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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1326160
審判番号 訂正2016-390164  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2016-12-22 
確定日 2017-03-03 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5827285号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5827285号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5827285号(以下、「本件特許」という。)は、平成25年9月6日に出願され、平成27年10月23日に特許権の設定の登録がなされ、平成28年12月22日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)は、次のとおりである。

1 訂正事項1
(1)訂正事項1-1
特許請求の範囲の請求項1の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載を削除し、これと同じ記載を「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように」との記載の前に挿入する訂正。
(2)訂正事項1-2
特許請求の範囲の請求項1の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載から「前記電流制御部に」を削除する訂正。

2 訂正事項2
(1)訂正事項2-1
特許請求の範囲の請求項2の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載を削除し、これと同じ記載を「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように」との記載の前に挿入する訂正。
(2)訂正事項2-2
特許請求の範囲の請求項1の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載から「前記電流制御部に」を削除する訂正。

3 訂正事項3
(1)訂正事項3-1
明細書の【0008】の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーター(62)の抵抗値(R2)より小さな抵抗値(R1)を有するモーターを用いる」との記載を削除し、これと同じ記載を「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように」との記載の前に挿入する訂正。
(2)訂正事項3-2
明細書の【0008】の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載から「前記電流制御部に」を削除する訂正。

4 訂正事項4
(1)訂正事項4-1
明細書の【0009】の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーター(62)の抵抗値(R2)より小さな抵抗値(R1)を有するモーターを用いる」との記載を削除し、これと同じ記載を「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように」との記載の前に挿入する訂正。
(2)訂正事項4-2
明細書の【0009】の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載から「前記電流制御部に」を削除する訂正。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正事項1-1
ア 訂正の目的
訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように」との記載における「前記第2のモーター」については、これより前に対応する「第2のモーター」の記載がなく、また、これより後の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載中には「第2のモーター」があるため、当該「前記第2のモーター」はどの部材のことを指すか、また、当該「前記第2のモーター」とこれより後の「第2のモーター」との関係が不明瞭となっていた。
そして、訂正事項1-1により、「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように」との記載中の「前記第2のモーター」は、これより前の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載中の「第2のモーター」を受けるものであることが明瞭となっている。
したがって、訂正事項1-1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項
訂正事項1-1は、請求項1に記載の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載を削除するとともに、これと同じ記載を請求項1の別の箇所に追加するものであるが、特定する順序により遊技機の構成が変更されるものではないから、当該訂正の前後において、請求項1の特定事項に差異は生じないといえる。
したがって、訂正事項1-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更
上記イのとおり、訂正事項1-1は、請求項1の特定事項に差異を生じさせるものではないから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、訂正事項1-1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(2)訂正事項1-2
ア 訂正の目的
訂正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載における「前記電流制御部」は、これより前に対応する「電流制御部」との記載がないため、どの部材のことを指すか不明瞭となっていた。
そして、訂正事項1-2は、「前記電流制御部に」との記載を削除することにより、この点を明瞭としたものである。
したがって、訂正事項1-2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項
訂正事項1-2は、請求項1の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載から「前記電流制御部に」を削除するものであるが、請求項1には「前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部とを備え」と記載されているから、訂正事項1-2による訂正後の請求項1においても「前記制御部」が「電流供給部」に「前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」ることは明らかである。
また、明細書の【0063】には「ドライブ基板60は、ランプ制御部600から出力される制御信号に基づいて、第1のモーター61に対する駆動電流の供給を制御する基板であり、図示しない電源に接続されている。」と記載されており、「ドライブ基板60」、「ランプ制御部600」は、それぞれ、請求項1の「電流供給部」、「制御部」に相当するから、訂正事項1-2は、上記【0063】の記載の範囲内でなされたものといえる。
したがって、訂正事項1-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更
訂正前の請求項1には「前記制御部は、・・・前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」と記載されており、当該「前記電流制御部」は「前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部とを備え」との記載中の「電流供給部」と同じ構成を意味することは、これらの記載から明らかであるから、訂正前の請求項1には、「前記制御部」が「電流供給部」に「前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」ることが記載されているといえる。
また、訂正事項1-2は、訂正前の請求項1から「前記電流制御部に」との記載を削除するものであるが、上記イのとおり、訂正事項1-2による訂正後の請求項1においても「前記制御部」が「電流供給部」に「前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」るものであり、訂正の前後で請求項1に記載された発明の内容に変更はないといえる。
したがって、訂正事項1-2は、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正事項2-1
ア 訂正の目的
訂正前の特許請求の範囲の請求項2の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように」との記載における「前記第2のモーター」については、これより前に対応する「第2のモーター」の記載がなく、また、これより後の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載中には「第2のモーター」があるため、当該「前記第2のモーター」はどの部材を指すのか、また、当該「前記第2のモーター」とこれより後の「第2のモーター」との関係が不明瞭となっていた。
そして、訂正事項2-1により、「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように」との記載中の「前記第2のモーター」は、これより前の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載中の「第2のモーター」を受けるものであることが明瞭となっている。
したがって、訂正事項2-1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項
訂正事項2-1は、請求項2に記載の「前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用いる」との記載を削除するとともに、これと同じ記載を請求項2の別の箇所に追加するものであり、特定する順序により遊技機の構成が変更されるものではないから、当該訂正の前後において、請求項2の特定事項に差異は生じないといえる。
したがって、訂正事項2-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更
上記イのとおり、訂正事項2-1は、請求項1の特定事項に差異を生じさせるものではないから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、訂正事項2-1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(2)訂正事項2-2
ア 訂正の目的
訂正前の特許請求の範囲の請求項2の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載における「前記電流制御部」は、これより前に対応する「電流制御部」との記載がないため、どの部材のことを指すのか不明瞭となっていた。
そして、訂正事項2-2は、「前記電流制御部に」との記載を削除することにより、この点を明瞭としたものである。
したがって、訂正事項2-2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項
訂正事項2-2は、請求項2の「前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」との記載から「前記電流制御部に」を削除するものであるが、請求項2には「前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部とを備え」と記載されているから、訂正事項2-2による訂正後の請求項2においても「前記制御部」が「電流供給部」に「前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」ることは明らかである。
また、明細書の【0063】には「ドライブ基板60は、ランプ制御部600から出力される制御信号に基づいて、第1のモーター61に対する駆動電流の供給を制御する基板であり、図示しない電源に接続されている。」と記載されており、「ドライブ基板60」、「ランプ制御部600」は、それぞれ、請求項2の「電流供給部」、「制御部」に相当するから、訂正事項2-2は、上記【0063】の記載の範囲内でなされたものといえる。
したがって、訂正事項2-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更
訂正前の請求項2には「前記制御部は、・・・前記電流制御部に前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」と記載されており、当該「前記電流制御部」は「前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部とを備え」との記載中の「電流供給部」と同じ構成を意味することは、これらの記載から明らかであるから、訂正前の請求項2には、「前記制御部」が「電流供給部」に「前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」ることが記載されているといえる。
また、訂正事項2-2は、訂正前の請求項2から「前記電流制御部に」との記載を削除するものであるが、上記イのとおり、訂正事項2-2による訂正後の請求項2においても「前記制御部」が「電流供給部」に「前記第1のモーターの駆動電流を供給させ」るものであり、訂正の前後で請求項2に記載された発明の内容に変更はないといえる。
したがって、訂正事項2-2は、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合する。

3 訂正事項3について
訂正事項3-1及び3-2は、特許請求の範囲の請求項1に係る発明の訂正(訂正事項1-1及び1-2)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の【0008】における対応する記載を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3-1及び3-2は、訂正事項1-1及び1-2と訂正の内容が実質的に同じであるので、上記1「訂正事項1について」を参酌すれば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でする訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

4 訂正事項4について
訂正事項4-1及び4-2は、特許請求の範囲の請求項2に係る発明の訂正(訂正事項2-1及び2-2)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の【0009】における対応する記載を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項4-1及び4-2は、訂正事項2-1及び2-2と訂正の内容が実質的に同じであるので、上記2「訂正事項2について」を参酌すれば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でする訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者によって遊技されるパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機における演出として、可動役物を動作させることによって大当たり可能性等を示唆する演出がある。可動役物による演出は非常に重要であり、現在、遊技機の価値を左右する演出の1つとなっている。また、遊技機には動作態様の異なる複数の可動役物が設けられる場合がある(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「パチンコ必勝ガイド」、株式会社白夜書房、2011年1月16日発行、2011年8月16日号、ページ25、CR座頭市物語II、「市ロゴ可動体・蓮可動体・妖刀 朧・瑠璃色揚羽」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機を開発する際には、過去に開発された遊技機の設計を部分的に変更することによって、開発を効率化する手法が採用される場合がある。例えば、過去に開発された遊技機の制御基板や表示装置、枠体の基本構造、可動役物の配置、可動役物を動作させるモーターを駆動するドライブ基板等を流用し、遊技機のスペック(ゲーム性)や、演出内容、一部または全部の可動役物の形態や動作を変更することによって、新たな遊技機を開発することができる。
【0005】
ここで、ドライブ基板からモーターに供給できる電流の下限値が予め定められている場合がある。このような供給電流の下限値に制約があるドライブ基板を新たな遊技機に流用しつつ、このドライブ基板を用いて動作させる可動役物を設計のベースとなった遊技機の可動役物とは異なるものに置き換えた場合、ドライブ基板からの供給電流を一定値にまでしか下げることができないために、可動役物を動作させるモーターへの供給電流が過剰となり、モーターの発熱量が多くなりすぎることがある。
【0006】
それ故に、本発明の主要な目的は、可動役物を動作させるモーターの発熱量を抑制できる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一局面は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号、説明文言、及びステップ番号等は、本発明の一局面の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の一局面の範囲を何ら限定するものではない。
【0008】
第1の可動役物(51)と、
前記第1の可動役物を動作させる第1のモーター(61)と、
前記第1の可動役物の動作を制御する制御部(600)と、
前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部(60)とを備え、
前記電流供給部が出力する電流の最低値(I)は、前記第1の可動役物とは別の第2の可動役物(62)を駆動可能な所定値に固定されており、
前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーター(62)の抵抗値(R_(2))より小さな抵抗値(R_(1))を有するモーターを用い、
前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように、前記第1のモーターの駆動電流を供給させる、遊技機(1)。
【0009】
第1の可動役物(51)と、
前記第1の可動役物を動作させる第1のモーター(61)と、
前記第1の可動役物の動作を制御する制御部(600)と、
前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部(60)とを備え、
前記電流供給部が出力する電流の最低値(I)は、前記第1の可動役物とは別の第2の可動役物(62)を駆動可能な所定値に固定されており、
前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーター(62)の抵抗値(R_(2))より小さな抵抗値(R_(1))を有するモーターを用い、
前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、前記第1のモーターの駆動電流を供給させる、遊技機(1)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、可動役物を動作させるモーターの発熱量が抑制された遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の一例を示す概略正面図
【図2】図1のパチンコ遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図
【図3】図1のパチンコ遊技機1の部分平面図
【図4】パチンコ遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図
【図5】図1に示した第1の可動役物51の概略図
【図6】図5に示した第1の可動役物51を動作させるための構成を示す機能ブロック図
【図7】図5に示した第1の可動役物51とは異なる第2の可動役物52の概略図
【図8】図7に示した第2の可動役物52を動作させるための構成を示す機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1ついて説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
【0014】
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1?図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
【0015】
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
【0016】
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
【0017】
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる盤ランプ8が設けられている。盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。さらに、遊技盤2の前面側には画像表示部6の周囲を取り囲むように装飾枠53が設けられている。装飾枠53の下部には、後述する第1始動口21及び第2始動口22側へと遊技球を導くステージ54が設けられている。
【0018】
画像表示部6の下部には、第1の可動役物51が設けられている。第1の可動役物51は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。本実施形態では、画像表示部6が遊技盤2よりも背面側に隙間を空けて配置されており、第1の可動役物51の非動作時には、図1に示すように、第1の可動役物51の一部が遊技盤2の背面側に収納されている。尚、第1の可動役物51の構成及び動作の詳細については後述する。
【0019】
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、大入賞口23、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
【0020】
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(大入賞口23)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
【0021】
第2始動口22は、第1始動口21の下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
【0022】
大入賞口23は、第2始動口22の下側中央に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回)だけ繰り返す。
【0023】
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
【0024】
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、大入賞口23に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
【0025】
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
【0026】
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
【0027】
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
【0028】
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
【0029】
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
【0030】
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
【0031】
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
【0032】
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(通常状態、時短状態等)を表示する。
【0033】
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
【0034】
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
【0035】
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や、第1の可動役物51による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
【0036】
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
【0038】
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
【0039】
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
【0040】
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
【0041】
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口23の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば、15回)だけ繰り返すように制御する。また、メイン制御部100は、大入賞口23が開閉する開閉時間間隔を制御する。
【0042】
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
【0043】
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、大入賞口23、および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
【0044】
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、大入賞口スイッチ114、大入賞口開閉部115、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
【0045】
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口スイッチ114は、大入賞口23へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、大入賞口23を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことを検出して、その検出信号をメイン制御部100へ送る。
【0046】
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
【0047】
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
【0048】
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
【0049】
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
【0050】
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モーター等で構成される。
【0051】
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン37および演出キー38が接続され、遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン37および演出キー38からそれぞれ出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
【0052】
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
【0053】
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
【0054】
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
【0055】
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、第1の可動役物51の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
【0056】
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、第1の可動役物51の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた第1の可動役物51の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、第1の可動役物51の動作を制御する。
【0057】
[可動役物の構成]
図5は、図1に示した第1の可動役物51の概略図である。より詳細には、図5(a)は、第1の可動役物51の非動作時の状態を示す正面図であり、図5(b)は、第1の可動役物51の動作中の状態を示す正面図である。
【0058】
第1の可動役物51の非動作時には、図5(a)に示すように、第1の可動役物51の一部が装飾枠53の背面側に収納され、第1の可動役物51の一部のみが遊技者から見える状態となっている。
【0059】
一方、第1の可動役物51の動作時には、図5(b)に示すように、第1の可動役物51が装飾枠53の背面から引き出されて遊技盤(図示せず)に対して移動する。一例として、本実施形態では、第1の可動役物51は回転軸55を中心として揺動しながら(すなわち、時計回り及び反時計回りに交互に回転しながら)、楕円軌道上を反時計回りに旋回する動作を行う。この可動役物51の動作は、ゆっくりした速度で比較的長い時間(例えば10秒以上)継続する。また、図5(b)においてハッチングで示すように、第1の可動役物51の内部に格納されたランプ等を発光させることにより、光による演出も行う。尚、図5では図示を省略しているが、第1の可動役物51は、駆動機構を介して揺動可能及び旋回可能に支持されている。
【0060】
図6は、図5に示した第1の可動役物51を動作させるための構成を示す機能ブロック図である。
【0061】
本実施形態に係る遊技機1は、ランプ制御部600による制御に従って第1の可動役物51を動作させるために、第1のモーター61と、ドライブ基板60と、駆動機構63とを備える。
【0062】
第1のモーター61は、ドライブ基板60から駆動電流の供給を受けている間に、第1の可動役物51を動作させるための動力(回転力)を発生する動力手段である。第1のモーター61には、例えば、ステッピングモーターが用いられる。
【0063】
ドライブ基板60は、ランプ制御部600から出力される制御信号に基づいて、第1のモーター61に対する駆動電流の供給を制御する基板であり、図示しない電源に接続されている。第1のモーター61がステッピングモーターである場合、ドライブ基板60は、ランプ制御部600から出力されるパルス信号に基づいて、第1のモーター61に対する駆動電流(パルス)の供給を制御するドライバに相当する。このドライブ基板60は、第1の可動役物51とは別の可動役物(後述する第2の可動役物52)を動作させるために用いられるドライブ基板と同じものであり、ドライブ基板60が出力する電流の最低値は、第2の可動役物52を動作可能な所定値Iに固定されている。
【0064】
駆動機構63は、第1の可動役物51と第2のモーター62とを接続し、第1のモーター61による回転力を所望の運動(図5に示した回転及び旋回運動)に変換する機構である。駆動機構63は、ギアやベルト、プーリー、クランク等の部品を組み合わせることによって構成される。
【0065】
上述したように、ドライブ基板60は、第1の可動役物51とは異なる第2の可動役物52を動作させるために用いられるドライブ基板と同じものである。そこで、本実施形態に係る遊技機1の特徴を説明するのに先立って、ドライブ基板60を用いて第2の可動役物52を動作させる構成について説明する。
【0066】
図7は、図5に示した第1の可動役物51とは異なる第2の可動役物52の概略図である。より詳細には、図7(a)は、第2の可動役物52の非動作時の状態を示す正面図であり、図7(b)は、第2の可動役物52の動作中の状態を示す正面図である。
【0067】
第2の可動役物52の非動作時には、図7(a)に示すように、第2の可動役物52の一部が装飾枠53の背面側に収納され、第2の可動役物52の一部のみが遊技者から見える状態となっている。
【0068】
一方、第2の可動役物52の動作時には、図7(b)に示すように、第2の可動役物52が装飾枠53の背面から引き出されて遊技盤(図示せず)に対して移動する。一例として、本実施形態では、第2の可動役物52は垂直上方に直線的に瞬時に飛び出し、所定時間経過後に二点鎖線で示す収容位置に復帰する動作を行う。この第2の可動役物52の上昇動作及び下降動作は、それぞれ短時間(例えば0.1秒以下)で行う。また、図7(b)においてハッチングで示すように、第2の可動役物52の内部に格納されたランプ等を発光させることにより、光による演出も行う。尚、図7では図示を省略しているが、第2の可動役物52は、駆動機構を介して上下動が可能となるように支持されている。
【0069】
図8は、図7に示した第2の可動役物52を動作させるための構成を示す機能ブロック図である。
【0070】
ランプ制御部600による制御に従って第2の可動役物52を動作させるために、第2のモーター62と、ドライブ基板60と、駆動機構64とが設けられる。
【0071】
第2のモーター62は、ドライブ基板60から駆動電流の供給を受けている間に、第2の可動役物52を動作させるための動力(回転力)を発生する動力手段である。第2のモーター62には、例えば、ステッピングモーターが用いられる。
【0072】
ドライブ基板60は、図6に示した本実施形態に係る遊技機1が備えるものと同じドライブ基板であり、ランプ制御部600からの指示に基づいて、第2のモーター62に対する駆動電流の供給及び供給停止を制御する。図6で説明したように、ドライブ基板60が出力する電流の最低値は所定値Iに固定されている。
【0073】
駆動機構64は、第2の可動役物52と第2のモーター62とを接続し、第2のモーター62による回転力を所望の運動に変換する機構である。駆動機構64は、ギアやベルト、プーリー、クランク等の部品を組み合わせることによって構成される。
【0074】
ここで、図5?8を併せて参照しながら、本実施形態に係る遊技機1の特徴を説明する。
【0075】
本実施形態に係る遊技機1においては、第1の可動役物51を動作させるために、第2のモーター62の抵抗値R_(2)より小さな抵抗値R_(1)を有する第1のモーター61を用いている。このように構成することによって、本来可動役物52を動作させるために用いられていたドライブ基板60を、第1の可動役物51を動作させる第1のモーター61を駆動するために用いた場合でも、第1のモーター61からの発熱量を低減することができる。この理由を以下に説明する。
【0076】
上述したように、第1の可動役物51の動作時には、第1の可動役物51をゆっくり揺動及び旋回させるのに対して、第2の可動役物52の動作時には、第2の可動役物52を瞬時に上昇及び下降させる。したがって、第1の可動役物51を動作させるために必要な単位時間当たりの仕事量に対して、第2の可動役物52を動作させるために必要な単位時間当たりの仕事量が相対的に大きくなる。仮に、第1の可動役物51を第2のモーター62を用いて動作させると、ドライブ基板60からの供給電流が所定値Iに固定されているので、第2のモーター62の消費電力(I^(2)R_(2))と、第1の可動役物51を動作させる際の第2のモーター62の仕事率との差に相当する電力が発熱により消費されることになる。第1の可動役物51を第2のモーター62で動作させた場合の発熱量は、第2の可動役物52を第2のモーター62で動作させた場合の発熱量より多くなる。
【0077】
このように、第1の可動役物51は、動作時に第2の可動役物52と比べて相対的に小さな単位時間当たりの仕事量しか必要としないので、第1の可動役物51を定電流で動作させる構成において、第2の可動役物52を動作させるために用いられるドライブ基板60と第2のモーター62とを流用すると、ドライブ基板60から第2のモーター62に供給される電流が、第1の可動役物51の動作に必要な仕事に対して過剰となり、第2のモーター62からの発熱量が多くなり過ぎてしまうという問題が生じる。
【0078】
そこで、本実施形態では、図6に示すように、第1の可動役物51を動作させるためのドライブ基板として、第2の可動役物52を動作させるためのドライブ基板60を用いるが、第2のモーター62の抵抗値R_(2)より小さな抵抗値R_(1)を有する第1のモーター61を使用する。このように構成すると、第1のモーター61を所定値Iの電流で定電流駆動した場合における第1のモーター61の消費電力I^(2)R_(1)は、第2のモーター62を所定値Iの電流で定電流駆動した場合における第2のモーター62の消費電力I^(2)R_(2)より小さくなる。したがって、第1のモーター61の消費電力と第1の可動役物51の動作に必要な単位時間当たりの仕事量との差も小さくなり、この結果、第1のモーター61の発熱量を低減することができる。
【0079】
遊技機を開発する際には、過去に開発された遊技機の設計を部分的に変更して流用することによって、開発を効率化する手法が採用される場合がある。過去に開発された遊技機においては、モーターを駆動するためのドライブ基板の信頼性が既に確保されていることから、ドライブ基板は、流用の対象となり得る。開発済みの遊技機に用いられていたドライブ基板を新たな遊技機で利用し、開発済みの遊技機に用いられていた可動役物を別の可動役物に置き換える場合、可動役物を動作させるのに必要な単位時間当たりの仕事量が置き換え前後であまり変わらなければ、開発済みの遊技機で使用していたのと同じモーターを新たな遊技機でも使用できる。しかしながら、上記の第1の可動役物51のように、新たな遊技機で用いる可動役物の動作に必要な単位時間当たりの仕事量が、開発済みの遊技機で用いられていた可動役物の動作に必要な単位時間当たりの仕事量より小さい場合には、開発済みの遊技機で使用されていたモーターを新たな遊技機で使用すると、上述したようなモーターの発熱量が多くなるという問題が生じる。本実施形態で説明したように、新たな遊技機では、開発済みの遊技機で使用されていたドライブ基板を使用しつつ、開発済みの遊技機で使用されていたモーターより小さな抵抗値を有するモーターを採用することによって、モーターからの発熱量を低減することができる。
【0080】
また、本実施形態において、ランプ制御部600は、第1のモーター61による第1の可動役物51の1回の連続動作時間は、第2のモーター62による第2の可動役物52の1回の連続動作時間より長くなるように、ドライブ基板60から第1のモーター61へと駆動電流を供給させる。このように第1の可動役物51を動作させる場合、1回の連続動作時間が長くなるにつれて、モーターの発熱量も大きくなるが、第2のモーター62よりも抵抗値が小さな第1のモーター61を用いることにより、モーターからの発熱量を低減できる。
【0081】
また、ランプ制御部600は、第1のモーター61による第1の可動役物51の単位時間当たりの動作回数が、第2のモーター62による第2の可動役物52の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、ドライブ基板60から第1のモーター61へと駆動電流を供給させても良い。言い換えれば、第1の可動役物51を第2の可動役物52よりも頻繁に動作させても良い。このように第1の可動役物51を動作させる場合、動作頻度が多くなるにつれて、モーターの発熱量も大きくなるが、第2のモーター62よりも抵抗値が小さな第1のモーター61を用いることにより、モーターからの発熱量が低減される。尚、ここでの単位時間とは、複数回の特別図柄変動を実行可能な時間(例えば1時間)を含む概念である。
【0082】
このように、本実施形態に係る遊技機1では、モーターからの発熱量を低減しつつ、第1の可動役物51の連続動作時間を長く取ったり、第1の可動役物51を頻繁に動作させたりできるので、第1の可動役物51を用いた演出の自由度が向上する。
【0083】
[変形例]
尚、上記の第1の可動役物51及び第2の可動役物52は、1つの遊技機内に設けられるものであっても良い。すなわち、1つの遊技機内に設けられる複数の可動役物のそれぞれで使用するドライブ基板を共通化する場合にも、第1の可動役物51を動作させる第1のモーター61の抵抗値を、第2の可動役物52を動作させる第2のモーター62の抵抗値より小さくすることによって、第1のモーター61の発熱量を低減できる。
【0084】
また、上記の実施形態において、ドライブ基板は複数の電流値で駆動電流を出力可能であっても良いし、1つの電流値で駆動電流を出力可能であっても良い。
【0085】
以上、本実施形態の特徴および各変形例の特徴について説明したが、これらの特徴を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0086】
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0087】
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。
【符号の説明】
【0088】
1…遊技機
2…遊技盤
4…表示器
5…枠部材
6…画像表示部
8…盤ランプ
20…遊技領域
21…第1始動口
22…第2始動口
23…大入賞口
24…普通入賞口
25…ゲート
26…排出口
27…電動チューリップ
31…ハンドル
32…レバー
33…停止ボタン
34…取り出しボタン
35…スピーカ
36…枠ランプ
37…演出ボタン
38…演出キー
39…皿
43…錠部
51…第1の可動役物
52…第2の可動役物
60…ドライブ基板(電流供給部)
61…第1のモーター
62…第2のモーター
100…メイン制御部
101、201、301、401、501、601…CPU
102、202、302、402、502、602…ROM
103、203、303、403、503、603…RAM
111a…第1始動口スイッチ
111b…第2始動口スイッチ
112…電動チューリップ開閉部
113…ゲートスイッチ
114…大入賞口スイッチ
115…大入賞口開閉部
116…普通入賞口スイッチ
200…発射制御部
211…発射装置
300…払出制御部
311…払出駆動部
400…演出制御部
404…RTC
500…画像音響制御部
600…ランプ制御部(制御部)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可動役物と、
前記第1の可動役物を動作させる第1のモーターと、
前記第1の可動役物の動作を制御する制御部と、
前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部とを備え、
前記電流供給部が出力する電流の最低値は、前記第1の可動役物とは別の第2の可動役物を動作可能な所定値に固定されており、
前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用い、
前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の1回の連続動作時間が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の1回の連続動作時間より長くなるように、前記第1のモーターの駆動電流を供給させる、遊技機。
【請求項2】
第1の可動役物と、
前記第1の可動役物を動作させる第1のモーターと、
前記第1の可動役物の動作を制御する制御部と、
前記制御部による制御に従って、前記第1のモーターに駆動電流を供給する電流供給部とを備え、
前記電流供給部が出力する電流の最低値は、前記第1の可動役物とは別の第2の可動役物を動作可能な所定値に固定されており、
前記第1のモーターとして、前記第2の可動役物を動作させる第2のモーターの抵抗値より小さな抵抗値を有するモーターを用い、
前記制御部は、前記第1のモーターによる前記第1の可動役物の単位時間当たりの動作回数が、前記第2のモーターによる前記第2の可動役物の単位時間当たりの動作回数より多くなるように、前記第1のモーターの駆動電流を供給させる、遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-02-02 
結審通知日 2017-02-06 
審決日 2017-02-22 
出願番号 特願2013-185039(P2013-185039)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 洋行  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 齋藤 智也
川崎 優
登録日 2015-10-23 
登録番号 特許第5827285号(P5827285)
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人小笠原特許事務所  
代理人 特許業務法人 小笠原特許事務所  

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