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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G11B
管理番号 1327757
審判番号 不服2016-8376  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-07 
確定日 2017-05-23 
事件の表示 特願2012-156780「ハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 3月 7日出願公開、特開2013- 48005、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年7月12日(優先権主張平成23年7月27日)の出願であって、平成27年12月22日付けで拒絶理由通知がされ、平成28年2月18日に意見書とともに手続補正書が提出され、同年3月8日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、同年8月19日付けで前置報告がされたものである。

第2 原査定の概要
原審の拒絶理由通知(平成27年12月22日付け)の概要は次のとおりである。

「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記(引用文献等については引用文献等一覧参照。)

●理由について
・請求項1
・引用文献等:1.
・備考
文献1のシールド板(22)に代え軸と一体にされたフランジ(44)は本願の「シールドキャップ」に相当する。
そして,図2の要部を拡大した図3にみられるよう,内輪側(図3の右側)に設けられた軸受のシール(30)とフランジ(44)の軸方向隙間は,外輪側(同左側)に比べ,明らかに狭い。
文献1は本願の特定する用途への適用を示す。
文献1のものはフランジが軸と一体であるが,これを別体とすることは,文献1がシールド板(22)に代え軸と一体にされたフランジ(44)を示すこと(第1の実施例と第2の実施例を対比のこと。)からしても,一般的なことといわざるを得ない。

ここで,文献1のフランジ(44)は本願の「他方の軸受」をいうものともとれるが,文献1のものは図1・図2共に上下双方にシールド部材が存在しており,当該フランジ(44)の形状をシールド板(22)に採用することで本願のようにすることは,同様のシールド効果を得ようとするのであれば,適宜なし得る程度のことである。

・請求項2
・引用文献等:1.
・備考
文献1の図3の外輪側の傾斜,文献1の寸法関係を具体的に示しただけである。

・・・・略・・・・

〈引用文献等一覧〉
1.特開平11-166526号公報 」


原査定(平成28年3月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

「 この出願については,平成27年12月22日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって,拒絶をすべきものです。
なお,意見書及び手続補正書の内容を検討しましたが,拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。
●理由(特許法第29条第2項)について
・請求項1から10
・引用文献等:1
補正は,実質的には,補正前の請求項1を引用する請求項2を新たな請求項1とし,補正前の請求項3から11を繰上げたものである。
したがって,拒絶の理由で示したとおり,補正によっては拒絶の理由が解消していないものとしなければならないから,意見書の主張をみるに,要件A及び要件Bを挙げているところ,かかる両要件は拒絶の理由で請求項2について検討したように,文献1の図示することが明らかなところであり,請求項1で検討していたように,当該構造を同種の機能をもたせ得る箇所に採用するという,軸受部の設計において普通になされる程度のことをしたにとどまるものであるから,拒絶の理由を解消するものとして採用することができるものではない。

〈引用文献等一覧〉
1.特開平11-166526号公報(「文献1」) 」


第3 本願発明
本願請求項1?10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明10」という。)は、平成28年6月7日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりのものと認める。

「 【請求項1】
軸方向一端部にフランジ部を有する軸部材と、
内輪と、外輪と、該内輪及び外輪間に配置される複数の転動体と、該複数の転動体をそれぞれ保持する保持器と、該外輪の軸方向端部に配置される密封部材と、をそれぞれ備え、前記軸部材の周囲に並列に配置される一対の軸受と、
前記軸部材の軸方向他端側に取り付けられ、軸方向内側面が前記一方の軸受の外輪の軸方向端面と対向するように半径方向に延出するシールドキャップと、
を有するハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニットであって、
前記密封部材は、該外輪の軸方向端部に形成された環状溝に取り付けられ、前記内輪に向かって延びるリング部を有するシールド部材であり、
前記シールドキャップの軸方向内側面は、前記一方の軸受のシールド部材のリング部と対向する第1キャップ面と、該第1キャップ面よりも半径方向外側、且つ、軸方向外側で、前記外輪の径方向に延在する軸方向端面と対向し、前記軸部材の中心軸に対して垂直方向に延びる平板形状の第2キャップ面と、該第1及び第2キャップ面を繋ぐキャップ段差面と、によって段付き形状に形成されており、
前記シールドキャップの軸方向内側面は、前記第1キャップ面と前記一方の軸受のシールド部材のリング部との軸方向最短隙間が、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭くなり、且つ、前記キャップ段差面と、前記外輪の軸方向端面と前記環状溝との境界位置との最短隙間が、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭くなるように形成されていることを特徴とするハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項2】
前記第1キャップ面と前記一方の軸受のシールド部材のリング部との軸方向最短隙間が、0.1mm以下に設定され、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間が0.2mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項3】
前記キャップ段差面は、断面直線状の傾斜面であることを特徴とする請求項1または2に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項4】
前記シールドキャップのキャップ段差面と、前記外輪の軸方向端面と前記環状溝との境界位置との最短隙間が0.1mm以下に設定されていることを特徴とする請求項3に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項5】
前記フランジ部の軸方向内側面は、前記他方の軸受の密封部材との軸方向隙間が、前記外輪との軸方向隙間よりも狭くなるように段付き形状に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項6】
前記密封部材は、該外輪の軸方向端部に形成された環状溝に取り付けられ、前記内輪に向かって延びるリング部を有するシールド部材であり、
前記フランジ部の軸方向内側面は、前記他方の軸受のシールド部材のリング部と対向する第1フランジ面と、該第1フランジ面よりも半径方向外側、且つ、軸方向外側で、前記外輪の軸方向端面と対向する第2フランジ面と、該第1及び第2フランジ面を繋ぐフランジ段差面と、によって前記の段付き形状に形成され、
前記フランジ部の軸方向内側面は、前記第1フランジ面と前記他方の軸受のシールド部材のリング部との軸方向最短隙間が、前記第2フランジ面と前記外輪との軸方向最短隙間よりも狭くなり、且つ、前記フランジ段差面と、前記外輪の軸方向端面と前記環状溝との境界位置との最短隙間は、前記第2フランジ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項5に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項7】
前記第1フランジ面と前記他方の軸受のシールド部材のリング部との軸方向最短隙間が、0.1mm以下に設定され、前記第2フランジ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間が0.2mm以下に設定されていることを特徴とする請求項6に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項8】
前記フランジ段差面は、断面直線状の傾斜面であることを特徴とする請求項6または7に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項9】
前記フランジ部のフランジ段差面と、前記外輪の軸方向端面と前記環状溝との境界位置との最短隙間が0.1mm以下に設定されていることを特徴とする請求項8に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。
【請求項10】
前記一対の軸受の前記外輪に外嵌するハウジングを、さらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。 」


第4 引用文献、引用発明等
1.文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ディスク装置用スイングアーム用軸受のように、高速で微小揺動する部位に使用される転がり軸受の改良に関する。」

イ.「【0009】
【実施例】図1に本発明の第1の実施例を示す。この実施例は本発明がスイングアーム用転がり軸受装置に適用された例であって軸を垂直にして使用する。
【0010】本実施例のスイングアーム用転がり軸受装置1は、両端をケース100に固定された軸6の両端に一対の玉軸受2、4が配置され、軸受2、4は内輪10の内径面で軸6に、外輪14の外径面でハウジング8の内周面の端部に圧入、固定されている。予圧の付与は、内輪10を加振しながら軸6に圧入し、外輪14側で共振周波数を測定しながら予圧制御する、いわゆる共振圧入方式によって行う。玉軸受2、4には潤滑剤として、あらかじめ軌道面に微量の油を注入してある。玉軸受2、4のボール18はセラミックス製である。ハウジング8には、ボイスコイルモータ110及びスイングアーム120が固定してある。
【0011】一方、軸受2、4には、ボールの軸方向両側において、通常のシール30が外輪10に設けられており、シール30と内輪軌道面34との間には微小なすきま38が保たれている。また、シールド板22はステンレス鋼で中空円板状を呈し、上下の玉軸受2、4の軸方向外側に配置され、軸6に圧入固定されている。・・・・」

ウ.「【0014】図2に本発明の第2の実施例を示す。本実施例では、第1の実施例の軸方向下部のシールド板22の代わりに、軸の軸方向下部にフランジ42を設け、さらに、フランジ42の外周面とハウジング8の内周面との間に、微小すきま46を設けている。この場合の軸受装置のケースへの取付基準面はフランジ42の底面となる。
【0015】本実施例の構成では、シールド板22は軸方向上部だけに設けることとなり、これにより部品点数を減らし低コストにできる。また、フランジ42で玉軸受4をバックアップすることが可能であるため、モーメント剛性と耐衝撃性が向上する。
【0016】また、図3に示すように、フランジ42において玉軸受4の内輪12の近くに油だまり44を設けると油が滲み出しにくくなるためより好ましい。
【0017】さらに、フランジ42の外周面とハウジング8の内周面との間に、第1の実施例と同様な微小すきま46を設けることにより、軸方向下部にシールド板を用いたのと同じ効果をもたせることができる。」

エ.図2、図3として以下の図面が記載されている。
【図2】 【図3】

図2,図3によれば、シール30は外輪14の両端部に形成された溝に取り付けられて内輪方向に伸びるように構成されていることが明らかである。

上記摘記事項ウ.に記載されているように、第2の実施例は、第1の実施例の軸方向下部のシールド板22の代わりに、軸の軸方向下部にフランジ42を設けたものであるから、当該フランジ42以外の構成については実施例1について記載された上記摘記事項イ.を参照し、また図2、図3に開示された内容も参酌すると、文献1には第2の実施例として次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 一端にフランジ42を有する軸6と、
内輪12,外輪14、及びボール18と、当該ボール18の軸方向両側において外輪10に設けられるシール30と、をそれぞれ備え、軸の両端に配置された一対の玉軸受け2,4と、
前記軸6の他端に配置された中空円板状のシールド板22と、
を有する磁気ディスク装置用スイングアーム用軸受であって、
前記シール30は外輪14の両端部に形成された溝に取り付けられて内輪方向に伸びるように形成され、
前記フランジ42は、前記シール30に対向する第1の面と、当該第1の面の軸の径方向外側に設けられ、軸の外側方向に傾斜した第2の面を有する、
磁気ディスク装置用スイングアーム用軸受。」


2.その他の文献について
前置報告書において周知技術を示す文献として引用された文献2(特開2005-76660号公報、特に図1?3及びこれに関連する明細書の記載を参照。)には段差のあるフランジ部であって、外輪12の軸方向端面に対応する位置が平板状とされるものが記載され、文献3(米国特許第7952837号明細書、特に図2,3及びこれに関連する明細書の記載を参照。)には、段差を有するキャップの、外輪(outer race)(58)に対向する部分が平坦に構成されたものが記載されている。


第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

引用発明における「軸」、「ボール」、「玉軸受け」は、本願発明1における「軸部材」、「転動体」、「軸受」にそれぞれ相当する。
また、引用発明では、フランジ42の軸方向内側に複数の面(第1の面、第2の面)を有しているのに対し、本願発明ではシールドキャップに複数の面(第1キャップ面?第3キャップ面)を有している点で異なるものの、軸部材の端部に設けられた円板状の部材の内側に複数の面が設けられているという点においては、両者は共通する。
さらに、引用発明における「第1の面」、「磁気ディスク装置用スイングアーム用軸受」は、本願発明1における「第1のキャップ面」、「ハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット」にそれぞれ対応する。また、引用発明における「第2の面」は「第1の面」に接続される面であり、本願発明1の「キャップ段差面」に対応するということができる。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点が認められる。

(一致点)
「 軸方向一端部にフランジ部を有する軸部材と、
内輪と、外輪と、該内輪及び外輪間に配置される複数の転動体と、該外輪の軸方向端部に配置される密封部材と、をそれぞれ備え、前記軸部材の周囲に並列に配置される一対の軸受と、
前記軸部材の軸方向他端側に取り付けられ、軸方向内側面が前記一方の軸受の外輪の軸方向端面と対向するように半径方向に延出するシールドキャップと、
を有するハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニットであって、
前記密封部材は、該外輪の軸方向端部に形成された環状溝に取り付けられ、前記内輪に向かって延びるリング部を有するシールド部材であり、
軸部材の端部に設けられた円板状の部材の軸方向内側面は、前記一方の軸受のシールド部材のリング部と対向する第1キャップ面と、キャップ段差面と、によって段付き形状に形成されている、
ハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット。」

(相違点1)
本願発明1は転動体を保持する「保持器」を備えるのに対し、引用発明にはこれに対応する構成が明示されていない点。

(相違点2)
一致点とした、段付き形状に形成される「軸部材の端部に設けられた円板状の部材」について、本願発明1では「シールドキャップ」であるのに対して、引用発明では「フランジ42」である点。

(相違点3)
本願発明1は「該第1キャップ面よりも半径方向外側、且つ、軸方向外側で、前記外輪の径方向に延在する軸方向端面と対向し、前記軸部材の中心軸に対して垂直方向に延びる平板形状の第2キャップ面」を有するのに対し、引用発明はこれに対応する構成を備えていない点。

(相違点4)
本願発明1は、「前記シールドキャップの軸方向内側面は、前記第1キャップ面と前記一方の軸受のシールド部材のリング部との軸方向最短隙間が、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭くなり、且つ、前記キャップ段差面と、前記外輪の軸方向端面と前記環状溝との境界位置との最短隙間が、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭くなるように形成されている」のに対して、引用発明では、このような隙間の大小の特定がなされていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み上記相違点4について検討すると、本願発明1は、「前記第1キャップ面と前記一方の軸受のシールド部材のリング部との軸方向最短隙間が、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭く」し、且つ、「前記キャップ段差面と、前記外輪の軸方向端面と前記環状溝との境界位置との最短隙間が、前記第2キャップ面と前記外輪の軸方向端面との軸方向最短隙間よりも狭くなるように形成」することによって、空気流動を減らしアウトパーティクルを減らすものであるところ、引用発明には、相違点4とした隙間の大小を特定することについて記載も示唆もされていないし、引用文献2,3をみても、隙間の大小の関して何ら開示されていない。そうしてみると、引用発明及び文献2,3から、「第1キャップ面」、「第2キャップ面」及び「キャップ段差面」を形成した上で、相違点4のように各面に係る隙間の大小を特定することを当業者が容易に想到できた事項ということはできない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、文献2、3に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2?10について
本願発明2?10は、本願発明1を直接若しくは間接的に引用する発明であり、本願発明1の構成を含む発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、文献2、3に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。


第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1?10は、「第2キャップ面」が「前記外輪の径方向に延在する軸方向端面と対向し、前記軸部材の中心軸に対して垂直方向に延びる平板形状」であるという構成を有するものとなり、上記「第5 対比・判断」の「1.」の項で相違点3、相違点4とした構成を有することとなった。これに対して、拒絶査定において引用された文献1には本願発明1の「第2キャップ面」に相当する構成、及び隙間の大小に関し記載も示唆もされていないから、拒絶査定において引用された文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由(特許法第29条第2項)を維持することはできない。


第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-05-09 
出願番号 特願2012-156780(P2012-156780)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G11B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齊藤 健一  
特許庁審判長 北岡 浩
特許庁審判官 山本 章裕
水野 恵雄
発明の名称 ハードディスクアクチュエータ用ピボット軸受ユニット  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  

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