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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1334277
審判番号 不服2017-1773  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-07 
確定日 2017-11-09 
事件の表示 特願2013-187670「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月23日出願公開、特開2015- 53990〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年9月10日の出願であって、平成28年3月7日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年5月16日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成28年10月31日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正がなされたものである。

第2 平成29年2月7日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年2月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
所定の遊技を行う遊技機であって、
遊技に関連する演出音を出力可能な演出音出力部と、
遊技者が操作可能な操作部と、
前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、該遊技機が設置されている遊技店側が設定可能な第1設定手段と、
前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、前記操作部を操作することにより遊技者が設定可能な第2設定手段と、
前記操作部の操作がなされたときに、該操作後に前記第2設定手段により設定される音量に対応する確認音を前記演出音出力部から出力するための処理を実行する確認音出力手段と、
前記第2設定手段にて設定される音量を認識可能に表示する表示手段と、
を備え、
前記第2設定手段は、所定範囲内で音量の設定が可能であり、
前記確認音出力手段は、前記第2設定手段により設定される音量が所定範囲の限界にある場合において、当該音量を所定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたときには所定範囲の限界の音量に対応した処理を実行し、
前記表示手段は、前記第1設定手段により新たに音量が設定された場合には、当該新たに設定された音量にもとづき、前記第2設定手段にて設定される音量表示を行う
ことを特徴とする遊技機。」
から、
「【請求項1】
A 可変表示を行う遊技が可能な遊技機であって、
B 遊技に関連する演出音を出力可能な演出音出力部と、
C 遊技者が操作可能な操作部と、
D 前記操作部が操作されることによって前記演出音出力部から出力される演出音の音量の範囲を、該遊技機が設置されている遊技店側が設定可能な第1設定手段と、
E 前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、前記操作部を操作することにより遊技者が設定可能な第2設定手段と、
F 前記操作部の操作がなされたときに、該操作後に前記第2設定手段により設定される音量に対応する確認音を前記演出音出力部から出力するための処理を実行する確認音出力手段と、
G 前記第2設定手段にて設定される音量を認識可能に表示する表示手段と、
を備え、
H 前記操作部は、音量に関連する設定で使用され、予告を発生させることでは使用されず、
I 前記第2設定手段は、前記第1設定手段により設定された設定範囲内で可変表示の実行中も音量の設定が可能であり、
J 前記確認音出力手段は、前記第2設定手段により設定される音量が設定範囲の限界にある場合において、当該音量を設定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたときには設定範囲の限界の音量に対応した処理を実行し、
K 前記表示手段は、前記第1設定手段により新たに音量の設定範囲が設定された場合には、当該新たに設定された音量の設定範囲にもとづき、前記第2設定手段にて設定される音量表示を行う
ことを特徴とする遊技機。」
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。また、当審においてA?Kに分説した。)。

2 補正の適否について
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「遊技機」に関して、「可変表示を行う遊技が可能な」と限定し、「第1設定手段」に関して、「前記操作部が操作されることによって前記演出音出力部から出力される演出音の音量の範囲を、」「設定可能な」と限定し、「操作部」に関して、「音量に関連する設定で使用され、予告を発生させることでは使用されず、」と限定し、「第2設定手段」に関して、「前記第1設定手段により設定された設定範囲内で可変表示の実行中も音量の設定が可能であり、」と限定するとともに、「確認音出力手段」に関して、「所定範囲」を「設定範囲」と限定し、「表示手段」に関して、「音量」を「音量の設定範囲」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2007-89649号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(1-a)「【0001】
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技機の音響制御に関するものである。
・・・
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、遊技者が特定の音声の音量を自由に調節できるようにすると共に、遊技者によって一旦調節がなされた後の再度の音量調節における煩雑さを低減することを目的とする。」

(1-b)「【0059】
上記特別図柄表示装置38は、第1の始動口33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置41は第2の始動口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。」

(1-c)「【0094】
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ610等の鳴動制御及び演出用ランプ611の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、音量調節を行うための音量入力装置620の音量調節ボタン81(図1参照)、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出変更入力装置612の演出用ボタン79(図1参照)としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。なお、音量入力装置620の音量調節ボタン81の操作によって行われる音量調節は、本発明の特徴部分であるために、別途に詳細に後述する。」

(1-d)「【0163】
ここで、図20を参照して、可変音量変更処理S1037について具体例に基づいて説明する。なお、図20に示された可変音量変更処理S1037に基づく音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行える。また、可変音量変更処理S1037は、サブ制御装置262(図6参照)の通常処理のループ間隔と実質的に同一の一定間隔(4ms)で繰り返し実行され、可変音量変更処理S1037の複数回の実行によって、遊技者可変の音量系統群の各々に対する設定音量情報が変更される。また、この可変音量変更処理S1037に基づく音量調節では、遊技者可変の各音量系統に対する候補音量情報が決定された後に、一括して、遊技者可変の音量系統群の各々に対する設定音量情報が決定された候補音量情報に変更される。
・・・
【0195】
(音響に関連する主たる構成)
ここで、本発明のパチンコ機の主たる特徴部分の構成について、図28を参照して説明する。図28は、本形態に係るパチンコ機10の音響に関連する部分を機能的な観点から表したブロック図である。図28に示されたように、本形態のパチンコ機10は、遊技盤30(図3及び図4参照)と、発射装置38と、音響制御手段700と、発射制御手段710と、音声制御手段720と、音量系統情報保持手段701と、音量情報保持手段702と、設定音量情報保持手段703と、音量制御手段730と、音響装置610と、音量入力装置620と、候補音量情報保持手段704と、設定音量制御手段740と、標準音量情報保持手段705と、待機時間保持手段706と、音量リセット手段750とを備える。パチンコ機10において、遊技者による音量入力装置620の操作に応じて設定音量制御手段740が特定の音量系統(遊技者可変の各音量系統)に対応する音量を調節すること、標準音量情報保持手段704及び音量リセット手段が設けられており、それらによって特定の音量系統に対応する音量が音量入力装置620の操作に因らずに自動的に所定の音量にリセットされることが本質的な特徴である。なお、本形態においては、パチンコ機10は音量告知手段760を更に備えており、また、パチンコ機10の遊技盤30は装飾図柄表示装置42(図3参照)を有している。」

(1-e)「【0216】
本形態では、設定音量制御手段740は、候補音量決定部741、候補音量変更部742及び設定音量変更部743とで構成されている。候補音量決定部741は、変更対象である音量系統(選択音量系統)を決定したり、音量情報群と共に選択音量系統の候補音量情報を参照して、選択音量系統に対応する新たな候補音量情報を決定したりする。また、候補音量変更部742は、候補音量情報保持手段704の候補音量情報を、候補音量決定部742で決定された新たな候補音量情報に変更する。設定音量変更部743は、遊技者可変の各音量系統の設定音量情報をそれらの候補音量情報に変更する。
【0217】
音量告知手段760は、少なくとも選択音量系統群を含む所定の音量系統群に対応する候補音量情報を告知する。本形態では、音量告知手段760は、サブ制御装置262における音量表示信号情報部761と、表示制御装置45における音量表示画像制御部690とで構成される。音量表示情報生成部761では、遊技者可変の音量系統群の全てに対応する候補音量情報と共に標準音量情報を参照して、音量表示情報を生成する。生成された音量表示情報を電気信号化した音量表示信号が音量表示画像制御部690に送信される。音量表示画像制御部690では、音量表示信号から音量表示情報を抽出して、音量表示情報に応じた音量表示画像を形成するための画像信号を生成して、装飾図柄表示装置(画像表示装置)42に送信する。
【0218】
ここで、具体的な音量調節動作の一例について、図32をも参照して説明する。まず、音量調節ボタン81の任意の端部(上端部、下端部、左端部又は右端部)を押下して、音量調節を開始する。音量調節ボタン81の任意の端部が押下されると、図32に示されたように、装飾図柄表示装置42に音量表示画像651が表示される。なお、装飾図柄表示装置42において装飾図柄が変動中である場合には、音量調節ボタンの4つの端部のいずれが押下されても音量調節は開始されない(図20のS1714)。また、音量調節が開始された後においても、装飾図柄が変動を開始した場合には、音量調節が中止される(図20のS1714)。また、演出変更中に音量調節ボタン81の任意の端部が押下された場合には、演出変更を中止し(図20のS1715)、音量調節が開始される。」

(1-f)「【0225】
詳細には、以下の処理を経て、音量表示画像652が表示される。入力情報検知手段621において、音量調節ボタン81の左端部の押下が検出され、左端部の押下を表す左押下情報(変更入力情報の一種)がRAM552に保存される。候補音量決定部741は、RAM552に保存された左押下情報を確認した(図20のS1701参照)後に、第1の音量系統の候補音量値よりも1だけ小さい新たな候補音量値が第1の音量系統の音量値の選択範囲内であれば、第1の音量系統の候補音量値を新たな候補音量値に更新する(図20のS1709参照)。なお、新たな候補音量値が第1の音量系統の音量値の選択範囲を超える場合には、候補音量値を現在の候補音量値にする。これは、実質的には、候補音量値の更新が行われないことを意味する。候補音量値の更新後に、音量表示情報生成部761は、第1の音量系統の候補音量値が1だけ減少したことを表す音量表示更新情報(音量表示情報の一種)を生成し、音量表示更新情報を含む音量表示更新信号を表示制御装置45の音量表示画像制御部690に送信する(図20のS1710参照)。この音量表示情報には、第1の音量系統を指定する情報(選択音量系統の情報)と、第1の音量系統の候補音量情報又は更新前後における候補音量値の差分値とが含まれている。音量表示画像制御部690は、音量表示更新信号の受信を確認した後に、音量表示更新情報に応じた音量表示画像653を装飾図柄表示装置42に表示させるための画像信号を生成する。装飾図柄表示装置42は、画像信号に応じて音量表示画像653を形成する。
・・・
【0244】
上記においては、候補音量情報の告知を画像表示装置における画像表示で行ったが、音響装置によって特定の音声を候補音量情報に対応する音量で出力することによって候補音量情報を告知してもよい。この場合、図38に示されたように、音量告知制御手段760は、更に、候補音量情報に対応する音量を決定し、候補音量信号を生成する音量決定部762と、特定の音声パターン(単なるビープ音)を決定し、候補音声信号を生成する音声決定部763とを備える。音響装置610では、候補音声信号に応じた音声を候補音量信号に応じた音量で出力する。更に、図示しないが、音量決定部及び音声決定部において、設定音量情報及び/又は標準音量情報を参照して、設定音量情報を含む設定音量信号及び/又は標準音量情報を含む標準音量信号が生成されてもよい。この場合、候補音量信号と設定音量信号及び/又は標準音量信号とは対を成して音響装置610に送信することが好ましい。」

(1-g)段落【0001】には、「本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関し」と記載され、段落【0059】には、「第1の始動口33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し」と記載されているから、刊行物1には、第1の始動口33への入賞をトリガとして特別図柄を変動表示し、特別図柄の変動表示に対応して装飾図柄を変動表示する遊技機が記載されているといえる。

(1-h)段落【0094】には、サブ制御装置262の機能として「装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ610等の鳴動制御」が記載されているから、刊行物1には、装飾図柄の変動表示に応じて鳴動制御される演出用スピーカ610が記載されているといえる。

(1-i)段落【0094】には「音量調節を行うための音量入力装置620の音量調節ボタン81」が記載され、段落【0195】には「遊技者による音量入力装置620の操作に応じて設定音量制御手段740が特定の音量系統(遊技者可変の各音量系統)に対応する音量を調節すること」が記載されているから、刊行物1には、遊技者が音量調節を行うための音量入力装置620の音量調節ボタン81が記載されているといえる。

(1-j)段落【0195】には「遊技者による音量入力装置620の操作に応じて設定音量制御手段740が特定の音量系統(遊技者可変の各音量系統)に対応する音量を調節すること」が記載され、「音量」は、上記(1-h)で検討したとおり、「演出用スピーカ610」から出力される音量であり、「音量入力装置620の操作」とは、上記(1-i)で検討したとおり、音量入力装置620の音量調節ボタン81の操作であるから、刊行物1には、前記演出用スピーカ610から出力される音量を、遊技者による音量調節ボタン81の操作に応じて決定する設定音量制御手段740が記載されているといえる。

(1-k)段落【0225】には「入力情報検知手段621において、音量調節ボタン81の左端部の押下が検出され、左端部の押下を表す左押下情報(変更入力情報の一種)がRAM552に保存される。候補音量決定部741は、RAM552に保存された左押下情報を確認した(図20のS1701参照)後に、第1の音量系統の候補音量値よりも1だけ小さい新たな候補音量値が第1の音量系統の音量値の選択範囲内であれば、第1の音量系統の候補音量値を新たな候補音量値に更新する(図20のS1709参照)。なお、新たな候補音量値が第1の音量系統の音量値の選択範囲を超える場合には、候補音量値を現在の候補音量値にする。これは、実質的には、候補音量値の更新が行われないことを意味する」ことが記載されている。また、段落【0216】には、「設定音量制御手段740は、候補音量決定部741、候補音量変更部742及び設定音量変更部743とで構成されている」ことが記載されている。
よって、これを整理すると、刊行物1には、音量調節ボタン81の押下が入力情報検知手段621により検出され、新たな候補音量値が音量値の選択範囲内であれば、候補音量値を更新し、新たな候補音量値が音量値の選択範囲を超える場合には、候補音量値を現在の候補音量値として、候補音量値の更新を行わない設定音量制御手段740の候補音量決定部741が記載されているといえる。

そして、段落【0225】には、続けて、「候補音量値の更新後に、音量表示情報生成部761は、第1の音量系統の候補音量値が1だけ減少したことを表す音量表示更新情報(音量表示情報の一種)を生成し、音量表示更新情報を含む音量表示更新信号を表示制御装置45の音量表示画像制御部690に送信する。」「音量表示画像制御部690は、音量表示更新信号の受信を確認した後に、音量表示更新情報に応じた音量表示画像653を装飾図柄表示装置42に表示させるための画像信号を生成する。装飾図柄表示装置42は、画像信号に応じて音量表示画像653を形成する。」と記載されているが、これは、図28にも示すとおり、音量告知制御手段760の音量表示情報生成部761、音量表示画像生成部690により、装飾図柄表示装置42に音量表示画像を表示させるものである。

一方、段落【0244】には、「上記においては、候補音量情報の告知を画像表示装置における画像表示で行ったが、音響装置によって特定の音声を候補音量情報に対応する音量で出力することによって候補音量情報を告知してもよい。この場合、図38に示されたように、音量告知制御手段760は、更に、候補音量情報に対応する音量を決定し、候補音量信号を生成する音量決定部762と、特定の音声パターン(単なるビープ音)を決定し、候補音声信号を生成する音声決定部763とを備える。」と記載されており、このことは、段落【0225】の候補音量決定部741により決定された候補音量値で音量告知制御手段760の音量決定部762及び音声決定部763により出力することを意味するものである。
よって、刊行物1には、候補音量決定部741により決定された候補音量値に対応する音量で特定の音声パターンを演出用スピーカ610から出力させる音量告知制御手段760の音量決定部762及び音声決定部763が記載されているといえる。

(1-l)段落【0244】には、上記(1-k)で検討したとおり、音声を候補音量情報に対応する音量で出力する場合に、音量告知制御手段760は、更に、音量決定部762と音声決定部763とを備える旨、記載されており、「更に」と記載されているから、音量で出力する場合においても、音量告知制御手段760として、音量表示画像を表示させる音量表示情報生成部761、音量表示画像生成部690の構成を有しているといえる。
そして、図38には、音量告知制御手段760として、候補音量値で音声を出力する音量決定部762及び音声決定部763と、音量表示画像を表示させる音量表示情報生成部761及び音量表示画像生成部690と、共に設けた点が示されている。
よって、段落【0225】の記載から、刊行物1には、設定音量制御手段740の候補音量決定部741により決定された候補音量値が、音量表示情報生成部761及び音量表示画像制御部690を通じて、音量表示画像653として表示される装飾図柄表示装置42が記載されているといえる。

(1-m)段落【0163】には、「可変音量変更処理S1037に基づく音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行える。」と記載されており、上記(1-j)で検討したとおり、設定音量制御手段740は、遊技者による音量調節ボタン81の操作に応じて音量を決定するものといえる。
よって、刊行物1には、設定音量制御手段740による音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行う、ことが記載されているといえる。

上記(1-a)?(1-f)の記載事項及び(1-g)?(1-m)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「刊行物1発明」という。)。

「a 第1の始動口33への入賞をトリガとして特別図柄を変動表示し、特別図柄の変動表示に対応して装飾図柄を変動表示する遊技機であって、
b 装飾図柄の変動表示に応じて鳴動制御される演出用スピーカ610と、
c、h 遊技者が音量調節を行うための音量入力装置620の音量調節ボタン81と、
e 前記演出用スピーカ610から出力される音量を、遊技者による音量調節ボタン81の操作に応じて決定する設定音量制御手段740と、
f1、j 音量調節ボタン81の押下が入力情報検知手段621により検出され、新たな候補音量値が音量値の選択範囲内であれば、候補音量値を更新し、新たな候補音量値が音量値の選択範囲を超える場合には、候補音量値を現在の候補音量値として、候補音量値の更新を行わない設定音量制御手段740の候補音量決定部741と、
f2 候補音量決定部741により決定された候補音量値に対応する音量で特定の音声パターンを演出用スピーカ610から出力させる音量告知制御手段760の音量決定部762及び音声決定部763と、
g 設定音量制御手段740の候補音量決定部741により決定された候補音量値が、音量表示情報生成部761及び音量表示画像制御部690を通じて、音量表示画像653として表示される装飾図柄表示装置42と、
を備え、
i 設定音量制御手段740による音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行う遊技機。」

(2)刊行物2
原査定において周知技術を示す文献として引用された特開2005-288020号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(2-a)「【0089】
図10に示すように、図柄の変動表示が行われ(A、B)、期間Yを経過すると特定のリーチが始まる(C)。ここで切替処理bが行われて(S36)、操作ボタン75による表示内容の変更が可能になる。図示の例では、2種類のキャラクタC1、C2が表示され、交互に選択枠が表示されるので(C、D)、所望のキャラクタC1、C2が選択枠で囲まれたときに操作ボタン75を押せば、そのキャラクタC1、C2によるリーチ表示が行われる(E、F)。キャラクタC1、C2の選択が可能な期間は、上述の期間Yで開始し期間Xで終了し(Eでは終了している。)、以後E?Hのように進行する(言うまでもないが外れるときもある)。Gでは、操作ボタン75を1回押した時であり(現在の音量を表示)、このことから、少なくともA?Fまでは1段階目の音量で変動表示が行なわれていたことがわかる。
【0090】
図10A、Bでは画面の右上に「音量調整可能期間」と表示されているとおり、特定の変動パターンであっても、この時点ではまだ音量調整が可能である。しかし、C、Dでは「音量調整可能期間」という表示は消えている。つまり、この期間は音量調整ができない期間になっており、表示内容が変更可能な状態になっている。なお、厳密には表示内容が変更可能な時期と音量調整ができない時期とは一致せず、例えば図10Cの表示になった時点では表示内容を変更可能な期間の開始にはなっていないが(その直後になる)、音量調整はできない。」

(2-b)「【0116】
実施例は、図3で説明したように、ホール用(遊技者が操作できない)の音量調整手段が設けられており、上述した初期音量が店員によって変更可能になっているが、このような構成に限らず、例えばホール用にて大まかな音量調整ができるようにし、操作ボタン75での音量調整は限られた範囲での細かい音量調整のみできるようにしてもよい。このような構成でれば、大音量とか無音とかいった極端な変更が遊技者によって行われるのを防止できる。また、操作ボタン75によっての音量調整が可能、不能を設定できる切替スイッチを弾球遊技機の背面に設けてもよい。」

(3)刊行物3
原査定において周知技術を示す文献として引用された特開2011-200511号公報(以下「刊行物3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

(3-a)「【0105】
音声出力基板70には、図4に示すように、各スピーカ27L,27R、27a,27bから出力する音の音量を、遊技場が音量範囲設定部83にて設定した初期音量或いは、遊技場が音量範囲設定部83にて設定した範囲内で遊技者が変更した音量に増幅するデジタルアンプ等から成るSP(スピーカ)増幅部73、イアホン端子装着部62から出力する音の音量を、遊技場が音量範囲設定部83にて設定した初期音量或いは、遊技場が音量範囲設定部83にて設定した範囲内で遊技者が変更した音量に増幅するデジタルアンプ等から成るIH(イアホン)増幅部72、音の出力経路を、スピーカ側とするかイアホン端子装着部62側とするか、或いは双方とするかを、画像音声生成用LSI262を介して演出制御用CPU86から送信される出力経路指示により切り替える出力切替部71が設けられている。」

(3-b)「【0406】
一方、イアホン端子装着部62にイアホンが装着されていない場合には、Sh9のステップに進み、音量範囲設定部83の設定回転子83aにて設定されている上限音量と下限音量、並びにRAM85の所定領域に格納されている現在において設定されているスピーカ音量(これらスピーカ音量が格納されていないときには、音量範囲設定部83の設定回転子83aにて設定されている初期音量)を特定し、該特定した上限音量と下限音量と、設定されているスピーカ音量とが表示された図13(b)に示すスピーカ音量設定画面を変動表示装置9に表示する制御を行い(ステップSh8)、Sh11のステップに進む。」

(3-c)「【0441】
また、前記実施例では、これら遊技者による音量の変更を操作レバーの操作により実施するようにしており、このようにすることは、音量変更のための専用の操作部を個別に設ける必要がなく、遊技機のコスト上昇を回避できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音量変更のための専用の操作部を、遊技機の前面側に、遊技者が操作可能に設けるようにしても良い。」

(4)対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比する(下記の(a)?(j)は、刊行物1発明の構成に対応している。)。

(a)刊行物1発明は、「特別図柄」と「装飾図柄」が共に変動するものであるから、可変表示を行う遊技が可能であるといえる。
よって、刊行物1発明の「第1の始動口33への入賞をトリガとして特別図柄を変動表示し、特別図柄の変動表示に対応して装飾図柄を変動表示する遊技機」は、本願補正発明の「可変表示を行う遊技が可能な遊技機」に相当する。

(b)刊行物1発明の「装飾図柄の変動表示」は遊技に関連する表示であり、「鳴動制御される」ことは、演出音が出力されることであることは明らかである。
よって、刊行物1発明の「装飾図柄の変動表示に応じて鳴動制御される演出用スピーカ610」は、本願補正発明の「遊技に関連する演出音を出力可能な演出音出力部」に相当する。

(c、h)刊行物1発明の「遊技者が音量調節を行う」ためには、遊技者が操作可能であることは自明な事項である。
よって、刊行物1発明の「遊技者が音量調節を行うための音量入力装置620の音量調節ボタン81」は、本願補正発明の「遊技者が操作可能な操作部」に相当する。
また、刊行物1発明の「遊技者が音量調節を行う」ことは、本願補正発明の「音量に関連する設定で使用され」ることと同様の意味であるから、刊行物1発明の「遊技者が音量調節を行うための音量入力装置620の音量調節ボタン81」と、本願補正発明の「操作部は、音量に関連する設定で使用され、予告を発生させることでは使用され」ないこととは、「操作部は、音量に関連する設定で使用され」る点において、共通する。

(e)刊行物1発明の「演出用スピーカ610から出力される音量」は、本願補正発明の「演出音出力部から出力される演出音の音量」に相当し、刊行物1発明の「音量調節ボタン81」は、本願補正発明の「操作部」に相当する。
よって、刊行物1発明の「演出用スピーカ610から出力される音量を、遊技者による音量調節ボタン81の操作に応じて決定する設定音量制御手段740」は、本願補正発明の「演出音出力部から出力される演出音の音量を、操作部を操作することにより遊技者が設定可能な第2設定手段」に相当する。

(f、j)刊行物1発明の「音量調節ボタン81の押下」は、本願補正発明の「操作部の操作」に相当し、刊行物1発明の「設定音量制御手段740の候補音量決定部741」において、「新たな候補音量値」の「更新を行う」又は「更新を行わない」ことにより決定された「候補音量値」は、本願補正発明の「第2設定手段により設定される音量」に相当し、刊行物1発明の「特定の音声パターン」、「演出用スピーカ」は、本願補正発明の「確認音」、「演出音出力部」に、それぞれ、相当する。
よって、刊行物1発明の「音量調節ボタン81の押下が入力情報検知手段621により検出され、新たな候補音量値が音量値の選択範囲内であれば、候補音量値を更新し、新たな候補音量値が音量値の選択範囲を超える場合には、候補音量値を現在の候補音量値として、候補音量値の更新を行わない設定音量制御手段740の候補音量決定部741」及び「候補音量決定部741により決定された候補音量値に対応する音量で特定の音声パターンを演出用スピーカ610から出力させる音量告知制御手段760の音量決定部762及び音声決定部763」は、本願補正発明の「前記操作部の操作がなされたときに、該操作後に前記第2設定手段により設定される音量に対応する確認音を前記演出音出力部から出力するための処理を実行する確認音出力手段」に相当する。

そして、刊行物1発明の「新たな候補音量値が音量値の選択範囲を超える場合」は、そのような「音量調節ボタンの押下」がなされたときであることは明らかであるから、本願補正発明の「設定される音量が設定範囲の限界にある場合において、当該音量を設定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたとき」に相当し、刊行物1発明の「候補音量値を現在の候補音量値として、候補音量値の更新を行わない」は、本願補正発明の「設定範囲の限界の音量に対応した処理を実行」する点に相当する。
よって、刊行物1発明の上記「設定音量制御手段740の候補音量決定部741」の構成のうち「新たな候補音量値が音量値の選択範囲を超える場合には、候補音量値を現在の候補音量値として、候補音量値の更新を行わない」点は、本願補正発明の「前記確認音出力手段は、前記第2設定手段により設定される音量が設定範囲の限界にある場合において、当該音量を設定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたときには設定範囲の限界の音量に対応した処理を実行」する点に相当する。

(g)刊行物1発明の「設定音量制御手段740の候補音量決定部741により決定された候補音量値」は、本願補正発明の「前記第2設定手段にて設定される音量」に相当し、刊行物1発明の「装飾図柄表示装置42」は、本願補正発明の「表示手段」に相当する。
よって、刊行物1発明の「設定音量制御手段740の候補音量決定部741により決定された候補音量値が、音量表示情報生成部761及び音量表示画像制御部690を通じて、音量表示画像653として表示される装飾図柄表示装置42」は、本願補正発明の「前記第2設定手段にて設定される音量を認識可能に表示する表示手段」に相当する。

したがって、本願補正発明と刊行物1発明とは、
「A 可変表示を行う遊技が可能な遊技機であって、
B 遊技に関連する演出音を出力可能な演出音出力部と、
C 遊技者が操作可能な操作部と、
E 前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、前記操作部を操作することにより遊技者が設定可能な第2設定手段と、
F 前記操作部の操作がなされたときに、該操作後に前記第2設定手段により設定される音量に対応する確認音を前記演出音出力部から出力するための処理を実行する確認音出力手段と、
G 前記第2設定手段にて設定される音量を認識可能に表示する表示手段と、
を備え、
H’前記操作部は、音量に関連する設定で使用され、
J 前記確認音出力手段は、前記第2設定手段により設定される音量が設定範囲の限界にある場合において、当該音量を設定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたときには設定範囲の限界の音量に対応した処理を実行する、
遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願補正発明は、「操作部が操作されることによって演出音出力部から出力される演出音の音量の範囲を、遊技機が設置されている遊技店側が設定可能な第1設定手段」を備え、「表示手段は、第1設定手段により新たに音量の設定範囲が設定された場合には、当該新たに設定された音量の設定範囲にもとづき、第2設定手段にて設定される音量表示を行う」のに対して、刊行物1発明は、そのような構成を有していない点。(構成D、K)

[相違点2]
本願補正発明は、「第2設定手段は、前記第1設定手段により設定された設定範囲内で可変表示の実行中も音量の設定が可能」であるのに対し、刊行物1発明は、そのような構成を有していない点。(構成I)

[相違点3]
本願補正発明は、「操作部」が「予告を発生させることでは使用され」ないのに対して、刊行物1発明は、音量調節ボタン81が予告を発生させることで使用されるかどうか不明である点。(構成H)

(5)判断
ア 上記相違点1について検討する。
遊技機の技術分野において、遊技者により操作部が操作されて設定される演出音の音量の範囲を、遊技店側が設定可能な設定手段を備え、表示手段は、遊技店側が設定手段により音量の設定範囲を設定した場合には、その設定範囲に基づき、操作部により設定される音量表示を行う点は、本願出願前において、周知の技術である。
(例えば、特開2011-229766号公報の段落【0085】には、遊技者によって調整可能な調整範囲が遊技店の管理者によって予め決定されている点、段落【0086】、図8には、遊技機1は本来は音量値0?5までの範囲で設定可能であるが、予め遊技店側で最大値のレベルを音量値4までとし、音量値5は音量バーの表示から除外されるようにする点が記載され、刊行物3(特開2011-200511号公報)の段落【0105】には、遊技場が音量範囲設定部83にて設定した範囲内で遊技者が変更した音量に変更する点、段落【0406】、図13には、音量範囲設定部83にて設定されている上限音量と下限音量とスピーカ音量とが表示されたスピーカ音量設定画面を変動表示装置9に表示する点が記載され、刊行物2(特開2005-288020号公報)の段落【0116】には、ホール用音量調整手段にて大まかな音量調整ができるようにし、操作ボタン75での音量調整は限られた範囲での細かい音量調整のみできるようにする点が記載されている。)
刊行物1発明と周知の技術とは、音量調節が可能な操作部を有する遊技機である点で共通するものである。また、遊技機の音量を遊技店側が望まない音量に遊技者が設定することを防止して音量を適切な範囲に維持することは、刊行物1発明においても内在する課題であるといえる。
よって、刊行物1発明において音量を適切な範囲に維持するために周知の技術を適用し、遊技店側が音量の範囲を設定可能な設定手段(第1設定手段)を備え、表示手段は、設定手段(第1設定手段)により新たに音量の設定範囲を設定した場合には、その設定範囲に基づき、遊技者による操作部の操作による設定手段(第2設定手段)にて設定される音量表示を行うように構成し、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 上記相違点2について検討する。
刊行物2の段落【0089】、【0090】、図10には、図柄の変動表示中に遊技者が操作ボタンを操作することで音量を調整可能な遊技機が記載されている(以下「刊行物2記載の事項」という。)。
また、遊技者により操作部が操作されて設定される演出音の音量の範囲を、遊技店側が設定可能な設定手段を備えることは、上記アで検討したとおり、周知の技術である。
刊行物1発明、刊行物2記載の事項及び周知の技術は、いずれも音量調節が可能な操作部を有する遊技機である点で共通するものである。
よって、刊行物1発明に刊行物2記載の事項及び周知の技術を併せて適用し、遊技者による操作部の操作による設定手段(第2設定手段)は、遊技店側の設定手段(第1設定手段)により設定された設定範囲内で可変表示の実行中も音量の設定が可能となるように構成し、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

ウ 上記相違点3について検討する。
刊行物3の段落【0441】には、音量変更のための専用の操作部を、遊技機の前面側に、遊技者が操作可能に設けた遊技機が記載されている(以下「刊行物3記載の事項」という。)。
刊行物1発明と刊行物3記載の事項とは、音量調節が可能な操作部を有する遊技機である点で共通するものである。
よって、刊行物1発明に刊行物3記載の事項を適用し、音量調節ボタン81を音量変更のための専用の操作部として、予告を発生させることでは使用されないように構成し、上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

エ 本願補正発明が奏する効果について
上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が刊行物1発明、刊行物2記載の事項、刊行物3記載の事項及び周知の技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

オ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において「引用文献1では、可変表示の実行中の音量調節を積極的に中止しており、可変表示の実行中に音量調整を可能とすることはできない上に、遊技店側で音量の範囲が設定可能な点については、何ら開示も示唆もされていないことからも、仮に、各構成が周知技術であったとしても、本発明のように、演出ボタンとは異なるような操作部を操作すれば、演出ボタンの操作によらずに可変表示の実行中でも音量設定を的確に行うことができるという効果や、可変表示の実行中も、設定範囲の限界の音量に対応した処理を実行するため、遊技に支障をきたすことなく音量設定ができ、さらに、可変表示の実行に伴い演出が実行され演出音が出力されている場合に確認音が聞きにくくなっても、表示手段により設定される音量を認識できるという相乗効果を奏するものではありません。
従って、引用文献1に記載された発明に、従来周知の技術的事項を組み合わせたとしても、本発明の構成に到るものではないと思料致します。」と主張する(第16頁第19行?第17頁第2行)。
しかしながら、上記(5)ア?ウで検討したとおり、図柄の変動表示中に遊技者が操作ボタンを操作することで音量を調整可能な点は、刊行物2記載の事項として開示され、遊技者により操作部が操作されて設定される演出音の音量の範囲を、遊技店側が設定可能な設定手段を備える点は、周知の技術であり、音量変更のための専用の操作部を、遊技者が操作可能に設けた点は刊行物3記載の事項として開示されており、これらを刊行物1発明に組み合わせることを阻害する特段の事情も見当たらないから、刊行物1発明に、刊行物2記載の事項、刊行物3記載の事項及び周知の技術を適用し、上記相違点1?3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、請求人の主張する効果も、刊行物1発明、刊行物2記載の事項、刊行物3記載の事項及び周知の技術から予測し得る程度のものであるといえる。
よって、請求人の上記主張は採用できない。

(6)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が刊行物1発明、刊行物2記載の事項、刊行物3記載の事項及び周知の技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、平成28年5月16日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。当審において、A?Kに分説した。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
A 所定の遊技を行う遊技機であって、
B 遊技に関連する演出音を出力可能な演出音出力部と、
C 遊技者が操作可能な操作部と、
D 前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、該遊技機が設置されている遊技店側が設定可能な第1設定手段と、
E 前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、前記操作部を操作することにより遊技者が設定可能な第2設定手段と、
F 前記操作部の操作がなされたときに、該操作後に前記第2設定手段により設定される音量に対応する確認音を前記演出音出力部から出力するための処理を実行する確認音出力手段と、
G 前記第2設定手段にて設定される音量を認識可能に表示する表示手段と、
を備え、
I 前記第2設定手段は、所定範囲内で音量の設定が可能であり、
J 前記確認音出力手段は、前記第2設定手段により設定される音量が所定範囲の限界にある場合において、当該音量を所定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたときには所定範囲の限界の音量に対応した処理を実行し、
K 前記表示手段は、前記第1設定手段により新たに音量が設定された場合には、当該新たに設定された音量にもとづき、前記第2設定手段にて設定される音量表示を行う
ことを特徴とする遊技機。」

2 刊行物
刊行物1及びその記載事項、並びに刊行物1発明は、上記「第2 3(1)」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「遊技機」に関して、「可変表示を行う遊技が可能な」という限定を省き、「第1設定手段」に関して、「前記操作部が操作されることによって前記演出音出力部から出力される演出音の音量の範囲を、」「設定可能な」との限定を省き、「操作部」に関して、「音量に関連する設定で使用され、予告を発生させることでは使用されず、」との限定を省き、「第2設定手段」に関して、「前記第1設定手段により設定された設定範囲内で可変表示の実行中も音量の設定が可能であり、」との限定を省くともに、「確認音出力手段」に関して、「設定範囲」の限定を「所定範囲」の記載に戻し、「表示手段」に関して、「音量の設定範囲」の限定を「音量」の記載に戻すものである。
本願発明と刊行物1発明とを対比する。刊行物1発明の構成a?g、j、kについては「第2 3(4)」で検討したとおりである。
そして、構成iについて、刊行物1発明の「設定音量制御手段740」は、本願発明の「第2設定手段」に相当する。また。刊行物1発明の「設定音量制御手段740の候補音量決定部741」において、新たな候補音量値が音量値の選択範囲内であれば、候補音量値を更新するから、設定音量制御手段740における音量調節は、所定範囲内で音量設定が可能であるといえる。
よって、刊行物1発明の「設定音量制御手段740による音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行う」ことは、本願発明の「第2設定手段は、所定範囲内で音量の設定が可能であ」ることに相当する。

したがって、本願発明と刊行物1発明とは、
「A 所定の遊技を行う遊技機であって、
B 遊技に関連する演出音を出力可能な演出音出力部と、
C 遊技者が操作可能な操作部と、
E 前記演出音出力部から出力される演出音の音量を、前記操作部を操作することにより遊技者が設定可能な第2設定手段と、
F 前記操作部の操作がなされたときに、該操作後に前記第2設定手段により設定される音量に対応する確認音を前記演出音出力部から出力するための処理を実行する確認音出力手段と、
G 前記第2設定手段にて設定される音量を認識可能に表示する表示手段と、
を備え、
I 前記第2設定手段は、所定範囲内で音量の設定が可能であり、
J 前記確認音出力手段は、前記第2設定手段により設定される音量が所定範囲の限界にある場合において、当該音量を所定範囲外へ変更するように前記操作部の操作がなされたときには所定範囲の限界の音量に対応した処理を実行する遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1’]
本願発明は、「演出音出力部から出力される演出音の音量の範囲を、遊技機が設置されている遊技店側が設定可能な第1設定手段」を備え、「表示手段は、第1設定手段により新たに音量の設定範囲が設定された場合には、当該新たに設定された音量の設定範囲にもとづき、第2設定手段にて設定される音量表示を行う」のに対して、刊行物1発明は、そのような構成を有していない点。(構成D、K)

上記相違点1’について検討する。
相違点1’は相違点1の「第1設定手段」に関して「操作部が操作されることによって」を削除したものであるから、相違点1についての上記「第2 3(5)ア」における検討と同様に、刊行物1発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易になし得たものである。

4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-09-06 
結審通知日 2017-09-12 
審決日 2017-09-25 
出願番号 特願2013-187670(P2013-187670)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 酒井 保  
特許庁審判長 長井 真一
特許庁審判官 平城 俊雅
藤田 年彦
発明の名称 遊技機  
代理人 林 修身  
代理人 溝渕 良一  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 重信 和男  
代理人 石川 好文  
代理人 大久保 岳彦  
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