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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1326432
審判番号 不服2016-9613  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-28 
確定日 2017-03-23 
事件の表示 特願2014-155561号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月17日出願公開、特開2016- 34291号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年7月30日に特許出願したものであって、平成27年8月12日付けで拒絶理由通知がなされ、平成27年10月16日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成28年3月25日付け(発送日:平成28年3月29日)で拒絶査定がなされ、これに対して平成28年6月28日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、これに対して平成28年9月2日付けで前置報告がなされたものである。

第2 平成28年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成28年6月28日付けの手続補正(以下、本件補正という)を却下する。

[理由]

1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の補正を含むものであり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、
補正前(平成27年10月16日付け手続補正)の
「【請求項1】
遊技に関する情報を表示する画像表示器と、
前記画像表示器の画面の前側に配設された可動役物と、
前記画像表示器を昇降移動させる第1昇降駆動手段と、
前記画像表示器の上昇を補助する補助機構と、
前記画像表示器を昇降可能に案内する第1ガイドを備えた第1案内機構と、
前記可動役物を昇降可能に案内する第2ガイドを備えた第2案内機構とを備えたことを特徴とする遊技機。」
から、
補正後(本件補正である平成28年6月28日付け手続補正)の
「【請求項1】
遊技に関する情報を表示する画像表示器と、
前記画像表示器の画面の前側に配設されて前記画面の一部を遮蔽可能であると共に、前記画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材とこの可動部材を移動させる駆動手段を備えた可動役物と、
前記画像表示器を昇降移動させる第1昇降駆動手段と、
前記画像表示器の上昇を補助する補助機構と、
前記画像表示器を昇降可能に案内する第1ガイドを備えた第1案内機構と、
前記可動役物を昇降可能に案内する第2ガイドを備えた第2案内機構とを備えたことを特徴とする遊技機。」

へ補正された(下線は補正箇所を示す)。

2.補正の適否
上記補正事項は、補正前の請求項1において「画像表示器の画面の前側に配設された可動役物」を、「前記画像表示器の画面の前側に配設されて前記画面の一部を遮蔽可能であると共に、前記画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材とこの可動部材を移動させる駆動手段を備えた可動役物」と限定したものである。
また、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する限定的減縮を目的とするものに該当する。

そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。

3.独立特許要件
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)刊行物1、2

(1-1)刊行物1
原査定の拒絶の理由において提示された、本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開2014-128404号公報(以下、刊行物1という)には以下の記載がある。(下線は合議体が審決にて付した。以下、同じ)

(a) 「【0015】【図74】液晶表示装置を上方に移動させ、タイトルバーを前方に移動させた後さらに上方に移動させた場合の遊技機の正面図である。」

(b) 「【0054】
(液晶表示装置41)
液晶表示装置41は、リール17の上方に設けられ、動画像・静止画像等を表示する演出を行うために設けられている。また、液晶表示装置41は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報を報知したり、入賞に係る図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるために必要な情報を報知したりするために設けられている。
【0055】
さらに、本実施形態においては、液晶表示装置41を上下動させるための駆動機構が設けられており、液晶表示装置41自体が上昇したり、下降したりする動作を行わせることができる。
なお、液晶表示装置41とは別の役物装置(後述するタイトルバー641)が設けられており、この役物装置を液晶表示装置41の上下動に連動、または単独で作動させるものとしてもよい。例えば、この役物装置は通常は液晶表示装置41の背面側に位置させておき、後述のサブ制御基板400が、所定の条件が充足されたことに基づいて、液晶表示装置41の前面側に役物装置を突出させ、さらには、突出させた役物装置を液晶表示装置41の表示領域を覆い隠すように動作するように制御する。このような制御を行うことにより、液晶表示装置41の上下動だけでなく、役物装置の動作も絡ませた様々な態様の動作を行わせることが可能となる。」

(c) 「【0121】
(液晶駆動ユニット610)
液晶駆動ユニット610は、画像制御部(VDP)421に制御され、液晶表示装置41を移動させるものである。具体的には、液晶駆動ユニット610は、画像制御部(VDP)421から入力した信号により、液晶表示装置41を上下動させるものである。液晶駆動ユニット610による液晶表示装置41の動作機構については、後述する。」

(d) 「【0125】
(液晶表示装置41および液晶駆動ユニット610の要部)
次に、液晶駆動ユニット610の要部について、説明する。
図64は、液晶表示装置41および液晶駆動ユニット610の要部を示す斜視図である。また、図64(a)は、液晶表示装置41および液晶駆動ユニット610の側面側の要部を示す斜視図であり、図64(b)は、液晶表示装置41および液晶駆動ユニット610の正面側の要部を示す斜視図である。なお、図64(b)は、液晶表示装置41の液晶部分を透過して裏側を視認できる図とした。
【0126】
図64に示すように、液晶表示装置41は、遊技機1の前面扉3に固定された機構取付ベースユニット620に、スライド可能に取り付けられている。なお、図64(a)においては、液晶駆動ユニット610の駆動機構説明のため、機構取付ベースユニット620を省略して示している。
【0127】
ここで、機構取付ベースユニット620は、液晶可動機構取付ベース621と、ベース側レールベース622と、ベース側スライドレール623と、ベース側コロカバー624と、ベース側コロ625と、を備えている。
【0128】
液晶可動機構取付ベース621は、前面扉3に固定され、液晶表示装置41および液晶駆動ユニット610が取り付けられている。
ベース側レールベース622は、液晶可動機構取付ベース621に固定されている。ベース側スライドレール623は、ベース側レールベース622に取り付けられ、液晶表示装置41をスライド可能に保持している。」

(e) 「【0130】
次いで、液晶表示装置41について、説明する。
液晶表示装置41は、液晶ケース601と、液晶軸受け602と、液晶アームピン603と、液晶側レールベース604と、液晶側スライドレール605と、液晶側コロカバー607と、液晶側コロ608と、を備えている。・・・
【0135】
液晶側レールベース604は、液晶ケース601に固定されている。液晶側スライドレール605は、液晶側レールベース604に固定されている。また、液晶側スライドレール605は、機構取付ベースユニット620のベース側スライドレール623と対になって、液晶側スライドレール605およびベース側スライドレール623のレール延伸方向に移動方向が規制されて、スライド可能となっている。なお、以下では、液晶側スライドレール605およびベース側スライドレール623のレール延伸方向を、スライド方向ともいう。」

(f) 「【0140】
(液晶駆動ユニット610)
次いで、液晶駆動ユニット610は、液晶駆動モータ611と、液晶第1リンクギヤ612aと、液晶第2リンクギヤ612bと、液晶駆動ウォームギヤ613と、液晶駆動アームギヤ614と、液晶駆動アーム615と、液晶第1フォトセンサ616と、液晶第2フォトセンサ617と、を備えている。・・・
【0150】
以上の構成により、画像制御部(VDP)421により、液晶駆動モータ611が回転されると、液晶第1リンクギヤ612aが回転され、続いて液晶第2リンクギヤ612bが回転される。液晶第2リンクギヤ612bが回転されると、液晶駆動ウォームギヤ613が回転され、これにともない、液晶駆動アームギヤ614が回転され、液晶駆動アーム615の他端が円弧状に移動される。
【0151】
液晶駆動アーム615の他端が円弧状に移動されると、液晶表示装置41にも円弧状に力が加わるが、液晶表示装置41は、上記スライド方向に移動方向が規制されているため、液晶アームピン603が液晶駆動アーム615の長孔615a上を移動し、液晶表示装置41がスライド方向に移動させられることとなる。」

(g) 「【0154】
(バーユニット630)
次に、バーユニット630の要部について、説明する。
前述のように、バーユニット630は、バー前後駆動ユニット640およびバー昇降駆動ユニット650を備えている。
【0155】
(バー前後駆動ユニット640)
まず、バー前後駆動ユニット640について説明する。
図66は、バー前後駆動ユニット640を示す斜視図である。
【0156】
図66に示すように、バー前後駆動ユニット640は、タイトルバー641と、バー前後スライダー642と、バー前後アームガイド643と、バー前後駆動モータ644と、バー前後アーム645と、バー前後第1フォトセンサ647と、バー前後第2フォトセンサ648と、を備えている。」

(h) 「【0167】
(バー昇降駆動ユニット650)
次に、バー昇降駆動ユニット650の要部について、説明する。
図68は、バー昇降駆動ユニット650を示す斜視図である。また、図69は、バー昇降駆動ユニットの一部分解図である。
【0168】
図68、図69に示すように、バー昇降駆動ユニット650は、バー昇降駆動モータ651と、バー昇降モータギヤ652と、バー昇降カムギヤ653と、バー昇降アーム654と、バーアームリンク655と、バー昇降ガイドブッシュ656と、バースライドブッシュ657と、バー昇降ガイドベース658と、バーリンク軸659と、バー昇降プレート660と、バーローラ押さえ661と、バー昇降第1フォトセンサ662と、バー昇降第2フォトセンサ663と、を備えている。・・・
【0178】
バーリンク軸659は、バーアームリンク655に取り付けられている。また、バーリンク軸659は、4つのバーリンク軸659a、バーリンク軸659b、バーリンク軸659c、バーリンク軸659dを有している。さらに、バーリンク軸659aおよびバーリンク軸659bは、バー昇降ガイドベース658の長孔658bを貫通し、バーリンク軸659cおよびバーリンク軸659dは、バー昇降ガイドベース658の長孔658cを貫通している。
【0179】
バー昇降プレート660は、バーリンク軸659に固定されている。すなわち、バー昇降プレート660は、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているので、バーアームリンク655が上下動すると、これに伴って上下動するようになっている。
【0180】
バーローラ押さえ661は、バー昇降プレート660に取り付けられている。また、バーローラ押さえ661は、角丸長方形状をしている。なお、バーローラ押さえ661は、バースライドブッシュ657と同様に、角丸長方形状に限らず、他の形状であっても構わない。
【0181】
さらに、バーローラ押さえ661は、上記したように、バーユニット630におけるバー前後スライダー642の長孔642aに嵌まり込んでいる。
これにより、バー昇降プレート660が上下動すると、バーローラ押さえ661が追従し、バー前後スライダー642を上下動させる。したがって、バー昇降プレート660が上下動すると、バーユニット630が一体となって上下動する。すなわち、バー昇降プレート660の上下動にともなって、タイトルバー641が上下動することとなる。」

(i) 「【0185】
以上の構成により、画像制御部(VDP)421により、バー昇降駆動モータ651が回転されると、バー昇降モータギヤ652が回転され、バー昇降カムギヤ653が回転される。次いで、バー昇降カムギヤ653の回転により、バー昇降カムギヤ653のアーム部の先端の突起部が円弧状に移動され、これにより、バー昇降アーム654が回転される。
【0186】
バー昇降アーム654が回転されると、バー昇降ガイドブッシュ656が取り付けられたバーアームリンク655が上下動される。次いで、バーアームリンク655の上下動にともなって、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660が上下動される。バー昇降プレート660が上下動されると、バー昇降プレート660に取り付けられたバーローラ押さえ661が上下動され、バーユニット630を一体となって上下動させる。
【0187】
したがって、画像制御部(VDP)421により、バー昇降駆動モータ651を回転させることにより、バーユニット630を上下動させる、すなわち、タイトルバー641を上下方向に移動させることができる。」

(j) 「【0645】
以上のように、本実施の形態における遊技機1は、所定の初期停止位置から所定の特定領域に移動可能なタイトルバー641(可動構造物)と、このタイトルバー641を移動させるバーユニット630(可動物移動手段)と、遊技に関する情報を表示する液晶表示装置41(遊技情報表示装置)と、液晶表示装置41を移動させる液晶駆動ユニット610(表示装置移動手段)と、を備え、タイトルバー641が初期停止位置にある場合に、液晶表示装置41は初期停止位置においてタイトルバー641を遮蔽し、所定の条件の成立、例えば、予め定められたゲーム数の上乗せ等を契機に、タイトルバー641を遮蔽させない位置に、液晶駆動ユニット610が液晶表示装置41を移動させる。
【0646】
これにより、遊技中に液晶表示装置41に隠れていたタイトルバー641が、突如出現するので、タイトルバー641の出現による遊技者の驚きや感動に加え、当初タイトルバー641が隠れているために、遊技者がタイトルバー641の動きを予測することがなく、遊技者の興趣を高めることができる。特に、タイトルバー641が液晶表示装置41に隠されているため、液晶表示装置41に気を取られてタイトルバー641の存在に気づき難いため、単に隠されているだけよりも遊技者の興趣を高めることができる。
【0647】
また、本実施の形態における遊技機1は、バーユニット630が所定の条件の成立により、タイトルバー641を液晶表示装置41よりも前側に移動させる。これにより、ゲーム数の上乗せ等を容易に確認することができるとともに、遊技者の興趣を向上させることができる。」

(k) 上記(b)の【0055】の「液晶表示装置41とは別の役物装置(後述するタイトルバー641)」及び「液晶表示装置41の前面側に役物装置を突出させ、・・・さらには、突出させた役物装置を液晶表示装置41の表示領域を覆い隠す」との記載、上記(j)の【0645】の「遊技機1は、所定の初期停止位置から所定の特定領域に移動可能なタイトルバー641(可動構造物)と、このタイトルバー641を移動させるバーユニット630(可動物移動手段)と、遊技に関する情報を表示する液晶表示装置41(遊技情報表示装置)と、液晶表示装置41を移動させる液晶駆動ユニット610(表示装置移動手段)と、を備え」との記載、【0647】の「バーユニット630が・・・タイトルバー641を液晶表示装置41よりも前側に移動させる。」との記載、上記(a)及び図74の記載から、タイトルバー641は液晶表示装置41の表示領域の一部を覆い隠していることが看取できること、さらに上記(g)の【0154】の「バーユニット630は、バー前後駆動ユニット640およびバー昇降駆動ユニット650を備え」との記載から、刊行物1には「遊技に関する情報を表示する液晶表示装置41(遊技情報表示装置)と、液晶表示装置41を移動させる液晶駆動ユニット610と、タイトルバー641と、このタイトルバー641を移動させるバーユニット630であって、バーユニット630がタイトルバー641を液晶表示装置41よりも前側に移動させる、遊技機1」であって、「液晶表示装置41の前面側にタイトルバー41を突出させ、タイトルバー641により液晶表示装置41の一部の表示領域を覆い隠す」ものであり、「バーユニット630は、バー前後駆動ユニット640およびバー昇降駆動ユニット650を備え」ることが記載されているものと認められる。

(l) 上記(e)の【0135】には「液晶側スライドレール605およびベース側スライドレール623のレール延伸方向をスライド方向ともいう」ことが、上記(f)の【0140】には、「液晶駆動ユニット610は、液晶駆動モータ611と、・・・液晶駆動アーム615を備え」ることが、【0150】-【0151】には「液晶駆動モータ611が回転されると・・・液晶駆動アーム615の他端が円弧状に移動され・・・液晶駆動アーム615の他端が円弧状に移動されると、・・・液晶表示装置41は、上記スライド方向に移動方向が規制されているため、・・・液晶表示装置41がスライド方向に移動させられる」ことが記載されている。
さらに、上記(c)の【0121】には「液晶駆動ユニット610は、・・・液晶表示装置41を上下動させるものである。」ことが記載されており、「液晶駆動ユニット610は液晶表示装置41を上下動させるものであ」ること、及び上記(e)及び図64(a)の記載から、スライド方向すなわち液晶側スライドレール605およびベース側スライドレール623のレール延伸方向とは、上下方向であることが看取できることから、刊行物1には「液晶駆動モータ611が回転されると液晶表示装置41が上下方向に移動させられる液晶駆動モータ611を備えた液晶駆動ユニット610」が記載されているものと認められる。

(m) 上記(d)の【0126】の「液晶表示装置41は、遊技機1の前面扉3に固定された機構取付ベースユニット620に、スライド可能に取り付けられ」との記載、【0127】の「機構取付ベースユニット620は、液晶可動機構取付ベース621と、・・・ベース側スライドレール623を備え」との記載、【0128】の「液晶可動機構取付ベース621は、・・・液晶表示装置41・・・が取り付けられている」「ベース側スライドレール623は液晶表示装置41をスライド可能に保持している」との記載から、「遊技機1の前面扉3に固定された機構取付ベースユニット620は、液晶表示装置41が取り付けられている液晶可動機構取付ベース621と、液晶表示装置41をスライド可能に保持しているベース側スライドレール623を備え」ることがいえ、さらに、上記(e)及び図64(a)の記載から、スライド方向すなわち液晶側スライドレール605およびベース側スライドレール623のレール延伸方向とは、上下方向であることが看取できることから「ベース側スライドレール623は液晶表示装置を上下方向にスライド可能に保持している」ということができ、刊行物1には「液晶表示装置41が取り付けられている液晶可動機構取付ベース621と、液晶表示装置41を上下方向にスライド可能に保持しているベース側スライドレール623を備え、遊技機1の前面扉3に固定された機構取付けベースユニット620」が記載されているものと認められる。

(n) 上記(h)の【0168】の「バー昇降駆動ユニット650は、バー昇降駆動モータ651と、・・・バー昇降アーム654と、バーアームリンク655と、・・・バー昇降ガイドベース658と、バーリンク軸659と、バー昇降プレート660と、バーローラ押さえ661と、・・・を備えている。」の記載、【0178】の「バーリンク軸659は、バーリンクアーム655に取り付けられている」、「バーリンク軸659は、4つのバーリンク軸659a、バーリンク軸659b、バーリンク軸659c、バーリンク軸659dを有し」「バーリンク軸659aおよびバーリンク軸659bは、バー昇降ガイドベース658の長孔658bを貫通し、バーリンク軸659cおよびバーリンク軸659dは、バー昇降ガイドベース658の長孔658cを貫通している。」の記載、【0179】の「バー昇降プレート660は、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されている」の記載から、刊行物1には「バー昇降駆動ユニット650は、バー昇降駆動モータ651と、バー昇降アーム654と、バーアームリンク655と、バー昇降ガイドベース658と、バー昇降ガイドベース658の長孔658bを貫通しているバーリンク軸659aおよびバーリンク軸659b、バー昇降ガイドベース658の長孔658cを貫通しているバーリンク軸659cおよびバーリンク軸659dを有し、バーリンクアーム655に取り付けられているバーリンク軸659と、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660と、バーローラ押さえ661とを備えている」ことが記載されているものと認められる。

(o) 上記(i)の【0185】の「バー昇降駆動モータ651が回転されると、・・・バー昇降アーム654が回転され」の記載、【0186】の「バー昇降アーム654が回転されると、・・・バーアームリンク655が上下動され・・・バーアームリンク655の上下動にともなって、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660が上下動され・・・バー昇降プレート660が上下動されると、バー昇降プレート660に取り付けられたバーローラ押さえ661が上下動され、バーユニット630を・・・上下動させ」の記載、【0187】の「バー昇降駆動モータ651を回転させることにより、バーユニット630を上下動させる、すなわち、タイトルバー641を上下方向に移動させることができる」の記載から、
「バー昇降駆動モータ651を回転させることにより、バー昇降アーム654が回転され、バーアームリンク655が上下動され、バーアームリンク655の上下動にともなって、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660に取り付けられたバーローラ押さえ661が上下動され、バーユニット630を上下動させる、すなわちタイトルバー641を上下方向に移動させることができる」ことが記載されているものと認められる。

上記(a)?(j)の記載事項及び上記(k)?(o)の認定事項から、刊行物1には、

「遊技に関する情報を表示する液晶表示装置41と(認定事項(k))、
タイトルバー641と(認定事項(k))、
このタイトルバー641を移動させるバーユニット630であって、バー前後駆動ユニット640およびバー昇降駆動ユニット650を備え、タイトルバー641を液晶表示装置41よりも前側に移動させ、液晶表示装置41の前面側にタイトルバー641を突出させ、タイトルバー641により液晶表示装置41の一部の表示領域を覆い隠す、バーユニット630と(認定事項(k))、
液晶表示装置41を移動させる液晶駆動ユニット610であって、液晶駆動モータ611が回転されると液晶表示装置41が上下方向に移動させられる液晶駆動モータ611を備えた液晶駆動ユニット610と(認定事項(l))、
液晶表示装置41が取り付けられている液晶可動機構取付ベース621と、液晶表示装置41を上下方向にスライド可能に保持しているベース側スライドレール623を備え、遊技機1の前面扉3に固定された機構取付けベースユニット620(認定事項(m))、
を備えた遊技機1において(認定事項(k))、
バー昇降駆動ユニット650は、バー昇降駆動モータ651と、バー昇降アーム654と、バーアームリンク655と、バー昇降ガイドベース658と、バー昇降ガイドベース658の長孔658bを貫通しているバーリンク軸659aおよびバーリンク軸659b、バー昇降ガイドベース658の長孔658cを貫通しているバーリンク軸659cおよびバーリンク軸659dを有し、バーリンクアーム655に取り付けられているバーリンク軸659と、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660と、バーローラ押さえ661とを備えており(認定事項(n))、
バー昇降駆動モータ651を回転させることにより、バー昇降アーム654が回転され、バーアームリンク655が上下動され、バーアームリンク655の上下動にともなって、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660に取り付けられたバーローラ押さえ661が上下動され、バーユニット630を上下動させる、すなわちタイトルバー641を上下方向に移動させることができる(認定事項(o))、
遊技機1。」

という発明(以下、刊行物1記載の発明という)が開示されていると認める。

(1-2)刊行物2
また、本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開2012-34746号公報(以下、刊行物2という)には以下の事項が記載されている。

ア 「【0018】
本発明は、パチンコ遊技機のセンタ役物に装備された可動役物装置に適用されている。」

イ 「【0038】
可動役物装置17について詳しく説明する。
図2、図3、図5?図13に示すように、可動役物装置17は、ベース部材40、ベース部材40に移動自在にガイド支持された第1可動役物41、第1可動役物41に回動自在に支持された第2可動役物42、第1可動役物41を駆動する第1役物駆動機構43、第2可動役物42を駆動する第2役物駆動機構44を備えている。」

ウ 「【0040】
第1可動役物41は、その移動方向に細長く形成され、先の尖った長剣を模して、ベース部材40の前側に配置されている。第1可動役物41は、その大部分がセンタ役物本体15a(装飾部材)の後側に隠れた第1退避位置(図2、図3、図7、図8参照)と、その大部分がセンタ役物本体15aから現れた第1作動位置(図5、図6、図11、図12参照)とに亙って遊技盤4と平行方向に直線的にベース部材40に対して可動に配設されている。
【0041】
第1可動役物41は、画像表示器16の画面の上下長と略同じ長さを有し、鉛直方向から左側へ約20度傾斜した方向へ移動する。そして、第1可動役物41が第1退避位置のときには、その中央付近部から下側部分がセンタ役物本体15aの後側に隠れた状態になり、第1可動役物41が第1作動位置のときには、その下端付近部以外の部分がセンタ役物本体15aから現れて、画像表示器16の画面の前側に位置した状態になる。・・・
【0048】
第2可動役物42は、第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置(図7、図8、図13参照)と、この第2退避動位置から反時計回り方向に回動してその大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置(図5、図6、図11、図12参照)とに亙って可動に配設されている。
【0049】
第2可動役物42は、第1可動役物41の約3/4?2/3の長さを有する。第2可動役物42が、第2退避位置から反時計回り方向へ約90度回動して第2作動位置になり、その下端付近部以外の部分が第1可動役物41から現れて、画像表示器16の画面の前側に位置した状態になる。」

上記ア?ウの記載事項から、刊行物2には、

「第1可動役物41、第1可動役物41に回動自在に支持された第2可動役物42、第1可動役物41を駆動する第1役物駆動機構43、第2可動役物42を駆動する第2役物駆動機構44を備え、第1可動役物41は、その大部分がセンタ役物本体15a(装飾部材)の後側に隠れた第1退避位置と、その大部分がセンタ役物本体15aから現れた第1作動位置とに亙って可動に配設され、第1作動位置のときにはその下端付近部以外の部分がセンタ役物本体15aから現れて、画像表示器16の画面の前側に位置した状態になり、第2可動役物42は、第1可動役物41に対して、その全部が第1可動役物41に重なって第1可動役物41の後側に隠れる第2退避位置と、この第2退避動位置から反時計回り方向に回動してその大部分が第1可動役物41からはみ出して現れる第2作動位置とに亙って可動に配設され、第2可動役物42は、第2退避位置から反時計回り方向へ約90度回動して第2作動位置になり、その下端付近部以外の部分が第1可動役物41から現れて、画像表示器16の画面の前側に位置した状態になる、可動役物装置17であって、パチンコ遊技機のセンタ役物に装備された可動役物装置。」

が記載されている(以下、刊行物2記載の事項という)ものと認められる。

(2)本件補正発明と刊行物1記載の発明との対比

本件補正発明と刊行物1記載の発明とを対比する。

(ア)刊行物1記載の発明における「遊技に関する情報を表示する液晶表示装置41」は、本件補正発明の「遊技に関する情報を表示する画像表示器」に相当する。

(イ)刊行物1記載の発明における「タイトルバー641」は、「バーユニット630」によって「移動表示装置41よりも前に移動させ、液晶表示装置41の前面側に突出させ」たときに「液晶表示装置41の一部の表示領域を覆い隠す」ことから、「バーユニット630」によって「移動表示装置41よりも前に移動させ、液晶表示装置41の前面側に突出させ」ることで、「液晶表示装置41の一部の表示領域を覆い隠す」位置に置かれた「タイトルバー641(可動構造物)」は、本件補正発明の「前記画像表示器の画面の前側に配設されて前記画面の一部を遮蔽可能である」「可動役物」に相当する。

(ウ)刊行物1記載の発明における「液晶駆動モータ611を備えた液晶駆動ユニット610」は、「液晶駆動モータ611が回転されると液晶表示装置41が上下方向に移動させられる」ことから、本件補正発明の「前記画像表示器を昇降移動させる第1昇降駆動手段」に相当する。

(エ)刊行物1記載の発明における「液晶表示装置41を上下方向にスライド可能に保持しているベース側スライドレール623を備え」た「機構取付けベースユニット620」について、ベース側スライドレール623は液晶表示装置41を上下方向にスライド可能すなわち昇降することができるように案内するといえるから、本件補正発明の「前記画像表示器を昇降可能に案内する第1ガイドを備えた第1案内機構」に相当する。

(オ)刊行物1記載の発明における「バー昇降駆動モータ651を回転させることにより」「バーアームリンク655が上下動され、バーアームリンク655の上下動にともなって、バーリンク軸659を介してバーアームリンク655に固定されているバー昇降プレート660に取り付けられたバーローラ押さえ661が上下動され」「タイトルバー641を上下方向に移動させることができる」ことについて、バーアームリンク655が上下動され、バーリンクアーム655に取り付けられているバーリンク軸659がバー昇降ガイドベース658の長孔658b、658cを案内として上下動することで、最終的にタイトルバー641が上下方向に移動させることができるといえる。
そうすると、バー昇降ガイドベース658及びその長孔658b、658cがタイトルバー641を上下に移動すなわち昇降することができるように案内しているものといえるから、刊行物1記載の発明における「バー昇降ガイドベース658及びその長孔658b、658c」を備えた「バー昇降駆動ユニット650」が本件補正発明の「前記可動役物を昇降可能に案内する第2ガイドを備えた第2案内機構」に相当する。

(カ)刊行物1記載の発明における「遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。

以上のことから、本件補正発明と刊行物1発明は以下の点で一致する。

「遊技に関する情報を表示する画像表示器と、
前記画像表示器の画面の前側に配設されて前記画面の一部を遮蔽可能である可動役物と、
前記画像表示器を昇降移動させる第1昇降駆動手段と、
前記画像表示器を昇降可能に案内する第1ガイドを備えた第1案内機構と、
前記可動役物を昇降可能に案内する第2ガイドを備えた第2案内機構とを備えた遊技機。」

一方、本件補正発明と刊行物1記載の発明は以下の点で相違する。

(相違点1)
画像表示器の画面の前側に配設されて前記画面の一部を遮蔽可能である可動役物について、本件補正発明は「前記画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材とこの可動部材を移動させる駆動手段を備え」ているのに対して、刊行物1記載の発明における可動役物は画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材とこの可動部材を移動させる駆動手段について特定されていない点。

(相違点2)
本件補正発明は「前記画面表示器の上昇を補助する補助機構」を備えているのに対して、刊行物1記載の発明は「前記画面表示器の上昇を補助する補助機構」を備えるものではない点。

(3)相違点に対する判断

ア 相違点1について

刊行物2記載の事項における「第1可動役物」は「第1作動位置のときには画面表示器16の前面に位置した状態にな」り、「第2可動役物」は「第2作動位置になるとその下端付近以外の部分が第1可動役物から現れて、画面表示器の前面に位置した状態になる」ことから、第1作動位置のときには画面表示器の前面に位置した状態になる第1可動役物は画面表示器の一部を遮蔽しており、全部が第1可動役物に重なっている第2退避位置から第2作動位置になるとその大部分が第1可動役物からはみ出して現れて画面表示器の前面に位置した状態になる第2可動役物は、第2作動位置では第1可動役物とは画面表示器の少なくとも別の一部を遮蔽しているということができる。
そうすると、刊行物2記載の事項における「第1可動役物(を備えた可動役物装置)」、「第2可動役物」、「第2役物駆動機構」が、それぞれ、本件補正発明の「前記画像表示器の画面の前側に配設されて(いる可動役物)」、「前記画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材」、「この可動部材を移動させる駆動手段」に相当する。

そして、刊行物1記載の発明における「タイトルバー641(可動構造物)」と、刊行物2記載の事項における「可動役物装置」は共に遊技機における画像表示器の前面に配設されて画面の一部を遮蔽可能である可動役物という点で技術的に共通するものである。
よって、刊行物1記載の発明におけるタイトルバー641(可動構造物)において、刊行物2記載の事項を適用して、画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材及び駆動手段を設け、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは当業者ならば容易になし得たものである。

イ 相違点2について

可動物を上昇させるための駆動手段を備えた遊技機において、該駆動手段により可動物の上昇を補助するための補助機構を備えることは、遊技機の技術分野においては周知技術である(例えば特開2012-100866号公報(【0051】の「 図6(b)および図7に示されるように、ベース部材65の前面には、そのモータ81の左側(ギヤボックス83の上側)の箇所に、付勢バネ68の円筒状の一端68aを回転自在に位置決め固定する固定部65cが前方に向かって突出形成されている。この付勢バネ68は、ゼンマイ状の定荷重バネと呼ばれるもので、通常のコイルバネとは違って、バネのストロークを長くしても引っ張り荷重がほぼ変わらない特性を有するバネである。この付勢バネ68は、上述した駆動機構によって第1の可動装置60(可動体61、可動ベース部64、追動体62など)を上方へ移動させる際の上昇力(駆動力)を補助するためのものである。」の記載)、特開2013-240655号公報(【0021】の「モータ60によって昇降駆動される第1の可動部材70の駆動力を第2の可動部材80に伝達するように構成している」、【0022】の「コイルバネ85は第2の可動部材が第1の可動部材に対して下降した位置から上昇する際に上昇方向へ付勢することによりモータの負荷を軽減させることができる」の記載)、特開2006-223659号公報(【0009】の「ユニット役物(12)は、演出用表示装置(6)を露出させる開口(11)と、該開口(11)の上部に配置されて昇降動作し得る演出用ユニット(25)と、該演出用ユニット(25)を演出上の所定の契機で昇降作動させる昇降作動装置(74)とを備え、前記昇降作動装置(74)は、前記演出用ユニット(25)を鉛直方向に平行移動し得るように支持する平行リンク機構(L)と、該平行リンク機構(L)に昇降移動力を付与する駆動装置(例えばM,69,70,71,87)と、該駆動装置による上昇力を補助する上昇力補助機構(76,77)とを備えてなる、ことを特徴とする遊技機」の記載を参照のこと)。
そして、刊行物1記載の発明の液晶表示装置41は、上下方向に移動するから可動物であるといえ、可動物の上昇を補助する補助機構が必要かどうかは、可動物の大きさや重量、駆動手段の大きさや駆動力等に基づき、当業者が必要に応じて行う適宜的選択事項にすぎない。
よって、刊行物1記載の発明において、液晶駆動ユニット610が液晶表示装置41を上昇させる際に、上記周知技術に示された補助機構を採用し、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは当業者ならば容易になし得たものである。

(4)小括
したがって、本件補正発明は、刊行物1記載の発明、刊行物2記載の事項及び周知技術に基づき当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、平成27年10月16日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、上記第2の1.において記載した次のとおりのものである。

「【請求項1】
遊技に関する情報を表示する画像表示器と、
前記画像表示器の画面の前側に配設された可動役物と、
前記画像表示器を昇降移動させる第1昇降駆動手段と、
前記画像表示器の上昇を補助する補助機構と、
前記画像表示器を昇降可能に案内する第1ガイドを備えた第1案内機構と、
前記可動役物を昇降可能に案内する第2ガイドを備えた第2案内機構とを備えたことを特徴とする遊技機。」

2.拒絶理由通知の概要
平成27年8月12日付け拒絶理由通知は、本願発明は、上記刊行物1である特開2014-128404号公報に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3項に該当し特許を受けることができない、及び刊行物1記載の発明に基づき特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

3.刊行物1記載の発明
刊行物1記載の発明の認定は前記「第2 平成28年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.独立特許要件」に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、本件補正発明における「可動役物」について、「前記画像表示器の画面の前側に配設されて前記画面の一部を遮蔽可能であると共に、前記画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材とこの可動部材を移動させる駆動手段を備えた」という記載から、前記第2の2.に記載したように「前記画面の一部を遮蔽可能であると共に、前記画面の他の一部を覆うように移動可能な可動部材とこの可動部材を移動させる駆動手段を備えた」という限定を削除したものである。

そうすると,本願発明と刊行物1記載の発明とを対比した相違点は、上記「第2 平成28年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定 3.独立特許要件」の「(2)本件補正発明と刊行物1記載の発明との対比」で検討した相違点2と同様のものになるから、上記「第2 平成28年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定 3.独立特許要件」の「(3)相違点に対する判断」で検討したとおり、本願発明は刊行物1記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易になし得たものであるといえる。

5.むすび
以上のとおり,本願発明は、刊行物1記載の発明及び周知技術に基づき当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-01-23 
結審通知日 2017-01-24 
審決日 2017-02-06 
出願番号 特願2014-155561(P2014-155561)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡崎 彦哉  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 金田 理香
川崎 優
発明の名称 遊技機  
代理人 岡村 俊雄  

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