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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01N
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01N
管理番号 1323161
審判番号 不服2015-19115  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-10-23 
確定日 2017-01-17 
事件の表示 特願2013-530231「オンライン分析とトレーサー技術との関連付け法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 3月29日国際公開、WO2012/040203、平成26年 1月30日国内公表、特表2014-502340、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2011年(平成23年)9月20日(パリ条約による優先権主張 2010年9月21日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成27年2月25日付けで拒絶理由が通知され、同年6月1日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年6月18日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)されたところ、同年10月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。その後当審において平成28年9月1日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年12月5日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1-10に係る発明は、平成28年12月5日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定されるものと認められる。
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は以下のとおりである。
「【請求項1】
使用された原材料の体積を提供製造設備から得る方法であって、
a.製造設備を物品製造者に提供するステップであって、前記製造設備が、トレーサー要素の存在および量を検出するためのオンライン分析機を備える、ステップと、
b.前記トレーサー要素を含有する原材料を物品製造者に提供するステップであって、前記原材料が樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートであるステップと、
c.前記製造設備を用いて、前記原材料から完成品への変換を開始することを前記物品製造者に許可するステップと、
d.前記トレーサー要素の存在および量について、前記原材料を分析するステップと、
e.前記トレーサー要素が適当な量で存在しない場合、使用された樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートの体積を記録するステップとを含む、方法。」

また、本願の請求項10に係る発明(以下、「本願発明10」という。)は以下のとおりである。
「【請求項10】
特定の1台の製造設備で使用された原材料が十分な品質のものであることを確実にする方法であって、
a.製造設備を物品製造者に提供するステップであって、前記製造設備が、トレーサー要素の存在および量を検出するためのオンライン分析機を備える、ステップと、
b.原材料製造業者を確認するステップであって、前記原材料製造業者の原材料が樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートであって所望の基準を満たす、ステップと、
c.確認された前記原材料製造業者に、1つまたは複数のトレーサー要素の識別情報および任意選択によりその量の範囲を提供するステップと、
d.前記製造設備を用いて、原材料から完成品への変換を開始することを前記物品製造者に許可するステップと、
e.確認された前記原材料製造業者に提供された1つまたは複数のトレーサー要素の存在および量について、前記原材料を分析するステップと、
f.1つまたは複数のトレーサー要素が適当な量で存在しない場合、使用された樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートの体積を記録し、製造設備を安全に停止させる信号を伝達するステップと
を含む、方法。」

第3 原査定の理由について
1.原査定の理由の概要
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



引用例1.特開2008-233083号公報
引用例2.特表2007-514259号公報
引用例3.特開2003-039808号公報
引用例4.特開2003-329588号公報
引用例5.国際公開第2010/057649号

2.原査定の理由の判断
(1)引用例の記載事項
ア 引用例1の記載事項
原査定において引用された引用例1には、以下の事項が記載されている。(以下、下線は当審にて付した。)

(引1a)「【0010】
本実施形態は、時間効率及び費用効率の良い方法で、画像形成装置に用いられる非真正材料の存在を検知するためのシステム及び方法を提供する。本実施形態は、オンライン又はオフラインで追跡できる化学タグを特定の画像形成材料内に組み込むことを提案する。組み込まれたタグは、画像形成材料の性能に影響を与えない。実施形態において、タグ分子は、蛍光によって検知される蛍光タグである。さらに別の実施形態において、タグの濃度ラチチュードを広げるために、タグは無色である。」

(引1b)「【0012】
本実施形態において、画像形成材料は、当技術分野において周知の種々の画像形成システムに用いられる任意の材料を含む。例えば、ここに説明される特定の実施形態は、真正性を監視し、評価するため、圧電インクジェット(PIJ)及び固形インクジェット(SIJ)印刷システムに用いられる画像形成材料、並びに、電子写真システムに用いられる静電写真材料内に少量のタグ分子を添加することを含む。一実施形態において、定着器内の流体のような、一般に静電写真印刷システムに用いられる定着システム材料及び成分内に、タグを組み込むことができる。図1に見られるように、定着器流体すなわち定着器剥離油は、例えば、流体サンプ22内、計量ロール17、ドナーロール19、定着器ロール1及び加圧ロール8の表面上といった定着システム23の全体にわたる幾つかの場所に、最終的には定着システム23を通過する媒体12上に存在し得る。評価される定着器流体は、これらの場所のいずれかから得ることができる。他の実施形態は、定着器潤滑剤のような定着器ウェブ洗浄システムの材料及び成分の中にタグを取り込むこと、又は、ドラム保守流体のような、転写定着システム内のドラム保守材料及び成分の中にタグを取り込むことを含む。ウェブ洗浄定着システムは、一般に、これらに限られるものではないが、静電写真印刷システムに用いられる。転写定着システムは、典型的には、圧電インクジェット又は固形インクジェット印刷システムに用いられる。」

(引1c)「【0018】
実施形態において、画像形成材料を認証する方法は、画像形成材料に上述した蛍光タグを付け、放射される蛍光レベルを測定することを含む。放射エネルギーなどのエネルギー源が、生成され、認証のために評価される材料に向けられる。評価される材料が蛍光タグを含む場合、エネルギー源は、蛍光タグからの蛍光発光を刺激(又は誘導)する。評価された画像形成材料から刺激された如何なる蛍光も測定される。測定値は、真正の画像形成材料からの蛍光だけをピックアップするように設定された所定の波長に設定することができる。所定の値に合致する蛍光が、真正と識別される。さらに、方法は、所定の波長で材料からの蛍光発光を測定する前に、画像形成材料からの蛍光発光をフィルタにかけて、背景の蛍光又は干渉を除去することを含むことができる。」

(引1d)「【0020】
さらに、材料が真正ではないとき、システム5は、評価される材料の交換を要求するための、蛍光検知器30に連結されたスマートチップ40をさらに含むことができる。光学フィルタ45をシステム5内に含ませ、画像形成材料10の評価時に含まれ得る背景の蛍光又は干渉を除去することができる。こうしたフィルタは、例えば、音響光学的可変フィルタ、ファイバ可変フィルタ、薄膜干渉フィルタ、又は光学帯域フィルタを含むことができる。薄膜フィルタは、干渉フィルタホイール又は干渉フィルタタレットとすることができる。さらに別の実施形態においては、「デジタル」フィルタを用いて、蛍光タグからの蛍光を、同じく試験画像形成材料が蛍光を発するようにさせ得る他の干渉又は汚染物質からの蛍光と区別することができる。デジタル・フィルタ処理は、様々な波長の蛍光強度を測定することを必要とする。強度対波長のプロットはピークを示し、各ピークは、1組の蛍光パラメータ(例えば、蛍光波長、強度及び半値全幅(FWHM)など)によって特徴付けられる。これらのパラメータを比較することによって、特定のタグに特有の蛍光パラメータを分離することができる。例えば、重畳された強度曲線の中で、1つのピークだけが蛍光タグに起因する。従って、強度曲線全体を、タグと関連した蛍光パラメータ(蛍光波長、強度、及びFWHM)の各々について識別されたピークと適合させることにより、デジタル・モデリング・プロセスを用いて、蛍光タグを他の蛍光干渉/汚染物質から区別することが可能になる。」

イ 引用例1に記載の発明
上記アの(引1a)?(引1d)の記載より、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「画像形成装置に用いられる非真正材料の存在を検知するためのシステム及び方法であって、
オンラインで追跡できる化学タグが特定の画像形成材料内に組み込まれ、
タグ分子は、蛍光によって検知される蛍光タグであり、
画像形成材料は、当技術分野において周知の種々の画像形成システムに用いられる任意の材料を含み
電子写真システムに用いられる静電写真材料内に少量のタグ分子を添加することを含み
定着器内の流体のような、一般に静電写真印刷システムに用いられる定着システム材料及び成分内に、タグを組み込むことができ、
定着器流体すなわち定着器剥離油は、例えば、流体サンプ22内、計量ロール17、ドナーロール19、定着器ロール1及び加圧ロール8の表面上といった定着システム23の全体にわたる幾つかの場所に、最終的には定着システム23を通過する媒体12上に存在し、
評価される定着器流体は、これらの場所のいずれかから得ることができ、
画像形成材料を認証する方法は、画像形成材料に上述した蛍光タグを付け、放射される蛍光レベルを測定することを含み、
測定値は、真正の画像形成材料からの蛍光だけをピックアップするように設定された所定の波長に設定することができ、
所定の値に合致する蛍光が、真正と識別され、
材料が真正ではないとき、システムは、評価される材料の交換を要求する、
方法。」

ウ 引用例3の記載事項
原査定において引用された引用例3には以下の事項が記載されている。
「【0021】次に、認証者は、識別マークに名称(識別番号など)を与え、振動スペクトルを測定し、識別情報を記録する。そして可能な限りサンプルを保存しておく。振動スペクトルの測定には、赤外分光法及びラマン分光法が好適である。また、認証対象となる情報である被認証情報を記録する。提供先、提供日時、提供個数、印刷内容、物品の製造番号、提供時点での物品の外観、寸法、重量、体積、性能などの情報が被認証情報となる。」

(2)対比
ア 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア) 引用発明の「画像形成装置」は、本願発明1の「製造設備」に相当する。そして、引用発明の「画像形成装置」は、物品製造者に提供されたものであることは明らかであるから、引用発明の「画像形成装置」と、本願発明1の「製造設備」とは、物品製造者に提供されたものである点で共通する。

(イ) 引用発明の「蛍光タグ」は、本願発明1の「トレーサー要素」に相当する。そして、引用発明の「画像形成材料」の一つである「定着器剥離油」には、「蛍光タグ」が組み込まれ、評価される「定着器剥離油」は、例えば、流体サンプ22内、計量ロール17、ドナーロール19、定着器ロール1及び加圧ロール8の表面上といった定着システム23の全体にわたる幾つかの場所に、最終的には定着システム23を通過する媒体12上から得ることができ、流体サンプ22、計量ロール17、ドナーロール19、定着器ロール1及び加圧ロール8の表面上といった定着システム23の全体にわたる幾つかの場所や、定着システム23を通過する媒体12は、「画像形成装置」内にあることは明らかであるから、引用発明の「蛍光タグ」は、「画像形成装置」内で測定されるといえる。そして、「蛍光タグ」は、オンラインで追跡されるから、「画像形成装置」内には、「蛍光タグ」を、オンラインで分析するオンライン分析機を備えているといえる。そうすると、引用発明の「画像形成装置」と、本願発明1の「製造設備」とは、トレーサー要素の存在を検出するためのオンライン分析機を備える点で共通する。

(ウ) 引用発明の「画像形成材料」は、本願発明1の「原材料」に相当する。そして、「画像形成材料」は、物品製造者に提供されていることは明らかである。また、「画像形成材料」の一つである「静電写真材料」は、電子写真システムに用いられるものであるから、トナーなどの樹脂を含んでいるものであるといえる。そうすると引用発明の「画像形成材料」と、本願発明1の「原材料」とは、樹脂である点で共通しているといえる。

(エ) 引用発明は、「画像形成材料」が真正ではないとき、システムは、評価される材料の交換を要求することから、「画像形成装置」が作動開始した時点では、「画像形成材料」を使用し完成品を製造することが物品製造者から許可されていることは明らかであるから、引用発明と本願発明1とは、製造設備を用いて、原材料から完成品への変換を開始することを物品製造者に許可されている点で共通する。

(オ) 引用発明の「画像形成材料を認証する方法」は、「画像形成材料」に上述した「蛍光タグ」を付け、放射される蛍光レベルの測定値が、真正の「画像形成材料」からの蛍光だけをピックアップするように設定された所定の波長に合致するかにより識別されるものであるから、引用発明の「画像形成材料を認証する方法」は、「蛍光タグ」の存在について、「画像形成材料」を分析する方法であるといえるから、引用発明と本願発明1とは、トレーサー要素の存在および量について、原材料を分析するステップを有している点で共通する。

以上、(ア)?(オ)より両者は、以下の(一致点)で一致し、以下の(相違点)で相違している。

(一致点)
「a’.製造設備を物品製造者に提供するステップであって、前記製造設備が、トレーサー要素の存在を検出するためのオンライン分析機を備える、ステップと、
b.前記トレーサー要素を含有する原材料を物品製造者に提供するステップであって、前記原材料が樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートであるステップと、
c.前記製造設備を用いて、前記原材料から完成品への変換を開始することを前記物品製造者に許可するステップと、
d’.前記トレーサー要素の存在について、前記原材料を分析するステップとを含む、方法。」

(相違点1)
本願発明1の「製造設備」は、「トレーサー要素」の量を検出するための「オンライン分析機」を備え、前記「トレーサー要素」の量について、「原材料」を分析しているのに対し、引用発明の「画像形成装置」は、「蛍光タグ」の存在を検出しているものの、量について検出しているか不明である点。

(相違点2)
本願発明1は、トレーサー要素が適当な量で存在しない場合、使用された樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートの体積を記録するステップを含んでいるのに対し、引用発明は、そのような構成を有していない点。

イ 本願発明10について
本願発明10は、本願発明1の「原材料」に関し、
「b.原材料製造業者を確認するステップであって、前記原材料製造業者の原材料が樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートであって所望の基準を満たす、ステップと、
c.確認された前記原材料製造業者に、1つまたは複数のトレーサー要素の識別情報および任意選択によりその量の範囲を提供するステップと、」
を有している点を限定しているといえるが、引用発明の「画像形成材料」は「蛍光タグ」を添加する者が誰であるか不明であるから、本願発明10と引用発明とを比較すると、上記相違点1及び2に加えて、次の相違点があり、その余の点では一致しているといえる。

(相違点3)
本願発明10は、 「b.原材料製造業者を確認するステップであって、前記原材料製造業者の原材料が樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートであって所望の基準を満たす、ステップと、
c.確認された前記原材料製造業者に、1つまたは複数のトレーサー要素の識別情報および任意選択によりその量の範囲を提供するステップと、」を有しているのに対し、引用発明は、そのようなステップを有しているか不明である点。

(3)判断
上記相違点2について検討する。
原査定で引用された引用例3の段落【0021】には、体積を記録する点について記載があるものの、この体積は、認証対象となる情報である被認証情報の一つとして体積を記録しているものであって、分析の結果、トレーサー要素が検出されなかったもの、即ち、真性でないと判断されたものの体積を記録するものではなく、この点については、原査定で引用された引用例2ないし5や、前置報告書で引用された特表2009-513975号公報(以下、「引用例6」という。)には、記載も示唆もされておらず、当該技術分野において周知の事項であるともいえない。
そうすると、上記相違点2は、当業者が容易に想到できたものであるとはいえないから、相違点1及び相違点3を検討するまでもなく、本願発明1及び10は、引用発明1ないし引用例6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)小括
したがって、本願発明1及び10は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願の請求項2-9に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるので、同様に、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第4 当審拒絶理由について
1.当審拒絶理由の概要
本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備であり、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


(1) 請求項1に対して
請求項1には、
「提供製造設備から値を得る方法であって、
a.製造設備を物品製造者に提供するステップであって、前記製造設備が、トレーサー要素の存在および量を検出するためのオンライン分析機を備える、ステップと、
b.前記トレーサー要素を含有する原材料を物品製造者に提供するステップであって、前記原材料が樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートであるステップと、
c.前記製造設備を用いて、前記原材料から完成品への変換を開始することを前記物品製造者に許可するステップと、
d.前記トレーサー要素の存在および量について、前記原材料を分析するステップと、
e.前記トレーサー要素が適当な量で存在しない場合、使用された樹脂、繊維、フィルム、成形品またはシートの体積を記録するステップとを含む、方法。」と記載されているから、請求項1には、「提供製造設備から値を得る方法」という発明特定事項(以下、「特定事項1」という。)と、「a.?e.のステップからなる方法」という発明特定事項(以下、「特定事項2」という。)とを有しているものであると認められる。
特定事項2の方法により、原材料中のトレーサー要素が適当な量で存在しているか否かの判断や、トレーサー要素が適当な量で存在しない場合の使用された原料の体積がわかることは理解できるが、この方法により、「提供製造設備から」、どのようにして、「値を得る」ことができるのか理解することができない。そうすると、特定事項1と特定事項2との間の技術的関連性が不明であるから、請求項1に係る発明は明確ではない。

2.当審拒絶理由の判断
(1)平成28年12月5日付け手続補正書によって、本願の補正前の請求項1の「提供製造設備から値を得る方法」は、「使用された原材料の体積を提供製造設備から得る方法」と補正された。このことにより、「使用された原材料の体積を提供製造設備から得る方法」という発明特定事項と、「a.?e.のステップからなる方法」という発明特定事項との間の技術的関連性が理解できることとなったから、請求項1に係る発明は明確となった。
よって、当審拒絶理由は解消した。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-01-05 
出願番号 特願2013-530231(P2013-530231)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G01N)
P 1 8・ 121- WY (G01N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 亨南 宏輔  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 福島 浩司
▲高▼橋 祐介
発明の名称 オンライン分析とトレーサー技術との関連付け法  
代理人 鈴木 康仁  
代理人 大森 規雄  
代理人 藤 拓也  
代理人 小林 浩  

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