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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1334881
審判番号 不服2016-14923  
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-05 
確定日 2017-11-24 
事件の表示 特願2012- 64498「乳化物及び乳化物の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月10日出願公開、特開2013- 6822〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 主な手続の経緯

本願は、平成24年3月21日(優先権主張平成23年5月24日)の出願であって、平成27年11月12日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月18日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲及び明細書が補正され、同年6月24日付けで拒絶査定がされたところ、これに対して、同年10月5日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に特許請求の範囲が補正されたので、特許法162条所定の審査がされた結果、同年11月8日付けで同法164条3項の規定による報告がされたものである。

第2 補正却下の決定

[結論]
平成28年10月5日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.平成28年10月5日付けの手続補正の内容
平成28年10月5日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の全文を変更する補正事項からなるものであるところ、特許請求の範囲全体の記載のうち、本件補正前の請求項1及び2、並びに本件補正後の請求項1及び2の記載を掲記すると、それぞれ以下のとおりである。

<本件補正前>(平成28年1月18日の手続補正書)
【請求項1】
内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー(アルカリゲネス属の産生する多糖類を除く)の粒子を含むO/Wエマルションを含み、皮膚又は毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。
【請求項2】
内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含み、前記内相の平均粒子径が1.0μm以上であり、皮膚又は毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。

<本件補正後>(下線は補正箇所。)
【請求項1】
内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー(フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースの内少なくとも1種類を構成単糖とし、フコースおよび/又はラムノースを側鎖に含む多糖類、および/又は、マンノースおよび/又はグルクロン酸を側鎖に含む多糖類を除く)の粒子を含むO/Wエマルションを含み、毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。
【請求項2】
内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含み、前記内相の平均粒子径が1.0μm以上であり、毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。

2.本件補正の目的
本件補正のうち、請求項1についてする補正は、「重縮合ポリマー」から除かれる多糖類を「アルカリゲネス属の産生する多糖類」から「フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースの内少なくとも1種類を構成単糖とし、フコースおよび/又はラムノースを側鎖に含む多糖類、および/又は、マンノースおよび/又はグルクロン酸を側鎖に含む多糖類」(以下、「特定構造の多糖類」という。)へと変更し、かつ、乳化物の用途を「皮膚又は毛髪に適用される化粧料に用いられる」から「毛髪に適用される化粧料に用いられる」へと変更するものである。
以下、上記補正の目的について検討する。
アルカリゲネス属が上記「特定構造の多糖類」以外の多糖類を産生し得ることは当業者に自明の事項であるところ(必要であれば、以下の参考文献1段落【0004】、参考文献2請求項3等を参照)、そのような、アルカリゲネス属が産生する上記「特定構造の多糖類」以外の多糖類は、上記補正前には、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」に該当するから、請求項1における「重縮合ポリマー」から除かれていたのに対し、上記補正後には、上記「特定構造の多糖類」に該当しないから、請求項1の「重縮合ポリマー」からは除かれない。そうすると、上記補正によって、請求項1の発明の範囲が減縮しているといえないことは明らかであり、上記補正は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものとはいえない。
また、平成27年11月12日付けの拒絶理由や、平成28年6月24日付けの拒絶査定において、「重縮合ポリマー」について「明りょうでない記載」があるとの指摘はないから、上記補正は「明りょうでない記載の釈明」を目的とするものともいえない。
さらに、上記補正の目的が「請求項の削除」、「誤記の訂正」のいずれにも該当しないことは明らかである。
よって、本件補正のうち請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項各号のいずれの規定にも該当しない。

・参考文献1 特開平08-336394号公報
・参考文献2 特開平05-295003号公報

3.独立特許要件の有無について
以上より、本件補正のうち請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであるが、この点について、審判請求人は審判請求書において、本件補正の目的が「特許請求の範囲の限定的減縮を目的とする」ものである旨主張している。上述のとおり、審判請求人の主張は採用できないが、念のため、本件補正の目的が「特許請求の範囲の減縮を目的とする」ものであると解した場合についても検討する。
この場合、本件補正後の請求項1及び2に記載された発明(以下「本願補正発明1」及び「本願補正発明2」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、要するに、本件補正が特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に適合するものであるか(いわゆる独立特許要件違反の有無)について検討するところ、以下説示のとおり、本件補正は当該要件に違反すると判断される(なお、本件補正は、いわゆる新規事項を追加するものではないと判断される。)。
すなわち、本願補正発明1及び2は、本願の優先日前に頒布された刊行物である下記引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができない(なお、引用文献2は、原査定の理由で引用された「引用文献2」と同じである)。

・引用文献2 特開2006-239666号公報

4.本願補正発明
本願補正発明1及び2は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。

<本願補正発明1>
「内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー(フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースの内少なくとも1種類を構成単糖とし、フコースおよび/又はラムノースを側鎖に含む多糖類、および/又は、マンノースおよび/又はグルクロン酸を側鎖に含む多糖類を除く)の粒子を含むO/Wエマルションを含み、毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。」

<本願補正発明2>
「内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含み、前記内相の平均粒子径が1.0μm以上であり、毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。」

5.本願補正発明が特許を受けることができない理由
(1)引用文献の記載事項
引用文献2には、以下の事項(2-1)?(2-9)が記載されている。(なお、以下、本願明細書及び引用文献の引用部分における下線は当合議体による。)

(2-1)「【請求項1】
自己組織能を有する両親媒性物質により形成される閉鎖小胞体を主成分とすることを特徴とする乳化分散剤。
・・・
【請求項8】
単粒子化されたバイオポリマーを主成分とすることを特徴とする乳化分散剤。
【請求項9】
前記バイオポリマーは、微生物産生による多糖類、リン脂質、ポリエステル類や、生物由来の澱粉等の多糖類、キトサンよりなる群から選ばれた1又は2以上のものである請求項8記載の乳化分散剤。
・・・
【請求項12】
請求項1?6、及び、請求項8?9のいずれかに記載の乳化分散剤と被乳化油性成分とを接触し混和させてなることを特徴とする乳化物。」(特許請求の範囲参照)
(2-2)「【0006】
従来の界面活性剤を用いた乳化法では、油と水との界面に界面活性剤が吸着し、その界面エネルギーを低下させることを乳化・分散法の基本としていたので、その界面張力を低下させるために多量の乳化剤を必要とするものであった。これに対して、本発明者らは、新規な乳化技術を開発するために鋭意研究を重ねた結果、油/両親媒性化合物/水系の中で独立相として存在する両親媒性化合物のナノ粒子をファンデルワールス力によって油性基剤表面に付着させることで乳化を行なう三相乳化法を見出し、また、このような乳化法によれば、油性成分の所要HLB値によらず、油性成分/水界面の界面張力の大きさが乳化剤のナノ粒子の付着に重要であることを知見した。さらに、本発明者らは、この三相乳化エマルションは通常のO/W型やW/O型などの二相乳化エマルションに比べて非常に高い安定性を示すことを見い出し、これらの知見に基づき本発明を完成したものである。」
(2-3)「【0014】
ここで、バイオポリマーとしては、微生物産生による多糖類、リン脂質、ポリエステル類や、生物由来の澱粉等の多糖類、キトサンよりなる群から選ばれた1又は2以上のものが考えられる(請求項9)。例えば微生物産生の多糖類として、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸などの単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するものがあげられる。特定の構造の多糖類を産生する幾つかの微生物種が知られているが、いずれの多糖類でもまた混合物になっていてもよい。
【0015】
更に生物由来の澱粉としては、馬鈴薯、もち米粉、タピオカ粉、昆布粉等があるが、これに限定されるものではなく単体もしくは複合構造で両親媒性を示すものであればよい。」
(2-4)「【0040】
これに対して、単粒子化されたバイオポリマーとしては、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸などの単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するものがあげられる。特定の構造の多糖類を産生する微生物種としてはアルカリゲネス属、キサントモナス属、アースロバクター属、バチルス属、ハンゼヌラ属やブルナリア属が知られており、いずれの多糖類を用いても、また混合物になっていてもよい。バイオポリマーに代えてゼラチンやブロックコポリマーを用いてもよい。」
(2-5)「【実施例6】
【0062】
(乳化分散剤として単粒子化されたバイオポリマーを用いた場合)
次に、単粒子化されたバイオポリマーを主成分とする乳化分散剤の実施例を示す。
バイオポリマーとしては、前述した微生物産生の内、アルカリゲネス属の産生する多糖類を用いた。この多糖類は水に分散させると網目構造を形成し、粘稠な液体となるので、網目構造を単粒子化する必要がある。そこで、バイオポリマー水溶液をバイオポリマーの粉体を所定量の水に分散させ、一日放置して膨潤させた後、80℃で30分加熱して調製し、これに尿素を添加してバイオポリマーの水素結合を破壊し、単粒子化を図った。0.1wt%までのバイオポリマーは、4mol/dm^(3)尿素水溶液によって単粒子化させることができた。
【0063】
単粒子化されたバイオポリマーの水分散液が油剤に対して通常の界面活性剤と同様の乳化能があるかどうかを調べるために、炭化水素油のひとつである流動パラフィンを用いてバイオポリマーの分散濃度による乳化能を調べると、表9に示されるようになり、バイオポリマー0.05wt% 水分散液で流動パラフィンを70wt%(水30wt%)まで乳化させることができた。しかも、経日させたところ、溶液の状態に変化は見られず、極めて安定だった。また、バイオポリマー0.04wt%、流動パラフィン30%一定とし、乳化するときの温度を25?75℃まで変化させたが、調製された乳化状態は、どの温度でも安定であった。
・・・
【実施例7】
【0066】
次に、バイオポリマーの濃度を0.04wt%、油剤の濃度を30%で一定とし、油剤の種類を変化させて乳化状態を調べた。結果を表10に示す。ここで用いた油剤は、ヘキサデカン、シリコーン、ミリスチン酸イソプロピル、スクアラン、オリーブオイル、ホホバオイル、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、オレイン酸である。オレイン酸は経日後分離したが、他の油剤は乳化することができた。
【0067】
【表10】

【0068】
以上の結果から、バイオポリマーには優れた乳化能があり、0.04wt%という低濃度においても乳液は安定であることが明らかとなり、バイオポリマーの単粒子が油滴の周りに付着して乳化分散剤相をつくり、エマルション表面で水相?乳化分散剤相?油相の三相を形成したことによるものと考えられる。」
(2-6)「【実施例8】
【0069】
バイオポリマーとして、生物由来の澱粉を用いた場合の例を以下に示す。
澱粉種としては、馬鈴薯澱粉、餅米紛、タピオカ紛(キャッサバ芋紛)を用い、油としては、流動パラフィン、ヘキサデカンを用いた。
乳化剤の調製にあたっては、澱粉を単粒子にするために、水に澱粉を分散させ、攪拌しながら90℃まで加熱した後、室温まで冷却して良好な分散状態とし、この操作により得られた糖ポリマー分散液を用いて乳化剤とした。
また、エマルションの調製にあたっては、室温下にて、単粒子化操作後の澱粉水分散液に対して、油相を添加して攪拌によりエマルションを調製した。
・・・」
(2-7)「【実施例9】
【0073】
バイオポリマーとして、キトサンを用いた場合の例を以下に示す。
油としては、流動パラフィンを用いた。
乳化剤の調製にあたっては、キトサンを単粒子にするために、水にキトサンを分散させ、pH5以下の酸性に調整した。この操作により目視的には透明になり、キトサンは単粒子化され、良好な分散液が得られた。pHを変えてエマルションを調製する場合は、此の後pH調整を行った。
また、エマルションの調製にあたっては、単粒子化操作後のキトサン分散液に対して油相を添加し、攪拌によりエマルションを調製した。
・・・」
(2-8)「【実施例10】
【0076】
バイオポリマーとして、生物由来の多糖類である昆布粉を用いた場合の例を以下に示す。
糖ポリマー成分としては昆布粉に含まれるフコイダンを用いた。
乳化剤の調製にあたっては、フコイダンを単粒子化するために、水に昆布の粉を分散させ、pH5以下の酸性に調整した。
また、エマルションの調製にあたっては、単粒子化操作後の昆布粉分散液に対して油相を添加し、攪拌によりエマルションを調製した。
・・・」
(2-9)「【産業上の利用可能性】
【0084】
香粧品、医薬品、食品、農薬、ペイント、燃料エマルション、土壌改良剤など機能性油性基剤や顆粒微粒子を乳化分散させた乳化製剤ならびに分散液などを利用する用途にも適用可能である。」

(2)引用発明の認定
上記記載事項(2-5)によると、引用文献2の実施例7には、バイオポリマーによってオレイルアルコールを乳化することが記載されており(段落【0066】参照)、得られた乳化物の乳化状態がO/W型であること(【表10】参照)、及び「バイオポリマーの単粒子が油滴の周りに付着して乳化分散剤相をつくり、エマルション表面で水相?乳化分散剤相?油相の三相を形成した」と考えられること(段落【0068】参照)、が示されている。なお、上記実施例7で用いたバイオポリマーの種類は明記されていないが、段落【0066】に「次に、バイオポリマーの濃度を・・・一定とし、油剤の種類を変化させて乳化状態を調べた。」と記載されていることから、実施例6と同じバイオポリマー、すなわち、アルカリゲネス属の産生する多糖類を単粒子化したもの(段落【0062】参照)が用いられていることは明らかである。
そうすると、引用文献2には、「内相はオレイルアルコールを含む油相であり、外相は水相であり、単粒子化されたバイオポリマーとして、アルカリゲネス属の産生する多糖類の粒子を含むO/Wエマルションを含む乳化物」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(3)本願補正発明1について
A.対比
本願補正発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「オレイルアルコール」は、本願補正発明1における「高級アルコール」に相当する。
また、本願補正発明1の「水酸基を有する重縮合ポリマー」について、本願明細書段落【0051】には「水酸基を有する重縮合ポリマーは、・・・天然高分子が好ましく、乳化機能に優れる点で以下に述べる糖ポリマーがより好ましい。」と記載され、同段落【0052】には、「糖ポリマーは、セルロース、デンプン等のグルコシド構造を有するポリマーである。例えば、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するもの、キサンタンガム、・・・等の天然高分子、メチルセルロース、・・・等の合成高分子が挙げられる。」と記載されている。そして、引用発明において「単粒子化されたバイオポリマー」として用いられている「アルカリゲネス属の産生する多糖類の粒子」は、「微生物が産生する」「天然高分子」であり、「糖ポリマー」であるから、本願補正発明1における「水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子」に相当するものといえる。
したがって、上記両発明は次の点で一致し、次の点で相違すると認められる。

<一致点>
「内相は高級アルコールを含む油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含む乳化物。」

<相違点>
相違点1:本願補正発明1においては、内相の油相について、「少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である」と特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。
相違点2:本願補正発明1においては、重縮合ポリマーについて、「フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースの内少なくとも1種類を構成単糖とし、フコースおよび/又はラムノースを側鎖に含む多糖類、および/又は、マンノースおよび/又はグルクロン酸を側鎖に含む多糖類」(「特定構造の多糖類」(2.参照))を除くことが特定されているのに対し、引用発明においては、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」の構造が特定されていない点。
相違点3:本願補正発明1においては、乳化物の用途について、「毛髪に適用される化粧料に用いられる」ことが特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。

B.相違点についての判断
以下、上記相違点1?3について検討する。

ア.相違点1について
引用発明の乳化物について、引用文献2には、段落【0068】に「バイオポリマーの単粒子が油滴の周りに付着して乳化分散剤相をつくり、エマルション表面で水相?乳化分散剤相?油相の三相を形成したことによるものと考えられる。」(上記記載事項(2-5)参照)と記載されていることに加え、段落【0006】に「油/両親媒性化合物/水系の中で独立相として存在する両親媒性化合物のナノ粒子をファンデルワールス力によって油性基剤表面に付着させることで乳化を行なう三相乳化法を見出し・・・本発明を完成したものである。」(上記記載事項(2-2)参照)と記載されている。したがって、引用発明の乳化物は、いわゆる「三相乳化法」によって製造されたものであるといえる。
他方、本願補正発明1について、本願の明細書には、段落【0029】に「本発明では、水相と油相との界面に閉鎖小胞体又は重縮合ポリマーの粒子が介在することで、水と混合された抱水性油剤の室温(具体的には25℃)での固化を抑制して流動状態を実現し、これにより液晶状態を実現させ、また、その過程でファンデルワールス力により抱水性油剤を球状に乳化させるため、リオトロピック球状液晶を形成することができる。この作用効果は、閉鎖小胞体又は重縮合ポリマーの粒子による三相乳化に特有のものであり、従来の界面活性剤では得られないものである。」と記載されており、引用発明と同様に、いわゆる「三相乳化法」によって製造されたものであるといえる。
さらに、両者の具体的な製造方法について検討すると、本願明細書段落【0054】には、本願補正発明1の乳化物が、「両親媒性物質の二分子膜の層状体を水に分散させ、又は水酸基を有する重縮合ポリマーを水中に単粒子化させ、両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は重縮合ポリマーの粒子を含む乳化剤分散液を形成する工程」及び「乳化剤分散液と、抱水性油剤を含む油剤とを、抱水性油剤の融点以上の温度にて混合することで、O/Wエマルションを形成する工程」という二つの工程を有する方法によって製造されることが記載されている。他方、上記記載事項(2-5)によると、引用発明の乳化物の製造方法に関し、引用文献2には、バイオポリマーを単粒子化させたこと(段落【0062】参照)、単粒子化されたバイオポリマーの水分散液を用いたこと(段落【0063】参照)、及び乳化するときの温度として25?75℃を採用したこと(段落【0063】参照)、が記載されている(なお、これらは実施例6についての記載であるが、上記(2)で述べたのと同じ理由により、実施例7(引用発明)においても同様であると解される)。そして、オレイルアルコールの融点は5.5?7.5℃であるので(以下参考文献3参照)、引用発明は、本願明細書段落【0054】に開示された上記二つの工程を有する方法、すなわち、本願補正発明1と同じ方法によって製造されているといえる。
そうすると、本願補正発明1と引用発明は、いずれも三相乳化法を用いて、水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子によって高級アルコールの乳化物を調製している点で共通しているのみならず、その具体的な製造方法も一致しているといえるから、引用文献2には明記されていないものの、引用発明においても、本願補正発明1と同様に、内相の油相の少なくとも一部において、リオトロピック球状液晶が形成されている蓋然性が極めて高いものと認められる。
そして、この点については、平成27年11月12日付けの拒絶理由及び平成28年6月24日付けの拒絶査定においても、原審の審査官より同趣旨の指摘がなされているものの、それに対して審判請求人から特段の反論はなされておらず、むしろ、平成28年1月18日付け意見書においては、「本発明の課題である諸特性は、三相乳化によって油相にリオトロピック球状液晶が形成されることで達成され」る旨が主張されている。
したがって、上記認定を覆すような根拠はなく、上記相違点1は、実質的な相違点であるといえない。

・参考文献3 化学大辞典、第1版第5刷、東京化学同人、1998年6月1日(第374頁「オレイルアルコール」の項目参照)

イ.相違点2について
引用発明において「バイオポリマー」として用いられている「アルカリゲネス属の産生する多糖類」の構造について、引用文献2においては、段落【0040】に「単粒子化されたバイオポリマーとしては、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸などの単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するものがあげられる。特定の構造の多糖類を産生する微生物種としてはアルカリゲネス属、・・・が知られており、いずれの多糖類を用いても、また混合物になっていてもよい。」(上記記載事項(2-4)参照)と記載されているものの、その具体的な構造は明記されていない。
しかしながら、仮に引用発明の「アルカリゲネス属の産生する多糖類」が
上記「特定構造の多糖類」に該当するものであるとしても、引用文献2には、「バイオポリマー」として、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」以外にも、生物由来の澱粉やキトサン等を使用し得ることが記載されており(上記記載事項(2-1)(特に請求項9)、(2-3)参照)、実際に、それらを用いた実施例も示されているのであるから(上記記載事項(2-6)?(2-8)参照)、引用発明において、「バイオポリマー」として、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」に代えて、生物由来の澱粉やキトサン等を用いることは、当業者が容易に想到し得た事項と認められる。

ウ.相違点3について
引用発明の乳化物の用途に関し、引用文献2には、「香粧品」として使用し得ることが記載されている(上記記載事項(2-9)参照)ものの、毛髪に適用される化粧料に用いることは明記されていない。
しかしながら、本願優先日時点において、乳化技術を皮膚や毛髪用の化粧料に適用することは極めて一般的に行われていたことであり(必要であれば、以下の参考文献4の「1.緒言」を参照。)、特に、三相乳化法により調製した乳化物を、皮膚や毛髪用の化粧料に適用し得ることも周知の事項であったものと認められる(必要であれば、以下の参考文献4第4頁Table-1、参考文献5請求の範囲、実施例8等、参考文献6[0060]、[0061]等、参考文献7特許請求の範囲、段落【0009】参照)。
したがって、引用発明の乳化物を、「香粧品」の一種である毛髪化粧料に適用することは、当業者が容易になし得たことである。

・参考文献4 日本化粧品技術者会誌、2010、Vo.44、No.1、p.2-22
・参考文献5 国際公開第2006/028012号
・参考文献6 国際公開第2010/064678号
・参考文献7 特開2007-008901号公報(拒絶理由通知における引用文献3)

C.効果について
本願補正発明1の効果に関し、本願明細書には、段落【0026】に「本発明によれば、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むことで、内相の抱水性油剤がリオトロピック球状液晶を形成し、これにより、乳化物の特性(特に、化粧料に用いられたときの皮膚や毛髪の上でのしっとり感や膜感、皮膚のきめ等)を向上することができる。」と記載されており、実施例において、しっとりさやなめらかさ等の点で、比較例の乳化物よりも優れていることが示されている(段落【0065】?【0080】参照)。
しかしながら、上記比較例の乳化物は、段落【0070】に「重縮合ポリマーの粒子が形成されず」と記載されていることからも明らかなように、三相乳化法によって調製されたものではない。
他方、引用発明の乳化物は、上述のとおり(上記B.ア参照)、三相乳化法によって調製されたものであって、上述のとおり(上記B.ウ参照)、三相乳化法により調製した乳化物を、皮膚や毛髪用の化粧料に適用し得ることは周知の事項であるところ、これらの化粧料がべたつき感やなめらかさ等の点で優れていることもまたよく知られた事項である(必要であれば、参考文献5[0101]、参考文献6[0117]段落、参考文献7段落【0098】参照)。また、抱水性油剤が保湿性等の点で優れた効果を有することも、当業者に自明な事項である(必要があれば、参考文献6段落[0034]参照)。
そうすると、引用発明の乳化物を毛髪化粧料として用いた場合に、保湿性やなめらかさの点で優れた化粧料が得られることは当業者が当然に期待することであって、三相乳化法で調製されていない乳化物を用いた場合よりも、なめらかさ等の点で優れた効果が奏されるとしても、かかる効果を当業者の予測を超える格別なものであるということはできない。
よって、本願補正発明1によって、引用文献2及び技術常識から予測し難い格別な効果が奏されるとは認められない。

D.小括
上記検討のとおり、本願補正発明1は、引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)本願補正発明2について
A.対比
本願補正発明2と引用発明とを対比すると、引用発明における「オレイルアルコール」は、本願補正発明2における「高級アルコール」に相当する。
また、上記(3)A.で述べたのと同様の理由より、引用発明において「単粒子化されたバイオポリマー」として用いられている「アルカリゲネス属の産生する多糖類の粒子」は、本願補正発明2における「水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子」に相当するものといえる。
したがって、上記両発明は次の点で一致し、次の点で相違すると認められる。

<一致点>
「内相は高級アルコールを含む油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含む乳化物。」

<相違点>
相違点1’:本願補正発明2においては、内相の油相について、「少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である」と特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。
相違点3’:本願補正発明2においては、乳化物の用途について、「毛髪に適用される化粧料に用いられる」ことが特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。
相違点4’:本願補正発明2においては、内相の油相について、「平均粒子径が1.0μm以上」であることが特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。

B.相違点についての判断
相違点1’及び相違点3’については、相違点1(上記(3)B.ア参照)及び相違点3(上記(3)B.ウ参照)と同様である。以下、相違点4’について検討する。

引用文献2には、引用発明の乳化物の内相の平均粒子径については明記されていない。
しかしながら、三相乳化法を用いて乳化物を調製した場合の内相の平均粒子径として、「1μm以上」という値は通常のものであると認められる(必要であれば、参考文献6段落[0068]参照)。したがって、三相乳化法を用いて調製されたものである引用発明の乳化物も、その内相の平均粒子径が1μm以上である蓋然性が高いといえる。
また、仮にそうでないとしても、目的に応じて、乳化物の内相の平均粒子径を通常の範囲内で好適化する程度のことは、当業者が適宜なし得る事項に過ぎず、「1μm以上」という範囲に設定することに格別の困難性があったとも認められない。
そして、上記(3)C.で述べたのと同様の理由により、本願補正発明2によって、引用文献2及び技術常識から予測し難い格別な効果が奏されるとも認められない。

C.小括
上記検討のとおり、本願補正発明2は、引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.まとめ
以上より、本件補正のうち請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するから、その他の請求項について検討するまでもなく、本件補正は、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである(上記2.参照)。
また、仮にそうでないとしても、本願補正発明1及び2は、特許出願の際独立して特許を受けることができないから(上記5.参照)、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、いずれにしても、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
上記第2のとおり、本件補正は却下されたので、本願の請求項1?20に係る発明は、平成28年1月18日付けの手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1?20に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められ、そのうち、請求項1及び2に係る発明(以下「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、次のとおりである。

<本願発明1>
内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマー(アルカリゲネス属の産生する多糖類を除く)の粒子を含むO/Wエマルションを含み、皮膚又は毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。

<本願発明2>
内相は高級アルコールを含みかつ少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含み、前記内相の平均粒子径が1.0μm以上であり、皮膚又は毛髪に適用される化粧料に用いられる乳化物。

2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、要するに、本願発明1及び2は、本願の優先日前に頒布された刊行物である下記引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、という理由(理由4)を含むものである。

・引用文献2 特開2006-239666号公報

3.引用文献の記載事項
引用文献2の記載事項は、上記第2の5.(1)にて指摘のとおりである。

4.引用発明の認定
引用発明は、上記第2の5.(2)にて認定のとおりである。

5.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「オレイルアルコール」は、本願発明1における「高級アルコール」に相当する。
また、上記第2の5.(3)A.で述べたのと同様の理由より、引用発明において「単粒子化されたバイオポリマー」として用いられている「アルカリゲネス属の産生する多糖類の粒子」は、本願発明1における「水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子」に相当するものといえる。
したがって、上記両発明は次の点で一致し、次の点で相違すると認められる。

<一致点>
「内相は高級アルコールを含む油相であり、外相は水相であり、自発的に閉鎖小胞体を形成する両親媒性物質により形成された閉鎖小胞体又は水酸基を有する重縮合ポリマーの粒子を含むO/Wエマルションを含む乳化物。」

<相違点>
相違点1’’:本願発明1においては、内相の油相について、「少なくとも一部がリオトロピック球状液晶の状態である」と特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。
相違点3’’:本願発明1においては、乳化物の用途について、「皮膚又は毛髪に適用される化粧料に用いられる」ことが特定されているのに対し、引用発明においては、そのことが特定されていない点。
相違点5’’:本願発明1においては、重縮合ポリマーについて、「アルカリゲネス属の産生する多糖類を除く」を除くことが特定されているのに対し、引用発明においては、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」が用いられている点。

(2)相違点についての判断
相違点1’’及び相違点3’’については、相違点1(上記第2の5.(3)B.ア参照)及び相違点3(上記第2の5.(3)B.ウ参照)と同様である。以下、相違点5’’について検討する。

引用発明においては、「バイオポリマー」として「アルカリゲネス属の産生する多糖類」が用いられているが(上記第2の5.(2)参照)、引用文献2には、「バイオポリマー」として、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」以外にも、生物由来の澱粉やキトサン等を使用し得ることが記載されている(上記記載事項(2-1)(特に請求項9)、(2-3)参照)。そして、実際に、それらを用いた実施例も示されているのであるから(上記記載事項(2-6)?(2-8)参照)、引用発明において、「バイオポリマー」として、「アルカリゲネス属の産生する多糖類」に代えて、生物由来の澱粉やキトサン等を用いることは、当業者が容易に想到し得た事項と認められる。
そして、上記第2の5.(3)C.で述べたのと同様の理由により、本願発明1によって、引用文献2及び技術常識から予測し難い格別な効果が奏されるとも認められない。

(3)小括
上記検討のとおり、本願発明1は、引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.本願発明2について
(1)対比・判断
本願発明2は、本願補正発明2との比較において、乳化物の用途に関する特定事項である「皮膚に適用される化粧料に用いられる」という選択肢を有しないものである(上記第2の1.参照)。すなわち、本願補正発明2は、本願発明2の構成をすべて包含するものであるといえる。
そして、本願発明2の特定事項をすべて含む本願補正発明2が、上述のとおり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである以上、本願発明2も、同様の理由により特許を受けることができないものであるといえる。

(2)小括
上記検討のとおり、本願発明2は、引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明1及び2は、本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-09-20 
結審通知日 2017-09-26 
審決日 2017-10-11 
出願番号 特願2012-64498(P2012-64498)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61K)
P 1 8・ 57- Z (A61K)
P 1 8・ 575- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 泰三中村 俊之  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 関 美祝
安川 聡
発明の名称 乳化物及び乳化物の製造方法  
代理人 林 一好  
代理人 正林 真之  
代理人 林 一好  
代理人 正林 真之  

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