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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1325173
審判番号 不服2016-333  
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-07 
確定日 2017-03-13 
事件の表示 特願2012-558072「購買情報に基づいたアプリケーション/コンテンツの送受信方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 9月15日国際公開、WO2011/112035、平成25年 6月13日国内公表、特表2013-522758、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2011年3月11日(優先権主張 2010年3月12日 韓国,2011年2月25日 韓国)を国際出願日とする出願であって,平成26年12月18日付けで拒絶理由通知がなされ,平成27年4月6日に手続補正がなされたが,同年9月3日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成28年1月7日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに手続補正がなされ,その後,当審において平成28年10月13日付けで拒絶理由通知がなされ,平成29年1月17日に手続補正がなされたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1?15に係る発明は,平成29年1月17日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定されるものである。
本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は以下のとおりである。

「【請求項1】
第1クライアントがアプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つを受信する方法において,
第1サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを購買した第2クライアントから,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つの購買結果についての情報を受信するステップと,
前記購買結果についての情報及び前記第1クライアントのデバイス情報を,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを提供する第2サーバーへ伝送するステップと,
前記伝送された前記購買結果についての情報及び前記デバイス情報に対する応答として,前記第2サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを受信するステップと,を含み,
前記購買結果についての情報は,前記第2クライアントが,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも1つを前記第1サーバーから正確に購入したかを確認するための情報を含み,
前記第2サーバーは,前記アプリケーションのソースコードをコンパイルして生成され,前記第1クライアントの種類に依存しないコードである中間コードを保有し,前記第1クライアントからの要請があると,前記第1クライアントのデバイス情報に基づいて,前記中間コードを,前記第1クライアントで実行可能な前記アプリケーションに再びコンパイルして前記第1クライアントに提供する,
ことを特徴とする受信方法。」

第3 原査定の理由について

1. 原査定の理由の概要

本願発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


引用文献1: 特開2009-217370号公報
引用文献2: 特表2009-515378号公報
引用文献3: 国際公開第2010/001324号(特表2011-527465号)

引用文献1には,携帯電話(本願発明の「第2クライアント」に相当)が,コンテンツ提供装置(本願発明の「サーバー」に相当)から受信したコンテンツに係る視聴者権利証明書(本願発明の「購買結果についての情報」)をテレビ受像器(本願発明の「第1クライアント」に相当)に転送し,コンテンツ提供装置が,テレビ受像器から受信した視聴者権利証明書に基づいて,上記コンテンツをテレビ受像器に配信することが記載されているものの,コンテンツ提供装置が,テレビ受像器から受信したデバイス情報に基づいて,テレビ受像器に適したコンテンツを選択,又は変換,又は中間コードにコンパイル等して,テレビ受像器に配信する構成は記載されていない。
しかしながら,上記配信方法は,例えば,引用文献2,3に例示されるように周知であるから,引用文献1に記載のコンテンツ配信システムにおいて,上記周知の配信方法を採用して,請求項1-15に記載の構成とすることは,当業者が容易になし得たことである。

2. 原査定の理由の判断

(1)引用文献1の記載事項

原査定の拒絶理由において引用された引用文献1(特開2009-217370号公報)には,次の事項が記載されている(下線は,当審において付与した。)。

ア.「【0001】
本発明は,ビデオオンデマンドによるコンテンツ視聴中に視聴端末を変更した場合であっても,継続してコンテンツを視聴することが可能なコンテンツ視聴端末およびそのプログラム,ならびに,コンテンツ視聴権利移譲方法に関する。」

イ.「【0139】
まず,携帯電話1bは,視聴者からの要求に応じて,コンテンツを購入するための要求であるコンテンツ購入要求を認証管理装置20に送信する(ステップS30)。具体的には,携帯電話1bは,画面制御手段72によって認証画面を表示することで,ユーザID,パスワードを受け付け,コンテンツ選択画面を表示することで,視聴者が視聴したいコンテンツの選択を受け付ける。そして,携帯電話1bは,コンテンツ購入要求生成手段31によって,携帯電話1bの識別情報と,視聴者を認証するための認証用データと,視聴者が視聴(購入)を希望するコンテンツを特定する情報とを含んだメッセージであるコンテンツ購入要求を生成し,コンテンツ購入要求送信手段21によって,コンテンツ購入要求を認証管理装置20に送信する。
【0140】
そして,認証管理装置20は,携帯電話1bから受信したコンテンツ購入要求に応じて認証等を行い,コンテンツの視聴の契約を行ったことを示すアサーションCを携帯電話1bに送信する(ステップS31)。具体的には,認証管理装置20は,コンテンツ購入要求受信手段111によって,コンテンツ購入要求を受信する。そして,認証管理装置20は,認証手段221によって,コンテンツ購入要求に含まれているユーザID等によってユーザ認証を行う。そして,認証管理装置20は,コンテンツ購入要求が正規の視聴者からの要求である場合にのみ,証明書生成手段121によってアサーションを生成し,証明書送信手段112によってアサーションを携帯電話1bに送信する。また,認証手段221は,認証状況を記憶手段230に記憶する。一方,携帯電話1bは,証明書受信手段22によってアサーションを受信し,記憶手段5に記憶する。
【0141】
その後,視聴者が,コンテンツの視聴をテレビ受像機1aにおいて行う場合,アサーションを携帯電話1bから,テレビ受像機1aに移動させる(ステップS32)。具体的には,携帯電話1bは,証明書転送手段33によって,記憶手段5に記憶されているアサーションを読み出して,証明書入出力手段4を介して,アサーションを出力する。一方,テレビ受像機1aは,転送証明書取得手段34によって,証明書入出力手段4を介して,アサーションを取得し記憶手段5に記憶する。これによって,アサーションが,携帯電話1bからテレビ受像機1aに移動したことになる。
【0142】
そして,視聴者がテレビ受像機1aにおいてコンテンツを視聴する際に,テレビ受像機1aは,コンテンツの配信を要求するためのコンテンツ配信要求をコンテンツ提供装置10Bに送信する(ステップS33)。具体的には,テレビ受像機1aは,画面制御手段72によってコンテンツ選択画面を表示することで,視聴者が視聴したいコンテンツの選択を受け付ける。そして,テレビ受像機1aは,コンテンツ配信要求生成手段32によって,選択されたコンテンツに対応するアサーションを記憶手段5から読み出し,当該アサーションを含んだコンテンツ配信要求を生成し,コンテンツ購入要求送信手段21によって,コンテンツ購入要求をコンテンツ提供装置10Bに送信する。
【0143】
続けて,コンテンツ提供装置10Bは,アサーションの認証を行うための認証照合要求を認証管理装置20に送信する(ステップS34)。具体的には,コンテンツ提供装置10Bは,コンテンツ配信要求受信手段113を介して,コンテンツ配信要求を受信後,認証照合要求生成手段124によって,コンテンツ配信要求に付加されているアサーションを認証照合要求として,認証照合要求送信手段115を介して,認証管理装置20に送信する。
【0144】
そして,認証管理装置20は,コンテンツ提供装置10Bから受信した認証照合要求に含まれているアサーションの照合を行う(ステップS35)。具体的には,認証管理装置20は,認証照合要求受信手段211によって,認証照合要求を受信する。そして,認証管理装置20は,認証照合結果生成手段222によって,認証照合要求に含まれているアサーションと,記憶手段230に記憶されている認証状況との照合を行うことで,アサーションが正規に契約した視聴者のものであるか否かを判定する。
【0145】
そして,認証管理装置20は,ステップS35の照合結果を,要求のあったコンテンツ提供装置10Bに送信する(ステップS36)。具体的には,認証管理装置20は,認証照合結果送信手段212によって,認証照合結果生成手段222で生成された認証照合結果をコンテンツ提供装置10Bに送信する。
【0146】
そして,コンテンツ提供装置10Bは,受信した認証照合結果で,コンテンツ配信要求が正規に契約した視聴者からの要求であると判定した場合,要求のあったコンテンツをテレビ受像機1aに送信する(ステップS37)。具体的には,コンテンツ提供装置10Bは,コンテンツ配信手段123Bによって,認証照合結果において,コンテンツ配信要求が正規の契約がなされた視聴者からの要求であると判定された場合にのみ,コンテンツ配信要求に記述されているコンテンツIDに対応するコンテンツを記憶手段130Bから読み出して,コンテンツ送信手段114を介して,テレビ受像機1aに送信する。
【0147】
その後,テレビ受像機1aは,コンテンツ提供装置10Bから受信したコンテンツを再生する(ステップS38)。具体的には,テレビ受像機1aは,コンテンツ受信手段24によって,コンテンツ提供装置10Bから送信されるコンテンツを受信する。そして,テレビ受像機1aは,コンテンツ再生手段71によって,コンテンツを復号等の処理によって視聴可能なデータ形式に変換し,図示を省略した液晶ディスプレイ等の表示装置に出力する。
【0148】
以上の動作によって,携帯電話1bで認証等を行い取得したアサーションを,テレビ受像機1aに移動させることができる。また,テレビ受像機1aでは,視聴者が認証等の手続きをすることなく,コンテンツを視聴することができる。」

前記ア.イ.によれば,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「ビデオオンデマンドによるコンテンツ視聴中に視聴端末を変更した場合であっても,継続してコンテンツを視聴することが可能なコンテンツ視聴権利移譲方法であって,
携帯電話1bは,コンテンツ購入要求を認証管理装置20に送信し(ステップS30),
認証管理装置20は,コンテンツの視聴の契約を行ったことを示すアサーションCを携帯電話1bに送信し(ステップS31),
携帯電話1bは,アサーションをテレビ受像機1aに出力し(ステップS32),
テレビ受像機1aは,当該アサーションを含んだコンテンツ配信要求を生成し,コンテンツ提供装置10Bに送信し(ステップS33),
コンテンツ提供装置10Bは,アサーションを認証照合要求として認証管理装置20に送信し(ステップS34),
認証管理装置20は,アサーションの照合を行い(ステップS35),照合結果を,要求のあったコンテンツ提供装置10Bに送信し(ステップS36),
コンテンツ提供装置10Bは,受信した認証照合結果で,コンテンツ配信要求が正規に契約した視聴者からの要求であると判定した場合,要求のあったコンテンツをテレビ受像機1aに送信し(ステップS37),
テレビ受像機1aは,コンテンツ提供装置10Bから受信したコンテンツを再生する(ステップS38),
コンテンツ視聴権利移譲方法。」

(2)引用文献2の記載事項

原査定の拒絶理由において引用された引用文献2(特表2009-515378号公報)には,次の事項が記載されている(下線は,当審において付与した。)。

ウ.「【0001】
本発明は,コンテンツ流通に係り,特にコンテンツが再生される端末の情報によって,あつらえ方式でコンテンツを供給できる端末情報に基いたあつらえ型コンテンツの提供方法及び該装置に関する。」

エ.「【0065】
図5は,図3の中央制御部201,コンテンツ変換部202及び保存装置203の構成の詳細な一例をブロックで図示したものである。図5と共に,端末の情報を活用した本発明によるあつらえ型コンテンツの提供方法について続いて説明する。
【0066】
ユーザが購買しようとするコンテンツを選択すれば,中央制御部201のプロファイル管理器211は,ユーザ端末のプロファイルを抽出する。一方,ダウンロード管理器221は,ユーザの選択したコンテンツが本発明による装置内部の保存空間に存在するか否かを判断する。端末に適するように変換されたコンテンツが存在すれば,直ちにユーザ端末にダウンロードがなされる。
【0067】
もし,コンテンツの原本が存在するが,端末に適するように変換されたコンテンツが存在しない場合には,コンテンツ変換部202を介してコンテンツを変換する。コンテンツ原本さえも自動販売機に存在しないならば,ダウンロード管理器221は,コンテンツ提供業者にコンテンツの原本を要請し,それをネットワークアダプタ250を介して,本発明による装置でダウンロードした後,コンテンツ変換部202を介して端末に適するように変換し,最終的に端末にダウンロードする。
【0068】
コンテンツ変換部202には,マルチメディアデータを変換するためのイメージ変換器222,文書変換器232,動映像変換器242があり,端末で動作する応用プログラムを変換するためのコンパイラ/リンカ212がある。
・・・(中略)・・・
【0072】
そして,コンパイラ/リンカ212は,端末が搭載しているプラットホームとライブラリとのバージョン情報,搭載したライブラリの種類,端末のメインメモリサイズ及びCPU情報,端末の余裕保存空間サイズ,端末画面情報などの情報を活用してコンテンツを作り直す動作を遂行する。」

前記ウ.エ.によれば,引用文献2には,次の発明が記載されている。

<引用文献2記載の発明>

「あつらえ方式でコンテンツを供給できる端末情報に基いたあつらえ型コンテンツの提供方法であって,
ユーザが購買しようとするコンテンツを選択すれば,中央制御部201のプロファイル管理器211は,ユーザ端末のプロファイルを抽出し,
ダウンロード管理器221は,端末に適するように変換されたコンテンツが存在すれば,直ちにユーザ端末にダウンロードがなされ,
コンテンツの原本が存在するが,端末に適するように変換されたコンテンツが存在しない場合には,コンテンツ変換部202を介してコンテンツを変換し,
コンテンツ変換部202には,マルチメディアデータを変換するためのイメージ変換器222,文書変換器232,動映像変換器242があり,端末で動作する応用プログラムを変換するためのコンパイラ/リンカ212があり,
コンパイラ/リンカ212は,端末が搭載しているプラットホームとライブラリとのバージョン情報,搭載したライブラリの種類,端末のメインメモリサイズ及びCPU情報,端末の余裕保存空間サイズ,端末画面情報などの情報を活用してコンテンツを作り直す動作を遂行する,
あつらえ型コンテンツの提供方法。」

(3) 引用文献3の記載事項

原査定の拒絶理由において引用された引用文献3(国際公開第2010/001324号)には,次の事項が記載されている(下線は,当審において付与した。)。

オ.「This invention relates to software development, installation and management. More particularly, this invention relates to providing a computer application having a graphically displayable representation to a plurality of devices having different operating platforms and capabilities.」(1ページ7行?10行)
(当審訳:本発明は,ソフトウェアの開発,インストールおよび管理に関し,より詳細には,異なる操作プラットフォームと能力を有する複数の機器に画像表現可能なコンピュータアプリケーションを提供することに関する。)

カ.「In embodiments of the present invention, an application developer creates game applications by using a computer language, hereinafter referred to as an "alpha-language (α- language)", to create code for a computer application that is generic to a plurality of mobile telephone platforms and is translatable to code for the application that is executable on each of the platforms. The α-language is a high level, substantially human-legible language that is useable to describe and code operations for an application substantially without having to consider details of the mobile telephone platforms on which the application is expected to run. 」(5ページ30行?6ページ3行)
(当審訳:「本発明の実施形態では,アプリケーション開発者は,そのコンピュータアプリケーション用のコードを作成するのに,1つのコンピュータ言語,以降「α言語」と呼ぶ,を使用してゲームアプリケーションを作成する。そのコードは複数の携帯電話プラットフォームに汎用でそれぞれのプラットフォームで実行可能なアプリケーション用コードに翻訳可能である。α言語は高レベルの,実質的に人間に読み易い言語であり,当該アプリケーションが使用される携帯電話プラットフォームの詳細を考慮するする必要なく,アプリケーションのオペレーションを記述し符号化するのに使用可能である。」)

キ.「 An aspect of some embodiments of the invention relates to providing a mobile telephone application distribution system, hereinafter referred to by an acronym "MOPAD", operable to transcode and/or compile a program coded in the α-language to a computer language supported by each of the plurality of computer platforms.
According to an aspect of some embodiments of the invention, MOPAD comprises an application development "toolbox", a data center, and a meta-transcoder. The toolbox comprises the α-language and, optionally a graphical interface, referred to for convenience of presentation as an "α-toy box", which enables a user to program an application in the α-language by manipulating icons and animations. 」(6ページ20行?28行)
(当審訳:「本発明のある実施形態のある面は,以降「MOPAD」の接頭語で呼ばれる,α言語で符号化されたプログラムを,複数のコンピュータプラットフォームのそれぞれでサポートされたコンピュータ言語に変換及び/又はコンパイルするように操作可能な,携帯電話アプリケーションの流通システムの提供に関している。
本発明のある実施形態の一面によれば,MOPADはアプリケーション開発「道具箱」,データセンター及びメタ符合変換器を有する。便宜的に「α玩具箱」と呼ばれる道具箱は,α言語と場合により画像インタフェースを有し,顧客がアプリケーションをアイコンやアニメーションを扱ってα言語でプログラムすることを可能にする。」)

ク.「The meta-transcoder is adapted to configure an application stored in α-language in the data center to any of the plurality of mobile telephone platforms on which the application might be required to run. Configuring an α-language application for use on a given mobile telephone platform comprises translating the α-language encoding of the application to a lan guage or binary format supported by the given mobile telephone platform and matching application parameters to the MMI configuration of the mobile telephone.」(7ページ1行?6行)
(当審訳:「メタ符合変換器は,データセンターにα言語で保管される1つのアプリケーションを,アプリケーションが使用されうる複数の携帯電話プラットフォームに対し構成するように適用される。ある携帯電話プラットフォーム用のα言語アプリケーションを構成するステップは,アプリケーションのα言語符号化をその携帯電話プラットフォームでサポートされる1つの言語またはバイナリフォーマットに変換するステップと,アプリケーションパラメータを携帯電話のMMI構成に適合させるステップを有する。」)

ケ.「For example, if a developer of content for mobile phones wants to create a mobile telephone application, e.g., a computer game, the developer might access the MOPAD URL to use the α-toy box to generate a program for the game in α-language. The generated game and/or components of the game are stored in the data center, ・・・(中略)・・・ A customer is able to acquire the game for use on a mobile telephone by accessing the MOPAD URL and submitting a request to download the game that appropriately satisfies conditions, such as payment, that might be required for receiving the game. Upon receipt of the request, the meta-transcoder configures the game for use on the requester's mobile telephone by configuring the game to the requester's mobile telephone platform. The configured game is typically transmitted for use on the requester's mobile telephone, optionally by direct downloading or via email.」(7ページ8行?19行)
(当審訳:「携帯電話コンテントの開発者が携帯電話アプリケーション,例えばコンピュータゲーム,を作成したいと望めば,開発者は,「α玩具箱」を使用してゲーム用のプログラムをα言語で作成するためMOPAD URLにアクセスすることが出来る。作成されたゲーム及び/又はゲームの要素はデータセンターに保管される。・・・(中略)・・・顧客は携帯電話用のゲームを,MOPAD URLにアクセスし,ゲームを受け取るのに必要な支払のような条件を適切に満たす,ゲームをダウンロードする要求を送ることによって獲得可能である。要求を受け取るとメタ符合変換器は,ゲームを要求人の携帯電話プラットフォームに構成することによって,要求人の携帯電話用のゲームを構成する。構成されたゲームは典型的には要求人の携帯電話での使用のため送信されるが,場合によって,直接ダウンロードやイーメールにより送付される。」)

前記オ.?ケ.によれば,引用文献3には,次の発明が記載されている。

<引用文献3記載の発明>
「異なる操作プラットフォームと能力を有する複数の機器に画像表現可能なコンピュータアプリケーションを提供する方法であって,
携帯電話アプリケーションの流通システム(MOPAD)は,アプリケーション開発道具箱,データセンター及びメタ符合変換器を有し,
道具箱は,顧客がアプリケーションをα言語でプログラムすることを可能にするものであり,α言語は高レベルの人間に読み易い言語であり,そのコードは複数の携帯電話プラットフォームに汎用でそれぞれのプラットフォームで実行可能なアプリケーション用コードに翻訳可能であり,
データセンターは,α言語で作成されたアプリケーションを保管し,
メタ符合変換器は,データセンターに保管されるアプリケーションを,アプリケーションが使用されうる複数の携帯電話プラットフォームに対し構成するように適用され,アプリケーションのα言語符号化をその携帯電話プラットフォームでサポートされる1つの言語またはバイナリフォーマットに変換し,
顧客はMOPADにアクセスし,携帯電話用のアプリケーションのダウンロードを要求し,
要求を受け取るとメタ符合変換器は,アプリケーションを顧客の携帯電話プラットフォームに構成し,構成されたアプリケーションは顧客の携帯電話での使用のため送信される,方法。」

(4) 対比

次に,本願発明と引用発明とを対比する。

・引用発明は,「テレビ受像機1a」が,コンテンツ提供装置10Bからコンテンツを受信して視聴することができる。
したがって,引用発明の「テレビ受像機1a」は,本願発明の「第1クライアント」に相当し,引用発明の「ビデオオンデマンドによるコンテンツ視聴中に視聴端末を変更した場合であっても,継続してコンテンツを視聴することが可能なコンテンツ視聴権利移譲方法」と,本願発明の「第1クライアントがアプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つを受信する方法」は,「第1クライアントがコンテンツを受信する方法」の点で共通する。

・引用発明の「携帯電話1bは,コンテンツ購入要求を認証管理装置20に送信し(ステップS30),
認証管理装置20は,コンテンツの視聴の契約を行ったことを示すアサーションCを携帯電話1bに送信し(ステップS31)」によれば,携帯電話は,認証管理装置からコンテンツを購買する。
したがって,引用発明の「認証管理装置20」は,本願発明の「第1サーバー」に相当し,また,引用発明の「携帯電話」と,本願発明の「第1サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを購買した第2クライアント」は,「第1サーバーからコンテンツを購買した第2クライアント」の点で共通する。

・引用発明の「アサーション」は,本願発明の「購買結果についての情報」に相当する。

・引用発明の「携帯電話1bは,アサーションをテレビ受像機1aに出力し(ステップS32)」と,本願発明の「第1サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを購買した第2クライアントから,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つの購買結果についての情報を受信するステップ」は,「第1サーバーから前記コンテンツを購買した第2クライアントから,前記コンテンツの購買結果についての情報を受信するステップ」の点で共通する。

・引用発明の「コンテンツ提供装置10B」と,本願発明の「前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを提供する第2サーバー」は,「前記コンテンツを提供する第2サーバー」の点で共通する。

・引用発明の「テレビ受像機1aは,当該アサーションを含んだコンテンツ配信要求を生成し,コンテンツ提供装置10Bに送信し(ステップS33)」と,本願発明の「前記購買結果についての情報及び前記第1クライアントのデバイス情報を,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを提供する第2サーバーへ伝送するステップ」は,「前記購買結果についての情報を,前記コンテンツを提供する第2サーバーへ伝送するステップ」の点で共通する。

・引用発明の「コンテンツ提供装置10Bは,受信した認証照合結果で,コンテンツ配信要求が正規に契約した視聴者からの要求であると判定した場合,要求のあったコンテンツをテレビ受像機1aに送信し(ステップS37)」と,本願発明の「前記伝送された前記購買結果についての情報及び前記デバイス情報に対する応答として,前記第2サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを受信するステップ」は,「前記伝送された前記購買結果についての情報に対する応答として,前記第2サーバーから前記コンテンツを受信するステップ」の点で共通する。

・引用発明の「コンテンツの視聴の契約を行ったことを示すアサーションC」は,携帯電話(第2クライアント)が,認証管理装置(第1サーバー)にコンテンツ購入要求を送信し,正規に視聴の契約したことを示すものである。
したがって,引用発明の「アサーション」と,本願発明の「前記購買結果についての情報は,前記第2クライアントが,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも1つを前記第1サーバーから正確に購入したかを確認するための情報を含み」は,「前記購買結果についての情報は,前記第2クライアントが,前記コンテンツを前記第1サーバーから正確に購入したかを確認するための情報を含み」の点で共通する。

したがって,本願発明と引用発明は,次の点で一致する。

<一致点>
「第1クライアントがコンテンツを受信する方法において,
第1サーバーから前記コンテンツを購買した第2クライアントから,前記コンテンツの購買結果についての情報を受信するステップと,
前記購買結果についての情報を,前記コンテンツを提供する第2サーバーへ伝送するステップと,
前記伝送された前記購買結果についての情報に対する応答として,前記第2サーバーから前記コンテンツを受信するステップと,を含み,
前記購買結果についての情報は,前記第2クライアントが,前記コンテンツを前記第1サーバーから正確に購入したかを確認するための情報を含む,
受信方法。」

他方,本願発明と引用発明は,次の点で相違する。

<相違点1>
購買・提供される「コンテンツ」が,本願発明では「アプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つ」であるのに対し,引用発明では,テレビ受像機で視聴される「コンテンツ」であり,「アプリケーション」は,購買・提供されない点。

<相違点2>
本願発明は,「前記第2サーバーは,前記アプリケーションのソースコードをコンパイルして生成され,前記第1クライアントの種類に依存しないコードである中間コードを保有し,前記第1クライアントからの要請があると,前記第1クライアントのデバイス情報に基づいて,前記中間コードを,前記第1クライアントで実行可能な前記アプリケーションに再びコンパイルして前記第1クライアントに提供する」のに対し,引用発明は,アプリケーションをテレビ受像機に提供するものではなく,上記構成を備えていない点。

(5) 判断

上記相違点について,検討する。

<相違点1>について

引用発明は,ビデオオンデマンドに関する発明であるから,購入・配信されるコンテンツは,ビデオ以外に想到できない。また,コンテンツを受信するテレビ受像機も,アプリケーションを受信して実行できるような機器ではない。
したがって,引用発明において,「アプリケーション」を,購買・提供することは,当業者が容易に想到し得ることではない。

<相違点2>について

引用文献2記載の発明は,ユーザがコンテンツを購買しようとする場合に,コンパイラ/リンカ212が,ユーザの端末が搭載しているプラットホームとライブラリとのバージョン情報などのプロファイル情報を活用してコンテンツの原本を作り直す動作を遂行するものの,このコンテンツの原本は,アプリケーションのソースコードをコンパイルして生成された,第1クライアントの種類に依存しない中間コードではない。
また,引用文献3記載の発明は,データセンターに,α言語で作成されたアプリケーションを保管し,メタ符合変換器は,当該アプリケーションを携帯電話プラットフォームでサポートされるバイナリフォーマットに変換する。しかしながら,α言語は高レベルの人間に読み易い言語であることから,データセンターに保管されているアプリケーションはソースコードであり,メタ符合変換器は,そのソースコードをバイナリフォーマットに変換するものである。
したがって,引用文献2,3に記載された発明は,いずれも,本願発明のように「前記アプリケーションのソースコードをコンパイルして生成され,前記第1クライアントの種類に依存しないコードである中間コードを保有」するものではなく,「前記第1クライアントからの要請があると,前記第1クライアントのデバイス情報に基づいて,前記中間コードを,前記第1クライアントで実行可能な前記アプリケーションに再びコンパイルして前記第1クライアントに提供する」ものでもない。
また,上記<相違点1>において検討したとおり,引用発明は,ビデオオンデマンドに関する発明であり,「アプリケーション」を提供すること自体,想到し得ない。
よって,相違点2に係る本願発明の構成は,引用発明及び引用文献2,3記載の発明に基づいて,当業者が容易に想到し得たとはいえない。

(6) 小活

したがって,本願発明は,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また,本願の請求項2?9に係る発明は,本願発明をさらに限定したものであるので,同様に,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また,本願の請求項10に係る発明は,本願発明の第2サーバーを主体にした方法であり,第1サーバー,第2サーバー,第1クライアント,第2クライアント間の手順に実質差違はないことから,同様に,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
また,本願の請求項11,12に係る発明は,本願の請求項10に係る発明をさらに限定したものであるので,同様に,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
本願の請求項13に係る発明は,本願発明の「第1クライアントがアプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つを受信する方法」を,単にカテゴリーを変更して「第1クライアント」としたものであるので,同様に,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
本願の請求項14に係る発明は,請求項10に係る「第2サーバーがアプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つを提供する方法」を,単にカテゴリーを変更して「サーバ装置」としたものであるので,同様に,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
本願の請求項15に係る発明は,請求項1?12に係る方法発明を,その方法を行うためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体としたものであるので,同様に,当業者が引用発明,引用文献2,3記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。

第4 当審拒絶理由について

1. 当審拒絶理由の概要

この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


・請求項10
(1)請求項10の「第1サーバーがアプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つを提供する方法において」の記載において,「第1サーバー」は「第2サーバー」の誤記と認められる。
(2)請求項10の「第2サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを購買した第2クライアントから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つの購買結果についての情報を受信した第1クライアントから,前記購買結果についての情報及び前記第1クライアントのデバイス情報を受信するステップと,」の記載において,「第2サーバー」は「第1サーバー」の誤記と認められる。
(3)請求項10の「前記購買結果についての情報は,前記第2クライアントが,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも1つを前記第2サーバーから正確に購入したかを確認するための情報を含み,」の記載において,「第2サーバー」は「第1サーバー」の誤記と認められる。

・請求項12
請求項12の「前記アプリケーションパッケージは,前記第1サーバーが前記第1クライアントのデバイス情報に基づいて動的に生成したアプリケーションパッケージである」の記載において,「第1サーバー」は「第2サーバー」の誤記と認められる。

2. 当審拒絶理由の判断

平成29年1月17日の手続補正によって,本願の請求項10,12は次のように補正され(下線は,審判請求人が,補正箇所を示すために付与したものである。),誤記は訂正された。よって,当審拒絶理由は解消した。

「【請求項10】
第2サーバーがアプリケーション及びコンテンツのうち少なくとも一つを提供する方法において,
第1サーバーから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを購買した第2クライアントから前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つの購買結果についての情報を受信した第1クライアントから,前記購買結果についての情報及び前記第1クライアントのデバイス情報を受信するステップと,
前記受信した前記購買結果についての情報及び前記デバイス情報に対する応答として,前記第1クライアントへ前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも一つを伝送するステップと,を含み,
前記購買結果についての情報は,前記第2クライアントが,前記アプリケーション及び前記コンテンツのうち少なくとも1つを前記第1サーバーから正確に購入したかを確認するための情報を含み,
前記第2サーバーは,前記アプリケーションのソースコードをコンパイルして生成され,前記第1クライアントの種類に依存しないコードである中間コードを保有し,前記第1クライアントからの要請があると,前記第1クライアントのデバイス情報に基づいて,前記中間コードを,前記第1クライアントで実行可能な前記アプリケーションに再びコンパイルして前記第1クライアントに提供する,
ことを特徴とする提供方法。
【請求項11】 (略)
【請求項12】
前記アプリケーションパッケージは,前記第2サーバーが前記第1クライアントのデバイス情報に基づいて動的に生成したアプリケーションパッケージであることを特徴とする請求項11に記載の提供方法。」

第5 むすび

以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-02-24 
出願番号 特願2012-558072(P2012-558072)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮地 匡人  
特許庁審判長 金子 幸一
特許庁審判官 手島 聖治
石川 正二
発明の名称 購買情報に基づいたアプリケーション/コンテンツの送受信方法及び装置  
代理人 実広 信哉  
代理人 阿部 達彦  
代理人 木内 敬二  
代理人 崔 允辰  
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