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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C12N |
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管理番号 | 1332448 |
審判番号 | 訂正2017-390061 |
総通号数 | 215 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-11-24 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2017-06-30 |
確定日 | 2017-08-31 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6154479号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6154479号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項9について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6154479号は、平成25年11月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年11月28日 米国)を国際出願日として出願され、その請求項1?15に係る発明について平成29年6月9日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成29年6月30日に本件の訂正審判が請求されたものである。 第2 請求の趣旨および訂正の内容 本件審判の請求の趣旨は、特許第6154479号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項9について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は、下記訂正事項1のとおりである。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項9の(d)に記載される「上流側および下流側で隣接している、請求項17に記載の方法。」を「上流側および下流側で隣接しているか、」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1において削除する記載は、平成28年11月22日付け手続補正書において国際段階の請求項17に国際段階の請求項21?27に記載される発明特定事項を追加して請求項9とした際に、誤って追加されたものであると認められる。 このことは、本件特許の明細書の段落【0089】の(項目17)と(項目21)?(項目27)において、国際段階の請求項が(項目)として記載されていることとも整合している。 また、本件特許の請求項9の末尾の「・・・請求項7に記載の方法。」という記載および本件特許の特許請求の範囲には請求項17が存在しないことから、請求項9が請求項7に従属する請求項であることは明らかである。 したがって、本件特許の請求項9の(d)の「請求項17に記載の方法。」という記載は明らかに誤記である認められ、「請求項17に記載の方法。」を削除するために「上流側および下流側で隣接している、請求項17に記載の方法。」を「上流側および下流側で隣接しているか、」と訂正する訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する「誤記の訂正」を目的とするものである。 (2)願書に最初に添付した外国語書面の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 本件特許の特許請求の範囲には請求項17は存在しないため、請求項17を引用する記載を削除する訂正事項1は、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願に係る特許にあつては、外国語書面)」に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 本件特許の特許請求の範囲には請求項17は存在しないため、請求項17を引用する記載を削除する訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合する。 (4)独立して特許を受けることができるものであること 訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないので、特許法第126条第7項に適合する。 第4 むすび よって、本件審判請求における請求項9に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおりに審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 胚性幹(ES)細胞特異的プロモーターに作用可能に連結した部位特異的リコンビナーゼ遺伝子を有する自己切断型リコンビナーゼ発現カセットを含む、非ヒト動物の遺伝子改変された分化体細胞であって、 前記部位特異的リコンビナーゼカセットには、前記カセットが前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で切断され得るような様式で、互いに対して同じ方向に配向した第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接し、 前記ES細胞特異的プロモーターは、前記遺伝子改変された分化体細胞ではなく、未分化多能性幹細胞において前記部位特異的リコンビナーゼ遺伝子の転写を駆動し、前記ES細胞特異的プロモーターは、Oct-3/4プロモーター、Sox2プロモーター、Nanogプロモーター、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、分化体細胞。 【請求項2】 (a)前記体細胞は、皮膚細胞、血液細胞、神経細胞、筋細胞、骨細胞、腎細胞、肝細胞、および脂肪細胞からなる群から選択されるか、または (b)前記体細胞は、線維芽細胞である、 請求項1に記載の遺伝子改変された分化体細胞。 【請求項3】 前記線維芽細胞は、ブタまたはウシから得られる、請求項2に記載の遺伝子改変された分化体細胞。 【請求項4】 前記ブタは、ミニブタである、請求項3に記載の遺伝子改変された分化体細胞。 【請求項5】 (a)前記ES細胞特異的プロモーターは、胚盤胞期胚のES細胞において前記部位特異的リコンビナーゼ遺伝子の転写を駆動するか、あるいは、 (b)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、前記第1および第2の組み換え部位の間に選択マーカー遺伝子をさらに含み、前記選択マーカー遺伝子は、プロモーターに作用可能に連結しており、好ましくは、前記選択マーカー遺伝子に作用可能に連結した前記プロモーターは、構成的プロモーターである、 請求項1に記載の遺伝子改変された分化体細胞。 【請求項6】 (a)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、選択マーカー遺伝子を含まず、前記選択マーカー遺伝子は、前記体細胞のゲノム内の別の遺伝子座に位置し、前記選択マーカー遺伝子には、前記選択マーカーが前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で除去され得るように、互いに対して同じ方向に配向した第3および第4の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (b)前記体細胞の遺伝子改変されたゲノムは、条件付きノックアウト対立遺伝子を含み、前記条件付きノックアウト対立遺伝子には、前記条件付き対立遺伝子が前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で除去され得るように、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (c)前記リコンビナーゼ発現カセットは、標的化されている内在性遺伝子の少なくとも1つのエクソンに相同性のヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列には、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (d)前記リコンビナーゼ発現カセットは、標的化されている内在性遺伝子の少なくとも1つのイントロンに相同性のヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列には、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (e)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、前記体細胞のゲノム内の転写活性遺伝子座に位置するか、あるいは (f)前記部位特異的リコンビナーゼは、Cre、Flp、およびDreリコンビナーゼからなる群から選択される、 請求項1に記載の遺伝子改変された分化体細胞。 【請求項7】 選択マーカー遺伝子およびリコンビナーゼ遺伝子を含まない、遺伝子改変およびクローン化された非ヒト動物を作製するための方法であって、 (a)核酸コンストラクトを、非ヒト動物の分化体細胞内に導入し、遺伝子改変されたゲノムを形成することであって、 前記核酸コンストラクトは、ES細胞特異的プロモーターに作用可能に連結した部位特異的リコンビナーゼ遺伝子を含む自己切断型リコンビナーゼ発現カセットを含み、 前記リコンビナーゼ発現カセットには、前記カセットが前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で切断され得るように、同じ方向で配向した第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接し、 前記ES細胞特異的プロモーターは、前記分化体細胞ではなく、未分化多能性幹細胞において前記部位特異的リコンビナーゼ遺伝子の転写を駆動し、前記ES細胞特異的プロモーターは、Oct-3/4プロモーター、Sox2プロモーター、Nanogプロモーター、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、遺伝子改変されたゲノムを形成することと、 (b)(a)の遺伝子改変されたゲノムを、除核宿主卵母細胞内に導入することと、 (c)(b)の卵母細胞を融合および活性化させて、人工的接合体を形成することと、 (d)前記接合体が胚盤胞胚形成期に達するまで、(c)の人工的接合体を培養することと、 (e)(d)の胚盤胞を代理母の子宮内に移植し、前記選択マーカー遺伝子および前記リコンビナーゼ遺伝子を含まない前記遺伝子改変されたクローン化非ヒト動物を形成することとを含む、方法。 【請求項8】 前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、前記第1および第2の組み換え部位の間に位置する選択マーカー遺伝子を含み、前記選択マーカー遺伝子は、プロモーターに作用可能に連結しており、好ましくは、前記選択マーカー遺伝子に作用可能に連結した前記プロモーターは、構成的プロモーターである、 請求項7に記載の方法。 【請求項9】 (a)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、選択マーカー遺伝子を含まず、前記選択マーカー遺伝子は、前記体細胞のゲノム内の別の遺伝子座に位置し、前記選択マーカー遺伝子には、前記選択マーカーが前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で除去され得るように、互いに対して同じ方向に配向した第3および第4の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (b)前記体細胞は、前記ゲノム内に条件付きノックアウト対立遺伝子を含み、前記条件付きノックアウト対立遺伝子には、前記条件付き対立遺伝子が前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で除去され得るように、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (c)前記核酸コンストラクトは、標的化されている内在性遺伝子の少なくとも1つのエクソンに相同性のヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列には、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しており、好ましくは、前記プロモーターは、構成的プロモーターであるか、 (d)前記核酸コンストラクトは、標的化されている内在性遺伝子の少なくとも1つのイントロンに相同性のヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列には、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (e)前記核酸コンストラクトは、プロモーターに作用可能に連結した選択マーカー遺伝子を含むか、あるいは (f)前記部位特異的リコンビナーゼは、Cre、Flp、およびDreリコンビナーゼからなる群から選択される、 請求項7に記載の方法。 【請求項10】 分化体細胞からの遺伝子改変されたゲノムを含む、非ヒト動物のクローン化卵母細胞であって、前記遺伝子改変されたゲノムは、ES細胞特異的プロモーターに作用可能に連結した部位特異的リコンビナーゼ遺伝子を有する自己切断型リコンビナーゼ発現カセットを含み、前記ES細胞特異的プロモーターは、Oct-3/4プロモーター、Sox2プロモーター、Nanogプロモーター、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットには、前記カセットが前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で切断され得るように、互いに対して同じ方向に配向した第1および第2の組み換え部位が隣接している、クローン化卵母細胞。 【請求項11】 (a)前記非ヒト動物は、マウス、ラット、ウサギ、トリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、およびロバからなる群から選択されるか、 (b)前記分化体細胞は、皮膚細胞、血液細胞、神経細胞、筋細胞、骨細胞、肝細胞、および脂肪細胞からなる群から選択されるか、あるいは (c)前記分化体細胞は、線維芽細胞である、 請求項10に記載のクローン化卵母細胞。 【請求項12】 前記線維芽細胞は、ブタまたはウシから得られる、請求項11に記載のクローン化卵母細胞。 【請求項13】 前記ブタは、ミニブタである、請求項12に記載のクローン化卵母細胞。 【請求項14】 (a)前記ES細胞特異的プロモーターは、胚盤胞期胚のES細胞において部位特異的リコンビナーゼ遺伝子の転写を駆動するか、あるいは (b)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、前記第1および第2の組み換え部位の間に選択マーカー遺伝子を含み、前記選択マーカー遺伝子は、プロモーターに作用可能に連結しており、好ましくは、前記選択マーカー遺伝子に作用可能に連結した前記プロモーターは、構成的プロモーターである、 請求項10に記載のクローン化卵母細胞。 【請求項15】 (a)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、選択マーカー遺伝子を含まず、前記選択マーカー遺伝子は、前記体細胞ゲノム内の別の遺伝子座に位置し、前記選択マーカー遺伝子には、前記選択マーカーが前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で除去され得るように、互いに対して同じ方向に配向した第3および第4の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (b)前記体細胞は、ゲノム内に条件付きノックアウト対立遺伝子を含み、前記条件付きノックアウト対立遺伝子には、前記条件付き対立遺伝子が前記部位特異的リコンビナーゼの存在下で除去され得るように、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (c)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、標的化されている内在性遺伝子の少なくとも1つのエクソンに相同性のヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列には、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (d)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、標的化されている内在性遺伝子の少なくとも1つのイントロンに相同性のヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列には、前記第1および第2の組み換え部位が、上流側および下流側で隣接しているか、 (e)前記自己切断型リコンビナーゼ発現カセットは、前記体細胞ゲノム内の転写活性遺伝子座に位置するか、あるいは (f)前記部位特異的リコンビナーゼは、Cre、Flp、およびDreリコンビナーゼからなる群から選択される、 請求項10に記載のクローン化卵母細胞。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2017-07-27 |
結審通知日 | 2017-07-31 |
審決日 | 2017-08-21 |
出願番号 | 特願2015-544195(P2015-544195) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(C12N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 千葉 直紀 |
特許庁審判長 |
田村 明照 |
特許庁審判官 |
山本 匡子 長井 啓子 |
登録日 | 2017-06-09 |
登録番号 | 特許第6154479号(P6154479) |
発明の名称 | 選択マーカーを含まないクローン化された非ヒト動物 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 山本 秀策 |