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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01R 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R |
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管理番号 | 1323952 |
審判番号 | 不服2016-445 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-01-08 |
確定日 | 2017-02-07 |
事件の表示 | 特願2010-58275「トリガをかける方法及び周波数領域試験測定装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年9月30日出願公開、特開2010-217181、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成22年3月15日(パリ条約による優先権主張2009年(平成21年)3月13日(以下、「優先日」という。)、2009年10月2日、いずれもアメリカ合衆国)の出願であって、平成26年12月25日付けの拒絶理由の通知に対し平成27年7月13日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年9月2日付けで拒絶査定(同年同月8日謄本送達)(以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して、平成28年1月8日に拒絶査定不服審判が請求され同時に手続補正書(同手続補正書でした補正を、以下、「本件補正1」という。)が提出され、その後、当審において同年9月7日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)を通知(特許法第17条の2第1項第3号の最後の拒絶理由通知)したところ、同年12月13日に意見書及び手続補正書(同手続補正書でした補正を、以下、「本件補正2」という。)が提出されたものである。 第2 本件補正1及び2における補正の適否 1 本件補正1について (1)補正の内容 本件補正1は、特許請求の範囲及び明細書を、それぞれ以下のとおり補正するものである。 ア 特許請求の範囲の補正 (ア)補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正1による補正前の、平成27年7月13日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。 「 【請求項1】 測定期間中に入力信号を周波数領域ビットマップに累積する処理と、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義する処理と、 上記関心領域内における上記入力信号の占有を計算する処理と を具え、 上記入力信号の上記占有を計算する処理が、残像の減衰係数を補償する処理を含むことを特徴とする入力信号占有測定方法。 【請求項2】 測定期間中に入力信号を周波数領域ビットマップに累積する処理と、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義する処理と、 上記関心領域内における上記入力信号の占有を計算する処理と を具え、 上記入力信号の上記占有を計算する処理が、計算される上記占有から背景の占有を引き算する処理を含むことを特徴とする入力信号占有測定方法。 【請求項3】 入力信号を受けるよう構成される信号入力部と、 プロセッサとを具え、 該プロセッサが、 測定期間中に上記入力信号を周波数領域ビットマップに累積し、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義し、 上記関心領域内における上記入力信号の占有を残像の減衰係数を補償して計算するよう構成される試験測定装置。 【請求項4】 入力信号を受けるよう構成される信号入力部と、 プロセッサとを具え、 該プロセッサが、 測定期間中に上記入力信号を周波数領域ビットマップに累積し、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義し、 上記関心領域内における上記入力信号の占有を背景の占有を引き算して計算するよう構成される試験測定装置。 【請求項5】 時間変動信号を繰り返しサンプリングする処理と、 上記時間変動信号のサンプリングに基いて時間とともに複数のデジタル周波数領域スペクトラムを生成する処理と、 周波数領域ビットマップを含むデータ記憶装置に上記デジタル周波数領域スペクトラムを順次適用することによって、上記時間変動信号についての上記周波数領域ビットマップを繰り返し更新する処理と、 上記周波数領域ビットマップのある部分を選択する処理と、 上記周波数領域ビットマップの上記部分内の信号占有を決定する処理と、 上記周波数領域ビットマップの上記部分について決定した上記信号占有に応じて上記時間変動信号の捕捉をトリガする処理と を具え、 上記繰り返し更新する処理が、 上記周波数領域ビットマップ内における上記デジタル周波数領域スペクトラムの成分が生じたカ所のヒット計数値を増加させる処理と、 上記周波数領域ビットマップ中に累積された上記ヒット計数値を繰り返し減少させる処理と を有する周波数領域試験測定装置において信号イベントに応じてトリガをかける方法。 【請求項6】 上記周波数領域ビットマップの上記部分内の上記信号占有を定める処理が、上記周波数領域ビットマップ中の累積された上記ヒット計数値を繰り返し減少させるのに使用される減衰係数を補償する処理を含む請求項5記載のトリガをかける方法。 【請求項7】 上記信号占有に関するトリガ条件を設定する処理を更に具え、 決定した上記信号占有が上記トリガ条件を満たすと、上記時間変動信号の捕捉をトリガする処理を実行する請求項5又は6記載のトリガをかける方法。 【請求項8】 時間変動信号を繰り返しサンプリングすることによって生成されるデジタル周波数領域スペクトラムを適用することによって繰り返し更新される上記時間変動信号の周波数領域ビットマップを記憶する記憶サブシステムと、 上記記憶サブシステムと動作可能に結合された処理サブシステムと、 上記周波数領域ビットマップ内における上記デジタル周波数領域スペクトラムの成分が生じたカ所のヒット計数値を増加させると共に、上記周波数領域ビットマップ中に累積された上記ヒット計数値を繰り返し減少させることによって、上記周波数領域ビットマップにおいて残像表示を実現し、 上記周波数領域ビットマップのある部分を選択し、 上記周波数領域ビットマップの上記部分内の信号占有を決定し、 上記周波数領域ビットマップの上記部分について決定した上記信号占有に応じて上記時間変動信号の捕捉をトリガする 上記処理サブシステムで実行可能なビットマップ命令と を具える周波数領域信号で生じる信号イベントにトリガをかけるシステム。 【請求項9】 時間変動信号を受けるフロント・エンド部分と、 上記フロント・エンド部分と動作可能に結合され、上記フロント・エンド部分が上記時間変動信号を受けて処理するときに上記時間変動信号に基いてデジタル周波数領域スペクトラムを生成するよう構成されたリアルタイム・エンジンと、 上記デジタル周波数領域スペクトラムを連続して受けて記憶することによって更新される周波数領域ビットマップを収容するメモリ・サブシステムと、 上記周波数領域ビットマップの表示データを表示するための表示サブシステムと、 上記周波数領域ビットマップ中に累積されたヒット計数値を繰り返し減少させることにより、上記表示データの1表示フレーム中に生じた一時的な信号イベントを、1つ以上の連続する表示フレームに渡って表示させつつ連続的に減衰させることで、上記周波数領域ビットマップの上記表示データに関する残像表示を実現し、 上記周波数領域ビットマップのある部分を選択し、 上記周波数領域ビットマップの上記部分内の信号占有を決定し、 上記周波数領域ビットマップの上記部分について決定した上記信号占有に応じて上記時間変動信号の捕捉をトリガする 動作が可能なビットマップ命令を実行するよう構成される処理サブシステムと を具える周波数領域試験測定装置。」 (イ)補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正1による補正後の特許請求の範囲の記載は、次のとおりである(下線は、補正箇所を示す。以下同じ。)。 「 【請求項1】 測定期間中に感心のある入力信号及び背景信号を周波数領域ビットマップに累積する処理と、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義する処理と、 上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有を上記測定期間に対する上記入力信号及び背景信号の存在時間の比として計算する処理と、 上記関心領域内における背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算する処理と、 上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記入力信号の占有を求める処理と、 上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する処理と を具えるトリガをかける方法。 【請求項2】 感心のある入力信号及び背景信号を受けるよう構成される信号入力部と、 プロセッサとを具え、 該プロセッサが、 測定期間中に上記入力信号及び背景信号を周波数領域ビットマップに累積し、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義し、 上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有を上記測定期間に対する上記入力信号及び背景信号の存在時間の比として計算し、 上記関心領域内における背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算し、 上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記入力信号の占有を求め、 上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行するよう構成される周波数領域試験測定装置。」 イ 明細書の補正 明細書の補正は、【発明の名称】について、補正前に「入力信号占有測定方法、試験測定装置、トリガをかける方法及びシステム並びに周波数領域試験測定装置」とあるのを、「トリガをかける方法及び周波数領域試験測定装置」と補正するとともに、【0001】について、補正前に「本発明は、被測定信号の試験及び測定に関し、特に、周波数領域における信号イベントを定めるための信号測定と、これを利用してトリガをかけるための方法及びシステムに関する。」とあるのを、「本発明は、被測定信号の試験及び測定に関し、特に、周波数領域における信号イベントにトリガをかけるための方法及び周波数領域試験測定装置に関する。」と補正するものである。 (2)補正の適否 本件補正1による補正前後の特許請求の範囲の記載を対比して検討すると、補正前の請求項1、3及び5ないし9が削除され、補正後の請求項1及び2はそれぞれ補正前の請求項2及び4に対応するものといえるから、補正前の請求項1、3及び5ないし9についての補正は、特許法第17条の2第5項第1号の「請求項の削除」を目的とするものに該当する。 そして、補正後の請求項1及び2(それぞれ補正前の請求項2及び4)についての補正は、平成26年12月25日付け拒絶理由通知書の「請求項1-5では、本願の課題である「トリガ」との関係が明確に反映されていない。」(「理由2」(2))との指摘、並びに、平成27年9月2日付け拒絶査定の「請求項1-4では、本願発明の課題である「トリガ」との関係が明確ではなく、また、「トリガ」の課題を解決するための事項が反映されていない。」(「備考」「●理由2(特許法第36条第6項第1号、第6項第2号)について」)及び「請求項2,4では、「背景の占有」を引き算する事項が記載されているが、当該背景が何であり、どのように「背景の占有」を計算するのかが明確にされていないため、前記引き算する事項が明確ではない。」(同「なお」書き)との指摘を受けて、補正前の請求項2及び4の明瞭でない記載を、それぞれ補正後の請求項1及び2の記載のとおりに正すことにより、その記載の本来の意味内容を明らかにするものであるから、特許法第17条の2第5項第4号の「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものに該当する。 また、本件補正1は、特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところもない。 したがって、本件補正1は、特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に適合する。 2 本件補正2について (1)補正の内容 本件補正2は、特許請求の範囲を以下のとおり補正するものである。 ア 補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正2による補正前の、本件補正1により補正された特許請求の範囲の記載は、上記1(1)ア(イ)のとおりである。 イ 補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正2による補正後の特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。 「 【請求項1】 測定期間中に関心のある入力信号及び背景信号を周波数領域ビットマップに累積する処理と、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義する処理と、 上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有を上記測定期間に対する上記入力信号及び背景信号の存在時間の比として計算する処理と、 背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算する処理と、 上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記関心領域内における上記入力信号の占有を求める処理と、 上記関心領域内における上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する処理と を具えるトリガをかける方法。 【請求項2】 関心のある入力信号及び背景信号を受けるよう構成される信号入力部と、 プロセッサとを具え、 該プロセッサが、 測定期間中に上記入力信号及び背景信号を周波数領域ビットマップに累積し、 上記周波数領域ビットマップの関心領域を定義し、 上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有を上記測定期間に対する上記入力信号及び背景信号の存在時間の比として計算し、 背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算し、 上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記関心領域内における上記入力信号の占有を求め、 上記関心領域内における上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行するよう構成される周波数領域試験測定装置。」 (2)補正の適否 本件補正2は、平成28年9月7日付け拒絶理由通知書の指摘(下記「第3」3(1)ア(不備2)及びイ(不備3)を参照。)を受けて、補正前の請求項1及び2の明瞭でない記載を、それぞれ補正後の請求項1及び2の記載のとおりに正すことにより、その記載の本来の意味内容を明らかにするものであるから、特許法第17条の2第5項第4号の「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものに該当する。 また、本件補正2は、特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところもない。 したがって、本件補正2は、特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に適合する。 3 まとめ 以上のとおり、本件補正1及び2は、いずれも特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に適合する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正1及び2は、上記「第2」のとおりいずれも特許法第17条の2第3項ないし第5項の規定に適合するので、本願の請求項1及び2に係る発明は、本件補正2により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されたとおりの、上記「第2」2(1)イに記載したとおりのものである。 2 原査定の理由について (1)原査定の理由の概要 原査定の拒絶理由は、概略、以下のとおりである。 ア 本願の請求項1、3及び5ないし9に係る発明は、優先日前に頒布された刊行物である、次の引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない(理由1)。 引用文献1:特開2005-77413号公報 引用文献2:Thomas C. Hill, “Real-Time Spectrum Analysis Reveals Time Domain Characteristics of Frequency Domain Signals”, 72nd ARFTG Microwave Measurement Symposium, IEEE, 2008年, p.102-108 引用文献3:独国特許出願公開第102006056151号明細書 引用文献4:特開2008-26188号公報 イ 本願は、特許請求の範囲の記載が次の「不備1」の点で、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない(理由2)。 (不備1) 請求項1-4では、本願発明の課題である「トリガ」との関係が明確ではなく、また、「トリガ」の課題を解決するための事項が反映されていない。 (2)原査定の理由についての判断 ア 理由1について 本件補正1によって、本件補正1による補正前の請求項1、3及び5ないし9が削除されたので、原査定の拒絶理由の理由1は、理由のないものとなった。 イ 理由2について 本件補正1及び本件補正2によって、本件補正1による補正前の請求項2の「・・・ことを特徴とする入力信号占有測定方法。」との記載が、本件補正2による補正後の請求項1の「・・・上記関心領域内における上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する処理とを具えるトリガをかける方法。」に、本件補正1による補正前の請求項4の「・・・よう構成される試験測定装置。」との記載が、本件補正2による補正後の請求項2の「・・・上記関心領域内における上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行するよう構成される周波数領域試験測定装置。」に、それぞれ補正されたので、原査定の拒絶理由の理由2の不備1は解消した。 3 当審拒絶理由について (1)当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由は、概略、以下のとおりである。 ア 本願は、特許請求の範囲の記載が次の「不備2」の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない(理由1)。 (不備2) 請求項1の「感心のある入力信号」との記載は、日本語としてその意味するところが明らかでないため、請求項1に係る発明は、明確でなく、さらに、同様の点で、請求項2に係る発明も、明確でない。 イ 本願は、特許請求の範囲の記載が次の「不備3」の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない(理由2)。 (不備3) 請求項1には、「上記関心領域内における背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算する処理と、上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記入力信号の占有を求める処理と、・・・」と記載されているが、一方で、発明の詳細な説明には、「背景信号」が重複している「上記関心領域内における上記入力信号」にあって「上記関心領域内における上記入力信号」だけの「占有」を求めるために、「背景信号の占有」を「計算」し、「上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有」から「上記背景信号の占有を引き算」して「上記関心領域内における上記入力信号」のみの「占有」を求める点について、記載されている(すなわち、【0057】には、「他の信号の背景上に重複している信号の占有が測定されても良い。関心のある信号の占有だけを測定するため、・・・背景領域の占有は、測定されて、関心のある信号について計算された占有値から引き算されても良い。その残りの値は、関心のある信号のみによる占有を表すことになる。」と記載されている。)ものの、「上記関心領域内における背景信号の占有」を「計算」する点については、記載されていない(ここで、「上記関心領域内」においては「背景信号」に「上記入力信号」が重複しているのであるから、そのような「上記関心領域内における背景信号の占有」について、「上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算する」ことは、できないものと考えられる。)から、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでなく、さらに、同様の点で、請求項2に係る発明も、発明の詳細な説明に記載したものでない。 (2)当審拒絶理由についての判断 ア 理由1について 本件補正2によって、本件補正2による補正前の請求項1及び2の「感心のある入力信号」との記載が、本件補正2による補正後の請求項1及び2の「関心のある入力信号」に、それぞれ補正されたので、当審拒絶理由の理由1の不備2は解消した。 イ 理由2について 本件補正2によって、本件補正2による補正前の請求項1の「上記関心領域内における背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算する処理と、上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記入力信号の占有を求める処理と、上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する処理と・・・」との記載が、本件補正2による補正後の請求項1の「背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算する処理と、上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記関心領域内における上記入力信号の占有を求める処理と、上記関心領域内における上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する処理と・・・」に、本件補正2による補正前の請求項2の「上記関心領域内における背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算し、上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記入力信号の占有を求め、上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する・・・」との記載が、本件補正2による補正後の請求項2の「背景信号の占有を上記測定期間に対する上記背景信号の存在時間の比として計算し、上記関心領域内における上記入力信号及び背景信号の占有から上記背景信号の占有を引き算して上記関心領域内における上記入力信号の占有を求め、上記関心領域内における上記入力信号の占有が所定条件を満たすとトリガを実行する・・・」に、それぞれ補正されたので、当審拒絶理由の理由2の不備3は解消した。 4 むすび 以上のとおりであるから、本願については、原査定の拒絶理由及び当審において通知した拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-01-24 |
出願番号 | 特願2010-58275(P2010-58275) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(G01R)
P 1 8・ 121- WY (G01R) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 越川 康弘 |
特許庁審判長 |
清水 稔 |
特許庁審判官 |
酒井 伸芳 大和田 有軌 |
発明の名称 | トリガをかける方法及び周波数領域試験測定装置 |
代理人 | 特許業務法人山口国際特許事務所 |