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審決分類 |
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する B60T 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B60T 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する B60T 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B60T 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する B60T |
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管理番号 | 1329380 |
審判番号 | 訂正2017-390025 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2017-03-30 |
確定日 | 2017-06-08 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6039367号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6039367号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6039367号は、平成24年11月5日に出願されたものであり、以降の主な手続は以下のとおりである。 平成28年 5月25日 拒絶理由通知 同年 8月 1日 意見書及び手続補正書 同年 9月30日 特許査定 同年11月11日 設定登録 同年12月 7日 特許掲載公報発行 平成29年 3月30日 本件訂正審判の請求 第2 請求の要旨 本件訂正審判の請求の要旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第6039367号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(以下、「本件訂正」という。)。 1 訂正事項1 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の、特許請求の範囲の請求項1に、「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触し、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触しない」と記載されているのを、「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触する」に訂正する(下線は、訂正箇所を示すものであり、請求人が付与。以下、同様。)。 2 訂正事項2 本件特許明細書等の、明細書の段落【0009】に、「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触し、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触しない」と記載されているのを、「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触する」に訂正する。 第3 当審の判断 上記訂正事項1及び訂正事項2について検討する。 1 訂正事項1について (1) 訂正の目的について ア 本件特許明細書等の記載 本件特許明細書等には、下記の記載がある。 (ア) 「【請求項1】 一次側チャンバーを構成する片側有底円筒状の第1ケースと、二次側チャンバーを構成する円筒状の第2ケースと、両ケースを連結する連結ケースとを備えるスプリングブレーキチャンバーにおいて、 前記連結ケースの第1ケース側の開口端部に形成され、開口側に向かって縮径したテーパ形状の内側位置決め部と、 前記第1ケースの開口端部に形成され、開口側に向かって拡径したテーパ形状の外側位置決め部と、を備え、 前記内側位置決め部と前記外側位置決め部との間には、軸シールとなるシール部材と、前記シール部材を保持する保持部と、が設けられ、 前記保持部は、2つの凸条部によって形成される凹部であって、 前記内側位置決め部の外側に前記外側位置決め部を装着することで、前記連結ケースに対して前記第1ケースを位置決めし、前記外側位置決め部の先端部をかしめることで前記内側位置決め部に前記外側位置決め部を取り付け、 前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触し、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触しない ことを特徴とするスプリングブレーキチャンバー。」 (上記の記載事項を、以下、「訂正前の請求項1」という。) (イ) 「【0016】 【図1】パーキングブレーキ時のスプリングブレーキチャンバーを示す断面図。 【図2】フットブレーキ時のスプリングブレーキチャンバーを示す断面図。 【図3】ブレーキ解除時のスプリングブレーキチャンバーを示す断面図。 【図4】スプリングブレーキチャンバーの第1ケースと連結ケースとの接続部分を示す拡大図。 【図5】一次側チャンバー内に過大圧力が加えられた際のスプリングブレーキチャンバーの第1ケースと連結ケースとの接続部分を示す拡大図。 【発明を実施するための形態】」 (ウ) 「【0032】 図4に示されるように、連結ケース6の第1ケース4側の開口端部には、開口側に向かって縮径したテーパ形状の内側位置決め部18が形成されている。連結ケース6の第1ケース4側の開口端部の外面には凹部6aが形成されているので、凹部6aを構成する2つの凸条部6b,6cの先端部がテーパ形状となっている。 【0033】 第1ケース4の開口端部4aには、開口側に向かって拡径したテーパ形状の外側位置決め部17が形成されている。第1ケース4の外側位置決め部17のテーパ形状に連結ケース6の内側位置決め部18のテーパ形状を嵌め合わせる。このため、テーパに沿って連結ケース6に対する第1ケース4の位置が決まるので、連結ケース6と第1ケース4との位置決めを容易に行うことができる。そして、連結ケース6の内側位置決め部18の外側に第1ケース4の外側位置決め部17を装着し、外側位置決め部17の先端部をかしめることで内側位置決め部18に外側位置決め部17を取り付ける。」 (エ) 「【0038】 さて、図2及び図3に示されるように、パーキングブレーキが解除された状態では、一次側チャンバー2内の第1制御室に圧縮空気が供給される。このとき、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー2内の第1制御室に加えられた場合には、図5に示されるように、連結ケース6と第1ケース4とが離間する方向に連結ケース6と第1ケース4とが引っ張られ、内側位置決め部18のテーパ部分と外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができる。そして、内側位置決め部18と外側位置決め部17との間に設けられたOリング8による締め代を容易に低下できる。よって、この隙間及び締め代から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。 【0039】 以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。 (1)連結ケース6の内側位置決め部18のテーパ形状に第1ケース4の外側位置決め部17のテーパ形状を嵌め合わせることで連結ケース6と第1ケース4とを装着する。このため、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー2内の第1制御室13に加えられた場合には、連結ケース6と第1ケース4とが離間する方向に連結ケース6と第1ケース4とが引っ張られ、連結ケース6の内側位置決め部18のテーパ部分と第1ケース4の外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができる。よって、この隙間から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。また、連結ケース6と第1ケース4との装着部分を変更することで、破損を防止できるので、別部材を設けることによるコストや質量が増加することもない。 【0040】 さらに、テーパに沿って連結ケース6に対する第1ケース4の位置が決まるので、連結ケース6と第1ケース4との位置決めを容易に行うことができる。 (2)連結ケース6の内側位置決め部18と第1ケース4の外側位置決め部17との間を軸シールとした。このため、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー2内の第1制御室13に加えられた場合には、連結ケース6と第1ケース4とが離間する方向に連結ケース6と第1ケース4とが引っ張られ、内側位置決め部18のテーパ部分と外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができた際に、締め代を容易に低下できる。よって、この低下した締め代から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。」 (オ) 図4には、凸条部のうち第1ケース4の開口端部4aの開口側に位置する凸条部6cが外側位置決め部17と接触せず、凸条部のうち第1ケース4の開口端部4aから離間する側に位置する凸条部6bが外側位置決め部17と接触することが看取されるから、図4には、「凸条部のうち第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触する」ことが図示されているといえる。 イ 訂正の目的の検討 前記「ア(イ)」及び「ア(ウ)」の記載を参酌すれば、訂正前の請求項1の「前記内側位置決め部の外側に前記外側位置決め部を装着することで、前記連結ケースに対して前記第1ケースを位置決めし、前記外側位置決め部の先端部をかしめることで前記内側位置決め部に前記外側位置決め部を取り付け」るとの状態は、一次側チャンバー内に過大圧力が加えられた際の状態を示す図5ではなく、図4に図示されていることが明らかである。 そうすると、同じ訂正前の請求項1の「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触し、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触しない」(以下、「訂正前の記載」という。)との状態も、同様に、図4に図示されているべきものである。 しかしながら、訂正前の記載は、図4に図示された前記「ア(オ)」の内容と整合していないから、訂正前の記載は誤記であって、図4に図示された「凸条部のうち第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触する」(前記「ア(オ)」を参照。以下、「訂正後の記載」という。)が正しいことは明らかであり、当業者はたやすくこのことを認識し得たものと認められる。 したがって、訂正事項1は、請求項1の、「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触し、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触しない」を、「前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触する」と、誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (2) 新規事項について 訂正後の記載は、図4に図示されているから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3) 特許請求の範囲の拡張・変更について 前記「(1)イ」のとおり、訂正前の記載は誤記であることが明らかであって、当業者であれば、訂正前の記載を、その記載どおりにではなく、訂正後の記載の趣旨に理解するのが当然であるから、そのような当業者の理解を前提とするならば、本件訂正の前後で特許請求の範囲は同一であり、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものということはできない。 したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4) 独立特許要件について 訂正事項1は、前記「(1)イ」のとおり、誤記を訂正するものである。 そこで、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1に係る発明(以下、「訂正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討するに、訂正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 2 訂正事項2について (1) 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正事項1に係る特許請求の範囲の訂正に伴って、それ自体の記載内容が特許請求の範囲の記載との関係で不整合が生じている記載を、特許請求の範囲の記載との整合を図るため、明細書の段落【0009】を訂正するものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2) 新規事項について 前記「1(2)」と同様の理由により、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3) 特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項2は、特許請求の範囲の記載との整合を図るものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 第4 まとめ 以上のとおり、本件審判の請求に係る訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 スプリングブレーキチャンバー 【技術分野】 【0001】 本発明は、スプリングブレーキチャンバーに関する。 【背景技術】 【0002】 バス、トラック、トレーラ等の大型車両の制動装置には、駆動装置としてスプリングブレーキチャンバーが採用されている(例えば、特許文献1参照)。 スプリングブレーキチャンバーは、有底円筒状の一次側チャンバーと、一次側チャンバーに連結された片側有底円筒状の二次側チャンバーとを備えている。二次側チャンバーの一次側チャンバーが連結される面と反対側には、第2プッシュロッドが挿通される円筒状のロッド挿通部が設けられている。 【0003】 スプリングブレーキチャンバーは、一次側チャンバーを構成する片側有底円筒状の第1ケースと、一次側チャンバーを構成するとともに、二次側チャンバーを構成する連結ケースと、二次側チャンバーを構成する円筒状の第2ケースとを備えている。連結ケースは、断面I字状であって、第1ケースを閉蓋することで一次側チャンバーを構成するとともに、第2ケースを閉蓋することで二次側チャンバーを構成する。第1ケースと連結ケースとはクランプリングによって締付固定、もしくは第1ケースの開口端部をかしめることにより固定されている。また、第2ケースと連結ケースとはクランプリングによって締付固定、もしくは第1ケースの開口端部をかしめることされている。 【0004】 一次側チャンバー内には、片側有底円筒状の第1ピストンが軸方向に摺動可能に収容されている。一次側チャンバー内には、第1ピストンを二次側チャンバー側に付勢する圧縮ばねが設置されている。一次側チャンバーは、第1ピストンによって圧縮ばねが収納されたばね室と連結ケース側の第1制御室との二室に区画されている。第1ピストンには、一次側チャンバーと二次側チャンバーとの連結部を貫通して、第1ピストンと一体に軸方向に進退可能な第1プッシュロッドが固定されている。二次側チャンバー内には、二次側チャンバー内を連結ケース側の第2制御室と第二ピストンロッドが配置されているピストン室との二室に区画するダイヤフラムが設置されている。ダイヤフラムの縁部全周は二次側チャンバーの内壁に固定されている。二次側チャンバー内のロッド挿通部側には、ダイヤフラムの移動に伴って一体にロッド挿通部を摺動する第2ピストンが配置されている。第2ピストンは、ダイヤフラムに取り付けられた円板部と、ロッド挿通部を摺動する棒状部とからなる。棒状部の端部の円筒状の溝穴部には、第2プッシュロッドが挿入されている。 【0005】 第2プッシュロッドの先端の溝には、ブレーキドラムのブレーキシューを拡張させるウェッジが接続されている。よって、スプリングブレーキチャンバーは、一次側チャンバーの第1制御室及び二次側チャンバーの第1制御室の少なくとも一方に圧縮空気を供給してウェッジを駆動することでブレーキを作動させる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】特開2012-87870号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、スプリングブレーキチャンバーは、圧縮空気の圧力調整が不十分であったために過大圧力が一次側チャンバー内に加えられたとしても破損しないよう強度のある材料を採用したり、肉厚を厚くしたりすることで対応している。しかしながら、このような対応を施すと、コストや質量が増加する。そこで、過大圧力が一次側チャンバー内に加えられたとしても、コストや質量が増加することなく破損を防止できるスプリングブレーキチャンバーが求められていた。 【0008】 本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、過大圧力が一次側チャンバー内に加えられたとしても、コストや質量が増加することなく破損を防止できるスプリングブレーキチャンバーを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。 上記課題を解決するスプリングブレーキチャンバーは、一次側チャンバーを構成する片側有底円筒状の第1ケースと、二次側チャンバーを構成する円筒状の第2ケースと、両ケースを連結する連結ケースとを備えるスプリングブレーキチャンバーであって、前記連結ケースの第1ケース側の開口端部に形成され、開口側に向かって縮径したテーパ形状の内側位置決め部と、前記第1ケースの開口端部に形成され、開口側に向かって拡径したテーパ形状の外側位置決め部と、を備え、前記内側位置決め部と前記外側位置決め部との間には、軸シールとなるシール部材と、前記シール部材を保持する保持部と、が設けられ、前記保持部は、2つの凸条部によって形成される凹部であって、前記内側位置決め部の外側に前記外側位置決め部を装着することで、前記連結ケースに対して前記第1ケースを位置決めし、前記外側位置決め部の先端部をかしめることで前記内側位置決め部に前記外側位置決め部を取り付け、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触することをその要旨としている。 【0010】 同構成によれば、内側位置決め部のテーパ形状に外側位置決め部のテーパ形状を嵌め合わせることで連結ケースと第1ケースとを装着する。このため、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー内に加えられた場合には、連結ケースと第1ケースとが離間する方向に連結ケースと第1ケースとが引っ張られ、内側位置決め部のテーパ部分と外側位置決め部のテーパ部分との間に隙間ができる。よって、この隙間から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。また、連結ケースと第1ケースとの装着部分を変更することで、破損を防止できるので、別部材を設けることによるコストや質量の増加もない。 【0011】 さらに、テーパに沿って連結ケースに対する第1ケースの位置が決まるので、連結ケースと第1ケースとの位置決めを容易に行うことができる。 また、内側位置決め部と外側位置決め部との間を軸シールとした。このため、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー内に加えられた場合には、連結ケースと第1ケースとが離間する方向に連結ケースと第1ケースとが引っ張られ、内側位置決め部のテーパ部分と外側位置決め部のテーパ部分との間に隙間ができた際に、締め代を容易に低下できる。よって、この低下した締め代から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。 さらに、外側位置決め部の先端部をかしめることで内側位置決め部に外側位置決め部を取り付けたので、クランプリング等の取付部材を設けることなく、連結ケースと第1ケースとを装着することができ、部品点数を減らすことができる。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、過大圧力が一次側チャンバー内に加えられたとしても、コストや質量が増加することなく破損を防止できる。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】パーキングブレーキ時のスプリングブレーキチャンバーを示す断面図。 【図2】フットブレーキ時のスプリングブレーキチャンバーを示す断面図。 【図3】ブレーキ解除時のスプリングブレーキチャンバーを示す断面図。 【図4】スプリングブレーキチャンバーの第1ケースと連結ケースとの接続部分を示す拡大図。 【図5】一次側チャンバー内に過大圧力が加えられた際のスプリングブレーキチャンバーの第1ケースと連結ケースとの接続部分を示す拡大図。 【発明を実施するための形態】 【0017】 以下、図1?図5を参照して、スプリングブレーキチャンバーの一実施形態を説明する。 図1?図3に示されるように、スプリングブレーキチャンバー1は、有底円筒状の一次側チャンバー2(ピギーバック)と、一次側チャンバー2に連結された片側有底円筒状の二次側チャンバー3(サービスチャンバー)とを備えている。一次側チャンバー2及び二次側チャンバー3は、それぞれ密閉されている。二次側チャンバー3の一次側チャンバー2が連結される面と反対側には、第2プッシュロッド33が挿通される円筒状のロッド挿通部7が設けられている。 【0018】 スプリングブレーキチャンバー1は、一次側チャンバー2を構成する片側有底円筒状の第1ケース4と、一次側チャンバー2を構成するとともに、二次側チャンバー3を構成する連結ケース6と、二次側チャンバー3を構成する円筒状の第2ケース5と、を備えている。連結ケース6は、断面I字形状であって、第1ケース4を閉蓋することで一次側チャンバー2を構成するとともに、第2ケース5を閉蓋することで二次側チャンバー3を構成する。第2ケース5は、二次側チャンバー3を構成する大径部5aとロッド挿通部7を構成する小径部5bとを備えている。 【0019】 連結ケース6の第1ケース4側の開口端部の外面には、シール部材としての断面O形状のOリング8を設置する凹部6aが形成されている。この凹部6aは、2つの凸条部6b,6cによって形成される保持部であって、連結ケース6の外面全周に亘って形成されている。第1ケース4の開口端部4a内に連結ケース6の一端部が当接した状態で、第1ケース4の開口端部4aがかしめられて、第1ケース4と連結ケース6とが接続されている。 【0020】 第2ケース5の連結ケース6側の端部にはリブ5cが形成され、連結ケース6の第2ケース5側の端部にはリブ6dが形成されている。第2ケース5のリブ5cと連結ケース6のリブ6dとはクランプリング9によって締付固定されている。 【0021】 一次側チャンバー2には、圧縮空気を出し入れする一次側流出入孔11が連結ケース6に形成されている。この一次側流出入孔11には、圧縮空気の流出流入を制御する図示しない一次側流出入弁が接続されている。一次側チャンバー2には、一次側流出入弁によって圧縮空気が一次側流出入孔11から供給され、一次側流出入弁によって空気が一次側流出入孔11から排出される。 【0022】 二次側チャンバー3には、圧縮空気を出し入れする二次側流出入孔12が連結ケース6に形成されている。この二次側流出入孔12には、圧縮空気の流出流入を制御する図示しない二次側流出入弁が接続されている。二次側チャンバー3には、二次側流出入弁によって圧縮空気が二次側流出入孔12から供給され、二次側流出入弁によって空気が二次側流出入孔12から排出される。 【0023】 一次側チャンバー2内には、片側有底円筒状の第1ピストン21が軸方向に摺動可能に収容されている。一次側チャンバー2は、第1ピストン21によって圧縮ばね23が収納されたばね室15と連結ケース6側の第1制御室13との二室に区画されている。第1ピストン21には、第1ピストン21と一体に軸方向に進退可能な円筒状の第1プッシュロッド22が固定されている。第1プッシュロッド22は、連結ケース6の連通孔41に挿通されている。第1プッシュロッド22は、内部が空洞であって、一次側チャンバー2内の圧縮ばね23が収納されたばね室15の空気を二次側チャンバー3内の第2制御室14に循環させる循環機構50が設けられている。一次側チャンバー2内には、第1ピストン21を二次側チャンバー3側に付勢する圧縮ばね23が設置されている。 【0024】 二次側チャンバー3内には、二次側チャンバー3内を連結ケース6側の第2制御室14と第2ピストン32が配置されているピストン室16との二室に区画するダイヤフラム31が設置されている。ダイヤフラム31の縁部全周は、第2ケース5のリブ5cと連結ケース6のリブ6dとに挟まれて二次側チャンバー3の内壁に固定されている。ダイヤフラム31は、弾性材料で形成された膜であって、二次側チャンバー3内に供給された圧縮空気によって変形を伴い二次側チャンバー3内を移動する。二次側チャンバー3内のロッド挿通部7側には、ダイヤフラム31の移動に伴って一体にロッド挿通部7を移動する第2ピストン32が配置されている。第2ピストン32は、ダイヤフラム31に取り付けられた円板部32aと、ロッド挿通部7を移動する棒状の第2プッシュロッド33とからなる。第2ピストン32の先端部には、ロッド挿通部7内を摺動させる円筒状のロッドガイド34が装着されている。第2ピストン32と第2ケース5とには、円筒状のダストカバー35が取り付けられている。ダストカバー35の一方の端部が第2ピストン32の側面に固定されるとともに、ダストカバー35の他方の端部が第2ケース5の内壁に固定されている。 【0025】 第2プッシュロッド33の先端の端部には、ブレーキドラムのブレーキシューを拡張させるウェッジ10が接続されている。よって、スプリングブレーキチャンバー1は、一次側チャンバー2の第1制御室13及び二次側チャンバー3の第2制御室14の少なくとも一方に圧縮空気を供給してウェッジ10を駆動することでブレーキを作動させる。 【0026】 連結ケース6の連通孔41の内壁には、一次側チャンバー2側から順に、第1プッシュロッド22の摺動をガイドする樹脂製の第1ガイド部材45と、連通孔41と第1プッシュロッド22とを密閉するゴム製のDリング46と、二次側チャンバー3の第2制御室14から一次側チャンバー2の第1制御室13への空気の流れを封止する断面C字形状のゴム製の第1Cリング47とが装着されている。第1Cリング47は、断面C字形状の開口部が二次側チャンバー3に向かって開口する。 【0027】 第1ガイド部材45は、第1Cリング47よりも一次側チャンバー2側に設けられている。このため、第1プッシュロッド22が連結ケース6の連通孔41の内壁を摺動する際に、第1プッシュロッド22の外壁に塗布されたグリスを連結ケース6の連通孔41の内壁端部で拭き取られることを極力抑制できる。さらに、第1ガイド部材45と第1Cリング47の間にはグリスを溜めるための空間があり、摺動する際に溜まったグリスを壁面に満遍なくグリスが再塗布される。 【0028】 第1ガイド部材45の断面は、第1プッシュロッド22の側面に沿って延びる直方体と、直方体の連通孔41の内壁側に凸部45aとを加えた形状である。この凸部45aが取付部材である連通孔41の内壁に係合する係合凸部として機能する。Dリング46は、断面がD形状である。Dリング46は、Dの字の凸部が第1プッシュロッド22に当接することで、一次側チャンバー2を密閉する。Dリング46は、Oリングとは異なり、ねじれを発見することができるので、組み付け時にねじれを防止できる。第1Cリング47は、断面が二次側チャンバー3側へ向かって二股に分岐した形状である。第1Cリング47は、一次側チャンバー2のばね室15から二次側チャンバー3の第2制御室14への空気を流し、二次側チャンバー3の第2制御室14から一次側チャンバー2のばね室15への空気の流れを封止する。なお、第1ガイド部材45は、第1Cリング47よりも硬い材質で形成されている。 【0029】 第1ピストン21の外周面には、二次側チャンバー3側から順に、第1ピストン21の摺動をガイドする樹脂製の第2ガイド部材26と、二次側チャンバー3側から一次側チャンバー2内の圧縮ばね23が収容された側への空気の流れを封止する断面C字形状のゴム製の第2Cリング27とが装着されている。第2Cリング27は、断面C字形状の開口部が二次側チャンバー3に向かって開口する。 【0030】 第2ガイド部材26は、第2Cリング27よりも二次側チャンバー3側に設けられている。このため、第1ピストン21が第1ケース4の内壁を摺動する際に第1ケース4の内壁に塗布されたグリスを第2Cリング27により拭き取られることを極力抑制できる。さらに、第2ガイド部材26と第2Cリング27の間にはグリスを溜めるための空間があり、摺動する際に溜まったグリスを壁面に満遍なくグリスが再塗布される。 【0031】 第2ガイド部材26の断面は、第1ピストン21の側面に沿って延びる直方体と、直方体の第1ピストン21の外周側に凸部26aとを備えた形状である。この凸部26aが取付部材である第1ピストン21の外周に係合する係合凸部として機能する。第2Cリング27は、断面が二次側チャンバー3側へ向かって二股に分岐した形状である。第2Cリング27は、一次側チャンバー2内の圧縮ばね23が収容されたばね室15から一次側チャンバー2内の第1制御室13への空気を流し、一次側チャンバー2内の第1制御室13から圧縮ばね23が収容されたばね室15への空気の流れを封止する。なお、第2ガイド部材26は、第2Cリング27よりも硬い材質で形成されている。 【0032】 図4に示されるように、連結ケース6の第1ケース4側の開口端部には、開口側に向かって縮径したテーパ形状の内側位置決め部18が形成されている。連結ケース6の第1ケース4側の開口端部の外面には凹部6aが形成されているので、凹部6aを構成する2つの凸条部6b,6cの先端部がテーパ形状となっている。 【0033】 第1ケース4の開口端部4aには、開口側に向かって拡径したテーパ形状の外側位置決め部17が形成されている。第1ケース4の外側位置決め部17のテーパ形状に連結ケース6の内側位置決め部18のテーパ形状を嵌め合わせる。このため、テーパに沿って連結ケース6に対する第1ケース4の位置が決まるので、連結ケース6と第1ケース4との位置決めを容易に行うことができる。そして、連結ケース6の内側位置決め部18の外側に第1ケース4の外側位置決め部17を装着し、外側位置決め部17の先端部をかしめることで内側位置決め部18に外側位置決め部17を取り付ける。 【0034】 次に、前述のように構成されたスプリングブレーキチャンバー1の動作について説明する。 図1に示されるように、パーキングブレーキの作動操作が行われた際には、スプリングブレーキチャンバー1は、一次側の圧縮空気が流出するように一次側流出入弁を開くことで、一次側チャンバー2内の第1制御室13に供給された圧縮空気を排出する。また、パーキングブレーキの作動操作が行われた際には、スプリングブレーキチャンバー1は、二次側に空気が流入するように二次側流出入弁を大気開放することで、二次側チャンバー3内の第2制御室14に空気を流入させる。すると、スプリングブレーキチャンバー1は、圧縮ばね23の付勢力によって第1ピストン21を二次側チャンバー3側に移動させて、パーキングブレーキ作動位置に固定する。そして、スプリングブレーキチャンバー1は、第1ピストン21に固定された第1プッシュロッド22が二次側チャンバー3内のダイヤフラム31をロッド挿通部7側へ押圧した状態となるので、第2ピストン32がロッド挿通部7側に移動した状態で維持される。よって、スプリングブレーキチャンバー1は、第2ピストン32を介してウェッジ10をブレーキロック位置にて固定することで、パーキングブレーキの作動状態を維持する。 【0035】 図2に示されるように、パーキングブレーキの作動操作が解除された際には、スプリングブレーキチャンバー1は、第1制御室13に圧縮空気が流入するように一次側流出入弁を開くことで、一次側チャンバー2内の第1制御室13に圧縮空気を供給する。すると、スプリングブレーキチャンバー1は、供給された圧縮空気によって第1ピストン21を一次側チャンバー2から離間する側へ移動させて、パーキングブレーキ非作動位置に移動させる。よって、ダイヤフラム31及び第2ピストン32の固定が解除される。 【0036】 フットブレーキが操作された際には、スプリングブレーキチャンバー1は、二次側チャンバー3の第2制御室14に圧縮空気を供給するように二次側流出入弁を開く。すると、スプリングブレーキチャンバー1は、供給された圧縮空気によってダイヤフラム31をロッド挿通部7側へ移動させる。そして、スプリングブレーキチャンバー1は、ダイヤフラム31がロッド挿通部7側に移動した状態となるので、第2ピストン32がロッド挿通部7側に移動する。よって、スプリングブレーキチャンバー1は、第2ピストン32を介してウェッジ10をブレーキ作動位置に移動させる。スプリングブレーキチャンバー1は、二次側チャンバー3内への圧縮空気の供給量に応じてブレーキ作動量を変更する。 【0037】 図3に示されるように、フットブレーキの作動操作が解除された際には、スプリングブレーキチャンバー1は、二次側チャンバー3の圧縮空気が流出するように二次側流出入弁を開くことで、二次側チャンバー3内の第2制御室14から圧縮空気を排出する。すると、スプリングブレーキチャンバー1は、圧縮空気が排出されたことでダイヤフラム31を一次側チャンバー2側へ移動させる。そして、スプリングブレーキチャンバー1は、ダイヤフラム31が一次側チャンバー2に移動した状態となるので、第2ピストン32が一次側チャンバー2側に移動する。よって、スプリングブレーキチャンバー1は、第2ピストン32を介してウェッジ10をブレーキ作動位置から離間することでブレーキの作動を解除する。 【0038】 さて、図2及び図3に示されるように、パーキングブレーキが解除された状態では、一次側チャンバー2内の第1制御室に圧縮空気が供給される。このとき、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー2内の第1制御室に加えられた場合には、図5に示されるように、連結ケース6と第1ケース4とが離間する方向に連結ケース6と第1ケース4とが引っ張られ、内側位置決め部18のテーパ部分と外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができる。そして、内側位置決め部18と外側位置決め部17との間に設けられたOリング8による締め代を容易に低下できる。よって、この隙間及び締め代から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。 【0039】 以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。 (1)連結ケース6の内側位置決め部18のテーパ形状に第1ケース4の外側位置決め部17のテーパ形状を嵌め合わせることで連結ケース6と第1ケース4とを装着する。このため、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー2内の第1制御室13に加えられた場合には、連結ケース6と第1ケース4とが離間する方向に連結ケース6と第1ケース4とが引っ張られ、連結ケース6の内側位置決め部18のテーパ部分と第1ケース4の外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができる。よって、この隙間から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。また、連結ケース6と第1ケース4との装着部分を変更することで、破損を防止できるので、別部材を設けることによるコストや質量が増加することもない。 【0040】 さらに、テーパに沿って連結ケース6に対する第1ケース4の位置が決まるので、連結ケース6と第1ケース4との位置決めを容易に行うことができる。 (2)連結ケース6の内側位置決め部18と第1ケース4の外側位置決め部17との間を軸シールとした。このため、万が一、圧力調整が不十分で過大圧力が一次側チャンバー2内の第1制御室13に加えられた場合には、連結ケース6と第1ケース4とが離間する方向に連結ケース6と第1ケース4とが引っ張られ、内側位置決め部18のテーパ部分と外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができた際に、締め代を容易に低下できる。よって、この低下した締め代から圧縮空気を排出することで、圧力を低下させて破損を防止できる。 【0041】 (3)第1ケース4の外側位置決め部17の先端部をかしめることで内側位置決め部18に外側位置決め部17を取り付けたので、クランプリング等の取付部材を設けることなく、連結ケース6と第1ケース4とを装着することができ、部品点数を減らすことができる。 【0042】 なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。 【0044】 ・上記実施形態では、最適な封止部材としてOリング8を軸シールとしたが、断面形状はO形状に限らず例えばDリング等の軸シールや面シールなど内側位置決め部18のテーパ部分と外側位置決め部17のテーパ部分との間に隙間ができた際に、締め代を容易に低下できる封止部材としてもよい。 【符号の説明】 【0045】 1…スプリングブレーキチャンバー、2…一次側チャンバー、3…二次側チャンバー、4…第1ケース、4a…開口端部、5…第2ケース、5a…大径部、5b…小径部、5c…リブ、6…連結ケース、6a…凹部、6b,6c…凸条部、6d…リブ、7…ロッド挿通部、8…Oリング、9…クランプリング、10…ウェッジ、11…一次側流出入孔、12…二次側流出入孔、13…第1制御室、14…第2制御室、15…ばね室、16…ピストン室、17…外側位置決め部、18…内側位置決め部、21…第1ピストン、22…第1プッシュロッド、23…圧縮ばね、26…第2ガイド部材、26a…凸部、27…第2Cリング、31…ダイヤフラム、32…第2ピストン、32a…円板部、33…第2プッシュロッド、34…ロッドガイド、35…ダストカバー、41…連通孔、45…第1ガイド部材、45a…凸部、46…Dリング、46a…凸部、47…第1Cリング、50…循環機構。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一次側チャンバーを構成する片側有底円筒状の第1ケースと、二次側チャンバーを構成する円筒状の第2ケースと、両ケースを連結する連結ケースとを備えるスプリングブレーキチャンバーにおいて、 前記連結ケースの第1ケース側の開口端部に形成され、開口側に向かって縮径したテーパ形状の内側位置決め部と、 前記第1ケースの開口端部に形成され、開口側に向かって拡径したテーパ形状の外側位置決め部と、を備え、 前記内側位置決め部と前記外側位置決め部との間には、軸シールとなるシール部材と、前記シール部材を保持する保持部と、が設けられ、 前記保持部は、2つの凸条部によって形成される凹部であって、 前記内側位置決め部の外側に前記外側位置決め部を装着することで、前記連結ケースに対して前記第1ケースを位置決めし、前記外側位置決め部の先端部をかしめることで前記内側位置決め部に前記外側位置決め部を取り付け、 前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部の開口側に位置する第1凸条部が前記外側位置決め部と接触せず、前記凸条部のうち前記第1ケースの開口端部から離間する側に位置する第2凸条部が前記外側位置決め部と接触する ことを特徴とするスプリングブレーキチャンバー。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2017-05-16 |
結審通知日 | 2017-05-18 |
審決日 | 2017-05-30 |
出願番号 | 特願2012-243936(P2012-243936) |
審決分類 |
P
1
41・
856-
Y
(B60T)
P 1 41・ 855- Y (B60T) P 1 41・ 853- Y (B60T) P 1 41・ 852- Y (B60T) P 1 41・ 854- Y (B60T) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩谷 一臣 |
特許庁審判長 |
冨岡 和人 |
特許庁審判官 |
中川 隆司 小関 峰夫 |
登録日 | 2016-11-11 |
登録番号 | 特許第6039367号(P6039367) |
発明の名称 | スプリングブレーキチャンバー |
代理人 | 中嶋 恭久 |
代理人 | 中嶋 恭久 |