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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1327552
審判番号 不服2016-1177  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-27 
確定日 2017-04-27 
事件の表示 特願2011-235179「見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月16日出願公開、特開2013- 92934〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成23年10月26日に出願された特許出願であって,平成27年3月4日付けで拒絶理由が通知され,同年5月8日に意見書の提出とともに手続補正がされたが,同年10月23日付けで拒絶査定がされ,これに対して,平成28年1月27日に拒絶査定不服審判の請求がされ,その後,当審において,平成28年10月25日付けで拒絶理由を通知したところ,平成28年12月2日に意見書の提出とともに手続補正がされたものである。

第2 本願発明の進歩性の有無について

1 本願発明

本願の請求項1ないし5に係る発明は,平成28年12月2日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものであり,そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,次のとおりのものと認める。

「 【請求項1】
所定の商品,サービス,イベントのいずれかに関するWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと,
前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと,
前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した,顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベースと,
ネットワークを介した顧客のリクエストに応じて,前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータをリクエストした顧客に送信するサーバと,
を有し,
前記サーバは,
前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して,顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し,
前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に,当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに,当該顧客の前記Webサイト内での,紹介された,商品サービス,イベントの閲覧,前記商品に対する購入見込み,前記サービスに対する申し込み見込み,前記イベントに対する参加見込み,前記商品の購入のいずれかに対するアクセスのログを収集し,顧客毎の行動ログとして前記第3のデータベースに記憶し,
前記第3のデータベースに記憶された顧客毎の前記行動ログを基に,前記顧客の,商品サービス,イベントの閲覧,前記商品に対する購入見込み,前記サービスに対する申し込み見込み,前記イベントに対する参加見込み,前記商品の購入のいずれかに対する,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度に応じて,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する,
見込み顧客抽出システム。」

2 当審拒絶理由の概要

平成28年10月25日付けで当審より通知した拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)の概要は,次のとおりである。

「1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

●理由1(進歩性)について

・請求項 1
・引用文献等 1-2
・備考
(・・・途中略・・・)
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2004-78291号公報
2.特開2002-24700号公報」

3 引用文献の記載事項

(1) 引用文献1の記載事項と引用発明

ア 引用文献1の記載事項

当審拒絶理由において引用された特開2004-78291号公報(以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている(下線は,当審において付したものである。)。

(ア) 「【0002】
【従来の技術】
インターネット等のネットワークを利用した情報の交換が一般化した今日において,BtoBと呼ばれる企業間の取引や営業活動においても,ネットワークを利用して情報を交換する傾向にある。商品やサービスの提供を行う情報提供側の企業は,自社の商品やサービス等について各種情報を掲載したウェブページを記憶した情報提供システムを予め用意し,ネットワークを介して顧客となる利用者に対して各種情報を提供している。」

(イ) 「【0023】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した一実施形態を図1?図12に従って説明する。
図1は本発明の一実施形態のシステム概略図である。本実施形態では,商品やサービスの提供を行う情報提供側の企業が将来的に顧客となりうる者,即ちいわゆる見込み客に対して情報を提供する場合に用いる,見込み客情報管理方法及び見込み客情報管理プログラムとして説明する。
【0024】
本実施形態では,情報提供側企業は,見込み客に対して商品やサービスに関する情報の提供を行う。この情報の提供は,図1に示すように,情報提供システム20を用いて行われる。この情報提供システム20は情報を提供するコンピュータシステムであり,図示しない制御手段(CPU),記憶手段(RAM,ROM,ハードディスク等),通信手段(ケーブル,モデム等)等を備える。この情報提供システム20には,情報を提供するためのプログラムや各見込み客に対応したメールを送信するための各種プログラムが格納されている。
【0025】
また,情報提供システム20は,商品やサービス等に関する各種の情報提供サービスを行うために,図1に示すように,インターネットIを介して利用者端末10及び関係者端末11に接続されている。利用者端末10及び関係者端末11は,見込み客とその関係者が使用するコンピュータ端末である。見込み客とその関係者は同じ組織に所属し,組織内のローカルIPアドレスとは別に,同じグローバルIPアドレスを共有している。このグローバルIPアドレスは,利用者端末10及び関係者端末11が,図示しないファイアウォール等を介して外部のネットワークに接続するときに,外部のサーバに認識されるIPアドレスである。
【0026】
利用者端末10及び関係者端末11は,図示しない制御手段(CPU),記憶手段(RAM,ROM,ハードディスク等)や通信手段(ケーブル,モデム等),入力手段(キーボード等),出力手段(ディスプレイ等)を備えている。また,利用者端末10及び関係者端末11は,電子メールを表示するプログラム(電子メールプログラム等)やウェブページを表示等するためのプログラム(ブラウザプログラム等)等の各種プログラムを格納している。このため,利用者端末10及び関係者端末11は,図示しないプロキシサーバやメールサーバ等を介して,情報提供システム20に送信された電子メールを受信し,インターネットIを介して情報提供システム20にアクセスすることが可能である。
【0027】
情報提供システム20には,図1に示すように,見込み客情報管理システム30が接続されている。この見込み客情報管理システム30は,情報提供側企業に対して見込み客に関する情報を提供するためのコンピュータシステムである。見込み客情報管理システム30は,図示しない制御手段(CPU),記憶手段(RAM,ROM,ハードディスク等),通信手段(ケーブル,モデム等)等を備える。この見込み客情報管理システム30には,情報を管理するための各種プログラムが格納されている。
【0028】
見込み客情報管理システム30は,見込み客の情報提供等を行うために,図1に示すように,インターネットIを介して情報提供側企業の各営業担当端末40に接続されている。この営業担当端末40は,営業担当者が使用するコンピュータ端末である。この営業担当端末40は,図示しない制御手段(CPU),記憶手段(RAM,ROM,ハードディスク等)や通信手段(ケーブル,モデム等),入力手段(キーボード等),出力手段(ディスプレイ等)等を備えている。また,この端末には見込み客情報を管理するための各種プログラム(ブラウザプログラム等)が格納されている。」

(ウ) 「【0030】
提供情報記憶手段としての提供情報データ記録部21には,図2に示すように見込み客に提供するキャンペーン情報等の商品情報に関する商品情報データ210が記憶される。本実施形態では,商品情報データ210には提供する情報毎に情報識別子,カテゴリ識別子,情報ページに関するデータが相互に関連付けられて記憶されている。情報識別子データ領域には,提供情報毎に割り当てられた識別子に関するデータが記憶される。本実施形態では,URLが使用されるが,情報のタイトル等を情報識別子として使用してもよい。カテゴリ識別子データ領域には,提供情報に対応した商品群カテゴリに関するデータが記憶される。例えば,「ノートパソコン」,「デスクトップパソコン」等の分類名である。情報ページデータ領域には,見込み客に提供する情報の内容に関するデータが記憶されている。本実施形態では,この情報ページはHTML(Hyper Text Markup Language)により作成されている。」

(エ) 「【0031】
対象見込み客データ記録部22には,図3に示すように対象見込み客属性データ220が記憶される。この対象見込み客属性データ220には,情報提供の対象者である見込み客に関する情報が記憶される。この対象見込み客属性データ220には,情報提供システム20が見込み客情報管理システム30から見込み客の属性データを受信した場合に記憶される。本実施形態では,対象見込み客属性データ220には見込み客毎に,見込み客識別子としての見込み客管理識別子,見込み客の氏名,電子メールアドレス,要求カテゴリが記憶されている。
【0032】
見込み客管理識別子データ領域には,見込み客毎に割り振られた識別子に関するデータが記憶される。この識別子は例えば英数字で表されており,見込み客番号や見込み客のイニシアル等を使用することも可能である。」

(オ) 「【0040】
アクセスログデータ記録部32には,図6に示すように,見込み客のウェブページの閲覧履歴としてのアクセスログデータ320が記憶される。本実施形態では,アクセスログデータ320には,見込み客管理識別子,情報識別子,要求時刻,見込み客所属識別子が相互に関連付けられて記憶される。アクセスログデータ320は,情報提供システム20からアクセスログデータ230が送信されたときに記憶される。」
【0041】
見込み客管理識別子データ領域には,見込み客毎に割り振られた識別子に関するデータが記憶される。情報識別子データ領域には,見込み客がアクセスしたウェブページのURLが記憶される。要求時刻データ領域には,見込み客が情報提供システム20にアクセスした時刻に関するデータが記憶される。見込み客所属識別子データ領域には,見込み客の属する組織に関する情報が記録されている。本実施形態では,グローバルIPアドレスとセッションコードに関するデータが記録されている。」

(カ) 「【0042】
見込み客情報記憶手段としての見込み客管理データ記録部33には,図7に示すように,見込み客管理データ330が記憶される。この見込み客管理データ330は,アクセスログデータ320が生成され,見込み客情報管理システム30によって,各種の処理がされた後に記録される。本実施形態では,見込み客管理データ330には,氏名毎に,所属識別子情報,カテゴリ識別子,閲覧情報,重み付け情報に関するデータが相互に関連付けられて記憶される。
【0043】
氏名データ領域には,見込み客の氏名に関するデータが記憶される。所属識別子情報データ領域には,見込み客の所属する組織名に関するデータ及び端末識別情報に関するデータが記憶される。ここでは,端末識別情報とは,セッションコードに関するデータである。
【0044】
カテゴリ識別子データ領域には,商品群等のカテゴリに関するデータが記憶される。このカテゴリ識別子に関するデータは,見込み客がアクセスしたウェブページに掲載されている商品群等のカテゴリ識別子である。従って,このカテゴリ識別子から,見込み客が関心をもっているカテゴリを知ることができる。閲覧情報データ領域には,見込み客が閲覧したウェブページの情報に関するデータが記憶される。重み付け情報データ領域には,重み付けによって階層化された見込み客又は見込み客の所属組織のレベルに関するデータが記憶される。」

(キ) 「【0048】
次に,情報提供側企業が見込み客に情報を提供する段階の処理を,図9に従って説明する。
情報提供システム20は,対象見込み客データ記録部22に記憶された見込み客の電子メールアドレスを抽出する。そして,各見込み客に対応させた電子メール,即ちカスタマイズドメールを生成し,利用者端末10に送信する(S2-1)。」

(ク) 「【0049】
このカスタマイズドメールには,見込み客毎に,氏名がカスタマイズ表示される。また,対象見込み客データ記録部22に記憶された要求カテゴリに従って,見込み客と関連のある商品群等の情報が掲載されているウェブページのURLが掲載される。例えば,カスタマイズドメールには,本文の他に「人気ノートパソコンランキング」等の項目名が掲載され,その下にURLが記載される。このURLにはハイパーリンクが埋め込まれており,URLをクリックするとそのウェブページにアクセスできる。このURLには,見込み客を識別する見込み客管理識別子が含まれており,見込み客がこのURLにアクセスすると,アクセスログに見込み客管理識別子が記憶される。」

(ケ) 「【0050】
見込み客は,利用者端末10内の電子メールプログラム等を起動させてカスタマイズドメールを表示させ(S2-2),その内容に関心があれば上記のURLをクリックして,インターネットIを介して,情報提供システム20にアクセスする(S2-3)。このとき,利用者端末10ではインターネットブラウザ等が起動されており,情報提供システム20からの応答を待っている状態となっている。」

(コ) 「【0051】
上記のアクセス要求を受信した情報提供システム20は,アクセス要求に含まれた情報識別子,即ちURLと関連付けられた情報ページのデータを提供情報データ記録部21から抽出し,ウェブページを生成する(S2-4)。情報提供システム20は,生成されたウェブページを送信する(S2-5)。アクセス要求をした利用者端末10では,ウェブページのデータが受信され,インターネットブラウザ等によりディスプレイにウェブページが出力される(S2-6)。このウェブページには,文章や項目が掲載されており,それらに関連する画像などのタグが表示され,このタグにはハイパーリンクが埋め込まれている。例えば,「1位 A社 X搭載ノートパソコン」等のような項目があり,横にタグが表示されて,さらに詳しい情報を閲覧できるようになっている。見込み客がこれらの項目や文章に興味を持つ場合,タグをクリックして情報を要求する(S2-7)。」

(サ) 「【0052】
情報提供システム20はこの情報要求を受信し,アクセスログを記憶する(S2-8)。利用者端末10から受信された情報要求には,URL内に含まれる見込み客管理識別子,情報識別子であるURL,要求時刻,見込み客所属識別子であるグローバルIPアドレスとセッションコード等が含まれる。これらの情報をアクセスログとして,情報提供システム20内のアクセスログデータ記録部23に蓄積する。」

(シ) 「【0053】
次に,情報提供システム20は,利用者端末10からの情報要求に含まれる情報識別子により,提供情報データ記録部21に記憶された情報ページのデータを利用者端末10に送信する(S2-9)。そして利用者端末10ではインターネットブラウザ等によりディスプレイにその情報ページのデータを出力する(S2-10)。」

(ス) 「【0055】
次に,見込み客情報の管理を行う段階の処理を,図10?12に従って説明する。
図10に示すように,情報提供システム20は,アクセスログが生成され,アクセスログデータ記録部23に記憶された後,アクセスログを見込み客情報管理システム30に送信する(S3-1)。見込み客情報管理システム30は,アクセスログを受信し,アクセスログデータ記録部32に記憶する(S3-2)。見込み客情報管理システム30は,そのアクセスログに基づいて見込み客に関する情報の管理を行う(S3-3)。この処理について図11に従って説明する。」

(セ) 「【0056】
閲覧履歴管理段階及び閲覧履歴更新段階としての情報管理処理では,アクセスログと見込み客又は見込み客の所属している企業等の組織を関連付け,見込み客の階層化を行う。まず,見込み客情報管理システム30は,情報管理を行う対象となるアクセスログデータ記録部32のアクセスログを抽出する(S4-1)。例えば,一定期間内のアクセスログや,特定の情報毎のアクセスログを抽出する。次に,見込み客データ記録部31の見込み客属性データ310を抽出する(S4-2)。そして,アクセスログの見込み客管理識別子と,見込み客属性データ310とから,アクセスログと,カスタマイズドメールを送信した見込み客の氏名と所属する組織名とを関連付ける。このため,閲覧者が閲覧したページと,カスタマイズドメールを送信した見込み客の氏名と組織名が関連付けられる。更に,関連付けられたアクセスログの見込み客所属識別子と,所属する組織名を関連付ける。このため,グローバルIPアドレスと所属する組織名が関連付けられる(S4-3)。従って,カスタマイズドメールを送信した見込み客以外の者がウェブページを閲覧した場合も,組織名を特定することが可能となり,グローバルIPアドレス毎の閲覧者の情報を得ることができる。」

(ソ) 「【0057】
このように関連付けられた,氏名,組織名,カテゴリ識別子,閲覧情報のデータは,見込み客管理データ記録部33の見込み客管理データ330に記憶される(S4-4)。また,このとき,アクセスログのセッションコードも所属識別子情報データ領域に記憶される。このセッションコードにより各利用者端末10及び関係者端末11を識別することが可能である。このため,企業内等で何人が閲覧したかを推定することが可能である。」

(タ) 「【0058】
そして,このように処理されたアクセスログに対し,セグメント化処理を行う(S4-8)。このセグメント化処理について,図12に従って説明する。
見込み客分類処理段階及び重み付け情報更新段階としてのセグメント化処理では,上記のように見込み客の氏名や所属企業等に関連付けられたアクセスログを統計,分析することにより,見込み客を階層化する。まず,アクセスログデータ記録部32,見込み客管理データ記録部33等から必要なログの識別子を抽出する(S5-1)。ここでは,カテゴリ識別子と所属識別子情報とを抽出する。そして,このデータの各識別子順に並べ替えを行う(S5-2)。ここでは,まずカテゴリ識別子順に並べ替えて,製品群別のアクセスログデータリストを作成する。次に,その一つの製品群のリストについて,組織順に並べ替える。このリストのアクセスログの数から,組織別のウェブページへのアクセス回数を算出する(S5-3)。次に,見込み客にカスタマイズドメールを送信した回数と,前記アクセス回数との割合から,アクセス率を算出する(S5-4)。このアクセス率は,カスタマイズドメールを送信したときにそのカスタマイズドメールに掲載されたURLからウェブページを表示させて情報要求をした率を指す。これらのアクセス回数,アクセス率をその組織の関心度として,この関心度に応じて重み付けをする(S5-5)。具体的には,例えば,アクセス回数が11回から20回には値2をつけ,アクセス率が50%のときは値3をつけて,その値を総計する。そしてその重み付けされた値が,設定された基準値の一つである基準値1より大きいかどうか判断する(S5-6)。例えば,基準値1が3で,前記総計値が5である場合など,基準値1より大きいときは,レベル1にセグメント化される(S5-7)。基準値1より小さいときは,さらに設定された基準値である基準値2より大きいかどうか判断され(S5-8),大きければレベル2にセグメント化され(S5-9),小さければレベル3にセグメント化される(S5-10)。このように階層化された場合,レベル1に階層化された見込み客が情報提供側企業の商品群に最も関心を持っていると推定することができる。また,この重み付けの方法は,情報提供側企業によって,任意な方法に設定可能である。」

(チ) 「【0075】
・上記実施形態では,アクセス率とアクセス回数で見込み客の重み付けを行ったが,どちらか一方の手段で重み付けを行ってもよい。
・上記実施形態では,アクセス率で見込み客を重み付けして階層化したが,ウェブページへのアクセス時間を併用して階層化してもよい。この時間セグメント化処理について,図13に従って説明する。まずアクセスログデータ320内の要求時刻と,次に記憶されたアクセスログデータの要求時刻を抽出し(S6-1),この2つの時刻から閲覧時間を算出する(S6-2)。次にこの閲覧時間が基準時間より長いかどうか判断される(S6-3)。閲覧時間が基準時間よりも長い場合(ステップS6-3においてYES),レベル1にセグメントされる(S6-4)。閲覧時間が基準時間よりも短い場合(ステップS6-4においてNO),レベル2にセグメントされる(S6-5)。このとき,階層化されるレベル数は複数であればいくつでもよい。また,このようにして得られたアクセス時間のみで,見込み客又はその所属組織を階層化してもよい。」

(ツ) 「【0077】
・上記実施形態では,情報提供システム20はウェブサーバとしたが,ウェブサーバを別途設けてもよい。ウェブサーバと情報提供システム20を別とした場合,商品情報データ210内の情報ページデータ領域は別途異なるサーバに設けられ,見込み客の情報要求(S2-7)は,ウェブサーバと情報提供システム20とに送信されるようになる。このためウェブサーバを別途管理できる構成が得られ,例えばウェブサーバを自社内で管理し,部分的な情報提供と見込み客情報管理をアウトソーシングすることができる。」

イ 引用発明

(ア) ア(ウ)によれば,引用文献1には,「見込み客に提供するキャンペーン情報等の商品情報に関する商品情報データ210を記憶する提供情報データ記録部21と,」が記載されているといえる。

(イ) ア(エ)によれば,引用文献1には,「対象見込み客属性データ220を記憶する対象見込み客データ記録部22と,」が記載されているといえる。

(ウ) ア(カ)によれば,引用文献1には,「見込み客管理データ330を記憶する見込み客管理データ記録部33と,」が記載されているといえる。

(エ) ア(シ)によれば,引用文献1には,「利用者端末10からの情報要求に含まれる情報識別子により,提供情報データ記録部21に記憶された情報ページのデータを利用者端末10に送信する情報提供システム20と,」が記載されているといえる。

(オ) ア(ス)及び同(セ)によれば,引用文献1には,「アクセスログに対し,セグメント化処理を行う見込み客情報管理システム30と,」が記載されているといえる。

(カ) ア(キ)によれば,引用文献1には,情報提供システム20の処理として,「対象見込み客データ記録部22に記憶された見込み客の電子メールアドレスを抽出し,各見込み客に対応させた電子メール,即ちカスタマイズドメールを生成し,利用者端末10に送信し,」が記載されているといえる。

(キ) ア(ク)によれば,引用文献1には,「このカスタマイズドメールには,見込み客と関連のある商品群等の情報が掲載されているウェブページのURLが掲載され,このURLには,見込み客を識別する見込み客管理識別子が含まれており,見込み客がこのURLにアクセスすると,アクセスログに見込み客管理識別子が記憶され,」が記載されているといえる。

(ク) ア(ケ)によれば,引用文献1には,「見込み客は,利用者端末10内の電子メールプログラム等を起動させてカスタマイズドメールを表示させ,その内容に関心があれば上記のURLをクリックして,インターネットIを介して,情報提供システム20にアクセスし,」が記載されているといえる。

(ケ) ア(ケ)によれば,引用文献1には,情報提供システム20の処理として,「アクセス要求を受信した情報提供システム20は,アクセス要求に含まれた情報識別子,即ちURLと関連付けられた情報ページのデータを提供情報データ記録部21から抽出し,ウェブページを生成し,生成されたウェブページを送信し,アクセス要求をした利用者端末10では,ウェブページのデータが受信され,インターネットブラウザ等によりディスプレイにウェブページが出力され,このウェブページには,文章や項目が掲載されており,それらに関連する画像などのタグが表示され,このタグにはハイパーリンクが埋め込まれており,さらに詳しい情報を閲覧できるようになっており,見込み客がこれらの項目や文章に興味を持つ場合,タグをクリックして情報を要求し,」が記載されているといえる。

(コ) ア(サ)によれば,引用文献1には,情報提供システム20の処理として,「この情報要求を受信し,アクセスログを記憶し,利用者端末10から受信された情報要求には,URL内に含まれる見込み客管理識別子,情報識別子であるURL,要求時刻,見込み客所属識別子であるグローバルIPアドレスとセッションコード等が含まれ,これらの情報をアクセスログとして,情報提供システム20内のアクセスログデータ記録部23に蓄積し,」が記載されているといえる。

(サ) ア(ス)によれば,引用文献1には,情報提供システム20の処理として,「アクセスログが生成され,アクセスログデータ記録部23に記憶された後,アクセスログを見込み客情報管理システム30に送信し,」が記載されているといえる。

(シ) ア(ス)によれば,引用文献1には,見込み客情報管理システム30の処理として,「アクセスログを受信し,アクセスログデータ記録部32に記憶し,」が記載されているといえる。

(ス) ア(セ)によれば,引用文献1には,見込み客情報管理システム30の処理として,「アクセスログデータ記録部32のアクセスログを抽出し,見込み客データ記録部31の見込み客属性データ310を抽出し,アクセスログの見込み客管理識別子と,見込み客属性データ310とから,アクセスログと,カスタマイズドメールを送信した見込み客の氏名と所属する組織名とを関連付け,更に,関連づけられたアクセスログの見込み客識別子と,所属する組織名を関連付け,」が記載されているといえる。

(セ) ア(ソ)によれば,引用文献1には,見込み客情報管理システム30の処理として,「関連付けられた,氏名,組織名,カテゴリ識別子,閲覧情報のデータは,見込み客管理データ記録部33の見込み客管理データ330に記憶し,」が記載されているといえる。

(ソ) ア(タ)によれば,引用文献1には,見込み客情報管理システム30の処理として,「アクセスログデータ記録部32,見込み客管理データ記録部33等から必要なログの識別子を抽出し,カテゴリ識別子順に並べ替えて,製品群別のアクセスログデータリストを作成し,その一つの製品群のリストについて,組織順に並べ替え,このリストのアクセスログの数から,組織別のウェブページへのアクセス回数を算出し,見込み客にカスタマイズドメールを送信した回数と,前記アクセス回数との割合から,アクセス率を算出し,これらのアクセス回数,アクセス率をその組織の関心度として,この関心度に応じて重み付けをし,重み付けされた値が,設定された基準値の一つである基準値1より大きいかどうか判断し,基準値1より大きいときは,レベル1にセグメント化し,基準値1より小さいときは,さらに設定された基準値である基準値2より大きいかどうか判断し,大きければレベル2にセグメント化し,小さければレベル3にセグメント化する,」が記載されているといえる。

(タ) ア(イ)の「図1は本発明の一実施形態のシステム概略図である。」との記載及び図1によれば,当該図1には,「提供情報データ記録部21」及び「対象見込み客データ記録部22」を有する「情報提供システム20」と,「アクセスログデータ記録部32」を有する「見込み客情報管理システム30」とを備えるシステムの概略図が記載されていると認められるから,引用文献1には,「提供情報データ記録部21」と「対象見込み客データ記録部22」を有する「情報提供システム20」と,「アクセスログデータ記録部32」を有する「見込み客情報管理システム30」と,を有する「システム」が記載されているといえる。

以上の(ア)?(タ)及び関連する図面の記載によれば,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「 見込み客に提供するキャンペーン情報等の商品情報に関する商品情報データ210を記憶する提供情報データ記録部21と,対象見込み客属性データ220を記憶する対象見込み客データ記録部22を有し,利用者端末10からの情報要求に含まれる情報識別子により,提供情報データ記録部21に記憶された情報ページのデータを利用者端末10に送信する情報提供システム20と,
アクセスログに対し,セグメント化処理を行う見込み客情報管理システム30と,
を有し,
前記情報提供システム20は,対象見込み客データ記録部22に記憶された見込み客の電子メールアドレスを抽出し,各見込み客に対応させた電子メール,即ちカスタマイズドメールを生成し,利用者端末10に送信し,
このカスタマイズドメールには,見込み客と関連のある商品群等の情報が掲載されているウェブページのURLが掲載され,このURLには,見込み客を識別する見込み客管理識別子が含まれており,見込み客がこのURLにアクセスすると,アクセスログに見込み客管理識別子が記憶され,
見込み客は,利用者端末10内の電子メールプログラム等を起動させてカスタマイズドメールを表示させ,その内容に関心があれば上記のURLをクリックして,インターネットIを介して,情報提供システム20にアクセスし,
アクセス要求を受信した情報提供システム20は,アクセス要求に含まれた情報識別子,即ちURLと関連付けられた情報ページのデータを提供情報データ記録部21から抽出し,ウェブページを生成し,生成されたウェブページを送信し,アクセス要求をした利用者端末10では,ウェブページのデータが受信され,インターネットブラウザ等によりディスプレイにウェブページが出力され,このウェブページには,文章や項目が掲載されており,それらに関連する画像などのタグが表示され,このタグにはハイパーリンクが埋め込まれており,さらに詳しい情報を閲覧できるようになっており,見込み客がこれらの項目や文章に興味を持つ場合,タグをクリックして情報を要求し,
情報提供システム20は,この情報要求を受信し,アクセスログを記憶し,利用者端末10から受信された情報要求には,URL内に含まれる見込み客管理識別子,情報識別子であるURL,要求時刻,見込み客所属識別子であるグローバルIPアドレスとセッションコード等が含まれ,これらの情報をアクセスログとして,情報提供システム20内のアクセスログデータ記録部23に蓄積し,
アクセスログが生成され,アクセスログデータ記録部23に記憶された後,アクセスログを見込み客情報管理システム30に送信し,
見込み客情報管理システム30は,
アクセスログを受信し,アクセスログデータ記録部32に記憶し,
アクセスログデータ記録部32のアクセスログを抽出し,見込み客データ記録部31の見込み客属性データ310を抽出し,アクセスログの見込み客管理識別子と,見込み客属性データ310とから,アクセスログと,カスタマイズドメールを送信した見込み客の氏名と所属する組織名とを関連付け,更に,関連づけられたアクセスログの見込み客識別子と,所属する組織名を関連付け,
関連付けられた,氏名,組織名,カテゴリ識別子,閲覧情報のデータは,見込み客管理データ記録部33の見込み客管理データ330に記憶し,
アクセスログデータ記録部32,見込み客管理データ記録部33等から必要なログの識別子を抽出し,カテゴリ識別子順に並べ替えて,製品群別のアクセスログデータリストを作成し,その一つの製品群のリストについて,組織順に並べ替え,このリストのアクセスログの数から,組織別のウェブページへのアクセス回数を算出し,見込み客にカスタマイズドメールを送信した回数と,前記アクセス回数との割合から,アクセス率を算出し,これらのアクセス回数,アクセス率をその組織の関心度として,この関心度に応じて重み付けをし,重み付けされた値が,設定された基準値の一つである基準値1より大きいかどうか判断し,基準値1より大きいときは,レベル1にセグメント化し,基準値1より小さいときは,さらに設定された基準値である基準値2より大きいかどうか判断し,大きければレベル2にセグメント化し,小さければレベル3にセグメント化する,
システム」

(2) 引用文献2の記載事項

当審拒絶理由において引用された特開2002-24700号公報(以下,「引用文献2」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている(下線は,当審において付したものである。)。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネットコマースサイトにおける見込客の識別方法に関し、特にサイト上での顧客の操作をポイントまたは履歴として数値化することで、顧客の状態を把握、類推して、見込客か否かで適当な商品販売情報を表示するようにした方法、およびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。」

イ 「【0007】
・・・(中略)・・・コマース・システム側では逐次、このポイント数を監視することにより、顧客のサイト内での行動および状態を数値として把握・類推することが可能となる。これにより、顧客を見込客とそれ以外の顧客とに識別可能となる。」

ウ 「【0010】まず、Topページ10では、商品を閲覧するための商品ボタン11が顧客より操作された場合、顧客が「探索」を開始したと想定して、ポイントをクリアするロジックを設定しておく。つまり、前の操作のときの残りの値があれば、それをクリアして初期化する。次に、商品検索ページ20の検索ボタン21および商品一覧ページ30の詳細ボタン31の操作に対しては、顧客は「探索中」であると想定して、それぞれ-10ポイントと5ポイントを加算するロジックを設定しておく。なお、商品一覧のポイントが-10で、探索中のポイントが+5とする理由は、1回の検索で注文する顧客には見込み客として高いポイントに、数回も検索して注文に至らない顧客にはそれ以外の客として低いポイントになるようにして、両者には大差がついて加算結果が出力されるようにするためである。
【0011】さらに、商品詳細ページ40の注文ボタン41の操作は、顧客が「選択/決定」段階にあると想定して、+100ポイントを加算するロジックを設定しておく。なお、この段階で、かなり高いポイントを加算する理由は、商品詳細ページの注文をする顧客は、商品が希望するものに一致するか、類似するものであれば、高い確率で商品注文に到達する見込みがあるためである。最後に、商品注文ページ50の決済ボタン51の操作は、顧客が「注文/決済」を完了したと想定し、+500ポイントを設定しておく。なお、商品注文ページ50は、実質的には支払方法(カード支払または現金支払など)を選択するものであり、ここでtopページボタン52を押下するときには、支払方法を決定できないときである。」

以上のア?ウ及び関連する図面の記載によれば,引用文献2には,次の事項が記載されているといえる。

「インターネットコマースサイトにおける見込客の識別方法であって(【0001】),
Topページ10では,商品を閲覧するための商品ボタン11が顧客より操作された場合,顧客が「探索」を開始したと想定して,ポイントをクリアし(【0010】),
商品検索ページ20の検索ボタン21の操作に対しては-10ポイントを加算し,商品一覧ページ30の詳細ボタン31の操作に対しては5ポイントを加算し,このようなポイントとする理由は,1回の検索で注文する顧客には見込み客として高いポイントに,数回も検索して注文に至らない顧客にはそれ以外の客として低いポイントになるようにして,両者には大差がついて加算結果が出力されるようにするためであり(【0010】),
商品詳細ページ40の注文ボタン41の操作は,+100ポイントを加算し,この段階で,かなり高いポイントを加算する理由は,商品詳細ページの注文をする顧客は,商品が希望するものに一致するか,類似するものであれば,高い確率で商品注文に到達する見込みがあるためであり(【0010】),
商品注文ページ50の決済ボタン51の操作は,顧客が「注文/決済」を完了したと想定し,+500ポイントを設定し,
コマース・システム側では逐次,このポイント数を監視することにより,顧客のサイト内での行動および状態を数値として把握・類推し,顧客を見込客とそれ以外の顧客とに識別可能となる(【0007】),
見込客の識別方法。」

4 本願発明と引用発明との対比

(1) 本願発明と引用発明とを対比する。

ア 3(1)ア(ウ)によれば,「提供情報データ記録部21」に記憶される「商品情報に関する商品情報データ210」には,「提供する情報毎に情報識別子,カテゴリ識別子,情報ページに関するデータが相互に関連付けられて記憶されている」から,前記「提供情報データ記録部21」は,所定の商品に関する「情報ページデータ」を記憶するものであるといえる。また,前記「情報ページデータ」は,「提供する情報毎に」記憶されているから,前記「提供情報データ記録部21」は,提供する情報が複数ある場合,複数の「情報ページデータ」を記憶するものを含むものであるといえる。また,3(1)ア(コ)によれば,「ウェブページを生成する」処理は,「提供情報データ記録部21」から「アクセス要求に含まれる情報識別子,即ちURLと関連付けられた情報ページのデータ」を抽出して行われるから,「提供情報データ記録部21」は,「ウェブページを生成する」ための「情報ページデータ」を記憶するものであるといえる。また,3(1)ア(イ)によれば,「情報提供システム20」は,「見込み客に対して商品やサービスに関する情報を提供」するものであり,引用発明において,見込み客に対する情報の提供は,ウェブページを通じて行われるから,前記「ウェブページ」は,商品やサービスに関する」ものであるといえる。そうすると,引用発明の「提供情報データ記録部21」は,「商品やサービスに関するウェブページを生成する複数の情報ページデータを記憶する」ものであるといえる。
ここで,前記「商品やサービスに関するウェブページ」は,「所定の商品,サービスのいずれかに関するウェブページ」であるといえる。また,3(1)ア(コ)によれば,前記「ウェブページ」は,前記「提供情報データ記録部21」から複数の「情報ページデータ」を抽出して生成されるものであるから,複数の「情報ページデータ」により構成されるものであるといえる。また,3(1)ア(ウ)によれば,前記「情報ページデータ」における「情報ページ」は,「HTML(Hyper Text Markup Language)により作成されて」おり,一般に,WebページはHTMLにより作成されるものであることを踏まえれば,引用発明の「情報ページデータ」は,本願発明の「Webページデータ」に相当する。そして,上記したことに加え,3(1)ア(コ)によれば,前記「ウェブページ」は,「インターネットブラウザ等によりディスプレイに出力される」ものであり,一般に,Webサイトはインターネットブラウザ等によりディスプレイに出力されるものであることを踏まえれば,引用発明の「ウェブページ」は,本願発明の「Webサイト」であるといえる。
これによれば,引用発明の「提供情報データ記録部21」と,本願発明の「第1のデータベース」とは,「Webサイト」が何に関するものであるか(後記相違点1)については相違しているものの,いずれも,「所定の商品,サービスのいずれかに関するWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベース」であり,この点で共通している。

イ 3(1)ア(エ)によれば,引用発明の「対象見込み客データ記録部22」に記憶される「対象見込み客属性データ220」には,「見込み客毎に,見込み客識別子としての見込み客管理識別子,見込み客の氏名,電子メールアドレス,要求カテゴリが記憶されている」から,前記「対象見込み客データ記録部22」は,見込み客の「電子メールアドレス」を含む見込み客に関するデータを記憶するものであるといえる。そして,3(1)ア(キ)及び同(ク)によれば,前記「電子メールアドレス」に基づいて見込み客にカスタマイズドメールを送信し,カスタマイズドメールに記載されたURLを見込み客がクリックすると前記「ウェブページ」にアクセスできるから,「対象見込み客データ記録部22」は,「ウェブページにアクセスする見込み客の電子メールアドレス」を記憶するものであるといえる。そうすると,引用発明の「対象見込み客データ記録部22」は,「ウェブページにアクセスする見込み客の電子メールアドレスを含む見込み客に関するデータを記憶する」ものであるといえる。
ここで,3(1)ア(イ)によれば,前記「見込み客」は,「商品やサービスの提供を行う情報提供側の企業が将来的に顧客となりうる者」であるから,本願発明の「顧客」に相当する。また,前記「電子メールアドレス」は,メールアドレスに含まれるものであるから,本願発明の「メールアドレス」に相当する。
これによれば,引用発明の「ウェブページにアクセスする見込み客の電子メールアドレスを含む見込み客に関するデータを記憶する対象見込み客データ記録部22」は,本願発明の「Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベース」に相当する。

ウ 3(1)ア(イ)によれば,引用発明の「利用者端末10」は,見込み客が使用するコンピュータ端末であるから,引用発明の「利用者端末10からの情報要求」,「利用者端末10に送信」は,それぞれ,「見込み客からの要求」,「要求した見込み客に送信」といえる。また,3(1)ア(ケ)によれば,見込み客は,利用者端末により,「インターネットIを介して,情報提供システム20にアクセスする」ものであるから,引用発明の「利用者端末10からの情報要求」は,「インターネットIを介した見込み客からの要求」といえる。そして,上記したことに加え,3(1)ア(シ)によれば,「情報提供システム20」は,利用者端末10からの情報要求に応じて,提供情報データ記録部21に記憶された情報ページデータを利用者端末10に送信するものであるから,前記「情報提供システム20」は,「インターネットIを介した見込み客からの要求に応じて,前記提供情報データ記録部21に記憶された情報ページデータを要求した見込み客に送信する」ものであるといえる。そうすると,引用発明の「情報提供システム」は,「インターネットIを介した見込み客の要求に応じて,前記提供情報データ記録部21に記憶された情報ページデータを要求した見込み客に送信する」ものであるといえる。
ここで,前記「インターネットI」は,ネットワークに含まれるものであるから,本願発明の「ネットワーク」に相当する。また,3(1)ア(ツ)によれば,引用文献1には,「・上記実施形態では,情報提供システム20はウェブサーバとしたが,」と記載されているから,引用発明の「情報提供システム20」は,「ウェブサーバ」であるといえる。そして,前記「ウェブサーバ」は,サーバに含まれるものであるから,引用発明の「情報提供システム20」は,本願発明の「サーバ」に相当する。
これによれば,引用発明の「インターネットIを介した見込み客の要求に応じて,前記提供情報データ記録部21に記憶された情報ページデータを要求した見込み客に送信する情報提供システム20」は,本願発明の「ネットワークを介した顧客のリクエストに応じて,前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータをリクエストした顧客に送信するサーバ」に相当する。

エ 3(1)ア(キ)によれば,引用発明の「情報提供システム20」は,対象見込み客データ記録部22に記憶された見込み客の電子メールアドレスに対して,カスタマイズドメールを送信するものであるといえる。また,3(1)ア(ク)によれば,前記「カスタマイズドメール」には,「見込み客と関連のある商品群等の情報が掲載されているウェブページのURLが掲載され」,「このURLにはハイパーリンクが埋め込まれており,URLをクリックするとそのウェブページにアクセスできる」ものであり,また,3(1)ア(コ)によれば,ウェブページは情報ページのデータにより生成されるから,前記「カスタマイズドメール」は,ウェブページを生成する情報ページへのリンクを含むものといえる。また,3(1)ア(ク)によれば,前記「URL」には,「見込み客を識別する見込み客管理識別子が含まれて」おり,3(1)ア(エ)によれば,見込み客管理識別子は,見込み客毎に割り振られたものであるから,前記「URL」は,見込み客毎の見込み客管理識別子に対応した情報であるといえる。そうすると,引用発明の「情報提供システム20」は,「対象見込み客データ記録部22に記憶された見込み客の電子メールアドレスに対して,見込み客毎の見込み客管理識別子に対応した情報ページへのリンクを含むカスタマイズドメールを送信する」ものであるといえる。
ここで,前記「見込み客管理識別子」は,見込み客毎に割り振られた固有の識別情報であるといえるから,本願発明の「顧客ID」に相当する。また,3(1)ア(キ)によれば,前記「カスタマイズドメール」は,「各見込み客に対応させた電子メール」であり,Eメールに含まれるものであるから,本願発明の「Eメール」に相当する。
これによれば,引用発明の「対象見込み客データ記録部22に記憶された見込み客の電子メールアドレスに対して,見込み客毎の見込み客管理識別子に対応した情報ページへのリンクを含むカスタマイズドメールを送信し」は,本願発明の「前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して,顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し」に相当する。

オ 3(1)ア(ク)及び同(コ)によれば,引用発明の「情報提供システム20」は,カスタマイズドメールに含まれたURLが見込み客によりクリックされた場合に,当該見込み客に対して前記URLに関連付けられた情報ページデータを送信するものといえる。また,オで上記したとおり,前記「URL」は,見込み客毎の見込み客管理識別子に対応した情報であるといえるから,前記「URLに関連付けられた情報ページデータ」は,見込み客管理識別子に対応したものであるといえる。また,3(1)ア(サ)によれば,前記「情報提供システム20」は,見込み客から受信した情報要求をアクセスログとして,情報提供システム20内のアクセスログデータ記録部23に蓄積するものであるといえる。そして,3(1)ア(コ)によれば,前記「情報要求」は,見込み客が,ウェブページに掲載された文章や項目に関連する画像などのタグをクリックして行うものであるといえる。また,前記「ウェブページに掲載された文章や項目」は,ウェブページ内で見込み客に紹介され,閲覧されるものであることは明らかである。また,アで上記したとおり,ウェブページは所定の商品,サービスのいずれかに関するものである。そうすると,前記「情報提供システム20」は,「カスタマイズドメールに含まれた情報ページへのURLが見込み客によりクリックされた場合に,当該見込み客に対して前記見込み客管理識別子に対応した情報ページデータを送信するとともに,見込み客のウェブページ内での,紹介された,商品,サービスの閲覧に対する情報要求を受信し,当該情報要求をアクセスログとして,情報提供システム20内のアクセスログデータ記録部23に蓄積する」ものといえる。
ここで,前記「URL」は,情報ページのリンクを意味するから,前記「情報ページへのURLが見込み客によりクリックされた場合」とは,情報ページへのリンクが見込み客により「辿られた」場合であるといえる。また,前記「情報提供システム20」は,見込み客から受信した情報要求をアクセスログとして蓄積するものであるから,見込み客の「アクセスのログを収集する」ものであるといえる。
これによれば,引用発明の「情報提供システム20」と,本願発明の「サーバ」とは,アで上記したところに加えて「アクセスのログ」が何か(後記相違点2)についても相違しているものの,いずれも,「前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に,当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに,当該顧客の前記Webサイト内での,紹介された,商品サービスの閲覧に対するアクセスのログを収集する」ものであり,この点で共通している。

カ 3(1)ア(タ)によれば,引用発明の「見込み客情報管理システム30」は,「アクセスログデータ記録部32,見込み客管理データ記録部33等から必要なログの識別子を抽出し,カテゴリ識別子順に並べ替えて,製品群別のアクセスログデータリストを作成し,その一つの製品群のリストについて,組織順に並べ替え,このリストのアクセスログの数から,組織別のウェブページへのアクセス回数を算出する」から,引用発明は,「アクセスログを基に,見込み客のアクセス回数,アクセス率を算出する」ものであるといえる。また,3(1)ア(オ)によれば,「アクセスログデータ記録部32」には,「見込み客のウェブページの閲覧履歴としてのアクセスログデータ320が記憶され」,「アクセスログデータ320」は,「見込み客管理識別子」を含むから,前記「アクセスログ」は,ウェブページ内での見込み客毎に記憶されているものであるといえる。そうすると,引用発明の「見込み客情報管理システム30」は,「ウェブページ内での見込み客毎のアクセスログを基に,見込み客のアクセス回数,アクセス率を算出する」ものであるといえる。
ここで,前記「アクセス回数,アクセス率」は,見込み客の「行動」を記録するデータであるから,本願発明の「行動ログ」に相当する。
これによれば,引用発明の「システム」と,本願発明の「見込み顧客抽出システム」とは,ア及びオで上記したところに加えて「行動ログ」を何処に記憶するか(後記相違点3)についても相違しているものの,いずれも,「前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した,顧客の行動を記録する行動ログ」であり,この点で共通する。

キ 3(1)ア(タ)によれば,引用発明の「見込み客情報管理システム30」は,見込み客の,アクセス回数,アクセス率それぞれに値をつけて,その値を総計し,そしてその重み付けされた値が基準値1より大きい見込み客をレベル1にセグメント化するものといえる。そして,一般に,商品の閲覧頻度が高い顧客ほど当該商品の購入を行う見込みが高いといえるから,引用発明において,見込み客の,アクセス回数,アクセス率それぞれにつけられる値は,見込み客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められた値といえる。また,引用発明の「基準値より大きい見込み客をレベル1にセグメント化する」とは,所定の値以上である見込み客をレベル1というセグメントとして抽出しているものといえる。そうすると,引用発明の「見込み客情報管理システム30」は,「見込み客の,アクセス回数,アクセス率それぞれに値をつけて,その値を総計し,そしてその重み付けされた値が基準値より大きい見込み客をレベル1にセグメント化する」ものであるといえる。
ここで,ア?カで上記したことに加え,引用発明の「見込み客の,アクセス回数,アクセス率それぞれに値をつけて,その値を総計し,そしてその重み付けされた値が基準値より大きい見込み客をレベル1にセグメント化する」は,本願発明の「行動ログを基に,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する」に相当する。
これによれば,引用発明の「システム」と,本願発明の「見込み顧客抽出システム」とは,ア,オ,カで上記したところに加えて「行動ログを基に,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する」の主体が何か(後記相違点4)及び「ポイント」を如何なる条件で付与するか(後記相違点5)についても相違しているものの,いずれも,「行動ログを基に,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する,見込み顧客抽出システム」であり,この点で共通する。

(2) してみると,本願発明と引用発明とは,次の点で一致する。

[一致点]
「 所定の商品,サービスのいずれかに関するWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと,
前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスを含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと,
ネットワークを介した顧客のリクエストに応じて,前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータをリクエストした顧客に送信するサーバと,を有し,
前記サーバは,
前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して,顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し,
前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に,当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに,当該顧客の前記Webサイト内での,紹介された,商品サービスの閲覧に対するアクセスのログを収集する,
システムであって,
前記システムは,
前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した,顧客の行動を記録する行動ログを基に,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する,見込み顧客抽出システム。」

(3) そして,本願発明と引用発明とは,次の点で相違する。

[相違点1]
「Webサイト」が,本願発明では,「所定の商品,サービス,イベントのいずれかに関する」ものであるのに対して,引用発明では,「所定の商品,サービスのいずれかに関する」ものである点

[相違点2]
「アクセスのログ」が,本願発明では,「商品サービス,イベントの閲覧,前記商品に対する購入見込み,前記サービスに対する申し込み見込み,前記イベントに対する参加見込み,前記商品の購入のいずれかに対する」ものであるのに対して,引用発明では,「商品,サービスの閲覧に対する」ものである点

[相違点3]
本願発明は,「前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した,顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベース」を有するのに対して,引用発明では,「行動ログ」が何処に記憶されるのかは明示されていない点

[相違点4]
「行動ログを基に,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する」が,本願発明では,「サーバ」が行うのに対して,引用発明では,「見込み客情報管理システム30」が行う点

[相違点5]
「顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイント」が,本願発明では,「前記顧客の,商品サービス,イベントの閲覧,前記商品に対する購入見込み,前記サービスに対する申し込み見込み,前記イベントに対する参加見込み,前記商品の購入のいずれかに対する,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度に応じて」付与されるのに対して,引用発明では,見込み客の,アクセス回数,アクセス率のそれぞれにつけられた値である点

5 相違点についての検討

(1) 相違点1及び相違点2について

Webサイトを利用して,商品販売だけでなくサービスやイベントの申し込みを受け付けることは周知の事項であり,引用発明において,顧客の商品の閲覧,購入見込みなどに加えて,サービスやイベントの閲覧,申し込み見込みなどの行動を考慮することは,当業者が適宜行い得る設計的事項である。また,商品販売だけでなくサービスやイベントの申し込みを受け付けるために,Webサイトに商品やサービスに加えてイベントに関するものを採用することは格別困難ではない。
してみると,引用発明において,「Webサイト」を「所定の商品,サービス,イベントのいずれかに関する」ものとすること,「アクセスのログ」を「商品サービス,イベントの閲覧,前記商品に対する購入見込み,前記サービスに対する申し込み見込み,前記イベントに対する参加見込み,前記商品の購入のいずれかに対する」ものとすることは,当業者であれば容易になし得たものである。

(2) 相違点3について

任意の処理に用いるデータをその都度算出するか,データベース等の記憶手段から読み出すかは,いずれも,当業者が適宜選択し得る設計的事項である。そうすると,引用発明において,見込み客のセグメント化に用いるアクセス回数等のデータをその都度算出するのに代えて,データベース等の記憶手段から読み出すような構成とすることは格別困難ではない。
してみると,引用発明において,「行動ログ」を記憶手段から読み出すために,「前記Webサイト内での顧客毎のアクセスログを基に作成した,顧客の行動を記録する行動ログを記憶する第3のデータベース」に記憶するようにすることは,当業者であれば容易になし得たものである。

(3) 相違点4について

一般に,複数の機能を備えたシステムを,複数のサーバに機能を分散させて構築するのも,一のサーバに機能を統合して構築するのも,いずれも,当業者が適宜選択し得る設計的事項である。そして,3(1)ア(イ)によれば,引用発明のシステムは,見込み客に対して商品やサービスに関する情報を提供する「情報提供システム20」と,情報提供側企業に対して見込み客に関する情報を提供する「見込み客情報管理システム30」とを含むものであり,同引用発明のシステムにおいて,「見込み客情報管理システム30」の情報提供側企業に対して見込み客に関する情報を提供するとの機能を「情報提供システム20」に統合するような構成とすることは格別困難ではない。
してみると,引用発明において,「前記行動ログを基に,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与して集計することにより算出した,見込みポイントが所定の値以上である顧客を抽出する」を「見込み客情報管理システム30」に代えて「サーバ」が行うようにすることは,当業者であれば容易になし得たものである。

(4) 相違点5について

引用文献2に記載された「検索ボタン21の操作」,「詳細ボタン31の操作」,「注文ボタン41の操作」,「決済ボタン51の操作」は,顧客の,「商品の購入」に対する一連の行動であり,最後の「決済ボタン51の操作」は,商品注文ページ50において「顧客が「注文/決済」を完了したと想定」されるものであるから,「商品を購入する最終確認」をともなう行動であるといえる。そして,「検索ボタン21の操作」,「詳細ボタン31の操作」,「注文ボタン41の操作」は,「商品を購入する最終確認」をともなう行動である「決済ボタン51の操作」に至るまでの進む行動であり,検索ボタン21で-10ポイント,詳細ボタン31で+5ポイント,注文ボタン41で+100,決済ボタン51で+500を加算するというように,行動が進行するにしたがって,より多くのポイントが加算されるように設定されているものである。そうすると,上記した各ボタン操作に対して加算されるポイントは,本願発明のように「顧客の,商品の購入に対する,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度」に応じて付与されるものであるといえる。
また,各ボタン操作は,顧客の「商品の購入」に対する一連の行動であり,行動が進行するにしたがって,顧客が商品の購入を行う見込みが高くなるから,上記した各ボタン操作に対して加算されるポイントは,「顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度」に応じて付与されるものであるといえる。
また,各ボタン操作の度に加算されるポイントは,「あらかじめ設定しておく」ものであるから,「事前に定められた」ものであるといえる。
したがって,引用文献2には,相違点5に係る「顧客の,商品の購入に対する,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度に応じて,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与すること」が記載されているといえる。
引用発明では,顧客の購入見込みの程度を判断するために,ウェブページへのアクセス回数等を用いているが,顧客の商品の購入に対する,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度に応じても同様の判断をなし得ることは引用文献2に記載されているから,引用発明において,上記判断をするために,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度を考慮することは格別困難ではない。
また,(1)で上記したとおり,引用発明において,顧客の商品の閲覧,購入見込みなどに加えて,サービスやイベントの閲覧,申し込み見込みなどの行動を考慮することは,当業者が適宜行い得る設計的事項である。
してみると,引用発明と,引用文献2の記載事項とは,Webサイト内での顧客の行動に応じて当該顧客を評価する点で技術分野,課題が共通するものであるから,引用発明において,より的確に顧客の評価を行うために,引用文献2の記載事項及び周知事項を適用して,「顧客の,商品サービス,イベントの閲覧,前記商品に対する購入見込み,前記サービスに対する申し込み見込み,前記イベントに対する参加見込み,前記商品の購入のいずれかに対する,商品を購入する最終確認に至るまでの進む行動の進行程度に応じて,顧客が商品の購入を行う見込みが高いことを示す程度に応じて事前に定められたポイントを付与する」ようにすることは,当業者であれば容易になし得たものである。

6 本願発明の作用効果について

相違点1ないし5を総合的に勘案しても,本願発明の奏する作用効果は,引用発明,引用文献2の記載事項及び周知事項の作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。

7 まとめ

以上のとおり,本願発明は,引用発明,引用文献2の記載事項及び周知事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができないものである。

第3 むすび

以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-02-22 
結審通知日 2017-02-28 
審決日 2017-03-16 
出願番号 特願2011-235179(P2011-235179)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青柳 光代  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 貝塚 涼
石川 正二
発明の名称 見込み顧客抽出システムおよび見込み顧客抽出方法  
代理人 佐藤 隆久  
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