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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C03C
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C03C
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C03C
管理番号 1323494
異議申立番号 異議2016-700366  
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-04-27 
確定日 2016-11-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5800766号発明「光学ガラス、プリフォーム及び光学素子」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5800766号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?12〕について訂正することを認める。 特許第5800766号の請求項1?12に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第5800766号の請求項1?12に係る特許についての出願は、平成24年 6月29日(優先権主張 平成23年10月28日)に特許出願され、平成27年 9月 4日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人古川京子により特許異議の申立てがなされ、特許権者に対して、平成28年 7月15日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年 9月20日に意見書の提出及び訂正の請求がなされたものであり、特許異議申立人に対して、平成28年 9月28日付けで訂正請求があった旨が通知され、平成28年10月28日に特許異議申立人より意見書の提出がなされたものである。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。
(1)請求項1に記載された
「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
B_(2)O_(3)成分を13.0%以上35.0%以下、
La_(2)O_(3)成分を18.0%以上50.0%以下及び
SiO_(2)成分を1.0%以上10.0%未満
含有し、
Gd_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上25.0%未満であり、
Yb_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上1.0%未満であり、
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を3.0%超12.0%以下さらに含有し、
Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和が38.0%以上67.0%以下であり、
質量比(TiO_(2)+Nb_(2)O_(5)+Bi_(2)O_(3)+WO_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3))を0.020以上0.200以下であり、
1.68以上の屈折率(n_(d))と、40以上のアッベ数(ν_(d))とを有し、
部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である光学ガラス。」

「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
B_(2)O_(3)成分を13.0%以上35.0%以下、
La_(2)O_(3)成分を18.0%以上50.0%以下及び
SiO_(2)成分を1.0%以上10.0%未満
含有し、
Gd_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上25.0%未満であり、
Yb_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上1.0%未満であり、
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を3.0%超12.0%以下さらに含有し、
Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和が43.0%以上67.0%以下であり、
質量比(TiO_(2)+Nb_(2)O_(5)+Bi_(2)O_(3)+WO_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3))を0.020以上0.200以下であり、
1.68以上の屈折率(n_(d))と、40以上のアッベ数(νd)とを有し、
部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である光学ガラス。」
に訂正する(以下、「訂正事項1」という)。

(2)請求項6に記載された
「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZrO_(2)成分 0%以上15.0%以下
Ta_(2)O_(5)成分 0%以上15.0%以下
Li_(2)O成分 0%以上5.0%以下
である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。」

「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZrO_(2)成分 0%以上8.5%以下
Ta_(2)O_(5)成分 0%以上5.0%以下
Li_(2)O成分 0%以上5.0%以下
である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。」
に訂正する(以下、「訂正事項2」という)。

(3)請求項7に記載された
「酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)が0以上1.30以下である請求項1から6のいずれかに記載の光学ガラス。」

「酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)が0以上0.95以下である請求項1から6のいずれかに記載の光学ガラス。」
に訂正する(以下、「訂正事項3」という)。

(4)請求項8に記載された
「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZnO成分 0%以上25.0%以下
GeO_(2)成分 0%以上10.0%以下
P_(2)O_(5)成分 0%以上10.0%以下
Al_(2)O_(3)成分 0%以上15.0%以下
Ga_(2)O_(3)成分 0%以上15.0%以下
TeO_(2)成分 0%以上10.0%以下
SnO_(2)成分 0%以上5.0%以下
Sb_(2)O_(3)成分 0%以上1.0%以下
である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。」

「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZnO成分 0%以上20.0%以下
GeO_(2)成分 0%以上2.0%未満
P_(2)O_(5)成分 0%以上3.0%以下
Al_(2)O_(3)成分 0%以上8.0%以下
Ga_(2)O_(3)成分 0%以上5.0%以下
TeO_(2)成分 0%以上3.0%以下
SnO_(2)成分 0%以上5.0%以下
Sb_(2)O_(3)成分 0%以上1.0%以下
である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。」
に訂正する(以下、「訂正事項4」という)。

2 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正事項1は、「Ln_(2)O_(3)成分の質量和」を「38.0%以上67.0%以下」から「43.0%以上67.0%以下」に減縮するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
イ 訂正事項1に関連する記載として、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するLn_(2)O_(3)成分の含有量の質量和は、好ましくは38.0%、より好ましくは43.0%、さらに好ましくは45.0%、最も好ましくは48.0%を下限とし、好ましくは70.0%、より好ましくは68.0%、最も好ましくは67.0%を上限とする。」(段落【0052】)と記載されているから、訂正事項1は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、新規事項の追加に該当しない。
ウ 訂正事項1は、「Ln_(2)O_(3)成分の質量和」を限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
ア 訂正事項2は、「ZrO_(2)成分」の含有量を「0%以上15.0%以下」から「0%以上8.5%以下」に減縮し、「Ta_(2)O_(5)成分」の含有量を「0%以上15.0%以下」から「0%以上5.0%以下」に減縮するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
イ 訂正事項2に関連する記載として、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するZrO_(2)成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.5%を上限とする。ZrO_(2)成分は、原料として例えばZrO_(2)、ZrF_(4)等を用いてガラス内に含有することができる。」(段落【0063】)、及び、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するTa_(2)O_(5)成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。Ta_(2)O_(5)成分は、原料として例えばTa_(2)O_(5)等を用いてガラス内に含有することができる。」(段落【0064】)と記載されているから、訂正事項2は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、新規事項の追加に該当しない。
ウ 訂正事項2は、「ZrO_(2)成分」及び「Ta_(2)O_(5)成分」の含有量をそれぞれ限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
ア 訂正事項3は、「酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)」を「0以上1.30以下」から「0以上0.95以下」減縮するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
イ 訂正事項3に関連する記載として、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、「従って、酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)は、好ましくは1.30、より好ましくは1.10、最も好ましくは0.95を上限とする。」(段落【0066】)と記載されているから、訂正事項3は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、新規事項の追加に該当しない。
ウ 訂正事項3は、「酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)」を限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項4について
ア 訂正事項4は、「ZnO成分」の含有量を「0%以上25.0%以下」から「0%以上20.0%以下」に減縮し、「GeO_(2)成分」の含有量を「0%以上10.0%以下」から「0%以上2.0%未満」に減縮し、「P_(2)O_(5)成分」の含有量を「0%以上10.0%以下」から「0%以上3.0%以下」に減縮し、「Al_(2)O_(3)成分」の含有量を「0%以上15.0%以下」から「0%以上8.0%以下」に減縮し、「Ga_(2)O_(3)成分」の含有量を「0%以上15.0%以下」から「0%以上5.0%以下」に減縮し、そして、「TeO_(2)成分」の含有量を「0%以上10.0%以下」から「0%以上3.0%以下」に減縮するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
イ 訂正事項4に関連する記載として、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するZnO成分の含有量は、好ましくは25.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.5%、最も好ましくは7.7%を上限とする。」(段落【0072】)、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するGeO_(2)成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とし、最も好ましくは2.0%未満とする。」(段落【0073】)、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するP_(2)O_(5)成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、最も好ましくは3.0%を上限とする。」(段落【0074】)、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するAl_(2)O_(3)成分及びGa_(2)O_(3)成分の含有量は、それぞれ好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。」(段落【0075】)、及び、「従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するTeO_(2)成分の含有率は、好ましくは10.0%を上限とし、より好ましくは5.0%、最も好ましくは3.0%を上限とする。」(段落【0076】)と記載されているから、訂正事項4は、本件特許明細書に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、新規事項の追加に該当しない。
ウ 訂正事項4は、「ZnO成分」、「GeO_(2)成分」、「P_(2)O_(5)成分」、「Al_(2)O_(3)成分」、「Ga_(2)O_(3)成分」及び「TeO_(2)成分」の含有量をそれぞれ限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(5)一群の請求項について
本件訂正請求前の請求項2?12は、請求項1を引用するものであり、本件訂正請求は一群の請求項ごとに請求されたものである。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?12〕について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて

1 本件発明
(1)本件訂正請求により訂正された請求項1?12に係る発明(以下「本件発明1?12」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?12に記載された次の事項により特定されるものである。

「【請求項1】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
B_(2)O_(3)成分を13.0%以上35.0%以下、
La_(2)O_(3)成分を18.0%以上50.0%以下及び
SiO_(2)成分を1.0%以上10.0%未満
含有し、
Gd_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上25.0%未満であり、
Yb_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上1.0%未満であり、
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を3.0%超12.0%以下さらに含有し、
Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和が43.0%以上67.0%以下であり、
質量比(TiO_(2)+Nb_(2)O_(5)+Bi_(2)O_(3)+WO_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3))を0.020以上0.200以下であり、
1.68以上の屈折率(n_(d))と、40以上のアッベ数(ν_(d))とを有し、
部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である光学ガラス。
【請求項2】
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を5.0%超12.0%以下含有する請求項1記載の光学ガラス。
【請求項3】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
Y_(2)O_(3)成分 0%以上30.0%以下
Lu_(2)O_(3)成分 0%以上10.0%以下
である請求項1又は2記載の光学ガラス。
【請求項4】
酸化物換算組成の質量比Y_(2)O_(3)/Ln_(2)O_(3)が0.100以上である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項5】
酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量和(Gd_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3))が0%以上20.0%以下である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項6】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZrO_(2)成分 0%以上8.5%以下
Ta_(2)O_(5)成分 0%以上5.0%以下
Li_(2)O成分 0%以上5.0%以下
である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項7】
酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)が0以上0.95以下である請求項1から6のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項8】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZnO成分 0%以上20.0%以下
GeO_(2)成分 0%以上2.0%未満
P_(2)O_(5)成分 0%以上3.0%以下
Al_(2)O_(3)成分 0%以上8.0%以下
Ga_(2)O_(3)成分 0%以上5.0%以下
TeO_(2)成分 0%以上3.0%以下
SnO_(2)成分 0%以上5.0%以下
Sb_(2)O_(3)成分 0%以上1.0%以下
である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項9】
アッベ数(ν_(d))が屈折率(n_(d))との間でν_(d)≧-100×n_(d)+220の関係を満たす請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム材。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか記載の光学ガラスを母材とする光学素子。
【請求項12】
請求項10又は11のいずれか記載の光学素子を備える光学機器。」

2 取消理由の概要
訂正前の請求項1?12に係る特許に対して平成28年 7月15日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、請求項1?12に係る発明は、以下のア及びイのとおり、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された発明であるとはいえず、請求項1?12に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから取り消すべきというものである。
ア 請求項1に記載されたB_(2)O_(3)成分、La_(2)O_(3)成分、SiO_(2)成分、Gd_(2)O_(3)成分及びF成分のそれぞれの含有量、並びに、Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和に関して、実施例から外れる上限値または下限値の近傍の値は、本件特許明細書及び図面の記載並びに本件特許の出願時の技術常識を考慮しても、「屈折率(n_(d))及びアッベ数(ν_(d))が所望の高い範囲内にありながら、色収差の補正に好ましく用いられ、且つ光学機器の軽量化に寄与しうる光学ガラスと、これを用いたレンズプリフォームを得る」(段落【0010】)」との課題を解決できると認識できないから、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明といえない。
イ 請求項2に記載されたF成分、請求項3に記載されたY_(2)O_(3)成分、Lu_(2)O_(3)成分、請求項6に記載されたZrO_(2)成分、Ta_(2)O_(5)成分、LiO_(2)成分、請求項8に記載されたZnO成分、GeO_(2)成分、P_(2)O_(5)成分、Al_(2)O_(3)成分、Ga_(2)O_(3)成分、TeO_(2)成分、及び、SnO_(2)成分のそれぞれの含有量、並びに、請求項7に記載された質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)に関して、実施例から外れる上限値または下限値の近傍の値は、本件特許明細書及び図面の記載並びに本件特許の出願時の技術常識を考慮しても、上記課題を解決できると認識できないから、請求項2、3、6、7及び8に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明といえない。

3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要
特許異議申立人は、証拠として特開2005-170782号公報(以下「甲第1号証」という。)、特開2009-1439号公報(以下「甲第2号証」という。)、特開2012-46410号公報(以下「甲第3号証」という。)及び国際公開第2010/090014号(以下「甲第4号証」という。)を提出し、以下のア?エの理由(以下「申立理由ア」?「申立理由エ」という。)により、請求項1?12に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。
ア 請求項1?3、6?12に係る特許に係る発明は、甲第1号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
イ 請求項1?12に係る特許に係る発明は、甲第2号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
ウ 本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0044】?【0078】に記載された各成分の好ましい含有量は、甲第4号証の実施例13を参酌すると、本件特許に係る発明を実施できない組成を含んでいるため、実施可能要件の違反があり、そのような記載に基づいた請求項1?12に係る特許に係る発明は、サポート要件に違反するから、請求項1?12に係る特許に係る発明は、特許法第36条第4項第1号及び第6項第1号の規定に違反してなされたものである。
エ 本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0048】の記載は、本件特許明細書の実施例75、実施例76及び比較例1との関係を考慮すると、その根拠が不明であるから、実施可能要件に違反があり、そのような記載に基づいた請求項1?12に係る特許に係る発明は、サポート要件に違反するから、請求項1?12に係る特許に係る発明は、特許法第36条第4項第1号及び第6項第1号の規定に違反してなされたものである。

4 甲号証の記載事項
(1)甲第1号証:特開2005-170782号公報
甲第1号証には、「光学ガラス」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。
ア 「【0004】
光学系を構成するレンズには一般に球面レンズと非球面レンズがある。多くの球面レンズは、ガラス材料をリヒートプレス成形して得られたガラス成形品を研削研磨することによって製造される。一方、非球面レンズは、加熱軟化したレンズプリフォーム材を、高精度な成形面をもつ金型でプレス成形し、金型の高精度な成形面の形状をレンズプリフォーム材に転写して得る方法、すなわち、精密モールドプレス成形によって製造されることが主流となっている。」
イ 「【0054】
Yb_(2)O_(3)成分は、ガラスの屈折率を高め、低分散化させるのに有効である。しかし、酸化物換算組成のガラス全質量に対する含有率が25%を超えると耐失透性が悪くなる。
【0055】
従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対して好ましくは25%、より好ましくは24%、最も好ましくは23%を上限として含有することができる。」
ウ 「【0087】
従って、本発明の光学ガラスにおいては、当該条件において、好ましくは0.1重量部、より好ましくは0.5重量部、最も好ましくは1重量部を下限として含有し、好ましくは10重量部、より好ましくは10重量部未満、最も好ましくは9.5重量部を上限としてFを含有することができる。」
エ 「【0129】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0130】
本発明のガラスの実施例(No.1?No.53)の組成を、これらのガラスの屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移温度(Tg)及び異物評価結果(級)とともに表1?表6に示した。表中、各成分の組成は質量%で表示するものとする。
・・・
【0134】
【表4】



(2)甲第2号証:特開2009-1439号公報
甲第2号証には、「モールド用光学ガラス」(発明の名称)に関して以下の事項が記載されている。
ア 「【0003】
また、さらなる光学機器の発展のために、光学恒数に関する要望も高まってきている。特にアッベ数(νd)が50.0付近でできるだけ屈折率(nd)の高いモールド用光学ガラスの要求が高い。」
イ 「【0019】
本発明におけるモールド用光学ガラスは、Gd_(2)O_(3)を重量%で
Gd_(2)O_(3) 10.5?40.0
含有する。
Gd_(2)O_(3)は、La_(2)O_(3)と同様に、高屈折率低分散化に有効な成分である。またLa_(2)O_(3)と併用することによって、耐失透性を保ちつつ希土類成分の含有量を増やすことができ、より高屈折率低分散化が可能となる。しかし、10.5重量%未満では所望の屈折率を得ることは難しく、40.0重量%を超えて含有させると耐失透性が悪くなる。なお、Gd_(2)O_(3)のより好ましい範囲は11.0?38.0重量%である。」
ウ 「【0026】
本発明におけるモールド用光学ガラスは、Y_(2)O_(3)を重量%で
Y_(2)O_(3) 0?8.0
含有する。
Y_(2)O_(3)は、La_(2)O_(3)やGd_(2)O_(3)と同様に、高屈折率低分散化に有効な成分である。少量含有させると耐失透性の向上に効果があるが、8.0重量%を超えて含有させるとガラス溶融時の溶け残りの原因となる。なお、Y_(2)O_(3)のより好ましい範囲は0?6.0重量%である。」
エ 「【0040】
以下に実施例を挙げて本発明のモールド用光学ガラスを具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
表1および2に本発明の光学ガラス(実施例1?21)の組成(重量%)、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移温度(Tg)、屈伏点(At)、原子重量%でのF量、Zn量、F+Zn合計量、および希土類元素合計量(Y+La+Gd)を示した。実施例1?21のガラスの作製法は前述の通りである。屈折率、アッベ数、ガラス転移温度(Tg)、屈伏点(At)は公知の方法により測定した。
・・・
【0043】
【表2】

・・・
【0045】
すべての実施例の光学ガラスにおいて、表1および2にある通り光学設計上非常に有用である光学恒数を有していて、ガラス転移温度(Tg)が524℃?582℃、屈伏点(At)が565℃?624℃の範囲にあるためモールド用光学ガラスとして適しており、さらに溶融中の揮発が非常に少ないため脈理、屈折率変動などの品質が良好である。
また、得られたガラスから所定量のガラス塊を切り出して研磨プリフォームを作製し、モールドで数種類のレンズを得た。これらのレンズは良好な転写性を示し、金型へのガラス付着、揮発物の付着など成形性に問題がある現象は認められなかった。この点でもモールド用光学ガラスとして優れている。」

(3)甲第3号証:特開2012-46410号公報
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0035】
<必須成分、任意成分について>
B_(2)O_(3)成分は、ガラス内部で網目構造を形成し、安定なガラス形成を促す成分である。特に、B_(2)O_(3)成分の含有量を5.0%以上にすることで、ガラスを失透し難くし、安定なガラスを得易くすることができる。一方、B_(2)O_(3)成分の含有量を50.0%以下にすることで、所望の屈折率及び分散性を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するB_(2)O_(3)成分の含有量は、好ましくは5.0%、より好ましくは10.0%、最も好ましくは15.0%を下限とし、好ましくは50.0%、より好ましくは40.0%、最も好ましくは35.0%を上限とする。B_(2)O_(3)成分は、原料として例えばH_(3)BO_(3)、Na_(2)B_(4)O_(7)、Na_(2)B_(4)O_(7)・10H_(2)O、BPO_(4)等を用いてガラス内に含有することができる。
【0036】
La_(2)O_(3)成分は、ガラスの屈折率を高めて分散を小さくする成分である。特に、La_(2)O_(3)成分の含有量を10.0%以上にすることで、所望の高い屈折率及び高いアッベ数を有し、且つ、可視光に対する透過率の高いガラスを得易くすることができる。一方、La_(2)O_(3)成分の含有量を55.0%以下にすることで、ガラスの分相を抑制し、ガラスを作製する際にガラスを失透し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するLa_(2)O_(3)成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは15.0%、最も好ましくは20.0%を下限とし、好ましくは55.0%、より好ましくは52.0%、最も好ましくは50.0%を上限とする。La_(2)O_(3)成分は、原料として例えばLa_(2)O_(3)、La(NO_(3))_(3)・XH_(2)O(Xは任意の整数)等を用いてガラス内に含有することができる。
【0037】
F成分は、ガラスの部分分散比を高める成分であり、且つガラスの転移点(Tg)を下げる成分である。特に、酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスを失透し難くすることができる。従って、酸化物基準の質量に対する外割りでのF成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは20.0%を上限とする。なお、本発明の光学ガラスは、F成分を含有しなくとも所望の高い部分分散比を有する光学ガラスを得ることが可能であるが、F成分を0.1%以上含有することで、高い部分分散比を有しながらも、着色の少ない光学ガラスを得ることができる。従って、酸化物基準の質量に対する外割りでのF成分の含有量は、好ましくは0.1%、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは6.2%、さらに好ましくは6.8%を下限とする。F成分は、原料として例えばZrF_(4)、AlF_(3)、NaF、CaF_(2)、LaF_(3)等を用いてガラス内に含有することができる。
・・・
【0042】
Nb_(2)O_(5)成分は、ガラスの部分分散比を高める成分であるとともに、ガラスの屈折率及び分散を高め、且つガラスの化学的耐久性を向上する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Nb_(2)O_(5)成分の含有量を20.0%以下にすることで、所望の高いアッベ数を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するNb_(2)O_(5)成分の含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、最も好ましくは10.0%を上限とする。Nb_(2)O_(5)成分は、原料として例えばNb_(2)O_(5)等を用いてガラス内に含有することができる。
・・・
【0047】
ZrO_(2)成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスを作製する際の耐失透性を向上する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、ZrO_(2)成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの部分分散比の低下を抑えることができる。また、ZrO_(2)成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスのアッベ数の低下を抑えるとともに、ガラスの製造時における高温での溶解を回避し、ガラス製造時のエネルギー損失を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するZrO_(2)成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とし、最も好ましくは4.0%未満とする。ZrO_(2)成分は、原料として例えばZrO_(2)、ZrF_(4)等を用いてガラス内に含有することができる。
・・・
【0049】
本発明の光学ガラスでは、(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)の質量和に対する(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)の質量和が1.3以上であることが好ましい。これにより、部分分散比を大きく下げる成分の含有量に対して、部分分散比を高める成分の含有量が増加するため、より多くの希土類を加えても所望の高い部分分散比を得易くできる。すなわち、高い部分分散比と高いアッベ数を両立し易くすることができる。従って、酸化物換算組成における質量比(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)/(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)は、好ましくは1.3、より好ましくは1.5、最も好ましくは2.0を下限とする。一方、この含有量の比率は特に限定されず、無限大(すなわちTa_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O=0%)であってもよいが、ガラスの安定性をより高められる観点では、この比率は100.0以下であってもよい。
【0050】
Gd_(2)O_(3)成分は、ガラスの屈折率を高めて分散を小さくする成分である。特に、Gd_(2)O_(3)成分の含有量を40.0%以下にすることで、ガラスの分相を抑制し、且つ、ガラスを作製する際にガラスを失透し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するGd_(2)O_(3)成分の含有量は、好ましくは40.0%、より好ましくは35.0%、最も好ましくは29.5%を上限とする。なお、Gd_(2)O_(3)成分を含有しなくとも所望の高い部分分散比を有するガラスを得ることが可能であるが、Gd_(2)O_(3)成分を1.0%以上含有することで、所望の屈折率及び分散性を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するGd_(2)O_(3)成分の含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは5.0%、最も好ましくは7.0%を下限とする。Gd_(2)O_(3)成分は、原料として例えばGd_(2)O_(3)、GdF_(3)等を用いてガラス内に含有することができる。
【0051】
Y_(2)O_(3)成分、Yb_(2)O_(3)成分及びLu_(2)O_(3)成分は、ガラスの屈折率を高めて分散を小さくする成分である。ここで、Y_(2)O_(3)成分、Yb_(2)O_(3)成分又はLu_(2)O_(3)成分の含有量を20.0%以下にすることで、ガラスを失透し難くすることができる。特に、Yb_(2)O_(3)成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの長波長側(波長1000nmの近傍)に吸収が生じ難くなるため、ガラスの赤外線に対する耐性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するY_(2)O_(3)成分、Yb_(2)O_(3)成分及びLu_(2)O_(3)成分は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、最も好ましくは8.0%を上限とする。Y_(2)O_(3)成分、Yb_(2)O_(3)成分及びLu_(2)O_(3)成分は、原料として例えばY_(2)O_(3)、YF_(3)、Yb_(2)O_(3)、Lu_(2)O_(3)等を用いてガラス内に含有することができる。
【0052】
本発明の光学ガラスは、Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の含有量の質量和が、43.0%より多く80.0%以下であることが好ましい。ここで、この質量和を43.0%より多くすることで、所望の高い屈折率及びアッベ数を得易くすることができ、且つ光弾性定数を小さくすることができる。特に、本発明の光学ガラスでは、希土類を多く含有しても部分分散比が下がり難いため、所望の高い部分分散比と、高い屈折率及びアッベ数を両立し易くできる。一方、この質量和を80.0%以下にすることで、ガラスを作製する際のガラスの失透を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するLn2O3成分の含有量の質量和は、好ましくは43.0%より多くし、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは50.0%、最も好ましくは55.0%を下限とし、好ましくは80.0%、より好ましくは78.0%、最も好ましくは75.0%を上限とする。
・・・
【0055】
SiO_(2)成分は、安定なガラス形成を促し、光学ガラスとして好ましくないガラスを作製する際の失透(結晶物の発生)を抑制する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、SiO_(2)成分の含有量を25.0%以下にすることで、SiO_(2)成分を溶融ガラス中に溶解し易くし、高温での溶解を回避することができる。酸化物換算組成のガラス全質量に対するSiO_(2)成分の含有量は、好ましくは25.0%、より好ましくは20.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。なお、SiO_(2)成分を含有しなくとも、所望の高い部分分散比を有するガラスを得ることは可能であるが、SiO_(2)成分の含有量を0.1%以上にすることで、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するSiO_(2)成分の含有量は、好ましくは0.1%、より好ましくは0.5%、最も好ましくは1.0%を下限とする。SiO_(2)成分は、原料として例えばSiO_(2)、K_(2)SiF_(6)、Na_(2)SiF_(6)等を用いてガラス内に含有することができる。
【0056】
ZnO成分は、ガラスの溶融性を改善し、ガラス転移点を低くし、且つ安定なガラスを形成し易くする成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、ZnO成分の含有量を15.0%以下にすることで、光学ガラスの光弾性定数が低く抑えられる。そのため、光学ガラスの透過光の偏光特性を高めることができ、ひいてはプロジェクタやカメラにおける演色性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するZnO成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは8.7%、さらにより好ましくは7.7%、最も好ましくは5.0%を上限とする。ZnO成分は、原料として例えばZnO、ZnF2等を用いてガラス内に含有することができる。
・・・
【0071】
また、本発明の光学ガラスは、高い部分分散比(θg,F)を有する。より具体的には、本発明の光学ガラスの部分分散比(θg,F)は、アッベ数(ν_(d))との間で、(θg,F)≧-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たす。本発明の光学ガラスは、希土類元素成分を多く含有する従来公知のガラスよりも高い部分分散比(θg,F)を有する光学ガラスが得られる。そのため、ガラスの高屈折率及び低分散化を図りながらも、この光学ガラスから形成される光学素子の色収差を低減できる。ここで、光学ガラスの部分分散比(θg,F)の下限は、好ましくは(-0.00170×ν_(d)+0.63750)、より好ましくは(-0.00170×ν_(d)+0.63950)、最も好ましくは(-0.00170×ν_(d)+0.64150)である。一方で、本発明の光学ガラスの部分分散比(θg,F)の上限は、特に限定されないが、例えば(-0.00170×ν_(d)+0.65750)、より好ましくは(-0.00170×ν_(d)+0.65550)、最も好ましくは(-0.00170×ν_(d)+0.653750)であることが多い。


(4)甲第4号証:国際公開第2010/090014号
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「[0253]以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例
表3の実施例1?33は主に態様Aの実施例であり、表4の実施例1?44は主に態様Bの実施例であり、表5の実施例1?28は主に態様Cの実施例であり、表6の実施例1?9は主に態様Dの実施例である。
・・・
[0264][表4]
・・・
[0266]

・・・
[0273]
(注1)BO_(1.5)からSbO_(1.5)までの含有量は陽イオン%表示
(注2)Fは、陽イオンの総量を100としたときのフッ素イオンの相対量(モル)
(注3)Oは、陽イオンの総量を100としたときの酸素イオンの相対量(モル)
(注4)揮発ピークTvは、10℃/minで1200℃まで昇温されたガラスの不連続な重量減少率変化をともなう吸熱ピークの温度(℃)
(注5)重量減少は、100mgのガラスを10℃/minで400℃から1200℃まで昇温したときの重量減少量(wt%)」

5 判断
(1)取消理由に記載した取消理由について
ア 本件発明1は、
「酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
B_(2)O_(3)成分を13.0%以上35.0%以下、
La_(2)O_(3)成分を18.0%以上50.0%以下及び
SiO_(2)成分を1.0%以上10.0%未満
含有し、
Gd_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上25.0%未満であり、
Yb_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上1.0%未満であり、
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を3.0%超12.0%以下さらに含有し、
Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和が43.0%以上67.0%以下であり、
質量比(TiO_(2)+Nb_(2)O_(5)+Bi_(2)O_(3)+WO_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3))を0.020以上0.200以下であり」
との成分含有量に係る発明特定事項と、
「1.68以上の屈折率(n_(d))と、40以上のアッベ数(ν_(d))とを有し、
部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」
との物性に係る発明特定事項からなる「光学ガラス」という物の発明であると認められる。

イ そして、本発明の解決しようとする課題は、本件特許明細書の段落0010に記載された「屈折率(n_(d))及びアッベ数(ν_(d))が所望の高い範囲内にありながら、色収差の補正に好ましく用いられ、且つ光学機器の軽量化に寄与しうる光学ガラスと、これを用いたレンズプリフォームを得ること」であり、具体的には、本件明細書の段落0086?0089の記載によれば、「1.68以上の屈折率(n_(d))と、40以上のアッベ数(ν_(d))とを有し、部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」光学ガラスと、これを用いたレンズプリフォームを得ることであると認められる。

ウ そうしてみると、本件発明1が、発明の詳細な説明に記載された発明であるというためには、本件発明1が、発明の詳細な説明の記載により、当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであることを要する。
そして、本件発明1は、物性に係る発明特定事項によって、上記課題を解決するための物性が特定されていることから、本件発明1の成分含有量に係る発明特定事項が、発明の詳細な説明の記載により、当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであること、すなわち、当該成分含有量に係る発明特定事項の範囲において、上記物性に係る発明特定事項となるものが、発明の詳細な説明に開示されていると認識できる範囲のものであることを要する。

エ そこで検討すると、本件発明1の成分含有量に係る発明特定事項のうち、上記課題を解決するための物性に関わる成分は、本件特許明細書の段落【0044】?【0062】の記載からみて、B_(2)O_(3)成分、La_(2)O_(3)成分、F成分、Gd_(2)O_(3)成分、Y_(2)O_(3)成分、Yb_(2)O_(3)成分、SiO_(2)成分、Lu_(2)O_(3)成分、Bi_(2)O_(3)成分、TiO_(2)成分、Nb_(2)O_(5)成分、WO_(3)成分であるところ、B_(2)O_(3)成分の含有量の上限値または下限値、La_(2)O_(3)成分の含有量の上限値または下限値、SiO_(2)成分の含有量の上限値、Gd_(2)O_(3)成分の含有量の上限値、F成分の含有量の上限値または下限値、あるいは、Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和の下限値となる成分含有量の光学ガラスが、上記課題を解決できる物性となることを裏付ける具体的な実施例は存在しない。
しかしながら、以上の上限値あるいは下限値は、実施例に開示された範囲をやや外れる成分含有量であるが、本件特許明細書の段落【0044】?【0062】には、上記各成分が上記課題を解決するための物性に寄与する効果が記載されているから、実施例に開示された範囲をやや外れるの成分含有量のガラスであっても、本件発明1のB_(2)O_(3)成分の含有量、La_(2)O_(3)成分の含有量、SiO_(2)成分の含有量、Gd_(2)O_(3)成分の含有量、F成分の含有量、あるいは、Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和に関する、それぞれの数値範囲内において、実施例に記載された光学ガラスの具体的な組成に基づいて、各成分の含有量を調整することによって、上記課題を解決できると当業者が認識できる範囲のものといえる。
したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明の記載により、当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであると認められる。

オ また、本件発明2のF成分の含有量の上限値、本件発明3のY_(2)O_(3)成分の含有量の上限値、本件発明6のZrO_(2)成分とLi_(2)O成分のそれぞれの含有量の上限値、本件発明7の質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)の上限値、あるいは、本件発明8のZnO成分、GeO_(2)成分、P_(2)O_(5)成分、Al_(2)O_(3)成、Ga_(2)O_(3)成分、TeO_(2)成分、SnO_(2)成分及びSb_(2)O_(3)成分のそれぞれの含有量の上限値についても、実施例に開示された範囲をやや外れるものの、本件特許明細書の段落【0044】?【0079】の記載を考慮すれば、実施例に開示された範囲をやや外れるガラス組成であっても、本件発明2のF成分の含有量、本件発明3のY_(2)O_(3)成分の含有量、本件発明6のZrO_(2)成分とLi_(2)O成分のそれぞれの含有量、本件発明7の質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)、あるいは、本件発明8のZnO成分、GeO_(2)成分、P_(2)O_(5)成分、Al_(2)O_(3)成、Ga_(2)O_(3)成分、TeO_(2)成分、SnO_(2)成分及びSb_(2)O_(3)成分のそれぞれの含有量に関する、それぞれの数値範囲内において、実施例に記載された光学ガラスの具体的な組成に基づいて、各成分の含有量を調整することによって、上記課題を解決できると当業者が認識できる範囲のものといえる。
よって、本件発明2、3、6?8は、発明の詳細な説明の記載により、当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであると認められる。

カ 以上のとおり、請求項1?12に係る特許に係る発明は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してなされたものとはいえない。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
ア 申立理由アについて
甲第1号証には、上記4(1)の記載、特に実施例37に注目して整理すると、「ガラス組成が、質量%で、SiO_(2):5.82、B_(2)O_(3):20.84、La_(2)O_(3):29.12、Gd_(2)O_(3):15.07、Yb_(2)O_(3):15.39、ZrO_(2):6.20、WO_(3):5.00、ZnO:1.00、Li_(2)O:1.54、Sb_(2)O_(3):0.04、F:4.48であり、屈折率(nd)が1.768、アッベ数(νd)が49.1である光学ガラス」の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
本件発明1と甲1発明とを対比すると、以下の点で相違し、その余の点で一致している。
(相違点1)
Yb_(2)O_(3)成分の含有量(質量%)に関して、本件発明1では、「0%以上1.0%未満」であるのに対して、甲1発明では、「15.39%」である点。
(相違点2)
本件発明1では、「部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」ことが特定されているのに対して、甲1発明では、このような特定はなされていない点。
相違点1及び2について検討する。
本件特許明細書の段落【0044】?【0078】には、ガラス成分の好ましい組成範囲が記載され、また、段落【0086】?【0093】には、光学ガラスの物性に関する記載がなされているが、当該好ましい組成範囲の光学ガラスの全てが、当該物性となることまでは示されていないから、甲1発明のガラス組成が、当該好ましい範囲を満足するとしても、「部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」との物性となるとは直ちにはいえない
また、甲1発明と本件発明1は、上記相違点1のとおり、アッベ数に影響を与えるYb_(2)O_(3)成分の含有量が相違するため、甲1発明のガラス組成によって、「部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」との物性となるとは直ちにはいえない。
さらに、当該物性を達成するために、Yb_(2)O_(3)成分の含有量を調整することは、甲第1号証に記載されていないし、周知技術ともいえないから、甲1発明において、相違点1及び2に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものでない。
本件発明1を引用する本件発明2?3、6?12についても、同様に甲1発明から当業者が容易に想到し得るものでもない。

イ 申立理由イについて
甲第2号証には、上記4(2)の記載、特に実施例12に注目して整理すると、「ガラス組成が、重量%で、SiO_(2):4.00、B_(2)O_(3):20.00、La_(2)O_(3):15.00、Gd_(2)O_(3):20.00、Y_(2)O_(3):20.00、LaF_(3):10.00、GdF_(3):8.00、ZnO:12.50、ZrO_(2):2.50、Nb_(2)O_(5):3.00であり、屈折率(nd)が1.76539、アッベ数(νd)が48.4である光学ガラス」の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
本件発明1と甲2発明とを対比すると、以下の点で相違し、その余の点で一致している。
(相違点3)
Gd成分の含有量(質量%)に関して、本件発明1では、「Gd_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上25.0%未満」であるのに対して、甲2発明では、「Gd_(2)O_(3):20.00%」と「GdF_(3):8.00%」を含有し、Gd_(2)O_(3)換算で27.06%含有している点。
(相違点4)
本件発明1では、「部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」ことが特定されているのに対して、甲2発明では、このような特定はなされていない点。
相違点3及び4について検討すると、甲2発明のガラス組成は、甲第3号証の上記4(3)の記載事項の組成範囲を満足するものの、甲第3号証に記載された組成範囲の光学ガラスの全てが、上記4(3)に記載された物性となるとはいえないし、甲2発明と本件発明1は、上記相違点3のとおり、アッベ数及び部分分散比に影響を与えるGd_(2)O_(3)成分の含有量が相違するから、甲2発明のガラス組成によって、「部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である」との物性となるとは直ちにはいえない。
また、当該物性を達成するために、Gd_(2)O_(3)成分の含有量を調整することは、甲第2号証に記載されていないし、周知技術ともいえないから、甲2発明において、相違点3及び4に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得るものでない。
本件発明1を引用する本件発明2?12についても、同様に甲2発明から当業者が容易に想到し得るものでもない。

ウ 申立理由ウについて
甲第4証には、上記3(4)の記載、特に実施例13に注目して整理すると、「ガラス組成が、陽イオン%表示で、BO_(1.5):46.86、SiO_(2):1.08、LiO_(0.5):3.30、ZnO:13.08、LaO_(1.5):15.69、GdO_(1.5):10.46、ZrO_(2):2.99、TaO_(2.5):4.36、WO_(3):2.18であり、F:17.43、O:141.11、F/O(モル比):0.124であり、比重が5.31、屈折率(nd)が1.82991、アッベ数(νd)が42.30である光学ガラス」が記載されていると認められる。
特許異議申立人は、甲第4号証に記載された上記光学ガラスの組成が、本件特許明細書の段落【0044】?【0078】に記載された各成分の好ましい組成範囲に含まれていることを根拠にして、本件特許に係る発明は、比重が5.31となる実施不可能な組成を含んでいると主張している。
しかしながら、本件特許明細書の上記好ましい組成範囲は、本件特許に係る発明の物性を得るための調整可能な範囲を示しているにすぎず、また、甲第4号証に記載された上記光学ガラスの組成は、本件発明1?12の光学ガラス組成と異なっているから、甲第4号証を根拠に、本件発明1?12が実施できないとは直ちにはいえない。
したがって、請求項1?12に係る特許に係る発明は、特許法第36条第4項第1号及び第6項第1号の規定に違反してなされたものとはいえない。

エ 申立理由エについて
特許異議申立人は、本件特許明細書の実施例75及び実施例76並びに比較例1を比較して、段落【0048】の「Gd_(2)O_(3)成分の含有量を25.0%未満にすることで、ガラスの比重の上昇を抑え、ガラスの部分分散比の低下を抑え、且つ、ガラスを失透し難くすることができる。」との記載の根拠が不明であり、実施可能要件に反することを主張している。
しかしながら、実施例75、実施例76及び比較例1のガラス成分は、Gd_(2)O_(3)成分の含有量のみならず、ガラスの部分分散比、比重あるいは失透に影響する、La_(2)O_(3)成分、SiO_(2)成分、Nb_(2)O_(3)成分、ZrO_(2)成分、Ta_(2)O_(5)成分及びF成分の含有量がそれぞれ異なっているから、実施例75、実施例76及び比較例1の対比のみで、段落【0048】の上記記載に不備があるとは直ちにはいえない。
したがって、請求項1?12に係る特許に係る発明は、特許法第36条第4項第1号及び第6項第1号の規定に違反してなされたものとはいえない。

5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?12に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
B_(2)O_(3)成分を13.0%以上35.0%以下、
La_(2)O_(3)成分を18.0%以上50.0%以下及び
SiO_(2)成分を1.0%以上10.0%未満
含有し、
Gd_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上25.0%未満であり、
Yb_(2)O_(3)成分の含有量が0%以上1.0%未満であり、
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を3.0%超12.0%以下さらに含有し、
Ln_(2)O_(3)成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の質量和が43.0%以上67.0%以下であり、
質量比(TiO_(2)+Nb_(2)O_(5)+Bi_(2)O_(3)+WO_(3))/(La_(2)O_(3)+Gd_(2)O_(3))を0.020以上0.200以下であり、
1.68以上の屈折率(n_(d))と、40以上のアッベ数(ν_(d))とを有し、
部分分散比(θg,F)がアッベ数(ν_(d))との間で(θg,F)≧(-0.00170×ν_(d)+0.63750)の関係を満たし、比重が5.00以下である光学ガラス。
【請求項2】
酸化物基準の質量に対する外割りの質量%で、F成分を5.0%超12.0%以下含有する請求項1記載の光学ガラス。
【請求項3】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
Y_(2)O_(3)成分 0%以上30.0%以下
Lu_(2)O_(3)成分 0%以上10.0%以下
である請求項1又は2記載の光学ガラス。
【請求項4】
酸化物換算組成の質量比Y_(2)O_(3)/Ln_(2)O_(3)が0.100以上である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項5】
酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量和(Gd_(2)O_(3)+Yb_(2)O_(3))が0%以上20.0%以下である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項6】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZrO_(2)成分 0%以上8.5%以下
Ta_(2)O_(5)成分 0%以上5.0%以下
Li_(2)O成分 0%以上5.0%以下
である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項7】
酸化物換算組成における質量比(Ta_(2)O_(5)+ZrO_(2)+Li_(2)O)/(F+Bi_(2)O_(3)+TiO_(2)+WO_(3)+Nb_(2)O_(5)+K_(2)O)が0以上0.95以下である請求項1から6のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項8】
酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
ZnO成分 0%以上20.0%以下
GeO_(2)成分 0%以上2.0%未満
P_(2)O_(5)成分 0%以上3.0%以下
Al_(2)O_(3)成分 0%以上8.0%以下
Ga_(2)O_(3)成分 0%以上5.0%以下
TeO_(2)成分 0%以上3.0%以下
SnO_(2)成分 0%以上5.0%以下
Sb_(2)O_(3)成分 0%以上1.0%以下
である請求項1から7のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項9】
アッベ数(ν_(d))が屈折率(n_(d))との間でν_(d)≧-100×n_(d)+220の関係を満たす請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム材。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか記載の光学ガラスを母材とする光学素子。
【請求項12】
請求項10又は11のいずれか記載の光学素子を備える光学機器。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2016-11-16 
出願番号 特願2012-146814(P2012-146814)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C03C)
P 1 651・ 536- YAA (C03C)
P 1 651・ 121- YAA (C03C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 貴之  
特許庁審判長 新居田 知生
特許庁審判官 宮澤 尚之
瀧口 博史
登録日 2015-09-04 
登録番号 特許第5800766号(P5800766)
権利者 株式会社オハラ
発明の名称 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子  
代理人 正林 真之  
代理人 新山 雄一  
代理人 正林 真之  
代理人 林 一好  
代理人 林 一好  
代理人 新山 雄一  
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