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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B65G
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B65G
管理番号 1333802
審判番号 不服2016-14165  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-09-21 
確定日 2017-11-07 
事件の表示 特願2012- 92435「切り出しコンベア、および切り出し搬送方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月28日出願公開、特開2013-220870、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年4月13日の出願であって、平成27年12月10日付けで拒絶理由が通知され、これに対して平成28年2月17日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成28年6月23日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して平成28年9月21日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正書が提出され、その後、当審において平成29年7月28日付けで拒絶理由(最後)(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、これに対して平成29年9月4日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明(以下、順に「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、平成29年9月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに願書に最初に添付した明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
第1コンベアによって搬送されるワークのバルクから、所定数の列に並ぶようにワークを切り出して搬送する切り出しコンベアであって、
前記第1コンベアの下流側の端部に沿って配設され、所定数の列のワークを載置する載置部を備え、
前記載置部に所定数の列のワークが載置されたとき、前記載置部を回転駆動させて、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始し、
前記載置部の位置を、前記第1コンベアの搬送方向に沿ってシフトするシフト部をさらに備え、
前記シフト部は、前記所定数の列のワークが前記載置部に載置されたとき、前記載置部を前記第1コンベアから切り離し、
前記シフト部によって、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたとき、前記第1コンベアに載置されたワークと、前記載置部に載置された前記所定数の列のワークとの間に生じる隙間の有無を検知する第1検知部をさらに備え、
前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されていることを特徴とする切り出しコンベア。
【請求項2】
前記シフト部は、前記載置部を前記第1コンベアから切り離したとき、前記載置部の搬送方向下流側の端部を第2コンベアに連結し、
前記載置部に載置された前記所定数の列のワークが前記第2コンベアに移送されたとき、前記載置部を前記第1コンベアに連結することを特徴とする請求項1に記載の切り出しコンベア。
【請求項3】
前記載置部に載置された前記所定数の列のワークが、前記第1コンベア側へ転倒することを防止する転倒防止機構をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の切り出しコンベア。
【請求項4】
第1コンベアによって搬送されるワークのバルクから、所定数の列に並ぶようにワークを切り出して搬送する切り出し搬送方法であって、
前記第1コンベアの下流側の端部に沿って配設された切り出しコンベアの載置部に、所定数の列のワークを載置する載置工程と、
前記載置工程にて前記所定数の列のワークが前記載置部に載置されたとき、前記第1コンベアを停止させる停止工程と、
前記停止工程にて前記第1コンベアを停止させたとき、前記切り出しコンベアを起動し、前記載置部を回転駆動させて、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始する起動工程と、
を含み、
前記載置部の位置を、前記第1コンベアの搬送方向に沿ってシフトするシフト工程をさらに含み、
前記シフト工程にて、前記所定数の列のワークが前記載置部に載置されたとき、前記載置部を前記第1コンベアから切り離し、
前記シフト工程によって、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたとき、前記第1コンベアに載置されたワークと、前記載置部に載置された前記所定数の列のワークとの間に生じる隙間の有無を第1検知部によって検知する検知工程をさらに備え、
前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されていることを特徴とする切り出し搬送方法。」

第3 引用刊行物
1 刊行物1
(1)刊行物1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物であって、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2010-6555号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、複数列に整列され、その列と直交する方向に前進されてきた容器群の最前列の容器を切り離して、前記複数列の容器の前進方向と直交する方向へ送り出す容器送出装置に関するものである。」(段落【0001】)

イ 「【0011】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る容器送出装置の平面図、図2はこの容器送出装置の動作を説明する図であり、図1のII方向矢示図である。この容器送出装置は、複数列に整列した容器2を、この列と直交する方向(矢印Y参照)に間欠的に搬送する導入コンベヤ4と、導入コンベヤ4の最前列の一列の容器2を後方の容器群から切り離す容器分離手段6と、この切り離された一列の容器2を、切り離した位置から、その列の方向(矢印X参照)に搬送する搬送コンベヤ8上に排出する容器移動手段10とを備えている。
【0012】
この実施例では、丸容器2が千鳥配列(一列の容器2がそれぞれ隣接する他の列の容器2の中間に位置する配列)で、しかも、各列の容器2の数が異なっている場合(図1に示す例では、容器が9個の列と10個の列が交互に並んでいる)に、一列ずつ切り離して送り出す工程について説明する。導入コンベヤ4は、複数列の容器2を載せてその列と直交する方向に間欠的に駆動され、容器一列分ずつ前進して停止する。搬送される容器2は、導入コンベヤ4の両側の、容器2のほぼ中間の高さに配置されたガイド部材4aによって案内される。この導入コンベヤ4の前方(図1の上方側)には、デッドプレート12が配置されており、導入コンベヤ4によって搬送されてきた容器2が後方の容器2に押されてこのデッドプレート12上に押し出される。
【0013】
デッドプレート12の前方には、一列分の容器2を載せて前後方向(図1の上下方向であり、図2の左右方向)に進退動可能なリリーステーブル14が配置されている。このリリーステーブル14は、水平に配置されたエアシリンダ16のピストンロッド16aに取り付けられており、前記デッドプレート12に接近してデッドプレート12上から押し出されてきた一列の容器2を受け取る位置(図2に示す位置)と、デッドプレート12から離れて、デッドプレート12上の最前列の容器2とこのリリーステーブル14上に乗り移った容器2とが重なり合わない位置(図1および後に説明する図5、図6参照)との間で往復動する。
【0014】
このリリーステーブル14の上方には、前記エアシリンダ16のピストンロッド16aに連結されて、リリーステーブル14と一体的に進退動するリリースガイド18が設けられている。このリリースガイド18は、最前列の容器2をリリーステーブル14の移動によって前記複数列の容器群から切り離す際に、前記デッドプレート12上からリリーステーブル14上に押し出されてきた一列の容器2の前面側を支持するとともに、これら一列の容器2を、後に説明するように、前記導入コンベヤ4の搬送方向Yと直交する方向Xに移動させる際に、これら一列の容器2の側面(容器2を切り離す際の前記前面と同じ面)を支持する。なお、前記エアシリンダ16によって進退動するリリーステーブル14が、請求項1に記載した容器分離手段を構成している。
【0015】
・・・省略・・・
【0017】
前記リリーステーブル14の容器分離位置(デッドプレート12から前方側へ離れた位置)の下流側(一列の容器の送出方向)の一直線上に、リリーステーブル14上の一列の容器2を受け取ってそのまま一列で搬送する搬送コンベヤ8が配置されている。この搬送コンベヤ8の搬送面上の両側には、一列で搬送される容器2の両側面を支持するガイド部材32、34が設けられている。これらガイド部材32、34は、前記リリースガイド18およびシャッターガイド20の、容器搬送方向下流側の端部に隣接する位置まで延びている。
【0018】
リリーステーブル14の移動によって前記導入コンベヤ4およびデッドプレート12上の複数列の容器群から切り離された一列の容器2を、このリリーステーブル14上から前記搬送コンベヤ8上に乗り移らせる容器移動手段10が設けられている。この容器移動手段10について、前記図1および図3により説明する。リリーステーブル14の側部(デッドプレート12と逆側の側部)の、容器送出方向Xの下流側と上流側にそれぞれ、駆動用サーボモータ(ガイド部材移動手段)36、38によって回転される垂直方向の駆動軸40、42に、上下2枚のホイール44、46、48、50が、上下に所定の間隔を空けて取り付けられている。この実施例では、容器送出方向Xの下流側(図1および図3の左側)の2枚のホイール44、46のうち、上方側のホイール44がボールベアリング52を介して回転自在に支持され、下方側のホイール46は駆動軸40に固定されて、第1サーボモータ36によって直接回転される。また、容器送出方向Xの上流側に配置された2枚のホイール48、50のうち、上方側のホイール48が駆動軸42に固定され、下方側のホイール50がボールベアリング54を介して回転自在に支持されており、上方側のホイール48が第2サーボモータ38によって直接回転される。
【0019】
上方の2枚のホイール44、48間および下方の2枚のホイール46、50間にそれぞれベルト56、58が掛け回されている。これら上下のベルト56、58に、リリーステーブル14上の容器2を前記搬送コンベヤ8上に移動させる際に、一列の容器2の先頭に位置する容器2(図1の左端に位置する容器)と後端に位置する容器2を保持する前方ガイド部材60と後方ガイド部材62が取り付けられている。この実施例では、上方のベルト56に等間隔で3個の前方ガイド部材60が、そして、下方のベルト58に等間隔で3個の後方ガイド部材62がそれぞれ取り付けられている。前方ガイド部材60は、上方のベルト56を3等分した位置にそれぞれ取り付けられ、後方ガイド部材62は、下方のベルト58を3等分した位置にそれぞれ取り付けられている。第1サーボモータ36の駆動により下方のベルト58が走行して後方ガイド部材62が移動し、第2サーボモータ38の駆動により上方のベルト56が走行して前方ガイド部材60が移動するようになっている。前方ガイド部材60と後方ガイド部材62は、別々のサーボモータ36、38の駆動によって移動されるので、独立して移動することができ、これにより前方ガイド部材60と後方ガイド部材62の移動方向における間隔が変更可能となっている。
【0020】
これら前方ガイド部材60の一つと後方ガイド部材62の一つが組になって一列の容器2を前後から保持し、ガイド部材移動手段である第1サーボモータ36(後方ガイド部材移動手段)および第2サーボモータ38(前方ガイド部材移動手段)の同期された駆動によって上下のベルト56、58が一体的に走行することにより、リリーステーブル14上の容器2を搬送コンベヤ8上に移動させる。前記容器移動手段10は、上下のホイール44、46、48,50にかけ回された上下のベルト56、58と、これらベルト56、58にそれぞれ取り付けられている前方ガイド部材60および後方ガイド部材62と、ホイール44、46、48、50およびベルト56、58を介して前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を容器2の送り出し方向に移動させるガイド部材移動手段としての第1および第2サーボモータ36、38を備えている。なお、前記リリーステーブル14と一体に設けられているリリースガイド18は、上下のベルト56、58および前後のガイド部材60、62に干渉しないように、上下のベルト56、58の中間の高さに配置されている。
【0021】
また、デッドプレート12の側部には、デッドプレート12および導入コンベヤ4上に載っている容器群の最前列の容器2の本数を検出するセンサ64がガイド部材4aに取り付けられて設けられており、次に前方ガイド部材60と後方ガイド部材62との間に保持する一列の容器2の本数を確認している。センサ64としては、レーザ式、超音波式、接触式などの変位センサを採用することができ、センサ64の測定結果から測定位置における容器2の有無を判断し、本実施例では無しの場合は9本、有りの場合は10本として最前列の容器2の本数を検出することができるようになっている。特に、この実施例のように、複数列の容器2の各列が、隣接する列との数が異なる千鳥配列になっている場合には、前方ガイド部材60と後方ガイド部材62とによって保持する容器2の数が1回毎に異なるため、これら両ガイド部材60、62間に容器2が挿入される前に、このセンサ64からの信号によって、容器2の数を確認してガイド部材60、62の位置を調整して間隔を変更するようにしている。」(段落【0011】ないし【0021】)

ウ 「【0022】
以上の構成に係る容器送出装置の作動について説明する。導入コンベヤ4上に千鳥配列で、しかも、各列が異なる個数(この実施例では、10個の容器2の列と9個の容器2の列とが交互に配置されている)で載置された複数列の容器群が、この導入コンベヤ4の間欠的な駆動により、矢印Y方向に一ピッチ(隣接する各容器列のセンターライン間の距離)ずつ前進する。導入コンベヤ4の駆動により、導入コンベヤ4上の容器群の最前列の容器2がデッドプレート12上に押し出され、さらに次の一ピッチの駆動により最前列の容器2が後方から押されて、デッドプレート12の前方側に移動する。次の一ピッチの作動によってデッドプレート12の前列側の一列の容器2が、エアシリンダ16の作動によってこのデッドプレート12側の受け渡し位置に移動してきているリリーステーブル14上に乗り移る。
【0023】
デッドプレート12から最前列の一列の容器2がリリーステーブル14上に乗り移る時点では、リリーステーブル14はデッドプレート12側に接近した受け渡し位置に移動しており、下方に配置されたシャッターガイド20は下降し、上方に配置された容器口ガイド24およびストッパ30は上昇して、移動する容器2およびリリーステーブル14に干渉しない状態になっている(図2参照)。また、容器移動手段10の一組の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62は、前記センサ64によって確認された一列の容器2の数に応じて位置が調整されるようになっており、図1に示すように、容器2の本数の多い列を保持する場合には、前方ガイド部材60が先頭の容器(図1の左端の容器2)の前面を、そして、後方ガイド部材62が後端の容器2の背面を保持するように、これら両ガイド部材60、62の距離が大きくなるように間隔を調整する。
【0024】
容器群の最前列の一列の容器2がデッドプレート12から押し出されてリリーステーブル14上に乗り移ると、上方のエアシリンダ28の作動によってストッパ30が下降して後方側の一列の容器(デッドプレート12上の最前列の容器2)の口部2aの前面側に当接して後方側の容器群の移動を規制する。また、容器口ガイド24も下降してリリーステーブル14上の容器2の口部2aの背面側を支持する(図4参照)。リリーステーブル14は、水平エアシリンダ16の作動によってデッドプレート12から離れる方向へ移動する。このリリーステーブル14の移動によって、容器群の最前列の一列の容器(リリーステーブル14に載せられている一列の容器2)がその後方の容器群から切り離されて分離する(図5参照)。つまり、千鳥配列で隣接する列と互いに重なり合っていた容器2が重なり合わない状態になる。デッドプレート12からリリーステーブル14上に乗り移った一列の容器2は、前面側がリリースガイド18に当たって支持されるとともに、口部2aの後面側が容器口ガイド24によって支持されているので(図4の状態)、その後、リリーステーブル14の移動によって後続の容器群から切り離される際に、一列の容器2は前面側がそのままリリースガイド18によって支持され、口部2aが容器口ガイド24によって支持された状態で安定して移動する(図5参照)。
【0025】
このようにリリーステーブル14の移動によって容器群の最前列の一列の容器2が、後方側の容器群から切り離された後、下方のシャッターガイド20がエアシリンダ22の作動によって上昇して、切り離された一列の容器2の底部に、前記リリースガイド18の逆側から当接して支持する(図6参照)。このように一列の容器2を後方の容器群から切り離して、この切り離した方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に送出する際には、図6に示すように、一列の容器2の片側(図の右側)をリリースガイド18によって、また逆側を容器口ガイド24とシャッターガイド20によって案内するようになっている。
【0026】
リリーステーブル14の移動によって容器群から切り離された一列の容器2は、図1に示すように、所定の位置および間隔に位置決めされている前方側ガイド部材60および後方側ガイド部材62の間に挿入され、搬送方向右側(図1の上方側)の側面を前記リリースガイド18によって支持されるとともに、搬送方向左側の側面の底部側をシャッターガイド20に、そして、口部2a側を容器口ガイド24によって支持された状態になっている。この状態で、前方ガイド部材60が取り付けられている上方側ベルト56と、後方ガイド部材62が取り付けられている下方側ベルト58を、駆動用の第1、第2サーボモータ36、38によって等速で走行させて、前方ガイド部材60と後方ガイド部材62とにより前後を保持したまま一列の容器2を、搬送コンベヤ8方向へ移動させる。前方ガイド部材60は、先頭寄りの容器2が搬送コンベヤ8上に乗り移った後、ホイール44の周囲を回り込んで先頭の容器2への係合が外れる。一列の容器2の先頭を規制していた前方ガイド部材60が搬送コンベヤ8上から退避すると、以後は、搬送コンベヤ8上の容器2は、搬送コンベヤ8の搬送速度に応じて搬送される(図7参照)。
【0027】
一列の容器2がリリーステーブル14上から排出されると、このリリーステーブル14は、エアシリンダ16の作動によってリリースガイド18および容器口ガイド24とともにデッドプレート12側に移動する。なお、リリーステーブル14上から容器2が排出された後、容器口ガイド24およびストッパ30が上昇され、シャッターガイド20は下降される。一方、容器移動手段10の前方ガイド部材60および後方ガイド部材62は、次の一列の容器2がリリーステーブル14上に押し出されてくる前に、一列の容器2の先頭と後端に位置する容器2を支持するようにそれぞれの位置が調整される。前回は数の多い列の容器2を排出したので、次は、数の少ない列の容器2がデッドプレート12上から押し出されてくる。従って、この列の容器2の位置に合わせて、前回に比べて前方ガイド部材60は容器送出方向Xの上流側へ、後方ガイド部材62は下流側へ、それぞれ容器2の径のほぼ半分に相当する長さだけ移動させた位置に、両ガイド部材60、62の位置を調整する。」(段落【0022】ないし【0027】)

(2)引用発明
ア 引用発明1
上記(1)及び図1ないし8の図示内容を総合し、本願発明1の表現に倣って整理すると、刊行物1には、次の事項からなる発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認める。
「導入コンベヤ4によって搬送される容器2のバルクから、所定数の列に並ぶように容器2を切り出して搬送する容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段であって、
前記導入コンベヤ4の下流側の端部に沿って配設され、所定数の列の容器2を載置するリリーステーブル14を備え、
前記リリーステーブル14に所定数の列の容器2が載置されたとき、容器移動手段10の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を移動させて、当該リリーステーブル14に載置された当該所定数の列の容器2の搬送を開始し、
前記リリーステーブル14の位置を、前記導入コンベヤ4の搬送方向に沿ってシフトするエアシリンダ16をさらに備え、
前記エアシリンダ16は、前記所定数の列の容器2が前記リリーステーブル14に載置されたとき、前記リリーステーブル14を前記導入コンベヤ4から切り離す容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段。」

イ 引用発明2
上記(1)及び図1ないし8の図示内容を総合し、本願発明4の表現に倣って整理すると、刊行物1には、次の事項からなる発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認める。
「導入コンベヤ4によって搬送される容器2のバルクから、所定数の列に並ぶように容器2を切り出して搬送する切り出し搬送方法であって、
前記導入コンベヤ4の下流側の端部に沿って配設された容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段のリリーステーブル14に、所定数の列の容器2を載置する載置工程と、
前記載置工程にて前記所定数の列の容器2が前記リリーステーブル14に載置されたとき、前記導入コンベヤ4を停止させる停止工程と、
前記停止工程にて前記導入コンベヤ4を停止させたとき、前記容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段を起動し、容器移動手段10の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を移動させて、当該リリーステーブル14に載置された当該所定数の列の容器2の搬送を開始する起動工程と、
を含み、
前記リリーステーブル14の位置を、前記導入コンベヤ4の搬送方向に沿ってシフトするシフト工程をさらに含み、
前記シフト工程にて、前記所定数の列の容器2が前記リリーステーブル14に載置されたとき、前記リリーステーブル14を前記導入コンベヤ4から切り離す切り出し搬送方法。」

2 刊行物2
(1)刊行物2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物であって、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平11-314746号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(なお、下付の小文字は大文字に直して摘記する。)。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物品の区分装置、特に、缶や瓶等の物品が連続的に搬送される搬送装置において、これらの物品群を所定数に区分する物品の区分装置に関するものである。
【0002】
・・・省略・・・
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、『直列状に投入された物品群を直線状に搬送する区分用搬送手段(B) と、この区分用搬送手段(B) の物品走行域内に所定タイミングで侵入した後、前記物品を低速制動状態にて移動させ、その後に前記物品走行域外に脱出する制動手段とを具備する物品の区分装置』において、前記投入用搬送手段(A) による搬送力(推力)が下流側の区分用の制動手段部によって制動された状態にある物品に過度の推力として作用しないようにすることをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に講じた本発明の技術的手段は『前記区分用搬送手段(B) の上手に続けて中継用搬送手段(A2)を設けると共にさらにその上手に投入用搬送手段(A1)を連続させ、前記中継用搬送手段(A2)による搬送速度を前記制動手段の移動速度以上で前記投入用搬送手段(A1)の搬送速度よりも遅くした』ことである。
【0007】この技術的手段によれば、投入用搬送手段(A1)から投入された物品が区分用の搬送手段(B) に達するまでの間に、中継用搬送手段(A2)があるから、制動手段によって物品群が制動状態にあって、投入用搬送手段(A1)から仮に高速条件で搬送される場合であっても、そのときの推力は、これよりも遅い搬送速度の中継用搬送手段(A2)によって受け止められるから、制動状態の物品(又は製品)に作用する推力が緩和される。
【0008】なお、ここで、「投入用搬送手段(A1)による搬送速度よりも遅く」とは、中継用搬送手段(A2)の搬送速度であって区分用搬送手段(B) の搬送方向と同方向の搬送速度が前記投入用搬送手段(A1)の搬送速度よりも遅いことを意味する。なお、中継搬送手段(A2)の搬送速度を制動手段の移動速度と一致させた場合には、区分用搬送手段(B) の物品群には投入用搬送手段(A1)からの推力が殆ど作用しない。」(段落【0001】ないし【0008】)

イ 「【0015】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1?図3に示す実施の形態1は、従来の製品コンベア(44)に相当する部分を最高速の投入用搬送手段(A1)、それよりも遅い中継用搬送手段(A2)、及び、区分用搬送手段(B) から構成したものであり、この区分用搬送手段(B) には、図3に示すように、一対の軸片からなるフィンガー(2a)(2a)群を具備させた区分板と、一対の軸片からなるフィンガー(2b)(2b)群を具備させた区分板とを取付けた、一対のグルーピングチェーン(3a)(3a)が並設されている。これらのグルーピングチェーン(3a)(3a)は移動速度を制御できるようにするためサーボモータ(31)により一体的に駆動されている。
【0016】このため、前記サーボモータ(31)によって駆動される軸(J1)に取付けた駆動スプロケット(33)と、従動側の軸(J2)に取付けた従動スプロケット(34)との間に、前記グルーピングチェーン(3a)(3a)が介装されている。従って、この例では、サーボモータ(31)を制御することにより区分用搬送手段(B) と共に移動するフィンガー(2a)(2a),(2b)(2b)群の移動速度が調節できるが、先行するフィンガー(2a)(2a)群と後続のフィンガー(2b)(2b)群の間隔、つまり、グルーピング間隔を調節するには、例えば、実公平7-18653号において知られている方式を採用すればよい。
【0017】また、このグルーピングチェーン(3a)(3a)の移動速度は、区分用搬送手段(B)内に前記フィンガー(2a)(2a)群またはフィンガー(2b)(2b)群が突出した状態で移動する時には、区分用搬送手段(B) の搬送速度よりも遅い所定の速度で走行するようになっている。このものでは、最高速の投入用搬送手段(A1)から中継用搬送手段(A2)を介して区分用搬送手段(B) に投入された製品(41)(41)群は、先行するフィンガー(2a)(2a)群(又はフィンガー(2b)(2b)群)によって、制動状態で移動して、後行のフィンガー(2b)(2b)群(又はフィンガー(2a)(2a)群)が区分用搬送手段(B) の搬送域内に突出すると、前記先行するフィンガー(2a)(2a)群(又はフィンガー(2b)(2b)群)が区分用搬送手段(B) の搬送域から脱出して、所定数にグルーピングされた製品群が従来のものと同様に区分用搬送手段(B) の下流側にこれの搬送速度で搬送される。
【0018】特に、この例では、区分用搬送手段(B) に製品(41)(41)(又は物品、以下同じ)が投入される経路には、投入用搬送手段(A1)との間に中継用搬送手段(A2)が介在されているから、中継用搬送手段(A2)の搬送速度を投入用搬送手段(A1)よりも遅く設定しておけば、全体の行程の搬送停止時、及び、始動時に直列状態にある製品(41)(41)相互間に過大な推力が作用しにくい。中継用搬送手段(A2)が緩衝機能を発揮するからである。
【0019】特に、中継用搬送手段(A2)の搬送速度をフィンガー(2a)(2a)群、又は、フィンガー(2b)(2b)群による制動時の移動速度と一致させた場合には、前記過大な推力が一層緩和される。また、この例では、中継用搬送手段(A2)の搬送速度をフィンガー(2b)(2b)群、又は、フィンガー(2b)(2b)群による制動時の移動速度(制動速度)と一致させたことに加えて、図1、図2に示すように、中継用搬送手段(A2)と区分用搬送手段(B) との境界部に製品(41)(41)間に所定の間隙(G) が生じたことを検知するセンサー(S) が設けられている。このセンサー(S) は、対向配置された発光部(S1)と受光部(S2)とからなる間隙検知手段で、同図のように所定の間隙(G) が生じると発光部(S1)からの光が受光部(S2)に達してセンサー(S) が間隙検知信号を出力する。
【0020】前記中継用搬送手段(A2)、投入用搬送手段(A1)及び区分用搬送手段(B) は夫々対応する駆動装置によって駆動されれる。前記区分用搬送手段(B) のグルーピングチェーン(3a)はサーボモータ(31)により駆動され、中継用搬送手段(A2)は駆動装置(M2)により、投入用搬送手段(A1)は駆動装置(M3)により、及び、区分用搬送手段(B) は駆動装置(M1)により夫々駆動されている。そして、前記センサー(S)からの信号が前記サーボモータ(31)及び前記駆動装置(M1)?(M3)を制御する制御装置(C) (始動制御装置としても機能する)に入力されている。
【0021】この構成の採用により、全体が始動されると、制御装置(C) により先ず区分用搬送手段(B) の駆動装置(M1)とサーボモータ(31)が始動され、前記センサー(S)が「オン」となる。すると、中継用搬送手段(A2)、投入用搬送手段(A1)が停止しているから、区分用搬送手段(B) の後端に位置する製品(41)と中継用搬送手段(A2)の前方端に位置する製品(41)との間に間隙が生じる。すると、このセンサー(S) が間隙検知状態となり、この間隙検知出力信号により中継用搬送手段(A2)の駆動装置(M2)と投入用搬送手段(A1)の駆動装置(M3)とが駆動される。この中継用搬送手段(A2)の搬送速度は、前記制動速度に一致しているから、中継用搬送手段(A2)から区分用搬送手段(B) に乗り移った製品(41)は制動状態にある先行の製品(41)との間に間隙(G) よりも大きな間隔があったとしても、この乗り移った製品(41)には区分用搬送手段(B) の搬送推力が作用しているから先行の製品(41)との間隔を縮めるように移動した後、最終的に制動速度に一致して間隙(G) が生じた状態で安定する。
【0022】従って、区分用搬送手段(B) に乗り移った製品(41)とその後方の製品(41)との間には、常に前記所定の間隙(G) が生じることとなる。従って、始動時にも、停止時にも製品(41)(41)相互間に過大な推力が殆ど作用しないこととなる。」(段落【0015】ないし【0022】)

(2)刊行物2記載の技術
上記(1)及び図1ないし3の図示内容によれば、刊行物2には、次の事項からなる技術(以下、「刊行物2記載の技術」という。)が記載されていると認める。
「直列状に投入された物品群を直線状に搬送する区分用搬送手段(B) と、この区分用搬送手段(B) の物品走行域内に所定タイミングで侵入した後、前記物品を低速制動状態にて移動させ、その後に前記物品走行域外に脱出する制動手段とを具備し、前記区分用搬送手段(B) の上手に続けて中継用搬送手段(A2)を設けると共にさらにその上手に投入用搬送手段(A1)を連続させ、前記中継用搬送手段(A2)による搬送速度を前記制動手段の移動速度以上で前記投入用搬送手段(A1)の搬送速度よりも遅くした物品の区分装置において、中継用搬送手段(A2)と区分用搬送手段(B) との境界部に製品(41)(41)間に所定の間隙(G) が生じたことを検知するセンサー(S) を設け、このセンサー(S)の間隙検知出力信号により中継用搬送手段(A2)の駆動装置(M2)と投入用搬送手段(A1)の駆動装置(M3)とを駆動する技術。」

3 刊行物3ないし5
(1)刊行物3
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物であって、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2004-75127号公報(以下、「刊行物3」という。)には、図面(図1ないし4を参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア 「【0008】
【発明の実施の形態】
図1ないし4は、この発明のバルク解体装置の一実施例を示した図である。装置全体の正面、平面及び側面を示す図2、3、4において、5はバルク搬入部、6はバルク解体部、7はシート収納部、8は搬出コンベアである。図1は図4の要部拡大図である。
【0009】
バルク搬入部5の底部には、バルクのパレットを支持してバルク解体部6へと送り込むチェンコンベア9が設けられている。バルク解体部6の底部には、バルク搬入部のチェンコンベア9と連動するチェンコンベア10が設けられており、更にその下方には、このチェンコンベア10を昇降するパンタグラフ式のバルク昇降装置11が設けられている。
【0010】
バルク解体部6とシート収納部7の上部には、両者の間を往復するシートキャリア12及び後述するプッシャ台13を案内するガイド14とラック15とが設けられている。シートキャリア12は、往復動するためのモータ16と、昇降する吸引パッド17と、バルクの上昇位置を検出する検出ロッド18とを備えている。モータ16は、前記ラック15と噛合するピニオンを回転させて、シートキャリア12をバルク解体部6とシート収納部7との間で往復走行させる。
【0011】
・・・省略・・・
【0012】
図1及び2は、バルク解体部の頂部と搬出コンベアの詳細を示した正面図及び側面図である。バルク解体部6の上部には、プッシャ台13、このプッシャ台に搭載されたプッシャ19、サイドガイド20、シートクランプ装置21及び過送りプッシャ22が設けられている。また、搬出コンベア8の上方には、瓶の上押え装置23が設けられている。また、搬出コンベア8の反バルク解体部側には、倒れ止めガイド24及びガイドバー25並びにこれらを進退させるエアシリンダ39、42が設けられている。
【0013】
プッシャ台13は、シートキャリア12と同方向に往復走行する。プッシャ19は、昇降シリンダ26を介して搭載されており、下方に向いて出没する。プッシャ台13は、これに搭載されたモータ27で前記ラック15と噛合するピニオンを回転させることにより、バルク解体部6の上部で往復移動する。
【0014】
サイドガイド20は、縦横に並べた瓶を一括してプッシャ19で搬出コンベア8側へ押し出すとき、瓶が側方へ広がるのを防止するガイドで、バルクが昇降するときは、サイドガイド進退シリンダ28で退避している。シートクランプ装置21は、プッシャ19で瓶を押すときに、当該瓶が載っている積載シート40が瓶と共に移動するのを防止するために、当該積載シートの反搬出コンベア側の辺を把持する装置である。搬出コンベア8へと押し出される瓶が載っている積載シートの高さは、検出ロッド18の長さ調整ないし検出高さ調整により、瓶の高さに関わらず一定の高さとなるので、シートクランプ装置21の高さは常に一定である。なお、29は、シートクランプ装置21の水平方向位置を位置決めするシリンダである。
【0015】
搬出コンベア8は、プッシャ19によってバルクから押し出された一列の瓶を受取った後、後述する昇降装置41によりコンベア面が下降する。過送りプッシャ22は、このコンベア面が下降した後、搬出コンベア8上の瓶の底部をバルクから更に離隔させる方向に所定量押動するもので、水平に装架されたバーの両端を過送りシリンダ30で押動する構造である。ガイドバー25は、この過送りプッシャ22の進出と同時に進出して、搬出コンベア8上に押し出された瓶をガイドする。
【0016】
なお、バルクと搬出コンベア8との間には、渡り板31が設けられており、過送りプッシャ22は、この渡り板31の直下に位置している。渡り板31は、バルク解体部に挿入されたバルクと搬出コンベア8との間の間隙を埋めるものである。渡り板31は、同一平面内で歯を組合わせた2枚の櫛歯状の板で構成され、バルクの昇降時にはバルク側の櫛歯板を後退させることができるようになっている。
【0017】
搬出コンベア8は、各チェンリンクにコンベア面を形成する面板を取付けたプレートコンベアで、両端のスプロケット32、32の間に上側(載荷側)チェンを案内するガイドプレート33が設けられている。そしてこのガイドプレートを昇降させることにより、搬出コンベアのコンベア面8aを昇降させている。即ち、搬出コンベアのコンベア面8aは、プッシャ19で瓶が押し出されるときは渡り板31と同じ高さに上昇しており、瓶を受取った後、搬出高さまで下降する。この搬出コンベアのコンベア面の下降により、その上に載った瓶の底部が渡り板31の下方の過送りプッシャ22で押動される位置まで下降するのである。」(段落【0008】ないし【0017】)

イ 「【0021】
バルク搬入部5に搬入されたバルクは、人手により締結ベルトと周囲に巻かれた透明テープを取り外された後、チェンコンベア9、10により、バルク解体部6内へと移送される。このとき、プッシャ台13は、搬出コンベア8側へ移動しており、シートキャリア12がバルク解体部6の上部に移動してきている。この状態でバルク昇降装置11を上昇させ、バルクの頂部の積載シートが検出ロッド18を押し上げ、瓶の高さに合せて設定された所定の位置、即ち最上層の瓶を載置している積載シート40が渡り板31の高さに達したときに、バルク昇降装置11の上昇動作を停止させる。この状態でシートキャリア12の吸引パッド17を下降して、最上層の瓶の上に載っている積載シートを吸着し、吸引パッド17が若干縮退して吸引した積載シートを持ち上げた後、シートキャリア12はシート収納部7の上へと移動する。そして、吸引パッド17の負圧を解くことにより、積載シート40をシート収納部7に落下させる。
【0022】
このシートキャリア12の移動と並行して、プッシャ台13がプッシャ19を上方に縮退した後、シート収納部7側へと移動し、バルクの頂部を超えたところで停止してプッシャ19を下降させる。一方、サイドガイド進退シリンダ28は、サイドガイド20を進出させて、最上層の瓶の側面をガイドし、シートクランプ装置21が前進して閉じて、最上層の瓶が載っている積載シートの反搬出コンベア側の辺をクランプする。また、渡り板31は、バルク側に広がってバルクと搬出コンベア8との間の瓶の案内面を形成する。
【0023】
次に倒れ止めガイド24が前進し、プッシャ19がこれより強い力で前進することにより、最前列の瓶を搬出コンベア8上へと押し出す。最前列の瓶が搬出コンベア8上に押し出されると、プッシャ19が停止し、上押えバー34、35が下降して、最前列と第2列目の瓶の頭を押え、倒れ止めガイド24が退避した後、搬出コンベアのガイドプレート33が下降してコンベア面8aが下降し、その上に押し出された最前列の瓶とその頭を押えている第2押えバー35がこれに伴って下降する。
【0024】
瓶が円断面の瓶であるとき、この状態では最前列の瓶と第2列目の瓶とが未だ互い違いに重なり合った状態となっている。そこで過送りプッシャ22を進出させ、過送りプッシャ22で搬出コンベア8上の瓶を第2列の瓶から離隔させる方向に押動して、第1列の瓶と第2列の瓶との干渉を解く。このとき同時にガイドバー25も前進する。そして搬出コンベア8が駆動されて、その上に押し出された最前列の一列の瓶を送り出す。
【0025】
一列の瓶が送り出されると、倒れ止めガイド24が再び前進し、搬出コンベアのコンベア面8aが上動し、上押えバー34、35が上方に退避した状態で、プッシャ19が一列分前進して次の列の瓶を搬出コンベア8上に送り出す。この動作を繰り返すことによって、最上層の瓶がバルクから送り出されると、シートキャリア12が再びバルク解体部6の上部へと移動してきて、その状態でバルク昇降装置11が次の層の瓶が搬出高さにくるまでバルクを上昇させる。
【0026】
以上の動作を繰り返すことにより、パレット上に多層になって収容された瓶が一列ずつ搬出コンベア8から送り出されることになる。」(段落【0021】ないし【0026】)

(2)刊行物4
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物であって、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-93630号公報(以下、「刊行物4」という。)には、図面(図1を参照。)とともに次の事項が記載されている。
「【0057】
第2の搬送手段40は、第1の搬送手段10および第1の分離搬送機構30に対して、搬送方向が略90度異なるように配設されており、列状のLEDチップ2bを載置して、矢印D3の方向に搬送する。第2の搬送手段40には、第1の搬送手段10と同様に特に限定されず、ローラーまたはベルトコンベアなどを好適に用いることができる。」(段落【0057】)

(3)刊行物5
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物であって、本願の出願前に頒布された刊行物である実願昭63-111273号(実開平2-34402号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物5」という。)には、図面(第1ないし7図を参照。)とともに次の事項が記載されている。
ア 「第1排出コンベア6は整列取出フィンガー5によって取出された容器を載置し、第2排出コンベア7に移送するものであり、第1図、第2図、第5図および第7図に示されるように、整列取出フィンガー5の移動可能域内で切出しコンベア3の搬送方向に直交するように配設されている。第1排出コンベア6のコンベアベルトは、図示例では取出された容器10の列数(2列)に合わせて容器の幅と略同一の幅のコンベアベルト6a,6bが2列配設されているが、取出された容器10の列全体の幅を有するコンベアベルトが1列配設されたものでもよい。このコンベアベルト6a,6bは駆動源M4により駆動され、また、コンベアベルト6a,6b上に容器が載置されているか否かを検出する光電スイッチが第1排出コンベア6の所定位置に設置されている。第1排出コンベア6と切出しコンベア3との近接位置には前述したように容器10の取出し用のスライド板37が配設され、また第1排出コンベア6の容器搬送方向両側にはガイド61a,61bが配置されている。」(明細書第15ページ第17行ないし16ページ第17行)

イ 「また光電スイッチにより第1排出コンベア6上に前のサイクルで取出された容器が存在せず切出しコンベア3から第1排出コンベア6上に容器を取出す準備が整ったことが確認された後(同S8)、駆動源M3が作動して変速機57を介しクランク円盤56が回転し、これに連動して整列取出フィンガー5が水平移動して切出しコンベア3上の所定列数の容器はフィンガー部51と係合した状態でスライドして第1排出コンベア6上に一度に取出される(同S9、第3図、第6図)。この整列取出フィンガー5の取出方向への移動の完了は光電スイッチ59aにより検知され(同S10)、この光電スイッチ59aからの信号によって駆動源M3が停止して整列取出フィンガー5が停止する(同S11)。次に、駆動源M2が作動して切出しコンベア3が駆動され、同時にフィンガー昇降機41が作動して整列取出フィンガー5のフィンガー部51が上昇し、ストッパ昇降機41が作動してストッパ4が上昇する(同S12、S13、S14)。次に駆動源M3の作動により変速機57を介してクランク円盤56が回転し、これに連動して整列取出フィンガー5が第5図に示されるように元の位置に戻るように移動し(同S15)、また駆動源M4が作動して第1排出コンベア6のコンベアベルト6a,6bが駆動され、第1排出コンベア6上に取出された容器は第2排出コンベア7に搬送される(同S16)。」(明細書第19ページ第12行ないし第20ページ第19行)

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・引用発明1おける「導入コンベヤ4」は、本願発明1における「第1コンベア」に相当し、以下同様に、「容器2」は「ワーク」に、「バルク」は「バルク」に、「容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段」は「切り出しコンベア」に、「リリーステーブル14」は「載置部」に、「エアシリンダ16」は「シフト部」に、それぞれ相当する。

・引用発明1における「前記リリーステーブル14に所定数の列の容器2が載置されたとき、容器移動手段10の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を移動させて、当該リリーステーブル14に載置された当該所定数の列の容器2の搬送を開始し」は、本願発明1における「前記載置部に所定数の列のワークが載置されたとき、前記載置部を回転駆動させて、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始し」に、「前記載置部に所定数の列のワークが載置されたとき、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始し」という限りにおいて一致する。

したがって、両者は、
「第1コンベアによって搬送されるワークのバルクから、所定数の列に並ぶようにワークを切り出して搬送する切り出しコンベアであって、
前記第1コンベアの下流側の端部に沿って配設され、所定数の列のワークを載置する載置部を備え、
前記載置部に所定数の列のワークが載置されたとき、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始し、
前記載置部の位置を、前記第1コンベアの搬送方向に沿ってシフトするシフト部をさらに備え、
前記シフト部は、前記所定数の列のワークが前記載置部に載置されたとき、前記載置部を前記第1コンベアから切り離す切り出しコンベア。」の点で一致し、以下の点で相違している。

ア 相違点1
「前記載置部に所定数の列のワークが載置されたとき、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始」することに関し、本願発明1においては、「前記載置部に所定数の列のワークが載置されたとき、前記載置部を回転駆動させて、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始」するのに対して、引用発明1においては、「前記リリーステーブル14に所定数の列の容器2が載置されたとき、容器移動手段10の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を移動させて、当該リリーステーブル14に載置された当該所定数の列の容器2の搬送を開始」するものの、リリーステーブル14を回転駆動するものでない点(以下、「相違点1」という。)。

イ 相違点2
本願発明1においては、「前記シフト部によって、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたとき、前記第1コンベアに載置されたワークと、前記載置部に載置された前記所定数の列のワークとの間に生じる隙間の有無を検知する第1検知部をさらに備え、前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されている」のに対して、引用発明1においては、そのような構成を有していない点(以下、「相違点2」という。)。

(2)判断
ア 事案に鑑み、まず上記相違点2について検討する。
刊行物2記載の技術は、センサー(S) が、中継用搬送手段(A2)と区分用搬送手段(B) との境界部に製品(41)(41)間に所定の間隙(G) が生じたことを検知するものであって、上流側の搬送手段に載置された下流端のワークと下流側の搬送手段の上流端に載置されたワークとの間に生じる隙間を検知するものといえるものの、シフト部によって、下流側の搬送手段が上流側の搬送手段から切り離されたとき、上流側の搬送手段に載置されたワークと、下流側の搬送手段に載置されたワークとの間に生じる隙間の有無を検知するものではなく、しかも、下流側の搬送手段が上流側の搬送手段から切り離されたときに、少なくとも、下流側の搬送手段に載置されたワークが上流側の搬送手段側に転倒したことを検知可能なように配設されているものではないから、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項に相当するものではない。
また、刊行物2記載の技術は、シフト部によって下流側の搬送手段が上流側の搬送手段から切り離される構成を前提とするものではないから、引用発明1において、刊行物2記載の技術を適用する動機付けがない。
さらに、刊行物2には、他に上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を開示若しくは示唆する記載もない。
ところで、刊行物3ないし5に記載されているように、上流側の搬送手段から下流側の搬送手段に所定数の列のワークが載置されたとき、下流側の搬送手段を回転駆動させて、下流側の搬送手段に載置された所定数の列のワークの搬送を行うことは、本願の出願前に周知の技術(以下、「周知技術」という。)であるところ、当該周知技術は上記相違点1に関するものであって、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項に相当するものではない。
また、刊行物3ないし5には、他に上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を開示若しくは示唆する記載もない。
そうすると、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。

イ そして、本願発明1は、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項を備えることにより、引用発明、刊行物2記載の技術及び周知技術からは当業者が予測することができない、「載置部にワークが正常に載置されているか否かを検出することができる。」(本願の明細書の段落【0033】)という効果を奏するものである。

ウ したがって、本願発明1は、引用発明1、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2及び3について
また、本願発明2及び3についても、本願発明1をさらに限定したものであるので、本願発明1と同様に、引用発明1、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明4について
(1)対比
本願発明4と引用発明2とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・引用発明2おける「導入コンベヤ4」は、本願発明4における「第1コンベア」に相当し、以下同様に、「容器2」は「ワーク」に、「バルク」は「バルク」に、「切り出し搬送方法」は「切り出し搬送方法」に、「容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段」は「切り出しコンベア」に、「リリーステーブル14」は「載置部」に、「載置工程」は「載置工程」に、「停止工程」は「停止工程」に、「起動工程」は「起動工程」に、「シフト工程」は「シフト工程」に、それぞれ相当する。

・引用発明2における「前記停止工程にて前記導入コンベヤ4を停止させたとき、前記容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段を起動し、容器移動手段10の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を移動させて、当該リリーステーブル14に載置された当該所定数の列の容器2の搬送を開始する起動工程」は、本願発明4における「前記停止工程にて前記第1コンベアを停止させたとき、前記切り出しコンベアを起動し、前記載置部を回転駆動させて、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始する起動工程」に、「前記停止工程にて前記第1コンベアを停止させたとき、前記切り出しコンベアを起動し、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始する起動工程」という限りにおいて一致する。

したがって、両者は、
「第1コンベアによって搬送されるワークのバルクから、所定数の列に並ぶようにワークを切り出して搬送する切り出し搬送方法であって、
前記第1コンベアの下流側の端部に沿って配設された切り出しコンベアの載置部に、所定数の列のワークを載置する載置工程と、
前記載置工程にて前記所定数の列のワークが前記載置部に載置されたとき、前記第1コンベアを停止させる停止工程と、
前記停止工程にて前記第1コンベアを停止させたとき、前記切り出しコンベアを起動し、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始する起動工程と、
を含み、
前記載置部の位置を、前記第1コンベアの搬送方向に沿ってシフトするシフト工程をさらに含み、
前記シフト工程にて、前記所定数の列のワークが前記載置部に載置されたとき、前記載置部を前記第1コンベアから切り離す切り出し搬送方法。」の点で一致し、以下の点で相違している。

ア 相違点1’
「前記停止工程にて前記第1コンベアを停止させたとき、前記切り出しコンベアを起動し、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始する起動工程」に関し、本願発明4においては、「前記停止工程にて前記第1コンベアを停止させたとき、前記切り出しコンベアを起動し、前記載置部を回転駆動させて、当該載置部に載置された当該所定数の列のワークの搬送を開始する起動工程」であるのに対して、引用発明2においては、「前記停止工程にて前記導入コンベヤ4を停止させたとき、前記容器分離手段6及び容器移動手段10からなる搬送手段を起動し、容器移動手段10の前方ガイド部材60と後方ガイド部材62を移動させて、当該リリーステーブル14に載置された当該所定数の列の容器2の搬送を開始する起動工程」であるものの、リリーステーブル14を回転駆動するものでない点(以下、「相違点1’」という。)。

イ 相違点2’
本願発明4においては、「前記シフト工程によって、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたとき、前記第1コンベアに載置されたワークと、前記載置部に載置された前記所定数の列のワークとの間に生じる隙間の有無を第1検知部によって検知する検知工程をさらに備え、前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されている」のに対して、引用発明2においては、そのような構成を有していない点(以下、「相違点2’」という。)。

(2)判断
上記1(2)の検討と同様に、引用発明2において、刊行物2記載の技術及び周知技術を考慮したとしても上記相違点2’に係る本願発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。
したがって、本願発明4は、引用発明2、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4 まとめ
上記1ないし3のとおりであるから、本願発明1ないし4については、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、平成28年2月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3及び7に係る発明について、刊行物1に記載された発明及び刊行物3ないし5示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、同特許請求の範囲の請求項4及び5に係る発明について、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された技術及び刊行物3ないし5に示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、平成29年9月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る発明(本願発明1ないし3)は、「前記シフト部によって、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたとき、前記第1コンベアに載置されたワークと、前記載置部に載置された前記所定数の列のワークとの間に生じる隙間の有無を検知する第1検知部をさらに備え、前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されている」との事項を備えるものとなっており、また、同特許請求の範囲の請求項4に係る発明(本願発明4)は、「前記シフト工程によって、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたとき、前記第1コンベアに載置されたワークと、前記載置部に載置された前記所定数の列のワークとの間に生じる隙間の有無を第1検知部によって検知する検知工程をさらに備え、 前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されている」との事項を備えたものとなっており、上記第4のとおり、本願発明1ないし3は、引用発明1、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、本願発明4は、引用発明2、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
当審では、特許の請求の範囲の記載が以下の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとの当審拒絶理由を通知している。
「本件出願の請求項1には、『前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知する』との事項(以下、『発明特定事項1』という。)が記載され、本件出願の請求項5には、『前記検知工程にて、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知する』との事項(以下、『発明特定事項2』という。)が記載されている。
一方、明細書における発明の詳細な説明には、段落【0029】ないし【0033】及び【0081】ないし【0083】の記載を参酌すると、載置部が第1コンベアから切り離されたときに、第1コンベアに載置されたワークと、載置部に載置されたワークとの間に生じる所定の隙間の有無を検知することは記載されているが、発明特定事項1及び発明特定事項2のように、載置部が第1コンベアから切り離されたときに載置部に載置されたワークが第1コンベア側に転倒したことを検知することは記載も示唆もされていない。
ここで、載置部が第1コンベアから切り離されたときに載置部に載置されたワークが第1コンベア側に転倒したことは、載置部が第1コンベアから切り離されたときに、第1コンベアに載置されたワークと、載置部に載置されたワークとの間に生じる所定の隙間が生じない一例として又は可能性として示されているにすぎない。
そうすると、本件出願の請求項1及び5に係る発明、並びに、本件出願の請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2ないし4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。」

これに対して、平成29年9月4日に提出された手続補正書によって、本願の特許請求の範囲は、上記第2に示す請求項1ないし請求項4に補正されたところ、請求項1及び4において「前記第1検知部は、前記載置部が前記第1コンベアから切り離されたときに、少なくとも、前記載置部に載置された前記ワークが前記第1コンベア側に転倒したことを検知可能なように配設されている」と補正された結果、当審拒絶理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし3は、引用発明1、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、本願発明4は、引用発明2、刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-10-23 
出願番号 特願2012-92435(P2012-92435)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (B65G)
P 1 8・ 121- WY (B65G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大谷 光司森藤 淳志  
特許庁審判長 佐々木 芳枝
特許庁審判官 槙原 進
三島木 英宏
発明の名称 切り出しコンベア、および切り出し搬送方法  
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK  

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