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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 取り消して特許、登録 G01R 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01R |
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管理番号 | 1331922 |
審判番号 | 不服2016-9828 |
総通号数 | 214 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-10-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-06-30 |
確定日 | 2017-09-19 |
事件の表示 | 特願2014-231442「センサ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月23日出願公開、特開2015-132595、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年11月14日(パリ条約による優先権主張 2014年1月13日(以下、「優先日」という。) 欧州特許庁)の出願であって、平成27年9月30日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月21日付けで手続補正がなされたが、平成28年5月9日付けで、拒絶査定(以下、「原査定」という)がなされ、これに対し、平成28年6月30日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 その後、当審において平成29年4月11日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成29年7月14日付けで手続補正がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は次の通りである。 本願請求項1-17に係る発明は、以下の引用文献A-Cに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.特表2009-520195号公報 B.特開平3-32050号公報 C.特開平6-85165号公報 第3 当審拒絶理由の概要 1 本願請求項1-17に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 2 本願請求項1-17に係る発明は、以下の特許出願6の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2004-233280号公報(当審において新たに引用した文献) 2.特開昭60-79281号公報(当審において新たに引用した文献) 3.特開2000-183423号公報(当審において新たに引用した文献) 4.特開平3-32050号公報(拒絶査定時の引用文献B) 5.特開平6-85165号公報(拒絶査定時の引用文献C) 6.特願2013-265320号(特開2015-121459号公報)(当審において新たに引用した特許出願) 3 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項1 (1)請求項1に「複数の端子接点(130、132、134、136、138)」及び「複数の第2の端子接点(330、332、334、336、338)」と記載されているが、「端子」は電流の出入口につなぐ金具、「接点」は小面積の接触部分ととらえられ、「端子」に「接点」を続けて、「端子接点」と記載すると、「端子」であるのか「接点」であるのか不明となり、「端子接点」がどのようなものか想定できない。(「端子接点」が、外国語書面に記載の「terminal contacts」であるならば、「端子」としてはどうか。) (2)請求項1に記載された「前記第1の金属基板(115)は、表面(117)と、裏面(119)と、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に配置された複数の端子接点(130、132、134、136、138)と、を有しており」は、「前記第1の金属基板(115)」と「複数の端子接点(130、132、134、136、138)」の関係が不明である。 (3)請求項1に記載された「前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に配置された複数の端子接点(130、132、134、136、138)」は、「端子接点」を「半導体本体」の「表面」に配置することの技術的意味が不明である。(本願の図2の構成では、端子の部材は半導体本体の表面に配置されてはいない。) (4)請求項1に記載された「前記第2の金属基板(315)は、表面(317)と、裏面(319)と、複数の第2の端子接点(330、332、334、336、338)と、を有しており」は、「前記第2の金属基板(315)」と「複数の第2の端子接点(330、332、334、336、338)」の関係が不明である。 (5)請求項1に「前記第1の磁界センサ(120)は、第1の主要延在面を有しており」と記載されているが、「第1の磁界センサ(120)」と「第1の主要延在面」の関係が不明である。 また、「第1の主要延在面」の範囲が何処までであるのか特定されず、「第1の主要延在面」がどのようなものであるのか不明確である。 (6)請求項1に記載された「前記第2の磁界センサ(320)は、第2の主要延在面を有しており」についても、上記(5)と同様に不明である。 (7)請求項1に記載された「前記2つのケーシング(20、220)の前記複数の端子接点(130、132、134、136、138、330、332、334、336、338)は、各ケーシングの同じ各外側面から突出しており」は、同請求項1の「前記複数の端子接点(130、132、134、136、138)の一部が前記第1のケーシング(20)の前記正面(35)から突出し」及び「前記複数の第2の端子接点(330、332、334、336、338)の一部が前記第2のケーシング(220)の前記正面(235)から突出し」の記載と整合していない。(「外側面」を、「正面」としてはどうか。) (8)請求項1に「面法線に沿った斜視図」と記載されているが、「面法線」と「斜視図」の関係が不明であり、「面法線に沿った斜視図」がどのような「斜視図」であるのか不明である。(「斜視図」が、外国語書面に記載の「perspective view」であるならば、「透視図」としてはどうか。) よって、請求項1-17に係る発明は明確でない。 第4 本願発明 本願の請求項1-16に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明16」という。)は、平成29年7月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-16に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりのものである。 「【請求項1】 センサ装置(10)であって、 前記センサ装置(10)は、第1のケーシング(20)と、第1の金属基板(115)と、第2のケーシング(220)と、第2の金属基板(315)と、を有しており、 前記第1のケーシング(20)は、底面(25)と頂面(30)と正面(35)と背面(40)と第1の側面(45)と第2の側面(50)とを有しており、ここで前記正面(35)と前記背面(40)と前記2つの側面(45、50)とは、前記頂面(30)と前記底面(25)との間に配置されており、前記第1のケーシング(20)内かつ前記第1の金属基板(115)上に、表面(105)と裏面(110)とを備えた第1の半導体本体(100)が形成されており、 前記第1の金属基板(115)は、表面(117)と、裏面(119)と、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に接続された複数の端子(130、132、134、136、138)と、を有しており、前記複数の端子(130、132、134、136、138)は、前記第1の半導体本体(100)にモノリシックに組み込まれている第1の磁界センサ(120)を電気的に接触接続させるためのものであり、ここでいずれの場合にも、前記複数の端子(130、132、134、136、138)の一部が前記第1のケーシング(20)の前記正面(35)から突出し、前記第1の半導体本体(100)は、前記裏面(110)で以て、前記第1の金属基板(115)の前記表面(117)に配置されており、前記第1の磁界センサ(120)は、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に形成されており、前記第1の磁界センサ(120)は、第1の表面を有しており、ここで前記第1の表面は、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に対して平行に配置されており、 前記第2のケーシング(220)は、底面(225)と頂面(230)と正面(235)と背面(240)と第1の側面(245)と第2の側面(250)とを有しており、ここで前記正面(235)と前記背面(240)と前記2つの側面(245、250)とは、前記頂面(230)と前記底面(225)との間に配置されており、前記第2のケーシング(220)内かつ前記第2の金属基板(315)上に、表面(305)と裏面(310)とを備えた第2の半導体本体(300)が形成されており、 前記第2の金属基板(315)は、表面(317)と、裏面(319)と、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に接続された複数の第2の端子(330、332、334、336、338)と、を有しており、前記複数の第2の端子(330、332、334、336、338)は、前記第2の半導体本体(300)にモノリシックに組み込まれている第2の磁界センサ(320)を電気的に接触接続させるためのものであり、ここでいずれの場合にも、前記複数の第2の端子(330、332、334、336、338)の一部が前記第2のケーシング(220)の前記正面(235)から突出し、前記第2の半導体本体(300)は、前記裏面(310)で以て、前記第2の金属基板(315)の前記表面(317)に配置されており、前記第2の磁界センサ(320)は、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に形成されており、前記第2の磁界センサ(320)は、第2の表面を有しており、ここで前記第2の表面は、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に対して平行に配置されているセンサ装置(10)において、 前記2つのケーシング(20、220)は、1つのモジュールを形成し、ここで前記2つのケーシング(20、220)は、固定手段によって、積層体の形状に相互に形嵌めによって接合されており、前記接合は、・前記第1のケーシング(20)の前記底面(25)が、前記第2のケーシング(220)の前記底面(225)に結合されて行われ、または、・前記第1のケーシング(20)の底面(25)が、前記第2のケーシング(220)の頂面(230)に結合されて行われ、 前記2つのケーシング(20、220)の前記複数の端子(130、132、134、136、138、330、332、334、336、338)は、同じ方向を指している、または、前記2つのケーシング(20、220)の前記複数の端子(130、132、134、136、138、330、332、334、336、338)は、各ケーシングの同じ各正面(35、235)から突出しており、ここで前記第1の表面の面法線と、前記第2の表面の面法線と、は平行に配置されており、ここで、前記第1の表面の面法線に沿った透視図では、前記第1の表面が前記第2の表面と重畳し、これによって、不均一な磁界の磁束の強さの相違が、前記第1の磁界センサ(120)と前記第2の磁界センサ(320)との間で低減されており、 前記2つのケーシング(20、220)は各頂面において段(400)を有しており、前記段の第1の領域は、前記第1の磁界センサ(120)または前記第2の磁界センサ(320)が形成されている前記段の第2の領域よりも薄く、 前記第2の領域は、前記2つのケーシング(20、220)の正面(35、235)と隣接しており、 前記段(400)は、前記第1の側面(45、245)に沿って、および/または、前記第2の側面(50、250)に沿って形成されており、 前記段の第1の領域の幅は、前記段の第2の領域の幅よりも狭く、 前記複数の端子(130、132、134、136、138)のうちの中央の端子(134)は、前記第1の金属基板(115)と一体化し、 前記複数の第2の端子(330、332、334、336、338)のうちの中央の第2の端子(334)は、前記第2の金属基板(315)と一体化している、ことを特徴とするセンサ装置(10)。」 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について 当審拒絶理由で引用された引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様。)。 a 「【0043】 図示の非接触式回転角度センサ10は、樹脂製のハウジング本体21(以下、第1ハウジング本体21という。)を貫通してこの第1ハウジング本体21に回転自在に軸支された回転軸29、および樹脂製のマグネットホルダ26に保持された一対のマグネット27を有しているマグネット側ハウジング20と、樹脂製のハウジング本体41(以下、第2ハウジング本体41という。)に固定された回路基板43、およびこの回路基板43に固定されて、磁気検出素子の一例であるホールIC50を2つ保持するICホルダ46を備えたIC側ハウジング40とを、Oリング42を介して、一点鎖線に沿って嵌合結合してなるものである。」 b 「【0048】 また、ホールIC50,50の本体は、上述したようにICホルダ46に保持されているが、各ホールIC50,50の電極や入出力端子である4本ずつの接続端子50b,50bは、図2および図3に示すように回路基板43に接続されている。 【0049】 回路基板43には、各ホールIC50,50に対する入出力電気回路が各別に形成されており、この入出力電気回路は、各ホールIC50,50に対して各別に作動電源を供給するとともに、各ホールIC50,50によってそれぞれ検出された磁束密度に対応した電気出力を各別に出力する。」 c 「【0054】 このIC保持部は、ICホルダ46の軸Xを含む中央部分に2つのホールIC50,50を平行に起立姿勢で保持するように、これら2つのホールIC50,50の両側面に沿って立設された2つの対向する保持柱49a,49bであって、これら各保持柱49,49bの対向面に、2つのホールIC50,50が挿し入れられる溝49d,49dがそれぞれ形成されている。 【0055】 そして、これらの保持柱49a,49bは、溝49d,49d間に挿入された2つのホールIC50,50が軸Xに直交する面内で変位するのを規制している。 【0056】 さらに、これら2つの保持柱49a,49bのうち一方の保持柱49bには、溝49d,49dに挿し入れられた2つのホールIC50,50の頂部50a,50aに当接する爪49cが形成されている。 【0057】 この爪49cは、保持柱49a,49bの溝49d,49d間に挿入された2つのホールIC50,50の頂部50a,50aに当接して、両ホールIC50,50が、軸X方向に変位するのを規制している。」 d 「【0060】 すなわち図3(b)において、2つのホールIC50,50のうち、図示手前側のホールIC50の接続端子50bは、図示手前側に延出して、回路基板43のうち図示手前側の部分に接合され、図示奥側のホールIC50の接続端子50bは、図示奥側に延出して、回路基板43のうち図示奥側の部分に接合されている。」 e 「【0076】 また、一対のマグネット27,27は、軸Xに対して略対称に配置されるとともに、IC保持部49は、2つのホールIC50,50が軸Xに対して略対称となるように、これら2つのホールIC50,50を保持しているため、2つのホールIC50,50が検出する磁束密度を略一致させることができ、両ホールIC50,50の出力のうち一方をバックアップ用として使用し、あるいは両出力の加算平均を算出して使用する場合にも、両出力を揃えるための補正処理などを行う必要がなく、使い勝手のよいものとすることができる。」 f 図3 図3より、2つのホールIC50,50は積層体の形状に接合しており、各々のホールIC50のケーシングは、頂部50aの面(背面)と、複数の接続端子50bが延出する面(正面)と、保持柱49a、49bが覆う2つの面(第1の側面と第2の側面)と、これらの面がその間に配置される2つの面(頂面と底面)とを有していることが、見て取れる。 上記a?fより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献1の記載箇所を示す。)。 「非接触式回転角度センサ10であって(【0043】)、 非接触式回転角度センサ10は、手前側のホールIC50のケーシングと、奥側のホールIC50のケーシングとを有しており(【0060】、図3)、 手前側のホールIC50のケーシングは、底面と頂面と正面と背面と第1の側面と第2の側面とを有しており、正面と背面と2つの側面とは、頂面と底面との間に配置されており(【0054】、【0056】、図3)、 複数の接続端子50bが、手前側のホールIC50のケーシングの正面から突出し(図3)、 接続端子50bは、回路基板43に接続され(【0048】)、回路基板43には、手前側のホールIC50に対する入出力電気回路が形成されており、この入出力電気回路は、手前側のホールIC50によって検出された磁束密度に対応した電気出力を出力し(【0049】)、 奥側のホールIC50のケーシングは、底面と頂面と正面と背面と第1の側面と第2の側面とを有しており、正面と背面と2つの側面とは、頂面と底面との間に配置されており(【0054】、【0056】、図3)、 複数の接続端子50bが、奥側のホールIC50のケーシングの正面から突出し(図3)、 接続端子50bは、回路基板43に接続され(【0048】)、回路基板43には、奥側のホールIC50に対する入出力電気回路が形成されており、この入出力電気回路は、奥側のホールIC50によって検出された磁束密度に対応した電気出力を出力する(【0049】)、非接触式回転角度センサ10において、 IC保持部49は、2つのホールIC50,50が軸Xに対して略対称となるように、これら2つのホールIC50,50を積層体の形状に接合し保持しているため、2つのホールIC50,50が検出する磁束密度を略一致させることができ(【0076】、図3)、 2つのホールIC50,50の複数の接続端子50b,50bは、2つのホールIC50,50のケーシングの同じ各正面から突出している(図3)、非接触式回転角度センサ10。」 2 引用文献2について 当審拒絶理由で引用された引用文献2には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「21は、ガリウムヒ素からなる絶縁基板を用い、この基板の表面領域にシリコンイオンを選択的にイオン注入して前記第1図に示すような形状のn型領域が形成されているホール素子チップである。このチップ21は支持リード22上に半田もしくは接着剤を用いて固定されている。」(第2頁右上欄第18行?左下欄第4行) 3 引用文献3について 当審拒絶理由で引用された引用文献3には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0002】 【従来の技術】磁束密度を電圧に変換することのできるホールセンサは、磁気センサとして活用されている。図3は、ホールセンサの構造を示したもので、5はリードフレーム、6はフレーム5の上に搭載された半導体チップを示し、InSb、GaAs等のエピタキシャル層を感磁材として有する。7は半導体チップ6の電極にワイヤ8によりボンディングされた端子、9は全体を覆う樹脂モールドを示す。」 4 引用文献4について 当審拒絶理由で引用された引用文献4には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「ICパッケージ上面の2つの凸部(3)及び下面の2つの凹部(4)は第3図のようにパッケージを積重ねた場合、各々第1のICパッケージ(5)の凸部(3)が第2のパッケージ凹部(4)に嵌合して装着され、重ね合せ位置を決定する役目を果たし、半田付け実装時の位置決めを容易にしている。」(第2頁左下欄第3?9行) 5 引用文献5について 当審拒絶理由で引用された引用文献5には、図面とともに、次の事項が記載されている。 「【0014】上部半導体装置と下部半導体装置はそれぞれ別々に製造され、それぞれ完成後に電気特性を測定し良品のみを接合する。その接合方法は、上部半導体装置の本体下面に凹部8を設け、それに対応して下部半導体装置の本体上面に凸部18を設ける。この上部半導体装置下面の凹部8と下部半導体装置上面の凸部18は、下部半導体装置に対し上部半導体装置の位置決めの為に用いる。・・・」 6 特許出願6について 当審拒絶理由で引用された特許出願6の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面には、次の事項が記載されている。 a 「【0030】 第1、第2センサ部品20、30は、図3に示すごとく、対向配置状態で固定されるものであり、図4に示すごとき外観形状を呈している。 外観形状の主体をなす第1、第2モールド樹脂体23、33は、全体として、先端が部分的に突出した矩形状を呈しており、膨出部60を形成する第1、第2段付部23A、33Aと、矩形状の本体23B、33Bを有する。そして、矩形状本体23B、33Bから突出している先端部分で第1、第2磁気センサ21、31を保持しているが、その片面(互いに対向する面)側に、第1、第2磁気センサ21、31の対向面側を露出させるように、第1、第2段付部23A、33Aが設けられている。つまり、第1、第2段付部23A、33Aは、第1、第2磁気センサ21、31の対向面側の下端部のみを覆っている。 また、第1、第2段付部23A、33Aは、互いに対向する面が、本体23B、33Bの互いに対向する面と同一平面をなしており、これらの平面同士で、第1モールド樹脂体23と第2モールド樹脂体33とが当接することにより、第1センサ部品20と第2センサ部品30とが当接している。 ここで重要なのは、膨出部60によって、第1磁気センサ21と第2磁気センサ31とが当接しないように離隔させていることである。つまり、第1、第2段付部23A、33Aで、第1、第2磁気センサ21、31の下端部の互いに対向する側を覆っており、第1段付部23Aと第2段付部33Aとが当接することで、第1磁気センサ21と第2磁気センサ31とを相互に離隔させている。 【0031】 第1、第2モールド樹脂体23、33は、互いの当接面の一部に凹凸部を有している。 具体的には、第1モールド樹脂体23の本体23Bに対し、第2モールド樹脂体33の本体33Bと当接する面に、第1凸部23Cおよび第1凹部23Dを左右対称に設けている。また同様に、第2モールド樹脂体33の本体33Bに対しても、第1モールド樹脂体23の本体23Bと当接する面に、第2凸部33Cおよび第2凹部33Dを左右対称に設けている。 第1凸部23Cと第2凸部33Cは、先端に向かって外径が小さくなる凸テーパ状を呈し、第1凹部23Dと第2凹部33Dは、深部に向かって内径が小さくなる凹テーパ状を呈している。 したがって、第1センサ部品20と第2センサ部品30とを対面させ、当接すると、第1センサ部品20の第1凸部23Cと第2センサ部品30の第2凹部33Dとが嵌合し、第1センサ部品20の第1凹部23Dと第2センサ部品30の第2凸部33Cとが嵌合する。これにより、第1センサ部品20と第2センサ部品30とを、互いに位置ズレすることなく、1つのセンサ部品構成体(1ユニット)として組合せることができる。」 上記記載より、特許出願6の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面には、次の発明(以下、「先願発明6」という。)が記載されている。 「第1、第2センサ部品20、30は、対向配置状態で固定されるものであり、 第1、第2モールド樹脂体23、33は、全体として、先端が部分的に突出した矩形状を呈しており、膨出部60を形成する第1、第2段付部23A、33Aと、矩形状の本体23B、33Bを有し、 矩形状本体23B、33Bから突出している先端部分で第1、第2磁気センサ21、31を保持しており(【0030】)、 第1モールド樹脂体23の本体23Bに対し、第2モールド樹脂体33の本体33Bと当接する面に、第1凸部23Cおよび第1凹部23Dを左右対称に設けており、第2モールド樹脂体33の本体33Bに対しても、第1モールド樹脂体23の本体23Bと当接する面に、第2凸部33Cおよび第2凹部33Dを左右対称に設けており、 第1センサ部品20と第2センサ部品30とを対面させ、当接すると、第1センサ部品20の第1凸部23Cと第2センサ部品30の第2凹部33Dとが嵌合し、第1センサ部品20の第1凹部23Dと第2センサ部品30の第2凸部33Cとが嵌合するセンサ部品構成体(【0031】)。」 第6 特許法第29条第2項について 1 本願発明1 (1)対比 本願発明1と引用発明1を対比する。 ア 引用発明1の「非接触式回転角度センサ10」、「手前側のホールIC50のケーシング」、「奥側のホールIC50のケーシング」は、それぞれ、本願発明1の「センサ装置(10)」、「第1のケーシング(20)」、「第2のケーシング(220)」に相当する。 イ 引用発明1の「非接触式回転角度センサ10は、手前側のホールIC50のケーシングと、奥側のホールIC50のケーシングとを有しており」と、本願発明1の「前記センサ装置(10)は、第1のケーシング(20)と、第1の金属基板(115)と、第2のケーシング(220)と、第2の金属基板(315)と、を有しており」とは、「前記センサ装置(10)は、第1のケーシング(20)と、第2のケーシング(220)とを有して」いる点で共通する。 ウ 引用発明1の「手前側のホールIC50のケーシングは、底面と頂面と正面と背面と第1の側面と第2の側面とを有しており、正面と背面と2つの側面とは、頂面と底面との間に配置されており」は、本願発明1の「前記第1のケーシング(20)は、底面(25)と頂面(30)と正面(35)と背面(40)と第1の側面(45)と第2の側面(50)とを有しており、ここで前記正面(35)と前記背面(40)と前記2つの側面(45、50)とは、前記頂面(30)と前記底面(25)との間に配置されており」に相当する。 エ 引用発明1は「接続端子50bは、回路基板43に接続され、回路基板43には、手前側のホールIC50に対する入出力電気回路が形成されており、この入出力電気回路は、手前側のホールIC50によって検出された磁束密度に対応した電気出力を出力し」ているので、「接続端子50b」は、「手前側のホールIC50によって検出された磁束密度に対応した電気出力」を「入出力電気回路」に伝達しており、「接続端子50b」は、「手前側のホールIC50」内の磁界センサに電気的に接触接続しているといえる。 したがって、引用発明1の「接続端子50b」は、本願発明1の「第1の磁界センサ(120)を電気的に接触接続させるための」「前記複数の端子(130、132、134、136、138)」に相当する。 オ 引用発明1の「複数の接続端子50bが、手前側のホールIC50のケーシングの正面から突出し」は、上記エをふまえると、本願発明1の「前記複数の端子(130、132、134、136、138)の一部が前記第1のケーシング(20)の前記正面(35)から突出し」に相当する。 カ 引用発明1の「奥側のホールIC50のケーシングは、底面と頂面と正面と背面と第1の側面と第2の側面とを有しており、正面と背面と2つの側面とは、頂面と底面との間に配置されており」は、本願発明1の「前記第2のケーシング(220)は、底面(225)と頂面(230)と正面(235)と背面(240)と第1の側面(245)と第2の側面(250)とを有しており、ここで前記正面(235)と前記背面(240)と前記2つの側面(245、250)とは、前記頂面(230)と前記底面(225)との間に配置されており」に相当する。 キ 引用発明1は「接続端子50bは、回路基板43に接続され、回路基板43には、奥側のホールIC50に対する入出力電気回路が形成されており、この入出力電気回路は、奥側のホールIC50によって検出された磁束密度に対応した電気出力を出力する」ので、「接続端子50b」は、「奥側のホールIC50によって検出された磁束密度に対応した電気出力」を「入出力電気回路」に伝達しており、「接続端子50b」は、「奥側のホールIC50」内の磁界センサに電気的に接触接続しているといえる。 したがって、引用発明1の「接続端子50b」は、本願発明1の「第2の磁界センサ(320)を電気的に接触接続させるための」「前記複数の第2の端子(330、332、334、336、338)」に相当する。 ク 引用発明1の「複数の接続端子50bが、奥側のホールIC50のケーシングの正面から突出し」は、上記キをふまえると、本願発明1の「前記複数の第2の端子(330、332、334、336、338)の一部が前記第2のケーシング(220)の前記正面(235)から突出し」に相当する。 ケ 引用発明1は「2つのホールIC50,50が軸Xに対して略対称となる」ものであるから、引用発明1の「手前側のホールIC50のケーシング」の「底面」と、「奥側のホールIC50のケーシング」の「底面」が結合されているといえるので、 引用発明1の「IC保持部49は、2つのホールIC50,50が軸Xに対して略対称となるように、これら2つのホールIC50,50を積層体の形状に接合し保持している」ことと、本願発明1の「前記2つのケーシング(20、220)は、1つのモジュールを形成し、ここで前記2つのケーシング(20、220)は、固定手段によって、積層体の形状に相互に形嵌めによって接合されており、前記接合は、・前記第1のケーシング(20)の前記底面(25)が、前記第2のケーシング(220)の前記底面(225)に結合されて行われ、または、・前記第1のケーシング(20)の底面(25)が、前記第2のケーシング(220)の頂面(230)に結合されて行われ」とは、「前記2つのケーシング(20、220)は、1つのモジュールを形成し、ここで前記2つのケーシング(20、220)は、固定手段によって、積層体の形状に接合されており、前記接合は、・前記第1のケーシング(20)の前記底面(25)が、前記第2のケーシング(220)の前記底面(225)に結合されて行われ」る点で共通する。 コ 引用発明1の「2つのホールIC50,50の複数の接続端子50b,50bは、2つのホールIC50,50のケーシングの同じ各正面から突出している」は、本願発明1の「前記2つのケーシング(20、220)の前記複数の端子(130、132、134、136、138、330、332、334、336、338)は、各ケーシングの同じ各正面(35、235)から突出しており」に相当する。 サ 引用発明1の「2つのホールIC50,50が検出する磁束密度を略一致させることができ」は、本願発明1の「不均一な磁界の磁束の強さの相違が、前記第1の磁界センサ(120)と前記第2の磁界センサ(320)との間で低減されており」に相当する。 すると、本願発明1と引用発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。 (一致点) 「センサ装置であって、 前記センサ装置は、第1のケーシングと、第2のケーシングと、を有しており、 前記第1のケーシングは、底面と頂面と正面と背面と第1の側面と第2の側面とを有しており、ここで前記正面と前記背面と前記2つの側面とは、前記頂面と前記底面との間に配置されており、 複数の端子は、第1の磁界センサを電気的に接触接続させるためのものであり、前記複数の端子の一部が前記第1のケーシングの前記正面から突出し、 前記第2のケーシングは、底面と頂面と正面と背面と第1の側面と第2の側面とを有しており、ここで前記正面と前記背面と前記2つの側面とは、前記頂面と前記底面との間に配置されており、 前記複数の第2の端子は、第2の磁界センサを電気的に接触接続させるためのものであり、前記複数の第2の端子の一部が前記第2のケーシングの前記正面から突出しているセンサ装置において、 前記2つのケーシングは、1つのモジュールを形成し、ここで前記2つのケーシングは、固定手段によって、積層体の形状に接合されており、前記接合は、 ・前記第1のケーシングの前記底面が、前記第2のケーシングの前記底面に結合されて行われ、 前記2つのケーシングの前記複数の端子は、各ケーシングの同じ各正面から突出しており、不均一な磁界の磁束の強さの相違が、前記第1の磁界センサと前記第2の磁界センサとの間で低減されている、センサ装置。」 (相違点1) 本願発明1は、「第1の金属基板(115)」を有しており、「前記第1のケーシング(20)内かつ前記第1の金属基板(115)上に、表面(105)と裏面(110)とを備えた第1の半導体本体(100)が形成されており、前記第1の金属基板(115)は、表面(117)と、裏面(119)と、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に接続された複数の端子(130、132、134、136、138)と、を有して」いるのに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点2) 本願発明1は、第1の磁界センサ(120)が、「前記第1の半導体本体(100)にモノリシックに組み込まれている」のに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点3) 本願発明1は、「前記第1の半導体本体(100)は、前記裏面(110)で以て、前記第1の金属基板(115)の前記表面(117)に配置されており、前記第1の磁界センサ(120)は、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に形成されており、前記第1の磁界センサ(120)は、第1の表面を有しており、ここで前記第1の表面は、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に対して平行に配置されて」いるのに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点4) 本願発明1は、「第2の金属基板(315)」を有しており、「前記第2のケーシング(220)内かつ前記第2の金属基板(315)上に、表面(305)と裏面(310)とを備えた第2の半導体本体(300)が形成されており、前記第2の金属基板(315)は、表面(317)と、裏面(319)と、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に接続された複数の第2の端子(330、332、334、336、338)と、を有して」いるのに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点5) 本願発明1は、第2の磁界センサ(320)が、「前記第2の半導体本体(300)にモノリシックに組み込まれている」のに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点6) 本願発明1は、「前記第2の半導体本体(300)は、前記裏面(310)で以て、前記第2の金属基板(315)の前記表面(317)に配置されており、前記第2の磁界センサ(320)は、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に形成されており、前記第2の磁界センサ(320)は、第2の表面を有しており、ここで前記第2の表面は、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に対して平行に配置されている」のに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点7) 本願発明1は、2つのケーシング(20、220)が、「相互に形嵌め」によって接合されているのに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点8) 本願発明1は、「前記第1の表面の面法線と、前記第2の表面の面法線と、は平行に配置されており、」「前記第1の表面の面法線に沿った透視図では、前記第1の表面が前記第2の表面と重畳し」ているのに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点9) 本願発明1は、「前記2つのケーシング(20、220)は各頂面において段(400)を有しており、前記段の第1の領域は、前記第1の磁界センサ(120)または前記第2の磁界センサ(320)が形成されている前記段の第2の領域よりも薄く、前記第2の領域は、前記2つのケーシング(20、220)の正面(35、235)と隣接しており、前記段(400)は、前記第1の側面(45、245)に沿って、および/または、前記第2の側面(50、250)に沿って形成されており、前記段の第1の領域の幅は、前記段の第2の領域の幅よりも狭」いのに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点10) 本願発明1は、「前記複数の端子(130、132、134、136、138)のうちの中央の端子(134)は、前記第1の金属基板(115)と一体化し、前記複数の第2の端子(330、332、334、336、338)のうちの中央の第2の端子(334)は、前記第2の金属基板(315)と一体化している」のに対して、引用発明1は、そのような特定がない点。 (2)判断 事案に鑑み、上記相違点9について検討する。 引用発明1のケーシングは、「段」を有していない。 また、引用文献2-5にも、ケーシングの「段」は記載されていないので、引用発明1において、「手前側のホールIC50のケーシング」及び「奥側のホールIC50のケーシング」の各頂面において段を設け、段の第1の領域は、第1の磁界センサまたは第2の磁界センサが形成されている段の第2の領域よりも薄く、第2の領域は、「手前側のホールIC50のケーシング」及び「奥側のホールIC50のケーシング」の「正面」と隣接しており、段は、「第1の側面」に沿って、および/または、「第2の側面」に沿って形成されており、段の第1の領域の幅は、段の第2の領域の幅よりも狭くすることは、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。 したがって、上記相違点9に係る本願発明1の構成は、引用発明1、引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 よって、本願発明1は、上記相違点1-8、10について検討するまでもなく、引用発明1、引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 2 本願発明2-16について 本願発明2-16についても、上記相違点9に係る本願発明1の「前記2つのケーシング(20、220)は各頂面において段(400)を有しており、前記段の第1の領域は、前記第1の磁界センサ(120)または前記第2の磁界センサ(320)が形成されている前記段の第2の領域よりも薄く、前記第2の領域は、前記2つのケーシング(20、220)の正面(35、235)と隣接しており、前記段(400)は、前記第1の側面(45、245)に沿って、および/または、前記第2の側面(50、250)に沿って形成されており、前記段の第1の領域の幅は、前記段の第2の領域の幅よりも狭く」と同一の構成を備えるものであるから、 引用発明1、引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 第7 特許法第29条の2について 1 本願発明1 本願発明1と先願発明6を対比すると、 先願発明6には、本願発明1の構成である「前記2つのケーシング(20、220)は各頂面において段(400)を有しており、前記段の第1の領域は、前記第1の磁界センサ(120)または前記第2の磁界センサ(320)が形成されている前記段の第2の領域よりも薄く、前記第2の領域は、前記2つのケーシング(20、220)の正面(35、235)と隣接しており、前記段(400)は、前記第1の側面(45、245)に沿って、および/または、前記第2の側面(50、250)に沿って形成されており、前記段の第1の領域の幅は、前記段の第2の領域の幅よりも狭く」に相当する構成はない。 したがって、本願発明1は、引用発明6と同一であるとはいえない。 2 本願発明2-16について 本願発明2-16についても、本願発明1の「前記2つのケーシング(20、220)は各頂面において段(400)を有しており、前記段の第1の領域は、前記第1の磁界センサ(120)または前記第2の磁界センサ(320)が形成されている前記段の第2の領域よりも薄く、前記第2の領域は、前記2つのケーシング(20、220)の正面(35、235)と隣接しており、前記段(400)は、前記第1の側面(45、245)に沿って、および/または、前記第2の側面(50、250)に沿って形成されており、前記段の第1の領域の幅は、前記段の第2の領域の幅よりも狭く」と同一の構成を備えるものであるから、引用発明6と同一であるとはいえない。 第8 特許法第36条第6項第2号について 当審拒絶理由の通知に応答して提出された平成29年7月14日付けの手続補正書により、 請求項1の「端子接点」、「前記第1のケーシング(20)内に、表面(105)と裏面(110)とを備えた第1の半導体本体(100)が形成されており、前記第1の金属基板(115)は、表面(117)と、裏面(119)と、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に配置された複数の端子接点(130、132、134、136、138)と、を有しており」、「前記第2のケーシング(220)内に、表面(305)と裏面(310)とを備えた第2の半導体本体(300)が形成されており、前記第2の金属基板(315)は、表面(317)と、裏面(319)と、複数の第2の端子接点(330、332、334、336、338)と、を有しており」、「第1の主要延在面」、「第2の主要延在面」、「外側面」、「斜視図」という記載は、 「端子」、「前記第1のケーシング(20)内かつ前記第1の金属基板(115)上に、表面(105)と裏面(110)とを備えた第1の半導体本体(100)が形成されており、前記第1の金属基板(115)は、表面(117)と、裏面(119)と、前記第1の半導体本体(100)の前記表面(105)に接続された複数の端子(130、132、134、136、138)と、を有しており」、「前記第2のケーシング(220)内かつ前記第2の金属基板(315)上に、表面(305)と裏面(310)とを備えた第2の半導体本体(300)が形成されており、前記第2の金属基板(315)は、表面(317)と、裏面(319)と、前記第2の半導体本体(300)の前記表面(305)に接続された複数の第2の端子(330、332、334、336、338)と、を有しており」、「第1の表面」、「第2の表面」、「正面」、「透視図」に補正されており、請求項1及び請求項1を直接または間接的に引用する請求項2-16に係る発明は明確になった。 第9 原査定について 当審拒絶理由の通知に応答して提出された平成29年7月14日付けの手続補正書により、請求項は、請求項1ないし16となるとともに、各請求項は、「前記2つのケーシング(20、220)は各頂面において段(400)を有しており、前記段の第1の領域は、前記第1の磁界センサ(120)または前記第2の磁界センサ(320)が形成されている前記段の第2の領域よりも薄く、前記第2の領域は、前記2つのケーシング(20、220)の正面(35、235)と隣接しており、前記段(400)は、前記第1の側面(45、245)に沿って、および/または、前記第2の側面(50、250)に沿って形成されており、前記段の第1の領域の幅は、前記段の第2の領域の幅よりも狭く」という発明特定事項を有するものとなった。当該事項は、原査定における引用文献AないしCには記載されておらず、本願の優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし16は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献AないしCに記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。 第10 むすび 以上のとおり、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-09-04 |
出願番号 | 特願2014-231442(P2014-231442) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(G01R)
P 1 8・ 161- WY (G01R) P 1 8・ 121- WY (G01R) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 居島 一仁 |
特許庁審判長 |
中塚 直樹 |
特許庁審判官 |
関根 洋之 須原 宏光 |
発明の名称 | センサ装置 |
代理人 | 上島 類 |
代理人 | 前川 純一 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | 二宮 浩康 |