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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1329537
審判番号 不服2016-8345  
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-07 
確定日 2017-06-14 
事件の表示 特願2014- 76595「複数切換可能なキーボード」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月25日出願公開、特開2014-179106〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、出願日が平成23年4月4日である実願2011-1848号(以下、「原出願」という。)を特許法第46条第1項の規定により平成26年4月3日に特許出願に変更したものであって、平成27年7月28日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月25日付けで手続補正がなされたが、平成28年2月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月7日付けで拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同時に手続補正がなされたものである。

第2.平成28年6月7日付の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成28年6月7日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正の内容
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1を、補正後の特許請求の範囲の請求項1に変更する補正事項を含むものである。
そして、補正前の請求項1及び補正後の請求項1の各記載は、それぞれ、以下のとおりである。
なお、〈補正後の請求項1〉における下線は補正箇所を表している。
〈補正前の請求項1〉
「【請求項1】
複数切換可能なキーボードであって、
複数の接続可能な情報端末(1)から複数組の通信機器情報を取得するブルートゥースデバイス(32)と、
予め複数のデータテーブル(231)が設定されるメモリユニット(23)と、
前記情報端末(1)の通信機器情報を前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)に保存し、前記ブルートゥースデバイス(32)、前記メモリユニット(23)と電気的に接続される制御ユニット(21)と、
使用者の操作により対応する選択信号を発信する回路ユニット(22)と、
を備え、
前記制御ユニット(21)は前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)から前記選択信号と対応する前記情報端末(1)の通信機器情報を読み取り、前記ブルートゥースデバイス(32)を前記情報端末(1)に接続させ、且つ前記回路ユニット(22)に、文字信号を前記情報端末(1)に送信させる複数のボタン及び複数の装置切換ボタン(24)を備え、異なる前記装置切換ボタン(24)は前記回路ユニット(22)に異なる前記データテーブル(231)に対応した選択信号を発生させる
ことを特徴とする複数切換可能なキーボード。」

〈補正後の請求項1〉
「【請求項1】
複数切換可能なキーボードであって、
複数の接続可能な情報端末(1)から複数組の通信機器情報を取得するブルートゥースデバイス(32)と、
予め複数のデータテーブル(231)が設定されるメモリユニット(23)と、
前記情報端末(1)の通信機器情報を前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)に保存し、前記ブルートゥースデバイス(32)、前記メモリユニット(23)と電気的に接続される制御ユニット(21)と、
使用者の操作により対応する選択信号を発信する回路ユニット(22)と、
を備え、
前記制御ユニット(21)は前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)から前記選択信号と対応する前記情報端末(1)の通信機器情報を読み取り、前記ブルートゥースデバイス(32)を前記情報端末(1)に接続させ、且つ前記回路ユニット(22)に、文字信号を前記情報端末(1)に送信させる複数のボタン及び複数の装置切換ボタン(24)を備え、異なる前記装置切換ボタン(24)は前記回路ユニット(22)に異なる前記データテーブル(231)に対応した選択信号を発生させ、前記選択信号は前記メモリユニットに保存しない
ことを特徴とする複数切換可能なキーボード。」

2.本件補正に対する判断
本件補正の内の上記補正事項は、補正前の請求項1に記載のあった発明を特定するために必要な事項である「メモリユニット」に関して、「選択信号は保存しない」と限定したものであり、かつ、補正の前後において、請求項1の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

2-1.本願補正発明
本願補正発明は、上記「1.」の〈補正後の請求項1〉の欄に転記したとおりのものである。

2-2.特許法第29条第2項への該当性(進歩性)について
(1)引用例の記載、引用発明等
(引用例)
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の原出願の出願日前に頒布された刊行物である、登録実用新案第3155578号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

a)「【0001】
本考案は、切替送信用入力装置に関し、特に、無線通信規格により複数の情報処理システムと交信することができる切替送信用入力装置に関するものである。」(【0001】の記載。下線は、当審で付与。以下、同様。)

b)「【0015】
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本考案に係る一実施形態の切替送信用入力装置は、無線送信方式により、一つの入力装置と、少なくとも一つの情報処理システムと、を通信可能に接続する。図1を参照する。図1に示すように、入力装置2には、ユーザ側無線送受信機が設けられ、前記ユーザ側無線送受信機は、少なくとも一つの機器側無線送受信機に合せて、少なくとも一つの情報処理システム1と情報を交信可能である。本実施形態では、前記機器側無線送受信機が情報処理システム1であり、前記ユーザ側無線送受信機が入力装置2であり、情報処理システム1と入力装置2との交信はブルートゥース送受信機31、32を利用する。ブルートゥース送受信機31、32は、情報処理システム1に内蔵されてもよいし、情報処理システム1の外部接続されてもよく、入力装置2に内蔵されてもよいし、入力装置2の外部接続されてもよい。また、入力装置2は、マイクロ制御ユニット21と、回路ユニット22と、メモリユニット23と、を含む。
【0016】
ブルートゥース送受信機32は、周囲の通信接続可能な情報処理システム1の存在を検知しているときに、メモリユニット23に各情報処理システム1の個別末識別用(審判注:「個別末識別用」は「個別端末識別用」の誤記と認める。)の装置識別コード(BD Address:Bluetooth Device Address)と個人用識別番号の装置授権コード(PIN Code:Personal Identification Number Code)とを取得して保存する。メモリユニット23には、更に、各組の装置識別コードと装置授権コードとに対応する装置選択コードを保存する。前記各装置選択コードは、一組の装置識別コードと装置授権コードとに対応し、アクセスのインデックスとされ、図2に示すように、情報処理システムレコード231を形成する。
【0017】
回路ユニット22は、キーの押下などによるユーザの操作によってユーザの選定した装置選択コードを出力し、前記選定した装置選択コードはマイクロ制御ユニット21に出力する。マイクロ制御ユニット21はメモリユニット23内の情報を読み取り、又は書き込むことができる。マイクロ制御ユニット21は、インデックスとしての装置選択コードに基づいて、前記装置選択コードに対応する装置識別コードと装置授権コードとをメモリユニット23から読み取る。図2に示すように、前記メモリユニット23において、装置識別コードと装置授権コードと装置選択コードとは情報処理システムレコード231を形成し、メモリユニット23には複数組の情報処理システムレコード231を保存することができる。また、マイクロ制御ユニット21は、ブルートゥース送受信機32を介して、読み取った装置識別コードと装置授権コードに該当する情報処理システム1と通信接続する。また、マイクロ制御ユニット21は、新しく取得した情報処理システムレコード231をメモリユニット23に書き込むこともできる。
【0018】
(第1実施形態)
本実施形態の入力装置2は、図3に示すように、キーボードであり、複数の装置切替ボタン24を有する。回路ユニット22は、これらの装置切替ボタン24の操作に応じて、装置切替ボタン24に対応する装置選択コードを出力し、前記キーボード内にあるマイクロ制御ユニット21は前記装置選択コードに対応する情報処理システムレコード231をメモリユニット23から読み取り、読み取った情報処理システムレコード231と一組の装置識別コードと装置授権コードに対応する情報処理システム1が前記キーボードと通信接続する。」(【0015】?【0018】の記載。)

したがって、上記引用例の摘記事項及び図面に記載された構成によれば、上記引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。

(引用発明)
「無線通信規格により複数の情報処理システムと交信することができる切替送信用入力装置において、
情報処理システム1と入力装置2との交信はブルートゥース送受信機31、32を利用し、
入力装置2は、マイクロ制御ユニット21と、回路ユニット22と、メモリユニット23と、を含み、
ブルートゥース送受信機32は、周囲の通信接続可能な情報処理システム1の存在を検知しているときに、メモリユニット23に各情報処理システム1の個別端末識別用の装置識別コードと個人用識別番号の装置授権コードとを取得して保存し、
メモリユニット23には、更に、各組の装置識別コードと装置授権コードとに対応する装置選択コードを保存し、前記各装置選択コードは、一組の装置識別コードと装置授権コードとに対応し、アクセスのインデックスとされ、情報処理システムレコード231を形成し、
回路ユニット22は、キーの押下などによるユーザの操作によってユーザの選定した装置選択コードを出力し、前記選定した装置選択コードはマイクロ制御ユニット21に出力し、
マイクロ制御ユニット21は、インデックスとしての装置選択コードに基づいて、前記装置選択コードに対応する装置識別コードと装置授権コードとをメモリユニット23から読み取り、
マイクロ制御ユニット21は、ブルートゥース送受信機32を介して、読み取った装置識別コードと装置授権コードに該当する情報処理システム1と通信接続するものであり、
入力装置2は、キーボードであり、複数の装置切替ボタン24を有し、
回路ユニット22は、これらの装置切替ボタン24の操作に応じて、装置切替ボタン24に対応する装置選択コードを出力する
入力装置。」

(周知例1)
本願の原出願の出願日前に頒布された刊行物である、特開2003-23429号公報(以下、「周知例1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

c)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブルートゥース機器などに係り、複数の機器のうち、所定の機器を指定してデータを伝送する無線伝送装置、情報機器登録方法および情報機器接続方法に関する。」(【0001】の記載。)

d)「【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態によるブルートゥース伝送装置の略構成を示すブロック図である。RF送受信部1は、ブルートゥース規格による無線信号の送受信を行なう。ベースバンド制御部2は、RF送受信部を制御し、通信リンクの制御、周波数ホッピング管理、パケットの再送、誤り訂正などの各種信号処理を制御する。
【0019】操作部3は、図2(a)?(c)に示すように、複数の状態(本実施形態では3接点)を有するスライドスイッチ4からなる。スライドスイッチ4の投入位置(接点位置)は、各々、登録番号1,2,3に固定的に対応付けられており、該スライドスイッチ4の投入位置に応じて、どこに接続機器を登録したか、どこに登録された接続機器と接続するかが明示的に認識できるようになっている。図示の例では、(a)が登録番号1の位置に投入した状態、(b)が登録番号2の位置に投入した状態、(c)が登録番号3の位置に投入した状態を示している。なお、スライドスイッチとしたが、複数の状態を取ることができるスイッチであれば、回転式のスイッチ(ロータリスイッチ)であってもよい。
【0020】CPU5は、ブルートゥース機器の図示しない各部や上記ベースバンド制御部2などを制御する。特に、本実施形態では、CPU5は、操作部3のスライドスイッチ4の状態(投入位置または投入接点)を検出し、該スライドスイッチ4の状態に応じて、接続機器(スレーブ)の登録、接続を行なう。
【0021】メモリ6は、CPU5の動作によって検出されたスライドスイッチ4の状態と、接続機器のアドレスBDADDRとを対応付けて記憶する。
【0022】B.実施形態の動作
B-1.登録動作
まず、マスタとなるブルートゥース機器の周辺に存在する接続機器を登録する際の動作について説明する。ここで、図3は、本実施形態による登録動作を説明するためのフローチャートである。接続機器の登録時において、ブルートゥース機器は、従来の方式と同様に、インクワイアリ手順を実施し、接続機器のアドレスBDADDRを取得する(ステップS10)。次に、取得したアドレスBDADDRの登録動作が開始される(ステップS12)。まず、CPU5は、スライドスイッチ4の状態をチェックする(ステップS14)。
【0023】そして、チェック結果に従って、スライドスイッチ4がスライド位置P1(登録番号1)に投入されているか否かを判断する(ステップS16)。ここで、スライドスイッチ4がスライド位置P1に投入されている場合には、図4に示すように、メモリのアドレスAD1に、取得したアドレスBDADDRを格納する(ステップS18)。
【0024】一方、スライド位置P1に投入されていない場合には、スライド位置P2(登録番号2)に投入されているか否かを判断する(ステップS20)。ここで、スライドスイッチ4がスライド位置P2に投入されている場合には、図4に示すように、メモリのアドレスAD2に、取得したアドレスBDADDRを格納する(ステップS22)。
【0025】また、スライドスイッチ4がスライド位置P1,P2のいずれにも投入されていない場合には、スライド位置P3(登録番号3)に投入されていると判断し、図4に示すように、メモリのアドレスAD2(審判注:「AD2」は「AD3」の誤記と認める。)に、取得したアドレスBDADDRを格納する(ステップS24)。
【0026】以上により、接続機器が登録されたことになる。複数の機器を続けて登録するときには、また、インクワイアリ手順を実施し、別のアドレスBDADDRを取得した後に、上述した登録動作を実施する。
【0027】なお、上述した動作では、アドレスBDADDRを取得した後に、スライドスイッチ4の状態をチェックしているが、これに限らず、予めスライドスイッチ4の状態をチェックした後にアドレスBDADDRを取得するようにしてもよい。
【0028】また、図4に示すように、上述した実施形態では、スライドスイッチ4の状態(投入位置)とアドレスBDADDRを格納するアドレス位置とが対応しているが、これ以外に、図5に示すように、スライドスイッチ4の状態を示す識別子D1(登録番号1),D2(登録番号2),D3(登録番号3)に対応付けて、アドレスBDADDRを格納するようにすれば、スライドスイッチ4の状態(投入位置)と、メモリ6上のアドレスとは必ずしも対応している必要はない。
【0029】B-2.接続動作
次に、登録された接続機器のいずれかに接続する際の動作について説明する。ここで、図6は、本実施形態による接続動作を説明するためのフローチャートである。接続先の決定時において、まず、CPU5は、接続しようとする接続機器をスライドスイッチ4によってユーザに指定させるための接続機器指定ルーチンを実施する(ステップS30)。次に、CPU5は、スライドスイッチ4の状態(投入位置)をチェックする(ステップS32)。
【0030】そして、チェック結果に従って、スライドスイッチ4がスライド位置P1(登録番号1)に投入されているか否かを判断する(ステップs34)。ここで、スライドスイッチ4がスライド位置P1に投入されている場合には、メモリのアドレスAD1からアドレスBDADDRを読み出す(ステップS36)。
【0031】一方、スライド位置P1に投入されていない場合には、スライド位置P2(登録位置2)に投入されているか否かを判断する(ステップS38)。ここで、スライドスイッチ4がスライド位置P2に投入されている場合には、メモリのアドレスAD2からアドレスBDADDRを読み出す(ステップS40)。
【0032】また、スライドスイッチ4がスライド位置P1,P2のいずれにも投入されていない場合には、スライド位置P3(登録番号3)に投入されていると判断し、メモリのアドレスAD3からアドレスBDADDRを読み出す(ステップS42)。
【0033】そして、読み出したアドレスBDADDRを用いて接続機器との接続(ページ手順)を行なう。このように、スライドスイッチ4の投入位置に応じて、登録する機器(スレーブ)と、接続する機器(スレーブ)とを1対1に対応させることが可能となり、表示装置を備えることなく、複数の接続機器を登録し、ユーザが接続先を選択することができる。
【0034】C.第1変形例
次に、本発明の実施形態の第1変形例について説明する。ここで、図7は、本発明の実施形態の第1変形例を説明するための模式図である。前述した実施形態では、複数の状態を取ることができるスイッチ(スライドスイッチまたはロータリスイッチ)のみとしたが、図7に示すように、1つのオン/オフ状態を取ることができるスイッチ10と、複数の状態を表示可能な、例えば、3つLED11a,11b,11cからなる簡易な表示装置11と組み合わせ、スイッチを押下する度に、表示装置10の点灯位置を順次変えるとともに、アドレスBDADDRの格納位置(あるいは読み出し位置)を順次変えるようにしてもよい。この場合、スイッチ10を押下する回数によって、アドレスBDADDRの格納位置、あるいはアドレスBDADDRを読み出す位置(接続機器)を指定することが可能となる。
【0035】D.第2変形例
次に、本発明の実施形態の第2変形例について説明する。ここで、図8は、本発明の実施形態の第2変形例を説明するための模式図である。前述した複数の状態(接点)を有するスイッチの代わりに、図8に示すように、1つのオン/オフ状態を取ることができるスイッチ12a,12b,12cを設けるようにしてもよい。この場合、登録位置1に登録する場合には、スイッチ12aを押下し、登録位置2に登録する場合には、スイッチ12bを押下し、登録位置3に登録する場合には、スイッチ12cを押下する。接続機器を指定する際には、接続しようとする機器のアドレスBDADDRが登録されている位置のスイッチを押下する。
【0036】本実施形態によれば、従来技術で必要とされていた、接続先を選択するための表示装置が不要となる。すなわち、登録した機器(に対応するアドレスBDADDR)に1対1に対応付けられた、スライドスイッチ4の位置(実施形態)、あるいは、表示装置11の点灯位置(第1変形例)、押下するスイッチ12a?12cの位置(第2変形例)で、ユーザは容易に接続先を指定することができる。」(【0018】?【0036】の記載。)

したがって、上記周知例1の摘記事項及び図面に記載された構成によれば、上記周知例1には、以下の技術(以下、「周知例1記載の技術」という。)が開示されている。

(周知例1記載の技術)
「スライドスイッチ4の状態(投入位置)と、接続機器のアドレスBDADDRを格納するメモリのアドレス位置とが対応しており、スライドスイッチ4の状態(投入位置)に対応したメモリのアドレス位置から接続機器のアドレスBDADDRを読み出す技術。」

(周知例2)
本願の原出願の出願日前に頒布された刊行物である、特開2004-326607号公報(以下、「周知例2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

e)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばBluetooth(TM)等の近距離無線通信システムを用いて複数の電子機器を操作する入力装置、更にはこの入力装置により操作される電子機器、およびその登録方法に関する。」(【0001】の記載。)

f)「【0011】
本システムは、1台の入力装置1と、この入力装置によって操作される複数の電子機器2(2a、2b、2c)からなる。入力装置1は、例えばマウスやキーボード等から構成され、電子機器2a、2b、2cを操作するための入力デバイスとして用いられるものである。電子機器2a、2b、2cは、例えばパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータであり、予め記憶されたプログラムに従って動作制御されるものである。
【0012】
この入力装置1と電子機器2a、2b、2cとの間の接続手段は、例えばBluetooth(TM)等による無線電波が用いられる。即ち、入力装置1および電子機器2a、2b、2cの夫々に無線通信機能を設け、所定の周波数帯域を有する無線電波を用いることにより、入力装置1によって各電子機器2a、2b、2cの操作を行うことができる。
【0013】
尚、入力装置1と電子機器2a、2b、2cとの間の接続手段としては、特に無線電波に限定せず、例えば赤外線あるいはケーブル等を用いた有線による接続形態であっても良い。但し、赤外線の場合には両者間に障害物があると操作不能となる等の指向性の面で問題があったり、ケーブルによる接続の場合には多数の電子機器を対象とした際にケーブルが邪魔になる等の不具合が生じる。従って、無線電波による接続がより好ましい。
【0014】
図2は、入力装置1の機能構成を示すブロック図である。入力装置1は、図2に示すように、制御部11、アドレス記憶部12、入力部13、切替スイッチ14および無線通信部15を備えている。
【0015】
制御部11は、アドレス記憶部12、入力部13、切替スイッチ14および無線通信部15と接続しており、入力装置1全体の動作を制御するもので、後述する登録処理の制御を実行する登録手段や入力装置との接続を制御する通信制御手段に相当する。
【0016】
制御部11は、更にメモリ11aを有しており、当該入力装置1のキー情報として正当に当該入力装置1を保持するユーザのPINコード情報(Personal Identifier Number Code Information)と、履歴情報として以前に当該入力装置1にアクセスした電子機器2の識別情報とを記憶している。
【0017】
このPINコード情報は、入力装置1のユーザ以外の者が当該入力装置1に接続することを防ぐために設けられている。従って、入力装置1に初めて接続する電子機器2に対しては、入力装置1は、無線通信確立後、まずPINコード情報を要求し、無線接続した電子機器2から送信されたPINコード情報と、メモリに記憶されたPINコード情報との照合処理を実行するようになっている。
【0018】
アドレス記憶部12は、後述する切替スイッチ14と対応するよう電子機器の識別情報を記憶するもので、例えば図3に示すように、切替え可能な電子機器の数に応じたメモリブロック12A、12Bを予め保持しており、後述する登録処理によってユーザの希望する電子機器の識別情報を格納するようになっている。
【0019】
例えば、図3に示すアドレス記憶部12は、後述する登録処理の結果、切替スイッチ14の「A」位置に対応する操作対象電子機器として電子機器2aの識別情報が登録されており、切替スイッチ14の「B」位置に対応する操作対象電子機器として電子機器2bの識別情報が登録されている。
【0020】
切替スイッチ14は、切替手段に相当し、入力装置1の図示せぬ表面に設けられている。そして、切替スイッチ14は、ユーザが操作対象となる電子機器2a、2bを切替えるためのものであり、例えば図4に示すように、スライドすることにより第1の指示手段である「A」あるいは第2の指示手段である「B」(あるいは更に他のスイッチ部である「OFF」)のいずれかを指示するものである。
【0021】
尚、図4(b)は、切替えスイッチ14が入力装置1の電源スイッチを兼ねた構成となっている。また、本実施例ではスライド式のスイッチ構成を示したが、これに限らずボタン式で押すたびに機器を切替えることが可能な構成でも良い。
【0022】
無線通信部15は、入力装置1の周辺に設置されている電子機器2a、2bから無線送信された各種情報を受信したり、入力装置1に対して各種情報を無線送信するもので、通信手段に相当する。
【0023】
そして、このような構成により、制御部11は、切替スイッチ14のスライド操作に伴なってアドレス記憶部12を参照し、操作可能な複数の電子機器2a、2bの中から操作対象となる電子機器を選択し、無線通信部15を介して無線通信を確立する。
【0024】
図5は、電子機器2(2a、2b)の機能構成を示すブロック図である。電子機器2は、図5に示すように、電子機器1全体の動作を制御する制御部22を備えた機器本体21、入力部23、表示部24、および入力装置1と無線で各種情報の送受信を行う無線通信部25を備えている。そして、電子機器2は、無線通信部25を介して入力装置1から送信された情報を受信すると、制御部22によって受信情報を解析し、受信情報に対応した処理を実行する。
【0025】
次に、図6乃至図8は、本システムにおける入力装置1へ操作対象とする電子機器を登録する処理を説明するためのフローチャート図である。
【0026】
まず、図6に示すように、入力装置1及び各電子機器2の電源が入った状態で、まずユーザによって入力装置1の切替スイッチ14が例えば「A」の位置にセットされる。すると、制御部11は、アドレス記憶部12のスイッチ「A」に対応するメモリブロック12Aの内容を確認する(ST101)。
【0027】
ST101による確認の結果、アドレス記憶部12のスイッチ「A」に対応するメモリブロック12Aにはまだ何も(いずれの電子機器も)登録されていないと判断されると(ST102のNo)、制御部11は、そのまま待機状態へと移行する。
【0028】
ST101による確認の結果、アドレス記憶部12のスイッチ「A」に対応するメモリブロック12Aには既に電子機器が登録されていると判断されると(ST102のYes)、図7に示す接続処理を実行し、登録されている電子機器との接続を確立した状態で、待機する(ST103)。
【0029】
即ち、図7に示すように、制御部11は、まずST101によるスイッチ操作に基づいてユーザによって入力装置1の切替スイッチ14が例えば「B」から「A」に切替えられたと判断すると(ST501のYes)、スイッチ切替え前に接続していた電子機器(例えば2b)に対して、無線通信部15を介して、接続していた電子機器2bに対して接続の切断を通知する送信データを出力することにより、切断処理を実行する(ST502)。
【0030】
また、制御部11は、ST101でアドレス記憶部12から読み出された電子機器2aの識別情報を用いて、無線通信部15を介して、選択された電子機器2aに対して、接続を通知する送信データを出力することにより、接続処理を実行する(ST503)。そして、待機状態へと移行し、図6に示す処理へと進む。」(【0011】?【0030】の記載。)

したがって、上記周知例2の摘記事項及び図面に記載された構成によれば、上記周知例2には、以下の技術(以下、「周知例2記載の技術」という。)が開示されている。

(周知例2記載の技術)
「アドレス記憶部12は、切替スイッチ14と対応するよう電子機器の識別情報を記憶し、
例えば、アドレス記憶部12は、登録処理の結果、切替スイッチ14の「A」位置に対応する操作対象電子機器として電子機器2aの識別情報が登録されており、切替スイッチ14の「B」位置に対応する操作対象電子機器として電子機器2bの識別情報が登録されており、
切替スイッチ14は、ユーザが操作対象となる電子機器2a、2bを切替えるためのものであり、スライドすることにより第1の指示手段である「A」あるいは第2の指示手段である「B」のいずれかを指示するものであり、
制御部11は、切替スイッチ14のスライド操作に伴なってアドレス記憶部12を参照し、操作可能な複数の電子機器2a、2bの中から操作対象となる電子機器を選択する技術。」

(2)対比、一致点、相違点
本願補正発明と引用発明とを対比する。

あ)引用発明の「無線通信規格により複数の情報処理システムと交信することができる切替送信用入力装置」の「入力装置2」は、「キーボード」であるから、引用発明の「入力装置」は、本願補正発明の「複数切換可能なキーボード」に相当する。

い)引用発明は「情報処理システム1と入力装置2との交信はブルートゥース送受信機31、32を利用」し、「ブルートゥース送受信機32は、周囲の通信接続可能な情報処理システム1の存在を検知しているときに、メモリユニット23に各情報処理システム1の個別端末識別用の装置識別コードと個人用識別番号の装置授権コードとを取得して保存」するものであるから、引用発明の「情報処理システム1」は、本願補正発明の「情報端末(1)」に、引用発明の「個別端末識別用の装置識別コードと個人用識別番号の装置授権コード」は、本願補正発明の「通信機器情報」に、それぞれ相当し、引用発明の「ブルートゥース送受信機32」は、本願補正発明の「複数の接続可能な情報端末(1)から複数組の通信機器情報を取得するブルートゥースデバイス(32)」に相当する。

う)引用発明の「メモリユニット23」は、「各情報処理システム1の個別端末識別用の装置識別コードと個人用識別番号の装置授権コード」が「保存」されるものであり、「メモリユニット23には、更に、各組の装置識別コードと装置授権コードとに対応する装置選択コードを保存し、前記各装置選択コードは、一組の装置識別コードと装置授権コードとに対応し、アクセスのインデックスとされ、情報処理システムレコード231を形成」するものであるから、引用発明の「情報処理システムレコード231」は、本願補正発明の「データテーブル(231)」に相当し、引用発明の「メモリユニット23」は、本願補正発明の「予め複数のデータテーブル(231)が設定されるメモリユニット(23)」に相当する。

え)引用発明は「ブルートゥース送受信機32は、周囲の通信接続可能な情報処理システム1の存在を検知しているときに、メモリユニット23に各情報処理システム1の個別端末識別用の装置識別コードと個人用識別番号の装置授権コードとを取得して保存」し、「マイクロ制御ユニット21は、インデックスとしての装置選択コードに基づいて、前記装置選択コードに対応する装置識別コードと装置授権コードとをメモリユニット23から読み取り」、「マイクロ制御ユニット21は、ブルートゥース送受信機32を介して、読み取った装置識別コードと装置授権コードに該当する情報処理システム1と通信接続するもの」であるから、引用発明の「マイクロ制御ユニット21」は、「メモリユニット23」、「ブルートゥース送受信機32」と電気的に接続され、「ブルートゥース送受信機32」が取得した各コードを「メモリユニット23」に保存するものであることは明らかであり、引用発明の「マイクロ制御ユニット21」は、本願補正発明の「前記情報端末(1)の通信機器情報を前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)に保存し、前記ブルートゥースデバイス(32)、前記メモリユニット(23)と電気的に接続される制御ユニット(21)」に相当する。

お)引用発明の「回路ユニット22は、キーの押下などによるユーザの操作によってユーザの選定した装置選択コードを出力」するものであるから、引用発明の「装置選択コード」は本願補正発明の「使用者の操作により対応する選択信号」に相当し、引用発明の「回路ユニット22」は、本願補正発明の「使用者の操作により対応する選択信号を発信する回路ユニット(22)」に相当する。

か)引用発明の「マイクロ制御ユニット21は、インデックスとしての装置選択コードに基づいて、前記装置選択コードに対応する装置識別コードと装置授権コードとをメモリユニット23から読み取り」、「ブルートゥース送受信機32を介して、読み取った装置識別コードと装置授権コードに該当する情報処理システム1と通信接続する」ことは、本願補正発明の「前記制御ユニット(21)は前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)から前記選択信号と対応する前記情報端末(1)の通信機器情報を読み取り、前記ブルートゥースデバイス(32)を前記情報端末(1)に接続」することに相当する。

き)引用発明の「入力装置2は、キーボードであり、複数の装置切替ボタン24を有し、」「回路ユニット22は、これらの装置切替ボタン24の操作に応じて、装置切替ボタン24に対応する装置選択コードを出力する」ものである。
ここで、「キーボード」が、当該「キーボード」と通信接続される「情報処理システム1」に対して送信される「文字信号」に対応する「複数のボタン」を有するのは明らかである。
そして、「複数の装置切替ボタン24」の操作に応じて、「回路ユニット22」が「装置選択コード」を出力することを考慮すれば、前記「キーボード」が有することが明らかな「複数のボタン」の操作に応じて、「回路ユニット22」が「文字信号」を出力するのが自然である。
したがって、引用発明の「情報処理システム1」に対して送信される「文字信号」に対応する「複数のボタン」は、本願補正発明の「文字信号を前記情報端末(1)に送信させる複数のボタン」に、引用発明の「複数の装置切替ボタン24」は、本願補正発明の「複数の装置切換ボタン(24)」にそれぞれ相当し、引用発明の「キーボード」である「入力装置2」がこれらのボタンを備えることは、本願補正発明の「前記回路ユニット(22)に、文字信号を前記情報端末(1)に送信させる複数のボタン及び複数の装置切換ボタン(24)を備え」ることに相当する。

く)引用発明の「回路ユニット22は、これらの装置切替ボタン24の操作に応じて、装置切替ボタン24に対応する装置選択コードを出力する」ものである。
そして、引用発明は、「インデックスとしての装置選択コードに基づいて、前記装置選択コードに対応する装置識別コードと装置授権コードとをメモリユニット23から読み取」るものであり、また、「各装置選択コードは、一組の装置識別コードと装置授権コードとに対応し、アクセスのインデックスとされ、情報処理システムレコード231を形成」するものであるから、引用発明は、異なる「装置切換ボタン24」は「回路ユニット22」に異なる「情報処理システムレコード231」に対応した「装置選択コード」を発生させるといい得る構成を有するものであり、本願補正発明の「異なる前記装置切換ボタン(24)は前記回路ユニット(22)に異なる前記データテーブル(231)に対応した選択信号を発生させる」ことに相当する構成を有するといえる。


したがって、両者は以下の一致点と相違点を有する。

〈一致点〉
「複数切換可能なキーボードであって、
複数の接続可能な情報端末(1)から複数組の通信機器情報を取得するブルートゥースデバイス(32)と、
予め複数のデータテーブル(231)が設定されるメモリユニット(23)と、
前記情報端末(1)の通信機器情報を前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)に保存し、前記ブルートゥースデバイス(32)、前記メモリユニット(23)と電気的に接続される制御ユニット(21)と、
使用者の操作により対応する選択信号を発信する回路ユニット(22)と、
を備え、
前記制御ユニット(21)は前記メモリユニット(23)の前記データテーブル(231)から前記選択信号と対応する前記情報端末(1)の通信機器情報を読み取り、前記ブルートゥースデバイス(32)を前記情報端末(1)に接続させ、且つ前記回路ユニット(22)に、文字信号を前記情報端末(1)に送信させる複数のボタン及び複数の装置切換ボタン(24)を備え、異なる前記装置切換ボタン(24)は前記回路ユニット(22)に異なる前記データテーブル(231)に対応した選択信号を発生させる
ことを特徴とする複数切換可能なキーボード。」

〈相違点〉
本願補正発明の「データテーブル(231)に対応した選択信号」は、「メモリユニットに保存しない」ものであるのに対し、引用発明の「装置選択コード」は、「各組の装置識別コードと装置授権コードとに対応」して「メモリユニット23」に保存されるものであり、「一組の装置識別コードと装置授権コードとに対応し、アクセスのインデックスとされ」るものである点。

(3)判断
〈相違点〉について
上記周知例1記載の技術、上記周知例2記載の技術の様に、スイッチの状態とメモリのアドレスとを対応させ、スイッチの状態に応じたメモリのアドレスから情報を読み出すことは、本願の原出願の出願日前周知技術であったものと認められる。
そして、「装置切替ボタン24」の操作に応じて、対応するコードを「メモリユニット23」から読み取るものである引用発明においても、上記周知技術である「スイッチの状態に応じたメモリのアドレスから情報を読み出す」構成が有用かつ採用可能であることは、当業者には明らかである。また、引用発明においてそのような技術を採用することを妨げる事情はない。
したがって、引用発明に上記周知技術を適用して、「装置切替ボタン24の操作に応じて」出力する「インデックスとしての装置選択コードに基づいて」、「メモリユニット23」からコードを読み取ることに代えて、「スイッチの状態に応じたメモリのアドレス」からコードを読み取る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、「スイッチの状態に応じたメモリのアドレス」からコードを読み取る構成では、メモリのアドレスを指定する信号である「データテーブル(231)に対応した選択信号」は、「メモリユニットに保存しない」ものとなる。

また、効果についてみても、引用発明に対する上記周知技術の採用に伴って予測し得ない格別顕著なものが本願補正発明にあるとも認められない。

(4)まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

2-3.むすび
以上のとおり本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年9月25日付けの手続補正書の請求項1に記載されたとおりのものであり、上記「第2.」の「1.」の〈補正前の請求項1〉の欄に転記したとおりのものである。

2.引用例の記載、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項、引用発明は、上記「第2.」の「2-2.」の「(1)」の欄に記載したとおりである。

3.対比
本願発明は、上記「第2.」で検討した本願補正発明から、「選択信号はメモリユニットに保存しない」との限定した構成を省くものである。
そうすると、本願発明は、本願補正発明から、前記「第2.」の「2-2.」の「(2)」に記載した〈相違点〉に係る構成を省いたものであり、本願発明と引用発明とを対比すると、両者は、全ての発明特定事項において一致し、両者の間に相違点はない。
したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明である。

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-01-12 
結審通知日 2017-01-17 
審決日 2017-01-30 
出願番号 特願2014-76595(P2014-76595)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松田 岳士  
特許庁審判長 新川 圭二
特許庁審判官 土谷 慎吾
山田 正文
発明の名称 複数切換可能なキーボード  
代理人 新保 斉  

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