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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G03G
管理番号 1330425
審判番号 不服2016-8495  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-06-08 
確定日 2017-08-01 
事件の表示 特願2014-224299「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月 5日出願公開、特開2015- 26089、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年5月18日に出願された特願2010-114472号の一部を、平成26年11月4日に特願2014-224299号として出願したものであって、平成26年11月28日付けで手続補正がされ、平成27年7月23日付けで拒絶理由通知がされ、同年9月28日付けで手続補正がされ、平成28年2月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月8日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成29年3月21日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月23日付けで手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願請求項1-7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明7」という。)は、平成29年5月23日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される発明である。

「【請求項1】
現像剤容器内のトナー粒子の帯電量を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された前記トナー粒子の前記帯電量に基づいて、露光条件を決定する決定手段と、
階調変換テーブルを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記階調変換テーブルに基づいて画像データを作成する作成手段と、
感光体と、静電潜像を形成するために、前記決定手段により決定された前記露光条件に基づく光によって前記感光体を露光する露光手段と、前記現像剤容器内のトナー粒子を用いて前記静電潜像を現像する現像手段とを有し、前記作成手段により作成された前記画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された画像パッチを測定する測定手段と、
前記画像形成手段に、パッチ画像データに基づき前記画像パッチを形成させ、前記測定手段により前記画像パッチの測定値を取得し、前記画像パッチの前記測定値と予め決まった目標値との差を決定し、前記画像パッチの前記測定値と前記目標値との差から補正量テーブルに基づき前記階調変換テーブルの補正量を決定し、前記階調変換テーブルを前記補正量に基づいて修正して前記階調変換テーブルを更新する更新手段と、を有し、
前記作成手段は、前記画像形成手段が前記画像パッチを形成する場合、前記階調変換テーブルに基づいて前記パッチ画像データを作成し、
前記露光手段は、前記画像形成手段が前記画像パッチを形成する場合、前記決定手段により決定された前記露光条件に基づく光によって前記感光体を露光することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記予測手段は、前記現像剤容器へのトナーの補給量及び前記現像剤容器からのトナーの消費量に基づいて、前記トナー粒子の帯電量を予測することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予測手段は、さらに、前記現像剤容器におけるトナー粒子とキャリア粒子との混合比に基づいて、前記トナー粒子の帯電量を予測することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記予測手段は、さらに、環境湿度に基づいて、前記トナー粒子の帯電量を予測することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像パッチの階調は、所定の濃度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記更新手段により前記階調変換テーブルが更新される周期は、前記決定手段により前記露光条件が決定される周期よりも長いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記露光条件とは、前記露光手段が前記感光体を露光する際の光の強度であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。」

第3 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(国際公開第2010/035432号)には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0052】
[実施例2]
本実施例に係る画像形成装置は、画像信号に対して画像処理条件を用いて画像処理を行う画像処理部と、画像処理された画像信号に基づき、制御されたプロセス条件を用いて、電子写真方式により出力画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置である。より詳しくは、感光体、誘電体等の像担持体上に電子写真方式、静電記録方式等で静電潜像を形成し、この静電潜像の階調特性を適宜補正し、この静電潜像を現像剤の補給を伴なう現像装置によって現像し、可視画像を形成する。図5は、本実施例に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【0053】
まず、コントローラ1001は、外部装置1003から画像信号を受け取り、プリント命令を発行する。外部装置1003は、図示しないハードディスクドライブ、コンピュータ、サーバ、ネットワークなどとのインターフェースを有し、画像信号の出力を行う。
【0054】
γ変換部1101は、外部装置1003からの画像信号に対し、ルックアップテーブル(LUT)を用いてγ変換(第1の階調補正)を行う。次に、γ補正部1102は、γ変換部1101からの画像信号に対して、LUTを用いてγ補正(第2の階調補正)を行う。HT処理部1103は、γ補正部1102からの階調補正された画像信号に対してハーフトーン処理(HT処理)を行う。
【0055】
PWM処理部1104は、ハーフトーン処理が施された画像信号と、所定周期の三角波信号と、の比較を行い、パルス幅変調されたレーザ駆動信号を出力する。このレーザ駆動信号はプリンタエンジン1002に出力される。レーザダイオード1201は、レーザ駆動信号を受けてレーザ光を放射する。放射されたレーザ光は、ポリゴンミラー(不図示)、fθレンズ(不図示)、反射ミラー1202を経て、矢印方向に回転している像担持体である感光ドラム1203上に照射される。これにより感光ドラム1203上には静電潜像が形成される。
【0056】
感光ドラム1203は、露光器1204で均一に除電された後、帯電器1205により均一に帯電される。その後、先のレーザ光の照射を受けて、感光ドラム1203上には、印刷画像に応じた静電潜像が形成される。そして、この静電潜像は、現像器(現像部)1206から供給されるトナーによって可視画像(トナー像)として現像される。」

イ「【0060】
なお、図5では、説明を簡単にするために、単一の画像形成ステーション(感光ドラム1203、帯電器1205、現像器1206等を含む)のみを図示している。しかし、カラー形成を行う場合には、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対する画像形成ステーションが転写材担持体1207上にその移動方向に沿って順次配列される。若しくは、1つの感光ドラム1203の周囲に各色の現像器1206を周囲に沿って配列させる。若しくは、回転可能な筐体にイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色の現像器1206を配置させる。即ち、所望の現像器1206を感光ドラム1203に対向させ、所望の色の現像を行うようにする。図12は、4つの画像形成ステーションを順次配列した画像形成装置の構成例を示す図である。コントローラ1001は、次の各部から構成される。
【0061】
・ 画像信号を各色に分解する色分解部1108
・ 各色の信号処理部1100a、1100b、1100c、1100d(γ変換部1101、γ補正部1102、HT処理部1103、PWM処理部1104、ビデオカウント部1105、補正量算出部1106、パッチデータ記憶部1107を含む)
各画像形成ステーション1200a、1200b、1200c、1200dは、それぞれ対応する信号処理部により制御される。なお、それぞれの画像形成ステーションは、レーザダイオード1201、反射ミラー1202、感光ドラム1203、露光器1204、帯電器1205、現像器1206、クリーナ1212、補給器1217、トナータンク1218から構成される。」

ウ 「【0072】
画像形成装置は固有の階調特性を有しており、外部装置1003からの画像信号をそのままHT処理部1103、PWM処理部1104を介して出力すると、画像信号とその出力濃度との関係は、例えば、図6Aのγ変換前の特性500に示すようになる。通常、画像形成装置の階調特性としては、入力信号に対する出力画像の濃度もしくは明度などに対して線形なものが好まれる。そこでコントローラ1001は、所望の階調特性を得るためにγ-LUTを作成する。
【0073】
まず、コントローラ1001は、予め設定された条件に基づき、γ-LUTの作成を行うか否かを判断する(ステップS601)。例えば、画像形成装置の起動直後や一定のプリント数、例えば5000枚のプリントを行った後など、著しく階調特性が変化している可能性がある場合には、γ-LUTの作成を行うと判断する。係る判断の結果、γ-LUTを作成すると決定した場合には、ステップS602に進む。一方、γ-LUTを作成しないと決定した場合には、本処理を終了する。本実施例では、γ-LUTを作成すると決定した場合は、プリント命令に基づく画像出力を停止し、複数階調のパッチを形成し、γ-LUTの作成処理を行う。
【0074】
ステップS602において、パッチデータ記憶部1107は、複数階調のパッチデータをHT処理部1103に出力する。パッチデータは、階調特性を算出するために入力信号値の間隔が均等に並べられた17階調のパッチ(8bitであれば、0、16、32・・・255)で構成される。また、それぞれのパッチのサイズは、パッチセンサ1214で濃度を検出可能なサイズ、例えば1cm四方である。もちろん、パッチの階調数やパッチの数については特に限定するものではない。
【0075】
そして、感光ドラム1203上に潜像を形成するための上記の動作により、HT処理部1103でハーフトーン処理が施されたパッチデータを用いて、感光ドラム1203上に複数階調のパッチの潜像を形成する(ステップS603)。次にパッチセンサ1214は、感光ドラム1203上の各パッチの濃度を測定する(ステップS604)。
【0076】
γ変換部1101は、ステップS604で測定された各パッチの測定濃度を示すパッチ濃度信号をパッチセンサ1214から受け、このパッチ濃度信号に基づく画像形成装置の階調特性からγ-LUTを作成し、記憶する(ステップS605)。γ-LUTは、ステップS604で得られた各パッチの濃度に基づき求められたγ変換前の特性(点線)から、γ変換前の特性と逆の特性を持つ特性(実線)を算出し、この逆の特性を持つ特性に基づき作成される。図6Aに、変換前の特性500と、その逆特性を持つγ-LUT502と、理想特性501と、の関係の模式図を示す。」

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「γ変換部1101、γ補正部1102、HT処理部1103、PWM処理部1104及びパッチデータ記憶部1107を含むコントローラ1001は、外部装置1003から画像信号を受け取り、プリント命令を発行し、
γ変換部1101は、外部装置1003からの画像信号に対し、ルックアップテーブル(LUT)を用いてγ変換(第1の階調補正)を行い、
γ補正部1102は、γ変換部1101からの画像信号に対して、LUTを用いてγ補正(第2の階調補正)を行い、
HT処理部1103は、γ補正部1102からの階調補正された画像信号に対してハーフトーン処理(HT処理)を行い、
PWM処理部1104は、ハーフトーン処理が施された画像信号と、所定周期の三角波信号と、の比較を行い、パルス幅変調されたレーザ駆動信号を出力し、
レーザダイオード1201は、レーザ駆動信号を受けてレーザ光を放射して、回転している像担持体である感光ドラム1203上に照射されて感光ドラム1203上には静電潜像が形成され、該静電潜像は、現像器(現像部)1206から供給されるトナーによって可視画像(トナー像)として現像される画像形成装置において、
コントローラ1001は、所望の階調特性を得るためにγ-LUTを作成するものであって、
γ-LUTを作成すると決定した場合は、プリント命令に基づく画像出力を停止し、
パッチデータ記憶部1107は、階調特性を算出するために入力信号値の間隔が均等に並べられた17階調のパッチデータをHT処理部1103に出力し、
HT処理部1103でハーフトーン処理が施されたパッチデータを用いて、感光ドラム1203上に複数階調のパッチの潜像を形成し、パッチセンサ1214は、感光ドラム1203上の各パッチの濃度を測定し、
γ変換部1101は、測定された各パッチの測定濃度を示すパッチ濃度信号をパッチセンサ1214から受け、得られた各パッチの濃度に基づき求められたγ変換前の特性から、γ変換前の特性と逆の特性を持つ特性を算出し、この逆の特性を持つ特性に基づきγ-LUTを作成する画像形成装置。」

第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
後者の「感光ドラム1203」は、前者の「感光体」に相当する。
後者の「静電潜像」は、前者の「静電潜像」に相当する。
後者の「レーザ駆動信号」は、前者の「画像データ」に相当する。
後者の「レーザダイオード1201」は、前者の「露光手段」に相当する。
後者の「現像器(現像部)1206」は、前者の「現像手段」に相当する。
後者の「パッチ」は、前者の「画像パッチ」に相当する。
後者の「パッチデータ」は、前者の「パッチ画像データ」に相当する。
後者の「パッチセンサ1214」は、前者の「測定手段」に相当する。
後者の「ルックアップテーブル(LUT)」又は「γ-LUT」は、前者の「階調変換テーブル」に相当する。
後者は、前者と同じ「電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置」に関するものであるから、後者の発明特定事項である「露光条件を決定する決定手段」、「階調変換テーブルを格納する格納手段」、「格納手段に格納された階調変換テーブルに基づいて画像データを作成する作成手段」、「作成手段により作成された前記画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段」に相当する構成を有することは自明である。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「露光条件を決定する決定手段と、
階調変換テーブルを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記階調変換テーブルに基づいて画像データを作成する作成手段と、
感光体と、静電潜像を形成するために、前記決定手段により決定された前記露光条件に基づく光によって前記感光体を露光する露光手段と、前記現像剤容器内のトナー粒子を用いて前記静電潜像を現像する現像手段とを有し、前記作成手段により作成された前記画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された画像パッチを測定する測定手段と、
前記画像形成手段に、パッチ画像データに基づき前記画像パッチを形成させ、前記測定手段により前記画像パッチの測定値を取得する画像形成装置。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は「現像剤容器内のトナー粒子の帯電量を予測する予測手段」という発明特定事項を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。

(相違点2)本願発明1の決定手段は「予測手段により予測されたトナー粒子の帯電量に基づいて、露光条件を決定」しているのに対し、引用発明はそうではない点。

(相違点3)本願発明1は「画像パッチの測定値と予め決まった目標値との差を決定し、前記画像パッチの前記測定値と前記目標値との差から補正量テーブルに基づき階調変換テーブルの補正量を決定し、前記階調変換テーブルを前記補正量に基づいて修正して前記階調変換テーブルを更新する更新手段」を有しているのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。

(相違点4)本願発明1の画像形成手段は「画像パッチを形成する場合、階調変換テーブルに基づいてパッチ画像データを作成」しているのに対し、引用発明はそうではない点。

(相違点5)本願発明1の露光手段は「画像形成手段が画像パッチを形成する場合、決定手段により決定された露光条件に基づく光によって感光体を露光」しているのに対し、引用発明はそうではない点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
上記引用文献1には、「【0080】γ補正部1102は例えば、(n-1)枚目のプリント開始時のトナー帯電量の予測値から、(n-1)枚目のプリントにおけるエンジンのプロセス変動情報を用いて(n-1)枚目のプリント終了時(n枚目のプリント開始時)のトナー帯電量の予測を行う。ここで、プロセス変動情報とは、トナー消費量、補給モータ回転数、現像モータ回転数の変動情報を示す。そして、この予測されたトナー帯電量に基づいて出力濃度を算出し、階調変換条件(γ-LUT)を作成する。」と、トナー帯電量を予測する点については記載されている。
しかしながら、この「トナー帯電量の予測値」は、「【0077】γ変換部1101で行われるγ-LUTの作成は、複数のパッチ出力及び濃度測定を行うための時間を要する。このため、γ補正部1101でのγ-LUT作成処理を、プリント1枚毎等、高い頻度でγ補正部1101でのγ-LUT作成処理を行うと、著しく生産性を低下させる。また、γ-LUTの作成の際に、トナーの消費や補給を伴うため、厳密には画像形成装置の階調特性を変化させてしまう。
【0078】そこで、本実施例では、γ補正部1102により、入力されたデータに基づいて階調特性を予測することにより、パッチ出力等の時間を要さず、高い頻度で階調特性の補正を行う。つまり、画像形成装置の経時劣化など長い時間を経て変動した基本的な階調特性をγ変換部1101により補正し、短い時間で変動した階調特性をγ補正部1102により補正する。」とあるように、「パッチ出力等の時間を要さず」、つまり「パッチ出力」を行わないときに用いるものである。
したがって、パッチ出力を行う引用発明において、「トナー帯電量の予測値」を用いることについては、引用文献1には記載も示唆もない。
また、引用発明に「トナー帯電量の予測値」を適用することが、当業者にとって容易になしえる程度の設計的事項でもない。
よって、上記相違点2乃至5について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明から容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2乃至7について
本願発明2乃至7は、本願発明1を引用し、さらに限定したものであって、本願発明1の「現像剤容器内のトナー粒子の帯電量を予測する予測手段」を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明から容易に発明できたものとはいえない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1-4について上記引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
また、原査定のなお書きにおいて、請求項5-7についても、拒絶査定の対象とはしないものの、請求項1-4と同様に上記引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとしている。
しかしながら、平成29年5月23日付け手続補正により補正された請求項1乃至7は、それぞれ「現像剤容器内のトナー粒子の帯電量を予測する予測手段」という発明特定事項を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1乃至7は、上記引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
特許法第36条第6項第2号について
(1)当審では、請求項1の「パターン画像」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年5月23日付けの補正において、「画像パッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1乃至7は、当業者が引用発明から容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-07-19 
出願番号 特願2014-224299(P2014-224299)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G03G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 野口 聖彦  
特許庁審判長 黒瀬 雅一
特許庁審判官 吉村 尚
古田 敦浩
発明の名称 画像形成装置  
代理人 別役 重尚  

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