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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C08F 審判 全部申し立て 2項進歩性 C08F |
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管理番号 | 1325823 |
異議申立番号 | 異議2015-700230 |
総通号数 | 208 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-11-27 |
確定日 | 2017-01-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5726283号発明「吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5726283号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし10〕について訂正することを認める。 特許第5726283号の請求項1、2、4ないし10に係る特許を維持する。 特許第5726283号の請求項3に係る特許についての特許異議の申立ては却下する。 |
理由 |
第1 主な手続の経緯 特許第5726283号の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、国際出願日である平成23年3月22日(パリ条約による優先権主張 2010年3月24日 (EP)欧州特許庁)に特許出願され、平成27年4月10日にその特許権の設定登録がされ、同年11月27日に特許異議申立人株式会社日本触媒(以下、「異議申立人」という。)により請求項1ないし10に係る特許について特許異議の申立てがなされ、平成28年1月28日付けで請求項1ないし10に係る特許について取消理由が通知され、その指定期間内である同年4月28日(受理日:同年5月2日)に意見書の提出及び訂正請求がなされ、同年5月16日付けで異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知がなされ、意見を提出する機会が与えられたところ、異議申立人から同年6月20日(受理日:同月21日)に意見書が提出され、同年7月26日付けで請求項1ないし10に係る特許について取消理由(決定の予告)が通知され、その指定期間内である同年10月25日(受理日:同月26日)に意見書の提出及び訂正請求(以下、「本件訂正の請求」という。)がなされ、同年11月1日付けで異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知がなされ、意見を提出する機会が与えられたところ、異議申立人から同年12月7日(受理日:同月9日)に意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正の請求による訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中でガス流の存在下に熱的に後処理され、」とあるのを「吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中でガス流の存在下に熱的に後処理され、前記ガス流の流れ当たるガスは既に水蒸気を含有し、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「少なくとも60℃の温度」とあるのを「60?140℃の温度」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1に「少なくとも3質量%の含水量」とあるのを「3?20質量%の含水量」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1に「ガス流が乾燥ガス1kg当たり水蒸気を少なくとも0.01kg含有する」とあるのを「ガス流が乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.01?0.209kg含有する」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1から3までのいずれか1項」とあるのを「請求項1又は2」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1から4までのいずれか1項」とあるのを「請求項1、2又は4」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1から5までのいずれか1項」とあるのを「請求項1、2、4又は5」に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項7に「請求項1から6までのいずれか1項」とあるのを「請求項1、2、4、5又は6」に訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項8に「請求項1から7までのいずれか1項」とあるのを「請求項7」に訂正する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項9に「請求項1から8までのいずれか1項」とあるのを「請求項7又は8」に訂正する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項10に「請求項1から9までのいずれか1項」とあるのを「請求項7から9までのいずれか1項」に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項ごとか否か (1)訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項1に「吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中でガス流の存在下に熱的に後処理され、」とあるのを「吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中でガス流の存在下に熱的に後処理され、前記ガス流の流れ当たるガスは既に水蒸気を含有し、」に訂正することにより、訂正前のガス流を「流れ当たるガスは既に水蒸気を含有する」ガス流に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、訂正事項1は、訂正前の明細書の段落【0028】等の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当しない。 さらに、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項1に「少なくとも60℃の温度」とあるのを「60?140℃の温度」に訂正することにより、訂正前の吸水性ポリマー粒子の温度範囲を狭くするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、訂正事項2は、訂正前の明細書の段落【0010】等の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当しない。 さらに、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の請求項1に「少なくとも3質量%の含水量」とあるのを「3?20質量%の含水量」に訂正することにより、訂正前の吸水性ポリマー粒子の含水量の数値範囲を狭くするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、訂正事項3は、訂正前の明細書の段落【0011】等の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当しない。 さらに、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、訂正前の請求項1に「ガス流が乾燥ガス1kg当たり水蒸気を少なくとも0.01kg含有する」とあるのを「ガス流が乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.01?0.209kg含有する」に訂正することにより、訂正前のガス流が含有する水蒸気の数値範囲を狭くするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、訂正事項4は、訂正前の明細書の段落【0012】、【0129】等の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当しない。 さらに、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (5)訂正事項5 訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、訂正事項5は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (6)訂正事項6ないし9 訂正事項6ないし9は、訂正事項5により特許請求の範囲の請求項3が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項6ないし9は、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (7)訂正事項10 訂正事項10は、特許請求の範囲の請求項8に「請求項1から7までのいずれか1項」とあるのを「請求項7」に訂正するものであるところ、訂正前の請求項8は訂正前の請求項7の発明特定事項であるモノマーa)をその発明特定事項として含むものであるから、請求項8は当然に請求項7を引用するものと認められる。 よって、訂正事項10は、誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、訂正事項10は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (8)訂正事項11 訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項9に「請求項1から8までのいずれか1項」とあるのを「請求項7又は8」に訂正するものであるところ、訂正前の請求項9は訂正前の請求項7又は8の発明特定事項であるモノマーa)をその発明特定事項として含むものであるから、請求項9は当然に請求項7又は8を引用するものと認められる。 よって、訂正事項11は、誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、訂正事項11は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (9)訂正事項12 訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項10に「請求項1から9までのいずれか1項」とあるのを「請求項7から9までのいずれか1項」に訂正するものであるところ、訂正前の請求項10は訂正前の請求項7から9までのいずれか1項の発明特定事項であるモノマーa)や架橋剤b)をその発明特定事項として含むものであるから、請求項10は当然に請求項7から9までのいずれか1項を引用するものと認められる。 よって、訂正事項12は、誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、訂正事項12は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、又は変更するものでもない。 (10)一群の請求項ごとか否か 訂正事項1ないし12は、特許請求の範囲についての訂正であるが、訂正前の請求項2ないし10は、訂正前の請求項1を直接的または間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項1ないし10は一群の請求項である。 よって、訂正後の請求項1ないし10は、特許法第120条の5第4項に規定する関係を有する一群の請求項であるから、訂正事項1ないし12は、一群の請求項に対して請求されたものである。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正の請求による訂正は、特許法第120条の5第2項第1ないし3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1ないし10について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」ないし「本件特許発明10」という。)は、本件訂正の請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法であって、吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中でガス流の存在下に熱的に後処理され、前記ガス流の流れ当たるガスは既に水蒸気を含有し、吸水性ポリマー粒子が熱的な後処理中に60?140℃の温度および3?20質量%の含水量を有し、およびガス流が乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.01?0.209kg含有することを特徴とする、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法。 【請求項2】 吸水性ポリマー粒子は、熱的な後処理中に、80?110℃の温度を有する、請求項1記載の方法。 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 混合機中での平均滞留時間は、10?120分である、請求項1又は2に記載の方法。 【請求項5】 熱的な後処理に使用されるガス容量は、非連続的混合機中で、吸水性ポリマー粒子1kg当たり、0.01?5Nm^(3)/hであり、または連続的混合機中で、通過された吸水性ポリマー粒子1kg当たり、0.01?5Nm^(3)/hである、請求項1、2又は4に記載の方法。 【請求項6】 熱的な後処理は、水平型ミキサー中で実施される、請求項1、2、4又は5に記載の方法。 【請求項7】 吸水性ポリマー粒子は、 a)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1つのエチレン系不飽和の酸基含有モノマー、 b)少なくとも1つの架橋剤、 c)少なくとも1つの開始剤、および f)水 を含有するモノマー溶液の重合によって得られる、請求項1、2、4、5又は6に記載の方法。 【請求項8】 モノマーa)の少なくとも25モル%が中和される、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 モノマーa)の少なくとも50モル%がアクリル酸である、請求項7又は8に記載の方法。 【請求項10】 モノマー溶液が中和されていないモノマーa)に対して架橋剤b)を少なくとも0.1質量%含有する、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。」 第4 取消理由の概要 本件特許発明1ないし10は、本件特許の優先日前に頒布された甲1の1、甲6、甲15、甲16に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 第5 取消理由についての判断 1 刊行物 国際公開第2008/095901号(異議申立人が特許異議申立書に添付した甲第1号証の1、以下「甲1の1」という。なお、甲1の1は外国語で記載された刊行物であるから、本決定の便宜上、その記載事項については、甲1の1に係る国際出願による特許出願の公表特許公報(特表2010-518211号公報、以下「甲1の2」という。)を用いて摘示する。) 特開昭64-26604号公報(異議申立人が特許異議申立書に添付した甲第6号証、以下「甲6」という。) 特開平2-240112号公報(異議申立人が特許異議申立書に添付した甲第15号証、以下「甲15」という。) 特開平8-134134号公報(異議申立人が特許異議申立書に添付した甲第16号証、以下「甲16」という。) 2 甲1の1に記載された発明 甲1の1には次のとおりの発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める(甲1の2の特に特許請求の範囲、段落【0007】及び【0019】等参照)。 「周囲気相中で、 a)少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、 b)1種の架橋剤、 c)少なくとも1種の開始剤及び d)水 を含有するモノマー溶液の液滴を重合することによって、吸水性ポリマー粒子を製造する方法において、 得られたポリマー粒子が少なくとも5質量%の含水量を有し、かつ、流動化状態で、ガス流の存在下で、少なくとも60℃の温度で熱的に後処理され、その際、ガス流は100℃又はこれを上回る温度で乾燥したガス1Kg当たり少なくとも0.25kgの水蒸気を含有する、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法。」 3 対比・判断 (1)本件特許発明1 ア 甲1発明の「吸水性ポリマー粒子」は、ガス流の存在下で、少なくとも60℃の温度で熱的に後処理されており、その際のガス流は100℃又はこれを上回る温度なのであるから、本件特許発明1の「60?140℃」と重複する温度を有している蓋然性が高い。 また、異議申立人が平成28年6月20日付けで提出した意見書(特に第6頁下から3行?第7頁上から8行参照)並びに参考資料1?3の内容を参酌すると、例えば甲1の1の実施例2における吸水性ポリマー粒子の温度は湿球温度である74℃を経てその後さらに上昇するものと認められる。このことからも、熱的に後処理されている甲1発明の「吸水性ポリマー粒子」は、本件特許発明1の「60?140℃」と重複する温度を有している蓋然性が高いといえる。 イ 甲1発明の「吸水性ポリマー粒子」は、少なくとも5質量%の含水量を有しており、また具体的には甲1の1の実施例においては、5.1?18.5質量%の含水量を有している(甲1の2の段落【0088】?【0102】等参照)。 そうしてみると、甲1発明の「吸水性ポリマー粒子」は、本件特許発明1の「3?20質量%」と重複する含水量を有している。 ウ 甲1発明の「ガス流」は、本件特許発明1と同様に、既に水蒸気を含有していると認められる(甲1の2の段落【0019】等参照)。 エ 本件特許発明1と甲1発明とを対比すると、両者の相違点は次のとおりである。 (相違点1) ガス流が乾燥ガス1kg当たり含有する水蒸気が、本件特許発明1では「0.01?0.209kg」であるのに対して、甲1発明では「少なくとも0.25kg」である点。 (相違点2) 熱的な後処理について、本件特許発明1では「回転型混合工具を備えた混合機中」で行われるのに対し、甲1発明では「流動化状態」で行われる点。 オ 相違点1について検討すると、甲1の1には、ガスの水蒸気含量について、好ましくは乾燥ガス1kg当たり1?10kgであり、殊に好ましくは乾燥ガス1kg当たり2?7.5kgであり、特に好ましくは乾燥ガス1kg当たり3?5kgであることは記載されているものの(甲1の2の段落【0014】参照)、乾燥ガス1kg当たりの水蒸気を0.01?0.209kgとすることは記載されておらず、また、それが当該技術分野の技術常識であるとも認められない。 そうしてみると、ガス流が乾燥したガス1kg当たり少なくとも0.25kgの水蒸気を含有する甲1発明において、好ましくは乾燥ガス1kg当たり1kg以上、殊に好ましくは2kg以上、特に好ましくは3kg以上の水蒸気を含有させることは動機づけられているものの、それとは反対にガス流の乾燥ガス1kg当たりの水蒸気をその下限として特定されている0.25kgを下回る0.01?0.209kgとすることは阻害されていると認められ、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。 よって、相違点2について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明及び技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (2)本件特許発明2及び4ないし10 本件特許の訂正後の請求項1を直接的又は間接的に引用する訂正後の請求項2及び4ないし10に係る本件特許発明2及び4ないし10は、本件特許発明1と同様に、甲1発明及び技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、訂正後の請求項1、2及び4ないし10に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。 第6 結語 上記第5のとおりであるから、取消理由によっては、訂正後の請求項1、2及び4ないし10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1、2及び4ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項3に係る特許は、本件訂正の請求による訂正により削除されたため、本件特許の請求項3に対して異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法であって、吸水性ポリマー粒子が回転型混合工具を備えた混合機中でガス流の存在下に熱的に後処理され、前記ガス流の流れ当たるガスは既に水蒸気を含有し、吸水性ポリマー粒子が熱的な後処理中に60?140℃の温度および3?20質量%の含水量を有し、およびガス流が乾燥ガス1kg当たり水蒸気を0.01?0.209kg含有することを特徴とする、吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法。 【請求項2】 吸水性ポリマー粒子は、熱的な後処理中に、80?110℃の温度を有する、請求項1記載の方法。 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 混合機中での平均滞留時間は、10?120分である、請求項1又は2に記載の方法。 【請求項5】 熱的な後処理に使用されるガス容量は、非連続的混合機中で、吸水性ポリマー粒子1kg当たり、0.01?5Nm^(3)/hであり、または連続的混合機中で、通過された吸水性ポリマー粒子1kg当たり、0.01?5Nm^(3)/hである、請求項1、2又は4に記載の方法。 【請求項6】 熱的な後処理は、水平型ミキサー中で実施される、請求項1、2、4又は5に記載の方法。 【請求項7】 吸水性ポリマー粒子は、 a)少なくとも部分的に中和されていてよい、少なくとも1つのエチレン系不飽和の酸基含有モノマー、 b)少なくとも1つの架橋剤、 c)少なくとも1つの開始剤、および f)水 を含有するモノマー溶液の重合によって得られる、請求項1、2、4、5又は6に記載の方法。 【請求項8】 モノマーa)の少なくとも25モル%が中和される、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 モノマーa)の少なくとも50モル%がアクリル酸である、請求項7又は8に記載の方法。 【請求項10】 モノマー溶液が中和されていないモノマーa)に対して架橋剤b)を少なくとも0.1質量%含有する、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-01-04 |
出願番号 | 特願2013-500463(P2013-500463) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(C08F)
P 1 651・ 113- YAA (C08F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岡▲崎▼ 忠 |
特許庁審判長 |
小野寺 務 |
特許庁審判官 |
前田 寛之 小柳 健悟 |
登録日 | 2015-04-10 |
登録番号 | 特許第5726283号(P5726283) |
権利者 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア |
発明の名称 | 吸水性ポリマー粒子から残留モノマーを除去する方法 |
代理人 | 太田 顕学 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 太田 顕学 |
代理人 | 久野 琢也 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK |
代理人 | 久野 琢也 |