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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 H01L |
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管理番号 | 1324060 |
審判番号 | 不服2016-3864 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-03-14 |
確定日 | 2017-02-07 |
事件の表示 | 特願2014-221441「半導体装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月 5日出願公開、特開2015- 26866、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成23年7月29日に出願した特願2011-166834号の一部を平成26年10月30日に新たな出願としたものであって、手続きの概要は以下のとおりである。 手続補正 :平成26年10月31日 上申書 :平成26年10月31日 拒絶理由通知 :平成27年 4月21日(起案日) 意見書 :平成27年 6月30日 手続補正 :平成27年 6月30日 拒絶査定 :平成27年12月11日(起案日) 拒絶査定不服審判請求 :平成28年 3月14日 手続補正 :平成28年 3月14日 上申書 :平成28年 7月20日 第2 平成28年3月14日付けの手続補正の適否 1.本件補正 平成28年3月14日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてするもので、請求項1については、本件補正前に、 「 【請求項1】 第1のフレーム部と、 前記第1のフレーム部上に配置された電力用半導体チップと、 前記第1のフレーム部の前記電力用半導体チップが配置された面と反対側の面に配置された絶縁シートと、 前記第1のフレーム部よりも上方の高さ位置に位置する第2のフレーム部と、 前記第2のフレーム部に搭載された前記電力用半導体チップを制御するための制御用半導体チップと、 前記第2のフレーム部の周辺に配置され、かつ前記制御用半導体チップと電気的に接続された第3のフレーム部と、 前記第2および第3のフレーム部をつなぐように前記第2および第3のフレーム部の下側に配置されたサポート部材と、 前記第1のフレーム部、前記第2のフレーム部、前記第3のフレーム部、前記電力用半導体チップ、前記制御用半導体チップおよび前記サポート部材を封止し、かつ前記絶縁シートを露出するためのモールド樹脂とを備え、 前記サポート部材は、前記第1のフレーム部と前記絶縁シートとの接合部の上方領域の周囲に配置されており、前記上方領域には配置されていない、半導体装置。」 とあったところを、 本件補正後、 「 【請求項1】 第1のフレーム部と、 前記第1のフレーム部上に配置された電力用半導体チップと、 前記第1のフレーム部の前記電力用半導体チップが配置された面と反対側の面に配置された絶縁シートと、 前記第1のフレーム部よりも上方の高さ位置に位置する第2のフレーム部と、 前記第2のフレーム部に搭載された前記電力用半導体チップを制御するための制御用半導体チップと、 前記第2のフレーム部の周辺に配置され、かつ前記制御用半導体チップと電気的に接続された第3のフレーム部と、 前記第2および第3のフレーム部をつなぐように前記第2および第3のフレーム部の下側に配置されたサポート部材と、 前記第1のフレーム部、前記第2のフレーム部、前記第3のフレーム部、前記電力用半導体チップ、前記制御用半導体チップおよび前記サポート部材を封止し、かつ前記絶縁シートを露出するためのモールド樹脂とを備え、 前記サポート部材は、前記第1のフレーム部と前記絶縁シートとの接合部の上方領域の周囲に配置されており、前記上方領域には配置されておらず、前記第1のフレームよりも上側に配置されている、半導体装置。」 とするものである。 上記本件補正の内容は、請求項1については、発明特定事項である「サポート部材」について「前記第1のフレームよりも上側に配置されている」と限定したものである。 本件補正は、発明特定事項を限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて、以下検討する。 2.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-109100号公報(平成17年4月21日公開、以下「引用例1」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。) (1)「【0001】 本発明は、半導体装置に関し、特に、パワーチップを含む電力用の半導体装置に関する。」 (2)「【0011】 図1に示すように、半導体装置100は、樹脂モールド型パッケージ構造からなり、複数の金属製のフレーム1が両側に設けられたモールド樹脂2を含む。モールド樹脂2は、好適にはエポキシ樹脂からなる。 【0012】 図2に示すように、モールド樹脂2の裏面には、例えば銅からなる金属箔4が裏面に取り付けられた絶縁性の樹脂シート3が設けられている。樹脂シート3は、好適には、フィラーを含むエポキシ樹脂からなる。フィラーは、好適には、SiO2、Al2O3、AlN、Si3N4、及びBNから選択される1又は複数の材料からなる。樹脂シート3の熱伝導率は、モールド樹脂2の熱伝導率より大きくなっている。 【0013】 図3に示すように、半導体装置100は、複数のフレーム1を含む。図4に、更に詳しく示すように、一のフレーム1には、ロジックチップのようなICチップ7が載置されている。また、他方のフレーム1は、ダイパッド部1aと段差部1bとを含み、ダイパッド部1aの上に、IGBT5aやFWDiode5bのようなパワーチップ5が載置されている。パワーチップ5、ICチップ7、及びフレーム1の間は、例えば金やアルミニウムからなるボンディボンディングワイヤ6、8で接続され、ICチップ7により、パワーチップ5の動作が制御される。 一般に、パワーチップ5やICチップ7は、はんだや銀ペーストを用いてフレーム1に固定される。また、パワーチップ5の接続にはアルミニウムのボンディングワイヤ8が用いられ、ICチップ7の接続には、これより直径の小さな金のボンディングワイヤ6が用いられる。 なお、パワーチップ5やICチップ7は、半導体装置100の機能に応じて複数個設けても構わない。 【0014】 上述のように、モールド樹脂2は、金属箔4が取り付けられた絶縁性の樹脂シート3を含み、モールド樹脂2の裏面から金属箔4が露出している。かかる金属箔4は、樹脂シート3をダメージから保護するため、樹脂シート3は高い絶縁性を維持できる。かかるダメージとしては、例えば、半導体装置100を外部ヒートシンク(図示せず)に、ねじ止めする際に、半導体装置100と外部ヒートシンクとの間に異物を噛み込んだままでねじ止めを行なった場合に発生するダメージが考えられる。なお、ダメージが発生しにくい場合は、金属箔4を設けない構造を採用してもよい。この場合、モールド樹脂2の裏面からは、樹脂シート3が露出することとなる。 【0015】 樹脂シート3の上には、ダイパッド部1aの裏面が直接接するように、フレーム1が載置されている。樹脂シート3の面積は、ダイパッド部1aの面積よりも大きくなっている。更に、パワーチップ5、ICチップ7等は、モールド樹脂2で封止されている。」 上記摘示事項及び図面の記載から以下のことがいえる。 (a)引用例1には、「パワーチップを含む電力用の半導体装置」が記載されている(摘記事項(1))。 (b)半導体装置100は、樹脂モールド型パッケージ構造からなり、複数の金属製のフレーム1が両側に設けられたモールド樹脂2を含む(摘記事項(2))。 (c)半導体装置100は、複数のフレーム1を含む。一のフレーム1には、ロジックチップのようなICチップ7が載置されている。また、他方のフレーム1は、ダイパッド部1aと段差部1bとを含み、ダイパッド部1aの上に、IGBT5aやFWDiode5bのようなパワーチップ5が載置されている。ICチップ7により、パワーチップ5の動作が制御される(摘記事項(2))。 (d)ICチップ7が載置されている一のフレーム1は、パワーチップ5が載置されている他方のフレーム1よりも上方の高さ位置に位置する(図3)。 (e)複数のフレーム1は、ICチップ7が載置されている一のフレーム1に隣接する他のフレーム1を含む。ICチップ7と他のフレーム1とはボンディングワイヤを用いて接続される(図4)。 (f)モールド樹脂2は、絶縁性の樹脂シート3を含み、モールド樹脂2の裏面から樹脂シート3が露出している(摘記事項(2))。 (g)樹脂シート3の上には、ダイパッド部1aの裏面が直接接するように、他方のフレーム1が載置されている(摘記事項(2))。 (h)パワーチップ5、ICチップ7等は、モールド樹脂2で封止されている(摘記事項(2))。 以上を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。 「パワーチップを含む電力用の半導体装置であって、 樹脂モールド型パッケージ構造からなり、複数の金属製のフレーム1が両側に設けられたモールド樹脂2を含み、 複数のフレーム1を含み、一のフレーム1には、ロジックチップのようなICチップ7が載置されており、他方のフレーム1は、ダイパッド部1aと段差部1bとを含み、ダイパッド部1aの上に、IGBT5aやFWDiode5bのようなパワーチップ5が載置されており、ICチップ7により、パワーチップ5の動作が制御され、 ICチップ7が載置されている一のフレーム1は、パワーチップ5が載置されている他方のフレーム1よりも上方の高さ位置に位置し、 複数のフレーム1は、ICチップ7が載置されている一のフレーム1に隣接する他のフレーム1を含み、ICチップ7と他のフレーム1とはボンディングワイヤを用いて接続され、 モールド樹脂2は、絶縁性の樹脂シート3を含み、モールド樹脂2の裏面から樹脂シート3が露出しており、 樹脂シート3の上には、ダイパッド部1aの裏面が直接接するように、他方のフレーム1が載置されており、 パワーチップ5、ICチップ7等は、モールド樹脂2で封止されている半導体装置。」 同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-338601号公報(平成15年11月28日公開、以下「引用例2」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。) (3)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に関し、特に、狭パッドピッチで小さな半導体チップを搭載する半導体装置の信頼性向上に適用して有効な技術に関する。」 (4)「【0019】すなわち、本発明の半導体装置は、半導体チップの周囲に延在する複数のインナリードと、前記半導体チップを支持し、それぞれの前記インナリードの端部と接合された薄板状の絶縁性部材と、前記半導体チップの表面電極とこれに対応する前記インナリードとを接続する導電性のワイヤと、前記半導体チップと前記ワイヤと前記絶縁性部材とが樹脂封止された封止部と、前記インナリードに連なり、前記封止部から露出する複数のアウタリードとを有し、前記半導体チップの四角形の主面の短辺の長さが、先端が半導体装置の平面方向の中心線から最も遠い箇所に配置されたインナリードの前記先端から前記半導体チップまでの距離の2倍以下である。」 (5)「【0033】なお、QFP6は、前記絶縁性部材が、例えば、絶縁性のエポキシ系などのテープ基材5aと熱可塑性樹脂などの絶縁性の接着層5bとからなるテープ基板5であり、そのチップ支持面5cで半導体チップ2を支持しており、それぞれのインナリード1bの端部が接着層5bによって絶縁性部材5に固定されているため、モールド(樹脂封止)の際のモールド樹脂の流れによるワイヤ流れやインナリード1bのばたつきを抑える構造となっている。」 上記摘示事項及び図面の記載を総合勘案すると、引用例2には、次の技術事項が記載されているものと認める。 「狭パッドピッチで小さな半導体チップを搭載する半導体装置において、半導体チップを支持し、半導体チップの周囲に延在する複数のインナリードの端部と接合された薄板状の絶縁性部材により、モールド(樹脂封止)の際のモールド樹脂の流れによるワイヤ流れやインナリードのばたつきを抑える構造。」 3.対比 そこで、本件補正発明と引用発明とを対比する。 (1)半導体装置 引用発明は、パワーチップを含む電力用の半導体装置である。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「半導体装置」である点で一致する。 (2)第1のフレーム部と電力用半導体チップ 引用発明の「他方のフレーム1」は、ダイパッド部1aと段差部1bとを含み、ダイパッド部1aの上に、IGBT5aやFWDiode5bのような「パワーチップ5」が載置されている。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「第1のフレーム部」と「前記第1のフレーム部上に配置された電力用半導体チップ」とを備える点で一致する。 (3)絶縁シート 引用発明の「絶縁性の樹脂シート3」の上には、ダイパッド部1aの裏面が直接接するように、他方のフレーム1が載置されている。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1のフレーム部の前記電力用半導体チップが配置された面と反対側の面に配置された絶縁シート」を備える点で一致する。 (4)第2のフレーム部と制御用半導体チップ 引用発明の「一のフレーム1」には、ロジックチップのような「ICチップ7」が載置されており、ICチップ7により、パワーチップ5の動作が制御される。また、ICチップ7が載置されている一のフレーム1は、パワーチップ5が載置されている他方のフレーム1よりも上方の高さ位置に位置する。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1のフレーム部よりも上方の高さ位置に位置する第2のフレーム部」と「前記第2のフレーム部に搭載された前記電力用半導体チップを制御するための制御用半導体チップ」とを備える点で一致する。 (5)第3のフレーム部 引用発明において、複数のフレーム1は、ICチップ7が載置されている一のフレーム1に隣接する「他のフレーム1」を含み、ICチップ7と他のフレーム1とはボンディングワイヤを用いて接続される。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第2のフレーム部の周辺に配置され、かつ前記制御用半導体チップと電気的に接続された第3のフレーム部」を備える点で一致する。 (6)サポート部材 本件補正発明は、「前記第2および第3のフレーム部をつなぐように前記第2および第3のフレーム部の下側に配置されたサポート部材」を備えるのに対し、引用発明は、そのような構成ではない点で相違する。 (7)モールド樹脂 引用発明は、樹脂モールド型パッケージ構造からなり、複数の金属製のフレーム1が両側に設けられた「モールド樹脂2」を含み、複数のフレーム1は、一のフレーム1、他方のフレーム1および他のフレーム1を含み、モールド樹脂2は、絶縁性の樹脂シート3を含み、モールド樹脂2の裏面から樹脂シート3が露出しており、パワーチップ5、ICチップ7等は、モールド樹脂2で封止されている。 したがって、本件補正発明と引用発明とは、「前記第1のフレーム部、前記第2のフレーム部、前記第3のフレーム部、前記電力用半導体チップおよび前記制御用半導体チップを封止し、かつ前記絶縁シートを露出するためのモールド樹脂」を備える点で一致する。 もっとも、「モールド樹脂」について、本件補正発明は、「前記サポート部材を封止」するのに対し、引用発明は、そのような構成ではない点で相違する。 (8)サポート部材の詳細 本件補正発明は、「前記サポート部材は、前記第1のフレーム部と前記絶縁シートとの接合部の上方領域の周囲に配置されており、前記上方領域には配置されておらず、前記第1のフレームよりも上側に配置されている」のに対し、引用発明は、そのような構成ではない点で相違する。 そうすると、本件補正発明と引用発明とは、次の点で一致する。 <一致点> 「第1のフレーム部と、 前記第1のフレーム部上に配置された電力用半導体チップと、 前記第1のフレーム部の前記電力用半導体チップが配置された面と反対側の面に配置された絶縁シートと、 前記第1のフレーム部よりも上方の高さ位置に位置する第2のフレーム部と、 前記第2のフレーム部に搭載された前記電力用半導体チップを制御するための制御用半導体チップと、 前記第2のフレーム部の周辺に配置され、かつ前記制御用半導体チップと電気的に接続された第3のフレーム部と、 前記第1のフレーム部、前記第2のフレーム部、前記第3のフレーム部、前記電力用半導体チップおよび前記制御用半導体チップを封止し、かつ前記絶縁シートを露出するためのモールド樹脂とを備える、半導体装置。」の点。 そして、次の点で相違する。 <相違点> (1)本件補正発明は、「前記第2および第3のフレーム部をつなぐように前記第2および第3のフレーム部の下側に配置されたサポート部材」を備えるのに対し、引用発明は、そのような構成ではない点。 (2)「モールド樹脂」について、本件補正発明は、「前記サポート部材を封止」するのに対し、引用発明は、そのような構成ではない点。 (3)本件補正発明は、「前記サポート部材は、前記第1のフレーム部と前記絶縁シートとの接合部の上方領域の周囲に配置されており、前記上方領域には配置されておらず、前記第1のフレームよりも上側に配置されている」のに対し、引用発明は、そのような構成ではない点。 4.判断 そこで、上記相違点について検討する。 相違点(1)について 引用例2には、「狭パッドピッチで小さな半導体チップを搭載する半導体装置において、半導体チップを支持し、半導体チップの周囲に延在する複数のインナリードの端部と接合された薄板状の絶縁性部材により、モールド(樹脂封止)の際のモールド樹脂の流れによるワイヤ流れやインナリードのばたつきを抑える構造。」が記載されているが、引用例2に記載された半導体装置は、狭パッドピッチで、かつ多ピンの小さな半導体チップを搭載し、半導体チップの周囲に複数のインナリードが延在する型式のものであって、引用例2に記載された「構造」を、引用例2に記載された半導体装置とは型式が異なり、「複数のフレーム1を含み、一のフレーム1には、ロジックチップのようなICチップ7が載置されており、他方のフレーム1は、ダイパッド部1aを含み、ダイパッド部1aの上に、IGBT5aやFWDiode5bのようなパワーチップ5が載置されており、ICチップ7により、パワーチップ5の動作が制御され」る引用発明に適用することは、当業者が容易に想到し得るとはいえない。 前置報告で新たに引用された特開平10-92858号公報に記載された接着テープも、引用例2に記載された半導体装置と同様の型式のものに適用されるものであって、引用発明に適用することは、当業者が容易に想到し得るとはいえない。 相違点(2)及び(3)について 相違点(2)及び(3)は、相違点(1)を前提とするものであるから、相違点(1)ついて、当業者が容易に想到し得るとはいえない以上、相違点(2)及び(3)についても、当業者が容易に想到し得るとはいえない。 したがって、本件補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 よって、請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。 請求項2ないし6は、請求項1を直接若しくは間接に引用する請求項であるから、それらについてする補正の内容は、上記請求項1についてする補正の内容と同じである。 したがって、請求項2ないし6についてする補正も、請求項1についてする補正と同様に、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。 5.本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項に規定する要件を満たす。 第3 本願発明について 本件補正は上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項に規定する要件を満たすから、本願の請求項1ないし6に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-01-23 |
出願番号 | 特願2014-221441(P2014-221441) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01L)
P 1 8・ 575- WY (H01L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小山 和俊 |
特許庁審判長 |
國分 直樹 |
特許庁審判官 |
関谷 隆一 酒井 朋広 |
発明の名称 | 半導体装置 |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |