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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  F24F
審判 全部無効 特126 条1 項  F24F
審判 全部無効 発明同一  F24F
管理番号 1323802
審判番号 無効2014-800204  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-12-09 
確定日 2016-03-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3561443号発明「加湿器」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3561443号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件無効審判の請求に係る特許第3561443号(以下「本件特許」という。)の手続の経緯は、以下のとおりである。
平成11年 7月23日 本件特許出願
平成16年 6月 4日 設定登録
平成26年12月 9日 審判請求書
平成27年 3月 6日 審判事件答弁書
同年 7月 2日 口頭審理陳述要領書(両者)
同年 7月 2日 上申書(請求人、関連侵害訴訟の書面)
同年 7月16日 口頭審理陳述要領書(2)(被請求人)
同年 7月16日 口頭審理
同年 8月31日 審決の予告
同年 9月25日 訂正請求書
同年11月18日 上申書(被請求人、関連侵害訴訟の書面)
同年12月22日 審判事件弁駁書
平成28年 1月20日 上申書(被請求人、関連侵害訴訟の書面)

なお、本審決において、記載箇所を行により特定する場合、行数は空行を含まず、「……」は記載の省略を意味する。証拠は、例えば甲第1号証を甲1のように略記する。

第2 請求人の主張
請求人は、本件特許の請求項1?5に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、証拠方法として甲1?甲10を提出し、次の無効理由を主張する。

(無効理由1)
本件特許の請求項1?5に係る発明は、甲1に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。
(無効理由2)
本件特許の請求項1?5に係る発明は、甲2?甲4に記載された発明、及び、甲8、甲9に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

<証拠方法>
甲1 :特開2000-249386号公報
甲2 :特開平5-52392号公報
甲3 :特開昭63-46338号公報
甲4 :特開平6-281233号公報
甲5 :平成16年1月7日付け拒絶理由通知書
甲6 :平成16年2月12日付け意見書
甲7 :平成16年2月12日付け手続補正書
甲8 :特開昭60-218544号公報
甲9 :特開平11-133832号公報
甲10:特許第3561443号公報(本件特許公報)
甲1?甲10の成立につき当事者間に争いはない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、無効理由がいずれも成り立たないと主張する。

第4 訂正請求について
1 訂正の内容
平成27年9月25日付け訂正請求書による訂正は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正すること(以下「本件訂正」という。)を求めるものである。具体的な訂正事項は以下のとおりである。
(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項1を次のとおり訂正する。
「【請求項1】
室内の湿度を検出する湿度センサーと、水蒸気を発生させて加湿を行う水蒸気発生装置と、湿度を設定する設定スイッチと、検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させることを特徴とする加湿器。」

2 訂正の適否
訂正事項1は、運転スタート時の動作について「設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して」との動作を行う旨の限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
また、本件特許の明細書に「加湿湿度判定手段15に、湿度センサー11からの検出湿度と設定スイッチ13からの設定湿度が入力され、ステップ4で両湿度を比較して、設定湿度が検出湿度より低いか否かを判定する。」(【0018】)と記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-5〕について本件訂正を認める。

第5 本件発明
本件特許の請求項1?5に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明5」といい、これらを総称して「本件発明」という。)は、訂正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

【請求項1】(本件発明1)
室内の湿度を検出する湿度センサーと、水蒸気を発生させて加湿を行う水蒸気発生装置と、湿度を設定する設定スイッチと、検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させることを特徴とする加湿器。

【請求項2】(本件発明2)
制御装置は、検出湿度以上より高くなるような加湿量を設定して、強制的な加湿運転を実行することを特徴とする請求項1記載の加湿器。

【請求項3】(本件発明3)
運転状況を報知する報知装置を備え、該報知装置は、運転スタート後の強制動作の実行を報知することを特徴とする請求項1または2記載の加湿器。

【請求項4】(本件発明4)
検出湿度あるいは設定湿度を表示する表示装置を備え、該表示装置は、運転スタート後の強制的に水蒸気発生装置を動作中、設定湿度が検出湿度より低い場合、設定湿度を表示することを特徴とする請求項1または2記載の加湿器。

【請求項5】(本件発明5)
検出湿度あるいは設定湿度を表示する表示装置を備え、運転スタート時において設定湿度が検出湿度より高い場合、前記表示装置は検出湿度を表示することを特徴とする請求項1または2記載の加湿器。

第6 当審の判断
1 無効理由1について
(1)甲1の記載
甲1に係る出願(特願平11-53959号)は、平成11年3月2日に出願され、平成12年9月12日に出願公開がされたものであるから、本件特許出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされたものである(以下、甲1に係る出願を「甲1先願」という。)。また、本件特許の出願人はその出願時において、甲1先願の出願人と同一の者ではなく、発明者も同一の者ではない。

甲1には、図面と共に、以下の記載がある(下線は当審による。以下同じ。)。

「【請求項1】設定湿度と検出湿度に基づいて容器に収容した水を加熱して蒸気を発生させ、該蒸気により周囲の空気を加湿する加湿器において、通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行うことを特徴とする加湿器。」

「【0010】図1は、本発明にかかる加湿器を示す。この加湿器は、本体1と蓋体2とからなっている。本体1の内部には、水を収容する内容器3が設けられている。内容器3の底外面には水を加熱する985ワットの立上げヒータ4と315ワットの加湿ヒータ5が配設されている。……
……
【0011】前記パネル7には、前記水位窓8のほか、図2に示すように、運転入/切スイッチ14と、40%から60%までの5段階の湿度を設定することができる湿度設定スイッチ15と、弱加湿モードを設定する弱加湿スイッチ16およびその表示ランプ16aと、設定時間後自動的に運転を切にするタイマー設定スイッチ17と、クエン酸洗浄モードを設定するクエン酸洗浄スイッチ18とが設けられている。また、パネル7には、後述する湿度センサ23の検出湿度に応じて乾燥,適湿,高湿の3段階の湿度を表示する湿度モニターランプ19と、連続運転を表示するランプ20と、前記湿度設定スイッチ15で設定される5段階の設定湿度を表示する表示ランプ15a?15eと、2時間と4時間のタイマー設定時間を表示する表示ランプ17a,17bと、給水を促す警告ランプ21と、湿度センサ23の非接続を表示する警告ランプ22とが設けられている。
【0012】本体1の外側面には、図3に示すように、湿度センサ23を内蔵したセンサユニット24から延びるコード25の先端のマグネットプラグ26が接続される接続受部27が設けられている。前記センサユニット24は加湿器が設置される室内の壁等に引っ掛けて、加湿器から離れたところの湿度を検出できるようになっている。なお、このセンサユニット24は、電源コード28の一部に取り付けて、そのコード25を電源コード28に沿わせるようにしてもよい。また、センサユニット24は、図4に示すように、本体1の適宜場所に取り付けた伸縮可能なロッド29の先端に設けてもよい。さらに、センサユニット24からの室内湿度の情報を赤外線にて送信してもよい。」

「【0014】本体1の内部には、タイマを内蔵し、マイクロコンピュータからなる制御装置36が設けられている。この制御装置36は、前記パネル7の各設定スイッチからの信号、および前記温度センサ9および前記湿度センサ23からの検出信号に基づいて、前記立上げヒータ4、加湿ヒータ5およびファン10を制御する。
【0015】以下、前記構成からなる加湿器の制御装置36による動作を説明する。なお、本加湿器の制御装置36では、標準加湿モード、弱加湿モードおよびクエン酸洗浄モードの3モードを実行できるが、本実施形態では、主として標準加湿モードについて説明する。
【0016】湿度センサ23が内蔵されたセンサユニット24を部屋の壁等の加湿器から離れた場所に取り付け、そのマグネットプラグ26を加湿器本体1の接続受部27に接続する。パネル7の運転入/切スイッチ14により電源を投入すると、連続運転のランプ20が点灯する。湿度センサ23が接続されていなければ、湿度センサ非接続のランプ22が点灯して、ユーザに警告される。湿度センサ23により湿度が検出されると、湿度モニターランプ19に、乾燥、適湿および高湿の3段階の湿度が表示される。」

「【0018】次に、湿度設定スイッチ15により湿度を設定すると、設定された湿度に対応するランプ15a?15eが点灯し、標準加湿モードが実行される。タイマーを設定した場合には、設定時間に対応するランプ17a,17bが点灯する。タイマの設定時間が経過すると、電源が遮断される。
【0019】標準加湿モードでは、図5のフローチャートに示すように、ステップ101で、温度センサ9からの検出温度に基づいて湯温が98℃以上であるか否かが判断され、98℃以上でなければステップ102で立上げヒータ4がオンされ、内容器3内の水が98℃まで加熱される。湯温が98℃以上になると、ステップ103で2分タイマがスタートし、ステップ104で立上げヒータ4がオフされるとともに、加湿ヒータ5とファン10がオンされる。これにより、設定湿度、検出湿度にかかわらず、2分間は、蒸気が発生して吹出口2から吹き出す。ユーザは、設定湿度が検出湿度より低くて本来なら蒸気を発生させないような場合でも蒸気の発生を確認できるので、正常に作動していると認識することができる。仮に、設定湿度が検出湿度より低い場合であっても、蒸気が発生するのは、僅か2分だけであるから、湿度に影響しない。
【0020】ステップ105で、タイマにより2分が経過したことが判断されると、ステップ106で設定湿度が検出湿度より大であるか否かが判断される。設定湿度が検出湿度より大であれば、ステップ107で加湿ヒータ5とファン10のオン状態を継続して、検出湿度が設定湿度になるまで加湿が継続される。また、設定湿度が検出湿度より以下であれば、ステップ108で加湿ヒータ5とファン10がオフされて、加湿が停止される。このようにして、ステップ109で切スイッチ14が押されたと判断されるまで、あるいはユーザにより設定されたタイマー時間がタイムアップするまで、ステップ106から109が繰り返され、部屋の湿度が設定湿度に調節される。」

「【0024】図1に示すようなファン式の加湿器では、蒸気が出ていても、ファン10が回っていると蒸気が見えにくいので、ユーザはやはり故障であると誤認することがある。そこで、蒸気発生開始後、数分間はファン10を一時的に停止し、あるいは蒸気発生開始から数分経過後にファン10をオンするようにして、一時的に蒸気を見やすくして、正常に運転していることを確認させることができる。」

「【図5】



上記甲1の記載によれば、甲1先願の願書に最初に添付された明細書又は図面には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「設定湿度と検出湿度に基づいて容器に収容した水を加熱して蒸気を発生させ、該蒸気により周囲の空気を加湿する加湿器であって、
湿度センサ23を内蔵したセンサユニット24は加湿器が設置される室内の壁等に引っ掛けて、加湿器から離れたところの湿度を検出できるようになっており、
水を収容する内容器3が設けられ、その底外面には水を加熱する立上げヒータ4と加湿ヒータ5が配設され、
5段階の湿度を設定することができる湿度設定スイッチ15を有し、
前記湿度センサ23の検出湿度に応じて乾燥,適湿,高湿の3段階の湿度を表示する湿度モニターランプ19と、前記湿度設定スイッチ15で設定される5段階の設定湿度を表示する表示ランプ15a?15eが設けられ、
制御装置36が、各設定スイッチからの信号、および前記湿度センサ23からの検出信号に基づいて、前記立上げヒータ4、加湿ヒータ5を制御し、
通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行う
加湿器。」

(2)対比・判断
本件発明1と甲1発明を対比する。
甲1発明の「湿度センサ23」は、室内の壁等に引っ掛けて湿度を検出するものであることから、本件発明1の「室内の湿度を検出する湿度センサー」に相当する。
甲1発明の「内容器3」及び「立上げヒータ4と加湿ヒータ5」は、容器に収容した水を加熱して蒸気を発生させることから、本件発明1の「水蒸気発生装置」に相当する。
甲1発明の「湿度設定スイッチ15」は、本件発明1の「湿度を設定する設定スイッチ」に相当する。
甲1発明の「制御装置36」は、各設定スイッチからの信号、および前記湿度センサ23からの検出信号に基づいて、前記立上げヒータ4、加湿ヒータ5を制御するものであることから、本件発明1の「検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置」に相当する。

甲1発明の「通電開始または加湿開始から所定時間」は、本件発明1の「運転スタート時」における「一定時間」に相当し、甲1発明の「蒸気を発生させて加湿を行う」ことは、本件発明1の「水蒸気発生装置を動作させる」ことに相当する。
そして、甲1発明の「設定湿度と検出湿度に関係なく」が「設定湿度が検出湿度より低い場合」を含むことは明らかであるとともに、甲1に「仮に、設定湿度が検出湿度より低い場合であっても、蒸気が発生するのは、僅か2分だけであるから、湿度に影響しない。」(【0019】)と記載されていることも考慮すれば、甲1発明の「通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行う」とは、運転スタート時において設定湿度が検出湿度より低い場合にも、一定時間だけ強制的に水蒸気発生装置を動作させることを含むことは明らかである。
してみれば、甲1発明の、制御装置36が「通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行う」は、本件発明1の「該制御装置は、運転スタート時において」「設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させる」に相当する。
よって、本件発明1と甲1発明の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
室内の湿度を検出する湿度センサーと、水蒸気を発生させて加湿を行う水蒸気発生装置と、湿度を設定する設定スイッチと、検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、運転スタート時において設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させる加湿器。

[相違点]
運転スタート時の動作に関し、本件発明1は、「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して」設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に水蒸気発生装置を動作させるものであるのに対し、甲1発明は、通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行うものであって、設定湿度と検出湿度とを比較することは特定されていない点。

上記相違点について検討すると、甲1の「設定湿度、検出湿度にかかわらず、2分間は、蒸気が発生して吹出口2から吹き出す。…… ステップ105で、タイマにより2分が経過したことが判断されると、ステップ106で設定湿度が検出湿度より大であるか否かが判断される。」(【0019】、【0020】)との記載及び図5に示されるフローチャートを参照すれば、甲1発明の「通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行う」について、上記所定時間には設定湿度と検出湿度とを比較せず、上記所定時間を経過した後に設定湿度と検出湿度とを比較することが想定されているといえる。
また、甲1発明は、「通電開始または加湿開始から所定時間は、設定湿度と検出湿度に関係なく、必ず蒸気を発生させて加湿を行う」にあたり、上記所定時間内に、設定湿度と検出湿度とを比較する必要性はないものである。
そして、本件発明1は、「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較」する構成を採用することにより、設定湿度が検出湿度より高い場合の制御動作内容に関わらず、制御装置が比較判断した結果に応じて、「設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させる」という制御動作を実行させるものである。
してみれば、上記相違点は、設計上の微差といえるものではなく、実質的な相違点である。

請求人は、「審決の予告」における「本件発明1は、設定湿度が検出湿度より高い場合の動作を特定していないことは、請求項1の記載に照らして明らかである。…… 本件発明1は、運転スタート時において設定湿度や検出湿度に関係なく加湿運転を行う例、すなわち、設定湿度が検出湿度より高い場合と、設定湿度が検出湿度より低い場合とで同じ加湿運転をする例を含むものと解される。」との判断を引用しつつ、「訂正後発明も、此度の訂正により単に検出し比較することがクレームに特定されても、前記訂正前の本件発明と同じく、設定湿度が検出湿度より高い場合についてやはりクレームにはなんら記載されていない。また、甲1発明には、設定湿度が検出湿度より低い場合に一定時間強制運転することが開示されており、更に運転スタート時に湿度を検出することも開示されており、またもともと通常運転時には、検出湿度と設定湿度とを比較して設定湿度が検出湿度より高い場合に加湿運転がなされる構成であることも開示されている(明細書段落[0020]の記載など)ことから、前述したとおり、この検出し比較すること自体になんら格別な作用効果はなく技術的意義はない。」と主張する(平成27年12月22日付け審判事件弁駁書4頁「(1)無効理由1(拡大先願)について」の項)。
しかし、訂正後の本件発明1は、「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して」との構成を備えるものであり、この点で甲1発明と相違するのであるから、本件発明1が、設定湿度が検出湿度より高い場合と、設定湿度が検出湿度より低い場合とで同じ加湿運転をする例を含むとしても、両発明が同一ということにはならない。また、甲1の【0020】には、検出湿度と設定湿度とを比較することが記載されているものの、該記載は、通電開始または加湿開始から所定時間が経過した後(具体的には2分経過後)の動作を説明したものにすぎず、上記所定時間内に検出湿度と設定湿度とを比較することは記載されていない。そして、前述のとおり、甲1発明は、上記所定時間内に、設定湿度と検出湿度とを比較する必要性のないものであり、本件発明1は、「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較」する構成を採用することにより、設定湿度が検出湿度より高い場合の制御動作内容に関わらず、制御装置が比較判断した結果に応じて、「設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させる」という制御動作を実行させるものであるから、「検出し比較すること自体になんら格別な作用効果はなく技術的意義はない」ということはできない。よって、上記請求人の主張は採用できない。

したがって、本件発明1は、甲1発明と同一であるとはいえない。

また、本件発明2?5は、いずれも、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに他の限定を付加したものに相当する。
そうすると、上記のとおり、本件発明1が、甲1発明と同一であるとはいえないから、同様に、本件発明2?5も、甲1発明と同一であるとはいえない。

(3)無効理由1についてのまとめ
本件発明1?5は、甲1発明と同一であるとはいえず、その特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものとはいえない。
よって、本件発明1?5についての特許は、無効理由1により、無効とすることはできない。

2 無効理由2について
(1)甲2?甲4の記載
ア 甲2の記載
甲2には、図面と共に、以下の記載がある。

「【請求項1】室内の現在湿度を検出する湿度センサと、室温を検出する温度センサと、目標とする湿度を設定する湿度設定手段と、水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、前記湿度センサで検出した現在湿度と前記湿度設定手段で設定された設定湿度との比較を行い、その湿度差からあらかじめ決められた加湿量を選定して前記水蒸気発生装置による水蒸気の発生量を制御する加湿制御手段とを備えた加湿器。」(6頁左欄【請求項1】)

「【0011】図1において、1は湿度センサ、2は室温センサ、3は湿度設定手段、4はマイクロコンピュータであり、加湿制御手段5と、表示器6の表示形態を制御する表示制御手段7を有している。8は水蒸気発生装置である。
【0012】次に、上記実施例の動作について図2に示すフローチャートを用いて説明する。まず、電源スイッチ(図示せず)をONすると温湿度読み込みステップ11が開始する。このステップ11は湿度センサ1および温度センサ2により室内の湿度および温度を検出するものである。
【0013】次に、ステップ12において、前記ステップ11によって読み込まれた室温が適正温度範囲内かどうかを判定する。具体的には0℃以下であるか、または40℃以上であるかを判定する。これは室温が0℃以下の場合は、水蒸気発生装置8内の水が凍りついていて水蒸気の発生を行うには好ましくない状態で、ヒータ加熱方式を採用した加湿器では、ヒータの空焚き状態と同じになるからである。また、40℃以上の場合には、通常では発生することのない異常事態の現象であるからである。従って、このステップで室温が0℃以下、40℃以上と判定された場合は、ステップ13へ進み、加湿を即中止して、ステップ17の表示処理により表示器6の湿度設定ランプ(図示せず)を早点滅させ、加湿の中止が正常動作であることを表示する。この表示を行うことで使用者に加湿中止状態を伝える。これにより、故障判定等が明確に認識することができる。」(6頁右欄【0011】?7頁左欄【0013】)

よって、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「室内の現在湿度を検出する湿度センサと、
水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、
目標とする湿度を設定する湿度設定手段と、
前記湿度センサで検出した現在湿度と前記湿度設定手段で設定された設定湿度との比較を行い、その湿度差からあらかじめ決められた加湿量を選定して前記水蒸気発生装置による水蒸気の発生量を制御する加湿制御手段とを備えた
加湿器。」

イ 甲3の記載
甲3には、図面と共に、以下の記載がある。

「加湿用の水を充填する水タンクと、この水タンクと連通し、底部に振動子を設けた霧化室と、送風装置と、本体ケース内に設けられ、湿度センサーを実装し駆動する調湿器ユニットからなり、前記調湿器ユニットに、通電後、定時間は連続運転を行ない、定時間後より前記湿度センサーによる運転制御を行なう運転制御手段を設けた超音波加湿機。」(1頁左欄5行?12行)

「このような従来の構成では、使用後、長時間が経過した場合、たとえば一昼夜が経過したときなどは、水タンク102より流入した加湿用水101から蒸発した水分が、開口穴111からケーシング110を経由し、湿度センサー113が実装された調湿器ユニット114を内装する本体内に充満しており、通電開始直後においては、外気が充分乾燥しているにもかかわらず、湿度センサー113が本体内の湿度を感知して加湿を行なわないという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するもので、通電直後の定時間内だけ、連続加湿運転を行なうようにし、使用者の不信感を一掃することを目的とするものである。」(2頁左上欄4行?17行)

「この構成により、通電開始直後は湿度センサーに依らない連続運転を、また通電後、定時間経過のちより湿度センサーによる運転制御で加湿を行なうこととなる。」(2頁右上欄8行?11行)

ウ 甲4の記載
甲4には、図面と共に、以下の記載がある。

「【請求項1】ファンによって吸い込まれた室内空気を冷却器で冷却して水分を抜取り、再熱器で加熱して室内に吹き出し、吸込み口側に設けられた湿度センサで吸い込まれる室内空気の相対湿度を検出して、検出湿度に応じて冷凍サイクルを制御する除湿運転を行なう電気除湿機において、
最終目標湿度を第1の目標湿度として、該第1の目標湿度以下の第2の目標湿度を設定して除湿運転を行ない、該湿度センサによる検出湿度が該第2の目標湿度に達したとき、目標湿度の設定を該第1の目標湿度に変更して除湿運転を行なうことを特徴とする電気除湿機。」

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭内で使用される電気除湿機に係り、特に、初期の湿度負荷状態に応じた除湿運転の制御方法に関する。」

「【0032】また、運転開始後30分間は、例え湿度が低くても、運転が停止しないようにする。これは、湿度が低くて運転開始後直ちに運転が停止すると、ユーザが故障と間違えてしまうこともあり得るからである。」

(2)対比
本件発明1と甲2発明を対比する。
甲2発明の「室内の現在湿度を検出する湿度センサ」は、本件発明1の「室内の湿度を検出する湿度センサー」に相当し、以下同様に、「水蒸気を発生させる水蒸気発生装置」は「水蒸気を発生させて加湿を行う水蒸気発生装置」に、「目標とする湿度を設定する湿度設定手段」は「湿度を設定する設定スイッチ」に、「前記湿度センサで検出した現在湿度と前記湿度設定手段で設定された設定湿度との比較を行い、その湿度差からあらかじめ決められた加湿量を選定して前記水蒸気発生装置による水蒸気の発生量を制御する加湿制御手段」は、「検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置」に、それぞれ相当する。
よって、本件発明1と甲2発明の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「室内の湿度を検出する湿度センサーと、水蒸気を発生させて加湿を行う水蒸気発生装置と、湿度を設定する設定スイッチと、検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置とを備える加湿器。」

[相違点]
本件発明1は、「該制御装置は、運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させる」のに対し、甲2発明は、そのように特定されていない点。

(3)判断
上記(1)イに示したように、甲3には、超音波加湿機において、通電後、定時間は連続運転を行ない、定時間後より前記湿度センサーによる運転制御を行なう技術事項が開示されている。
上記甲3の技術事項は、運転スタート時において一定時間だけ強制的に水蒸気発生装置を動作させるとの限りでは、上記相違点に係る本件発明1の構成と共通するといえる。
しかし、上記甲3の技術事項は、「このような従来の構成では……通電開始直後においては、外気が充分乾燥しているにもかかわらず、湿度センサー113が本体内の湿度を感知して加湿を行なわないという問題があった。」という前提のもと、「通電開始直後は湿度センサーに依らない連続運転を」行うことで、上記問題を解決しようとするものである。
これに対し、甲2発明は、甲3が指摘する「従来の構成」を備えるかは不明であり、上記問題を有するかも不明であるから、甲2発明に上記甲3の技術事項を適用する動機付けは認められない。
また、甲3には「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較」することを示唆する記載はないし、さらに、甲3の技術事項は、通電開始直後は、湿度センサーが外気の湿度を正しく検出できないため、湿度センサーに依らない連続運転を行うものであることから、運転スタート時において湿度センサーが検出した検出湿度を利用すること、すなわち、「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較」する構成を採用することは想定できない。
よって、甲2発明に甲3の技術事項を適用することを当業者が容易に想到し得たとはいえず、仮に適用しても上記相違点に係る本件発明1の構成は得られない。

次に、上記(1)ウに示した甲4の記載によれば、検出湿度と目標湿度に基づいて除湿運転を行う除湿機において、運転開始後の一定時間(具体例として30分間)は、湿度が低い場合、すなわち、本来は除湿運転しない条件であっても、運転を停止しないことにより、ユーザが故障と間違えることを防止する技術事項を把握することができる。
しかしながら、甲4には、上記運転開始後の一定時間において、検出湿度と目標湿度とを比較することは記載されていない。甲4には、運転開始してから5分間経過後に湿度を検出することが記載されているが、これは第2の目標湿度を設定するためであって、目標湿度(第1の目標湿度)と比較してはいない。むしろ、甲4の【図1】を参照すると、30分の経過後に第2の目標湿度に基づく運転がなされていると解され、運転開始後の一定時間(具体例として30分間)においては、検出湿度と目標湿度とを比較していないと解される。
よって、甲4には、上記相違点に係る本件発明1の構成は開示されていない。
加えて、甲2には、上記(1)アのとおり、「従って、このステップで室温が0℃以下、40℃以上と判定された場合は、ステップ13へ進み、加湿を即中止して、ステップ17の表示処理により表示器6の湿度設定ランプ(図示せず)を早点滅させ、加湿の中止が正常動作であることを表示する。この表示を行うことで使用者に加湿中止状態を伝える。これにより、故障判定等が明確に認識することができる。」(7頁左欄【0013】)と記載されている。このような表示を行うことで、加湿が中止されても、使用者が故障と間違える恐れはないのであるから、あえて甲4の技術事項を適用する必要もない。
よって、甲2発明に甲4の技術事項を適用することを当業者が容易に想到し得たとはいえず、仮に適用しても上記相違点に係る本件発明1の構成は得られない。

請求人は、「運転スタート時に本来ならば動作しない状況でも、この動作しないことによって生じる不具合を回避するために所定時間、強制的に動作(運転)させること、即ち、運転スタート時に所定時間、強制運転を行うこと」は、甲8や甲9にも開示されている技術であり、周知技術にすぎないと主張する(審判請求書28頁2行?10行)。
しかし、仮に請求人が主張する上記周知技術が認められ、甲2発明に該周知技術を適用したとしても、上記相違点に係る本件発明1の構成は得られない。また、甲8は「雰囲気湿度を検出して加湿動作の制御を行う自動運転回路を備えたものにおいて、電源投入から所定時間内は前記自動運転回路にかかわらず加湿動作を行わせるタイマ装置を設けたことを特徴とする加湿器。」(特許請求の範囲)であり、甲9は「原稿台移動型の画像形成装置」について「原稿台が画像形成動作開始位置まで移動する動作を途中で停止することがなく、連続して移動するので、ユーザーに対して故障が発生したと誤認識させることがなく、信頼感を与えることができる。」(【0028】)というものであり、これらによっては、上記相違点に係る本件発明1の構成が周知であるとは認められない。

請求人は、「加湿器はそもそも検出湿度と設定湿度とを比較して加湿運転する構成であることから、上記運転スタート時において設定湿度が検出湿度より低い場合とは湿度を検出し比較しての低い場合であることが特定されるにすぎない此度の前記訂正事項自体になんら格別な作用効果はなく技術的意義はない。」と主張する(平成27年12月22日付け審判事件弁駁書15頁17行?21行)。
しかし、前記1(2)でも述べたように、本件発明1は、「運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較」する構成を採用することにより、設定湿度が検出湿度より高い場合の制御動作内容に関わらず、制御装置が比較判断した結果に応じて、「設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させる」という制御動作を実行させるものであるから、「此度の前記訂正事項自体になんら格別な作用効果はなく技術的意義はない」ということはできない。よって、上記請求人の主張は採用できない。

したがって、上記相違点に係る本件発明1の構成は、甲2発明、甲3、甲4の技術事項、及び、甲8、甲9に示される周知技術に基いて当業者が容易に想到し得たとはいえず、本件発明1は、甲2発明、甲3、甲4の技術事項、及び、甲8、甲9に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

また、本件発明2?5は、いずれも、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに他の限定を付加したものに相当する。
そうすると、上記のとおり、本件発明1は、甲2発明、甲3、甲4の技術事項、及び、甲8、甲9に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないのであるから、同様に、本件発明2?5も、甲2発明、甲3、甲4の技術事項、及び、甲8、甲9に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)無効理由2についてのまとめ
本件発明1?5は、甲2発明、甲3、甲4の技術事項、及び、甲8、甲9に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえない。
よって、本件発明1?5についての特許は、無効理由2により、無効とすることはできない。

第7 結び
請求人が主張する無効理由及び提出した証拠によっては本件発明1?5についての特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の湿度を検出する湿度センサーと、水蒸気を発生させて加湿を行う水蒸気発生装置と、湿度を設定する設定スイッチと、検出湿度および設定湿度に基づいて前記水蒸気発生装置の動作を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、運転スタート時において設定湿度と前記湿度センサーが検出した検出湿度とを比較して設定湿度が検出湿度より低い場合、一定時間だけ強制的に前記水蒸気発生装置を動作させることを特徴とする加湿器。
【請求項2】
制御装置は、検出湿度以上より高くなるような加湿量を設定して、強制的な加湿運転を実行することを特徴とする請求項1記載の加湿器。
【請求項3】
運転状況を報知する報知装置を備え、該報知装置は、運転スタート後の強制動作の実行を報知することを特徴とする請求項1または2記載の加湿器。
【請求項4】
検出湿度あるいは設定湿度を表示する表示装置を備え、該表示装置は、運転スタート後の強制的に水蒸気発生装置を動作中、設定湿度が検出湿度より低い場合、設定湿度を表示することを特徴とする請求項1または2記載の加湿器。
【請求項5】
検出湿度あるいは設定湿度を表示する表示装置を備え、運転スタート時において設定湿度が検出湿度より高い場合、前記表示装置は検出湿度を表示することを特徴とする請求項1または2記載の加湿器。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-02-01 
結審通知日 2016-02-03 
審決日 2016-02-16 
出願番号 特願平11-208725
審決分類 P 1 113・ 85- YAA (F24F)
P 1 113・ 161- YAA (F24F)
P 1 113・ 121- YAA (F24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 莊司 英史  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 窪田 治彦
紀本 孝
登録日 2004-06-04 
登録番号 特許第3561443号(P3561443)
発明の名称 加湿器  
代理人 吉田 昌司  
代理人 毒島 光志  
代理人 吉井 雅栄  
代理人 鎌田 邦彦  
代理人 荒川 伸夫  
代理人 深見 久郎  
代理人 深見 久郎  
代理人 堀井 豊  
代理人 荒川 伸夫  
代理人 吉井 剛  
代理人 鎌田 邦彦  
代理人 堀井 豊  
代理人 岡 始  
代理人 毒島 光志  
代理人 岡 始  

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