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審決分類 |
審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 C08F 審判 一部申し立て 2項進歩性 C08F |
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管理番号 | 1330045 |
異議申立番号 | 異議2016-700696 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-08-08 |
確定日 | 2017-03-28 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5855083号発明「水および溶媒を含まないポリマーの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5855083号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4ないし7〕について訂正することを認める。 特許第5855083号の特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許5855083号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、2011年3月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2010年3月24日、欧州特許庁)を国際出願日とする特許出願であって、平成27年12月18日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、平成28年8月8日に特許異議申立人 日本ゼオン株式会社(以下、単に「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:請求項4ないし7)がされ、同年11月4日付けで取消理由が通知され、平成29年2月7日付け(受理日:同年2月8日)で特許権者 アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハーから意見書が提出されるとともに訂正の請求(以下、「本件訂正の請求」という。)がされたものである。 第2 訂正の適否について 1 訂正の内容 本件訂正の請求による訂正の内容は、次のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 2 訂正の目的の適否、一群の請求項、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (4)訂正事項4について 訂正事項4は、訂正前の特許請求の範囲の請求項7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (5)一群の請求項 本件訂正の請求による訂正は、訂正後の請求項4ないし7についての訂正であるが、訂正前の請求項5ないし7は訂正前の請求項4を引用するものであるので、訂正前の請求項4ないし7は、一群の請求項である。したがって、本件訂正の請求は、一群の請求項に対して請求されたものである。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項4ないし7について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立てについて 上記第2のとおり、訂正後の請求項4ないし7について訂正することを認めるので、本件特許の請求項4ないし7は、訂正により削除され、本件特許の請求項4ないし7に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 したがって、本件特許の特許異議の申立ては、却下すべきものである。 第4 結語 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも1つの非揮発性ポリマーおよび少なくとも1つの揮発性化合物を含有する流体(F)から前記揮発性化合物を除去する方法であって、 a)少なくともヒーター(2)、脱ガス容器(4)および蒸気ライン(4.1)を含む少なくとも1つの濃縮機装置で前記流体(F)を処理する工程であって、前記処理によって前記流体(F)が加熱され、前記加熱された流体(G)が脱ガス容器(4)へ供給され、該脱ガス容器(4)で揮発性化合物の一部が前記蒸気ライン(4.1)を経由して除去され、それにより濃縮流体(H)を得る工程と、 b)前記a)の工程からの前記濃縮流体(H)を少なくとも1つの再加熱装置(6)で再加熱して、それにより再加熱された濃縮流体(L)を得る工程と; c)少なくとも、搬送セクション(16)を少なくとも含む押出機脱ガスセクションと、1つ以上の蒸気ライン(15.1)付きのガス抜き口(15)と、蓄積セクション(20)と、出口セクション(22)と、を含む少なくとも1つの押出機装置へ前記b)の工程からの前記再加熱された濃縮流体(L)を供給し、それによって揮発性化合物が前記ガス抜き口(15)および蒸気ライン(15.1)を通って除去される工程と、 d)少なくとも、脱ガスセクションと、1つ以上の蒸気ライン付きのガス抜き口と、出口セクションと、を含む少なくとも1つの混練機装置へ、前記a)の工程または前記b)の工程からの再加熱された前記濃縮流体(HまたはL)を供給し、それによって揮発性化合物が前記ガス抜き口および前記蒸気ラインを通って除去され、それにより高粘性流体(NまたはP)を得る工程と、 e)少なくとも、搬送セクションを少なくとも含む押出機脱ガスセクションと、1つ以上の蒸気ライン付きのガス抜き口と、蓄積セクションと、出口セクションと、を含む少なくとも1つの押出機装置へ、前記d)の工程からの前記高粘性流体(N)を供給し、それによって揮発性化合物が前記ガス抜き口および前記蒸気ラインを通って除去される工程と、 を含み、 それによって、前記非揮発性ポリマーが、スチレンブタジエンゴム、並びに、リチウム触媒によるブタジエンゴム、ニッケル触媒によるブタジエンゴム、チタン触媒によるブタジエンゴム、コバルト触媒によるブタジエンゴム、及びネオジム触媒によるブタジエンゴムなどの合成ゴム生成物であり、 前記再加熱された濃縮流体(L)が前記押出機脱ガスセクションに入るときに自由流動性であり、前記出口セクションで得られる生成物(P)が揮発性化合物を含まず、それにより高粘性流体を得ており、 前記加熱された流体(G)が、100℃?200℃の温度を有し、 前記脱ガス容器(4)内の圧力が、100hPa?4000hPaの範囲にあり、 前記濃縮流体(H)の温度が、前記加熱された流体(G)の温度よりも低く、かつ15℃?100℃の範囲にあり、 前記再加熱された濃縮流体(L)の温度が、前記濃縮流体(H)の温度よりも高く、かつ50℃?200℃の範囲にある、方法。 【請求項2】 前記再加熱された濃縮流体(L)の粘度が500?50,000,000mPa・sの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 生成物(P)中の揮発性化合物の含有率が前記非揮発性ポリマーの質量を基準として1重量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 【請求項4】(削除) 【請求項5】(削除) 【請求項6】(削除) 【請求項7】(削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2017-03-17 |
出願番号 | 特願2013-500498(P2013-500498) |
審決分類 |
P
1
652・
537-
XA
(C08F)
P 1 652・ 121- XA (C08F) |
最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 岡▲崎▼ 忠 |
特許庁審判長 |
小柳 健悟 |
特許庁審判官 |
大島 祥吾 加藤 友也 |
登録日 | 2015-12-18 |
登録番号 | 特許第5855083号(P5855083) |
権利者 | アランセオ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー |
発明の名称 | 水および溶媒を含まないポリマーの製造方法 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 崔 允辰 |
代理人 | 崔 允辰 |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 前田・鈴木国際特許業務法人 |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 村山 靖彦 |