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審決分類 審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:なし  G06Q
管理番号 1326984
異議申立番号 異議2017-700022  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-01-12 
確定日 2017-03-30 
異議申立件数
事件の表示 特許第5952462号発明「予約管理装置、予約管理方法および予約管理プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5952462号の請求項1?5に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5952462号の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成27年5月25日に特許出願され、平成28年6月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人遠藤義彦により特許異議の申立てがされたものである。

2.本件発明
特許第5952462号の請求項1?5の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されるとおりのものである。

3.申立理由の概要
特許異議申立人遠藤義彦は、証拠として電子通信回線を通じて公衆が利用可能になった記事(1)「SELECTブログ/[予約フォーム]予約フォーム作成の始め方」、2014年7月8日、セレクトタイプ、<https://select-type.com/blog/yoyakuform-tukurikata/start-yoyakuform-sakusei/>(以下「甲第1号証の1」という。)(2)「SELECTブログ/[予約フォーム]『予約の種類』とは?/個別に予約枠や受付時間を設定する」、2014年7月17日、セレクトタイプ、<https://select-type.com/blog/yoyakuform-tukurikata/start-yoyakunosyurui/>(以下「甲第1号証の2」という。)(3)「SELECTブログ/予約フォームの『イベント受付タイプ』で学校・塾・習い事の授業管理予約システムを作る」、2015年3月23日、セレクトタイプ、<https://select-type.com/blog/help /school-reserve-calender-setting/>(以下「甲第1号証の3」という。)(4)「SELECTブログ/『営業時間タイプ』とは?/予約フォームのタイプ」、2015年5月9日、セレクトタイプ、<https://select-type.com/blog/yoyakuform-tukurikata/eigyou-jikan-type-yoyaku-form/>(以下「」という。)(5)「予約フォーム&予約システム」、2016年、セレクトタイプ、<https://select-type.com/ reserve.php/>(以下「甲第1号証の5」という。)(6)「運営元情報」、2016年、セレクトタイプ、<https://select-type.com/ info/>(以下「甲第1号証の6」という。)(7)特開2005-293276号公報(以下「甲第2号証」という。)(8)特開2002-163527号公報(以下「甲第3号証」という。)(9)特開2002-230384号公報(以下「甲第4号証」という。)(10)特開2002-49807号公報(以下「甲第5号証」という。)を提出し、請求項1?5に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?5に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

4.刊行物の記載
(1)甲第1号証
(ア)甲第1号証の1には、
「「SELECT」で、予約フォームを作成する際に、最初に業種選択を行うと、「業種選択」タイプに応じて“サンプルデータ”が初期セットされる。」ことが記載されている。
(イ)甲第1号証の2には、
「「SELECT」の予約フォームには「予約の種類」という設定項目があり、病院の利用シーンでは、「初診」「再診」を予約の種類として登録され、飲食店の利用シーンとして「通常の予約」「1時間コース」「2時間コース」「3時間コース」という予約の種類が登録されること。」が記載されている。
(ウ)甲第1号証の3には、
「「SELECT」で学校・塾・習い事の授業管理システムを作り、ピンポイントでしてした日付に受付枠を作り、補講、特別授業、お試し授業を予約すること。」が記載されている。
(エ)甲第1号証の4には、
「「SELECT」予約受付タイプには『営業時間タイプ』『イベント受付タイプ』を設定でき、『営業時間タイプ』は、予約受付が可能な時間の範囲なら、自由に何時からでも予約を受け付けるものであり、『イベント受付タイプ』は、学校の授業のような『時間割』に近いサービス内容の予約を受け付けるものであること。」が記載されている。
以上のことから、
甲第1号証には、
「「SELECT」予約受付タイプには『営業時間タイプ』『イベント受付タイプ』を設定でき、『営業時間タイプ』は、予約受付が可能な時間の範囲なら、自由に何時からでも予約を受け付けるものであり、『イベント受付タイプ』は、学校の授業のような『時間割』に近いサービス内容の予約を受け付け、
「SELECT」の予約フォームには「予約の種類」という設定項目があり、病院の利用シーンでは、「初診」「再診」を予約の種類として登録され、飲食店の利用シーンとして「1時間コース」「2時間コース」「3時間コース」という予約の種類が登録され、学校・塾・習い事では、補講、特別授業、お試し授業を予約でき、
「SELECT」で、予約フォームを作成する際に、最初に業種選択を行う
予約管理装置」の発明が記載されている。

(2)甲第2号証には、
(ア)「【0022】
以降、本発明の情報共有システムの実施形態を詳細に説明する。
<1.システム構成>
まず、本実施形態の情報共有システムの全体構成を、図1を参照しながら説明する。
図1において、デジタルマップ・サーバ110,WEBサーバ120,共有データサーバ130は、本実施形態の情報共有システムのサーバである。また、例えば自己の商品やサービスその他の情報を提供する者(以降「出展者」という)の端末(以降「出展者端末」という)140,および出展者の情報を利用する者(以降「利用者」という)の端末(以降「利用者端末」という)150が、インターネットなどのネットワーク160を介して、サーバに接続している。出展者は自己の情報を提示するコンテンツを作成してサーバに登録し、利用者は登録されたコンテンツを検索、閲覧して情報を利用することができる。
デジタルマップ・サーバ110には、デジタルマップ111およびデジタルマップ・システム112を格納している。本実施形態において、デジタルマップ111は地図の画像
を一定のサイズに分割した画像ファイルと、それぞれの画像ファイルの位置情報とを格納しているライブラリである。この画像ファイルのファイル形式は、例えばJPEGなどである。デジタルマップ・システム112は、端末からの要求により、デジタルマップ111から画像ファイルを読み出して、端末の画面に表示するための表示用画像を生成する処理を行なうシステムである。デジタルマップ111およびデジタルマップ・システム112については後で詳しく説明する。」
(イ)「【0033】
<3.カテゴリ構成>
本実施形態では、コンテンツをWebサーバ120に登録する際に、「カテゴリ」を指定して登録する。カテゴリの構成はあらかじめ決められている。本実施形態のカテゴリは、メイン・カテゴリである「クラス1カテゴリ」と、クラス1カテゴリをさらに詳細に分けたサブ・カテゴリである「クラス2カテゴリ」とで構成されている。
図4は、本実施形態におけるクラス1カテゴリの構成例である。図4に示すように、本実施形態では「情報・通信」「交通」「観光」「フード」「住まい・暮らし」「娯楽・趣味」「医療・美容」「スポーツ・健康」「教育・資格」「サービス・相談」の、10個のクラス1カテゴリがある。各クラス1カテゴリには、0?9の「クラス1カテゴリNo.」が振られている。
また、図5はクラス1カテゴリ「観光」(クラス1カテゴリNo.は「2」)に対応するクラス2カテゴリの構成例である。「観光スポット」「ツアー」「ホテル・旅館」「ペンション・民宿」「テーマパーク」「温泉」「その他」の7個のクラス2カテゴリがあり、各クラス2カテゴリには、1?6,および9(「その他」)の「クラス2カテゴリNo.」が振られている。なお、図4および図5に示した構成は本実施形態における例であり、カテゴリはシステムに応じて自由に決定してよい。
本実施形態では、コンテンツをWebサーバ120に登録する際に、コンテンツを所属
させたいカテゴリを選んで登録する。このため、利用者がコンテンツを検索する際にカテゴリを検索条件とすることができ、目的のコンテンツを探しやすい。」
(ウ)「【0042】
(6-2.サービス・プロパティ)
上述したように、サービス・プロパティとは、カテゴリごとに定められた項目群である。例えば、カテゴリが「観光」-「ホテル・旅館」であれば、各部屋に関する情報(部屋タイプ、設備、宿泊料金などの項目)などである。図11は、クラス1カテゴリが「観光」、クラス2カテゴリが「ホテル・旅館」の場合のサービス・プロパティの項目の例(各部屋に関する情報)である。また、金額(Money)に関する項目(図11ではMoney1(宿泊料金)を例示している)は検索用サイトでの検索対象となる。同様に、カテゴリに応じて、Time(サービスの提供開始時刻),Term(例えばサービスの提供時間帯),Date(例えばイベントの日付や商品の販売期間)の各項目を設けることができる。
本実施形態では、このように、Time,Term,Money,Dateの各項目を標準化して、電子パンフレットインデックス133に格納している。このため、利用者はカテゴリや位置によるコンテンツの検索だけでなく、カテゴリや位置を指定しなくても、時間・日付・金額などを(単独、あるいは組み合わせて)自由に指定してコンテンツを検索することができる。」
(エ)「【0056】
図21?図27はある宿泊施設の電子パンフレットの例(予約機能を備えている例)である。
図21はトップ画面の例である。トップ画面には例えば宿泊施設の名称やキャッチフレーズ、連絡先などを掲載する。この画面の例では、画面を上下2つのブロックに分割してそれぞれにページを表示している。図22は交通案内を表示した画面の例である。2つに分割した下のブロックに交通案内のページを表示している。表示されている地図は、例えば上述した出展者の専用マップ(ステージ9のデジタルマップ)である。図23は料理の案内を表示した画面の例である。図22,23の画面に表示されている情報は、電子パンフレット作成時に出展者が入力した情報である。また、図24?図27は予約画面の例である。ここでも各画面を複数のブロックに分割して、各ページ(プラン紹介ページ、予約の入力ページ、空室状況の表示ページなど)を表示している。上述したように、本実施形態では電子パンフレットの各ページ(出展者が作成時に指定したページ)のページ送りを
、出展者が選んだエフェクトで自動再生する。
図24?図27の予約画面の例において、図24では、サービス内容表示部2410は宿泊プランの説明が表示されている。宿泊プランの説明は、電子パンフレットを作成する際に出展者が入力した事項である。また、空室状況表示部2420には現在の空室状況を表示している。空室状況の表示は、電子パンフレットにあらかじめ備えられている機能である。利用者が宿泊設定入力部2430で宿泊日や宿泊人数などを入力し、次の画面(図25)のオプション入力部2530でその他のオプションなどを選択して、「予約」ボタン2542をクリックすると、図26に示す予約者情報入力画面を表示する。
さらに利用者は図26の予約者情報入力画面で、個人・団体の別や、氏名・住所などの個人情報を入力する。「確認画面に進む」2610をクリックすると、図27の確認画面に遷移し、表示された予約内容を確認して、訂正する場合は「内容の変更」ボタン2710をクリックして入力をやり直し、予約する場合には「送信する」ボタン2720をクリックする。「送信する」ボタン2720がクリックされると、取引種別が「予約」であるトランザクションが生成されて、共有データサーバ130の取引履歴トランザクション135に登録される。また、利用者がまだ「顧客」となっていない場合(本実施形態の情報共有システムで初めて商品の注文やサービスの予約などを行なう場合)には、図26で個人情報の欄に入力された利用者の情報が、共有データサーバ130の顧客マスタ137に登録される。」
(オ)「【0059】
(2)基本データの登録
図18のトップ画面で「A」ボタン1812をクリックすると、図28に示す基本データ登録画面2800に遷移する。基本データ登録画面2800は、アップローダー144で商品・サービスの管理をするための各種設定をしたり、共有データサーバ130の電子パンフレットインデックス133へのデータの登録や更新を行なったりするための画面である。なお、共有データサーバ130の電子パンフレットインデックス133へのデータの登録や更新を行なう際には、出展者端末140の電子パンフレットインデックス143への登録や更新も行なわれ、双方は常に同じ状態になっている。以降についても、同様である。
基本データ登録画面2800では「グループ」「プラン」「ランク」「単価」「Dレート(ディスカウントレート)」「カテゴリー」「オプション」「キーワード」「文書」「画像」の設定ができる。これらはそれぞれ「グループ」タグ2801?「画像」タグ2891をクリックしてそれぞれの設定欄(図28では「グループ」の設定欄2802)を表示し、入力欄(図28では「グループ」の入力欄2803)に入力する。説明欄(図28では「グループ」の説明欄2804)には説明や入力の仕方などのテキストが表示される。「更新」ボタン(図28では「グループ」の「更新」ボタン2805)をクリックすると、設定内容を出展者端末140の記憶領域に記憶する。これらの設定はアップローダー144で使用される。なお、後述の「単価」「カテゴリー」「オプション」「キーワード」において「更新」ボタンをクリックした場合には、電子パンフレットインデックス133を更新する。「商品の登録へ」ボタン(図28では「グループ」の「商品の登録へ」ボタン2806)をクリックすると、後述の図29に示す商品登録画面2900に遷移する。
「グループ」は、商品やサービスを分類するグループ、「プラン」は、商品やサービスのプラン(例えば宿泊プランなど)「ランク」は人気商品や注目商品などのランクを設定する設定欄である。ここで設定された情報は、例えば販売集計(アップローダーの機能である)に利用したり、電子パンフレットの作成時に読み出して使用することができる。
「単価」は商品・サービスの定価や単価などを設定する設定欄である。ここで設定された価格情報は、電子パンフレットインデックス133,商品マスタ139に登録される。「Dレート」は商品・サービスのディスカウントレートを設定する設定欄である。ディスカウントレートを設定した商品やサービスの価格は、単価からレート計算されて、電子パンフレットインデックス133,商品マスタ139に登録される。「オプション」は商品・サービスに付属する商品やサービス(例えば、宿泊施設のオプションサービス)の価格などを設定する設定欄である。
「カテゴリー」は、コンテンツのカテゴリーを選択する設定欄、「キーワード」は、コンテンツのキーワードを設定する設定欄である。ここで設定されたカテゴリーおよびキーワードは電子パンフレットインデックス133に登録され、検索用サイトでの検索対象となる。
「文書」は、商品・サービスの説明を入力する設定欄である。「画像」は商品・サービスの写真などの画像を加工(例えば、電子パンフレット用のサイズに変更する)して保存・管理するための設定欄である。これらの設定欄で設定された説明や画像は、例えば、電子パンフレットの作成時に表示用のテキストや画像として使用できる。」(下線は、当審による。)
以上のことから、甲第2号証には、
「情報共有システムは、出展者端末140,利用者端末150が、インターネットなどのネットワーク160を介して、サーバに接続していて、
共有する情報には、クラス1カテゴリ「観光」に対応するクラス2カテゴリである「観光スポット」「ツアー」「ホテル・旅館」「ペンション・民宿」「テーマパーク」「温泉」「その他」の7個のクラス2カテゴリがあり、
空室状況の表示は、電子パンフレットにあらかじめ備えられている機能であり、利用者が宿泊設定入力部2430で宿泊日や宿泊人数などを入力し、次の画面(図25)のオプション入力部2530でその他のオプションなどを選択して、「予約」ボタン2542をクリックすると、図26に示す予約者情報入力画面を表示し、
「単価」は商品・サービスの定価や単価などを設定する設定欄で、「オプション」は商品・サービスに付属する商品やサービス(例えば、宿泊施設のオプションサービス)の価格などを設定する設定欄である
空き室予約を行うシステム」の発明が記載されている。

(3)甲第3号証
(ア)「【0027】図1に示されるように、この代行システム1は、ネットワーク3に顧客9の有する端末機5、加盟店11の有する加盟店サーバ7、サービス提供サーバ8及びサービス代行サーバ(代行業者)13等が接続される。」
(イ)「【0052】図8は、予約対象リソースデータベース53を示す図である。予約対象リソースとは、加盟店11が先着型予約、抽選型予約、時間枠予約等の予約サービスを行うときに、この予約サービスで取扱う商品等の情報である。」
(ウ)「【0200】固定時間帯枠型431は、あらかじめ決められた固定時間枠を先着型で予約受け付けをする。フリー時間帯枠型433は申込み者が任意の時間帯で予約できる。日付予約型435は1日単位で予約を受け付ける。オークション型437は、定員枠に対して期間限定で提示額とともに申込みを受け付け、高い額をつけた申込み者から定員枠分の申込みを受け付け、決済する。」
(エ)「【0242】図62から図64は、予約対象リソース登録管理画面603、623を示す図である。ボード名称647は、サービス名であり、ここでは、加盟店11が提供するサービス「ゲームサーバの予約」である。説明649は、このサービスについてのコメントを記入する。加盟店11の管理者は更に時間予約のオプション設定として、予約対象リソース登録管理画面603に、予約可能期間と時間帯651、予約対象除外日653、最低利用時間・予約単位時間・最大連続利用時間・最低間隔時間655、予約制限657、売上確定タイミング659、キャンセル可能期限661、キャンセル料663、その他のオプション665、予約時の顧客入力項目667等を入力する。さらに予約対象リソース登録管理画面623には、サービスのリソースID669、リソース名称671、リソース数673、ステータス675、料金体系677等を入力する。」
(オ)「【0246】予約時の顧客入力項目667には、顧客9が時間枠予約画面607で入力する項目を設定する。例えば、加盟店11が、会議室管理を行うサービス事業者である場合、「会議室予約ボード」の時間枠予約画面607を作成する場合に、顧客入力項目667に「利用人数」を設定すると、時間枠予約画面607(後述する、図65の記入枠681)に、「利用人数」を入力する項目が自動的に作成される。」
(カ)「【0248】ステータス675は、該当するサービスの状態、「受付中」「受け付け前」等を示す。料金体系677は、該当するサービスの基本利用料金や単位料金等を示す。例えば基本利用料金100円、15分当たりの利用料金500円、等と指定する。」

(キ)「【0255】顧客9は、日付選択部679から予約日付を選択し、記入枠681において、予約対象、開始時間等の項目を入力し、予約ボタン617をクリックして予約を行う(ステップS1714)。尚、日付選択部679は、希望するカレンダの日付をクリックしてもよいし、直接日付を入力する形式でもよい。また、予約状況683の、未予約部分をクリックすることで、予約する型式でもよい。」(下線は、当審による。)

以上のことから、甲第3号証には、
「代行システム1は、ネットワーク3に顧客9の有する端末機5、加盟店11の有する加盟店サーバ7、サービス提供サーバ8及びサービス代行サーバ(代行業者)13等が接続され、
予約対象リソースとは、加盟店11が先着型予約、抽選型予約、時間枠予約等の予約サービスを行うときに、この予約サービスで取扱う商品等の情報であり、
固定時間帯枠型431は、あらかじめ決められた固定時間枠を先着型で予約受け付けをする。フリー時間帯枠型433は申込み者が任意の時間帯で予約でき、
加盟店11が、サービス提供者である場合、「ゲームサーバの予約」において、顧客入力項目667に「利用人数」を設定すると、時間枠予約画面607(後述する、図65の記入枠681)に、「利用人数」を入力する項目が自動的に作成され、予約対象リソース登録管理画面623には、サービスのリソースID669、リソース名称671、リソース数673、ステータス675、料金体系677等を入力でき、
顧客9は、日付選択部679から予約日付を選択し、記入枠681において、予約対象、開始時間等の項目を入力し、予約ボタン617をクリックして予約を行う代行システム。」の発明が記載されている。

(4)甲第4号証
(ア)「【0046】店舗テーブルは、会社名、店舗名、住所、電話番号、電子メールアドレス、その他の各種情報を格納することが出来る。料金テーブルには、各店舗ごとの料金を、サービス内容ごとに格納するためのものであり、さらには曜日別、時間帯別、スタッフ別、リソース別等の料金を設定し格納しておくことが出来る。また予約テーブルは、各店舗ごと、さらにはスタッフごとに、日付及び時間帯ごとに予約状況に関する情報を格納しておくためのものである。またリソーステーブルとは、各店舗ごとに、サービスに付随する特定の条件であるリソースを格納するためのものである。リソースとは、例えば、美容院における特定の美容師の指定、又はレストランにおける特定のテーブルの指定などにおける、美容師やレストランのテーブルに相当するもので、人、物、場所などの種類がある。これは、商品やサービス内容とは別なものでそれらに付随するものであり、その有無によって商品やサービスの価値が左右されるものであるので、本発明における予約において指定出来るようにしたのである。またリソーステーブルには、各店舗ごとの、例えば、販売員、営業担当者、保守担当者、サービス担当者、美容師などスタッフに関する情報を登録しておくものである。また各スタッフごとの勤務日、勤務時間や、その他の情報を格納しておくことが出来る。」(下線は、当審による。)が記載されている。

(5)甲第5号証
(ア)「【0013】宿泊サービス希望者がペット持ち込みを希望するなど、そのままでは予約の受け入れが出来ない場合には、宿泊サービス提供者は受け入れ可能な予約条件を提示して予約管理設備1に通信回線Sを介して送信する。予約管理設備1ではそれを記憶部5に記憶すると共に、宿泊サービス希望者の端末装置13に通信回線Sを介して予約条件の送信をする。宿泊サービス希望者がその条件を受け入れれば、改めてその条件で宿泊サービスの予約をする。予約は通信回線Sを介して予約管理設備1に行い、予約管理設備1ではそれを記憶部5に記憶すると共に、宿泊サービス提供者の端末装置15に通信回線Sを介して送信する。宿泊サービス提供者はその予約を受け付け、予約管理設備1に通信回線Sを介して予約確定の送信を行う。予約管理設備1ではそれを記憶部5に記憶すると共に、宿泊サービス希望者の端末装置13に通信回線Sを介して予約確定の送信をする。これによって予約の契約が成立する。」(下線は、当審による。)が記載されている。

5.判断
(1)請求項1に係る発明について
(ア)理由1について
a.甲第1号証
異議申立書第45頁第16?第24行には、「相違点1:本件発明1では、「少なくとも、前記予約受付者が提供するサービスの内容を特定するメニュー項目、および前記サービスを提供する際の資源となるリソースを前記予約受付者に登録させる」のに対し、引用発明1では、「ヨガ教室クラス」,「体験レッスン」からなる予約フォームは本件補正発明1の「メニュー項目」に一応相当し、また、「初診」,「再診」、「1時間コース」,「2時間コース」,「3時間コース」、「補講」,「特別授業」や「お試し授業」からなる「予約の種類」は「本件発明1の「リソース」に対応するものの,「予約受付者が提供するサービスの内容を特定するメニュー項目」と「サービスを提供する際の資源となるリソース」とが明確に分かれていない点。」と記載されている。
この記載について検討する。
本特許明細書段落番号0034には、「予約受付者が提供するサービスの内容を特定するメニュー項目、サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」と記載されていて、「「初診」,「再診」、「1時間コース」,「2時間コース」,「3時間コース」、「補講」,「特別授業」や「お試し授業」からなる「予約の種類」」は、「サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」ではないから、請求項1に係る発明の「リソース」には相当しない。
したがって、甲第1号証には、「リソース」に相当する構成が記載されていない。
b.甲第2号証
異議申立書の第35頁第13行?第16行には、「引用発明2の「グループ」および「プラン」は、本件発明1の「メニュー項目」に相当し,また,引用発明2における「単価」及び「オプション」等の「各部屋に関する情報(部屋タイプ,設備,宿泊料金などの項目)は本件発明1の「リソース」に相当する。」と記載されている。
この記載について検討する。
4.(2)(オ)の記載からみて、「単価」は、サービスの金額であって、「サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」とはいえない。また、「オプション」は商品・サービスに付属する商品やサービス(例えば、宿泊施設のオプションサービス)の価格などを設定するためのものであって、請求項1に係る発明のサービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)であって、予約受付者が予約受付者端末を介して選択した業種・業態に対応付けて予め設定され、登録可能な内容として、予約受付者に対して提示される「リソース」とはいえない。
「部屋タイプ,設備」は、予約受付者が設定したリソースといえるものではあるが、電子パンフレットの検索インデックスの項目として用いられるものであって、請求項1に係る発明のサービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)であって、予約受付者が予約受付者端末を介して選択した業種・業態に対応付けて予め設定され、登録可能な内容として、予約受付者に対して提示される「リソース」とはいえない。
c.甲第3号証
異議申立書第35頁第29行?第36頁第2行には、「引用発明3の「予約時の顧客入力項目667」,「予約対象リソース」は、本件発明1の「メニュー項目」,「リソース」にそれぞれ相当する」と記載されている。
4.(3)(エ)、(カ)の記載からみて、「予約対象リソース登録管理画面623」で登録されるリソースは、「サービスのリソースID669、リソース名称671、リソース数673、ステータス675、料金体系677等」であり、このリソースは、予約サービスで取り扱う商品の情報であるから、これらはいずれも「サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」とはいえない。
したがって、甲第1号証の発明に対して、甲第2号証、甲第3号証を適用したところで請求項1に係る発明にはならない。
(イ)理由2について
異議申立書第48頁ウには、「引用発明2の「グループ」および「プラン」は、本件発明1の「メニュー項目」に相当し,また,引用発明2における「単価」及び「オプション」等の「各部屋に関する情報(部屋タイプ,設備,宿泊料金などの項目)は本件発明1の「リソース」に相当する」と記載されているが、5.(1)(ア)b.で述べたように、「「単価」及び「オプション」等の「各部屋に関する情報(宿泊料金などの項目)」は、請求項1に係る発明の「リソース」に相当しない。「部屋タイプ,設備」は、予約受付者が設定したリソースといえるものではあるが、電子パンフレットの検索インデックスの項目として用いられるものであって、請求項1に係る発明のサービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)であって、予約受付者が予約受付者端末を介して選択した業種・業態に対応付けて予め設定され、登録可能な内容として、予約受付者に対して提示される「リソース」とはいえない。
また、5.(1)(ア)a.とc.で述べたように、甲第1号証、甲第3号証にも、請求項1に係る発明の「リソース」に相当する構成はないから、甲第2号証には、甲第1号証、甲第3号証を適用したところで請求項1に係る発明にはならない。
(ウ)理由3について
異議申立書第52頁ウには、「引用発明3の「予約時の顧客入力項目667」,「予約対象リソース」は、本件発明1の「メニュー項目」,「リソース」にそれぞれ相当する」と記載されているが、5.(1)(ア)c.で述べたように、甲第3号証の「予約対象リソース」は、「サービスのリソースID669、リソース名称671、リソース数673、ステータス675、料金体系677等」の予約サービスで取り扱う商品の情報であって、請求項1に係る発明の「リソース」とはいえない。
また、5.(1)(ア)a.とb.で述べたように、甲第1号証、甲第3号証には、請求項1に係る発明の「リソース」に相当する構成はない。
a.甲第4号証
異議申立書第39頁第28行?第29行には、「甲第4号証に記載された技術の「リソース」及び「料金」は,本件発明1の「リソース」に相当する。」と記載されている。
「料金」については、「サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」とはいえない
4.(4)(ア)の記載からみて、当該「リソース」は、予約において指定できるものではあるが、請求項1に係る発明のサービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)であって、予約受付者が予約受付者端末を介して選択した業種・業態に対応付けて予め設定され、登録可能な内容として、予約受付者に対して提示される「リソース」とはいえない。
b.甲第5号証
異議申立書第43頁第1行?第2行には、「甲第5号証に記載された技術の「料金」及び「受け入れ可能な予約条件」は,本件発明1の「リソース」に相当する。」と記載されている。
「料金」については、「サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」とはいえないし、「受け入れ可能な予約条件」についても、4.(5)(ア)に記載されているような「宿泊サービス希望者がペット持ち込みを希望するするなど、そのままでは予約の受け入れが出来ない場合」に提示する受け入れ可能な予約条件が、「サービスを提供する際の資源(例えば、人、設備、備品等)となるリソース」に係る条件であるとの記載はなく、この予約条件は、請求項1に係る発明の「リソース」とはいえない。
甲3号証に甲第1号証、甲第3号証を組み合わせ、さらに、甲第4号証、甲第5号証を組み合わせてもても、請求項1に係る発明にはならない。

(2)請求項2及び3、請求項4、請求項5に係る発明について
請求項2及び3に係る発明は、上記請求項1に係る発明を更に限定したものであるから、請求項1についての判断と同様の理由により、上記甲第1号証?甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証、甲第5号証に記載された技術的事項から当業者が容易になし得るものではない。
また、請求項4は請求項1の構成を方法カテゴリーとして記載したものであり、請求項5も請求項1の構成をプログラムカテゴリーとして記載したものであるから、上記請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、上記甲第1号証?甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証、甲第5号証に記載された技術的事項から当業者が容易になし得るものではない。
以上のとおり、請求項1?5に係る発明は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証、甲第5号証に記載された技術的事項からから当業者が容易に発明をすることができたものではない。

6.むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-03-22 
出願番号 特願2015-105639(P2015-105639)
審決分類 P 1 651・ - Y (G06Q)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山下 剛史  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 貝塚 涼
石川 正二
登録日 2016-06-17 
登録番号 特許第5952462号(P5952462)
権利者 株式会社リクルートホールディングス
発明の名称 予約管理装置、予約管理方法および予約管理プログラム  
代理人 伊藤 健太郎  
代理人 大貫 敏史  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 江口 昭彦  
代理人 内藤 和彦  

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