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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08L
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08L
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08L
管理番号 1326966
異議申立番号 異議2016-700234  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-03-18 
確定日 2017-03-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5786327号発明「樹脂組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5786327号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-19〕について訂正することを認める。 特許第5786327号の請求項1ないし19に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯・本件異議申立の趣旨

I.本件特許の設定登録までの経緯
本件特許第5786327号(以下、単に「本件特許」という。)に係る出願(特願2010-273864号、以下「本願」という。)は、平成22年12月8日(優先権主張:平成21年12月14日、特願2009-282688号)に出願人味の素株式会社(以下「特許権者」ということがある。)によりなされた特許出願であり、平成27年8月7日に特許権の設定登録がなされたものである。

II.本件異議申立の趣旨
本件特許につき平成28年3月18日付けで特許異議申立人大石朋子(以下「申立人」という。)により「特許第5786327号の特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された発明についての特許は取り消されるべきものである。」という趣旨の本件異議申立がなされた。

III.以降の経緯
本件異議申立後の経緯は以下のとおりである。
平成28年 7月19日付け 取消理由通知
平成28年 9月14日 意見書(特許権者)・訂正請求書
平成28年10月27日付け 通知書(申立人あて)
平成28年11月25日 意見書(申立人)

第2 申立人が主張する取消理由
申立人は、本件特許異議申立書(以下「申立書」という。)において、下記甲第1号証ないし甲第7号証を提示し、取消理由として、概略、以下の(a)及び(b)が存するとしている。
なお、申立人は、平成28年11月25日付け意見書において、当業者の周知慣用技術を表す周知例としての下記甲第8号証ないし甲第11号証を追加して提示した。

(a)本件特許の請求項1ないし19に係る発明は、いずれも、甲第1号証ないし甲第7号証のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであって、それらの発明についての特許は、同法第29条に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。(以下「取消理由1」という。)
(b)本件特許の請求項1ないし19に関して、同各項の記載が不備であり、請求項1ないし19の各記載は、特許法第36条第6項第2号に適合するものではなく、同条同項(柱書)の規定を満たしていないから、請求項1ないし19に係る発明についての特許は、いずれも特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法第113条第4号の規定に該当し、取り消されるべきものである。(以下「取消理由2」という。)

・申立人提示の甲号証
<異議申立時>
甲第1号証:特開2007-291368号公報
甲第2号証:国際公開2007/099674号
甲第3号証:合成樹脂工業協会編「ネットワークポリマー」Vol.30,No.4(2009)p.192?199(平成21年8月10日発行)
甲第4号証:特開2008-198774号公報
甲第5号証:特開平11-71499号公報
甲第6号証:特開昭62-195014号公報
甲第7号証:特開2002-151848号公報
<平成28年11月25日付け意見書提出時>
甲第8号証:特開2001-339130号公報
甲第9号証:特開平9-102564号公報
甲第10号証:特開2004-175925号公報
甲第11号証:特開2001-210759号公報
(以下、それぞれ「甲1」ないし「甲11」と略していう。)

第3 平成28年9月14日付け訂正請求の適否

1.訂正請求の内容
上記平成28年9月14日付け訂正請求では、本件特許の特許請求の範囲を、請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?19について一群の請求項ごとに訂正することを求めるものであり、以下の(ア)及び(イ)の訂正事項を含むものである。(なお、請求項の数に変動はない。)

(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「(A)シアネートエステル樹脂、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂および(C)無機充填材を含有する樹脂組成物」と記載されているのを、「(A)シアネートエステル樹脂、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂および(C)表面処理剤で表面処理されている無機充填材を含有する樹脂組成物」に訂正する。
特許請求の範囲の請求項1に「樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(C)無機充填材の含有量が40質量%以上である」と記載されているのを、「樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(C)無機充填材の含有量が52質量%以上である」と訂正する。
(イ)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「(A)シアネートエステル樹脂の含有量が2?50質量%」と記載されているのを、「(A)シアネートエステル樹脂の含有量が2?40質量%」と訂正する。

2.検討
なお、以下の検討において、この訂正請求による訂正を「本件訂正」といい、本件訂正前の特許請求の範囲における請求項1ないし19を「旧請求項1」ないし「旧請求項19」、本件訂正後の特許請求の範囲における請求項1ないし19を「新請求項1」ないし「新請求項19」という。

(1)訂正の目的要件について
上記の各訂正事項による訂正の目的につき検討する。
上記訂正事項1は、旧請求項1における「無機充填材」について、「表面処理剤で表面処理されている」ものに限定するとともに、その「含有量」に係る範囲の下限値を上げることにより、当該範囲を減縮するものと認められる。
また、訂正事項2は、旧請求項2における「(A)シアネートエステル樹脂の含有量」について、その「含有量」に係る範囲の上限値を下げることにより、当該範囲を減縮するものと認められる。
してみると、上記訂正事項1及び2による訂正により、新請求項1及び2の特許請求の範囲が減縮されていることが明らかであって、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものであるから、新請求項1又は2を引用する新請求項3ないし19についても各請求項に係る特許請求の範囲が減縮されているものと認められる。
したがって、上記訂正事項1及び2による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定の目的要件に適合するものである。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更について
上記(1)に示したとおり、訂正事項1及び2による訂正により、新請求項1及び2の特許請求の範囲が減縮されていることが明らかであるから、上記訂正事項1及び2による訂正は、いずれも新たな技術的事項を導入しないものであり、また、特許請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものではないことが明らかである。
そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものである。
してみると、上記訂正事項1及び2による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定を満たすものである。

(3)小括
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-19〕について訂正を認める。

第4 本件特許に係る発明
上記第3で説示したとおり、上記本件訂正は適法であるから、本件特許の請求項1ないし19に係る発明は、訂正された請求項1ないし19にそれぞれ記載された事項で特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
(A)シアネートエステル樹脂、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂および(C)表面処理剤で表面処理されている無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(C)無機充填材の含有量が52質量%以上であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(A)シアネートエステル樹脂の含有量が2?40質量%、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂の含有量が1?40質量%であることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、(D)硬化促進剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、(E)エポキシ樹脂(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を除く)を含有することを特徴とする、請求項1?3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
さらに、(F)活性エステル硬化剤を含有することを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(F)活性エステル硬化剤を1?15質量%含有することを特徴とする、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
さらに、(G)フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする、請求項1?6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(G)フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の熱可塑性樹脂を0.1?10質量%含有することを特徴とする、請求項7に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
さらに、(H)ゴム粒子を含有することを特徴とする、請求項1?8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
(H)ゴム粒子がコアがポリブタジエンでシェルがスチレンとジビニルベンゼンの共重合体であるコアシェル型ゴム粒子であることを特徴とする、請求項9に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(H)ゴム粒子を1?10質量%含有することを特徴とする、請求項9に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
さらに、(J)ブロックイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、請求項1?11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
(J)ブロックイソシアネート化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートとクレゾールのブロックイソシアネート化合物及び/又はトリレンジイソシアネートとフェノールのブロックイソシアネート化合物であることを特徴とする、請求項12に記載の樹脂組成物。
【請求項14】
樹脂組成物の硬化物のピール強度が0.5kgf/cm?1.0kgf/cmであり、表面粗度が50nm?290nmであり、熱膨張率が5ppm?30ppmであることを特徴とする、請求項1?13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項15】
多層プリント配線板の絶縁層形成用であることを特徴とする、請求項1?14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項16】
請求項1?15のいずれか1項に記載の樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
【請求項17】
請求項1?15のいずれか1項に記載の樹脂組成物がシート状補強基材中に含浸されたプリプレグ。
【請求項18】
請求項1?15のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成された多層プリント配線板。
【請求項19】
請求項18に記載の多層プリント配線板を用いることを特徴とする、半導体装置。」
(以下、上記請求項1ないし19に係る各発明につき、項番に従い「本件発明1」ないし「本件発明19」という。また、併せて「本件発明」ということがある。)

第5 当審の判断
当審は、
申立人が主張する上記取消理由1及び2につきいずれも理由がないから、本件発明1ないし19についての特許はいずれも取り消すべきものとすることはできない、
と判断する。
以下、事案に鑑み、取消理由2、取消理由1の順に詳述する。

I.取消理由2について
取消理由2について、申立人が特に主張する点は、本件特許異議申立書の記載(第47頁)からみて、「本件発明1の『(C)無機充填材の含有量が40質量%以上である』」の「『40質量%以上』との表現は、下限だけで数値範囲を限定するものであり、上限は任意であるのだから・・(C)無機充填材の含有量が100%」である場合を含み、その場合に「(A)シアネートエステル樹脂、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂」が如何にして含み得るのか不明である。」ことをもって、「本件発明1?19は、特許を受けようとする発明が明確でない」というものであると認められる。
しかるに、本件発明1については、「(A)シアネートエステル樹脂、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂および(C)表面処理剤で表面処理されている無機充填材を含有する樹脂組成物」であるから、上記「(A)」成分及び「(B)」成分がそれぞれ有意量存在することが前提となっていることが自明であり、上記「(A)」成分又は「(B)」成分のいずれかを有意量含有していない態様を包含しないことも明らかである。
してみると、上記「(C)」成分の含有量範囲の上限は、「樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした」場合に、[100質量%-{(A)成分の含有量+(B)成分の含有量}]となることが当業者に自明であるから、当該「(C)」成分の含有量範囲の上限に係る具体的記載がない訂正後の本件請求項1の「(C)無機充填材の含有量が52質量%以上である」という記載であっても、同項の記載では、特許を受けようとする発明が明確でないとまでいうことはできない。
したがって、上記取消理由2については、理由がない。

II.取消理由1について

1.各甲号証の記載事項及び記載された発明
上記取消理由1は、本件特許が特許法第29条に違反してされたものであることに基づくものであるから、当該理由につき検討するにあたり、申立人が提示した甲1ないし7に記載された事項の摘示及び当該事項に基づく甲1及び甲4に係る引用発明の認定をそれぞれ行う。なお、各証の摘示における下線は、当審が付した。

(1)甲1の記載事項及び記載された発明

ア.甲1の記載事項
甲1には、以下の事項が記載されている。

(a-1)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)シアネートエステル樹脂、
(2)アントラセン型エポキシ樹脂、および
(3)熱可塑性樹脂
を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
シアネートエステル樹脂の含有量が、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し5?60質量%である、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
アントラセン型エポキシ樹脂の含有量が、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し1?50質量%である、請求項1または2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
熱可塑性樹脂の含有量が、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し1?60質量%である、請求項1?3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項5】
熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂である、請求項1?4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1?5のいずれか1項記載の樹脂組成物が支持フィルム上に層形成されてなる接着フィルム。
【請求項7】
請求項1?5のいずれか1項記載の樹脂組成物が繊維からなるシート状補強基材中に含浸されてなるプリプレグ。
【請求項8】
請求項1?5のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成されてなる多層プリント配線板。」

(a-2)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント配線板等の絶縁層形成に好適な樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、多層プリント配線板は、電子部品の実装密度を向上させるため、導体配線の微細化が進んでいる。多層プリント配線板の絶縁層に使用する樹脂組成物としては、例えば、シアネートエステル樹脂を含有する樹脂組成物が誘電特性に優れた絶縁層を形成できることが知られている。例えば、特許文献1には、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂およびフェノキシ樹脂を含有する多層プリント配線板用の樹脂組成物が開示されている。
【0003】
絶縁層上に高密度の微細配線を形成する方法としては、絶縁層表面を粗化処理後、無電解めっきで導体層を形成するアディティブ法や、無電解めっきと電解めっきで導体層を形成するセミアディティブ法などが知られている。これらの工法においては、一般に、アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による湿式粗化を経て、絶縁層表面に粗化面を形成させ、該粗化面にめっきにより導体層を形成する。この湿式粗化工程は、絶縁層にレーザー等によりビアホール等を形成する際に発生するスミアを溶解除去する工程(デスミア工程)も兼ねているが、スミアの除去が十分でないと導通不良等により歩留まりが低下する問題が生じる。
【0004】
また配線が高密度化された多層プリント配線板では、銅配線と絶縁層との熱膨張係数の違いによるクラック発生等の問題が生じやすくなるため、絶縁層の熱膨張率を低く抑えることが要求される。
【0005】
【特許文献1】WO03/099952公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者等の知見によれば、上記シアネートエステル樹脂を含有する樹脂組成物は、特にビアホール底に残存するスミアが溶解除去されにくい傾向にある。一方、スミア除去性を向上させるためにデスミア条件を厳しくした場合、絶縁層表面の粗度が大きくなるため、該表面上に形成される回路間の幅の制限も大きくならざるを得ず、高密度配線には不利となる。
【0007】
従って、本発明は、絶縁層形成に適したシアネートエステル樹脂を含有する樹脂組成物であって、ビアホール底のスミアの除去性および熱膨張率が改善された樹脂組成物を提供することを目的とする。」

(a-3)
「【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多層プリント配線板の絶縁層形成に好適なシアネートエステル樹脂を含有する樹脂組成物であって、熱膨張率が低く、かつスミアの除去が容易である有機絶縁層を形成可能な樹脂組成物が提供される。」

(a-4)
「【0012】
本発明において使用されるシアネートエステル樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル樹脂およびこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。より低い粗度を示す絶縁層を得るという観点から、ノボラック型シアネートエステル樹脂とビスフェノール型シアネートエステル樹脂とを混合して使用するのが好ましく、これらのプレポリマーの混合物でもよい。・・(中略)・・
【0014】
市販されているシアネートエステル樹脂としては、下式(1)で表されるフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製、PT30、シアネート当量124)、下式(2)で表されるビスフェノールAジシアネートがトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製、BA230、シアネート当量232)等が挙げられる。
・・(中略)・・
【0016】
樹脂組成物中のシアネートエステル樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し、好ましくは5?60質量%であり、より好ましくは20?40質量%である。シアネートエステル樹脂の含有量が少なすぎると、耐熱性が低下する傾向、熱膨張率が増加する傾向にある。シアネートエステル樹脂の含有量が多すぎると、ビアホール底のスミア除去性が低下する傾向にある。」

(a-5)
「【0017】
本発明において使用されるアントラセン型エポキシ樹脂は、分子内にアントラセン骨格を有するエポキシ樹脂である。アントラセン型エポキシ樹脂は、アントラセン骨格を有するものであれば特に限定されず、例えばアントラセン骨格には、アントラセンの他、アントラキノンなども含まれる。・・(中略)・・市販されているアントラセン型エポキシ樹脂の例としては、アントラキノン骨格を有するジャパンエポキシレジン(株)製のYX8800(エポキシ当量約178)等が挙げられる。
【0018】
樹脂組成物中のアントラセン型エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し、好ましくは1?50質量%であり、より好ましくは5?30質量%である。アントラセン型エポキシ樹脂の含有量が少なすぎると、絶縁層の穴あけ後のスミア除去性が低下する傾向や熱膨張率が増大する傾向にある。またアントラセン型エポキシ樹脂の含有量が多すぎると、絶縁層が脆くなる傾向にある。
【0019】
本発明の樹脂組成物においては、本発明の効果が発揮される範囲で、必要に応じてアントラセン型エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂とを併用してもよい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】
本発明におけるエポキシ樹脂においては、メッキ密着強度を高める観点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂)を併用するのが好ましい。ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を併用する場合の配合量は、アントラセン型エポキシ樹脂に対し、質量比で通常1:0.1?1:10、好ましくは1:1?1:5の範囲である。ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは250?20000であり、より好ましくは300?15000である。市販されているビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製のNC3000(エポキシ当量約291)、東都化成(株)製のGK3207(エポキシ当量約226)、ジャパンエポキシレジン(株)製のYX4000HK(エポキシ当量約190)などが挙げられる。
【0021】
シアネートエステル樹脂のシアネート当量と、アントラセン型エポキシ樹脂のエポキシ当量との比は、好ましくは1:0.5?1:3であり、より好ましくは1:0.5?1:1である。当量比が上記範囲外であると、絶縁層表面の粗化処理後の粗度が増大する傾向にある。なお、樹脂組成物中にシアネートエステル樹脂以外のシアネート基を有する化合物、アントラセン型エポキシ樹脂以外のエポキシ基を有する化合物が含まれる場合は、これらの化合物も含めてシアネート当量とエポキシ当量との比を上記の範囲内とするのが好ましい。すなわち、樹脂組成物全体のシアネート当量とエポキシ当量との比を1:0.5?1:3とするのが好ましい。」

(a-6)
「【0032】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じてさらに、当該組成物から得られる絶縁層の熱膨張率をより低下させるために無機充填材を添加してもよい。無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ・・(中略)・・などが挙げられ、特にシリカ、とりわけ球形のシリカが好ましい。無機充填材の平均粒径は、特に限定されるものではないが、絶縁層への微細配線形成の観点から好ましくは5μm以下である。
・・(中略)・・
【0034】
無機充填材は、シランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理してその耐湿性を向上させたものが好ましい。無機充填材の添加量は、樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し、通常0?50質量%、好ましくは20?40質量%の範囲である。無機充填材の含有量が多すぎると、硬化物が脆くなる傾向や、ピール強度が低下する傾向にある。」

(a-7)
「【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0056】
(実施例1)
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン(以下MEKと略す)溶液)40重量部、アントラセン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「YX8800」、エポキシ当量約178)の不揮発分50質量%のMEK溶液40重量部、ビフェニル骨格含有フェノキシ樹脂溶液(ジャパンエポキシレジン(株)製「YL6954BH30」、不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンとの混合溶液)20重量部、硬化触媒としてコバルト(II)アセチルアセトナート(以下Co(II)acacと略す)(東京化成(株)製)の1質量%のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液4質量部、および球形シリカ((株)アドマテックス製「SOC2」、平均粒子径0.5μm)40質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物ワニス(不揮発分中のシリカ含量は40質量%)を作製した。次に、かかる樹脂組成物ワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下PETフィルムと略す)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80?120℃(平均100℃)で6分間乾燥した(樹脂組成物層中の残留溶媒量:約1質量%)。次いで、樹脂組成物層の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着フィルムを幅507mmにスリット(slit)し、507×336mmサイズのシート状の接着フィルムを得た。
【0057】
(実施例2)
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマーを、フェノールノボラック型多官能シア
ネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量約124)
の不揮発分85質量%の石油ナフサ(沸点が180℃?217℃の分留物)溶液40重量
部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
【0058】
(実施例3)
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー40重量部を30重量部に変更し、さらにフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量約124)の不揮発分85質量%の石油ナフサ(沸点が180℃?217℃の分留物)溶液を10重量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
【0059】
(比較例1)
アントラセン型エポキシ樹脂をナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4032」、エポキシ当量約149)20重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを得た。
【0060】
(比較例2)
アントラセン型エポキシ樹脂をナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4032」、エポキシ当量約149)20重量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして接着フィルムを得た。
・・(中略)・・
【0063】
<熱膨張率の評価>
実施例1?3および比較例1?4で得られた接着フィルムを180℃で90分熱硬化させてシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、(株)リガク製熱機械分析装置(Thermo Plus TMA8310)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から150℃までの平均線熱膨張率を算出した。得られた結果を表1に示す。
【0064】
<ビアホールの残渣評価>
実施例1?3および比較例1?4で得られた接着フィルムについて、以下に従ってビアホールの残渣評価を行った。
(1)回路基板の作製
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.8mm、松下電工(株)製R5715ES]の両面にエッチングにより回路パターンを形成し、さらにマイクロエッチング剤(メック(株)製CZ8100)で粗化処理を行い、回路基板を作製した。
【0065】
(2)接着フィルムのラミネート
各実施例および各比較例で作製した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(商品名、名機(株)製)を用いて、上記(1)で作製した回路基板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、圧力0.74MPaでプレスすることにより行った。
【0066】
(3)樹脂組成物層の硬化
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、170℃、30分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して、絶縁層を形成した。
【0067】
(4)ビアホール形成
松下溶接システム(株)製CO2レーザー加工機(YB-HCS03T04)を使用し、周波数1000Hzでパルス幅13μ秒、ショット数3の条件で絶縁層を加工して、絶縁層表面における直径が60μm、絶縁層底面における直径が50μmのビアホールを形成した。
【0068】
(5)粗化処理
回路基板を、膨潤液であるアトテックジャパン(株)のスエリングディップ・セキュリガントPに80℃で10分間浸漬した。次に、粗化液であるアトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で20分間浸漬した。最後に、中和液であるアトテックジャパン(株)のリダクションソリューション・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。
【0069】
(6)ビアホール底部の残渣評価
ビアホールの底部の周囲を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、得られた画像からビアホール底部の壁面からの最大スミア長を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1中、○は最大スミア長が3μm未満、△は最大スミア長が3μm以上4μm未満、×は最大スミア長が4μm以上を表す。
【0070】
【表1】


【0071】
表1から、実施例1?3で得られた接着フィルムは、比較例1?4で得られた接着フィルムに比べて低い平均線熱膨張率を示し、さらにビアホールの残渣評価も良好であったことが分かる。
【0072】
(実施例4)
アントラセン型エポキシ樹脂40質量部を10質量部に変更し、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000」、エポキシ当量約291)の不揮発分70質量%の石油ナフサ(沸点が180℃?217℃の分留物)溶液20質量部およびコアシェルゴム粒子(三菱レイヨン(株)製「KS3406」、平均粒子径0.2μm)を4質量部加えたこと以外は、実施例3と同様にして接着フィルムを得た。
ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.8mm、松下電工(株)製R5715ES]の両面にマイクロエッチング剤(メック(株)製CZ8100)で粗化処理を行った。
上記で得られた接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(商品名、名機(株)製)を用いて、上記で粗化処理した積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、圧力0.74MPaでプレスすることにより行った。
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、170℃、30分の硬化条件で樹脂組成物層を硬化して、絶縁層を形成した。
積層板を、膨潤液であるアトテックジャパン(株)のスエリングディップ・セキュリガンドPに80℃で10分間浸漬し、次に、粗化液であるアトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で20分間浸漬し、最後に、中和液であるアトテックジャパン(株)のリダクションソリューション・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬し、粗化処理を行った。
非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、絶縁層表面のRa(10点平均粗さ)を求めたところ160nmであった。
積層板を、PdCl2を含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に浸漬した。150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、硫酸銅電解メッキを行い、25±10μmの厚さで銅層を形成した。次に、アニール処理を180℃にて30分間行った。積層板のメッキ銅層に、幅10mm、長さ100mmの矩形の切込みを入れ、この切込みの長手方向の一方の端部を剥がしてつかみ具で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mm引き剥がした時の荷重を測定した。その結果、メッキ銅層のメッキ引き剥がし強さ(ピール強度)は0.7kgf/cmであった。」

イ.甲1に記載された発明
上記甲1には、上記(a-1)ないし(a-7)の各記載(特に下線部参照)からみて、
「(1)樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し5?60質量%のシアネートエステル樹脂、
(2)樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し1?50質量%のアントラセン型エポキシ樹脂、
(3)樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し1?60質量%のフェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂、
(4)樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対して0?50質量%のシランカップリング剤などで表面処理した無機充填剤、及び
(5)他のエポキシ樹脂、硬化触媒及び難燃剤などの各種添加剤等の他の成分を含有する、多層プリント配線板の絶縁層形成に有用な樹脂組成物。」
に係る発明(以下「甲1発明1」という。)、
「甲1発明1の樹脂組成物が支持フィルム上に層形成されてなる接着フィルム。」
に係る発明(以下「甲1発明2」という。)、
「甲1発明1の樹脂組成物が繊維からなるシート状補強基材中に含浸されてなるプリプレグ。」
に係る発明(以下「甲1発明3」という。)、及び
「甲1発明1の樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成されてなる多層プリント配線板。」
に係る発明(以下「甲1発明4」という。)がそれぞれ記載されているものと認められる。

(2)甲4の記載事項及び記載された発明
事案に鑑み、次に甲4の記載事項及び記載された発明につき示す。

ア.甲4の記載事項
甲4には、以下の事項が記載されている。

(b-1)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シアネートエステル樹脂、
(B)分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
(C)無機充填材、
を必須成分とする多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物であって、樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、15?21ppmの範囲であり且つ、樹脂組成物の最低動的粘度が、4000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂組成物の硬化物は、動的粘弾性試験におけるガラス転移温度が200℃以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物の硬化物は、250℃における弾性率が0.65GPa以上である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)シアネートエステル樹脂は、80℃における粘度が15?550mPa・sの範囲である請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記(C)無機充填材は、予め表面処理された球状シリカを含む請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記予め表面処理された球状シリカの含有量は、全無機充填材中の5?50重量%である請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記予め表面処理された球状シリカの表面処理剤が、官能基含有シラン類、環状オリゴシロキサン類、オルガノハロシラン類、およびアルキルシラザン類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項5または6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記官能基含有シラン類が、エポキシシラン、(メタ)アクリルシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、ビニルシラン、イソシアネートシラン、ウレイドシラン、(5-ノルボルネン-2-イル)アルキルシラン、およびフェニルシランからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項7に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物より構成される絶縁樹脂層をフィルム上または金属箔上に積層してなるフィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シート。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シートを内層回路板の内層回路パターンが形成された面に重ね合わせて積層する工程、前記絶縁樹脂層をレーザー照射により開孔する工程、及び導体回路層を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法。
【請求項11】
前記フィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シートを内層回路板の内層回路パターンが形成された面に重ね合わせて積層する工程は、真空下で加熱加圧ラミネートを用いて行う工程である請求項10に記載の多層プリント配線板の製造方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の製造方法により得られる多層プリント配線板。
【請求項13】
請求項12に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。」

(b-2)
「【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、フィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法および半導体装置に関するものである。
・・(中略)・・
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前記多層プリント配線板の絶縁層を形成した場合に、線熱膨張係が15?21ppm、且つ最低動的粘度が、4000Pa・s以下の樹脂組成物を提供する。また、加工性に優れるフィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シート、並びに、前記絶縁樹脂シートを用いた信頼性に優れた薄型で、微細配線回路形成が可能な多層プリント配線板およびその製造方法、更には前記多層プリント配線板を用いた信頼性に優れる半導体装置を提供することである。
・・(中略)・・
【発明の効果】
【0007】
本発明は、
(A)シアネートエステル樹脂、
(B)分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
(C)無機充填材
を必須成分とする多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物であって
前記樹脂組成物よりなる硬化物の線熱膨張係数が15?21ppmであり、樹脂組成物の最低動的粘度が、4000Pa・s以下であるの樹脂組成物を提供するものである。本発明の樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を有するフィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シートを用いた本発明の多層プリント配線板製造方法により、成形性が良好であり、高強度で、絶縁層間の接続信頼性に優れ、前記多層プリント配線板よりなる半導体装置は低反りである。」

(b-3)
「【0011】
本発明の樹脂組成物に用いる(A)シアネートエステル樹脂は、特に限定されないが、例えばハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これにより、耐熱性を向上させることができる。
・・(中略)・・
【0014】
前記(A)シアネートエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、(C)無機充填材を除く、前記樹脂組成物全体の10?90重量%が好ましく、特に25?75重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると絶縁樹脂層を形成するのが困難となる場合があり、前記上限値を超えると絶縁樹脂層の強度が低下する場合がある。」

(b-4)
「【0015】
本発明の樹脂組成物に用いる(B)エポキシ樹脂は、分子内に3つ以上のエポキシ基を有していれば特に限定されない。例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂などを挙げることができる。この中でも特にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
【0016】
前記(B)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、(C)無機充填材を除く前記樹脂組成物全体の10?90重量%が好ましく、特に25?75重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると樹脂組成物の硬化性が低下したり、得られる製品の耐湿性が低下したりする場合があり、前記上限値を超えると低熱膨張性、耐熱性が低下する場合がある。」

(b-5)
「【0017】
本発明の樹脂組成物に用いる(C)無機充填材は、特に限定されないが、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、・・(中略)・・等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらの中でも特に、シリカが好ましく、溶融シリカが低熱膨張性に優れる点で好ましい。また、破砕状、球状のシリカが存在するが、樹脂組成物の溶融粘度を下げる点において、球状シリカが好ましい。
【0018】
前記球状シリカは、さらに予め表面処理する処理剤で処理されたものであることが好ましい。前記処理剤は、官能基含有シラン類、環状オリゴシロキサン類、オルガノハロシラン類、およびアルキルシラザン類からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物であることが好ましい。
【0019】
また、前記処理剤の中でも、オルガノハロシラン類およびアルキルシラザン類を用いて球状シリカの表面処理することは、シリカ表面を疎水化するのに好適であり、前記樹脂組成物中における球状シリカの分散性に優れる点において好ましい。通常の官能基含有シラン類と、前記オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類の組合せで使用する場合、いずれを先に表面処理に用いても良いが、オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類を先に分散させる方が、球状シリカ表面に有機物親和性を与え、次の官能基含有シラン類の表面処理を効果的にすることができるので好ましい。ここで用いる通常の官能基含有シラン類と、前記オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類の使用量の比は、500/1?50/1(重量比)であることが好ましい。前記範囲を外れると機械的強度が低下する場合がある。
【0020】
前記官能基含有シラン類は、特に限定されないが、例えば・・(中略)・・などを挙げることができる。これらの官能基含有シラン類は、(C)無機充填材の分散性向上および樹脂組成物の最低動的粘度を4000Pa・s以下を維持するために好適に選択される。
・・(中略)・・
【0024】
前記球状シリカを予め表面処剤を用い処理する方法は、公知の方法により行うことができる。・・(中略)・・
【0026】
前記(C)無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01?5.00μmであることが好ましい。さらに好ましくは0.1?2.0μmである。(C)無機充填材の平均粒子径が前記下限値未満であると、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂ワニスを調製する際に、樹脂ワニスの粘度が高くなるため、フィルム付きまたは、金属箔付き絶縁樹脂シートを作製する際の作業性に影響を与える場合がある。一方、前記上限値を超えると、樹脂ワニス中で(C)無機充填材の沈降等の現象が起こる場合がある。(C)無機充填材の平均粒子径を前記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れたものとすることができる。
・・(中略)・・
【0028】
前記(C)無機充填材の含有量は、前記樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が、15ppm?21ppmになるように調整し含有する。(C)無機充填材の含有量は前記樹脂組成物全体の40?85重量%であれば、硬化物の線熱膨張係数を、15ppm?21ppmに調製することができる。さらに好ましくは(C)無機充填材の含有量が55?75重量%とすることで、低吸水性を付与する効果が発現できる。
【0029】
前記予め表面処理された球状シリカの含有量は、全無機充填材中の5?50重量%であることが好ましい。これにより成形性および機械強度に優れる。前記下限値未満では、機械強度が低下する恐れがある。また、前記上限値より多いと、無機充填材が凝集し成形性が低下する恐れがある。」

(b-6)
「【0030】
本発明の樹脂組成物は、さらに熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。これにより、前記樹脂組成物から得られる硬化物の機械強度を向上させることができる。
【0031】
前記熱可塑性樹脂は、例えば、フェノキシ系樹脂、オレフィン系樹脂などを挙げることができるが、本発明は何らこれらに限定されない。単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でも、フェノキシ系樹脂が好ましい。これにより、耐熱性および難燃性を向上させることができる。」

(b-7)
「【0033】
前記樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤を用いても良い。前記硬化促進剤は、特に限定されないが、例えばイミダゾール化合物、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。」

(b-8)
「【0042】
本発明の樹脂組成物は、さらにポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマ-、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエン等のジエン系エラストマーを適宜併用しても良い。
【0043】
また、本発明の樹脂組成物は、樹脂の相溶性、安定性、作業性等の各種特性向上のため、各種添加剤、例えば、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、顔料、染料、消泡剤、難燃剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、揺変性付与剤、増粘剤等を適宜添加しても良い。」

(b-9)
「【0062】
・・(中略)・・
(実施例1)
1、樹脂組成物の製造
(A)シアネートエステル樹脂としてノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセットPT-15、80℃粘度35mPa・s)40重量部、(B)分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、EOCN-120-80)40重量部、(C)無機充填材として球状シリカ(アドマテックス社製、SO-25R、平均粒子径0.5μm)155重量部、硬化促進剤として1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール(四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.5重量部、その他の成分としてフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP4275)20重量部、添加剤としてエポキシシラン化合物(GE東芝シリコーン株式会社製、A-187)2重量部とを、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用いて60分間撹拌して、固形分約65重量%の樹脂ワニスを調製した。尚、樹脂組成物中の(C)無機充填材の比率は60.2重量%であった。
【0063】
2、フィルム付き絶縁樹脂シートの製造
前記で得られた樹脂ワニスを、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(三菱ポリエステルフィルム社製、ダイアホイルMRX-50)の片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の樹脂層が40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾燥装置で10分間乾燥して、フィルム付き絶縁樹脂シートを製造した。
【0064】
実施例1の樹脂組成物に関して、次の測定を行い、樹脂組成物の物性値を表1に示した。尚、各物性値を求めるのに用いた装置、並びに測定条件を以下に示す。
【0065】
<線熱膨張係数>
前記で得られたフィルム付き絶縁樹脂シートよりフィルムを除去し、続いて窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間、加熱硬化した樹脂組成物をサンプルとした。
熱機械測定装置(TAインスツルメント社製)を用い、窒素雰囲気下、引っ張りモードで昇温速度10℃/min、温度25?300℃、荷重5g、2サイクル測定を行った。線熱膨張係数は、2サイクル目の温度25?100℃における平均線熱膨張係数とした。
・・(中略)・・
【0070】
1、内層回路および絶縁樹脂層の形成
総厚さが0.3mmで銅箔厚さが18μmの両面銅張り積層板(住友ベークライト(株)製ELC-4765GS)を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO-G)をスプレー吹きつけすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。次に前記で得られたフィルム付き絶縁樹脂シートを内層回路上に真空積層装置を用いて積層した。
次にキャリアフィルムを剥離し、温度170℃、時間60分間加熱し、絶縁樹脂層を半硬化させた。尚、フィルム付き絶縁樹脂シートを積層する条件は、温度100℃、圧力1MPa、時間30秒とした。
【0071】
2、レーザー加工および外層回路の形成
次に、炭酸レーザー装置を用いてφ60μmの開口部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に20分浸漬後、中和して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製AQ-2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX-1100SM-AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
【0072】
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81-HL)を3A/dm^(2)、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R-100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
【0073】
次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD-485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に絶縁層を温度200℃時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成し多層プリント配線板を得た。
・・(中略)・・
【0076】
前記で得られたフィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置について、以下の評価項目の評価を行った。また、その結果を表2に示す。
・・(中略)・・
【0078】
(2)絶縁樹脂層間の接続信頼性
絶縁樹脂層間の接続信頼性は、前記で得られた多層プリント配線板を、温度30℃、湿度70%の雰囲気下で196時間放置後、260℃リフローを3回行い、温度サイクル試験(-40℃、125℃各30分、さらしなし)を行い、100サイクル毎に導通テストして、不良発生サイクルで評価した。
各符号は以下の通りである。
◎:良好 800サイクル以上
○:実質上問題なし 500?800サイクル
△:実質上使用不可 100?500サイクル
×:使用不可 100サイクル未満
【0079】
(3)実装信頼性
実装信頼性は、前記で得られた半導体装置を、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後、260℃リフローを3回行い、超音波深傷検査装置で半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損を価した。
各符号は以下の通りである。
◎:良好 剥離、バンプ欠損なし
○:実質上問題なし アンダーフィル周辺に微小剥離のみ、バンプ欠損なし
△:実質上使用不可 10%以上の剥離およびバンプ欠損
×:使用不可 80%以上の剥離、およびバンプ欠損
・・(中略)・・
【0082】
(実施例3)
実施例1で用いた球状シリカ155重量部を、球状シリカを165重量部、予めN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理された球状シリカ(アドマテックス社製、SC2050-KMF、平均粒子径0.5μm、溶剤カット65重量%)30重量部に変更した以外は、実施例1と同じように、フィルム付き絶縁樹脂シートを作製し、樹脂組成物の物性値を測定し、表1に示した。またその後、実施例1同様、フィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を評価し、その結果を表2に示した。尚、樹脂組成物中の(C)無機充填材の比率を65.5重量%であった。
【0083】
(実施例4)
実施例1で用いた球状シリカ155重量部を球状シリカ60重量部、予めN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理された球状シリカ(アドマテックス社製、SC2050-KMF、平均粒子径0.5μm、溶剤カット65重量%)135重量部に変更した以外は、実施例1と同じように、フィルム付き絶縁樹脂シートを作製し、樹脂組成物の物性値を測定し、表1に示した。またその後実施例1同様、フィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を評価し、その結果を表2に示した。尚、樹脂組成物中の(C)無機充填材の比率を65.5重量%であった。
・・(中略)・・
【0086】
(実施例7)
実施例1で用いた球状シリカ155重量部を球状シリカ60重量部、予めヘキサメチルジシラザンで表面処理された球状シリカ(アドマテックス社製、SC2050-KMH、平均粒子径0.5μm、溶剤カット65重量%)135重量部に変更した以外は、実施例1と同じように、フィルム付き絶縁樹脂シートを作製し、樹脂組成物の物性値を測定し、表1に示した。またその後、実施例1同様、フィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を評価し、その結果を表2に示した。尚、樹脂組成物中の(C)無機充填材の比率を65.6重量%であった。
【0087】
(実施例8)
シクロヘキサノン中に65重量%の濃度で高速分散させながら球状シリカに対して約1重量%の3-グリドキシプロピルトリメトキシシランを5分かけて逐次添加した後、約1時間攪拌する方法で処理したシリカを用い、実施例1で用いた球状シリカ155重量部を、球状シリカを60重量部、前記表面処理された球状シリカ(アドマテックス社製、SO-25R、平均粒子径0.5μm)135重量部に変更した以外は、実施例1と同じように、フィルム付き絶縁樹脂シートを作製し、樹脂組成物の物性値を測定し、表1に示した。またその後、実施例1同様、フィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を評価し、その結果を表2に示した。尚、樹脂組成物中の(C)無機充填材の比率を65.5重量%であった。
【0088】
(実施例9)
実施例1で用いた球状シリカ155重量部を、球状シリカ162.5重量部、予め3-メルカプトプロピルトリメトキシシランで表面処理された球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SC2050-KLM、平均粒子径0.5μm、溶剤カット60重量%)32.5重量部に変更した以外は、実施例1と同じように、フィルム付き絶縁樹脂シートを作製し、樹脂組成物の物性値を測定し、表1に示した。またその後、実施例1同様、フィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を評価し、その結果を表2に示した。尚、樹脂組成物中の(C)無機充填材の比率を65.5重量%であった。
【0089】
(比較例1)
実施例1で用いた球状シリカ155重量部を、球状シリカを70重量部に変更した以外は、実施例1と同じようにフィルム付き絶縁樹脂シートを作製し、樹脂組成物の物性値を測定し、表1に示した。またその後、実施例1同様、フィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、半導体装置を評価し、その結果を表2に示した。尚、樹脂組成物中の無機充填材の比率を40.6重量%であった。
・・(中略)・・
【0092】
表1に実施例1?9及び比較例1?3の樹脂組成物の特性を、表2に実施例1?9及び比較例1?3のフィルム付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板及び半導体装置の評価結果を示した。
【0093】
【表1】


【0094】
【表2】


【0095】
表1から明らかなように、実施例1?9は、線熱膨張係数、ガラス転移温度、250℃の弾性率が高く、最低動的粘度が良好な値であった。その結果、フィルム付き絶縁樹脂シートは加工性(ラミネート性)に優れていた。また多層プリント配線板の接続信頼性、半導体装置の実装信頼性に優れ、半導体装置の反りも小さなものであった。これに対して、比較例1は、線熱膨張係数が大きくなった。また加工性は良好であるものの、多層プリント配線板の接続信頼性、半導体装置の実装信頼性が低下し、半導体装置の反りも大きいものであった。比較例2は樹脂の最低溶融粘度が高いため加工性に劣るため、多層プリント配線板の接続信頼性、半導体装置の実装信頼性が低下した。比較例3は樹脂のガラス織布を含んでいるため最低溶融粘度が高く、加工性に劣るため接続信頼性、実装信頼性がやや劣る結果ととなった。また、実施例1?9の250℃における弾性率は、比較例3のガラス織布入りの弾性率同等程度であったことから十分な強度が維持できていると考えられる。」

(2)甲4に記載された発明
上記甲4には、上記(b-1)ないし(b-9)の各記載(特に下線部参照)からみて、
「(A)シアネートエステル樹脂10?90重量%及び(B)分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂10?90重量%を含有する樹脂組成物に、更に(C)表面処理された無機充填材を樹脂組成物全体の40?85重量%となるように含有するとともに、必要に応じて、フェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂、イミダゾール化合物などの硬化促進剤、エラストマーなどの樹脂及び難燃剤などの各種添加剤を含有する、樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数が15?21ppmの範囲である多層プリント配線板用絶縁樹脂組成物。」
に係る発明(以下「甲4発明1」という。)、
「甲4発明1の樹脂組成物より構成される絶縁樹脂層をフィルム上又は金属箔上に積層してなるフィルム付き又は金属箔付き絶縁樹脂シート。」
に係る発明(以下「甲4発明2」という。)、
「甲4発明2のフィルム付き又は金属箔付き絶縁樹脂シートを内層回路板の内層回路パターンが形成された面に重ね合わせて積層する工程、前記絶縁樹脂層をレーザー照射により開孔する工程、及び導体回路層を形成する工程を含む製造方法により得られる多層プリント配線板。」
に係る発明(以下「甲4発明3」という。)及び
「甲4発明3の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。」
に係る発明(以下「甲4発明4」という。)がそれぞれ記載されているものと認められる。

(3)他の各甲号証の記載事項
甲2、甲3及び甲5ないし甲7には、それぞれ申立人が本件異議申立書で主張するとおりの事項が記載されている。

ア.甲2
甲2には、申立人が申立書第11頁第20行?第13頁第3行及び同書第45頁第23行?第46頁第5行でそれぞれ主張するとおりの事項が記載されている。

イ.甲3
甲3には、申立人が申立書第13頁第4行?第12行で主張するとおりの事項が記載されている。

ウ.甲5
甲5には、申立人が申立書第22頁第18行?第28行で主張するとおりの事項が記載されている。

エ.甲6
甲6には、申立人が申立書第34頁第30行?第35頁第9行及び同書第37頁第19行?第23行でそれぞれ主張するとおりの事項が記載されている。

オ.甲7
甲7には、申立人が申立書第35頁第10行?第18行で主張するとおりの事項が記載されている。

2.対比・検討

(1)本件発明1について

ア.甲1発明に基づく検討
甲1に記載された発明を主たる引用発明とする本件発明1に関する取消理由1につき検討すると、本件発明1と甲1発明1とは、下記の点で相違し、その余で一致するものと認められる。

相違点1:本件発明1では、「樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(C)表面処理剤で表面処理されている無機充填材の含有量が52質量%以上である」のに対して、甲1発明1では、「(4)シランカップリング剤などで表面処理した無機充填剤の含有量」が「樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対して0?50質量%」である点
相違点2:「エポキシ樹脂」につき、本件発明1では、「(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂」であるのに対して、甲1発明1では、「(2)アントラセン型エポキシ樹脂の樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し1?50質量%」及び「(5)他のエポキシ樹脂」である点

しかるに、上記相違点1につき検討すると、甲4にも記載されている(【0028】)とおり、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂及び無機充填剤を含有する硬化性樹脂組成物において、樹脂組成物の硬化物の線熱膨張係数を15ppm?21ppmの適当な低い範囲に調整するために樹脂組成物全体の40?85重量%の範囲で無機充填剤を使用することが、本願出願前(優先日前)における当業者に少なくとも公知の技術であるから、甲1発明1において、硬化物の線熱膨張係数を低いものとするために、上記公知技術に基づき、樹脂組成物全体の52?85重量%の範囲で無機充填剤を更に増量して使用することは、当業者が適宜なし得ることである。
してみると、上記相違点1は、甲1発明1において、当業者が適宜なし得ることである。
次に、上記相違点2につき検討すると、上記甲2及び甲3にもそれぞれ開示されている(各甲号証の申立人摘示部分参照)とおり、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が、硬化物の難燃性、耐熱性、硬化性並びに低熱膨張性などの物性に優れた半導体装置用又は回路基板装置用のエポキシ樹脂として有用であることが当業者に周知の技術であるから、甲1発明1において、硬化物の上記各物性の改善を意図して、上記当業者の周知技術に基づいて、「(2)アントラセン型エポキシ樹脂の樹脂組成物(不揮発分100質量%)に対し1?50質量%」に加えて併用する「(5)他のエポキシ樹脂」として、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を更に使用することに係る一応の動機は存するものと認められる。
しかしながら、本件発明1の効果につき検討すると、甲1には、甲1発明1の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層について、表面粗度Ra160nm及び銅メッキ層のピール強度0.7kgf/cmが達成されたことが記載されている(【0072】)ところ、特許権者が平成28年9月14日付け意見書において提示した「<比較実験例>」の結果(意見書第3頁第20行?第5頁第4行)からみて、使用するエポキシ樹脂につき、本件発明1に係る「ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂」を、同重量の甲1発明1に係る「アントラセン型エポキシ樹脂」に代えた場合に、同一の測定方法によるピール強度及び表面粗度に係る効果が明らかに低下するものと認められるから、本件発明1において、使用する「エポキシ樹脂」として、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を特に選択したこと、すなわち上記相違点2に係る事項による低表面粗度及びメッキ金属層のピール強度に係る効果につき格別顕著なものということができる。
なお、上記本件発明の効果につき、他の各甲号証の記載を参酌しても、上記効果の顕著性を否定するような事項が存するものとは認められない。
してみると、本件発明1は、上記相違点2に係る事項により、甲1発明1に係る効果から、当業者が予期し得ない顕著な効果を奏しているものと認めることができる。
したがって、本件発明1は、当業者が甲1発明1に基づき、容易に発明をすることができたものということはできない。

イ.甲4発明に基づく検討
甲4に記載された発明を主たる引用発明とする本件発明1に関する取消理由1につき検討すると、本件発明1と甲4発明1とは、下記の点でのみ相違し、その余で一致するものと認められる。

相違点2’:本件発明1では、「(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂」であるのに対して、甲4発明1では、「(B)分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂」である点

しかるに、上記相違点2’につき検討すると、上記甲2及び甲3にもそれぞれ開示されている(各甲号証の申立人摘示部分参照)とおり、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が、硬化物の難燃性、耐熱性、硬化性並びに低熱膨張性などの物性に優れた半導体装置用又は回路基板装置用のエポキシ樹脂として有用であることが本願出願前(優先日前)における当業者に周知の技術であるから、甲4発明1において、硬化物の上記各物性の改善を意図して、上記当業者の周知技術に基づいて、「(B)分子内に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂」として、分子内に3つ以上のエポキシ基を有するナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を使用することに係る一応の動機は存するものと認められる。
しかしながら、本件発明1の効果につき検討すると、甲4には、甲4発明1の組成物の硬化物からなる絶縁層について、表面粗度及び銅メッキ層のピール強度につき開示されておらず、また、上記甲2及び甲3の開示を検討しても、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を使用したことにより、硬化物からなる絶縁層について、表面粗度及び銅メッキ層のピール強度につき改善されることは開示されていないことから、甲4発明1に対して、甲2及び甲3の開示事項を組み合わせても、本件発明1における低表面粗度及びメッキ金属層のピール強度に係る効果について、当業者が予期し得るものとは認められない。
なお、上記本件発明の効果につき、他の各甲号証の記載を参酌しても、上記効果の顕著性を否定するような事項が存するものとは認められない。
してみると、本件発明1における、使用する「エポキシ樹脂」としてナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を特に選択したこと、すなわち上記相違点2’に係る事項による低表面粗度及びメッキ金属層のピール強度に係る効果につき格別顕著なものということができるから、本件発明1は、上記相違点2’に係る事項により、甲4発明1に係る効果から、当業者が予期し得ない顕著な効果を奏しているものと認めることができる。
したがって、本件発明1は、当業者が甲4発明1に基づき、容易に発明をすることができたものということはできない。

ウ.小括
以上のとおり、本件発明1は、上記甲1又は甲4に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件発明1に係る上記取消理由1については理由がない。

(2)本件発明2ないし19について
本件発明1を直接的又は間接的に引用する本件発明2ないし19につき検討すると、上記(1)で説示したとおり、本件発明1が、甲1発明1又は甲4発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないのであるから、本件発明1を引用する本件発明2ないし19についても、甲1発明1及び甲1発明1を引用する甲1発明2ないし4又は甲4発明1及び甲4発明1を引用する甲4発明2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
したがって、本件発明2ないし19に係る上記取消理由1についてもいずれも理由がない。

3.申立人の主張について
なお、申立人は、平成28年11月25日付け意見書において、上記甲8ないし11を周知例として新たに提示し、「(表面処理剤で表面処理されている)無機充填材を52質量%以上の組成比で使用すること」が当業者の周知技術であるとして、取消理由1につき依然として成立する旨を主張しているが、上記甲8ないし11は、上記相違点2又は2’の事項による効果の顕著性につき立証するものではないから、上記意見書における主張は、上記2.の検討結果を左右するものではない。

4.取消理由1に係る検討のまとめ
以上のとおりであるから、本件発明1ないし19に係る取消理由1は、いずれも理由がない。

第6 むすび
以上のとおり、申立人が主張する取消理由1及び2によって、本件の請求項1ないし19に係る発明についての特許につき、取り消すことはできない。
また、ほかに、本件の請求項1ないし19に係る発明についての特許につき、取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シアネートエステル樹脂、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂および(C)表面処理剤で表面処理されている無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(C)表面処理剤で表面処理されている無機充填材の含有量が52質量%以上であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(A)シアネートエステル樹脂の含有量が2?40質量%、(B)ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂の含有量が1?40質量%であることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、(D)硬化促進剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、(E)エポキシ樹脂(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を除く)を含有することを特徴とする、請求項1?3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
さらに、(F)活性エステル硬化剤を含有することを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(F)活性エステル硬化剤を1?15質量%含有することを特徴とする、請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
さらに、(G)フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする、請求項1?6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(G)フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、及びポリエステル樹脂から選択される1種以上の熱可塑性樹脂を0.1?10質量%含有することを特徴とする、請求項7に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
さらに、(H)ゴム粒子を含有することを特徴とする、請求項1?8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
(H)ゴム粒子がコアがポリブタジエンでシェルがスチレンとジビニルベンゼンの共重合体であるコアシェル型ゴム粒子であることを特徴とする、請求項9に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、(H)ゴム粒子を1?10質量%含有することを特徴とする、請求項9に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
さらに、(J)ブロックイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、請求項1?11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項13】
(J)ブロックイソシアネート化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートとクレゾールのブロックイソシアネート化合物及び/又はトリレンジイソシアネートとフェノールのブロックイソシアネート化合物であることを特徴とする、請求項12に記載の樹脂組成物。
【請求項14】
樹脂組成物の硬化物のピール強度が0.5kgf/cm?1.0kgf/cmであり、表面粗度が50nm?290nmであり、熱膨張率が5ppm?30ppmであることを特徴とする、請求項1?13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項15】
多層プリント配線板の絶縁層形成用であることを特徴とする、請求項1?14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項16】
請求項1?15のいずれか1項に記載の樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
【請求項17】
請求項1?15のいずれか1項に記載の樹脂組成物がシート状補強基材中に含浸されたプリプレグ。
【請求項18】
請求項1?15のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成された多層プリント配線板。
【請求項19】
請求項18に記載の多層プリント配線板を用いることを特徴とする、半導体装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-02-21 
出願番号 特願2010-273864(P2010-273864)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08L)
P 1 651・ 121- YAA (C08L)
P 1 651・ 537- YAA (C08L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 久保 道弘  
特許庁審判長 小野寺 務
特許庁審判官 大島 祥吾
橋本 栄和
登録日 2015-08-07 
登録番号 特許第5786327号(P5786327)
権利者 味の素株式会社
発明の名称 樹脂組成物  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
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