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの総個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度は、2に設定される。この場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の深度レベルが存在するので、第1最大深度は4、第2最大深度は5に設定される。
【0028】
また、最大符号化単位の予測符号化及び周波数変換の遂行時にも、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに、深度別符号化単位を基に遂行されてもよい。換言すれば、映像符号化装置100は、映像符号化のための複数の処理段階を、多様なサイズ及び多様な形態の処理単位に基づいて遂行することができる。映像データの符号化のためには、予測、周波数変換、エントロピ符号化などの処理段階を経るが、あらゆる段階にわたって、同じサイズの処理単位が利用され、段階別に異なるサイズの処理単位を利用することができる。
【0029】
例えば、映像符号化装置100は、符号化単位を予測するために、符号化単位と異なる処理単位を選択することができる。最大符号化単位の予測符号化のためには、一実施形態による符号化深度の符号化単位、すなわち、それ以上分割されない符号化単位を基に、予測符号化が行われる。以下、予測の基礎になるデータ単位と「予測単位」とする。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位と、予測単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが分割されたデータ単位とを含んでもよい。
【0030】
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは、正の整数)の符号化単位が、それ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になり、パーティションのサイズは、2Nx2N、2NxN、Nx2N、NxNなどでありうる。一実施形態によるパーティション・タイプは、予測単位の高さまたは幅が、対称的比率で分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように、非対称的比率で分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含むこともできる。
【0031】
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つであってもよい。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションについて行われる。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションについてのみ行われる。符号化単位内部に、複数の予測単位があるならば、それぞれの予測単位について、独立して符号化が行われ、符号化誤差が最も小さい予測モードが選択される。
【0032】
また、映像符号化装置100は、符号化単位と異なるサイズのデータ単位に基づいて、映像データを周波数変換することができる。符号化単位の周波数変換のために、符号化単位より小さいか、あるいは同じサイズのデータ単位を基に、周波数変換が行われる。以下、周波数変換の基礎になる処理単位を「変換単位」とする。符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も、再帰的にさらに小さいサイズの変換単位に分割されつつ、符号化単位の残留データ(residual data)が、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって区画される。
【0033】
一実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定されてもよい。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位のサイズが、2Nx2Nであるならば、変換深度0、変換単位のサイズがNxNであるならば、変換深度1、変換単位のサイズがN/2xN/2であるならば、変換深度2に設定される。すなわち、変換単位についても、変換深度によって、ツリー構造による変換単位が設定される。符号化深度別符号化情報は、符号化深度だけではなく、予測関連情報及び周波数変換関連情報が必要である。従って、符号化単位深度決定部120は、最小符号化誤差を発生させた符号化深度だけではなく、符号化深度の符号化予測単位を、予測単位パーティションに分割したパーティション・タイプ、予測単位別予測モード、周波数変換のための変換単位のサイズなどを決定することができる。
【0034】
符号化深度決定部120は、ラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用し、深度別符号化単位の符号化誤差を測定し、最適の符号化誤差を有する最大符号化単位の分割形態を決定することができる。換言すれば、符号化深度決定部120は、最大符号化単位がいかなる形態の複数のサブ符号化単位に分割されているか決定することができるが、ここで、複数のサブ符号化単位は、深度によってサイズが異なる。
【0035】
映像データ符号化部130は、符号化深度決定部120で決定された少なくとも1つの符号化深度に基づいて、最大符号化単位の映像データを符号化し、ビットストリームを出力する。符号化深度決定部120で、最小符号化誤差を測定するために、符号化がすでに行われたので、これを利用し、符号化されたデータストリームを出力することもできる。
【0036】
符号化情報符号化部140は、符号化深度決定部120で決定された少なくとも1つの符号化深度に基づいて、最大符号化単位ごとに、深度別符号化モードに係わる情報を符号化し、ビットストリームを出力する。深度別符号化モードに係わる情報は、符号化深度情報、符号化深度の符号化予測単位を予測単位パーティションに分割するパーティション・タイプ情報、予測単位別予測モード情報、変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。
【0037】
符号化深度情報は、現在深度によって符号化せずに、下位深度の符号化単位に符号化するか否かを示す深度別分割情報を利用して定義されてもよい。現在符号化単位の現在深度が符号化深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位に符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上下位深度に分割されないように定義されてもよい。反対に、現在符号化単位の現在深度が、符号化深度ではないないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みることになるので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位に分割されるように定義されてもよい。
【0038】
現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位に分割された符号化単位について符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に、下位深度の符号化単位が一つ以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに、反復して符号化が行われ、同じ深度の符号化単位ごとに再帰的(recursive)符号化が行われる。
【0039】
1つの最大符号化単位内で、ツリー構造の符号化単位が決定され、符号化深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化モードに係わる情報が決定されねばならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの符号化モードに係わる情報が決定してもよい。また、最大符号化単位のデータは、深度によって階層的に区画され、位置別に符号化深度が異なることがあるので、データについて、符号化深度及び符号化モードに係わる情報が設定されてもよい。
【0040】
従って、一実施形態による符号化情報符号化部140は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つについて、当該符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を割り当てることができる。
【0041】
一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が、4分割されたサイズの正方形のデータ単位であり、最大符号化単位に含まれるあらゆる符号化単位内、予測単位内及び変換単位内に含まれる最大サイズの正方形データ単位でありうる。例えば、符号化情報符号化部140を介して出力される符号化情報は、深度別符号化・単位別符号化情報と、予測単位別符号化情報とに分類される。深度別符号化・単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向に係わる情報、インターモードの参照映像インデックスに係わる情報、動きベクトルに係わる情報、イントラモードのクロマ(chroma)成分に係わる情報、イントラモードの補間方式に係わる情報などを含んでもよい。また、ピクチャ、スライスまたはGOP別に定義される符号化単位の最大サイズに係わる情報及び最大深度に係わる情報は、ビットストリームのヘッダに挿入されてもよい。
【0042】
映像符号化装置100の最も簡単な形態の実施形態によれば、深度別符号化単位は、ある階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にしたサイズの符号化単位である。すなわち、現在深度kの符号化単位のサイズが2Nx2Nであるならば、下位深度k+1の符号化単位のサイズは、NxNである。従って、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を最大4個含んでもよい。
【0043】
従って、一実施形態による映像符号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位のサイズ及び最大深度を基に、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及びサイズの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、周波数変換方式などで符号化が可能であるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮し、最適の符号化モードが決定される。
【0044】
映像の解像度が非常に高いか、あるいはデータ量が非常に大きい映像を、従来の16x16サイズのマクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。これにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下する傾向がある。従って、本発明の一実施形態による映像符号化装置は、映像のサイズを考慮し、符号化単位の最大サイズを増加させつつ、映像特性を考慮して符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が上昇しうる。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態による映像復号化装置のブロック図を図示している。図2を参照すれば、本発明の一実施形態による映像復号化装置200は、映像データ獲得部210、符号化情報抽出部220及び映像データ復号化部230を含む。一実施形態による映像復号化装置200の各種プロセシングのための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種符号化モードに係わる情報など各種用語の定義は、図1及び映像符号化装置100を参照して述べた通りである。映像関連データ獲得部210は、映像復号化装置200が受信したビット列をパージングし、最大符号化単位別に映像データを獲得し、映像データ復号化部230に出力する。映像関連データ獲得部210は、現在ピクチャまたはスライスに係わるヘッダから、現在ピクチャまたはスライスの最大符号化単位に係わる情報を抽出することができる。本発明の一実施形態による映像復号化装置200は、最大符号化単位別に映像データを復号化する。
【0046】
符号化情報抽出部220は、映像復号化装置200が受信したビット列をパージングし、現在ピクチャに係わるヘッダから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化深度及び符号化モードに係わる情報を抽出する。抽出された符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、映像データ復号化部230に出力される。
【0047】
最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、一つ以上の符号化深度情報について設定され、符号化深度別符号化モードに係わる情報は、当該符号化単位のパーティション・タイプ情報、予測モード情報及び変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。また、符号化深度情報として、深度別分割情報が抽出されもする。
【0048】
符号化情報抽出部220が抽出した最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、一実施形態による映像符号化装置100のように、符号化端で、最大符号化単位別深度別符号化単位ごとに、反復して符号化を行い、最小符号化誤差を発生させると決定された符号化深度及び符号化モードに係わる情報である。従って、映像復号化装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によってデータを復号化し、映像を復元することができる。
【0049】
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位について割り当てられるので、符号化情報抽出部220は、所定データ単位別に、符号化深度及び符号化モードに係わる情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の符号化深度及び符号化モードに係わる情報が記録されているならば、同じ符号化深度及び符号化モードに係わる情報を有している所定データ単位は、同じ最大符号化単位に含まれるデータ単位であると類推される。
【0050】
映像データ復号化部230は、符号化情報抽出部220で抽出された最大符号化単位別符号化深度及び符号化モード情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを復元する。すなわち、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれたツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位ごとに、判読されたパーティション・タイプ、予測モード、変換単位に基づいて符号化された映像データを復号化ことができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む動き予測過程、及び周波数逆変換過程を含んでもよい。
【0051】
映像データ復号化部230は、符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティション・タイプ情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとに、それぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行うことができる。また、映像データ復号化部230は、最大符号化単位別逆変換のために、符号化深度別符号化単位の変換単位のサイズ情報に基づいて、符号化単位ごとに、それぞれの変換単位によって、逆変換を行うことができる。
【0052】
映像データ復号化部230は、深度別分割情報を利用する現在最大符号化単位の符号化深度を決定することができる。もし分割情報が、現在深度でそれ以上分割されないということを示しているならば、現在深度が符号化深度である。従って、映像データ復号化部230は、現在最大符号化単位の映像データについて、現在深度の符号化単位を、予測単位の分割タイプ、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して復号化が可能である。すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位のうち、所定データ単位について設定されている符号化情報を観察し、同じ分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、映像データ復号化部230によって、同じ符号化モードで復号化する1つのデータ単位であると見なされる。
【0053】
一実施形態による映像復号化装置200は、符号化過程で、最大符号化単位ごとに再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位に係わる情報を獲得し、現在ピクチャに係わる復号化に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに、最適符号化単位として決定されたツリー構造に、他の符号化単位の符号化された映像データの復号化が可能になる。従って、高い解像度の映像またはデータ量が過度に多い映像であっても、符号化端から伝送された最適符号化モードに係わる情報を利用し、映像の特性に適応的に決定された符号化単位のサイズ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号化して復元することができる。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態による階層的符号化単位を図示している。図3を参照すれば、符号化単位の例は、符号化単位のサイズは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、32x32、16x16、8x8を含んでもよい。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割される。
【0055】
図3で、ビデオデータ310については、解像度は1920x1080、最大符号化単位のサイズは64、最大深度が2に設定されている。また、ビデオデータ320については、解像度は1920x1080、符号化単位の最大サイズは64、最大深度が3に設定されている。また、ビデオデータ330については、解像度は352x288、符号化単位の最大サイズは16、最大深度が1に設定されている。図3に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示している。
【0056】
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、圧縮率向上だけではなく、映像特性を正確に反映させるために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、ビデオデータ330に比べて、解像度の高いビデオデータ310,320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択される。
【0057】
ビデオデータ310の最大深度が2であるから、ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割されて深度が2階層深くなり、長軸サイズが32、16である符号化単位まで含んでもよい。一方、ビデオデータ330の最大深度が1であるから、ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割されて深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
【0058】
ビデオデータ320の最大深度が3であるから、ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64の最大符号化単位から、3回分割されて深度が3階層深くなり、長軸サイズが32、16、8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、さらに小さい符号化単位に基づいて映像を符号化するので、さらに精密な場面を含んでいる映像を符号化するのに適するものとなる。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部のブロック図を示している。一実施形態による映像符号化部400は、前述のビデオ符号化装置100の符号化深度決定部120で、映像データを符号化するのに行う作業を含んで行う。図4を参照すれば、イントラ予測部410は、現在フレーム405のうち、イントラモードの予測単位についてイントラ予測を行い、動き推定部420及び動き補償部425は、インターモードの予測単位について、現在フレーム405及び参照フレーム495を利用し、インター予測及び動き補償を行う。
【0060】
イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425から出力された予測単位に基づいて、残留値が生成され、生成された残留値は、周波数変換部430及び量子化部440を経て、量子化された変換係数として出力される。
【0061】
量子化された変換係数は、逆量子化部460、周波数逆変換部470を介して、再び残留値に復元され、復元された残留値は、デブロッキング部480及びループフィルタリング部490を経て後処理され、参照フレーム495に出力される。量子化された変換係数は、エントロピ符号化部450を経て、ビットストリーム455として出力される。
【0062】
本発明の一実施形態による映像符号化方法によって符号化するために、映像符号化部400の構成要素のイントラ予測部410、動き推定部420、動き補償部425、周波数変換部430、量子化部440、エントロピ符号化部450、逆量子化部460、周波数逆変換部470、デブロッキング部480及びループフィルタリング部490は、いずれも最大符号化単位ごとに最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位に基づいて、映像符号化過程を処理する。特に、イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位のパーティション及び予測モードを決定し、周波数変換部430は、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位内の変換単位のサイズを考慮し、変換単位のサイズを決定せねばならない。
【0063】
図5は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部のブロック図を示している。図5を参照すれば、ビットストリーム505が、パージング部510を経て、復号化対象である符号化された映像データ及び復号化のために必要な符号化情報がパージングされる。符号化された映像データは、エントロピ復号化部520及び逆量子化部530を経て、逆量子化されたデータとして出力され、周波数逆変換部540を経て、残留値に復元される。残留値は、イントラ予測部550のイントラ予測の結果、または動き補償部560の動き補償の結果と加算され、符号化単位別に復元される。復元された符号化単位は、デブロッキング部570及びループフィルタリング部580を経て、次の符号化単位または次のピクチャの予測に利用される。
【0064】
本発明の一実施形態による映像復号化方法によって復号化するために、映像復号化部400の構成要素であるパージング部510、エントロピ復号化部520、逆量子化部530、周波数逆変換部540、イントラ予測部550、動き補償部560、デブロッキング部570及びループフィルタリング部580が、いずれも最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位に基づいて、映像復号化過程を処理する。特に、イントラ予測部550、動き補償部560は、ツリー構造による符号化単位それぞれごとに、パーティション及び予測モードを決定し、周波数逆変換部540は、符号化単位ごとに変換単位のサイズを決定せねばならない。
【0065】
図6は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位及び予測パーティションを図示している。
【0066】
一実施形態による映像符号化装置100及び一実施形態による映像復号化装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を使用する。符号化単位の最大高、最大幅及び最大深度は、映像の特性によって、適応的に決定され、ユーザの要求によって、多様に設定されもする。既設定の符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位のサイズが決定されもする。
【0067】
本発明の一実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高及び最大幅が64であり、最大深度が4である場合を図示している。一実施形態による符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って、深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測基盤になる予測単位及びパーティションが図示されている。
【0068】
符号化単位610は、符号化単位の階層構造600のうち最大符号化単位であり、深度が0であり、符号化単位のサイズ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の符号化単位620、サイズ16x16である深度2の符号化単位630、サイズ8x8である深度3の符号化単位640、サイズ4x4である深度4の符号化単位650が存在する。サイズ4x4である深度4の符号化単位650は、最小符号化単位である。
【0069】
さらに図6を参照すれば、それぞれの深度別に横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の最大符号化単位610が予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の符号化単位610に含まれるサイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割される。
【0070】
同様に、深度1のサイズ32x32の符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割される。
【0071】
深度2のサイズ16x16の符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の符号化単位630に含まれるサイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割される。
【0072】
深度3のサイズ8x8の符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の符号化単位640に含まれるサイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割される。
【0073】
最後に、深度4のサイズ4x4の符号化単位650は、最小符号化単位であり、最上位深度の符号化単位であり、当該予測単位も、サイズ4x4のパーティション650にのみ設定されもする。
【0074】
一実施形態による映像符号化装置の符号化深度決定部120は、最大符号化単位610の符号化深度を決定するために、最大符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに符号化を行わねばならない。
【0075】
同じ範囲及びサイズのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も増加する。例えば、深度1の符号化単位1個が含むデータについて、深度2の符号化単位は、4個が必要である。従って、同じデータの符号化結果を深度別に比較するために、1個の深度1の符号化単位及び4個の深度2の符号化単位を利用し、それぞれ符号化されねばならない。
【0076】
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で最も小さい符号化誤差である代表符号化誤差が選択される。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610のうち、最小符号化誤差が発生する深度及びパーティションが、最大符号化単位610の符号化深度及びパーティション・タイプとして選択される。
【0077】
図7は、本発明の一実施形態による符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
【0078】
本発明の一実施形態による映像符号化装置100及び映像復号化装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さか、あるいは同じサイズの符号化単位で映像を分割して符号化したり復号化する。符号化過程において、周波数変換のための変換単位のサイズは、それぞれの符号化単位よりは大きくないデータ単位を基に選択される。例えば、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して、周波数変換が行われる。また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位でそれぞれ周波数変換を行って符号化した後、原本との誤差が最も少ない変換単位が選択される。
【0079】
図8は、本発明の一実施形態によって、深度別符号化情報を図示している。
【0080】
本発明の一実施形態による映像符号化装置100の符号化情報出力部130は、符号化モードに係わる情報であり、それぞれの符号化深度の符号化単位ごとに、パーティション・タイプに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を符号化して伝送することができる。
【0081】
パーティション・タイプに係わる情報800は、現在符号化単位の動き予測のためのデータ単位であり、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態に係わる情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうち1つのタイプに分割されて利用される。この場合、現在符号化単位のパーティション・タイプに係わる情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうち一つを示すように設定される。
【0082】
予測モードに係わる情報810は、それぞれのパーティションの動き予測モードを示す。例えば、予測モードに係わる情報810を介して、分割タイプに係わる情報800が指すパーティションが、イントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち一つで動き予測が行われるか否かが設定される。
【0083】
また、変換単位サイズに係わる情報820は、現在符号化単位をいかなる変換単位を基に、周波数変換を行うかを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2インター変換単位サイズ828のうち一つであってもよい。
【0084】
本発明の一実施形態による映像復号化装置200の符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティション・タイプに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を抽出し、復号化に利用することができる。
【0085】
図9は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示している。
【0086】
深度の変化いかんを示すために分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。
【0087】
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティション・タイプ912、2N_0xN_0サイズのパーティション・タイプ914、N_0x2N_0サイズのパーティション・タイプ916、N_0xN_0サイズのパーティション・タイプ918を含んでもよい。予測単位が対称的比率で分割されたパーティション912,914,916,918のみが例示されているが、前述のように、パーティション・タイプは、これに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
【0088】
パーティション・タイプごとに、1個の2N_0xN_0サイズのパーティション、2個の2N_0xN_0サイズのパーティション、2個のN_0x2N_0サイズのパーティション、4個のN_0xN_0サイズのパーティションごとに反復して予測符号化が行われる。サイズ2N_0xN_0、サイズN_0xN_0、サイズN_0x2N_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターインターモードで予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションについて行われる。サイズ2N_0x2N_0、2N_0xN_0及びN_0x2N_0のパーティション・タイプ912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最も小さいならば、それ以上下位深度に分割する必要ない。
【0089】
サイズN_0xN_0のパーティション・タイプ918による符号化誤差が最も小さいならば、深度0を1に変更して分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティション・タイプの符号化単位930について反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0090】
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティション・タイプ942、サイズ2N_1xN_1のパーティション・タイプ944、サイズN_1x2N_1のパーティション・タイプ946、サイズN_1xN_1のパーティション・タイプ948を含んでもよい。
【0091】
また、サイズN_1xN_1サイズのパーティション・タイプ948による符号化誤差が最も小さいならば、深度1を深度2に変更して分割させつつ(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960について反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0092】
最大深度がdである場合、深度別縮小情報は、深度d-1であるまで設定し、分割情報は、深度d-2であるまで設定される。すなわち、深度d-2から分割され(970)、深度d-1まで符号化が行われる場合、深度d-1及びサイズ2N_(d-1)x2N_(d-1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d-1)x2N_(d-1)のパーティション・タイプ992、サイズ2N_(d-1)xN_(d-1)のパーティション・タイプ994、サイズN_(d-1)x2N_(d-1)のパーティション・タイプ996、サイズN_(d-1)xN_(d-1)のパーティション・タイプ998を含んでもよい。
【0093】
パーティション・タイプのうち、1個のサイズ2N_(d-1)x2N_(d-1)のパーティション、2個のサイズ2N_(d-1)xN_(d-1)のパーティション、2個のサイズN_(d-1)x2N_(d-1)のパーティション、4個のサイズN_(d-1)xN_(d-1)のパーティションごとに反復して予測符号化を介した符号化が行われてこそ、最小符号化誤差が発生するパーティション・タイプが検索される。サイズN_(d-1)xN_(d-1)のパーティション・タイプ998による符号化誤差が最も小さいとしても、最大深度がdであるから、深度d-1の符号化単位CU_(d-1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる符号化深度が深度d-1として決定され、パーティション・タイプは、N_(d-1)xN_(d-1)として決定される。また、最大深度がdであるから、深度d-1の符号化単位980について、分割情報は設定されない。
【0094】
データ単位999は、現在最大符号化単位に係わる「最小単位」であると言える。一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割されたサイズの正方形のデータ単位であってもよい。このような反復的符号化過程を介して、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較し、最も小さい符号化誤差が発生する深度を選択し、符号化深度を決定し、当該パーティション・タイプ及び予測モードが符号化深度の符号化モードに設定される。
【0095】
かように、深度0、1、…、d-1、dのあらゆる深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最も小さい深度が選択され、符号化深度として決定される。符号化深度、予測単位のパーティション・タイプ及び予測モードは、符号化モードに係わる情報に符号化されて伝送される。また、深度0から符号化深度に至るまで符号化単位が分割されねばならないので、符号化深度の分割情報のみ「0」に設定され、符号化深度を除外した深度別分割情報は、「1」に設定されねばならない。
【0096】
本発明の一実施形態による映像復号化装置200の符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる符号化深度及び予測単位に係わる情報を抽出し、符号化単位900を復号化するのに利用される。一実施形態による映像復号化装置200は、深度別分割情報を利用し、分割情報が「0」である深度を符号化深度として把握し、当該深度に係わる符号化モードに係わる情報を利用し、復号化に利用することができる。
【0097】
図10ないし図12は、本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び周波数変換単位の関係を図示している。
【0098】
符号化単位1010は、最大符号化単位1000について、一実施形態による映像符号化装置100が決定した符号化深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010のうち、それぞれの符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの符号化深度別符号化単位の変換単位である。
【0099】
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位1000の深度が0であるとするならば、符号化単位1012,1054は深度が1、符号化単位1014,1016,1018,1028,1050,1052は深度が2、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1038は深度が3、符号化単位1040,1042,1044,1046は深度が4である。
【0100】
予測単位1060のうち、一部パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティション・タイプであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティション・タイプ、パーティション1032は、NxNのパーティション・タイプである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいは同じである。
【0101】
変換単位1070のうち、一部1052,1054の映像データについては、符号化単位に比べて、小さいサイズのデータ単位で、周波数変換または周波数逆変換が行われる。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060において、当該予測単位及びパーティションと比較すれば、互いに異なるサイズまたは形態のデータ単位である。すなわち、本発明の一実施形態による映像符号化装置100及び映像復号化装置200は、同じ符号化単位に係わる予測及び周波数変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基に行うことができる。単位ごとに再帰的に符号化が行われて最適符号化単位が決定されることにより、再帰的ツリー構造による符号化単位が構成される。
【0102】
符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティション・タイプ情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。以下の表1は、一実施形態によるビデオ符号化装置100及び一実施形態によるビデオ復号化装置200で設定することができる一例を示している。
【0103】
【表1】

一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、一実施形態によるビデオ復号化装置200の符号化情報抽出部220は、受信されたビットストリームから、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
【0104】
分割情報は、現在符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示している。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が、現在符号化単位が下位符号化単位に、それ以上分割されない深度が符号化深度であるから、符号化深度について、パーティション・タイプ情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割される場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに独立して、符号化が行われねばならない。
【0105】
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、あらゆるパーティション・タイプで定義され、スキップモードは、パーティション・タイプ2Nx2Nでのみ定義される。
【0106】
パーティション・タイプ情報は、予測単位の高さまたは幅が、対称的比率で分割された対称的パーティション・タイプ2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的比率で分割された非対称的パーティション・タイプ2NxnU,2NxnD,nLx2N,nRx2Nとを示すことができる。非対称的パーティション・タイプ2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:3及び3:1に分割された形態であり、非対称的パーティション・タイプnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:3及び3:1に分割された形態を示す。
【0107】
変換単位サイズは、イントラモードで2種のサイズ、インターモードで2種のサイズに設定されてもよい。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位のサイズが、現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割されたサイズの変換単位が設定されもする。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティション・タイプが、対称形パーティション・タイプであるならば、変換単位のサイズはNxN、非対称型パーティション・タイプであるならば、N/2xN/2に設定される。
【0108】
一実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、符号化深度の符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つについて割り当てられる。符号化深度の符号化単位は、同じ符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を一つ以上含んでもよい。
【0109】
従って、隣接したデータ単位同士それぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同じ符号化深度の符号化単位に含まれているか否かが確認される。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該符号化深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の符号化深度の分布が類推される。
【0110】
従って、その場合、現在符号化単位が、周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用されもする。
【0111】
他の実施形態で、現在符号化単位が、周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用し、深度別符号化単位内で、現在符号化単位に隣接するデータが検索されることによって、周辺符号化単位が参照されもする。
【0112】
図13は、表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
【0113】
最大符号化単位1300は、符号化深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。このうち1つの符号化単位1318は、符号化深度の符号化単位であるから、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティション・タイプ情報は、パーティション・タイプ2Nx2N1322、2NxN 1324、Nx2N 1326、NxN 1328、2NxnU 1332、2NxnD 1334、nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定される。
【0114】
パーティション・タイプ情報が、対称形パーティション・タイプ2Nx2N 1322、2NxN 1324、Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報(TUサイズフラグ)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
【0115】
パーティション・タイプ情報が、非対称型パーティション・タイプ2NxnU 1332、2NxnD 1334、nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、変換単位分割情報(TUサイズフラグ)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
【0116】
以下、本発明の一実施形態によって深度別符号化単位に基づいて符号化された最大符号化単位の分割形態情報を示す分割情報(split flag)と、最大符号化単位に含まれた各符号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報と、を階層的に符号化する方法について具体的に説明する。以下の説明で、符号化単位は、映像の符号化段階で呼ばれる用語であり、映像の復号化段階の側面で、符号化単位は、復号化単位として定義されてもよい。すなわち、符号化単位及び復号化単位という用語は、映像の符号化段階及び復号化段階のうち、いずれの段階で呼ばれるかという違いがあるのみであり、符号化段階での符号化単位は、復号化段階での復号化単位と呼ばれもする。用語の統一性のために、特別の場合を除いては、符号化段階及び復号化段階で、同一に符号化単位と統一して呼ぶことにする。
【0117】
図18は、本発明の一実施形態による映像符号化方法を示したフローチャートである。
【0118】
図1及び図18を参照すれば、段階1610で、最大符号化単位分割部110は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位の少なくとも1つの最大符号化単位に分割する。
【0119】
段階1620で、符号化深度決定部120は、深度が深くなるにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大符号化単位の映像データを符号化して最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する。前述のように、符号化深度決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位に映像データを符号化し、最も小さい符号化誤差が発生する深度を選択し、選択された深度を符号化深度として決定する。具体的には、符号化深度決定部120は、最大符号化単位内の映像データを、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化し、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果を比較し、比較の結果、符号化誤差が最も小さい深度を選択する。また、符号化深度決定部120は、1つの最大符号化単位に含まれる同じ深度の符号化単位であるとしても、それぞれのデータに係わる符号化誤差を測定し、下位深度への分割いかんを決定する。
【0120】
段階1630で、符号化情報符号化部140は、各符号化単位ごとに、各符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定する。分割情報を設定する過程については、図14ないし図16を参照して後述する。
【0121】
段階1640で、符号化情報符号化部140は、各符号化単位ごとに決定された予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を設定する。段階1650で、各符号化単位ごとに設定された分割情報及びスキップ情報を符号化する。
【0122】
図14は、本発明の一実施形態によって、深度別符号化単位に基づいて決定された最大符号化単位の分割形態の一例である。図14で、図面符号1200で表示された最も大きいブロックが、最大符号化単位であり、最大符号化単位1200は、最大深度3の値を有すると仮定する。すなわち、最大符号化単位1200のサイズを2Nx2Nとすれば、最大符号化単位1200は、NxNサイズの深度1の符号化単位1210、(N/2)x(N/2)サイズの深度2の符号化単位1220、及び(N/4)x(N/4)サイズの深度3の符号化単位1220を利用して分割される。図14に図示されているような最大符号化単位1200の分割形態を伝送するために、本発明の一実施形態によれば、符号化情報符号化部140は、各符号化単位ごとに、各符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定する。例えば、NxNサイズの深度1の符号化単位1210は、その上位符号化単位である深度0の最大符号化単位1200の分割いかんを示す1ビットの分割情報を有する。分割情報の各ビットが、「1」の値を有する場合、当該深度の符号化単位が分割される場合を示し、分割情報の各ビットが、「0」の値を有する場合、当該深度の符号化単位が分割されない場合であるとするならば、図14に図示されているような分割形態を有するために、深度1の符号化単位1210は、「1」の値を有する分割情報を有する。
【0123】
図15は、図14の深度2の符号化単位1220が有する分割情報について説明するための図である。図15の図面符号1320は、図14に図示された深度2の符号化単位1220に対応する。図15を参照すれば、符号化情報符号化部140は、深度2の符号化単位1320の分割情報であって、深度2の符号化単位1320が含まれる深度1の符号化単位1310、及び深度0の最大符号化単位1300の分割いかんを示す2ビットの分割情報を設定する。分割情報の各ビットが、「1」の値を有する場合、当該深度の符号化単位が分割される場合を示し、分割情報の各ビットが、「0」の値を有する場合、当該深度の符号化単位が分割されない場合であるとするならば、深度2の符号化単位1320は、深度1の符号化単位1310及び深度0の最大符号化単位1300が、いずれも分割されてこそ生成されるために、深度2の符号化単位1320は、「11」という2ビットの分割情報を有する。
【0124】
図16は、図14の深度3の符号化単位1230が有する分割情報について説明するための図である。図16の図面符号1430は、図14に図示された深度3の符号化単位1230に対応する。図16を参照すれば、符号化情報符号化部140は、深度3の符号化単位1430の分割情報であって、深度3の符号化単位1430が含まれる深度2の符号化単位1420、深度1の符号化単位1410及び最大符号化単位1400の分割いかんを示す3ビットの分割情報を有する。分割情報の各ビットが「1」の値を有する場合、当該深度の符号化単位が分割される場合を示し、分割情報の各ビットが「0」の値を有する場合、当該深度の符号化単位が分割されない場合であるとするならば、深度3の符号化単位1430は、深度2の符号化単位1420、深度1の符号化単位1410及び深度0の最大符号化単位1400がいずれも分割されてこそ生成されるために、深度3の符号化単位1430は、「111」という3ビットの分割情報を有する。
【0125】
このように、符号化情報符号化部140は、最大符号化単位から最下位符号化単位まで、現在符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割した回数を示す最大深度をd(dは整数)、現在符号化単位の深度をn(0≦n≦(d-1)、nは整数)とするとき、現在符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを、nビットの分割情報を利用して設定することができる。nビットの分割情報の各ビットは、深度0から深度(n-1)までの現在符号化単位より上位深度の符号化単位の分割いかんを示すように設定される。このとき、nビットの分割情報において、MSB(most significant bit)及びLSB(least significant bit)のうち、いずれの順序で上位深度の分割いかんを示すかは、必要によって変更可能である。
【0126】
一方、このように、現在符号化単位が含まれた上位深度の分割いかんを分割情報として、各符号化単位ごとに設定する場合、最大符号化単位で、各符号化単位が属する位置は、符号化端と復号化端とで同じ処理順序によって符号化単位を処理する場合、分割いかんに係わる情報から容易に決定されるのである。例えば、図17に図示されているように、本発明の一実施形態で、最大符号化単位1500内の各符号化単位は、同一深度の符号化単位をジグザグスキャン順序で処理され、復号化時にも、同じジグザグスキャン順序で、同一深度の復号化単位を処理するならば、前述の各符号化単位が有する上位深度の符号化単位の分割いかんを示す分割情報から、符号化時に決定された最大符号化単位の分割形態を復元することが可能である。本発明の一実施形態によるブロック処理順序は、例示したジグザグスキャン順序以外に多様に設定されるが、復号化時に、最大符号化単位の分割形態を決定することができるようにするために、符号化時と復号化時とで同一に、符号化単位の処理順序を設定することが必要である。
【0127】
符号化情報符号化部140は、各符号化単位の決定された予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を、各符号化単位ごとに1ビットを割り当てて設定する。例えば、スキップ情報のビットが「1」の値を有する場合、当該符号化単位の予測モードがスキップモードであることを示し、「0」の値を有する場合、当該符号化単位がスキップモード以外の他の予測モードによって予測されたものであるということを示すことができる。このように、符号化単位ごとに、スキップ情報を設定する理由は、スキップモードの場合、別途の予測過程なしに、周辺符号化単位の動き情報から復元され、またスキップモードとして決定された符号化単位は、復号化時に、別途の分割過程が省略され、映像の圧縮効率及び処理性能を向上させることができるためである。
【0128】
図19は、本発明の他の実施形態による映像符号化方法を示したフローチャートである。図19を参照すれば、段階1710で、最大符号化単位分割部110は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位の少なくとも1つの最大符号化単位に分割する。
【0129】
段階1720で、符号化深度決定部120は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大符号化単位の映像データを符号化し、最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する。前述のように、符号化深度決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位に映像データを符号化し、最も小さい符号化誤差が発生する深度を選択し、選択された深度を符号化深度として決定する。
【0130】
段階1730で、符号化情報符号化部140は、各符号化単位ごとに各符号化単位と、前記各符号化単位が含まれる上位深度との予測モードが、スキップモードであるか否かということを含むスキップ情報を設定する。すなわち、本発明の他の実施形態によれば、各符号化単位のスキップ情報は、現在符号化単位だけではなく、現在符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位のスキップモードを含むようにすることができる。具体的には、最大符号化単位から最下位符号化単位まで、現在符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割した回数を示す最大深度をd(dは整数)、現在符号化単位の深度をn(0≦n≦(d-1)、nは整数)とするとき、符号化情報符号化部140は、現在符号化単位及び上位(n-1)深度の符号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを、nビットのスキップ情報を利用して設定することができる。n=1である場合、すなわち、現在符号化単位が深度1のサイズを有する符号化単位であるならば、直ちに上位深度の符号化単位は、最大符号化単位になるので、この場合には、自体の予測モードが、スキップモードであるか否かを示す1ビットのスキップ情報のみを有する。例えば、図14で、深度1の符号化単位1210は、自体の予測モードが、スキップモードであるか否かを示す1ビットのスキップ情報を有する。
【0131】
他の例として、図15を参照すれば、符号化情報符号化部140は、深度2の符号化単位1320のスキップ情報として、深度2の符号化単位1320のスキップ情報を示す1ビットと、深度2の符号化単位1320が含まれる深度1の符号化単位1310のスキップ情報を示す1ビットとの総2ビットのスキップ情報を設定する。さらに他の例として、図16を参照すれば、符号化情報符号化部140は、深度3の符号化単位1430のスキップ情報として、深度3の符号化単位1430のスキップ情報、深度3の符号化単位1430が含まれる深度2の符号化単位1420のスキップ情報、及び深度1の符号化単位1410のスキップ情報の総3ビットのスキップ情報を有するように設定することができる。
【0132】
再び図19を参照すれば、段階1740で、各符号化単位ごとに、各符号化単位が含まれる下位深度の符号化単位の分割いかんを含む分割情報を設定する。段階1740による分割情報を設定する段階は、前述の本発明の一実施形態と同一であり、具体的な説明は省略する。
【0133】
段階1750で、各符号化単位ごとに設定された分割情報及びスキップ情報を符号化する。
【0134】
図20は、本発明の一実施形態による映像復号化方法を示したフローチャートである。本発明の一実施形態による映像復号化方法は、図18に図示された本発明の一実施形態によって符号化されたビットストリームを復号化する場合に対応する。
【0135】
図2及び図20を参照すれば、段階1810で、符号化情報抽出部220は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位別に符号化された映像データから、復号化される現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを含む分割情報を抽出する。
【0136】
段階1820で、符号化情報抽出部220は、映像データから、現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を抽出する。
【0137】
段階1830で、復号化部230は、分割情報によって現在復号化単位が含まれた最大復号化単位の分割形態を決定する。前述のように、分割情報は、現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを示すnビットの分割情報を含んでいるので、このような分割情報を利用し、最大復号化単位を、現在復号化単位が有する深度の符号化単位まで分割することができる。
【0138】
段階1840で、復号化部230は、スキップ情報によって、現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断する。もし現在復号化単位がスキップモードであると予測された場合、分割過程は中断され、符号化情報に含まれた他の情報などが復号化され始まる。
【0139】
図21は、本発明の一実施形態による映像復号化方法によって、最大サイズ復号化単位を分割する過程、及びスキップ情報を復号化する過程を示したフローチャートである。図21を参照すれば、段階1910で、最大符号化単位に属した符号化単位の符号化情報が抽出される。前述のように、符号化単位には、分割情報及びスキップ情報が含まれている。
【0140】
段階1920で、分割情報を復号化し、段階1930で復号化された分割情報によって、現在設定された深度によって、最大復号化単位を分割し、現在復号化単位が有する深度まで、現在復号化単位が分割されたか否かを判断する。一例として、前述のように、現在復号化単位が、「11」の分割情報を有する深度2の復号化単位であるならば、現在復号化単位は、最大復号化単位を2回分割した符号化単位に含まれるものである。
【0141】
段階1930の判断結果、現在復号化単位が有する深度まで、最大復号化単位が分割されていない場合であるならば、段階1935で、深度を一つ増加させる。
【0142】
段階1930の判断結果、現在復号化単位が有する深度まで、最大復号化単位が分割された場合であるならば、段階1940で、スキップ情報を復号化する。段階1950で、現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断し、もしスキップモードであるならば、段階1960で、現在復号化単位が最後の復号化単位であるか否かを判断し、次の最大復号化単位の復号化に進むか(段階1970)、復号化単位のインデックス値を1段階増加させ、次の復号化単位の復号化を進める(CU INDEX+1)(段階1980)。
【0143】
段階1950の判断結果、段階1955で、現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるならば、分割情報及びスキップ情報以外の他の映像データに係わる情報を復号化する。
【0144】
図22は、本発明の他の実施形態による映像復号化方法を示したフローチャートである。本発明の他の実施形態による映像復号化方法は、図19に図示された本発明の他の実施形態によって符号化されたビットストリームを復号化する場合に対応する。
【0145】
図2及び図22を参照すれば、段階2010で、符号化情報抽出部220は、深度が増加するにつれて、階層的に分割される深度別符号化単位に基づいて、最大サイズの符号化単位である最大符号化単位別に符号化された映像データから、復号化される現在復号化単位、及び現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を抽出する。
【0146】
段階2020で、符号化情報抽出部220は、映像データから、現在復号化単位が含まれる上位深度の復号化単位の分割いかんを含む分割情報を抽出する。
【0147】
段階2030で、復号化部230は、抽出されたスキップ情報によって、現在復号化単位及び上位深度の復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断する。このように、本発明の他の実施形態によって、分割情報を復号化する以前に、スキップ情報をまず復号化する場合、スキップモードであると判断された復号化単位については、分割過程が省略されるために、映像の処理性能を向上させることができる。
【0148】
段階2040で、スキップモードであると判断されていない復号化単位について、分割情報によって、現在復号化単位が含まれた最大復号化単位の分割形態を決定する。
【0149】
図23は、本発明の他の実施形態による映像復号化方法によって、最大サイズ復号化単位を分割する過程、及びスキップ情報を復号化する過程を示したフローチャートである。図23を参照すれば、段階2110で、最大符号化単位に属した符号化単位の符号化情報が抽出される。前述のように、符号化単位には、分割情報及びスキップ情報が含まれている。
【0150】
段階2120で、スキップ情報を復号化し、段階2130で、復号化されたスキップ情報によって、現在復号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを判断する。現在復号化単位の予測モードがスキップモードである場合、現在復号化単位が最後の復号化単位であるか否かを判断し(段階2135)、最後の復号化単位であるならば、次の最大復号化単位の復号化に進み(段階2140)、最後の復号化単位ではないならば、復号化単位インデックスを一つ増加させ、次の復号化単位に係わる復号化が進められるようにする(CU INDEX+1)(段階2145)。現在復号化単位の予測モードが、スキップモードではないならば、段階2150で、現在復号化単位の分割情報を復号化する。
【0151】
段階2160で、復号化された分割情報によって、現在設定された深度によって、最大復号化単位を分割し、現在復号化単位が有する深度まで分割されたか否かを判断する。一例として、前述のように、現在復号化単位が「11」の分割情報を有する深度2の復号化単位であるならば、最大復号化単位を2回分割することになる。
【0152】
段階2160の判断結果、現在復号化単位が有する深度まで、最大復号化単位が分割されていない場合であるならば、段階2180で、深度を一つ増加させ、段階2160の判断結果、現在復号化単位が有する深度まで、最大復号化単位が分割された場合であるならば、段階2170で、分割情報及びスキップ情報以外の他の映像データに係わる情報の復号化を開始する。
【0153】
本発明による映像の符号化、復号化方法はまた、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、コンピュータで読み取り可能なコードでもって具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータ・システムによって読み取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などが含まれる。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータ・システムに分散され、分散方式で、コンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行される。
【0154】
以上、本発明についてその望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者であるならば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現可能であるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなくして、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなくして、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたものであると解釈されねばならない。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像復号化方法において、
深度が増加するにつれて、階層的に分割される最大符号化単位を用いて符号化された映像データから、上位深度の符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す分割情報を抽出する段階と、
前記分割情報により、前記最大符号化単位を分割して現在符号化単位を獲得する段階と、
前記映像データから、前記現在符号化単位の予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を抽出する段階と、
前記スキップ情報により、前記現在符号化単位の予測モードが、スキップモードである場合、前記現在符号化単位を1つの予測単位として決定する段階と、
前記スキップ情報により、前記現在符号化単位の予測モードが、スキップモードではない場合、前記現在符号化単位の分割タイプに基づいて、前記現在符号化単位から1つ以上の予測単位を獲得する段階と、を含み、
前記現在符号化単位を獲得する段階は、
前記上位深度k(kは整数)の符号化単位の分割情報が分割を示す場合、前記上位深度kの符号化単位を下位深度(k+1)の四つの正方形の符号化単位に分割することによって前記現在符号化単位を獲得し、
前記上位深度kの符号化単位の分割情報が非分割を示す場合、前記上位深度kの符号化単位を前記現在符号化単位と決定することを特徴とする映像復号化方法。
【請求項2】
前記分割情報は、
前記最大符号化単位から最小符号化単位まで、現在符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割可能な回数を示す最大深度をd(dは整数)、前記現在符号化単位の深度をn(0≦n≦(d-1)、nは整数)とするとき、
前記現在符号化単位が含まれる上位深度の符号化単位の分割いかんを示すnビットの分割情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像復号化方法。
【請求項3】
前記nビットの分割情報の各ビットは、
深度0から深度(n-1)までの前記現在符号化単位より上位深度の符号化単位の分割いかんを示すことを特徴とする請求項2に記載の映像復号化方法。
【請求項4】
映像符号化装置において、
現在ピクチャを最大サイズの符号化単位である少なくとも一つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部と、
深度が増加するにつれて、階層的に分割される最大符号化単位及び深度別符号化単位に基づいて、前記最大符号化単位の映像データを符号化し、前記最大符号化単位の分割形態と、分割された各符号化単位の予測モードと、を決定する符号化深度決定部と、
前記各符号化単位について上位深度の符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す分割情報及び前記決定された予測モードが、スキップモードであるか否かを示すスキップ情報を設定し、前記分割情報及びスキップ情報を符号化する符号化情報符号化部と、を含み、
前記スキップ情報によって現在符号化単位の予測モードがスキップモードである場合、前記現在符号化単位は、1つの予測単位として決定され、前記スキップ情報によって、前記現在符号化単位の予測モードがスキップモードではない場合、前記現在符号化単位の分割タイプに基づいて、前記現在符号化単位から1つ以上の予測単位が獲得され、
前記符号化深度決定部は、
前記上位深度k(kは整数)の符号化単位が下位深度(k+1)の四つの符号化単位に分割される場合、前記上位深度kの符号化単位の分割情報が分割を示すように決定し、前記上位深度kの符号化単位が前記下位深度(k+1)の四つの符号化単位に分割されない場合、前記上位深度kの符号化単位の分割情報が非分割を示すように決定することを特徴とする映像符号化装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-08-16 
結審通知日 2016-08-19 
審決日 2016-08-31 
出願番号 特願2012-521584(P2012-521584)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 古川 哲也  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 渡辺 努
戸次 一夫
登録日 2016-04-08 
登録番号 特許第5912079号(P5912079)
発明の名称 映像の符号化方法及び装置、並びに映像の復号化方法及び装置  
代理人 伊東 忠重  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 大貫 進介  

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