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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05B
管理番号 1321529
審判番号 不服2015-7961  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-28 
確定日 2016-11-07 
事件の表示 特願2011- 72439号「照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年10月25日出願公開、特開2012-209052号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成23年3月29日の出願であって、平成26年11月6日付けで拒絶理由が通知され、平成27年1月6日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年2月4日付けで拒絶査定がなされた。これに対して、同年4月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に、手続補正書が提出され、その後、当審において、平成28年2月17日付けで拒絶理由が通知され、同年4月15日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月22日に付けで拒絶理由が通知され、同年8月22日に意見書が提出されたものである。
そして、本願の請求項1?3に係る発明は、平成28年4月15日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
交流電源の電圧を整流する整流手段と;
出力端が照明負荷に接続されるとともに、前記交流電源の周波数より高周波でオンオフされるスイッチング手段を有し、前記整流手段の出力電圧をスイッチングして所要の出力電力を照明負荷に供給する電力変換手段と;
前記スイッチング手段を制御して前記照明負荷を付勢する出力電力を調整可能な出力制御手段と;
自己は動作用電源を有さず、操作されることにより前記照明負荷の調光量を決定するとともに、前記交流電源および前記電力変換手段と電気的に絶縁される調光操作端末器と;
前記調光操作端末器と通電可能に形成されて前記調光操作端末器に電力を供給し、前記調光操作端末器の操作に応じて変化する通電電気信号に基づいて調光信号を作成し、前記調光信号に応じて前記スイッチング手段を制御する信号を前記出力制御手段に絶縁手段を介して送出する調光制御手段と;
前記電力変換手段の高周波電圧発生部に磁気的に結合され、前記交流電源から絶縁された補助巻線によって、前記電力変換手段の出力の一部を前記調光制御手段の動作用電源として供給する補助電源手段と;
を具備していることを特徴とする照明装置。」

2.引用文献
本願の出願前に頒布された刊行物であり、当審において平成28年6月22日付けで通知した拒絶理由で引用した引用文献1?3は次のとおりである。
引用文献1:特開2010-198760号公報
引用文献2:特開昭63-23563号公報
引用文献3:特表2008-527667号公報

(1)引用文献1に記載の事項及び引用発明
引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
(下線は当審で付与したものである。以下同様。)

「【0001】
本発明はLEDを調光点灯するLED調光点灯装置及びそれを用いたLED照明器具に関するものである。」

「【0018】
図1は本発明のLED調光点灯装置の概略構成を示すブロック図である。1は調光器、2は調光信号変換回路、3はLED電源制御回路、4はスイッチング電源回路、5はLED発光部である。
【0019】
図2は各部の信号波形を示す波形図である。調光器1は第1のPWM信号(a)を出力する。調光信号変換回路2は第1のPWM信号(a)をそのパルス幅に応じて振幅が増減する直流電圧(b)に変換し、これを第2のPWM信号(c)に変換して出力する。第1のPWM信号(a)の周波数は例えば1kHz、第2のPWM信号(c)の周波数は例えば122Hzとする。また、直流電圧(b)の振幅は例えば2?4Vとする。
【0020】
第2のPWM信号(c)を商用交流周波数(50/60Hz)よりも高く設定することにより、LED発光部5から出力される光のちらつきを防止できる。・・・
【0021】
LED電源制御回路3は第2のPWM信号(c)のパルス幅に同期して高周波信号(d)を間欠発振する。この高周波信号(d)の周波数は例えば50?100kHzとする。スイッチング電源回路4は商用交流電源をLED点灯用の直流電圧(e)に変換する電力変換回路であり、間欠発振する高周波信号(d)によりオン・オフ駆動されるスイッチング素子Q1を備えている(図8参照)。スイッチング電源回路4から出力される直流電圧(e)はLED発光部5に供給される。
【0022】
このように、高周波信号(d)の発振周波数は、第2のPWM信号(c)の周波数の100倍以上または第1のPWM信号(a)の周波数の50倍以上とすることにより、低光束調光時においても光出力を細かく制御することができ、光出力の急激な変化を防止して滑らかな調光が可能となる。」

「【0023】
本実施形態のLED調光点灯装置の詳細な構成を図3に示す。電源ユニットAは商用交流電源Vsに接続される電源端子CON1と、LED発光部5に給電するためのリード線6を接続される出力端子CON2と、調光器1から第1のPWM信号(a)を入力される調光端子CON3を備えている。電源端子CON1には、電源整流部41を介してスイッチング電源部42が接続されている。電源整流部41とスイッチング電源部42とで図1のスイッチング電源回路4が構成されている。出力端子CON2には、スイッチング電源部42の出力が接続されている。調光端子CON3から入力されたPWM信号は整流回路21により無極性化され、絶縁回路22によりアイソレーションされて、信号変換回路23に入力される。整流回路21と絶縁回路22と信号変換回路23とで図1の調光信号変換回路2が構成されている。」

「【0025】
絶縁回路22は、アイソレーションのためのフォトカプラPC1を備えている。調光端子CON3から入力されたPWM信号は、整流回路21の全波整流器DB1により適正な極性に変換されて、フォトカプラPC1の発光素子に通電される。フォトカプラPC1の発光素子は調光端子CON3から入力されたPWM信号により赤外線信号を点滅する。この赤外線信号はフォトカプラPC1の受光素子により受光される。これにより、フォトカプラPC1の受光素子は調光端子CON3から入力されたPWM信号に応じて導通/非導通が交番する。
【0026】
信号変換回路23は、フォトカプラPC1の受光素子の導通/非導通の交番を受けて、図4に示すように、波形整形回路24とCRフィルタ回路を介してPWM信号(a)のパルス幅に応じた直流電圧(b)に変換し、これをA/D変換したデジタル信号を演算処理して高ビット数のPWM信号(c)に変換して出力する。」

「【0044】
次に、図1のスイッチング電源回路4について説明する。図3の実施形態では、電源整流部41とスイッチング電源部42とで図1のスイッチング電源回路4を構成している。電源整流部41の入力部には、電流ヒューズFUSEを介してサージアブソーバZNRと雑音防止用のコンデンサC1、ラインフィルタLF、コンデンサC2が接続されており、これらの素子を介して全波整流器DB2の交流入力端子が接続されている。電源整流部41の出力部には全波整流器DB2の直流出力端子が接続されており、回路グランド(負極側)は雑音バイパス用コンデンサC3,C4を介して電源ユニットAの金属ケースに接続されている。
【0045】
スイッチング電源部42の構成例を図8に示す。ここでは、スイッチング電源部42として、スイッチング素子Q1とダイオードD1、インダクタL1、平滑コンデンサC6及び電流検出抵抗R1を備える降圧チョッパ回路を用いている。
【0046】
全波整流器DB2の直流出力端子には平滑コンデンサC5が接続されている。平滑コンデンサC5の正極には、平滑コンデンサC6の正極が接続されている。平滑コンデンサC6の両端には出力端子CON2が接続されている。出力端子CON2にはリード線6を介してLED発光部5が接続されている。平滑コンデンサC6の負極にはインダクタL1の一端が接続されている。インダクタL1の他端は、MOSFETよりなるスイッチング素子Q1のドレイン電極に接続されると共に、回生電流通電用のダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは平滑コンデンサC6の正極に接続されている。
【0047】
スイッチング素子Q1のゲート電極には、LED電源制御回路3から出力される高周波信号(d)が印加されている。高周波信号(d)はPWM信号(c)のパルス幅に同期して間欠的に発振される高周波電圧であり、この高周波電圧がHighレベルのときにスイッチング素子Q1はオンとなり、Lowレベルのときにスイッチング素子Q1はオフとなる。スイッチング素子Q1のソース電極は、電流検出抵抗R1を介して接地されており、平滑コンデンサC5の負極に接続されている。電流検出抵抗R1の両端電圧はLED電源制御回路3の電流検出端子により監視されている。」

「【0049】
このように、高周波信号(d)はスイッチング素子Q1に流れる電流のピーク値が一定となるようにパルス幅を可変制御される第3のPWM信号とすることにより、主として第2のPWM信号(c)のパルス幅により光出力を規定することが可能となる。仮に、スイッチング素子Q1に流れる電流のピーク値が決まらないと、第2のPWM信号(c)のパルス幅だけでは光出力を規定できなくなるが、本実施形態のように、高周波信号(d)のパルス幅を可変制御することで、スイッチング素子Q1に流れる電流のピーク値を一定値となるように制御すれば、光出力を決める主な要素は第2のPWM信号(c)のパルス幅となり、精度の高い調光制御が可能となる。」

「【0059】
次に、図1の調光器1について説明する。この調光器1は、例えば壁面の操作パネルに設置された調光つまみの操作量に応じてパルス幅が変化するPWM信号を出力する。
【0060】
図10は調光器1の構成例を示す回路図である。マイコン11は安価な8ビットマイコンであり、A/D変換入力ポートP1と2値出力ポートP2を有している。A/D変換入力ポートP1には、制御電源電圧Vccを固定抵抗R2と可変抵抗VRで分圧した直流電圧が入力されている。マイコン11はA/D変換入力ポートP1により検出された直流電圧のレベルに応じてパルス幅が可変となるPWM信号を2値出力ポートP2から出力する。2値出力ポートP2には抵抗R3を介してPNPトランジスタTrのベース電極が接続されている。トランジスタTrのエミッタ電極は制御電源電圧Vccのラインに接続されている。トランジスタTrのコレクタ電極は抵抗R4を介してグランドラインに接続されると共に、抵抗R5を介して出力端子CON4の一端に接続されている。出力端子CON4の他端はグランドラインに接続されている。」

「【0062】
マイコン11は制御電源電圧Vccを受けて動作し、・・・」

以上の記載事項及び【図1】?【図4】、【図8】、【図10】の記載からみて、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
〔引用発明〕
「商用交流電源Vsに接続された電源整流部41と、
電源整流部41に接続され、降圧チョッパ回路からなる、LED発光部5に直流電流を供給するスイッチング電源部42と、
制御電源電圧Vccを分圧する固定抵抗R2と可変抵抗VRと、制御電源電圧Vccを受けて動作し、分圧した直流電圧のレベルに応じて第1のPWM信号(a)を出力するマイコン11とからなる調光器1と、
第1のPWM信号(a)を信号変換回路23に入力するフォトカプラPC1からなる絶縁回路22と、
絶縁回路22からの信号を受けて、第1のPWM信号(a)を高ビット数の第2のPWM信号(c)に変換する信号変換回路23と、
第2のPWM信号(c)のパルス幅に同期して高周波信号(d)を間欠発振するLED電源制御回路3と、
LED電源制御回路3から出力される高周波信号(d)がスイッチング電源部42のスイッチング素子Q1に印加され、LED発光部5の光出力を可変とする
LED調光点灯装置。」

(2)引用文献2に記載の事項
引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「近年、電気機器の小型化のために電源部分にチョッパ回路のような所謂スイッチング電源回路を用いることが増えて来ている。一般に、このスイッチング電源回路は商用電源を入力とし、任意の直流電圧、ないしは任意の周波数の交流電源に変換するものである。このスイッチング電源回路を複雑かつ高度に制御するための制御回路は、一般的には数Vから十数Vの直流電源が必要である。このため、制御回路の電源として別途電源を用意する必要があった。」(1頁右欄18行?2頁左上欄7行)

「そこで、第9図に示す従来回路が従来用いられている。放電灯DLの点灯回路であり、商用電源ACを整流するダイオードブリッジDBと、このダイオードブリッジDB出力を高周波電圧に変換するスイッチング電源回路1と、このスイッチング電源回路1のスイッチングトランジスタQ_(O1),Q_(O2)のスイッチングを制御する制御回路2とを備え、さらに商用電源ACとダイオードブリッジDBとの間にトライアックなどの双方向性の位相制御素子Q_(O3)を挿入してある。上記スイッチング電源回路1は、限流用インダクタンスL_(1),発振トランスT、スイッチングトランジスタQ_(O1),Q_(O2)よりなる所謂L-プッシュプルインバータにて構成してある。上記位相制御素子Q_(O3)の位相角は制御回路2にて制御するようになっている。なお、上記制御回路2の電源を作成するために、発振トランスTに4次巻線L_(O4)を設け、この4次巻線L_(O4)に誘起された電圧をダイオードD_(O2)、コンデンサC_(O3)にて整流平滑して制御回路2の電源、及びスイッチングトランジスタQ_(O1),Q_(O2)のベース駆動電源を作成している。」(2頁右上欄8行?同頁左下欄8行)

「この従来例では、放電灯DLを高周波点灯し、位相制御素子Q_(O3)の位相制御で放電灯DLの調光を行うものであり、位相制御素子Q_(O3)の制御などに制御電圧Vccが必要となる。しかし、発振トランスTより4次巻線L_(O4)を分巻きすることにより、制御電圧Vccを得ているので、上述の従来例よりは損失が少なく小型にできる。」(2頁右下欄1?8行)

「そこで、上述の点を改善した第11図に示す従来回路がさらに案出されている。これは、「実用新案公報昭61-5902、松下電器、DC-DCコンバータ」を引用したものである。この従来回路では、商用電源ACを整流平滑するダイオードブリッジDB及び平滑コンデンサC_(1)と、この整流平滑出力をスイッチングトランジスタQ_(1)、インダクタンス素子L_(1)、慣性ダイオードD_(1)、及び平滑コンデンサC_(2)からなる所謂降圧チョッパ回路4とを備え、負荷Lに安定な直流電圧Voを供給するものである。インダクタンス素子L_(1)には図示するように極性を逆にして電気的に結合した付加巻線L_(2)を設けてあり、この付加巻線L_(2)に誘起される電圧を倍電圧整流して制御電圧Vccを作成するダイオードD_(2),D_(3)、及びコンデンサC_(3),C_(4)からなる制御電圧作成回路3’を備えている。
動作としては、商用電源ACをダイオードブリッジDB及び平滑コンデンサC_(1)にて整流平滑して得られた入力電圧Viを降圧チョッパ回路にて構成したスイッチング電源回路1にて降圧して低い出力電圧Voを作成する。このスイッチング電源回路はインダクタンス素子L_(1)に流れる電流にて付加巻線L_(2)に誘起される電圧をダイオードD_(2),D_(3)、及びコンデンサC_(3),C_(4)にて倍電圧整流して制御電圧Vccを得る。」(第2頁右下欄19行?第3頁右上欄3行)

「[発明の目的]
本発明は上述の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、制御回路の電源を効率良く得ることができ、しかも入力電圧の変動の影響を受けることがない電源装置を提供することにある。」(第3頁左下欄1?6行)

「(実施例1)
第1図及び第2図は本発明の一実施例を示す図であり、本実施例では上述の第10図(当審注:「第11図」の誤記と認められる。)の回路構成と略同様であるので、本実施例の特徴とする部分についてのみ説明する。本実施例はインダクタンス素子L_(1)に電気的に結合された付加巻線L_(2)にて出力電圧Voに比例した電圧を得るものであり、本実施例ではイングクタス素子L_(1)と同方向に付加巻線L_(2)を巻回し、ダイオードD_(2)及びコンデンサC_(3)のみを備え、単に整流平滑するものである。
以下、動作について説明する。第2図(a)に示す商用電源ACをダイオードブリッジDB及び平滑コンデンサC_(1)にて整流平滑すると同図(b)に示す入力電圧Viとなる。この入力電圧Viにて降圧チョッパ回路4が動作し、同図(c)に示すようにスイッチングトランジスタQ_(1)のオン時には、イングクタス素子L_(1)にVo-Viなる電圧が負方向に発生し、またスイッチングトランジスタQ_(1)がオフ時には出力電圧Voがイングクタス素子L_(1)に発生する。しかし、上記負方向に発生した電圧はダイオードD_(2)により制御電圧作成回路3出力には現れず、第2図(d)に示すように出力電圧Voに比例した電圧、Vcc≒Vo/Nとなり、最早入力電圧Viが変動しても制御電圧Vccが変動せず、安定な制御電源となる。従って、巻線L_(1),L_(2)の巻数を適当に選択すれば、シリーズレギュレータなどの別途の安定化回路も不要となり、コスト及び損失を着しく低減できる。
(実施例2)
第3図及び第4図は本発明の他の実施例を示す図であり、所謂昇降圧チョッパ回路5に本発明を適用した場合を示す。回路構成的にはインダクタンス素子L_(1)の挿入場所などが異なるが、実質は第1の実施例と同様の構成である。動作としては、第4図(c),(d)に示すように、スイッチングトランジスタQ_(1)のオン時にイングクタス素子L_(1)の両端電圧が-Viとなり、スイッチングトランジスタQ_(1)のオフ時に1次巻線L_(1)の両端電圧がVoとなる。従って、上述の第1の実施例と同様に出力電圧Voを付加巻線L_(2)及びダイオードD_(2)、コンデンサC_(3)にて取り出すことにより、第4図(d)の一定な制御電圧Vccを得ることができる。」(3頁右下欄3行?4頁右上欄4行)

(3)
引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、広くは、ランプの調光制御(dimming control)に関し、とりわけ、ランプを調光する方法及びシステムに関する。」

「【0010】
図2は、本発明に従って作られた調光バラスト調光制御回路(dimming ballast dim control circuit)を備える調光可能な電子バラストのブロック図である。バラスト100は、電源電圧入力部110、AC/DCコンバータ112、ハーフブリッジ回路116、共振タンク回路136、力率補正(PFC)回路114、ランプコントローラ118、及び調光制御回路148を含む。本例において、調光制御回路148は、変圧器144の二次巻線146、電流リミッタ126、カプラ128、並びに第1の端子154及び第2の端子156を含むディマースイッチ入力部120を含む。変圧器144は、二次巻線146に結合される一次巻線178を持ち、PFC回路114の一部である。
【0011】
電源電圧入力部110は、主電源から電源電圧を受け、該電源電圧をAC/DCコンバータ112に供給する。AC/DCコンバータ112は、電源電圧をDC電圧に変換する。PFC回路114は、ハーフブリッジ回路116において所望のDCバス電圧を確立するようにAC/DCコンバータ112の出力を切換える。ランプコントローラ118は、共振タンク回路136からランプ104への光出力信号108の高周波AC電圧を設定するようにハーフブリッジ回路116のスイッチングを制御する。
【0012】
本例において、ランプ調光制御回路148は、変圧器144の二次巻線146においてPFC回路114から回路電力(circuit power)を引き出す。電源124は、変圧器144の二次巻線146である。第1の端子154及び第2の端子156が電気的に接続された場合、即ち、ディマースイッチの接点が閉じられた場合、電源124により駆動されるループ電流130が、電流リミッタ126及びカプラ128を流れる。カプラ128は、ループ電流130に応じてランプコントローラ118に供給されるランプ調光制御信号132を生成する。
【0013】
当業者は、ランプ調光制御回路148が所望のとおり特定のアプリケーション向けに設計され得ることを理解するであろう。カプラ128は、ループ電流に応じてランプ調光制御信号を生成することができ且つランプコントローラ118からディマースイッチ102を切り離す(isolate)ことができる任意の光学的、容量性又は誘導性カップリングデバイスである。一実施例において、カプラ128は、オプトカプラ(optocoupler)である。代替的な実施例において、カプラ128は、シリアルデータバッファリングを備える集積回路装置、リピータ又はUART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter)である。電源124は、第1の端子154及び第2の端子156が電気的に接続された場合ループ電流130を生成することができる任意の電源である。一実施例において、電源124は、PFC回路114に含まれる変圧器144の二次巻線146である。代替的な実施例において、電源124はバッテリである。他の代替的な実施例において、電源124は、電子バラストスタンバイDC電源等の、電子バラスト内で独立したDC源である。
【0014】
動作時、ランプ調光制御回路148は、ディマースイッチ102の状態を検出し、パーセントのランプ出力に対応するランプ調光制御信号132を生成する。ランプ調光制御回路148のスパン(span)は、上記パーセントのランプ出力が、例えば5%のランプ出力である下限と例えば100%のランプ出力である上限との間にあるように設定され得る。一実施例において、ディマースイッチ102の状態は、ディマースイッチ102が開いている、即ち、第1の端子154及び第2の端子156を接続していないか、ディマースイッチ102が閉じられている、即ち、第1の端子154及び第2の端子156を接続しているかどうかである。ディマースイッチ102は交互に開閉し、ランプ調光制御信号132として方形波を生成する。調光レベルは、ランプ調光制御信号132がハイ又はローである相対的時間をサンプリングすることによってランプコントローラ118により決定される。信号のタイミングは、各サイクルに所与の時間がかかるように設定され得る。例えば、サイクル時間は、ディマースイッチ102が100パーセントのランプ出力のため5.5ミリ秒間閉じられ、2.8ミリ秒間開いているような8.3ミリ秒とすることができる。同様に、ディマースイッチ102は、50パーセントのランプ出力のため4.15ミリ秒間閉じられ、4.15ミリ秒間開いていて、5パーセントのランプ出力のため1.8ミリ秒間閉じられ、6.5ミリ秒間開いている。代替的な実施例において、ディマースイッチ102の状態は、ディマースイッチ102間の抵抗値であり、ループ電流130が該抵抗値に応じて変化する。当業者は、ランプ調光制御回路148が、特定のアプリケーションに対し所望のとおりランプ調光制御信号を生成するためディマースイッチ102の種々の状態を検出するように設計され得ることを理解するであろう。ディマースイッチ102は、所望のランプ出力に対応するループ電流のパターン又は振幅を生成し、ランプ調光制御信号132を生成するため、閉じるタイミング又は抵抗値を変えることができる。ランプコントローラ118は、ランプ調光制御信号132のパターン又は振幅に応じてコントローラランプ信号122を生成する。」

4.対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。

後者の「商用交流電源Vsに接続された電源整流部41」は、前者の「交流電源の電圧を整流する整流手段」に相当する。

後者の「電源整流部41に接続され、降圧チョッパ回路からなる、LED発光部5に直流電流を供給するスイッチング電源部42」は、前者の「出力端が照明負荷に接続されるとともに、交流電源の周波数より高周波でオンオフされるスイッチング手段を有し、整流手段の出力電圧をスイッチングして所要の出力電力を照明負荷に供給する電力変換手段」に相当する。

後者の「第1のPWM信号(a)を高ビット数の第2のPWM信号(c)に変換する信号変換回路23と、第2のPWM信号(c)のパルス幅に同期して高周波信号(d)を間欠発振するLED電源制御回路3」は、「LED電源制御回路3から出力される高周波信号(d)がスイッチング電源部42のスイッチング素子Q1に印加され、LED発光部5の光出力を可変とする」ことからみて、前者の「スイッチング手段を制御して照明負荷を付勢する出力電力を調整可能な出力制御手段」に相当する。

後者の「調光器1」の内の「固定抵抗R2と可変抵抗VR」は、電源を有していないことは明らかであり、また、「制御電源電圧Vccを分圧す」るものであり、その「分圧した直流電圧のレベルに応じて第1のPWM信号(a)」が出力され、「第1のPWM信号(a)」から「第2のPWM信号(c)」を経て生成された「高周波信号(d)」が「スイッチング電源部42のスイッチング素子Q1に印加され、LED発光部5の光出力を可変とする」ものであるので、結局、「固定抵抗R2と可変抵抗VR」により「LED発光部5の光出力を可変とする」ものといえる。
また、後者の「第1のPWM信号(a)」は「フォトカプラPC1からなる絶縁回路」を介して「信号変換回路23」に入力されるので、「第1のPWM信号(a)を出力するマイコン11」及びマイコン11に制御電源電圧Vccの分圧を与える「固定抵抗R2と可変抵抗VR」からなる「調光器1」は、「信号変換回路23」とそれに繋がる「LED電源制御回路3」及び「スイッチング電源部42」に対して、電気的に絶縁された手段で接続されているといえる。
そうすると、後者の「固定抵抗R2と可変抵抗VR」は、前者の「自己は動作用電源を有さず、操作されることにより照明負荷の調光量を決定するとともに、交流電源および電力変換手段と電気的に絶縁される調光操作端末器」と、「自己は動作用電源を有さず、操作されることにより照明負荷の調光量を決定するとともに、電力変換手段と電気的に絶縁された手段で接続される調光操作端末器」である限りにおいて一致する。

後者の「調光器1」の内の「マイコン11」は、制御電源電圧Vccを固定抵抗R2と可変抵抗VRで分圧した直流電圧のレベルに応じた第1のPWM信号(a)を出力するものであるので、「固定抵抗R2と可変抵抗VR」とは通電可能に形成されており、また、上記エで述べたとおり、「調光器1」は、「信号変換回路23」とそれに繋がる「LED電源制御回路3」及び「スイッチング電源部42」に対して、電気的に絶縁された手段で接続されているといえる。
また、後者の「制御電源電圧Vcc」は「マイコン11」を動作させる電源でもあるので、後者の「制御電源電圧Vcc」及び「制御電源電圧Vccを受けて動作し、分圧した直流電圧のレベルに応じて第1のPWM信号(a)を出力するマイコン11」は、前者の「調光操作端末器と通電可能に形成されて調光操作端末器に電力を供給し、調光操作端末器の操作に応じて変化する通電電気信号に基づいて調光信号を作成し、調光信号に応じてスイッチング手段を制御する信号を出力制御手段に絶縁手段を介して送出する調光制御手段」に相当する。

後者の「LED調光点灯装置」は、前者の「照明装置」に相当する。

そうすると、両者は、
「交流電源の電圧を整流する整流手段と;
出力端が照明負荷に接続されるとともに、前記交流電源の周波数より高周波でオンオフされるスイッチング手段を有し、前記整流手段の出力電圧をスイッチングして所要の出力電力を照明負荷に供給する電力変換手段と;
前記スイッチング手段を制御して前記照明負荷を付勢する出力電力を調整可能な出力制御手段と;
自己は動作用電源を有さず、操作されることにより前記照明負荷の調光量を決定するとともに、前記電力変換手段と電気的に絶縁された手段で接続される調光操作端末器と;
前記調光操作端末器と通電可能に形成されて前記調光操作端末器に電力を供給し、前記調光操作端末器の操作に応じて変化する通電電気信号に基づいて調光信号を作成し、前記調光信号に応じて前記スイッチング手段を制御する信号を前記出力制御手段に絶縁手段を介して送出する調光制御手段と;
を具備している照明装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
〔相違点〕
本願発明は、「電力変換手段の高周波電圧発生部に磁気的に結合され、交流電源から絶縁された補助巻線によって、電力変換手段の出力の一部を調光制御手段の動作用電源として供給する補助電源手段」を備えることで、調光制御手段から電力を供給される調光操作端末器が「交流電源」と「電気的に絶縁される」ものであるのに対して、引用発明は、可変抵抗VRには制御電源電圧Vccから電圧が印加されるものであり、制御電源電圧Vccがどのように生成されるか明らかでないので、制御電源電圧Vccに接続された固定抵抗R2と可変抵抗VRが、商用交流電源Vs及びスイッチング電源部42と電気的に絶縁されているのか明らかでない点。

(2)判断
上記相違点について検討する。
引用文献2には、スイッチング電源1の交流発生部のインダクタL_(1)に磁気的に結合された付加巻線L_(2)を介して、制御回路の制御電圧Vccを得ることが記載されている(上記2.(2)シ、セ及び第1?4、11図の記載を参照)。ここで、「制御回路」は、引用文献2における従来技術に関する記載(上記2.(2)ケ?サ及び第9図の記載を参照)からみて、スイッチング電源1のスイッチングトランジスタQ_(1)を制御するものと認められる。
そうすると、引用文献2には、スイッチング電源1に磁気的に結合された付加巻線L_(2)によって、スイッチング電源1の出力の一部をスイッチング電源1のスイッチングトランジスタQ_(1)を制御する制御回路の制御電圧Vccを得ることが記載されているといえる。
また、引用文献3には、ディマースイッチ102が接続されるディマースイッチ入力部120の第1の端子154及び第2の端子156の間に、PFC回路114の変圧器144の二次巻線146から回路電力を引き出した電源124と、ランプコントローラ118からディマースイッチ102を切り離す(isolate)ことができる任意の光学的、容量性又は誘導性カップリングデバイスであるカプラ128とを直列に接続して調光制御回路148を構成することが記載されており(上記2.(3)及び【図2】を参照)、ディマースイッチ102及び電源124を含む調光制御回路148は、交流の主電源及びハーフブリッジ回路116のスイッチングを制御するランプコントローラ118と電気的に絶縁されているといえる。
照明装置において、照明負荷側の回路から二次巻線を介して制御装置など低電圧で駆動する回路の電源を形成することは周知の事項であり、引用発明に引用文献2に記載の事項を適用する動機付けは十分にあるといえる。
そして、引用発明の制御電源電圧Vccを取得する構成に引用文献2に記載の事項を適用した際、引用発明において調光器1と信号変換回路23との間が絶縁回路22で電気的に絶縁されていることに加えて、調光器1とそこに接続されている可変抵抗VR及び制御電源電圧Vccとが商用交流電源Vsに対しても電気的に絶縁する構成となることは明らかといえ、また、そのように構成することは引用文献3に記載の事項に鑑みても、当業者が容易になし得ることといえる。
よって、引用発明を、相違点に係る本願発明1の構成とすることは、引用文献2、3に記載の事項に基づいて当業者が容易に想到し得たといえる。
そして、本願発明1の奏する作用及び効果を検討しても、引用発明、引用文献2及び3に記載の事項から予測できる程度のものであって格別のものではない。
よって、本願発明は、引用発明、引用文献2及び3に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明(本願発明)は、引用発明、刊行物2及び3に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-09-05 
結審通知日 2016-09-08 
審決日 2016-09-21 
出願番号 特願2011-72439(P2011-72439)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮崎 光治  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 島田 信一
平田 信勝
発明の名称 照明装置  
代理人 熊谷 昌俊  
代理人 河野 仁志  
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