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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1333194
異議申立番号 異議2016-700633  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-20 
確定日 2017-08-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5845755号発明「色見本候補印刷物の作成方法、及び評価判定シートの作成方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5845755号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1,〔2-6〕,7について訂正することを認める。 特許第5845755号の請求項2ないし7に係る特許を維持する。 特許第5845755号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5845755号の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成23年9月14日に出願されたものであって、平成27年12月4日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人赤松智信により請求項1ないし6に対して特許異議の申立てがされ、平成28年10月14日付けで取消理由が通知され、平成28年12月16日に意見書の提出及び訂正請求がされ、その訂正の請求に対して平成29年2月9日付けで特許異議申立人赤松智信から意見書が提出され、平成29年3月7日付けで取消理由通知(決定の予告)がされ、平成29年5月15日に意見書の提出及び訂正請求がされ、その訂正の請求に対して特許異議申立人赤松智信から平成29年7月13日付けで意見書が提出されたものである。

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
平成29年5月15日付け訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである(下線は特許権者による。)。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を以下の事項により特定されるとおりの請求項2として訂正する。
「色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、
前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程と、
前記変換された色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
を含み、
前記測定工程では、前記色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で、当該色見本対象物の前記三刺激値(X,Y,Z)を測定し、
前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程と、
前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程と、
を更に含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法。」

ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に、「請求項1又は2に記載の色見本候補印刷物の作成方法。」と記載されているのを「請求項2に記載の色見本候補印刷物の作成方法。」に訂正する。

エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に、「請求項1乃至3の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法」と記載されているのを「請求項2又は3に記載の色見本候補印刷物の作成方法。」に訂正する。

オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に、「請求項1乃至4の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法。」と記載されているのを「請求項2乃至4の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法。」に訂正する。

カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に、「請求項1乃至5の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法」と記載されているのを「請求項2乃至5の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法」に訂正する。

キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を以下の事項により特定されるとおりの請求項7として訂正する。
「色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、
前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程と、
前記変換された色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
を含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法であって、
前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程と、
前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程と、
前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程と、
を含むことを特徴とする評価判定シートの作成方法。 」

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項及び第5項に適合するものである。

イ 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに、訂正前の請求項1における「前記色見本とすべき色を有する色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程」との記載を、「前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程」と訂正(以下、「訂正A」という。)し、「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを印刷する印刷工程」との記載を、「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程」と訂正するもの(以下、「訂正B」という。)であり、訂正前の請求項2に対して、「測定工程」及び「印刷工程」を具体的に特定する事項を追加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
また、「測定工程」についての訂正Aは、明細書の段落【0032】の「次いで、ビューワーの載置面に第1境界色とすべき色を有する見本となる培地収納済シャーレS(「第1見本品」という。)を載置した状態で、載置面上方から第1見本品を透過した透過光を、分光測色計を用いて測定して三刺激値(X,Y,Z)を取得する(ステップS12)。」との記載に基づく訂正であり、「印刷工程」についての訂正Bは、明細書の段落【0025】の「図2に示すように、バリエーションチャートVCは、無色の光透過性フィルムに、評価判定シート1の第1境界色11(又は第2境界色12)の候補となる色を表す複数のカラーパッチP(本実施形態では、27個のカラーパッチP1?P27)が印刷されている。」との記載に基づく訂正であるから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 訂正事項3ないし6について
訂正事項3ないし6は、訂正前の請求項3ないし6が訂正前の請求項1を含む請求項の記載を引用する記載であるところ、訂正前の請求項1との引用関係を解消するとともに、訂正事項2における訂正A及びBの訂正を行うものである。
したがって、訂正事項2と同様に、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項及び第5項に適合するものである。

エ 訂正事項7について
訂正事項7は、訂正前の請求項6が訂正前の請求項1ないし5の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して、請求項1の記載を含む独立形式請求項へ改めるとともに、上記訂正事項2における訂正A及びBの訂正を行うものである。
したがって、訂正事項2と同様に、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項及び第5項に適合するものである。

オ 一群の請求項について
訂正事項1?7に係る訂正前の請求項1?6について、請求項2?6は請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1?6に対応する訂正後の請求項1?7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(3)小括
したがって、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1,〔2-6〕,7について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし7に係る発明(以下、「本件発明1ないし7」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである((A)ないし(S)は当審において付与した。以下、構成要件(A)、等という。)

〔本件発明1〕
【請求項1】
(削除)

〔本件発明2〕
【請求項2】
(A)色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
(B)前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、
(C)前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程と、
(D)前記変換された色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
(E)前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程と、
(F)前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
(G)を含み、
(H)前記測定工程では、前記色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で、当該色見本対象物の前記三刺激値(X,Y,Z)を測定し、
(I)前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程と、
(J)前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程と、
(K)を更に含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法。

〔本件発明3〕
【請求項3】
(L)前記印刷工程では、各カラーパッチを、当該カラーパッチの表す色の濃淡に従って順に並べて印刷することを特徴とする請求項2に記載の色見本候補印刷物の作成方法。

〔本件発明4〕
【請求項4】
(M)前記変換工程では、前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、Lab値、CMYK値又はRGB値の何れかの色データに変換することを特徴とする請求項2又は3に記載の色見本候補印刷物の作成方法。

〔本件発明5〕
【請求項5】
(N)前記色見本は、評価対象物を色により評価する際の前記評価が切り替わる境界となる境界色であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法。

〔本件発明6〕
【請求項6】
(O)請求項2乃至5の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法であって、
(P)前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程と、
(Q)前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程と、
(R)前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程と、
(S)を含むことを特徴とする評価判定シートの作成方法。

〔本件発明7〕
【請求項7】
(A)色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
(B)前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、
(C)前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程と、
(D)前記変換された色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
(E)前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程と、
(F)前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
(O)を含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法であって、
(P)前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程と、
(Q)前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程と、
(R)前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程と、
(S)を含むことを特徴とする評価判定シートの作成方法。

(2)取消理由(決定の予告)の概要

訂正前の請求項1、3ないし5に係る特許に対して平成29年3月7日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

本件特許の請求項1、3ないし5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

甲第1号証:特開2011-166731号公報

(3)甲号証の記載
(3-1)甲第1号証(特開2011-166731号公報)について
(3-1-1)甲第1号証の記載事項
【0001】
本発明は、基準色又はその近傍色からなる複数のカラーパッチを備えるカラーチャートを印刷機により印刷し、前記カラーチャートの中から指定色に最も近い色のカラーパッチを選択する色選択方法、画像処理方法、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインクジェット技術の飛躍的進歩に伴い、インクジェット方式の印刷機による高速・高画質を両立したカラー大判印刷が可能になりつつある。この印刷機は、個人的・家庭的用途だけでなく、最近では、特に商業用途において幅広い分野で用いられている。この印刷機を用いることにより、例えば、店頭POP(Point of Purchase)や壁面ポスターのみならず、屋外広告・看板等の大サイズメディア、ロールメディア、厚手の硬質メディアに対しても印刷が可能である。

【0036】
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置16が組み込まれた印刷システム10の斜視説明図である。
【0037】
印刷システム10は、LAN12と、編集装置14と、画像処理装置16と、印刷機18と、測色計20とを基本的に備える。

【0044】
印刷機18は、C、M、Y、Kの各色(プロセスカラー)からなる標準インクと、LC、LM等の淡色やW(白色)等のオプションインクとを組み合わせてカラー画像を形成するインクジェット方式の印刷装置である。この印刷機18は、外部(例えば、画像処理装置16)から受信した印刷制御信号に基づいて各色のインクの射出制御を行うことにより、印刷媒体としてのメディア32(図1では、ロール状の未印刷のメディア32)上にカラー画像を印刷し、印刷物34(指定色調整用カラーチャート34cが含まれる。)を形成する。
【0045】
メディア32の基材には、合成紙・厚紙・アルミ蒸着紙等の紙類、塩化ビニル・PET等の樹脂やターポリン等を用いることができる。
【0046】
測色計20は、測定対象物の色値を測定する。ここで色値とは、三刺激値XYZ、均等色空間の座標値L^(*)a^(*)b^(*)等のみならず、波長に対する光学物理値の特性、例えば、分光放射分布、分光感度分布、分光反射率又は分光透過率が含まれる。
【0047】
図2は、指定色調整用カラーチャート34cの概略正面図である。
【0048】
指定色調整用カラーチャート34cは、メディア32上に印刷された、色の異なる27個の略同形状のカラーパッチ36と、該カラーパッチ36の行方向及び列方向の配列位置を特定する行番号38及び列番号40と、前記指定色調整用カラーチャート34cの印刷条件を識別する情報からなる印刷情報42とから構成される。

【0104】
図10は、本実施形態に係る印刷システム10を用いて適切な色の印刷物34を得るためのフローチャートである。図1及び図10を主に参照しながら説明する。
【0105】
先ず、作業者は、形成しようとする印刷物34に関する印刷条件やその観察態様を調査する(ステップS1)。ここで、印刷条件には、印刷に使用する印刷機18の種類、メディア32の種類、又は前述した印刷モード等が含まれる。また、観察態様には、観察光源としての光源の属性(種類、分光データ)のみならず、観察しようとする印刷物34の画像種別も含まれる。この画像種別として、反射画像(反射光源を主光源とする画像)、透過画像(透過光源を主光源とする画像)、又は、混合画像(反射光源及び透過光源を主光源とする画像)が挙げられる。
【0106】
次いで、作業者は、印刷機18に適切なプロファイルを選定する(ステップS2)。通常、目標プロファイル又は印刷プロファイルは、本体22の記憶部70に保存されている。印刷機18に適切なプロファイルが登録(図3に示す記憶部70に記憶)されていない場合は、印刷プロファイルを別途生成することができる。
【0107】
次いで、印刷機18を用いて電子原稿を印刷し、印刷物34を得る(ステップS3)。ここで、図示しないラミネート処理装置を用いて印刷物34にラミネート処理を施し、その画像形成面上に保護膜を設けてもよい。そうすれば、画像の擦過性・堅牢性を向上させることができる。
【0108】
次いで、印刷物34の画像の色を評価し(ステップS4)、画像の色が適切か否かを判断する(ステップS5)。所望の色合いが得られたか否かについての評価方法としては、画像の全体的外観又は部分的外観に着目し、作業者等の目視により良否を判断する方法、あるいは、測色計20を用いて印刷物34の所定の箇所を測色し、その値が所望の範囲内に収まるか否かで判断する方法等を用いることができる。
【0109】
特に、本実施形態では、カラー画像の所定の箇所に対して指定色(色見本の現物等)が指定されており、当該箇所の色と前記指定色とが略同色であるか否かで判断される。
【0110】
この画像評価の結果、印刷物34の画像が適切でないと判断された場合は、プロファイルの変更等を行うことにより色の微調整を行う(ステップS6)。この具体的方法としては、プロファイルの再設定・再生成、プロファイルの微調整(現在設定されているプロファイルの補正)、又は電子原稿の印刷データの補正等が挙げられる。
【0111】
以下、印刷と評価を繰り返すことにより(ステップS3?S6)、所望の色の印刷物34が得られる。

【0118】
図11は、指定色調整用カラーチャート34cを用いた指定色の調整方法(ステップS6)に関するフローチャートである。
【0119】
先ず、指定色の色値を入力する(ステップS61)。
【0120】
図4に示すように、作業者は、表示装置24(図1参照)により表示される設定画面100において、提示されている指定色の色値の入力方法(図4では6通り)のうち1つを選択し、その入力方法に対応するラジオボタン102a?102fをクリックする。

【0129】
ラジオボタン102dに対応する「測色計で測定」とは、カラーチップ等の色見本を測色計20により測色し、そのL^(*)a^(*)b^(*)値を入力する方法である。具体的には、測色計20で測色可能な状態となるように色見本をセットした後、[測色]ボタン112をクリックすると、測色計20により得られた色値が、I/F68を介して、画像処理装置16側に自動的に取得され、その後記憶部70に記憶される。

【0134】
作業者は、6通りのうち一の入力方法を選択し、指定色に関する情報を入力した後、[OK]ボタン120をクリックする。そうすると、入力された指定色の色値は記憶部70に記憶される。なお、[中止]ボタン118のクリックにより、指定色の入力作業は中止される。
【0135】
次いで、作業者は、基準色の初期値を設定する(ステップS62)。ここで、基準色の初期値の設定方法に関して、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0136】
先ず、指定色の色値が読み出される(ステップS621)。読み出されるL^(*)a^(*)b^(*)値は、設定画面100(図4)から設定された値であって、記憶部70により記憶されている。
【0137】
次いで、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が、印刷機18のガマット内の色か否かを判定する(ステップS622)。この判定は、ガマット内外判定部90により行われる。
【0138】
作業者は、図5に示す設定画面130において、プルダウンメニュー132を用いて色調整を行おうとする印刷機18及びメディア32の組み合わせの種類を選択する。そうすると、選択された印刷機18及びメディア32の組み合わせの種類に応じて、記憶部70に記憶されている印刷プロファイルが取得される。
【0139】
使用するメディア32の種類が予め決定されている場合はその種類を選択すればよい。しかし、使用可能なメディア32の種類が多数存在しその中から1種類を選択する場合、各メディア32の印刷特性を知らない作業者にとってその選択が困難である。そこで、推奨するメディア32を別の画面に表示させることができる。
【0140】
作業者は、プルダウンメニュー132の右方にある[推奨メディア]ボタン133をクリックする。そうすると、設定画面130は図9に示す確認画面280に遷移される。
【0141】
作業者は、この確認画面280上で、プルダウンメニュー282を用いて実際に印刷物34を印刷させる印刷機18の名称を選択する。次いで、作業者は、プルダウンメニュー284を用いて候補として抽出されるメディア32の属性を選択する。図9では、例えば「反射メディアすべて」を選択しているので、反射画像を印刷するためのメディア32が候補として抽出される。その他のメディア属性としては、透過画像を印刷するためのメディア32を抽出する「透過メディアすべて」や、基材がポリ塩化ビニルからなるメディア32を抽出する「塩化ビニル」や、すべてのメディア32を抽出する「すべて」等が選択できる。

【0150】
作業者による印刷プロファイルの種類の選択後、ガマット内外判定部90(図3参照)により、前記印刷プロファイルが備える色変換LUTを用いて、設定された基準色についての印刷機18のガマットの属否が判定される。ここで、「ガマットの属否」とは、所定の色がガマット内の色であるか否かの属性をいう。
【0151】
もし、ガマット内の色であると判定された場合、表示欄134の「ガマット内」欄の左方にある別欄に丸印が付される。
【0152】
作業者は、表示欄134で「ガマット内」であることを確認すると、[次へ]ボタン146を押す。そうすると、指定色の色値が基準色として設定される(ステップS623)。

【0175】
次いで、指定色調整用カラーチャート34cの色差間隔の初期設定を行う(ステップS63)。色差間隔(ΔL^(*),Δa^(*),Δb^(*))の初期値に関しては、色調整作業の経験則上、適切な値を設けておくことができる。作業者の嗜好に応じて、色差間隔を初期の段階で変更できるようにしてもよい。
【0176】
このようにして、基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))及び色差間隔(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))の初期設定を行う(ステップS62、S63)。これらの値は、GUIを介して画像処理装置16に取得され、記憶部70により記憶され、カラーチャート条件設定部84(図3参照)により設定される。
【0177】
作業者は、基準色を入力した後、[次へ]ボタン146をクリックする。そうすると、設定画面130は図6に示す設定画面160に遷移される。
【0178】
次いで、印刷機18の色値のずれを補正する(ステップS64)。所定のカラーパッチ36における色の設計値(L^(*)(des),a^(*)(des),b^(*)(des))に対して、測色計20による実測値(L^(*)(meas),a^(*)(meas),b^(*)(meas))が得られたとする。このとき、補正量L^(*)(diff)、a^(*)(diff)、b^(*)(diff)を(1)?(3)式のように算出することができる。
L^(*)(diff)=L^(*)(meas)-L^(*)(des) …(1)
a^(*)(diff)=a^(*)(meas)-a^(*)(des) …(2)
b^(*)(diff)=b^(*)(meas)-b^(*)(des) …(3)
【0179】
このように、画像データを生成する際、各色の設計値に補正量L^(*)(diff)、a^(*)(diff)、b^(*)(diff)を加算することにより、印刷色の僅かな色ずれが補正可能であり、色再現精度を更に向上させることができる。なお、この作業に印刷物34は、後に印刷する指定色調整用カラーチャート34cを援用することができる。
【0180】
この補正量の値は、記憶部70により一旦記憶される。その後、前記補正量は、色ずれ補正部86(図3参照)に供給されるので、印刷色の色ずれを補正した適切な印刷プロファイルが生成される。
【0181】
次いで、指定色調整用カラーチャート34cを印刷する(ステップS65)。
【0182】
色の異なる複数のカラーパッチ36を二次元的に配置する際の色の決定方法の一つとして、均等色空間CIELAB系の3つの変数(L^(*),a^(*),b^(*))についてカラーパッチ36の位置毎に徐々に変化させる方法が考えられる。具体的には、各カラーパッチ36に対応する画素値を、(4)?(6)式のように決定することができる。
L^(*)_(i)=L^(*)_(0)+ΔL^(*)×i(iは整数) …(4)
a^(*)_(j)=a^(*)_(0)+Δa^(*)×j(jは整数) …(5)
b^(*)_(k)=b^(*)_(0)+Δb^(*)×k(kは整数) …(6)
【0183】
この場合、基準色は(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))からなる色に相当し、色差間隔は(ΔL^(*),Δa^(*),Δb^(*))に相当する。指定色調整用カラーチャート34cが有する各カラーパッチ36により形成される色領域のことを「提示領域」と呼ぶことにする。
【0184】
図13は、例えば、図2に示す指定色調整用カラーチャート34c上のカラーパッチ36の色の設計値を示している。表の左方部、上方部に示される番号は、行番号38、列番号40にそれぞれ対応しており、各欄の上段、中段及び下段はそれぞれ(4)式に示す「i」の値、(5)式に示す「j」の値及び(6)式に示す「k」の値を示す。
【0185】
このように、指定色調整用データ生成部76(図3参照)により、隣接するカラーパッチ36の色差が略等間隔になるような画像データが生成される。なお、この基準色及び色差間隔は、カラーチャート条件設定部84により予め設定され記憶部70に記憶されているデータを読み出して用いることができる。
【0186】
指定色調整用データ生成部76により生成された画像データは、図3に示すように矢印R2の経路から印刷プロファイル処理部74に供給され、電子原稿の印刷と同様の動作により印刷機18側に供給される。このようにして得られた指定色調整用カラーチャート34c(図2参照)の各カラーパッチ36は、予め設計した色(L^(*),a^(*),b^(*))を略再現する。
【0187】
ここで、指定色調整用カラーチャート34cを印刷するための画像データは、TIFFやBitmap等のラスタ画像データに限られず、PDFやPostScript(登録商標)等のPDL形式の画像データでもよい。
【0188】
指定色調整用カラーチャート34cを印刷する場合における画像処理装置16の動作原理について、図示しないプロファイル用カラーチャートの場合と同様であるため説明を割愛する。

(3-1-2)甲第1号証に記載された発明
(3-1-2-1)甲第1号証の【0118】-【0186】、及び図11(特に、ステップS61-S65)の記載をみると、甲第1号証には、指定色調整用カラーチャート34cを印刷する過程が開示されているから、「指定色調整用カラーチャート34cの印刷方法に関する発明」が開示されているといえる。

(3-1-2-2)上記甲第1号証のステップS61-S65の記載を参酌して、甲第1号証に記載された印刷方法について検討すると、上記印刷方法は、少なくとも、(i)指定色の色値を入力するステップ、(ii)基準色の初期設定をするステップ、(iii)色差間隔の初期設定をするステップ、(iv)印刷をするステップを有している。

(3-1-2-3)「指定色の色値を入力するステップ」について検討する。
甲第1号証の【0119】、【0120】の記載によれば、指定色の色値の入力方法は6通りあり、そのうちの一つとして、「測色計で測定」(【0129】)があることが開示されているから、上記「測色計で測定」の場合についてを甲第1号証に記載された発明として認定する。
【0129】、【0134】の記載によれば、「測色計で測定」により色値を入力するステップは、「測色計に、カラーチップ等の色見本を測色可能な状態となるようにセットし、[測色]ボタン112をクリックすると、測色計20により得られた色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)が記憶部70されるステップ」であることが開示されている。

(3-1-2-4)「基準色の初期設定をするステップ」について検討する。
甲第1号証の【0135】-【0152】の記載によれば、「基準色の初期設定をするステップ」は、「指定色の色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)を記憶部70から読み出し、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が印刷機18のガマット内の色であれば、指定色の色値を基準色として設定するステップ」であることが開示されている。
このとき、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が印刷機18のガマット内の色であるか否かを判定するために、印刷プロファイルの種類を選択しているが、上記選択の基準として、印刷するためのメディア32の属性も選択しており、上記メディア32の属性として、「透過画像を印刷するためのメディア」も選択可能(【0141】)であるから、当該メディアを選択した場合を、甲1号証に記載された発明として認定すると、甲第1号証に記載された「基準色の初期設定をするステップ」は、「指定色の色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)を記憶部70から読み出し、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が、透過画像を印刷するためのメディアに対応した印刷機18のガマット内の色であれば、指定色の色値を基準色として設定するステップ」であるといえる。

(3-1-2-5)「色差間隔の初期設定をするステップ」について検討する。
甲第1号証の【0175】-【0188】の記載によれば、「色差間隔の初期設定をするステップ」は、「基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))に対して、色差間隔は(ΔL^(*),Δa^(*),Δb^(*))を設定し、均等色空間CIELAB系の3つの変数(L^(*),a^(*),b^(*))についてカラーパッチ36の位置毎に徐々に変化させ、隣接するカラーパッチ36の色差が略等間隔になるような画像データを生成するステップ」(特に、【0175】、【0176】、【0182】、【0185】)であることが開示され、さらに、上記生成された画像データを「指定色調整用カラーチャート34c」として印刷する(【0179】、【0186】)ことも開示されているから、当該印刷するステップも有している。

(3-1-2-6)まとめ
以上、(3-1-2-1)ないし(3-1-2-5)にて検討した技術を総合すると、甲第1号証には、以下のとおりの発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
((a)ないし(f)は当審において付与した。以下、構成要件(a)、等という。)

(a)指定色調整用カラーチャート34cの印刷方法であって、
(b)測色計に、カラーチップ等の色見本を測色可能な状態となるようにセットし、[測色]ボタン112をクリックすると、測色計20により得られた色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)が記憶部70されるステップと、
(c)指定色の色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)を記憶部70から読み出し、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が、透過画像を印刷するためのメディアに対応した印刷機18のガマット内の色であれば、指定色の色値を基準色として設定するステップと、
(d)基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))に対して、色差間隔は(ΔL^(*),Δa^(*),Δb^(*))を設定し、均等色空間CIELAB系の3つの変数(L^(*),a^(*),b^(*))についてカラーパッチ36の位置毎に徐々に変化させ、隣接するカラーパッチ36の色差が略等間隔になるような画像データを生成するステップと、
(e)上記生成された画像データを印刷するステップと、
(f)を含む、指定色調整用カラーチャート34cの印刷方法

(3-2)甲第2号証(特開2011-61519号公報)について
(3-2-1)甲第2号証の記載事項
【0087】
先ず、図2Aに示す指定色調整用カラーチャート34cを印刷する(ステップS611)。このとき、画像データ生成部62の中の指定色調整用データ生成部76(図3参照)により、画像データが生成される。色の異なる複数のカラーパッチ36を二次元的に配置する際の色の決定方法の一つとして、均等色空間CIELAB系の3つの変数(L^(*),a^(*),b^(*))のうち、1つの変数(例えば、L^(*))を固定し、他の2つの変数(例えば、a^(*)b^(*))についてカラーパッチ36の位置毎に徐々に変化させる方法が考えられる。具体的には、各カラーパッチ36に対応する画素値を、(1)?(3)式のように決定することができる。
L^(*)_(i)=L^(*)_(0)+ΔL^(*)×i (i=-3,-2,……,+2,+3) …(1)
a^(*)_(j)=a^(*)_(0)+Δa^(*)×j (j=-3,-2,……,+2,+3) …(2)
b^(*)_(k)=b^(*)_(0)+Δb^(*)×k (k=-3,-2,……,+2,+3) …(3)
なお、以下の説明において、(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))からなる色を基準色、(ΔL^(*),Δa^(*),Δb^(*))を色差間隔と呼ぶことにする。

【0093】
指定色調整用データ生成部76により生成された画像データは、図3に示すように矢印R2の経路から印刷プロファイル処理部74に供給され、電子原稿の印刷と同様の動作により印刷機18側に供給される。このようにして得られた指定色調整用カラーチャート34c(図2A参照)の各カラーパッチ36は、予め設計した色(L^(*),a^(*),b^(*))を略再現する。
【0094】
次いで、印刷された指定色調整用カラーチャート34cのうち代表的なカラーパッチを選択し、測色計20を用いて測色する(ステップS612)。例えば、所定のカラーパッチ36における色の設計値(L^(*)(des),a^(*)(des),b^(*)(des))に対して、実測値(L^(*)(meas),a^(*)(meas),b^(*)(meas))が得られる。
【0095】
例えば、図9Aに示すように、印刷機18のガマット200の範囲内にある基準色202(設計値)に対して、基準色204(実測値)が得られたとする。
【0096】
次いで、作業者は、表示装置24により表示される図示しない設定画面から、測色結果についての設定の保存を行う(ステップS613)。すると、色ずれ補正部86は、画像データの画素値として設計(指定)された測色値と、現に測色計20で得られた測色値とに基づいて補正量を算出する。例えば、補正量L^(*)(diff)、a^(*)(diff)、b^(*)(diff)を(4)?(6)式のように算出することができる。
L^(*)(diff)=L^(*)(meas)-L^(*)(des) …(4)
a^(*)(diff)=a^(*)(meas)-a^(*)(des) …(5)
b^(*)(diff)=b^(*)(meas)-b^(*)(des) …(6)
【0097】
このように、画像データを生成する際、各色の設計値に補正量L^(*)(diff)、a^(*)(diff)、b^(*)(diff)を加算することにより、印刷色の僅かな色ずれが補正可能であり、色再現精度を更に向上させることができる。
【0098】
具体的には、図9Bに示すように、印刷物34の測色値のずれを補正しない場合は、破線で示される提示領域(設計値)206と実線で示される提示領域(実測値)208との間に乖離が生じるので、後述する指定色の調整(ステップS62)が困難な場合がある。そこで、この補正を施すことにより、提示領域206と提示領域208とが一致するようになるので、目論見通りの指定色の調整を行うことができる。
【0099】
なお、補正量L^(*)(diff)、a^(*)(diff)、b^(*)(diff)は、指定色管理部82内の色ずれ補正部86により一時的に管理され、プロファイルの変更時においてこの補正量を考慮する。このようにして、印刷物34の測色値のずれを補正することができる。
【0100】
第二に、指定色調整用カラーチャート34cを用いた指定色の調整方法(ステップS62)について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0101】
先ず、指定色調整用カラーチャート34cの基準色及び色差間隔の初期設定を行う(ステップS621)。これらの値は、カラーチャート条件設定部84(図3参照)により設定が自在である。
【0102】
例えば、基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))の初期値に関しては、カラーチップ等の色見本の色番号に対応した測色値を取得しその値を用いることができる。その取得方法については、色見本の現物を測色計20により測色をしてもよいし、色番号と対応付けられた測色値を記憶部70に予め記憶しておき設定の都度呼び出してもよい。また、初期値の設定には、カラーホイールのようなGUIコントロールから選択できるように構成してもよい。

(3-2-2)甲第2号証に記載された技術事項
上記記載によれば、甲第2号証には、「測定された基準色となる(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))を色差間隔(ΔL^(*),Δa^(*),Δb^(*))で、等間隔に、位置毎に変化させたカラーパッチを二次元的に配置した指定色調整用カラーチャート」が開示されているといえる。

(3-3)甲第3号証(「JCIE翻訳出版No.20 CIE No.15, 3rd Edition COLORIMETRY 測色」平成21年5月18日,第3版,社団法人日本照明委員会発行,22-23頁)について
(3-3-1)甲第3号証の記載事項


(3-3-2)甲第3号証に記載された技術事項
上記記載によれば、甲第3号証には、「三刺激値X,Y,Zの正規化の常数kを、分光透過率τ(λ)がすべての波長において1となる物体において、Y=100となるように選ぶこと」が開示されているといえる。

(3-4)甲第4号証(特開2001-264327号公報)について
(3-4-1)甲第4号証の記載事項
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に体液及び他の液体中の試薬レベルの検出に関する。特に、本発明は、より容易で迅速な試験データの検査を可能とする、比色ストリップ上の可視領域及びバンドの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】比色ストリップは、例えば体液又は他の血液中のアルブミン、グルコース、白血球、潜血、pH、比重、クレアチニン、等の存在若しくは不在又は量を測定するため、研究室の技術者によって解析を行うために一般的に用いられる。比色ストリップは、液体をつけた後の試薬領域の色を、試験結果の種々のレベルのための照合カラースペクトル(照合カラーチャートと呼ばれることもある)に適合させるために、技術者がサンプル液を(液体中にストリップを浸すか、又は他の周知の方法で)つけることができるところに、1種以上の試薬領域を有する。カラースペクトルは比色ストリップの試薬領域に現れる、予想される色の並びであり、通常、ビンのラベル上のごとく、分離したもの上に貼られている。

【0027】本発明によれば、同じ比色ストリップ上には1以上の試薬領域及び対応する照合カラー領域を配置することができるということが考えられる。図13は3つの試薬領域514、524及び534を含む比色ストリップ500を示している。それぞれの試薬領域は2つの対応する照合カラー領域を有しており、一方のカラー領域が、試験される液体をつけた後の試薬領域に表示される、予想される最も明るい色調と同じか又はそれよりも明るい色調を表す。もう一方の照合カラー領域は、試験される液体をつけた後の試薬領域に表示される、予想される最も暗い色調と同じか又はそれよりも明るい色調を表す。図13に示した通り、試薬領域514の色調は、照合色調512及び513と比較される。照合領域524の色調は照合色調522及び523と比較される。同様に、試薬領域534の色調は、照合色調532及び533と比較される。
【0028】試薬領域514及び対応する照合カラー領域512及び513は、比色ストリップ500上で「CRE」と示され、試験液体中のクレアチニンのレベルを得るための試験部位を示す。試薬領域524及び対応する照合カラー領域522及び523で行われる試験は、「pH」と示され、液体中のpHを測定するための試験部位を示す。最後に、試薬領域534及び対応する照合カラー領域532及び533は、「SG」と示され、試験される液体の比重を測定するための試験を示す。
【0029】図14の比色ストリップ600に示された照合カラーは、別個の領域には分離されていない。照合カラー領域610は、色のグラジエントを含み、内側の試薬領域614の色合いを照合カラー領域610中の結果の連続的な範囲への対比を可能としている。例えば、最も暗い色611は、照合カラー領域610の一番上に位置しており、中央の色合い612は、照合カラー領域610の中程に配置され、明るい色613は、照合カラー領域610の一番下に位置している。
【0030】図15は、1つのストリップ上で、所定の試薬サンプルを7つの異なった項目について試験し比較することができる比色ストリップを表す。比色ストリップ700は、7つの試薬領域702、704、706、708、710、712及び714を含む。クレアチニン(「CRE」)、pH及び比重(「SG」)が、試薬領域702、704及び706についてそれぞれ表されている。これらの試薬領域のそれぞれの左側の照合カラー領域は、対応する試薬領域と同等か又はより明るいと予想される色合いを表す。反対に、試薬領域の右側の照合カラー領域は、対応する試薬領域と同等か又はより暗いと予想される色合いを示す。

(3-4-2)甲第4号証に記載された技術事項
上記記載によれば、甲第4号証には、「評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シート(比色ストリップ)」の技術が開示されているといえる。

(3-5)甲第5号証(特開2008-215950号公報)について
(3-5-1)甲第5号証の記載事項
【0038】
[印刷性能判定基準チャート]
まず、本実施形態に係る印刷性能判定基準チャートについて、図2乃至図4を用いて説明する。図2は、本発明の印刷性能判定基準チャートを示す概略図であり、図3(a)(b)は、経時変化判定領域又は第1の印刷性能判定領域における状態変化を示す図であり、図4は、印刷性能判定基準チャートの窓部を示す概略図である。
【0039】
印刷性能判定基準チャート21は、印刷性能判定基準チャート21自身が印刷装置の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定するため、更に、印刷装置の印刷性能判定を行うため、に用いられるチャートである。印刷装置が正常な出力状態(印刷性能が変動する前段階)で予め出力しておくものであり、このチャートが印刷性能を判定する基準のチャートとなる。図2に示すように、印刷性能判定基準チャート21は、経時変化判定領域22と、印刷性能判定領域23を備えている。

【0075】
[印刷性能判定対象チャート]
まず、本実施形態に係る印刷性能判定対象チャート31について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の印刷性能判定対象チャートを示す概略図である。
【0076】
印刷性能判定対象チャート31は、印刷性能判定対象チャート31自身が印刷装置の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定するため、更に、印刷装置の印刷性能判定を行うため、に用いられるチャートであり、上述した印刷性能判定基準チャートと比較して、印刷性能判定を行うためのチャートである。上述の印刷性能判定基準チャート21について説明したように印刷装置1が正常な出力状態(印刷性能が変動する前段階)で出力するものとは異なり、しばらく時間が経過した後、あるいは印刷装置1の色材や用紙を変換し出力色が変動したと考えられるような状態で出力するチャートである。図8に示すように、印刷性能判定対象チャート31は、第1の印刷性能判定領域32と、第2の印刷性能判定対象領域33を備えている。

【0091】
[印刷性能判定方法]
(I)印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられていない場合
図9に示すように、まず印刷性能判定基準チャート21の上限色のパッチ26と印刷性能判定対象チャート31のパッチ36とが上下に見えるよう並べ、パッチ36のそれぞれの色要素が許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定する。更に、上記と同様の手順により、図10に示すように、パッチ36のそれぞれの色要素が許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定する。
【0092】
(II)印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられている場合
図11に示すように、印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられている場合には、印刷性能判定対象チャート31を印刷性能判定基準チャート21の下になるように重ね、印刷性能判定基準チャート21の窓部28から印刷性能判定対象チャート31のパッチ36が見えるように設置する。この窓部28より印刷性能判定対象チャート31のパッチ36のそれぞれの色要素が、印刷性能判定基準チャート21の許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定し、更に、許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定する。

(3-5-2)甲第5号証に記載された技術事項
上記記載によれば、甲第5号証には、「印刷装置の色較正に用いるカラーチャートを得ることに関する技術であって、性能を評価すべき印刷装置で(過去に)印刷したカラーチャート(印刷性能判定基準チャート)と同印刷装置で(現在)印刷したカラーチャート(印刷性能判定対象チャート)とを用いて、現在の印刷装置の色較正が必要であるか否かを判定しようとする」技術が開示されているといえる。

(3-6)甲第6号証(DTP最新用語辞典 株式会社帆風著 1997年12月10日 株式会社IDGコミュニケーションズ 50頁)について
(3-6-1)甲第6号証の記載事項
【カラー・ビューワ】color viewer
カラーリバーサルフィルムの色調やピントなどをチェックするためのライトボックス。曇りガラスの背面から標準光源の拡散光によって観察する。

(4)判断
ア 取消理由について
a.本件発明1について
本件訂正により、請求項1は削除された。

b.本件発明2について
(a)対比
本件発明2と甲1発明とを対比する。
(a-1)本件発明2の構成要件(A)、(G)、(K)と甲1発明の構成要件(a)、(f)とを対比する。
甲1発明の「指定色調整用カラーチャート34c」には、色の異なる27個の略同形状のカラーパッチ36が複数印刷されており(甲第1号証の【0048】参照。)、甲第1号証に記載された印刷システムでは、上記指定色調整用カラーチャート34cに印刷されたカラーパッチを用いて、所望の色(の印刷物)が得られるようにしているから、甲1発明の「指定色調整用カラーチャート34c」は、「色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物」といえる。
したがって、甲1発明の「指定色調整用カラーチャート34cの印刷方法」は、本件発明2の「色見本候補印刷物の作成方法」に相当し、この点で、本件発明2と甲1発明とは相違がない。

(a-2)本件発明2の構成要件(B)、(H)、(I)、(J)、(C)と甲1発明の構成要件(b)、(c)とを対比する。
本件発明2の構成要件(C)で得られる(変換後の)所定の色データは、構成要件(D)も参酌すると、「基準色データ」である。すなわち、本件発明2の構成要件(B)、(H)、(I)、(J)、(C)の工程は、色見本対象物(の色)を測定し、基準色データを得る工程であるといえる。
この点に関して、甲1発明では、「測色計に、カラーチップ等の色見本を測色可能な状態となるようにセットし、[測色]ボタン112をクリックすると、測色計20により得られた色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)が記憶部70されるステップ」、「指定色の色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)を記憶部70から読み出し、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が、透過画像を印刷するためのメディアに対応した印刷機18のガマット内の色であれば、指定色の色値を基準色として設定するステップ」であるから、「前記色見本とすべき色を有する色見本対象物(カラーチップ)を測色(色を測定)し、基準色データを得る工程」である点で相違がない。
もっとも、「色見本対象物(の色)を測定し、基準色データを得る工程」が、本件発明2では、「前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程」と、「前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程」、及び、「前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程」と、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」とから成るものであるのに対し、甲1発明では、「測色計に、カラーチップ等の色見本を測色可能な状態となるようにセットし」、「色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)」を得る」ことしか開示が無いから、色を測定する際に、「光透過性の色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定」しておらず、「前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程」、及び、「前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程」と、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」とを有していない点で相違する。

(a-3)本件発明2の構成要件(D)と甲1発明の構成要件(d)とを対比する。
甲1発明の「基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))」は、先に測色をして得たデータであるから、本件発明2の「色データである基準色データ」に対応する。
もっとも、本件発明2の基準色データは、「前記変換された色データである基準色データ」であるのに対し、甲1発明では、変換工程を有していないから、「前記変換された色データである基準色データ」ではない点で相違するのは先に検討したとおりである。
甲1発明のカラーパッチは、基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))に対して、3つの変数(L^(*),a^(*),b^(*))についてカラーパッチの位置毎に徐々に変化させた色の画像データからなるのであるから、上記カラーパッチの色データは、基準色(L^(*)_(0),a^(*)_(0),b^(*)_(0))に対する、複数の近似色データといえる。
また、上記カラーパッチは、「隣接するカラーパッチの色差が略等間隔になるような画像データ」からなっているから、「前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データ」ともいえる。
したがって、本件発明2と甲1発明とは、「色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程」を有している点で相違がない。
もっとも、先に検討したのと同様、基準色データが、本件発明2では「前記変換された色データである基準色データ」であるのに対し、甲1発明では、変換工程を有していないから、「前記変換された色データである基準色データ」ではない点で相違する。

(a-4)本件発明2の構成要件(E)と甲1発明とを対比する。
甲1発明は、「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程」を有していないから、この点で、本件発明2と相違する。

(a-5)本件発明2の構成要件(F)と甲1発明の構成要件(e)とを対比する。
甲1発明では、「上記生成された画像データを印刷するステップ」を有している。
ここで、上記生成された画像データは、上記(a-3)で検討したとおり、「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データ」からなる、カラーパッチであるから、甲1発明の印刷ステップは「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを印刷する印刷工程」であるといえる。
また、構成要件(c)を参酌すると、上記印刷対象として、「透過画像を印刷するためのメディア」を選択しているから、甲1発明の印刷ステップは、「光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程」でもある。もっとも、上記光透過性の印刷物が無色であることは明らかでないからこの点で相違する。
以上まとめると、本件発明2と甲1発明とは「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程」を有している点で相違がない。
もっとも、上記「光透過性の被印刷物」が、本件発明2では、「無色且つ光透過性の被印刷物」であるのに対し、甲1発明では、「無色且つ光透過性の被印刷物」であるか特定されていない点で相違する。

(a-6)まとめ(一致点、相違点)
以上まとめると、本件発明2と甲1発明とは以下の一致点で一致し相違点で相違する。

(一致点)
色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
前記色見本とすべき色を有する色見本対象物の色を測定し、基準色データを得る工程と、
前記色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
を含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法。

(相違点)
相違点1
「色見本とすべき色を有する色見本対象物の色を測定し、基準色データを得る工程」が、本件発明2では、「前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程」と、「前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程」、及び、「前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程」と、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」とから成るのに対し、甲1発明では、色を測定する際に、「光透過性の色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定」しておらず、「前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程」、及び、「前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程」と、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」とを有していない点

相違点2
「基準色データ」が、本件発明2では「前記変換された色データである基準色データ」であるのに対し、甲1発明では、変換工程を有していないから、「前記変換された色データである基準色データ」ではない点

相違点3
本件発明2は、「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程」を有しているのに対し、甲1発明は、当該構成を有していない点

相違点4
「光透過性の被印刷物」が、本件発明2では、「無色且つ光透過性の被印刷物」であるのに対し、甲1発明では、「無色且つ光透過性の被印刷物」であるか特定されていない点

(b)判断
事案に鑑みて、相違点1について検討する。
上記相違点1に関して、特許異議申立人は、甲第3号証をあげて、当業者にとって容易である旨主張しているので、この点について検討する。
甲第3号証には、「三刺激値X,Y,Zの正規化の常数kを、分光透過率τ(λ)がすべての波長において1となる物体において、Y=100となるように選ぶこと」は開示されている。
しかしながら、上記相違点1に係る構成である、「前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程」と、「前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程」、及び、「前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程」と、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」とからなる一連の具体的な工程により、色見本とすべき色を有する色見本対象物の色を測定し、基準色データを得ることについては、甲第3号証に記載されておらず、甲1発明ならびに甲第3号証の記載から当業者にとって自明であるともいえない。
してみれば、上記相違点1に係る構成は、甲1発明及び甲第3号証の記載に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとみることはできない。
また、甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証、及び、甲第6号証の記載を参酌しても、甲1発明において、上記相違点1の構成を採用することが当業者にとって容易であるとはいえない。
したがって、本件発明2は、甲1発明、及び、甲第2号証ないし甲第6号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明することができたとすることはできない。

c.本件発明3-6について
本件特許の請求項3-6は、請求項2を引用しており、上記した相違点1に係る構成を備えている。
ここで、相違点1についての判断は、上記のとおりであるから、本件発明3-6も、甲1発明、及び、甲第2号証ないし甲第6号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明することができたとすることはできない。

d.本件発明7について
(a)対比
本件発明7と甲1発明とを対比する。
(a-1)本件発明7の構成要件(A)、(O)、(P)、(Q)、(R)、(S)と甲1発明の構成要件(a)、(f)とを対比する。
上記b.(a)(a-1)にて検討したとおり、甲1発明の「指定色調整用カラーチャート34cの印刷方法」は、本件発明7の「色見本候補印刷物の作成方法」に相当するが、「作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法」については言及がなく、その具体的手順である、「前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程」と、「前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程」と、「前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程」とからなる一連の工程についても記載されていない。

(a-2)本件発明7の構成要件(B)、(C)と甲1発明の構成要件(b)、(c)とを対比する。
本件発明7の構成要件(C)で得られる(変換後の)所定の色データは、構成要件(D)も参酌すると、「基準色データ」である。すなわち、本件発明7の構成要件(B)、(C)の工程は、色見本対象物(の色)を測定し、基準色データを得る工程であるといえる。
この点に関して、甲1発明では、「測色計に、カラーチップ等の色見本を測色可能な状態となるようにセットし、[測色]ボタン112をクリックすると、測色計20により得られた色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)が記憶部70されるステップ」、「指定色の色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)を記憶部70から読み出し、読み出されたL^(*)a^(*)b^(*)値が、透過画像を印刷するためのメディアに対応した印刷機18のガマット内の色であれば、指定色の色値を基準色として設定するステップ」であるから、「前記色見本とすべき色を有する色見本対象物(カラーチップ)を測色(色を測定)し、基準色データを得る工程」である点で相違がない。
もっとも、「色見本対象物(の色)を測定し、基準色データを得る工程」が、本件発明7では、「前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」から成るのに対し、甲1発明では、「測色計に、カラーチップ等の色見本を測色可能な状態となるようにセットし」、「色値(L^(*)a^(*)b^(*)値)」を得ることしか開示が無いから、色を測定する際に、「光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定」しておらず、また、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」を有していない点で相違する。

(a-3)本件発明7のその他の構成要件と甲1発明とを対比する。
本件発明7の構成は、(a-1)、(a-2)にて検討した構成を除き、本件発明2と共通であるので、その他の構成については、上記b.(a)(a-3)ないし(a-5)において検討したとおりの一致点、相違点を有する。

(a-6)まとめ(一致点、相違点)
以上まとめると、本件発明7と甲1発明とは以下の一致点で一致し相違点で相違する。

(一致点)
色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
前記色見本とすべき色を有する色見本対象物の色を測定し、基準色データを得る工程と、
前記色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
を含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法。

(相違点)
相違点1
「色見本とすべき色を有する色見本対象物の色を測定し、基準色データを得る工程」が、本件発明7では、「前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程」と、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」とから成るのに対し、甲1発明では、色を測定する際に、「光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定」しておらず、また、「前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程」を有していない点で相違する。

相違点2
「基準色データ」が、本件発明7では「前記変換された色データである基準色データ」であるのに対し、甲1発明では、変換工程を有していないから、「前記変換された色データである基準色データ」ではない点

相違点3
本件発明7は、「前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程」を有しているのに対し、甲1発明は、当該構成を有していない点

相違点4
「光透過性の被印刷物」が、本件発明7では、「無色且つ光透過性の被印刷物」であるのに対し、甲1発明では、「無色且つ光透過性の被印刷物」であるか特定されていない点

相違点5
本件発明7は、所定の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、「評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法」であり、その作成手順は「前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程」と、「前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程」と、「前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程」とからなるのに対し、甲1発明では、かかる構成を有していない点。

(b)判断
事案に鑑みて、上記相違点5について検討する。
上記相違点5について、特許異議申立人は、甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証をあげて、当業者にとって容易である旨主張しているので、この点について検討する。
甲第4号証には、「評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シート(比色ストリップ)」の技術が開示されているが、甲1発明は、そもそも、広告用印刷物をカラーチャートを用いて所望の色で印刷するための発明であって、甲第4号証にある「比色ストリップ」とは、印刷を行う対象が異なるから、甲1発明に甲第4号証に記載された技術思想を適用することは困難である。
また、甲第5号証には、印刷装置の色較正に用いるカラーチャートを得ることに関する発明であって、性能を評価すべき印刷装置で(過去に)印刷したカラーチャート(印刷性能判定基準チャート)と同印刷装置で(現在)印刷したカラーチャート(印刷性能判定対象チャート)とを用いて、現在の印刷装置の色較正が必要であるか否かを判定しようとする発明が開示されている。
しかし、甲第5号証に記載された「印刷性能判定基準チャート」と「印刷性能判定判定チャート」とは、同じ印刷装置を用いて同じ条件で印刷されることからみて、両者は、あらかじめ記憶されている同じ色データから成る画像を単に印刷することから得ているものであって、これらのチャートの間で色を測定等を行った後印刷を行うことは想定できず、甲1発明に対して、甲第5号証に記載された技術思想を組み合わせたとしても、相違点5に係る構成に至ることは不可能である。
さらに、甲第6号証には、色調をチェックするため、背面から光を透過して観察を行うカラービューワについての説明があるのみであり、甲1発明に対して、甲第6号証に記載された技術思想を組み合わせたとしても、相違点5に係る構成に至ることは不可能である。
そして、甲第2号証及び甲第3号証の記載を参酌しても、甲1発明において、上記相違点5の構成を採用することが当業者にとって容易であるとはいえない。
したがって、本件発明7は、甲1発明、及び、甲第2号証ないし甲第6号証の記載に基づいて、当業者が容易に発明することができたとすることはできない。

(イ)特許異議申立人の意見について
特許異議申立人赤松智信は、訂正された請求項2ないし7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明し得たものである旨主張するが、上記のとおりであるから、当該主張には理由がない。
また、平成29年7月13日付け意見書において、訂正後の請求項7について、冒頭の「色見本候補印刷物の作成方法であって」と文末の「評価判定シートの作成方法」とが整合しないとして、特許法第36条第6項第2号に違反する旨述べているが、冒頭の「色見本候補印刷物の作成方法であって」は、同項中程の「色見本候補印刷物の作成方法により作成された・・・」に係る記載であることは明らかであるから、訂正後の請求項7について、特許異議申立人の主張する不備はない。

4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項2ないし7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項2ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項1に係る特許は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項1に対して、特許異議申立人赤松智信がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
( 削除 )
【請求項2】
色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、
前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程と、
前記変換された色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近以色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
を含み、
前記測定工程では、前記色見本対象物に対して背面から光を透過させた状態で、当該色見本対象物の前記三刺激値(X,Y,Z)を測定し、
前記色見本対象物を透過させずに前記光の三刺激値(Xn,Yn,Zn)を測定する光測定工程と、
前記光測定工程で測定された三刺激値(Xn,Yn,Zn)におけるYn値を「100」とするための正規化係数を導出し、導出した正規化係数に基づいて前記測定工程で測定された三刺激値(X,Y,Z)を正規化する正規化工程と、
を更に含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法。
【請求項3】
前記印刷工程では、各カラーパッチを、当該カラーパッチの表す色の濃淡に従って順に並べて印刷することを特徴とする請求項2に記載の色見本候補印刷物の作成方法。
【請求項4】
前記変換工程では、前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、Lab値、CMYK値又はRGB値の何れかの色データに変換することを特徴とする請求項2又は3に記載の色見本候補印刷物の作成方法。
【請求項5】
前記色見本は、評価対象物を色により評価する際の前記評価が切り替わる境界となる境界色であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか一項に記載の色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法であって、
前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程と、
前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程と、
前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程と、
を含むことを特徴とする評価判定シートの作成方法。
【請求項7】
色見本の候補となる色をそれぞれ表す複数のカラーパッチが印刷された色見本候補印刷物の作成方法であって、
前記色見本とすべき色を有し且つ光透過性の色見本対象物に対して光を透過させた状態で当該色見本対象物の三刺激値(X,Y,Z)を測定する測定工程と、
前記測定された三刺激値(X,Y,Z)を、所定の色データに変換する変換工程と、
前記変換された色データである基準色データによって表される基準色に近似する近似色を表すための複数の近似色データであって、前記基準色と複数の前記近似色で構成される複数の色の変化を等間隔とする前記複数の近似色データを生成する近似色データ生成工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データと、これらの色データによって印刷される各カラーパッチとの対応関係を保持させる保持工程と、
前記基準色データ及び前記生成された複数の近似色データに従って各カラーパッチを無色且つ光透過性の被印刷物に印刷する印刷工程と、
を含むことを特徴とする色見本候補印刷物の作成方法により作成された色見本候補印刷物を用いて、評価対象物を色により評価する際の色見本が印刷された評価判定シートを作成する作成方法であって、
前記色見本候補印刷物に印刷されたカラーパッチの中から、前記色見本対象物の有する色と同じ色を表すカラーパッチを、前記色見本候補印刷物及び前記色見本対象物に対して背面から光を照射するビューワーを用いて特定するカラーパッチ特定工程と、
前記保持工程で保持された対応関係を参照し、前記特定されたカラーパッチに対応する色データを特定する色データ特定工程と、
前記特定された色データに従って前記色見本を印刷する色見本印刷工程と、
を含むことを特徴とする評価判定シートの作成方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-08-18 
出願番号 特願2011-201096(P2011-201096)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊田 好一  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 小池 正彦
篠原 功一
登録日 2015-12-04 
登録番号 特許第5845755号(P5845755)
権利者 大日本印刷株式会社
発明の名称 色見本候補印刷物の作成方法、及び評価判定シートの作成方法  
代理人 奥 和幸  
代理人 特許業務法人 インテクト国際特許事務所  
代理人 石橋 良規  
代理人 奥 和幸  
代理人 石川 泰男  
代理人 特許業務法人インテクト国際特許事務所  
代理人 石川 泰男  
代理人 石橋 良規  
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