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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H02M
管理番号 1328718
審判番号 不服2016-8047  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-01 
確定日 2017-06-22 
事件の表示 特願2011-206294「電源装置および照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月18日出願公開、特開2013- 70488、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、平成23年9月21日の出願であって、平成27年7月17日付けで拒絶理由が通知され、平成27年9月25日付けで手続補正され、平成28年2月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成28年6月1日付けで拒絶査定不服審判の請求がされ、平成28年12月27日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、平成29年3月6日付けで手続補正されたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成28年2月25日付けで拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-3に係る発明は、以下の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2011-78218号公報
2.特開2011-10466号公報

第3 当審拒絶理由の概要
本願請求項1-3に係る発明は、以下の引用文献1-3に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2011-78218号公報(拒絶査定時の引用文献1)
2.特開2002-237395号公報(当審において新たに引用した文献)
3.特開2010-178571号公報(当審において新たに引用した文献)

第4 本願発明
本願請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、平成29年3月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1-3は以下のとおりの発明である。

【請求項1】
交流電源を整流する整流回路と;
整流回路とそれぞれ負荷が接続される複数の出力部との間に設けられた複数の電源電圧変換回路を有し、複数の電源電圧変換回路にはそれぞれ整流回路で整流された電源電圧を変換して複数の負荷に供給するスイッチング素子および各スイッチング素子をオンオフ動作させる制御手段を備え、少なくとも2つ以上の異なるスイッチング周波数であるとともにそれぞれのスイッチング周波数を一定として複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子がオンオフ動作する電源電圧変換部と;
交流電源と整流回路との間に設けられ、複数の電源電圧変換回路に共通に接続されるフィルタ回路と;
を具備していることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
各電源電圧変換回路は、前記制御手段によりスイッチング素子をオンオフ動作させるスイッチング周波数を設定するスイッチング周波数設定手段を有していることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
器具本体と;
請求項1または2記載の電源装置と;
電源装置の負荷としての光源と;
を具備していることを特徴とする照明装置。

第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
平成28年12月27日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、当審において注目する部分に付与した。以下、同様。)
「【0023】
図1において、直流電源装置1は、AC-DC変換回路2、複数の降圧チョッパ回路3a,3bおよび制御回路4を有して構成されている。そして、入力端子5a,5bが商用交流電源Vsに接続され、出力端子6a,6b、7a,7bが負荷としての発光ダイオード(LED)8に接続されて、発光ダイオード8を点灯させるLED点灯装置に形成されている。発光ダイオード8は、その複数個が直列接続されている。
【0024】
AC-DC変換回路2は、直流電源回路9および昇圧チョッパ回路10からなっている。直流電源回路9は、全波整流回路11、トランスT1を有して形成されたノイズフィルタ回路12およびノイズフィルタとして作用するコンデンサC1を有して形成されている。そして、全波整流回路11の入力端子は、ノイズフィルタ回路12を介して入力端子5a,5bに接続されている。全波整流回路11の出力端子間にコンデンサC1を接続している。コンデンサC1の低電位側は、コンデンサC2を介してアースEに接続されている。直流電源回路9は、商用交流電源Vsの交流電圧例えばAC100Vを全波整流し、全波整流電圧をコンデンサC1の両端間に出力する。
【0025】
昇圧チョッパ回路10は、スイッチング素子である電界効果トランジスタQ1のオンオフ動作により、直流電源回路9の出力電圧をチョッピングして所定の直流電圧例えばDC400Vを出力するものであり、周知の構成で形成されている。すなわち、直流電源回路9のコンデンサC1の両端間に接続されたインダクタL1および電界効果トランジスタQ1の直列回路と、電界効果トランジスタQ1のドレイン、ソース間に接続された逆流防止用のダイオードD1および平滑用コンデンサC3の直列回路を有して形成されている。そして、電界効果トランジスタQ1が制御回路4により所定の周波数およびオンデューティでオンオフ制御されることにより、平滑コンデンサC3の両端間に所定の直流電圧が発生する。
【0026】
こうして、AC-DC変換回路2は、商用交流電源Vsの交流電圧例えばAC100Vを所定の直流電圧例えばDC400Vに変換して出力するように構成されている。
【0027】
降圧チョッパ回路3a,3bは、周知の構成で形成され、AC-DC変換回路2の出力間にそれぞれ並列接続されている。なお、図中、2個の降圧チョッパ回路3a,3bを接続しているが、3個以上であってもよく、例えば6個が接続されている。また、降圧チョッパ回路3a,3bの同一部分には、同一符号を付している。
【0028】
降圧チョッパ回路3a,3bは、AC-DC変換回路2の平滑用コンデンサC3に並列的に接続されたダイオードD2およびスイッチング素子としての電界効果トランジスタQ2の直列回路と、ダイオードD2に並列的に接続されたインダクタL2および平滑用コンデンサC4の直列回路とを有してなり、電界効果トランジスタQ2がAC-DC変換回路2の出力間の低電位側である電圧ラインA1に接続されている。平滑用コンデンサC4の両端間は、降圧チョッパ回路3a,3bの出力間となっており、それぞれ出力端子6a,6bおよび出力端子7a,7bに接続され、負荷である直列接続された発光ダイオード(LED)8が接続されている。
【0029】
そして、電界効果トランジスタQ2は、そのゲート、ソース間が制御回路4に接続されており、制御回路4から出力された例えばDC3?4Vの制御信号(駆動電圧)が印加されることによりオンする。すなわち、電界効果トランジスタQ2は、制御回路4から出力された制御信号によりオンオフ動作する。これにより、AC-DC変換回路2から出力された所定の直流電圧は、チョッピングされ、平滑用コンデンサC4の両端間に電界効果トランジスタQ2のオンオフ動作に応じた直流電圧が発生する。
【0030】
発光ダイオード8は、同一種類からなり、その両端間に降圧チョッパ回路3a,3b,…から出力された直流電圧が印加されると、電流が流れて点灯し、照明光として利用される可視光(例えば白色光)を放射するように形成されている。そして、図2に示すように、各回路基板13a?13fに実装され、各LEDモジュール14a?14eを構成している。各LEDモジュール14a?14eは、各降圧チョッパ回路3a,3b,…にそれぞれ接続されている。そして、各LEDモジュール14a?14eが集合して、発光体15が形成されている。
【0031】
図1において、制御回路4は、集積回路(IC)を有して形成されている。そして、電界効果トラ
ンジスタQ2のゲート、ソース間に所定のオンオフ周波数やオンデューティを有する駆動電圧(DC3?4V)を出力し、電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御する。すなわち、各降圧チョッパ回路3a,3b,…の平滑用コンデンサC4の両端間に(出力端子6a,6b、7a,7b、…間に)一定の直流電圧を出力させる。」

上記下線部の記載によれば、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「AC-DC変換回路2、複数の降圧チョッパ回路3a,3bおよび制御回路4を有して構成されている直流電源装置であって、
AC-DC変換回路2は、商用交流電源Vsの交流電圧を全波整流する全波整流回路11と、前記全波整流回路11の入力側に接続されたノイズフィルタ回路12と、前記全波整流回路11の出力側に接続された昇圧チョッパ回路10からなり、
降圧チョッパ回路3a、3bは、前記AC-DC変換回路2の出力に並列接続され、
前記各降圧チョッパ回路3a、3bの出力に、負荷としてのLED8が、それぞれ接続され、
制御回路4は、各降圧チョッパ回路3a、3bのスイッチング素子(電界効果トランジスタQ2)に所定のオンオフ周波数やオンデューティを有する駆動電圧を出力し、スイッチング素子(電界効果トランジスタQ2)を所定のオンオフ周波数でオンオフ制御する、直流電源装置。」

2.引用文献2、3について
平成28年12月27日付けの拒絶の理由に引用された引用文献2(当審拒絶理由において新たに引用した文献)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した回路構成では、各直流-直流変換回路を構成する個々のスイッチング素子について、そのオン状態に同期関係が発生してしまうため、下記に示す不都合が発生する。
【0007】・リプル電流(あるいはリップル電流)の増大
・ラジオ(周波数)ノイズが大きくなること。
【0008】図9は、上記した演算信号EA1、EA2の電位と、鋸歯状波SAWの波形、コンパレータC1の出力信号SO1、コンパレータC2の出力信号SO2について、波形及び位相関係の一例を示したものである。尚、信号SO1(又はSO2)については、信号EA1(又はEA2)の電位よりもSAWの電位の方が大きくなったときにL(ロー)レベルとなる。
【0009】信号SO1、SO2に基いて各直流-直流変換回路のスイッチング素子がオン/オフ制御されるため、両素子が同期してオン状態やオフ状態になると、直流-直流変換回路の入力段に設けられたコンデンサのリプル電流が大きくなり、当該コンデンサの大容量化や大型化、コスト上昇の原因となる。
【0010】また、リプル電流が大きくなるということは、ノイズ成分もそれに応じて大きくなることを意味し、よって、ノイズを抑制するための素子や部品の追加等を余儀なくされ、回路規模の大型化やコスト上昇を招くことになる。
【0011】そこで、本発明は、複数の放電灯の点灯制御を行う点灯回路において、リプル電流及びノイズの抑制及び小型化、低コスト化を課題とする。」

「【0019】本構成では、放電灯6_1に対する回路として、直流-直流変換回路3_1、直流-交流変換回路4_1、起動回路5_1が設けられるとともに、放電灯6_2に対する回路として、直流-直流変換回路3_2、直流-交流変換回路4_2、起動回路5_2が設けられており、制御回路7が共通化されている。
【0020】つまり、放電灯点灯回路1Aにおいて、直流電源2から点灯スイッチ(図示せず。)を介して直流-直流変換回路3_1、3_2に直流電圧がそれぞれ供給された後、それらの出力電圧が直流-交流変換回路4_1、4_2にそれぞれ供給される。尚、各直流-直流変換回路については、当該回路を構成するスイッチング素子のオン/オフ制御により、直流入力電圧を所望の直流電圧に変換するための構成、例えば、スイッチングレギュレータの構成を有するDC-DCコンバータ(チョッパー式、フライバック式等。)の回路構成が挙げられる。また、直流-交流変換回路としては、ブリッジ型回路(フルブリッジ回路)等が挙げられるがその如何は問わない。」

「【0041】本例では、コンパレータC1の出力信号「SO1」に基いて一方の直流-直流変換回路のスイッチング素子がオン/オフ制御され、コンパレータC2の出力信号「SO2」に基いて他方の直流-直流変換回路のスイッチング素子がオン/オフ制御されるが、各抵抗RT1、RT2の抵抗値又は各コンデンサCT1、CT2の静電容量値をそれぞれ変えることによって(回路9_1、9_2についての時定数を異ならせる。)、2つのスイッチング周波数が異なるように設定し、各直流-直流変換回路のスイッチング素子についてオン/オフのタイミングをずらすこと(非同期関係)ができる。尚、当該オン/オフのタイミングが偶然に一致する瞬間も発生し得るが、これは一過性のものであるため、全体としては上記のリプル電流「IRP」を低減できる。」

平成28年12月27日付けの拒絶の理由に引用された引用文献3(当審拒絶理由において新たに引用した文献)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0005】
DC-DC変換回路を有するLED電源回路では、スイッチング雑音が入力電源ラインに漏洩しないように、電源入力部にノイズフィルタを設ける必要があるが、近年では、LEDの多灯化により雑音端子電圧が増加する傾向にある。雑音低減のためにDC-DC変換回路の回路グランドを器具アースに接続することが考えられる。しかし、回路グランドと器具間の容量が増加することにより、雷サージ電圧(コモンモード)に対する耐量が低下する。そこで、雑音端子電圧を規制範囲内に抑制しながら、なおかつ雷サージ性能を満足するように容量を選択することが必要となる。
【0006】
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、DC-DC変換回路を用いたLED電源回路において、入力電源ラインへ伝搬する高周波雑音を低減すると共に、雷サージ性能を向上させることを課題とする。」

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「商用交流電源Vs」は、本願発明1の「交流電源」に相当し、引用発明の「商用交流電源Vsの交流電圧を全波整流する全波整流回路11」は、本願発明の「交流電源を整流する整流回路」に相当する。
イ 引用発明の「複数の降圧チョッパ回路3a、3b」は、入力側がAC-DC変換回路2を介して前記全波整流回路11の出力側に接続され、出力側が、それぞれ負荷としてのLED8が接続されているから、本願発明1の「整流回路とそれぞれ負荷が接続される複数の出力部との間に設けられた複数の電源電圧変換回路」に相当する。
ウ 引用発明の「各降圧チョッパ回路3a、3b」が「スイッチング素子(電界効果トランジスタQ2)」を備える構成は、本願発明1の「複数の電源電圧変換回路には整流回路で整流された電源電圧を変換して複数の負荷に供給するスイッチング素子」を備える構成に相当するといえる。
エ 引用発明の「制御回路4」は、「各降圧チョッパ回路3a、3bのスイッチング素子(電界効果トランジスタQ2)を所定のオンオフ周波数でオンオフ制御する」から、引用発明の「降圧チョッパ回路3a、3b」と「制御回路4」から成る構成は、本願発明1の「整流回路とそれぞれ負荷が接続される複数の出力部との間に設けられた複数の電源電圧変換回路を有し、複数の電源電圧変換回路にはそれぞれ整流回路で整流された電源電圧を変換して複数の負荷に供給するスイッチング素子および各スイッチング素子をオンオフ動作させる制御手段を備え、少なくとも2つ以上の異なるスイッチング周波数であるとともにそれぞれのスイッチング周波数を一定として複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子がオンオフ動作する電源電圧変換部」と、「整流回路とそれぞれ負荷が接続される複数の出力部との間に設けられた複数の電源電圧変換回路を有し、整流回路で整流された電源電圧を変換して複数の負荷に供給するスイッチング素子および各スイッチング素子をオンオフ動作させる制御手段を備え、それぞれのスイッチング周波数を一定として複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子がオンオフ動作する電源電圧変換部」である点では共通するといえる。
オ 引用発明の「前記全波整流回路11の入力側に接続されたノイズフィルタ回路12」は、本願発明1の「交流電源と整流回路との間に設けられ、複数の電源電圧変換回路に共通に接続されるフィルタ回路」に相当するといえる。

カ 引用発明の「直流電源装置」は、本願発明1と同様の「電源装置」といいえるものである。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「交流電源を整流する整流回路と;
整流回路とそれぞれ負荷が接続される複数の出力部との間に設けられた複数の電源電圧変換回路を有し、整流回路で整流された電源電圧を変換して複数の負荷に供給するスイッチング素子および各スイッチング素子をオンオフ動作させる制御手段を備え、それぞれのスイッチング周波数を一定として複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子がオンオフ動作する電源電圧変換部と;
交流電源と整流回路との間に設けられ、複数の電源電圧変換回路に共通に接続されるフィルタ回路と;
を具備していることを特徴とする電源装置。」

(相違点1)
複数の電源電圧変換回路には、本願請求項1に係る発明では、「それぞれ」「各スイッチング素子をオンオフ動作させる制御手段」を備える構成であるのに対し、引用発明では、そのような構成ではない点
(相違点2)
電源電圧変換部は、本願請求項1に係る発明では、複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子に対する、それぞれのスイッチング周波数が、少なくとも2つ以上の異なるスイッチング周波数であるとともにそれぞれのスイッチング周波数を一定としている構成を備えるのに対し、引用発明では、それぞれのスイッチング周波数が、少なくとも2つ以上の異なるスイッチング周波数である特定がない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、
上記引用文献2には、2つの放電灯について点灯制御を行う点灯回路において、2つの直流-直流変換回路のスイッチング素子をオン/オフ動作させる「スイッチング周波数が異なるように設定し、各直流-直流変換回路のスイッチング素子についてオン/オフのタイミングをずらす」こと(以下、「引用文献2記載の技術的事項」という。)により、直流-直流変換回路の入力段に設けられたコンデンサのリプル電流及びラジオノイズを低減できることが記載されているが、引用発明は、「複数の負荷を電力可変可能に接続することができるとともに、コスト低減可能な直流電源装置」を提供することを目的(段落【0005】)とするものであり、リプル電流及びラジオノイズを抑制することを目的とする上記引用文献2記載の技術的事項を採用する動機付けはない。
また、引用発明における「ノイズフィルタ回路12」が、引用文献3に記載されているような「スイッチング雑音が入力電源ラインに漏洩しないように、電源入力部に」設けられた「ノイズフィルタ」であることが明らかであっても、引用発明にリプル電流及びラジオノイズを抑制することを目的とする上記引用文献2記載の技術を採用する動機付けはない。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2、3記載の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明2、3について
本願発明2、3も本願発明1の「電源電圧変換部は、」「複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子に対する、それぞれのスイッチング周波数が、少なくとも2つ以上の異なるスイッチング周波数であるとともにそれぞれのスイッチング周波数を一定としている」構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明、引用文献2、3記載の技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
本願発明1-3は、「電源電圧変換部は、」「複数の電源電圧変換回路のスイッチング素子に対する、それぞれのスイッチング周波数が、少なくとも2つ以上の異なるスイッチング周波数であるとともにそれぞれのスイッチング周波数を一定としている」という技術的事項を有するものである。当該技術的事項は、原査定における引用文献1(当審拒絶理由における引用文献1)、2には記載されておらず、本願出願日前における周知技術でもないので、本願発明1-3は、当業者であっても原査定における引用文献1、2に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-06-07 
出願番号 特願2011-206294(P2011-206294)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H02M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 安食 泰秀  
特許庁審判長 新川 圭二
特許庁審判官 和田 志郎
山澤 宏
発明の名称 電源装置および照明装置  
代理人 河野 仁志  
代理人 熊谷 昌俊  
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