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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60C 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B60C |
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管理番号 | 1333832 |
審判番号 | 不服2017-145 |
総通号数 | 216 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-01-05 |
確定日 | 2017-11-14 |
事件の表示 | 特願2014-542339号「巻取多層タイヤインナーライナ製品、空気入りタイヤ、及び巻取多層タイヤインナーライナ製品の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月23日国際公開、WO2013/074338、平成27年 1月29日国内公表、特表2015-502882号、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)11月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年11月15日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成27年7月23日付けで拒絶理由が通知され、同年10月28日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年1月27日付けで拒絶理由が通知され、同年6月9日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月26日付けで2回目の拒絶理由による拒絶査定がされ、これに対し、平成29年1月5日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、その後当審において同年9月26日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年10月4日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1?6に係る発明(以下「本願発明1」?「本願発明6」という。また、まとめて「本願発明」ということもある。)は、平成29年10月4日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される次のとおりものと認められる。 「【請求項1】 a.100?400ミクロンの厚さを有するフィルム層と、 b.それぞれが前記フィルム層の互いに反対側の外表面に直接接触し、それぞれが10?50ミクロンの厚さを有し、それぞれが均一な外表面を有する二つの接着層と、 c.少なくとも一方の接着層の前記外表面に接触し、50?500ミクロンの厚さを有する少なくとも一つの取り外し可能な仕切りシート層と、 を有し、 (i)前記フィルム層及び前記二つの接着層の全厚さが120?500ミクロンであり、 (ii)それぞれの接着層が少なくとも1種の熱可塑性エラストマーからなり、全体として同一又は異なる組成であってよく、 (iii)前記フィルム層が、30℃においてJIS K7126に準拠して測定した空気透過係数25×10^(-12)cc・cm/cm^(2)・sec・cmHg以下を有し、 (iv)前記フィルム層が、エチレンビニルアルコール共重合体、変性エチレン-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデンポリマー、ナイロン含有エラストマー、動的加硫アロイ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の材料からなり、 (v)前記接着層の前記少なくとも1種の熱可塑性エラストマーが、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、エポキシ化スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン-イソプレンブロック共重合体、ポリアミド-ポリエーテル共重合体、ポリスチレン-ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、巻取多層タイヤインナーライナ製品。 【請求項2】 前記フィルム層が100?250ミクロンの厚さを有し 前記それぞれの接着層が25?50ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の巻取多層タイヤインナーライナ製品。 【請求項3】 前記二つの接着層が、25phrまでの1種又は複数の粘着性付与剤を更に含む、請求項1又は2に記載の巻取多層タイヤインナーライナ製品。 【請求項4】 請求項1?3のいずれか一項に記載の巻取多層タイヤインナーライナ製品を含む空気入りタイヤを製造する方法であって、前記少なくとも一つの取り外し可能な仕切りシート層を、前記タイヤ内に組み込まれる前に取り外す、方法。 【請求項5】 a.フィルム層及び二つの接着層を共押出成形するステップと、 b.少なくとも一つの仕切りシート層を、前記共押出成形ステップの間又はその直後の何れかにおいて、少なくとも一つの前記接着層の前記外表面に付加するステップと、 c.前記仕切りシート層を内側に面するようにして、前記フィルム層、前記二つの接着層、及び前記少なくとも一つの仕切りシート層を、共に巻き取り、巻取多層タイヤインナーライナ製品を形成するステップと、 を含む、請求項1?3のいずれか一項に記載の巻取多層タイヤインナーライナ製品の製造方法。 【請求項6】 前記少なくとも一つの仕切りシート層が、 a.共押出成形の間に、前記二つの接着層のうちの、前記フィルム層に対して内側の接着層の外表面に付加されるか、 b.共押出成形の間に、前記二つの接着層のうちの、前記フィルム層に対して外側の接着層の外表面に付加されるか、又は c.前記フィルム層と前記二つの接着層と共に、共押出成形の間に付加され、前記共押出成形が4階層の多層ダイを介するブロー成形法からなる、請求項5に記載の製造方法。」 第3 原査定の理由について 1 原査定の理由の概要 本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2010-260280号公報 引用文献2.国際公開第2008/059716号 引用文献3.特開2002-144445号公報 引用文献4.特開2003-26931号公報 インナーライナー製品に仕切りシート層を備えることは、引用文献1?3に記載されているように周知技術である。 また、空気透過防止層として、30℃においてJIS K7126に準拠して測定した空気透過係数を、25×10^(-12)cc・cm/cm^(2)・sec・cmHg以下とする周知技術及び粘着性を向上させるために、粘着性付与剤を用いることは引用文献4に記載されているように周知技術である。 さらに、粘着性を向上させるために、粘着性付与剤を用いることは、例示するまでもない周知技術である。 引用文献1には、段落【0003】を参照すると、ライナー材を用いると製造コストが増大すること等があるから、ライナー材の使用を不要にすることが望ましいと示唆されている。 そうすると、ライナー材を使用したとしても、インナーライナー製品を製造することが不可能になるわけではないので、製造コスト等を重視するか、それとも、接着剤層2の粘着性を確実に抑制することを重視するかは、当業者が適宜に選択し得ることである。 また、引用文献1には、段落【0040】の【表3】中における比較例3にあるように、接着剤層の凹凸形成がない積層体も示されている。 そして、引用文献1の段落【0041】には、比較例3の接着剤層は粘着性の抑制ができないことが示唆されているから、粘着性を抑制するために、仕切りシートを備えるという動機付けは十分に存在すると考えられる。 したがって、引用文献1に記載された発明に仕切りシート層を備えることは、阻害要因があるとまではいえない。 2 原査定の理由の判断 (1)引用文献の記載事項及び引用文献に記載された発明 ア 引用文献1の記載事項 本願の優先日前に頒布された上記引用文献1には、図面と共に以下の記載がある。(下線は当審で付加した。以下同様。) (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 熱可塑性樹脂を含む層と、該層の少なくとも一方の面に配置された接着剤層とを含む積層体を成形するに際し、 ポリマー100重量部と、前記接着剤層の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する充填剤10?100重量部とを含む接着剤組成物を使用することで、前記接着剤層の表面に凹凸を付与する工程を含む、積層体の製造方法。 ・・・ 【請求項7】 熱可塑性樹脂を含む層と、 前記層の少なくとも一方の面に配置され、表面に凹凸を有する接着剤層と、 を含み、 前記接着剤層は、ポリマー100重量部と、充填剤10?100重量部とを含み、該充填剤は該接着剤層の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する、積層体。 【請求項8】 前記接着剤層がスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体系ポリマー及びタッキファイヤーを含む、請求項7に記載の積層体。 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、及びイミド系樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項7または8に記載の積層体。 【請求項10】 前記熱可塑性樹脂を含む層は更にエラストマーを含み、 前記エラストマーは前記熱可塑性樹脂中に分散しており、かつ、ジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、含イオウゴム、フッ素ゴム、及び熱可塑性エラストマーの群から選ばれた少なくとも1種である、請求項7?9のいずれかに記載の積層体。 【請求項11】 請求項7?10のいずれかに記載の積層体をインナーライナーとして用いた空気入りタイヤ。」 (イ)「【背景技術】 【0002】 空気入りタイヤは一般に、ブチルゴムに代表される低気体透過性ゴムを主成分とする空気透過防止層を内面に備えている。・・・ 【0003】 熱可塑性樹脂を含む層をタイヤの空気透過防止層として用いる場合、ゴムとの接着性向上のため、この空気透過防止層は接着剤層との積層体としてタイヤ内部に配置することが好ましい。このような積層体を成形する場合、押出機の多層押出しによって空気透過防止層と接着剤層とを同時に押出しながら積層してシート状もしくは筒状の積層体を成形し、この積層体を一旦巻き取ってからタイヤ成形工程に供給することが好ましい。 しかしながら、この積層体を接着剤層が露出した状態で巻き取ると、該積層体を巻き出す場合に接着剤の粘着性により接着剤層が剥離したり、タイヤ成形工程において接着剤層の粘着性に起因して該積層体の取扱が難しくなったりする場合がある。そのため、該積層体を巻き取る際には、離型紙等のライナー材を該積層体に沿って巻き込むことが必要である。 ところが、ライナー材を用いた場合、余分な資材が必要になるため該積層体の製造コストが増大するうえ、廃棄されるライナー材は環境への負荷となる。また、ライナー材を用いた場合、該積層体の巻取り時に皺を生じ易くなり、空気入りタイヤの品質が低下することがある。そのため、該積層体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にすることが望まれている。・・・」 (ウ)「【0018】 図5に示すように、シート状積層体4は、空気透過防止層1と接着剤層2との2層積層体であり。本実施形態では積層体4が2層積層体である場合を例に挙げるが、必要に応じて、本実施形態に係る積層体は、接着剤層2が空気透過防止層1の両面に積層された3層積層であってもよい。図4において、空気透過防止層1及び接着剤層2は押出装置によってTダイから同時に押し出されて積層され、シート状積層体4が得られる。これら空気透過防止層1及び接着剤層2を含むシート状積層体4は、一対のロール21,22によって引き取られ、セル23の周囲に連続的に巻き取られるようになっている。」 (エ)「【0024】 1.1.4.空気透過防止層 空気透過防止層1は、熱可塑性樹脂を含む。例えば、空気透過防止層1は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物から構成される。すなわち、熱可塑性樹脂は、エラストマー成分を含まない単独の材料として用いても良いし、あるいは熱可塑性エラストマー組成物の構成成分として用いても良い。ここで、熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂をマトリックスとし、そのマトリックス中にエラストマー成分が分散している。 【0025】 空気透過防止層1を構成する熱可塑性樹脂としては、ヤング率が500MPa超、好ましくは500?3000MPaの任意の熱可塑性樹脂を用いることができ、その配合量は、空気透過防止層1のポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは20?85重量%である。そのような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリ酢酸ビニル系樹脂〔例えばポリ酢酸ビニル(PVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)〕、ポリビニルアルコール系樹脂〔例えばポリビニルアルコール(PVOH)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)〕、ポリ塩化ビニル系樹脂〔例えばポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができ、2種以上であってもよい。 【0026】 熱可塑性エラストマー組成物のエラストマー成分としては、ヤング率が500MPa以下の任意のエラストマー又は該エラストマーの分散性や耐熱性などの改善のために、補強剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を必要量添加したエラストマー組成物を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは10?80重量%である。そのようなエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M-EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr-IIR、Cl-IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br-IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M-CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができ、2種以上であってもよい。」 (オ)「【0029】 1.1.5.接着剤層 接着剤層2は100重量部のポリマー(接着用ポリマー)及び10?100重量部の充填剤5を含む接着剤組成物を用いて形成される。上述したように、充填剤5は接着剤層2の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する。また、接着剤層2はさらに、接着用ポリマー及びタッキファイヤーを含むことができる。 【0030】 接着用ポリマーの例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらのマレイン酸変性物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、エチレンオクテン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びそのマレイン酸変性物、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)及びそのエポキシ変性物、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SEBS)及びそのエポキシ変性物、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。特に、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)及びそのエポキシ変性物を用いることが好ましい。タッキファイヤーとしては、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン、ロジン誘導体、フェノールアセチレン樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂などを挙げることができる。接着剤層2の好ましい一例としては、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体系ポリマー及びタッキファイヤーを含むものが挙げられる。 【0031】 接着剤層2はさらに、補強剤(例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、マイカ)、加硫剤、加硫促進剤、オイル、老化防止剤、可塑剤、顔料などを適宜配合された接着剤を用いて形成されていてもよい。接着剤層2の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、例えば5μm?150μmが好ましい。」 (カ)「【0039】 2.3.インフレーション成形 熱可塑性エラストマー組成物及び各種接着剤組成物のペレットを使用し、一般的な2層インフレーション成形装置を使用し、230℃で積層フィルムのインフレーション成形を行ない、熱可塑性エラストマー組成物層及び接着剤層の筒状積層体を得た。熱可塑性エラストマー組成物層の厚さは100μmであり、接着剤層の厚さは30μmであった。・・・」 イ 引用文献1に記載された発明 上記アより、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。特に図5に係る例において、接着剤層を空気透過防止層の両面に積層した3層積層とした変形例。)が記載されているものと認める。 「熱可塑性樹脂を熱可塑性エラストマー組成物の構成成分として用いた空気透過防止層(1)と、 前記空気透過防止層(1)の両面に配置され、ポリマー100重量部と、前記接着剤層の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する充填剤10?100重量部とを含む接着剤組成物を使用することで、表面に凹凸を有する厚さ5μm?150μmの接着剤層(2)と、 を含み、 前記空気透過防止層(1)は、熱可塑性エラストマー組成物から構成され、熱可塑性エラストマー組成物の構成成分としての熱可塑性樹脂が、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリ酢酸ビニル系樹脂〔例えばポリ酢酸ビニル(PVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)〕、ポリビニルアルコール系樹脂〔例えばポリビニルアルコール(PVOH)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)〕、ポリ塩化ビニル系樹脂〔例えばポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができ、2種以上であってもよいものであって、連続的に巻き取られたタイヤの内面に備えられるシート状積層体(4)。」 ウ 引用文献2の記載事項 本願の優先日前に電気通信回路を通じて利用可能になった上記引用文献2には、図面と共に以下の記載がある。 (ア)「[0075] 次に以上で説明したタイヤのインナーライナーの製造装置及び製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。・・・図5に示すように、フィルム層F1の裏面に剥離層F2が接着材F3により接着されている。この剥離層F2は、材料ロール31に巻回されている樹脂フィルムFの互いの接着面が付着しないようにするための接着防止層であり、後述するように材料ロール31から巻き出された後に剥離される。」 エ 引用文献3の記載事項 本願の優先日前に頒布された上記引用文献3には、図面と共に以下の記載がある。 (ア)「【0062】図1に示すように、空気入りタイヤの製造装置10は、カレンダー装置12を備えている。カレンダー装置12は、上ロール14及び下ロール16を有しており、搬送されてきたゴム18を上ロール14と下ロール16との間を通過させることにより、厚さ0.2mm以上0.8mm以下のシート状の未加硫インナーライナー20(以下、単に「インナーライナー20」と略称する。)に成形する。」 (イ)「【0067】なお、ライナー巻取ロール26の外周に巻き付けられたシリコンライナー30の厚さは、0.15mm以上0.6mm以下の範囲に設定されている。 【0068】カレンダー装置12によりシート状に成形されたインナーライナー20は、非常に薄いものであるため剛性が低下しているが、ライナー巻取ロール26から巻き出されたシリコンライナー30と共に巻取ロール22に巻き取られることにより補強される。」 オ 引用文献4の記載事項 本願の優先日前に頒布された上記引用文献4には、以下の記載がある。 (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は熱可塑性樹脂成分を連続相とし、これにゴム成分が分散相として微細分散した熱可塑性エラストマー組成物及びそれを空気透過防止層に用いた空気入りタイヤに関する。」 (イ)「【0034】透過度(空気透過係数)測定法 JIS K 7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法(A法)」に準じた(単位:cm^(3 )・cm/cm^(2 )・sec ・cmHg)。 試験片:各例で作成したフィルムサンプルを用いた。 試験気体:空気(N_(2):O_(2)=8:2) 試験温度:30℃ 熱可塑性エラストマー組成物を空気透過防止層(インナーライナー)に用いるには、気体透過性が低いほど良く、好ましくは50×10^(-12) cm^(3) ・cm/cm^(2) ・sec ・cmHg以下、更に好ましくは30×10^(-12) cm^(3) ・cm/cm^(2) ・sec ・cmHg以下が良い。」 (ウ)表II、表IIIには、「空気透過度×10^(-12) (cm^(3) ・cm/cm^(2) ・sec ・cmHg)」が、実施例1では「23」、実施例2では「25」、実施例4では「24」、実施例7では「24」、実施例8では「25」、実施例9では「11」、実施例10では「11」であることが記載されている。 (2)本願発明1と引用発明との対比 ア 本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「空気透過防止層(1)」は本願発明1の「フィルム層」に相当し、以下同様に、「接着剤層(2)」は「接着層」に、「連続的に巻き取られたタイヤの内面に備えられるシート状積層体(4)」は「巻取多層インナーライナ製品」にそれぞれ相当する。 イ 引用発明の「接着剤層(2)」は「空気透過防止層(1)」の外表面に対し直接接触するものであることは明らかである。 したがって、引用発明の「前記空気透過防止層(1)の両面に配置され、ポリマー100重量部と、前記接着剤層の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する充填剤10?100重量部とを含む接着剤組成物を使用することで、表面に凹凸を有する厚さ5μm?150μmの接着剤層(2)と」と、本願発明1の「それぞれが前記フィルム層の互いに反対側の外表面に直接接触し、それぞれが10?50ミクロンの厚さを有し、それぞれが均一な外表面を有する二つの接着層と」とは、「それぞれが前記フィルム層の互いに反対側の外表面に直接接触し、それぞれが10?50ミクロンの厚さを有する二つの接着層と」の限度で一致するといえる。 ウ 引用発明の「熱可塑性エラストマー組成物の構成成分としての熱可塑性樹脂」は、その選択肢として、例えば「ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体」、「ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)」、「ポリ塩化ビニリデン(PVDC)」を含むものであるので、引用発明の「前記空気透過防止層(1)は、熱可塑性エラストマー組成物から構成され、熱可塑性エラストマー組成物の構成成分としての熱可塑性樹脂が、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリ酢酸ビニル系樹脂〔例えばポリ酢酸ビニル(PVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)〕、ポリビニルアルコール系樹脂〔例えばポリビニルアルコール(PVOH)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)〕、ポリ塩化ビニル系樹脂〔例えばポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができ、2種以上であってもよいものであって」は、本願発明1の「前記フィルム層が、エチレンビニルアルコール共重合体、変性エチレン-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデンポリマー、ナイロン含有エラストマー、動的加硫アロイ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の材料からなり」を充足するといえる。 エ してみると、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。 [一致点] 「a.フィルム層と、 b.それぞれが前記フィルム層の互いに反対側の外表面に直接接触し、それぞれが10?50ミクロンの厚さを有する二つの接着層と、 を有し、 (iv)前記フィルム層が、エチレンビニルアルコール共重合体、変性エチレン-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニリデンポリマー、ナイロン含有エラストマー、動的加硫アロイ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる巻取多層タイヤインナーライナ製品。」 [相違点1] 「フィルム層」に関し、本願発明1が、「100?400ミクロンの厚さを有する」のに対して、引用発明は、当該事項の特定がない点。 [相違点2] 「接着剤層」の構造に関し、本願発明1が「それぞれが均一な外表面を有する」ものであるのに対し、引用発明1は、「ポリマー100重量部と、前記接着剤層の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する充填剤10?100重量部とを含む接着剤組成物を使用することで、表面に凹凸を有する」ものである点。 [相違点3] 本願発明1が、「c.少なくとも一方の接着層の前記外表面に接触し、50?500ミクロンの厚さを有する少なくとも一つの取り外し可能な仕切りシート層と」を有するのに対し、引用発明は、当該「仕切りシート層」に係る事項を有さない点。 [相違点4] 本願発明1が、「(i)前記フィルム層及び前記二つの接着層の全厚さが120?500ミクロンであり」というものであるのに対し、引用発明は、当該事項の特定がない点。 [相違点5] 「接着層」の組成に関し、本願発明1が、「(ii)それぞれの接着層が少なくとも1種の熱可塑性エラストマーからなり、全体として同一又は異なる組成であってよく」、「(v)前記接着層の前記少なくとも1種の熱可塑性エラストマーが、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、エポキシ化スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン-イソプレンブロック共重合体、ポリアミド-ポリエーテル共重合体、ポリスチレン-ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される」ものであるのに対し、引用発明は、当該事項の特定がない点。 [相違点6] 本願発明1が「(iii)前記フィルム層が、30℃においてJIS K7126に準拠して測定した空気透過係数25×10^(-12)cc・cm/cm^(2)・sec・cmHg以下を有し」というものであるのに対し、引用発明は当該事項の特定がない点。 (3)判断 事案に鑑み、上記相違点2及び3について検討する。 ア 引用発明は、「ライナー材を用いた場合、余分な資材が必要になるため該積層体の製造コストが増大するうえ、廃棄されるライナー材は環境への負荷となる。また、ライナー材を用いた場合、該積層体の巻取り時に皺を生じ易くなり、空気入りタイヤの品質が低下することがある。そのため、該積層体を巻き取る際にライナー材の使用を不要にすることが望まれている。」(上記(1)ア(イ))ことを課題として発明されたものである。そして、その解決手段として、「ポリマー100重量部と、前記接着剤層の厚みhに対して0.25h≦L≦3.0hの範囲にある直径Lを有する充填剤10?100重量部とを含む接着剤組成物を使用する」ことにより、「接着剤層(2)」を「表面に凹凸を有する」ものとしているものである。 そうすると、引用文献1の背景技術を説明する段落【0003】(ライナー層)や引用文献2(剥離層F2)あるいは引用文献3(シリコンライナー30)に、本願発明1の「仕切りシート層」に相当する事項が開示されていたとしても、引用発明においては、「ライナー材」(本願発明1の「仕切りシート層」に相当)を不要とするために、接着剤層の表面を凹凸としているものであるから、引用発明において、「接着層」を「それぞれが均一な外表面」を有するものとした上で、「仕切りシート層」を有するものに変更することの動機付けが存在するとはいえず、むしろ阻害要因があるといえる。 また、仮に引用発明に仕切りシート層を付加するのであれば、当該凹凸を設ける技術的意味がなくなることは明らかであるので、この点からも上記変更の動機付けが存在するとはいえない。さらに、そのように変更することの合理的な理由も見当たらない。 イ なお、引用文献1の段落【0039】?【0041】に記載される「比較例3」は、充填剤を配合しているもののブローアップレシオが適切ではないため接着剤層に凹凸が形成できず、粘着性の抑制ができなくなっているものであるが、当該比較例3はいわば失敗例であり、本来凹凸を形成するために配合している充填剤が意味をなさなくなっているものであるので、当該比較例3の記載があったとしても、引用発明において上記変更を容易とする根拠になるとはいえない。 ウ また、引用文献4は、フィルム層の空気透過係数に対する周知技術の例示文献として引用されたものであって、引用発明において、上記相違点2及び3に係る本願発明1の事項を有するものとすることを容易とするような事項の開示は見当たらない。 エ したがって、引用発明において、少なくとも上記相違点2及び3に係る本願発明1の事項を有するものとすることは当業者にとって容易とはいえないことから、本願発明1は、引用発明及び引用文献1?4に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 (3)小括 以上検討したとおり、本願発明1は、引用発明及び引用文献1?4に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 また、本願発明2?6は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるので、同様に引用発明及び引用文献1?4に示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 第4 当審拒絶理由について 1 当審拒絶理由の概要 この出願は、特許請求の範囲の請求項1の記載が不備で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2 当審拒絶理由の判断 平成29年10月4日付け手続補正により、本願の請求項1?6の記載は、上記第2に示すとおりに補正され、指摘した特許請求の範囲の記載の不備は解消した。 第5 むすび 以上のとおり、原査定の理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-10-31 |
出願番号 | 特願2014-542339(P2014-542339) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(B60C)
P 1 8・ 121- WY (B60C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 高島 壮基 |
特許庁審判長 |
和田 雄二 |
特許庁審判官 |
島田 信一 一ノ瀬 覚 |
発明の名称 | 巻取多層タイヤインナーライナ製品、空気入りタイヤ、及び巻取多層タイヤインナーライナ製品の製造方法 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 小松 靖之 |