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審決分類 審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1332052
審判番号 不服2016-12172  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-10 
確定日 2017-09-07 
事件の表示 特願2014- 10523「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 9月25日出願公開、特開2014-176621〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年12月9日を出願日とする特願2010-275009号の一部を平成25年3月28日に新たな特許出願である特願2013-69944号とし、その一部を平成26年1月23日に新たな特許出願としたものであって、平成27年5月1日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月10日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年1月21日付けで拒絶理由通知がされ、同年3月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月18日付け(発送日:同年5月24日)で拒絶査定がされ、これに対し、同年8月10日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに手続補正がされ、同年9月1日に作成された前置報告に対して、同年10月12日に上申書が提出されたものである。

第2 本願の請求項に係る発明
平成28年8月10日付けの手続補正は、特許請求の範囲について補正するものではないので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年3月25日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(A?L(F、H、Iは除かれている。)は、本願発明を分説するために当審で付した。)。
「【請求項1】
A 可変表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 前記有利状態に制御するか否かを判定する有利状態判定手段と、
C 前記有利状態判定手段の判定結果に基づいて、前記有利状態に制御する有利状態制御手段と、
D 可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後に可変表示を再度実行する再可変表示を所定回実行する再可変表示実行手段と、
E 遊技者による第1動作に対応する第1動作演出、および、遊技者による第2動作に対応する第2動作演出を含む複数種類の動作演出を実行するか否かを決定する動作演出決定手段と、
G 前記動作演出決定手段の決定結果に基づいて、動作演出を実行する動作演出実行手段とを備え、
J 特定演出の実行中において、可変表示を縮小された態様により実行可能であり、
K 前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて、前記第1動作演出または前記第2動作演出を異なる割合により実行可能であり、
L 前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて、複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかの割合が異なる、遊技機。」

第3 特願2014-7970号に係る発明
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願と同一人により、本願の出願遡及日(平成22年12月9日)より前の平成22年3月31に出願された特願2010-84282号の一部を新たな特許出願とした特願2014-7970号(以下「先願」という。)の請求項2に係る発明(以下「先願発明」という。)と実質的に同一と認められるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない、というものであるところ、先願発明は、その特許5789005号公報の特許請求の範囲の請求項2に記載された次のとおりのものである(A1?K1(B1、C1は除かれている。)は、先願発明を分説するために当審で付した。)。

[先願発明]
「【請求項1】
A1 識別情報の可変表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
E1 遊技者による第1の動作に対応する第1動作演出、および、遊技者による第2の動作に対応する第2動作演出を含む複数種類の動作演出を実行するか否かを決定する動作演出決定手段と、
F1 前記第1の動作を検出する第1動作検出手段、および、前記第2の動作を検出する第2動作検出手段を含む複数種類の動作検出手段と、
G1 前記動作演出決定手段の決定結果に基づいて、動作演出を実行する動作演出実行手段と、
H1 前記動作演出実行手段により動作演出が実行される場合に、前記動作検出手段により動作が検出されたときに特別演出を実行する特別演出実行手段と、を備え、
I1 前記第1動作演出および前記第2動作演出のうち、前記動作演出決定手段による実行決定確率が低い方が、高い方と比べて、前記動作演出実行手段により動作演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、かつ、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、
J1 特定演出の実行中において、前記識別情報を縮小表示する制御を行なう縮小表示制御手段をさらに備えた、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
D1 可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後に可変表示を再度実行する再可変表示を所定回実行する再可変表示実行手段をさらに備え、
K1 前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて前記第1動作演出または前記第2動作演出を異なる割合により実行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。」

第4 当審の判断
1 本願発明と先願発明との対比
本願発明と先願発明とを対比する((a)?(l)は、上記分説に対応させて当審で付した。また、対比の便宜上、対応する文言のない箇所に下線を当審で付した。)。
(a)先願発明における構成A1(識別情報の可変表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機)は、「識別情報の可変表示」は、「可変表示」の一態様であるから、本願発明における構成A(可変表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機)に含まれる。
(b)本願発明は、先願発明には明記されていない構成B(前記有利状態に制御するか否かを判定する有利状態判定手段)を備えている。
(c)本願発明は、先願発明には明記されていない構成C(前記有利状態判定手段の判定結果に基づいて、前記有利状態に制御する有利状態制御手段)を備えている。
(d)先願発明における構成D1(可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後に可変表示を再度実行する再可変表示を所定回実行する再可変表示実行手段)は、本願発明における構成D(可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後に可変表示を再度実行する再可変表示を所定回実行する再可変表示実行手段)に相当する。
(e)先願発明における構成E1(遊技者による第1の動作に対応する第1動作演出、および、遊技者による第2の動作に対応する第2動作演出を含む複数種類の動作演出を実行するか否かを決定する動作演出決定手段)は、本願発明における構成E(遊技者による第1動作に対応する第1動作演出、および、遊技者による第2動作に対応する第2動作演出を含む複数種類の動作演出を実行するか否かを決定する動作演出決定手段)に相当する。
(f)本願発明には、先願発明における構成F1(前記第1の動作を検出する第1動作検出手段、および、前記第2の動作を検出する第2動作検出手段を含む複数種類の動作検出手段)に対応する構成が明記されていない。
(g)先願発明における構成G1(前記動作演出決定手段の決定結果に基づいて、動作演出を実行する動作演出実行手段)は、本願発明における構成G(前記動作演出決定手段の決定結果に基づいて、動作演出を実行する動作演出実行手段)に相当する。
(h)本願発明には、先願発明における構成H1(前記動作演出実行手段により動作演出が実行される場合に、前記動作検出手段により動作が検出されたときに特別演出を実行する特別演出実行手段)に対応する構成が明記されていない。
(i)本願発明には、先願発明における構成I1(前記第1動作演出および前記第2動作演出のうち、前記動作演出決定手段による実行決定確率が低い方が、高い方と比べて、前記動作演出実行手段により動作演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、かつ、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く)に対応する構成が明記されていない。
(j)先願発明における構成J1(特定演出の実行中において、前記識別情報を縮小表示する制御を行なう縮小表示制御手段)について、「識別情報」は「可変表示」されるものであるところ、先願発明における構成J1の「縮小表示制御手段」が「識別情報」を「縮小表示する制御を行なう」機能を有するということは、『(識別情報の)可変表示を縮小された態様により実行可能』ということであるから、先願発明における構成J1は、本願発明における構成J(特定演出の実行中において、可変表示を縮小された態様により実行可能であり)に相当する。
(k)先願発明における構成K1(前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて前記第1動作演出または前記第2動作演出を異なる割合により実行可能)は、本願発明における構成K(前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて、前記第1動作演出または前記第2動作演出を異なる割合により実行可能)に相当する。
(l)本願発明は、先願発明には明記されていない構成L(前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて、複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかの割合が異なる)を備えている。

上記対比から、本願発明と先願発明とは、以下の点で一応相違するものと認められ、残余の点で一致している。

[相違点1]
本願発明は、先願発明が発明特定事項として有していない構成B(前記有利状態に制御するか否かを判定する有利状態判定手段)、構成C(前記有利状態判定手段の判定結果に基づいて、前記有利状態に制御する有利状態制御手段)を発明特定事項として有している点。(上記(b)、(c))
[相違点2]
本願発明は、先願発明が発明特定事項として有していない構成L(前記再可変表示実行手段による前記再可変表示の実行回数に応じて、複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかの割合が異なる)を発明特定事項として有している点。(上記(l))
[相違点3]
本願発明は、先願発明が発明特定事項として有している構成F1(前記第1の動作を検出する第1動作検出手段、および、前記第2の動作を検出する第2動作検出手段を含む複数種類の動作検出手段)を発明特定事項として有していない点。(上記(f))
[相違点4]
本願発明は、先願発明が発明特定事項として有している構成H1(前記動作演出実行手段により動作演出が実行される場合に、前記動作検出手段により動作が検出されたときに特別演出を実行する特別演出実行手段)、構成I1(前記第1動作演出および前記第2動作演出のうち、前記動作演出決定手段による実行決定確率が低い方が、高い方と比べて、前記動作演出実行手段により動作演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、かつ、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く)を発明特定事項として有していない点。(上記(h)、(i))

2 判断
上記相違点1ないし4がある場合であっても、本願発明と先願発明とが同一(実質同一)といえるかどうかについて、以下に検討する。
[相違点1]について
遊技機において、有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御するか否かを判定する有利状態判定手段と有利状態判定手段の判定結果に基づいて、前記有利状態に制御する有利状態制御手段を備えることは、本願の出願遡及日前、遊技機において一般的に用いられていた慣用技術にすぎないし、先願発明の「遊技機」を「識別情報の可変表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能」(構成A1)なものに具体化する上で不可欠なものといえるから、先願発明の「遊技機」も当然に備えているものと認められる。また、仮にそうでないとしても、当該慣用技術を付加することは、課題解決のための具体化手段における微差にすぎないことは明らかであるから、当該相違点について、本願発明と先願発明とは実質同一である。

[相違点2]について
本願の出願遡及日前、「リーチ演出」と一旦仮停止表示させた全ての飾り図柄を再変動させる再可変表示を行う「擬似連続予告演出」(以下、単に「擬似連」という。)をともに演出可能とした遊技機は普通のものであり、リーチ演出の種類に応じて大当りの信頼度が異なることや「擬似連」における再可変表示の実行回数に応じて大当りの信頼度が異なるようにすることも、当業者に広く知られていたから、先願発明においても、たとえば再可変表示の実行回数が少ない演出と信頼度の低いリーチ演出とを対応づけたり、再可変表示の実行回数が多い演出と信頼度の高いリーチ演出とを対応づけるなどして再可変表示の実行回数に応じて発展先のリーチ演出の種類が異なるようにしているものと認められる。
また、仮にそうでないとしても、「擬似連」における再可変表示の実行回数に応じて発展先のリーチ演出の種類が異なるようにすること(この場合、当該再可変表示の実行回数に応じて発展先とされた種類のリーチ演出は特定の割合で実行されるのに対し、発展先とされていないリーチ演出の実行割合は0%となるから、「再可変表示実行手段による再可変表示の実行回数に応じて、複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行するかの割合が異なる」こととなる。)は、本願の出願遡及日前、当業者によく知られていた周知の技術事項であるから(「吉宗-大盤振舞じゃ!!」パチンコ必勝本Dreams 5月号,株式会社綜合図書,2010年5月1日発行,第19巻,第5号,p.54-55の特に55頁下欄には、「擬似連回数」で「発展リーチに法則あり」と記載され、例えば「リボルバー1回」(擬似連1回)からは、信頼度の低いリーチ(「飲み比べ」「追っかけ」「腕相撲」)には発展するが、信頼度の高い全回転リーチには発展せず、「リボルバー4回」の場合、全回転リーチが確定することが示されている。「CR F.電車でGO!2」,パチンコ攻略マガジン9月10日号,株式会社双葉社,2006年9月10日発行,第18巻,第24号,p.66-68の特に68頁右下枠囲みには、「擬似連続予告」が「4連続」からは、信頼度の高い「TRAIN-TRAIN」「Chou Chou TRAIN」リーチに発展するが、「2連続」「3連続」からは、「TRAIN-TRAIN」「Chou Chou TRAIN」リーチには発展しないことが示されている。「創聖のアクエリオン-すべてを見渡せ!激レア画像43連発!!」,パチンコ攻略マガジン1.13号,株式会社双葉社,2008年1月13日発行,第20巻,第1号,p.16-22の特に21頁右下枠囲みと22頁右下には、「擬似連数」が「2連」からは、信頼度の低い「ベクターリーチ」に発展することもあるが、「4連」からは、信頼度の低い「ベクターリーチ」には発展することはなく、信頼度の高い「ルナ」「マーズ」のスペシャルリーチ以上に発展することが示されている。特開2010-263981号公報の特に図6には、「擬似連続変動」が「1回」「2回」の場合には、「ノーマルリーチ」以外のリーチに発展することはなく、「3回」の場合には、「スーパーリーチα」「スーパーリーチβ」のいずれかに発展することが示されている。特開2010-137003号公報の特に図4には、「擬似連1回?2回」の場合には、「ノーマルリーチ」以外のリーチに発展することはなく、「擬似連3回?4回」の場合には、「スーパーA」「スーパーB」「スーパーC」のいずれかに発展することが示されている。)、本願発明に当該周知技術を付加することは、新たな効果を奏するものではなく、課題解決のための具体化手段における微差にすぎないから、当該相違点について本願発明と先願発明とは実質同一である。

[相違点3]について
本願発明は、「遊技者による第1動作」及び「遊技者による第2動作」を検出する「動作検出手段」についての発明特定事項を有していないが、本願発明における「動作演出決定手段」が「遊技者による第1動作に対応する第1動作演出、および、遊技者による第2動作に対応する第2動作演出を含む複数種類の動作演出を実行するか否かを決定する」(構成E)という機能を果たす上で「遊技者による第1動作及び遊技者による第2動作を検出する動作検出手段」は不可欠なものであるから、本願発明が当然備えているものといえる。
したがって、本願発明が、先願発明が発明特定事項として有している構成F1(前記第1の動作を検出する第1動作検出手段、および、前記第2の動作を検出する第2動作検出手段を含む複数種類の動作検出手段)を発明特定事項として有していないことは、本願発明が備える「動作検出手段」について上位概念化したものといえるから、当該相違点について本願発明と先願発明とは実質同一である。

[相違点4]について
本願発明は、「前記動作演出決定手段の決定結果に基づいて、動作演出を実行する動作演出実行手段」(構成G)を備えているから、当該「動作演出」を含む演出を実行する「演出実行手段」を備えているものといえる。
そうすると、本願発明が、先願発明が発明特定事項として有している構成H1(前記動作演出実行手段により動作演出が実行される場合に、前記動作検出手段により動作が検出されたときに特別演出を実行する特別演出実行手段)、構成I1(前記第1動作演出および前記第2動作演出のうち、前記動作演出決定手段による実行決定確率が低い方が、高い方と比べて、前記動作演出実行手段により動作演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、かつ、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く)を発明特定事項として有していないことは、本願発明が備える「演出実行手段」について上位概念化したものといえるから、当該相違点について本願発明と先願発明とは実質同一である。

以上のとおり、相違点1ないし4について、本願発明と先願発明は実質同一と判断されるから、両者は同一(実質同一)である。

3 審判請求書及び上申書における主張に対して
請求人は、審判請求書「(3)-3」において次の主張をしている。
「・・・本願発明が備えていない「前記第1動作演出および前記第2動作演出のうち、前記動作演出決定手段による実行決定確率が低い方が、高い方と比べて、前記動作演出実行手段により動作演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、かつ、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、」という構成は、・・・このような構成が特許請求の範囲における請求項1の特徴として限定され、特許査定されたものでありますので、このような構成が進歩性を有するものと認められます。
このように、引用文献1の特許査定時の請求項2に係る発明・・・が備えた特徴的な構成が、周知技術ではなく進歩性を有するものであり、そのような構成を本願発明が備えていないため、本願発明は、これら先願発明とは構成が異なる発明に該当します。また、本願発明は、これら先願発明を上位概念化したものでもありません。
本願発明は、このような先願発明との相違点が、周知・慣用技術に該当せず、先願発明を上位概念化したものにも該当しないので、先願発明と実質的に同一の発明ではありません。」
また、上申書「(3)-2-2」においても上記と同趣旨の主張を行っている。
この主張について検討するに、本願発明が、先願発明における構成I1に対応する「前記第1動作演出および前記第2動作演出のうち、前記動作演出決定手段による実行決定確率が低い方が、高い方と比べて、前記動作演出実行手段により動作演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く、かつ、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときに前記有利状態に制御される確率が高く」という構成を発明特定事項と有していないことは、本願発明が、上記構成I1を発明特定事項として含むものを排除しているのではなく、上記「[相違点4]について」で示したとおり、本願発明が備える「演出実行手段」について、上記構成I1を発明特定事項として含む態様と含まない態様とを包含するように上位概念化したものであり、先願発明は本願発明に包含される関係にあるから、請求人の上記主張を採用することはできない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、先願である特願2014-7970号(特許5789005号)の請求項2に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の理由については検討するまでもなく本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-07-07 
結審通知日 2017-07-11 
審決日 2017-07-25 
出願番号 特願2014-10523(P2014-10523)
審決分類 P 1 8・ 4- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤脇 沙絵阿部 知  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 石原 徹弥
長井 真一
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  

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