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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  F21V
審判 全部申し立て 2項進歩性  F21V
管理番号 1322245
異議申立番号 異議2015-700122  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-10-25 
確定日 2016-09-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5737599号発明「照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5737599号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 特許第5737599号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5737599号の請求項1に係る特許についての出願は、平成23年1月26日に出願した特願2011-13695号の一部を平成26年6月11日に新たな特許出願としたものであって、平成27年5月11日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人 武田英莉、佐藤英晃、及び、海老原健雄のそれぞれにより特許異議の申立てがなされ、平成28年2月15日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年4月15日に意見書の提出及び訂正の請求があったものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
平成28年4月15日の訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下のア、イのとおりである。
なお、下線部は訂正箇所を示す。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「中央に開口が形成された器具本体と;
外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージと;
前面側には前記LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が前記器具本体の開口側を向くように前記LEDパッケージが複数実装され、かつ、前記複数のLEDパッケージが前記器具本体の開口を囲むように実装されている器具本体に裏面側が取り付けられた複数又は一枚の基板と;
を具備する照明器具であって、
前記基板は、絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており、
前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設され、前記列間は各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装可能である部分との間よりも離間するように設けられており、
前記複数の配線パターンのブロックは、各LEDパッケージの外側と内側とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージの列間には複数の配線パターンが配設されるように形成されている
ことを特徴とする照明器具。」
とあるのを、
「中央に開口を有し、器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状の器具本体と;
外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージと;
前面側には前記LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が前記器具本体の開口側を向くように前記LEDパッケージが複数実装され、かつ、前記複数のLEDパッケージが前記器具本体の開口を囲むように実装されている器具本体に裏面側が取り付けられた複数又は一枚の基板と;
前記器具本体の前面側を覆うように前記器具本体に取付けられるカバー部材と;
を具備する照明器具であって、
前記基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており、
前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており、
前記複数の配線パターンのブロックは、前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されていることを特徴とする照明器具。」
に訂正する。

なお、後記(2)での検討の便宜上、訂正事項1を次のとおりに分割する。
(ア)訂正事項1-1
請求項1に「中央に開口が形成された器具本体と」とあるのを、「中央に開口を有し、器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状の器具本体と」に訂正する。
(イ)訂正事項1-2
請求項1に「前記器具本体の前面側を覆うように前記器具本体に取付けられるカバー部材と」との事項を追加する。
(ウ)訂正事項1-3
請求項1に「前記基板は、絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており」とあるのを、「前記基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており」に訂正する。
(エ)訂正事項1-4
請求項1に「前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設され、前記列間は各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装可能である部分との間よりも離間するように設けられており」とあるのを、「前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており」に訂正する。
(オ)訂正事項1-5
請求項1に「前記複数の配線パターンのブロックは、各LEDパッケージの外側と内側とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージの列間には複数の配線パターンが配設されるように形成されている」とあるのを、「前記複数の配線パターンのブロックは、前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されている」に訂正する。

イ 訂正事項2
明細書の発明の詳細な説明の段落【0008】を、
「本発明の実施形態による照明器具は、中央に開口を有し、器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状の器具本体と;外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージと;前面側には前記LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が前記器具本体の開口側を向くように前記LEDパッケージが複数実装され、かつ、前記複数のLEDパッケージが前記器具本体の開口を囲むように実装されている器具本体に裏面側が取り付けられた複数又は一枚の基板と;前記器具本体の前面側を覆うように前記器具本体に取付けられるカバー部材と;を具備する照明器具であって、前記基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており、前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており、前記複数の配線パターンのブロックは、前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されていることを特徴とする。」
に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1
(ア)訂正事項1-1
訂正事項1-1は、「中央に開口が形成された器具本体」について、「器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状」であることを特定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
また、願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)の段落【0014】、【0051】には次の記載がある。
「【0014】
図2乃至図5に示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシであり、略中央部に、後述する取付部6を配設するための円形状の開口11が形成されている。・・・」
「【0051】
なお、取付部6は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。」
そうすると、訂正事項1-1は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項1-1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(イ)訂正事項1-2
訂正事項1-2は、「器具本体の前面側を覆うように器具本体に取付けられるカバー部材」を発明を特定する事項として追加するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
また、特許明細書の段落【0053】には次の記載がある。
「【0053】
そして、カバー部材7は、発光装置2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。・・・」
そうすると、訂正事項1-2は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項1-2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)訂正事項1-3
訂正事項1-3は、「基板」が「絶縁領域によって複数のブロックに区画された」「複数の配線パターンを有して」いることについて、「外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の」絶縁領域によって区画されていることを特定したものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
また、特許明細書の段落【0024】?【0026】には次の記載がある。
「【0024】
図8は、基板21における配線パターン層21aを示している。配線パターン層21aは、銅箔のパターンがエッチングによって形成されていて、基板21の表面上を略全面に亘って覆うように形成されている。
【0025】
配線パターン層21aは、発光素子22の実装個数に対応して複数のブロックに線状の絶縁領域iによって区画されていて、発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceがブロック間の比較的狭い線状の絶縁領域iを跨って接続されるようになっている。
【0026】
配線パターン層21aは、発光素子22に電力を供給する電気的導通路であるとともに、発光素子22から発生する熱を拡散するヒートスプレッダとしての機能を有している。」
さらに、願書に添付した図面(以下、「特許図面」という。)の【図8】、【図11】及び【図12】から、配線パターンが線状の絶縁領域iにより区画され、絶縁領域iが基板21の外周部分と繋がっていることを看取しうる。
訂正事項1-3の「前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面」を字義どおり解釈すれば、基板の外周部の絶縁領域に囲まれた領域内の全ての面となり、該当する面に線状の絶縁領域iにより配線パターン層21aが区画されることは、上記段落【0024】?【0026】及び【図8】、【図11】及び【図12】に記載されているといえる。
そうすると、訂正事項1-3は、特許明細書及び特許図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項1-3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(エ)訂正事項1-4
訂正事項1-4は、「実装可能である部分」を「実装されうる部分」と訂正するとともに、「複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、」と訂正することで、「実装されうる部分」の配置を明らかにし、さらに、LEDパッケージが「前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており」と訂正し、LEDパッケージの配置する箇所を明確にするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認められる。
また、特許明細書の段落【0027】には次の記載がある。
「【0027】
図9は、基板21において、配線パターン層21aの上に反射層21bが形成された状態を示している。反射層21bは、各発光素子22が実装され電極Ae、Ceが接続される部分やコネクタが接続される部分を除いて略全面に亘って形成されている。つまり、各発光素子22が実装され電極Ae、Ceが接続される部分やコネクタが接続される部分は、配線パターン層21aが表面上に露出する状態となっている。」
また、【図9】、【図10】から、LEDパッケージが実装される部分が、開口を囲むように複数の列状に配設されること、各列において隣り合うLEDパッケージが実装される部分の間よりも列間が離間することを看取しうる。
そうすると、訂正事項1-4の「複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、」との事項は、段落【0027】及び【図9】、【図10】に記載されているといえる。
さらに、特許明細書の段落【0020】、【0035】には次の記載がある。
「【0020】
なお、発光素子22は、必ずしも複数列に実装する必要はない。例えば、周方向に沿って1列に実装するようにしてもよい。所望する出力に応じて発光素子22の列数や個数を適宜設定することができる。」
「【0035】
図13は、1枚の基板21における各発光素子22の結線状態を示している。具体的には、6個の発光素子22が直列に接続された直列回路が4個並列に接続された2つのラインから構成されている。したがって、合計48個の発光素子22が接続されている。また、これらの直列回路は、発光色が昼白色の発光素子群と電球色の発光素子群とに分けられて接続されている。つまり、一つの直列回路に昼白色と電球色の発光素子22が混在することはない。・・・」
上記段落【0035】の記載及び【図13】に示された、基板21における発光素子22の結線状態によれば、1つのラインを構成している4個の直列回路のいずれかを省略できるものであり、また、上記段落【0020】の記載によれば、所望する出力に応じて発光素子22の列数や個数を適宜変更しうることが示されている。
そうすると、訂正事項1-4のLEDパッケージが「前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており」との事項は、段落【0020】、【0035】及び【図13】に記載されているといえる。
そうしてみると、訂正事項1-4は、特許明細書及び特許図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項1-4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(オ)訂正事項1-5
訂正事項1-5は、「複数の配線パターンのブロック」について、「前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されている」こと、及び、「前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されている」ことを明確にするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認められる。
また、【図8】、【図11】、【図12】から、配線パターンのブロックがLEDパッケージよりも開口側の領域と開口側とは反対の領域に配設されること、及び、LEDパッケージが実装される部分の列間に、同じ列に配設される複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが、線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されていることを看取しうる。
そうすると、訂正事項1-5は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項1-5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の明細書の段落【0008】に記載されていた【課題を解決するための手段】を、訂正事項1により訂正された請求項1の記載に整合するようになされたものであり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえる。
そして、訂正事項2は、訂正事項1と同様に、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る訂正事項1?2は、特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「中央に開口を有し、器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状の器具本体と;
外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージと;
前面側には前記LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が前記器具本体の開口側を向くように前記LEDパッケージが複数実装され、かつ、前記複数のLEDパッケージが前記器具本体の開口を囲むように実装されている器具本体に裏面側が取り付けられた複数又は一枚の基板と;
前記器具本体の前面側を覆うように前記器具本体に取付けられるカバー部材と;
を具備する照明器具であって、
前記基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており、
前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており、
前記複数の配線パターンのブロックは、前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されていることを特徴とする照明器具。」

(2)取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して平成28年2月15日付けで特許権者に通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
[取消理由1-1]
本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物1-甲1?9に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
[取消理由1-2]
本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物2-甲1?8に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
[取消理由2]
本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に適合するものではなく、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。

[取消理由1-1]について
1-甲1.特開2002-367406号公報
1-甲2.特開2007-27072号公報
1-甲3.特開平11-306850号公報
1-甲4.特開2003-324214号公報
1-甲5.特開2009-80978号公報
1-甲6.特開2009-272189号公報
1-甲7.特開2005-100799号公報
1-甲8.特開2009-9926号公報
1-甲9.特開2007-266590号公報

請求項1に係る発明は、1-甲1発明、1-甲2?9に記載の事項及び周知技術(技術常識)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

[取消理由1-2]について
2-甲1.特開2008-124008号公報
2-甲2.特開2009-272189号公報
2-甲3.特開2007-35881号公報
2-甲4.特開2010-27514号公報
2-甲5.特開2009-9926号公報
2-甲6.特開2007-311561号公報
2-甲7.特開2010-97939号公報
2-甲8.特開2008-28171号公報

請求項1に係る発明は、2-甲1発明、2-甲1?8に記載の事項、周知の事項、及び当該技術分野における常套手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

[取消理由2]について
請求項1の「隣り合うLEDパッケージが実装可能である部分」との事項、「各LEDパッケージの外側と内側とに」との事項は、不明確である。

(3)甲号証の記載
ア 1-甲1には、その段落【0010】?【0013】、【0015】、【0021】?【0023】及び【図1】?【図4】の記載からみて、次の発明(以下、「1-甲1発明」という。)が記載されているといえる。
〔1-甲1発明〕
「中央に開口が形成されたリング状本体板2と;
外形が略直方体形状をなしている表面実装型のLED6と;
前面側に前記LED6が前記リング状本体板2の開口側を向くように前記LED6が複数実装され、かつ、前記複数のLED6が前記リング状本体板2の開口を囲むように実装されているリング状本体板2に裏面側が取り付けられた複数又は一枚のリング状LED基板5と;
前記リング状本体板2の前面側を覆うように前記リング状本体板2に取り付けられるリング状拡散板3と;
を具備するリング状LED照明装置であって、
前記基板5に実装された複数のLED6は、前記開口を囲むように複数の列状に配設されるように設けられている、
リング状LED照明装置。」

イ 2-甲1には、その段落【0001】?【0003】、【0005】、【0007】?【0009】、【0012】、【0021】及び【図13】、【図21】?【図23】の記載からみて、次の発明(以下、「2-甲1発明」という。)が記載されているといえる。
〔2-甲1発明〕
「中央に孔7、8を有し、天井Cに配設された引掛ローゼット10に取り付けられる円形状の第一本体1及び第二本体3を含む本体と;
LEDチップ21が支持された金属板22を含むLEDエレメント23と;
前面側には前記LEDエレメント23が複数配置され、かつ、前記複数のLEDエレメント23が前記本体の孔7、8を囲むように配置されている本体に裏面側が取り付けられたベース部材51と;
前記本体の前面側を覆うように前記本体の第一本体1に取り付けられるグローブ6と;
を具備する天井用照明器具であって、
前記ベース部材51に配置された複数のLEDエレメント23は、前記孔7、8を囲むように列状に配設され、
ている天井照明器具。」

(4)判断
ア 特許法第29条第2項について
(ア)1-甲1発明を主引用例とした場合
本件発明と1-甲1発明とを対比すると、次の点で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点1〕
本件発明は、円形状の器具本体が「器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる」ものであるのに対して、1-甲1発明は、リング状本体板2はそのような構成を具備していない点。
〔相違点2〕
本件発明は、基板が「前面側にはLEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が器具本体の開口側を向くようにLEDパッケージが複数実装され」るものであるのに対して、1-甲1発明は、リング状LED基板5におけるLED6の電極の向きはそのように特定されていない点。
〔相違点3〕
本件発明は、「基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画されたLEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有して」いるのに対して、1-甲1発明は、リング状LED基板5がそのように特定されていない点。
〔相違点4〕
本件発明は、「基板に実装された複数のLEDパッケージは、開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されて」いるのに対して、1-甲1発明は、リング状LED基板5におけるLED6を実装する箇所がそのように特定されていない点。
〔相違点5〕
本件発明は、「複数の配線パターンのブロックは、基板のうち、LEDパッケージよりも開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されている」のに対して、1-甲1発明は、リング状LED基板5における配線がそのように特定されていない点。

上記各違点について検討する。
〔相違点2、4、5について〕
本件発明と1-甲1発明とを対比した結果、形式的には上記の相違点1?5が挙げられるものの、相違点2、4、5は、その構成が相互に関連したものであるといえる。
すなわち、相違点2に係る「LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が器具本体の開口側を向くようにLEDパッケージが複数実装され」ることは、その一対の電極の向きの故に、相違点5に係る「複数の配線パターンのブロックは、基板のうち、LEDパッケージよりも開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されている」こと、及び、「LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されている」ことにおける配線パターンが配設される位置と関連していると認められ、また、相違点4に係る「基板に実装された複数のLEDパッケージは、」「LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設され」るため、相違点5に係る「LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されている」ことと関連していると認められる。
そうすると、相違点2、4、5は併せて検討するのが妥当であり、そして、個別の相違点に関して1-甲2?9に示唆があるとしても、相違点2、4、5を併せた構成が記載または示唆されているとはいえない。
よって、相違点2、4、5を容易想到とすることはできないから、相違点1、3について検討するまでもなく、本件発明を容易想到とすることはできない。

(イ)2-甲1発明を主引用例とした場合
本件発明と2-甲1発明とを対比すると、次の点で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点6〕
本件発明は、「外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージ」であるのに対して、2-甲1発明は、LEDチップ21が支持された金属板22を含むLEDエレメント23である点。
〔相違点7〕
本件発明は、基板が「前面側にはLEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が器具本体の開口側を向くようにLEDパッケージが複数実装され」るものであるのに対して、2-甲1発明は、ベース部材51におけるLEDエレメント23の電極の向きはそのように特定されていない点。
〔相違点8〕
本件発明は、「基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画されたLEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有して」いるのに対して、2-甲1発明は、ベース部材51がそのように構成されていない点。
〔相違点9〕
本件発明は、「基板に実装された複数のLEDパッケージは、開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されて」いるのに対して、2-甲1発明は、ベース部材51におけるLEDエレメント23を実装する箇所がそのように特定されていない点。
〔相違点10〕
本件発明は、「複数の配線パターンのブロックは、基板のうち、LEDパッケージよりも開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されている」のに対して、2-甲1発明は、ベース部材51における配線がそのように特定されていない点。

上記相違点について検討する。
〔相違点7、9、10について〕
本件発明と2-甲1発明とを対比した結果、形式的には上記の相違点6?10が挙げられるものの、相違点7、9、10は、(ア)で検討した相違点2、4、5と同様に、その構成が相互に関連したものであり、相違点7、9、10は併せて検討するのが妥当である。
そして、個別の相違点に関して2-甲1?8に示唆があるとしても、相違点7、9、10を併せた構成が記載または示唆されているとはいえない。
よって、相違点7、9、10を容易想到とすることはできないから、相違点6、8について検討するまでもなく、本件発明を容易想到とすることはできない。

イ 特許法第36条第6項第2号について
本件訂正請求により、取消理由通知で指摘した箇所は、上記2.(2)ア(エ)、(オ)で述べたとおり、明確になったといえる。

ウ 特許異議申立書に記載された特許異議申立理由について
特許異議申立人 佐藤英晃は、その特許異議申立書において、本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開2009-272263号公報。以下、「3-甲1」という。)に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張している。
しかしながら、3-甲1に記載の「LEDランプ」は、その段落【0001】】に記載されているように「蛍光灯の代替として用いることができるLEDランプに関する。」ものであり、本件発明の「照明器具」とは、その前提において相違するといえる。
さらに、本件発明と、3-甲1に記載の発明とを対比すると、少なくとも上記ア(ア)で挙げた相違点4、5と同様の相違点(あるいは、ア(イ)で挙げた相違点9、10と同様の相違点)を有しているといえ、それらの相違点を、特許異議申立人 佐藤英晃、及び他の特許異議申立人が特許異議申立書で示す周知技術から容易想到とすることはできないから、本件発明を容易想到とすることはできない。

エ むすび
以上のとおりであるから、取消理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
照明器具
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、LED等の発光素子を用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LEDの高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源としてLEDを用いた屋内又は屋外で使用される長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。このような照明器具は、LEDを基板に複数実装して所定の光量を得るようにしたものである。
【0003】
一方、LED等の発光素子は、発光時、その温度が上昇するに従い、光の出力が低下し、耐用年数も短くなる。このため、LEDやEL素子等の固体発光素子を光源とする照明器具にとって、耐用年数を延したり発光効率等の特性を改善したりするために、発光素子の温度が上昇するのを抑制することが必要である。
【0004】
従来、LEDを光源とする照明器具において、LEDを支持する隣り合う金属板を、互いに離間した状態で配置したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-124008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の照明器具においては、格別に金属板を設けて配置するものであり、コストアップを招くとともに、製造工程が複雑化する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、発光素子の温度上昇を抑制できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態による照明器具は、中央に開口を有し、器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状の器具本体と;外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージと;前面側には前記LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が前記器具本体の開口側を向くように前記LEDパッケージが複数実装され、かつ、前記複数のLEDパッケージが前記器具本体の開口を囲むように実装されている器具本体に裏面側が取り付けられた複数又は一枚の基板と;前記器具本体の前面側を覆うように前記器具本体に取付けられるカバー部材と;を具備する照明器具であって、前記基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており、前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており、前記複数の配線パターンのブロックは、前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、発光素子の温度上昇を抑制できる発光装置及び照明器具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を示す分解斜視図である。
【図3】同照明器具においてカバー部材及び点灯装置カバーを取外して下方から見て示す概略の平面図である。
【図4】同照明器具を示す断面図である。
【図5】図4中、点線で囲まれた範囲を示す拡大図である。
【図6】同照明器具における基板を示す平面図である。
【図7】同1枚の基板を示す平面図である。
【図8】同基板の配線パターン層を示す平面図である。
【図9】同基板に反射層を形成した状態を示す平面図である。
【図10】図9中、発光素子の位置関係を示す平面図である。
【図11】図8における部分的拡大図である。
【図12】図11中、発光素子の位置関係を示す平面図である。
【図13】発光素子の接続状態を示す結線図である。
【図14】同照明器具の天井面への取付完了状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図1乃至図14を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している場合がある。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する発光装置から放射される光によって室内の照明を行うものである。
【0013】
図1乃至図4において、照明器具は、器具本体1と、発光装置2と、拡散部材3と、点灯装置4と、点灯装置カバー5と、取付部6と、カバー部材7とを備えている。また、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタAを備えている。このような照明器具は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0014】
図2乃至図5に示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシであり、略中央部に、後述する取付部6を配設するための円形状の開口11が形成されている。また、発光装置2が取付けられる内面側の平坦部12の外周側には、背面側に向かう段差部13が形成されて樋状の凹部14が形成されている。そして、前記段差部13には、カバー部材7が着脱可能に取付けられるカバー受部材が配置されている。カバー受部材は、より詳しくは、カバー受金具75であり、段差部13によって形成される凹部14に配置されるようになっている。さらに、本体1の背面側の4箇所には、照明器具取付用ばね部材15が設けられている。ばね部材15は、ステンレス鋼等の金属製からなり、略長方形状の板ばねを折曲して形成されている。
【0015】
発光装置2は、図2乃至図6に示すように、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えている(図2においては発光素子22の図示を省略している)。基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状の4枚の基板21が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、4枚の分割された基板21から構成されている。
【0016】
このように分割された基板21を用いることにより、基板21の分割部で熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。なお、複数に分割された基板21を用いることが好ましいが、略サークル状に一体的に形成された一枚の基板を用いるようにしてもよい。
【0017】
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。また、配線パターンの上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたベース板の一面に絶縁層が積層された金属製のベース基板を適用できる。
【0018】
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、つまり、取付部6を中心とする略円周上に複数列、本実施形態では、内周側及び外周側の2列に亘って実装されている。また、LEDパケージには、発光色が昼白色Nのものと電球色Lのものとが用いられており、これらが交互又は混在して並べられていて、各列の隣接する発光素子22は所定の間隔を空けて配設されている。
【0019】
なお、特定の基板21a(図3及び図6中、右側)には、常夜灯用の発光素子22aが実装されている。この発光素子22aには、サークル状に実装された主光源における電球色のものと同じ仕様のLEDパッケージが用いられている。これにより部材の共通化が図られている。
【0020】
なお、発光素子22は、必ずしも複数列に実装する必要はない。例えば、周方向に沿って1列に実装するようにしてもよい。所望する出力に応じて発光素子22の列数や個数を適宜設定することができる。
【0021】
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、昼白色や電球色の光を出射できるようにするために蛍光体が混入されている。また、本体には、LEDチップと接続されたアノード側の電極とカソード側の電極とが設けられている。
【0022】
次に、図7乃至図13を参照して発光装置2の構成を詳細に説明する。図7乃至図10は、分割された基板21の1枚を示しており、図11及び図12は、部分的に拡大した状態を示している。
【0023】
まず、図7において、基板21は、絶縁性を有する表面上に配線パターン層21aが積層され、さらに、その上に反射層21bが積層されて形成されている。そして、基板21には、2列に亘って発光素子22である表面実装型のLEDパッケージが複数個実装されている。LEDパッケージは、外形的には、略直方体形状をなしていて、一方の短辺側にアノード側の電極Aeが設けられており、他方の短辺側にカソード側の電極Ceが設けられている。なお、説明上、カソード側の電極Ce側の短辺を太線で示している。
【0024】
図8は、基板21における配線パターン層21aを示している。配線パターン層21aは、銅箔のパターンがエッチングによって形成されていて、基板21の表面上を略全面に亘って覆うように形成されている。
【0025】
配線パターン層21aは、発光素子22の実装個数に対応して複数のブロックに線状の絶縁領域iによって区画されていて、発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceがブロック間の比較的狭い線状の絶縁領域iを跨って接続されるようになっている。
【0026】
配線パターン層21aは、発光素子22に電力を供給する電気的導通路であるとともに、発光素子22から発生する熱を拡散するヒートスプレッダとしての機能を有している。
【0027】
図9は、基板21において、配線パターン層21aの上に反射層21bが形成された状態を示している。反射層21bは、各発光素子22が実装され電極Ae、Ceが接続される部分やコネクタが接続される部分を除いて略全面に亘って形成されている。つまり、各発光素子22が実装され電極Ae、Ceが接続される部分やコネクタが接続される部分は、配線パターン層21aが表面上に露出する状態となっている。
【0028】
反射層21bは、具体的には、白色のフォトソルダータイプのレジストインキ材料を用いて形成したものであり、光の反射率が良好な白色のレジスト層である。このレジスト層は、膜厚寸法が約40μmに形成されている。
【0029】
図10は、配線パターン層21aの上に反射層21bが形成された状態、すなわち、発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceが接続される部分に対応して配線パターン層21aが表面上に露出された状態において、発光素子22との位置関係を示すため、説明上、発光素子22を一部(2個)のみ実装した場合を示している。
【0030】
続いて、図11は、配線パターン層21aの一部を拡大して示し、図12は、その配線パターン層21aに発光素子22(点線で示している)が実装された場合の位置関係を示している。
【0031】
図12に示すように、線状の絶縁領域iによって区画された複数のブロック間において、比較的狭い線状の絶縁領域iを跨って発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceが配線パターン層21aに半田付けされて接続されている。
【0032】
より詳しくは、発光素子22のアノード側の電極Aeが接続される配線パターン層21a側の領域Saよりカソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scの方の面積が広くなるように形成されている。つまり、Sa<Scの関係になるように形成されている。
【0033】
この種、発光素子22は、発光時、主としてカソード側に熱が発生し、カソード側の電極Ceの温度が高くなる。このため、カソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scを広くすることにより、発生した熱を広い面積で効果的に拡散し、放熱させて発光素子22の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0034】
なお、発光素子22のアノード側の電極Aeが接続される配線パターン層21a側の領域Saと、カソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scとは、領域Scが広くなるように形成できれば、その形状等は格別限定されるものではない。
【0035】
図13は、1枚の基板21における各発光素子22の結線状態を示している。具体的には、6個の発光素子22が直列に接続された直列回路が4個並列に接続された2つのラインから構成されている。したがって、合計48個の発光素子22が接続されている。また、これらの直列回路は、発光色が昼白色の発光素子群と電球色の発光素子群とに分けられて接続されている。つまり、一つの直列回路に昼白色と電球色の発光素子22が混在することはない。さらに、2つのラインの端部は、コネクタCnに接続されていて、隣接する基板21のコネクタ又は電源側のコネクタに接続できるようになっている。
【0036】
拡散部材3は、レンズ部材であり、図5に代表して示すように、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
【0037】
また、レンズ部材は、略サークル状の内周側部分と外周側部分とに発光素子22に対向して円周方向に2条の山形であって、断面形状が一定の突条部31が連続して形成されている。この突条部31の内側には、U字状の溝32が円周方向に沿って連続して形成されている。したがって、U字状の溝32は、複数の発光素子22と対向して配置されるようになっており、複数の発光素子22は、U字状の溝32内に収められて覆われている状態となっている。
【0038】
さらに、これら突条部31からは幅方向に延出する平坦部33が形成されており、これにより基板21の全面が覆われるようになっている。
【0039】
このように構成されたレンズ部材によれば、複数の発光素子22から出射された光は、突条部31によって、主として円周上の内周方向及び外周方向に拡散されて放射される。すなわち、発光素子22から出射された光は、発光素子22が配置されたところのサークル状の中心を原点とする半径方向へ主として拡散して放射されるようになる。
【0040】
したがって、レンズ部材によって複数の発光素子22から出射される光による照射光の均斉度を向上することが可能となる。さらに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することができる。
【0041】
また、拡散部材3には、平坦部33が形成されて基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が拡散部材3によって覆われ保護される。
【0042】
なお、拡散部材3は、略サークル状に一体的に形成されていなくてもよい。例えば、分割された基板21に対応して、これらの基板21ごとに分割して形成するようにしてもよい。この場合には、一つの基板21に実装された複数の発光素子22ごとに連続して拡散部材3によって覆われるようになる。
【0043】
また、拡散部材3は、レンズ部材に限らず、拡散シート等を適用するようにしてもよい。
【0044】
上記のように構成された発光装置2は、図4及び図5に代表して示すように、基板21が取付部6の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が本体1の内面側の平坦部12に密着するように面接触して取付けられている。具体的には、基板21の前面側から拡散部材3が重ね合わされ、この拡散部材3を例えば、ねじS等の固定手段によって本体1に取付けることにより、基板21は、本体1と拡散部材3との間に挟み込まれて押圧固定されるようになっている。つまり、1本のねじSによって基板21と拡散部材3とが共締めされている。
【0045】
したがって、基板21は、本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から本体1に伝導され放熱されるようになっている。なお、基板21と本体1との面接触は、基板21の全面が本体1に接触する場合に限らない。部分的な面接触であってもよい。
【0046】
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に密着するように面接触しているので、基板21の実装面側から熱が拡散部材3に伝わり、拡散部材3を経由して放熱することが可能となる。つまり、基板21の前面側からも放熱できるようになっている。
【0047】
点灯装置4は、図2乃至図4に示すように、回路基板41と、この回路基板41に実装された制御用IC、トランス、コンデンサ等の回路部品42とを備えている。回路基板41は、取付部6の周囲を囲むように略円弧状に形成されていて、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続されている。したがって、点灯装置4は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
【0048】
このような点灯装置4は、取付部6と発光装置2、すなわち、基板21との間に配設されている。
【0049】
点灯装置カバー5は、図2及び図4に示すように、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略短円筒状に形成され、点灯装置4を覆うように本体1に取付けられている。側壁51は、背面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、前面壁52には、取付部6と対応するように開口部53が形成されている。したがって、発光素子22から出射される一部の光は、側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。また、この開口部53に周縁には背面側へ凹となる円弧状のガイド凹部54が形成されている。
【0050】
取付部6は、略円筒状に形成されたアダプタガイドであり、このアダプタガイドの中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口61が設けられている。このアダプタガイドは、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。アダプタガイドの外周部には、この外周部から突出するように基台が形成されていて、この基台には赤外線リモコン信号受信部や照度センサ等の電気的補助部品62が配設されている。
【0051】
なお、取付部6は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。
【0052】
カバー部材7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には不透光性の円形状の化粧カバー71が取付けられている。また、この化粧カバー71には、前記電気的補助部品62と対向するように略三角形状の透光性を有する受光窓72が形成されている。さらに、カバー部材7の内面側の中央寄りには、内面方向に突出する突出ピン73が形成されている。
【0053】
そして、カバー部材7は、発光装置2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74を本体1の外周部の段差部13における凹部14に配設されたカバー受金具75に係合することにより取付けられる。また、カバー部材7を取外す場合には、カバー部材7を取付時とは反対方向に回動して、カバー取付金具74とカバー受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
【0054】
このようにカバー部材7が本体1に取付けられた状態においては、主として図5に示すように、カバー部材7の内面側は、点灯装置カバー5の前面壁52に面接触するようになる。したがって、点灯装置4等から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱を促進することが可能となる。
【0055】
ここで、カバー部材7は、回動させて本体1に取付けられるが、受光窓72の位置を電気的補助部品62と対向するように位置合わせをする必要がある。このため、本実施形態においては、詳細な説明は省略するが、カバー部材7側に形成された突出ピン73と点灯装置カバー5に形成されたガイド凹部54とによって位置規制手段が構成されている。この位置規制手段によって受光窓72が電気的補助部品62と対向して位置されるようになり、例えば、赤外線リモコン信号受信部が赤外線リモコン送信器からの制御信号を受信できるようになる。
【0056】
アダプタAは、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置4へ接続する電源コードが導出されていて、点灯装置4とコネクタを介して接続されるようになっている(図3参照)。
【0057】
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について図14を参照して説明する。まず、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAを電気的かつ機械的に接続する。この状態から取付部6としてのアダプタガイドの係合口61をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口61に確実に係合するまで器具本体1を照明器具取付用ばね部材15の弾性力に抗して下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
【0058】
次いで、カバー部材7を本体1に取付ける。これは、カバー部材7を回動することによって、カバー部材7に設けられたカバー取付金具74を本体1のカバー受金具75に係合することにより取付けられる。
【0059】
また、照明器具を取外す場合には、カバー部材7を取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0060】
照明器具の天井面Cへの取付状態において、点灯装置4に電力が供給されると、基板21の配線パターン層21aを通じて各発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceに通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から出射された光は、複数の発光素子22を連続して覆う拡散部材3によって半径方向へ拡散されるとともに、前面側へ放射される。前面側へ放射された光は、カバー部材7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、照射光の均斉度の向上を図ることができるとともに、各発光素子22の輝度による粒々感を抑制することが可能となる。
【0061】
また、半径方向の内周側へ向かう一部の光は、点灯装置カバー5における傾斜状の側壁51によって前面側に反射され有効に利用されるようになる。
【0062】
一方、発光素子22から発生する熱は、カソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の広い面積で形成された領域Scによって拡散され放熱される。
【0063】
また、基板21の裏面側が本体1と熱的に結合しているため、本体1に効果的に伝導され、本体1の広い面積で放熱されるようになる。また、基板21の外周側近傍には、基板21の外周に沿って段差部13が位置しているため、この段差部13によって放熱面積を増大させることができ、本体1外周部での放熱効果を高めることが可能となる。
【0064】
点灯装置4は、取付部6と基板21との間に配設されているため、点灯装置4は、基板21から熱的影響を受けるのを軽減される。これは、基板21の熱は、本体1の外周方向に向かって伝導し、放熱される傾向にあることに起因するものである。
【0065】
さらに、カバー部材7は、点灯装置カバー5に面接触するようになっているので、点灯装置4から発生する熱を点灯装置カバー5へ伝導し、さらにカバー部材7へ伝導させて放熱をさせることができる。
【0066】
加えて、拡散部材3における平坦部33は、基板21の実装面側に面接触しているので、基板21の実装面側から拡散部材3を経由して前面側からも放熱することが可能となる。また、この場合、拡散部材3は、基板21の全面を覆うようになっているので充電部が保護されるようになる。
【0067】
以上のように本実施形態によれば、配線パターン層を有効に利用して、発光素子の温度上昇を抑制できる発光装置及び照明器具を提供することが可能となる。
【0068】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、例えば、発光素子は、LEDや有機EL等の固体発光素子が適用でき、この場合、発光素子の個数は特段限定されるものではない。また、照明器具としては、屋内又は屋外で使用される各種照明器具やディスプレイ装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1・・・器具本体、2・・・発光装置、3・・・拡散部材(レンズ部材)、
4・・・点灯装置、5・・・点灯装置カバー、6・・・取付部(アダプタガイド)、
7・・・カバー部材、21・・・基板、21a・・・配線パターン層、
22・・・発光素子(LED)、Ae・・・アノード側の電極、
Sa・・・アノード側の電極が接続される領域、Ce・・・カソード側の電極、
Sc・・・カソード側の電極が接続される領域、A・・・アダプタ、
C・・・器具取付面(天井面)、Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に開口を有し、器具取付面に配設された配線器具に取り付けられる円形状の器具本体と;
外形が略直方体形状をなし、前記外形の短辺側に一対の電極を有している表面実装型のLEDパッケージと;
前面側には前記LEDパッケージの一対の電極のうちのいずれか一方が前記器具本体の開口側を向くように前記LEDパッケージが複数実装され、かつ、前記複数のLEDパッケージが前記器具本体の開口を囲むように実装されている器具本体に裏面側が取り付けられた複数又は一枚の基板と;
前記器具本体の前面側を覆うように前記器具本体に取付けられるカバー部材と;
を具備する照明器具であって、
前記基板は、外周部分に絶縁領域を有し、前記絶縁領域によって囲まれた領域内の全面に、線状の絶縁領域によって複数のブロックに区画された前記LEDパッケージの各電極が接続可能である複数の配線パターンを有しており、
前記基板に実装された複数のLEDパッケージは、前記開口を囲むように複数の列状に配設された前記LEDパッケージが実装されうる部分であって、前記列間が各列において隣り合う前記LEDパッケージが実装されうる部分の間よりも離間するように設けられ、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分のいずれかに配設されており、
前記複数の配線パターンのブロックは、前記基板のうち、前記LEDパッケージよりも前記開口側の領域と前記開口側とは反対の領域とに配設されるように形成されているものであって、かつ、前記LEDパッケージが実装されうる部分の列間に、同じ列に配設された複数のLEDパッケージが接続する配線パターンが前記線状の絶縁領域によって複数配設されるように形成されていることを特徴とする照明器具。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2016-08-22 
出願番号 特願2014-120115(P2014-120115)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (F21V)
P 1 651・ 537- YAA (F21V)
最終処分 維持  
前審関与審査官 太田 良隆  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 平田 信勝
出口 昌哉
登録日 2015-05-01 
登録番号 特許第5737599号(P5737599)
権利者 東芝ライテック株式会社
発明の名称 照明器具  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
代理人 熊谷 昌俊  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
代理人 熊谷 昌俊  

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