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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1335113
異議申立番号 異議2017-700210  
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-03-02 
確定日 2017-10-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5988571号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5988571号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第5988571号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 【目次】
第1 手続の経緯

第2 訂正請求について
1 訂正の内容
2 訂正の適否
3 まとめ

第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
2 特許異議申立理由の概要
(1)特許異議申立書の理由の概要
(2)特許異議申立人の意見書の概要
3 取消理由の概要
4 甲各号証の記載
(1)甲第1号証
(2)甲第2号証
5 当審の判断
(1)取消理由について
ア 対比
イ 判断
(2)特許異議申立理由について
第4 むすび



第1 手続の経緯
本件特許第5988571号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成23年12月14日に特許出願(特願2011-273498号)したものであって、平成28年8月19日に特許の設定登録がされ、平成29年3月2日にその特許に対し、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、当審により平成29年4月24日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年6月26日付けで意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して、特許異議申立人より同年9月14日付けで意見書が提出されたものである。

第2 訂正請求について
1 訂正の内容
平成29年6月26日付け訂正請求書による本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「所定の遊技を行なう遊技機であって、」と記載されているのを、
「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、
「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、」を加える。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、
「導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、」を加える。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に、
「表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、」を加える。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項1に、
「遊技の結果に応じて遊技価値を付与する遊技価値付与手段」と記載されているのを、
「遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項1に、
「遊技を行なうことで成立する所定の条件が成立したことに基づき前記遊技価値とは異なる特典を付与する特典付与手段」と記載されているのを、
「遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段」に訂正する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出手段の消費電力が所定の値である第1モードと、当該第1モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい第2モードとに切替設定する電力設定手段」と記載されているのを、
「前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段」に訂正する。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、」を加える。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項1に、
「所定の情報を報知する報知手段」と記載されているのを、
「前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段」に訂正する。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、」と記載されているのを、
「前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、」に訂正する。

(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記報知手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには、前記第1モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知する、」と記載されているのを、
「前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、」に訂正する。

(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項1に
「第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、」を加える。

(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、」を加える。

(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、」を加える。

(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、」を加える。

(16)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、」を加える。

(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、」を加える。

(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、」を加える。

(19)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、」を加える。

(20)訂正事項20
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記操作手順報知手段は、前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、」を加える。

(21)訂正事項21
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記電力モード設定手段は、前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、」を加える。

(22)訂正事項22
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手順が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する、」を加える。

(23)訂正事項23
願書に添付した明細書の段落【0006】に、
「 (1) 所定の遊技を行なう遊技機であって、
遊技の結果に応じて遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
遊技を行なうことで成立する所定の条件が成立したことに基づき前記遊技価値とは異なる特典を付与する特典付与手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
所定の演出を行なう演出手段と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である第1モードと、当該第1モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい第2モードとに切替設定する電力設定手段と、
所定の情報を報知する報知手段とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
前記報知手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには、前記第1モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知する。
また、遊技機は、以下の構成を備えるものであってもよい。
所定の遊技を行なう遊技機(たとえば、スロットマシン1、パチンコ遊技機700)であって、
遊技の結果に応じて遊技価値(たとえば、スロットマシン1におけるメダル、パチンコ遊技機700における遊技球)を付与する遊技価値付与手段(スロットマシン1におけるメイン制御部41、パチンコ遊技機700における遊技制御用マイクロコンピュータ7560)と、
遊技を行なうことで成立する所定の条件が成立したことに基づき前記遊技価値とは異なる特典(たとえば、スロットマシン1におけるビッグボーナスに5回入賞または1000ゲーム実行する毎に付与されるコイン、AT制御中に行なわれるナビストック数に関する報知またはプレミア演出、また、パチンコ遊技機700における大当りが5回発生または演出表示装置709において図柄が変動する回数が1000回転に達する毎に付与されるコイン、時短制御中に行なわれる確変潜伏の報知)を付与する特典付与手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)と、
所定の演出(たとえば、スロットマシン1におけるAT制御中の押し順ナビ、パチンコ遊技機700における時短制御中の右打ちナビ)を行なう演出手段(たとえば、スロットマシン1におけるスピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、センターナビLED72L、72C、72R、液晶表示器51、パチンコ遊技機700におけるスピーカ727L、727R、右打ちナビLED740a、740b、740c、740d、740e、演出表示装置709)と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である第1モード(たとえば、通常モード)と、当該第1モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい第2モード(たとえば、小節電モード、中節電モード、大節電モード)とに切替設定する電力設定手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定する。」と記載されているのを、
「 (1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
所定の演出を行なう演出手段と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モ-ドに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、
第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、
前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、
前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、
前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、
前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、
前記操作手順報知手段は、
前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記電力モード設定手段は、
前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する。」に訂正する。

なお、訂正請求書の「7.請求の理由」の欄には、訂正事項23は、訂正前の段落【0006】の記載を
「(1) 各々が・・・制御する。
また、遊技機は、以下の構成を備えるものであってもよい。・・・高い有利度合いを設定する。」
という記載に訂正する旨の説明があるが、訂正請求書に添付された訂正明細書には、当該記載中の「また、」以下の記載が省かれており、訂正請求書の記載内容と、訂正請求書に添付された訂正明細書の記載内容とが矛盾したものとなっている。
ここで、「6.請求の趣旨」には、「特許第5988571号の明細書、特許請求の範囲を本請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求める。」とあることから、当審においては、訂正請求書に添付された訂正明細書の記載内容を優先して、訂正事項23についての訂正後の記載内容を上記のとおり認定した。

2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
上記訂正事項1は、上記訂正事項1による訂正前の「遊技機」を特定するために必要な事項である「所定の遊技を行なう」構成を、
「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能」である構成に訂正することで、上記訂正事項1による訂正前の「所定の遊技を行なう」構成をより具体的に限定し、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、上記訂正事項1は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0026】の「シール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号21)」、「リプa(たとえば、左リール2Lの領域番号20)」、「ベル(たとえば、左リール2Lの領域番号19)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領15域番号18)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号13)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号12)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号11)」、「リプb(たとえば、左リール2Lの領域番号10)」、「ブランク(たとえば、左リール2Lの領域番号7)」、「星7(たとえば、布リール2 Lの領域番号3)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄(ただし、図3では文字のみを表記し、絵柄は省略している)が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。」との記載、段落【0027】の「リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される」との記載、段落【0028】の「各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。」との記載、段落【0041】の「スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。」との記載、段落【0042】の「遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。」との記載、段落【0047】の「そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。」との記載、及び図1、3の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
上記訂正事項2は、「遊技機」が、「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項2は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2は、願書に添付した明細書の段落【0046】の「ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。」との記載、及び図1の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
上記訂正事項3は、「遊技機」が、「導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項3は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項3は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3は、願書に添付した明細書の段落【0157】の「内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せを入賞ラインL1に揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
上記訂正事項4は、「遊技機」が、「表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項4は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項4は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項4は、願書に添付した明細書の段落【0173】の「メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
上記訂正事項5は、訂正事項1に係る訂正により規定された「遊技価値」と、遊技価値付与手段が遊技の結果に応じて付与する遊技価値とが同じ遊技価値であることを明確にするための訂正であるから、訂正事項1により発明特定事項を加えることに伴い、整合をとるために表現を変更したものであるから、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項5は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項5は、願書に添付した明細書の段落【0041】の「スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。」との記載、段落【0042】の「遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。」との記載、段落【0047】の「そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
上記訂正事項6は、「特典付与手段」が、「遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する」構成を有することについて限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項6は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項6は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項6は、願書に添付した明細書の段落【0219】の「スロットマシン1および管理サーバ1200は、2次元コード読み取り機能およびインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介してデータのやり取りを行なうことが可能とされている。」との記載、段落【0235】の「遊技者は、携帯端末1100などを用いてインターネットから管理サーバ1200にアクセスすることにより、その仮想的なコインを用いてサイト内でアバターのアイテムを購入したり音楽や画像などのコンテンツデータを購入したりすることができるようになっている。」との記載、段落【0236】の「なお、このコインは、入賞の発生による遊技結果に応じて払い出されるメダルとは異なり、遊技者の遊技履歴に基づき遊技者に付与されるようになっている。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(7)訂正事項7
ア 訂正の目的について
上記訂正事項7は、「第1モード」を「通常モード」に、「第2モード」を「節電モード」に名称変更することで、モード間の関係性を明瞭にするものである。また、訂正事項7は、「電力設定手段」を「電力モード設定手段」に名称変更するとともに、「電力モード設定手段」が「通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する」ことを規定することで、「電力モード設定手段」の設定の対象が通常モードまたは節電モードであることを明瞭にするものである。
よって、上記訂正事項7は、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項7は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項7は、願書に添付した明細書の段落【0066】の「消費電力を抑えない通常モードと、消費電力を抑えた節電状態となる節電モードとのうちから何れかのモードを選択可能」との記載、段落【0343】の「SA15において、通常モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。」との記載、段落【0345】の「SA17において、選択された節電モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。」との記載、及び図26の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(8)訂正事項8
ア 訂正の目的について
上記訂正事項8は、「遊技機」が、「前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項8は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項8は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項8は、願書に添付した明細書の段落【0382】の「RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する」との記載及び図30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(9)訂正事項9
ア 訂正の目的について
上記訂正事項9は、上記訂正事項9による訂正前の「報知手段」を、訂正後において、「有利度合報知手段」にすることで、「有利度合」を報知するものに限定し、報知の対象となる所定の情報が、「前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報」である点を限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項9は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項9は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項9は、願書に添付した明細書の段落【0264】の「モード選択画面においては、「節電モード」の下方に「節電モードを選ぶとコイン大量GETチャンス!!」の文字画像が表示されている。」との記載、段落【0265】の「このように、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも、コインの付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなることを報知することによって、遊技者に対して節電することによるメリットを把握させることができる。」との記載、及び図19の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(10)訂正事項10
ア 訂正の目的について
上記訂正事項10は、訂正事項7により、「第1モード」を「通常モード」に、「第2モード」を「節電モード」に名称変更したことに伴い、整合をとるために表現を変更したものである。
よって、上記訂正事項10は、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項10は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項10は、上記訂正事項7と整合を取るためのものであるから、上記(7)のウで説明したとおり、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
したがって、上記訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項10は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(11)訂正事項11
ア 訂正の目的について
上記訂正事項11は、訂正事項7により、「第1モード」を「通常モード」に、「第2モード」を「節電モード」に、「電力設定手段」を「電力モード設定手段」に名称変更したこと、及び、訂正事項9により、「報知手段」を「有利度合報知手段」に名称変更したことに伴い、整合をとるために表現を変更したものである。
よって、上記訂正事項11は、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項11は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項11は、上記訂正事項7、9と整合を取るためのものであるから、上記(7)のウ及び上記(9)のウで説明したとおり、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
したがって、上記訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項11は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(12)訂正事項12
ア 訂正の目的について
上記訂正事項12は、「遊技機」が、「第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項12は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項12は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項12は、願書に添付した明細書の段落【0095】の「賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役」との記載及び段落【0096】の「本実施の形態におけるスロットマシンは、図7に示すように、メイン制御部41により、RT1(通常遊技状態)、RT0(高チャンスゾーン)、RT2(高RT)、RT3(低チャンスゾーン)、RT4(内部中RT)、ボーナス状態のうち、何れかに制御される。」、段落【0097】の「RT0とは、RT1よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT2とは、RT0のみから移行可能であり、RT0?4の遊技状態の中で最も再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。」との記載、及び図7の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項12は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(13)訂正事項13
ア 訂正の目的について
上記訂正事項13は、「遊技機」が、「前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段」を含むことを限定することにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
よって、上記訂正事項13は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項13は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項13は、願書に添付した明細書の段落【0339】の「演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、・・・遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理・・・が行なわれる。」との記載及び段落【0376】の「左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項13は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(14)訂正事項14
ア 訂正の目的について
上記訂正事項14は、「遊技機」が有する構成として限定された「導出制御手段」が「前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項14は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項14は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項14は、願書に添付した明細書の段落【0205】の「左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、段落【0217】の「さらに、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1もしくはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1?8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、及び図11の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項14は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(15)訂正事項15
ア 訂正の目的について
上記訂正事項15は、「遊技機」が有する構成として限定された「遊技状態制御手段」が「前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項15は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項15は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項15は、願書に添付した明細書の段落【0137】の「RT2およびRT3の遊技状態ときに取りこぼし出目が導出されると、RT0への制御が作動される。」との記載、段落【0205】の「左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、段落【0217】の「さらに、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1もしくはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1?8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。」との記載、及び図7、11の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項15は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項15は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(16)訂正事項16
ア 訂正の目的について
上記訂正事項16は、「遊技機」が有する構成として限定された「操作手順報知手段」が「前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項16は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項16は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項16は、願書に添付した明細書の段落【0101】の「また、本実施の形態におけるスロットマシン1は、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。本実施の形態においては、RT0およびRT2の遊技状態のみATへの制御が可能となっている。」との記載、段落【0376】の「左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項16は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項16は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(17)訂正事項17
ア 訂正の目的について
上記訂正事項17は、「遊技機」が有する構成として限定された「演出制御手段」が「前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項17は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項17は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項17は、願書に添付した明細書の段落【0381】の「一方、サブ制御部91は、SA41において、AT制御中であると判定したときには、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づく消費電力に応じて、AT制御中においてナビ演出をする演出手段(スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72R)の演出を制御する。」との記載、段落【0382】の「このように、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なAT制御状態であることを条件に、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する。つまり、遊技者により通常モードから節電モードに電力設定を変更していた場合には、AT制御状態であることを条件に、通常モードから節電モードに切替設定する。」との記載、及び図30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項17は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項17は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(18)訂正事項18
ア 訂正の目的について
上記訂正事項18は、「節電モード」に関して、「小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ」ることを限定するものである。
よって、上記訂正事項18は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項18は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項18は、願書に添付した明細書の段落【0266】の「大節電モード、中節電モード、小節電モードの順に、演出手段の消費電力を小さくすることができ節電効果が大きくなっている。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項18は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項18は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(19)訂正事項19
ア 訂正の目的について
上記訂正事項19は、「演出手段」に関して「音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含」むことを限定するものである。
よって、上記訂正事項19は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項19は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項19は、願書に添付した明細書の段落【0033】の「また、前面扉1bの左端、上端、および右端には、それぞれ複数のLEDから構成される枠ナビLED71L、71C、71Rが設けられている。枠ナビLED71L、71C、71Rは、後述するAT制御中に点灯することによってナビ演出を実行する。具体的に、枠ナビLED71Lは、前面扉1bの左端において垂直方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによって3つのストップスイッチ8L、8C、8Rのうちのストップスイッチ8Lの押し順をナビするようになっている。枠ナビLED71Cは、前面扉1bの上端において水平方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによってストップスイッチ8Cの押し順をナビするようになっている。枠ナビLED71Rは、前面扉1bの上端において水平方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによってストップスイッチ8Rの押し順をナビするようになっている。」との記載、段落【0066】の「また、本実施の形態においては、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rなどの演出手段」との記載、段落【0069】の「演出制御基板90には、・・・演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rの駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94・・・など、が搭載されており」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項19は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項19は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(20)訂正事項20
ア 訂正の目的について
上記訂正事項20は、「遊技機」が有する構成として限定された「操作手順報知手段」が、「前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項20は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項20は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項20は、願書に添付した明細書の段落【0284】の「このように、通常モード中においては、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rによるナビ演出が実行されるようになっている。」との記載、段落【0285】の「通常モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、段落【0286】の「図23(a)に示すように、小節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、通常モード中に比べると、スピーカ53、54による音声出力が停止しており、スピーカ53、54における消費電力分が抑えられている。」との記載、段落【0289】の「小節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、段落【0295】の「図24(a)に示すように、中節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、小節電モード中に比べると、枠ナビLED71Lは、構成する複数のLEDのうち、一部(上半分)のLEDのみが点灯して残りの下半分のLEDは消灯している。」との記載、段落【0298】の「中節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、段落【0304】の「図25(a)に示すように、大節電モード中におけるAT制御中のスロットマシンにおいては、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、中節電モード中に比べると、枠ナビLED71Lが消灯しており、枠ナビLED71Lにおける消費電力分が抑えられている。」との記載、段落【0307】の「大節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。」との記載、及び図23?25の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項20は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項20は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(21)訂正事項21
ア 訂正の目的について
上記訂正事項21は、「電力モード設定手段」に関して、「前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定」することを限定するものである。
よって、上記訂正事項21は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項21は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項21は、願書に添付した明細書の段落【0349】の「サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定変更処理を実行することにより、AT制御中におけるナビ演出においてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を間違えた場合にナビ演出を行なう演出手段の簡素化を軽減する。」との記載、段落【0353】の「サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役ではないと判定したときには、電力設定変更処理を終了する。一方、サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役であると判定したときには、SA35において、現在の電力設定は節電モード中か否かを判定する。」との記載、段落【0354】の「サブ制御部91は、SA35において、現在の電力設定は節電モード中であると判定したときには、SA36において、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更して電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。つまり、現在の節電モードが大節電モードに設定されていれば、中節電モードに設定変更する。また、現在の節電モードが中節電モードに設定されていれば、小節電モードに設定変更する。また、現在の節電モードが小節電モードに設定されていれば、通常モードに設定変更する。その後、サブ制御部91は、電力設定変更処理を終了する。」との記載、及び図28、30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項21は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項21は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(22)訂正事項22
ア 訂正の目的について
上記訂正事項22は、「遊技機」が有する構成として限定された「演出制御手段」が、「前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する」ことを限定するものである。
よって、上記訂正事項22は、特許法第120条の5第2項但し書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項22は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項22は、願書に添付した明細書の段落【0339】の「演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態などに応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理、および各種演出手段による消費電力を設定するための消費電力設定処理が行なわれる。」との記載、段落【0349】の「サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定変更処理を実行することにより、AT制御中におけるナビ演出においてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を間違えた場合にナビ演出を行なう演出手段の簡素化を軽減する。」との記載、段落【0353】の「サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役であると判定したときには、SA35において、現在の電力設定は節電モード中か否かを判定する。」との記載、段落【0354】の「サブ制御部91は、SA35において、現在の電力設定は節電モード中であると判定したときには、SA36において、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更して電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。」との記載、段落【0379】の「サブ制御部91は、AT制御処理に含まれる電力設定反映処理を行なうことにより、AT制御中においてRAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する。」との記載、段落【0381】の「一方、サブ制御部91は、SA41において、AT制御中であると判定したときには、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づく消費電力に応じて、AT制御中においてナビ演出をする演出手段(スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72R)の演出を制御する。」との記載、及び図28、30の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項22は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項22は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(23)訂正事項23
ア 訂正の目的について
上記訂正事項23は、上記訂正事項1?22に係る訂正により、願書に添付した明細書の段落【0006】の記載が【請求項1】の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項23は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項23は、願書に添付した明細書の段落【0006】の記載を、請求項1の記載と整合を取るためのものであるから、上記(1)?(22)のウで説明したとおり、願書に添付した明細書中の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。
したがって、上記訂正事項23は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項23は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(24)小括
訂正事項1?4、6、8?9、12?22は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5?6項の規定に適合するものである。
また、訂正事項5、7、10?11、23は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5?6項の規定に適合するものである。

3 まとめ
上記1、2において検討したとおりであるから、本件特許の請求項1についての訂正を認める。

第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
本件特許の訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1をA?Yに分説した。)。

(本件訂正発明)
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B 遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
C 表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
D 導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
E 表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
F 遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
G 遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段と、
H 前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
I 所定の演出を行なう演出手段と、
J 前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
K 前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
L 前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段とを備え、
M 前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モ一ドに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
N 前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、
O 第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、
P 前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、
Q 前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、
R 前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、
S 前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、
T 前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、
U 前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
V 前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、
W1 前記操作手順報知手段は、
前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
W2 前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
W3 前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
W4 前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
X1 前記電力モード設定手段は、
前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、
X2 前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、
X3 前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、
Y 前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する、遊技機。」

2 特許異議申立理由の概要
(1)特許異議申立書の理由の概要
異議申立人により、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)に対して、証拠として甲第1?2号証を提示し、本件特許発明は、甲1発明に甲2号証に示された周知の技術事項を適用することにより当業者が容易になし得たものである旨の特許法第29条第2項に係る特許異議の申立てがなされた。

<証拠方法>
甲第1号証:特開2009-247543号公報
甲第2号証:特開2009-219616号公報

(2)特許異議申立人の意見書の概要
特許異議申立人は、平成29年9月14日付けの意見書において、証拠方法として甲第3?5号証を提出し、本件訂正発明について、以下のとおり主張している。
「訂正発明は、甲1号証及び甲第2号証に記載の事項に対して、甲第3号証と甲第4号証と甲第5号証に記載の事項を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。すなわち、訂正発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反している。
よって、訂正発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。」

<証拠方法>
甲第3号証:特開2011-167455号公報
甲第4号証:特開2010-35913号公報
甲第5号証:特開2011-234965号公報

3 取消理由の概要
特許異議申立人による、特許異議の申立書の提出を受け、当審により、平成29年4月24日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
本件特許発明は、甲1?甲2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

4 甲各号証の記載
(1)甲第1号証
甲第1号証(特開2009-247543号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0039】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板144が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板144を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板144が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、遊技機100で消費した電力に関する情報を遊技者に表示する情報表示装置160、音声を出力するスピーカ145,145、LEDを備える枠装飾装置141、遊技機100の電力状態を切り替えるための切換ボタン146が設けられている。」

イ 「【0042】
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,・・・が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。」

ウ 「【0049】
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0050】
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特図記憶表示器にて表示されるようになっている。
【0051】
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム42a(図8などに図示)が実行されるようになっている。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器9の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して変動表示装置41の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機に特図表示器9を備えずに、変動表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0052】
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、遊技に関する画像として飾り特図変動表示ゲーム42aの画像(数字や文字、記号などの識別情報)、演出のためのキャラクタや図柄、背景画像などを表示する変動表示装置41が配されるようになっている。この変動表示装置41は、例えば、液晶表示装置41a(図2に図示)を備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、変動表示装置41は、液晶表示装置を備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
・・・
【0054】
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置によって排出される(払い出される)ようになっている。」

エ 「【0064】
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。遊技制御装置30の遊技用マイクロコンピュータ31では、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0065】
また、普通変動入賞装置7に備えられた始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、この結果を始動記憶として記憶する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置40に出力する。そして、特図表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が変動表示ゲーム(補助ゲーム)を実行する補助ゲーム実行手段をなす。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、変動表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム42aを表示する処理や、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置141や遊技盤1に設けられた装飾用の各種LED43を制御する処理、可動演出装置の可動モータ44を動作する処理を行う。」

オ 「【0068】
次に、以上のような構成を有する遊技機100での電力状態の制御に関する処理について説明する。本実施形態の遊技機100には、上述したように、遊技機100に設けられた遊技の制御のための装置や、遊技に関わる演出を行うための装置など電力を必要とする装置であって、例えば、スピーカ145,157や各種LED43、変動表示装置41や、これらを制御するための制御装置(遊技制御装置30、演出制御装置40)として複数の電気的装置が設けられている。そして、これらの電気的装置の電力状態として、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と、該通常電力状態よりも前記電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)と、の何れかのモード(電力状態)で制御し、遊技を行うことができるようになっている。さらに、情報表示装置160に消費した電力に関する情報を表示し、遊技者に見せることができるようになっている。
・・・
【0070】
次に、この情報表示装置160に電力に関する情報を表示するための処理について説明する。演出制御装置40では、モード(電力状態)を設定するための処理であるモード設定処理が行われるようになっている。図4に示すように、このモード設定処理では、まず、切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)を行う。この切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)では、切替SW146が操作されたかが判定される。この切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)において、切替SW146がオンでない場合(ステップS1;No)、すなわち切替SW146が操作されていない場合は、モード設定処理を終了する。また、切替SW146がオンであるか否かの判定(ステップS1)において、切替SW146がオンである場合(ステップS1;Yes)、すなわち切替SW146が操作された場合は、現在のモードが通常モードであるか否かの判定(ステップS2)を行う。
【0071】
現在のモードが通常モードであるか否かの判定(ステップS2)において通常モードである場合(ステップS2;Yes)は、省エネモードを設定する処理(ステップS3)を行う。この省エネモードを設定する処理(ステップS3)で省エネモードを設定することにより、後述するモード切替処理において省エネモードに対応した処理がなされるようになる。そして、省エネモードを設定する処理(ステップS3)を行った後、モード切替報知処理(ステップS5)を行って、モード設定処理を終了する。また、現在のモードが通常モードであるか否かの判定(ステップS2)において通常モードでない場合(ステップS2;No)、すなわち、現在のモードが省エネモードである場合は、通常モードを設定する処理(ステップS4)を行う。この通常モードを設定する処理(ステップS4)で通常モードを設定することにより、後述するモード切替処理において通常モードに対応した処理がなされるようになる。そして、通常モードを設定する処理(ステップS4)を行った後、モード切替報知処理(ステップS5)を行って、モード設定処理を終了する。すなわち、切替SW146が、遊技者が操作可能な切替操作手段をなし、演出制御装置40が切替操作手段の操作に基づき電力状態を切り替える第1切替手段をなす。」

カ 「【0081】
図7に示すように、省エネモード時処理では、まず、枠装飾装置141や遊技盤1に設けられた装飾用の各種LED43を消灯する処理(ステップS40)を行い、遊技の演出に対応した各種LED43の点灯を不能とする。その後、スピーカ145,157のボリュームを最小にする処理(ステップS41)を行い、変動表示コマンドがあるか否かの判定(ステップS42)を行う。すなわち、電気的装置をなす各種LED43、スピーカ145,157の状態を、消費電力を低減する状態とする。」

キ 「【0085】
また、リーチ状態とは、変動表示装置41の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
・・・
【0087】
ここで、特定のリーチ態様とは、例えば、複数種類のリーチ態様のうち、それが発生すると大当たりとなる可能性の高い(信頼度の高い)リーチ態様であって、いわゆるスーパーリーチ、スペシャルリーチ、プレミアリーチと呼ばれるリーチである。」

ク 「【0092】
以上のことから、演出制御装置40が、遊技中の電力状態を、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と、該通常電力状態よりも電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)と、の何れかの電力状態で制御を行う電力制御手段をなす。
・・・
【0094】
なお、電気的装置としての各種LED43、スピーカ145,157の消費する電力を低減するようにしたが、その他の電気的装置である可動演出装置の可動モータ44、液晶表示装置41a、遊技制御装置30、演出制御装置40などの消費する電力も低減するようにしても良い。」

ケ 「【0122】
次に、上述した実施形態の遊技機の第二変形例について図15,16を参照して説明する。なお、基本的には上述の実施形態の遊技機100と同様の構成を有しており、同様の構成や処理には同じ符号を付して詳細な説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、省エネモード(省電力状態)において、消費電力の低減の対象とする電気的装置を選択可能とされている。
【0123】
本変形例の遊技機は、遊技者が操作可能な箇所に選択SW147を備えており、この選択SW147の操作に基づく信号が、図15に示すように、演出制御装置40に入力されるようになっている。選択SW147は、例えば、選択ボタンと決定ボタンとを備え、変動表示装置41に表示される選択画面を用いて遊技者の選択操作を可能とするものである。すなわち、選択SW147が、遊技者が操作可能な選択操作手段をなす。
【0124】
このような遊技機においては、図16に示すように、演出制御装置40において消費電力の低減の対象とする電気的装置を選択する省エネ対象選択処理を行うようになっている。この省エネ対象選択処理では、まず、選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)を行う。この選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)では、選択SW147が操作されたかが判定される。選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)において、選択SW147がオンでない場合(ステップS90)は、省エネ対象選択処理を終了する。また、選択SW147がオンであるか否かの判定(ステップS90)において、選択SW147がオンである場合(ステップS90;Yes)は、枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)を行う。
【0125】
枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)では、選択SW147の操作により、クリア部材保持枠140に設けられた枠装飾装置141のLEDである枠LED43aの消灯が選択されたかを判定する。枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)において、枠LED43aの消灯が選択された場合(ステップS91;Yes)は、枠LED43aを消灯する処理(ステップS92)を行い、盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)を行う。また、枠LED43aの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS91)において、枠LED43aの消灯が選択されていない場合(ステップS91;No)は、盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)を行う。
【0126】
盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)では、選択SW147の操作により、遊技盤1に設けられた装飾用のLEDである盤LED43bの消灯が選択されたかを判定する。盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)において、盤LED43bの消灯が選択された場合(ステップS93;Yes)は、盤LED43bを消灯する処理(ステップS94)を行い、スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)を行う。また、盤LED43bの消灯が選択されたか否かの判定(ステップS93)において、盤LED43bの消灯が選択されていない場合(ステップS93;No)は、スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)を行う。
【0127】
スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)では、選択SW147の操作により、スピーカ音の低減が選択されたかを判定する。このスピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)において、スピーカ音の低減が選択された場合(ステップS95;Yes)は、スピーカ145,157のボリュームを最小にする処理(ステップS96)を行い、省エネ対象選択処理を終了する。また、スピーカ音の低減が選択されたか否かの判定(ステップS95)において、スピーカ音の低減が選択されていない場合(ステップS95;No)は、省エネ対象選択処理を終了する。
【0128】
以上のような処理により、遊技者の好みに応じた省エネモードを実現でき、遊技者が節電に協力しやすくすることができる。また、電力の節約とともに遊技者にとって必要のない(うるさい、目に刺激が強すぎる等)演出を控えるようにすることもでき、快適に遊技することができるようになる。すなわち、演出制御装置40が、省エネモードにおいて消費電力の低減の対象とする電気的装置を選択する選択手段をなす。」

コ 「【0133】
図18には、各電力状態でのリーチ選択確率を示した。このリーチ選択確率とは、変動表示ゲームがリーチ状態となる場合において、各リーチ態様(リーチパターン)が選択される確率である。なお、本変形例の遊技機では、演出内容などが異なるリーチ態様として、リーチA、リーチB、リーチC、リーチDの四種類が設定されている。
【0134】
通常モード時では、各リーチ態様が選択された場合の変動表示ゲームが大当たりとなる可能性(信頼度)は、リーチAが最も低く、リーチB、リーチC、リーチDの順に高くなるようになっている。よって、通常モード時では、信頼度の高いリーチCやリーチDが出現することで、遊技者の大当たりへの期待感が高められるようになっている。また、リーチAの選択確率は45%、リーチBの選択確率は35%、リーチCの選択確率は15%、リーチDの選択確率は5%とされている。すなわち、信頼度の高いリーチCやリーチDはなかなか出現しないリーチ態様となっている。
【0135】
これに対して、省エネモード時では、リーチAの選択確率が20%、リーチBの選択確率が20%、リーチCの選択確率が25%、リーチDの選択確率が35%となっている。すなわち、通常モードではなかなか出現しないリーチCやリーチDの選択確率が高められている。これにより、省エネモードとして節電に協力した遊技者に対して普段出現し難いリーチを見られるようにすることができ、興趣の高い遊技が行えるようにすることができるので、省電力状態で遊技することに対する動機付けとすることができる。
【0136】
以上のことから、電力状態に基づいて、複数種類のリーチ状態の選択確率を設定する確率設定手段(演出制御装置40)を備えたこととなる。」

サ 「【0160】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、スロットマシンなどの全ての遊技機に適用可能である。」

シ 上記ア?サの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。a?vは、本件訂正発明の分説(A?V)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。
「a 複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示する変動表示装置41を備え(段落【0051】)、
b 第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると特図変動表示ゲームを開始可能とし、識別情報を変動表示したのち、変動表示装置41の変動表示を停止して特図変動表示ゲームの結果を表示し、変動表示装置41の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態となる遊技機100(段落【0039】、【0049】?【0051】)であって、
d 特図変動表示ゲームの結果を表示するに先だって、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う遊技制御装置30(段落【0051】、【0064】?【0065】)と、
e 特図変動表示ゲームの結果を表示する処理を行う演出制御装置40と、を有し(段落【0051】、【0065】)、
f 遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能し、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放する1ラウンドを、所定ラウンド回数継続する制御を行い、特別変動入賞装置10等の入賞口に入賞すると、所定数の賞球を排出装置によって排出される(払い出される)特別遊技状態を発生させ(段落【0054】、【0066】)、
g 演出制御装置40は信頼度の高いリーチを変動表示装置41に表示させ(段落【0085】、【0087】)、
h 演出制御装置40は、複数種類のリーチ状態の中から信頼度の高いリーチDが選択されるリーチ選択確率を設定する確率設定手段であり(段落【0133】?【0136】)、
i 遊技に関わる演出を行うための電気的装置を有し(段落【0068】)、
j 演出制御装置40は、電気的装置の電力状態として、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と通常電力状態よりも前記電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)のいずれかにモードを設定する第1切替手段であり(段落【0068】、【0070】?【0071】)、
k 演出制御装置40は、遊技中の電力状態を、電気的装置の消費電力の低減を行わない通常モード(通常電力状態)と、該通常電力状態よりも電気的装置の消費電力を低減する省エネモード(省電力状態)と、の何れかの電力状態で制御を行う電力制御手段であり(段落【0092】)、
m 演出制御装置40は、節電モードに設定されたときには通常モードに設定されたときよりも信頼度の高いリーチDの選択確率を高め(段落【0133】?【0136】)、
u 演出制御装置40により設定される省エネモードには、枠LED43a、盤LED43b、及びスピーカ145,157のうち全てを省エネモードにおいて消費電力の低減の対象とする省エネモードと、そのうち2つを消費電力の低減の対象とする省エネモードと、そのうち1つを消費電力の低減の対象とする省エネモードがあり(段落【0122】?【0128】)、
v 遊技に関わる演出を行うための電気的装置には、枠LED43a、盤LED43b、及びスピーカ145,157、液晶表示装置41aがある、遊技機100(段落【0068】、【0094】)」

(2)甲第2号証
甲第2号証(特開2009-219616号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0122】
さらに、上述した3種類(通常モード、確変モード、時短モード)の遊技モードの他に、本実施形態における要旨といえる複数種類の損失補填モードが設けられている。これら複数種類の損失補填モードは、詳細は後述の損失補填制御処理(図13、図14参照)で説明するが、遊技者が選択手段である発射ハンドル26に設けたボタン決定ボタン27a,キャンセルボタン27b、回転キー27c(図3参照)において、所定の操作を行なうことで選択される。」

イ 「【0156】
ステップS62においては、メインCPU66は、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、液晶表示装置32にデモ表示(図19参照)を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。
【0157】
本実施形態におけるデモ表示では、例えば、図19(a)に示すように、表示領域32aにデモ表示画像101を表示するようにしており、デモ表示画像101の説明としては、図19(b)に示すように、発射ハンドルの画像、「決定ボタンとキャンセルボタンの同時押しにより損失補填モードが設定できます。」「損失補填モードを設定すると、(1)所定数の遊技球が賞球より徴収されます。(2)所定期間の可変表示ゲームを消化しても大当たり遊技に当選しなかった場合、所定数の遊技球が払い出されます。」が表示される。すなわち、初めて損失補填モードを利用するような遊技者がはやく理解できるようにデモ表示の説明を行うようにしている。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。」

(3)甲第3号証
甲第3号証(特開2011-167455号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0325】
本実施例のサブCPU91aは、予め定められた達成条件が成立したことを条件にポイントを付与し、10ポイント獲得する毎にレベルを加算するようになっている。そしてレベルの値が一定値を超える毎に、実行される可能性のある演出の種類数を増加させるようになっている。詳しくは、レベル1?10の場合に用いる演出テーブル1、レベル11?20の場合に用いる演出テーブル2、レベル21以上の場合に用いる演出テーブル3を備えており、演出テーブル2には、演出テーブル1に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル3には、演出テーブル1、2に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1、2に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル1?3のうち現在のレベルに応じた演出テーブルを用いて演出パターンを選択することにより、レベルが10を超えた場合、20を超えた場合にそれぞれ演出パターンが増加することとなる。」

イ 「【0330】
ポイントが付与される達成条件としては、例えば、図29に示すように、特別役の当選可能性を示す連続演出が実行され、かつ特別役が当選した場合または外れた場合、ボーナス確定画面が表示された場合などが定められており、各達成条件の難易度、現在のレベル、ゲームを開始してからのゲーム数に応じて付与されるポイント数が定められ、達成条件が成立した時点の状況に応じたポイント数が付与されることとなる。
・・・
【0334】
また、同じ達成条件が成立した場合でも、0?499Gと、500?699Gと、700G以上と、で付与されるポイントが異なり、ゲーム数が多いほどより多くのポイントが付与されるようになっている。
【0335】
また、レベルの値が一定の値を超える毎に、付与されるポイントが少なくなり、付与されるポイントは少なくなる。詳しくは、レベル10が超えた場合、レベルが20を超えた場合に、それぞれ付与されるポイントが減少するようになっており、達成条件によっては、ポイントが付与されなくなる。このため、レベルが一定の値を超える毎に、さらなるレベルの上昇が困難となる。」

ウ 「【0366】
次に、本発明の管理装置の一例である管理サーバ1000について説明すると、管理サーバ1000は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末1001からアクセス可能とされており、遊技実績の管理、パスワードの発行や配信、特典の付与などを行う。
【0367】
管理サーバ1000は、遊技者の遊技実績を管理する遊技者データベース及び遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベースを備えている。
【0368】
遊技者データベースは、図33(a)に示すように、遊技者を識別可能な遊技者IDに対応して、現在のステータス(待機中、遊技中)、鍵データ(ステータスが遊技中の場合)、発行中の鍵データの発行日時、アクセス数(パスワードの発行回数)、ゲーム数、BB回数、RB回数、レベル、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)、演出設定1?5の設定内容が格納されている。
・・・
【0370】
特典データベースは、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データの格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値が格納されている。条件の種別としては、レベル、ミッションの達成率、ゲーム数、BB回数、RB回数などが設定可能であり、その種別に応じた条件値が設定可能とされている。」

エ 「【0420】
次に、特典を付与する際の管理サーバ1000の動作を、図35に基づいて説明する。
【0421】
携帯端末から特典要求がなされると、管理サーバ1000は、特典要求を行った遊技者の遊技者IDに基づいて遊技者データベースから当該遊技者の遊技実績を取得する。
【0422】
次いで、特典データベースの条件種別及び条件値と、遊技者データベースから取得した遊技実績と、に基づいて付与条件を満たす特典データを抽出し、特典リストを作成して特典要求を行った携帯端末1001に対して配信する。
【0423】
特典リストを取得した携帯端末1001にて特典リストから所望の特典を選択すると、選択した特典種別を示すデータが管理サーバ1000に対して送信され、これを受けて管理サーバ1000では、特典種別に該当する特典データの格納場所から抽出し、抽出した特典データを特典要求を行った携帯端末1001に対して配信し、これに基づいて特典要求を行った遊技者が特典データを取得することとなる。」

(4)甲第4号証
甲第4号証(特開2010-35913号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0025】
特別図柄変動待ち状態であって、遊技球が発射されていない状態が30秒間継続すると、主制御基板100から演出画像制御基板300及び電飾音声制御基板400に客待ち状態にある時に、遊技者が演出スイッチ14を押圧すると、液晶表示器38には図4に示すように、モード選択画面38aが表示され、通常は通常モードに設定されたパチンコ遊技機1の消費電力モードを、選択スイッチ13の操作で遊技者の好みのモードに選択できるようになっている。選択スイッチ13の左側を押圧すると、選択していることを示す矩形枠38bの位置が1回押圧する毎に、「通常モード」から「一般エコモード」、「一般エコモード」から「達人エコモード」、「達人エコモード」から「通常モード」に移動し、選択したモードが矩形枠38bに囲まれている期間中に演出スイッチ14を押圧すると、選択したモードに切り換え設定される。なお、客待ち状態下での選択スイッチ13の押圧操作で開始される選択過程には制限時間が設けられており、所定時間内に次のステップへ進む操作が行われないときは、選択過程は中断され、開始前に設定されていた既定のモードが継続される。このため電源投入時には通常モードに設定されているため、電源投入されてから1回もモード選択が完結していなければ通常モードが継続される。」

イ 「【0027】
モード選択画面で、一般エコモード、或いは、達人エコモードを選択した場合の、内枠4及び遊技盤7に設けられた飾りLEDによる消費電力の変化について説明する。表2の一般エコモード切り換えによる消費電力の減少度合いは2段階あり、異なるデューティー比での電流制御によって省電力A設定と省電力B設定に区分される。省電力A設定されるのは、内枠4に設けられた飾りLEDと、遊技盤7に設けられた飾りLEDのうち、点灯時間が長い設定されているセンター左上飾りLED71とセンター右上飾りLED72とセンター中飾りLED73とセンターST飾りLED76とセンター左飾りLED77と普通電動役物飾りLED64であり、省電力A設定よりもさらに消費電力を抑えた省電力B設定されるのは、遊技者が着目する液晶表示器38の周囲から外れたセンター右飾りLED75と右袖飾りLED78と左袖飾りLED79が対象となる。そして、大当たりの信頼度報知をするセンター可動飾りLED74と、大入賞口37が開放された時に点灯する大入賞口飾りLED65は、常時点灯するものではなく、特定の遊技状態になった場合に点灯するものであるため、省電力効果も少ないので、通常設定どおりとする。そして、達人エコモードを選択した場合は、全ての飾りLEDが省電力Bに設定される。」

ウ 「【0032】
図6及び図7は、パチンコ遊技機1全体としてモード違いによる飾りLEDの発光レベルを比較した図であり、図6は表2に示した通常モード・一般エコモードA・達人エコモードAに対応した図であり、図7は表3に示した通常モード・一般エコモードB・達人エコモードBに対応した図となる。なお2種類の事例に対して、一般エコモード・達人エコモードにはそれぞれ「A」「B」を便宜上付してある。
・・・
【0034】
ここで、電飾音声制御基板400でのモード選択処理を図8を用いて説明する。まずは、所定時間、例えば30秒間、客待ち状態が継続しているか否かを判定し、遊技球が発射されていたり、図柄が変動していたりして遊技が行われていて客待ち状態にはないと判定されれば(S1がno)、或いは、客待ち状態にあっても(S1がyes)演出スイッチ14が押圧されなければ(S2がno)、モード選択を可能とする環境にはないとしてモード選択処理から抜ける。演出スイッチ14が押圧されると(S2がyes)液晶表示器38に図4に示したようにモード選択画面38aが表示され(S3)、選択スイッチ13が押圧されれば(S4がyes)選択スイッチ13の操作回数に応じて矩形枠38bが移動することで選択するモード候補の表示が行われる(S5)。そのモード候補表示が行われている状態で演出スイッチ14が押圧されれば(S6がyes)矩形枠38bに囲まれたモードを選択したとして設定される(S7)。但し、モード選択画面38aが表示(S3)されても、所定時間内に選択スイッチ13が押圧されなければ(S4がno)及び選択するモード候補が表示(S5)されても、所定時間内に確定の意志表示である演出スイッチ14が押圧されなければ(S6がno)であれば、電源投入後であれば通常モードに、それ以降にモード選択が行われていれば今回の選択操作開始時点で選択されていた既定のモードを継続することになる。
・・・
【0037】
遊技者が操作可能なスイッチを備えたパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機などの遊技機において好適である。」

(5)甲第5号証
甲第5号証(特開2011-234965号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0100】
有利RTは、再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、準備モードおよび通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、不利RTは、所定回数(たとえば32)ゲーム消化するかあるいはボーナス当選するまで他の遊技状態に制御されずかつ有利RTに直接制御されることがない点において、通常遊技状態よりも遊技者にとって不利な状態といえる。」

イ 「【0135】
なお、リプGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+転落リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、および転落リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。リプGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、および制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
・・・
【0138】
遊技状態が有利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。」

ウ 「【0153】
以上より、準備モード、通常遊技状態、不利RT、有利RT、および内部中RT各々における、いずれかのリプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
準備モードであるときのリプレイ当選確率・・・・ 9000/65536
通常遊技状態であるときのリプレイ当選確率・・・ 9000/65536
不利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・ 9000/65536
有利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・41000/65536
内部中RTであるときのリプレイ当選確率・・・・38000/65536
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、有利RTおよび内部中RTであるときに、準備モード、不利RT、および通常遊技状態であるときよりも高くなるように設定されている。このため、有利RTおよび内部中RTは、準備モード、不利RT、および通常遊技状態であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。」

エ 「【0256】
[AT制御処理]
AT制御処理では、AT当選フラグが設定されているときに、通常遊技状態への制御が開始されることにより、演出状態をATに制御する。ATに制御されると、後述するように、後述するように、たとえば、ナビ対象役に当選したときにナビ演出が実行される。たとえば、ATに制御されると、昇格リプレイや転落リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるために、遊技者は意図的に有利度合いが高い図柄の組合せ(本実施の形態では昇格リプレイ)を停止させることが可能となる。よって、ナビ演出にしたがい停止操作することにより、通常遊技状態から有利RTに制御させることができるとともに、有利RTを維持することができる。
・・・
【0259】
有利RTにおいてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、ペナルティとしてAT当選フラグを消去してATを終了させて、その後AT抽選で当選するまでATに制御されない。なお、有利RTにおいてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、当該不利RTにおいてもATに制御してナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合、その後、不利RTから通常遊技状態を介して、再び有利RTに制御されることとなるが、本実施の形態においては、この不利RTおよび通常遊技状態における純増枚数については、純増枚数特定用情報に反映させてもよく、また、反映させないようにしてもよい。」

オ 「【0266】
ナビ演出実行処理では、AT中においてナビ対象役に当選したと判定されたときに、該当選したナビ対象役に対応するナビ演出が実行される。より具体的には、AT中においてナビ対象役を含む、リプGR1やリプGR2に当選したと判定されたときや、左押しブドウ1?右押しブドウ2に当選したと判定されたときに、遊技者にとって有利となる図柄組合せ(昇格リプレイ、ブドウ)を停止させるための操作手順を報知するナビ演出が実行可能となる。これにより、AT中であるときには、意図的に当選した昇格リプレイあるいはブドウを入賞させることができ、かつ転落リプレイ入賞を回避させることができる。」

5 当審の判断
(1)取消理由について
ア 対比
本件訂正発明と甲1発明とを対比する。
本件訂正発明と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「変動表示装置41」、「遊技機100」、「遊技制御装置30」、「演出制御装置40」、「確率設定手段」、「電気的装置」、「第1切替手段」及び「電力制御手段」は、それぞれ、本件訂正発明の「可変表示部」、「遊技機」、「事前決定手段」、「導出制御手段」、「有利度合設定手段」、「演出手段」、「電力モード設定手段」及び「演出制御手段」に相当する。
また、甲1発明の「所定数の賞球」、「遊技制御装置30」は、本件訂正発明の構成Fの「遊技価値」、「遊技価値付与手段」に相当する。
また、甲1発明の「枠LED43a、盤LED43b、及びスピーカ145,157のうち全てを省エネモードにおいて消費電力の低減の対象とする省エネモード」、「そのうち2つを消費電力の低減の対象とする省エネモード」及び「そのうち1つを消費電力の低減の対象とする省エネモード」は、それぞれ、本件訂正発明の構成Uの「大節電モード」、「中節電モード」及び「小節電モード」に相当する。
したがって、甲1発明の構成a、d?f、h?k、m、u、vは、それぞれ、本件訂正発明の構成A、D?F、H?K、M、U、Vに相当する。
甲1発明の構成bは、本件訂正発明の構成Bと、「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機」で共通する。
また、甲1発明の構成gの「信頼度の高いリーチを変動表示装置41に表示させる」「演出制御装置40」は、本件訂正発明の構成Gと、「特典を付与する付与手段」で共通する。
よって、本件訂正発明と甲1発明とは、
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B’ 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
D 導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
E 表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
F 遊技の結果に応じて遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
G’特典を付与する特典付与手段と、
H 前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
I 所定の演出を行なう演出手段と、
J 前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
K 前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
M 前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モ一ドに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
U 前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
V 前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含む、遊技機。」
(構成A、B’、D?F、G’、H?K、M、U、Vを備える)の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
構成Bに関し、本件訂正発明は、「遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能と」するのに対して、甲1発明は、「第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると特図変動表示ゲームを開始可能と」する点。

[相違点2]
本件訂正発明は、「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段」(構成C)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Cを備えない点。

[相違点3]
構成Gに関し、本件訂正発明は、「遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段」であるのに対し、甲1発明の「特典付与手段」はそのような構成を有しない点。

[相違点4]
本件訂正発明は、「前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段」(構成L)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Lを備えない点。

[相違点5]
「前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知」する構成(構成N)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Nを備えない点。

[相違点6]
本件訂正発明は、「第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段」(構成O)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Oを備えない点。

[相違点7]
本件訂正発明は、構成Cを備えることに加えて、「前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段」(構成P)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Pを備えない点。

[相違点8]
本件訂正発明は、構成Cを備えることに加えて、「前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出」する構成(構成Q)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Qを備えない点。

[相違点9]
本件訂正発明は、構成C、O、P、Qを備えることに加えて、「前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御」する構成(構成R)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Rを備えない点。

[相違点10]
本件訂正発明は、構成C、Pを備えることに加えて、「前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知」する構成(構成S)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Sを備えない点。

[相違点11]
本件訂正発明は、構成C、Pを備えることに加えて、「前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御」する構成(構成T)を備えるのに対し、甲1発明は、構成Tを備えない点。

[相違点12]
本件訂正発明は、構成C、Pを備えることに加えて、W1?W4を備えるのに対し、甲1発明は、構成W1?W4を備えない点。

[相違点13]
本件訂正発明は、構成C、P、Qを備えることに加えて、X1?X4、Yを備えるのに対し、甲1発明は、構成X1?X3を備えない点。

[相違点14]
本件訂正発明は、構成C、P、Qを備えることに加えて、Yを備えるのに対し、甲1発明は、構成Yを備えない点。

イ 判断
上記相違点について検討する。
事案の内容に鑑み、先ず相違点11、相違点13、及び相違点14について検討する。

(ア)相違点11について
平成29年9月14日付け意見書において、特許異議申立人は、本件訂正発明の構成Tについて次のように主張する。
<特許異議申立人の主張の概要>(第15頁第17?25行)
訂正発明の構成Tに対応する事項は、非報知状態において節電モードに設定されているときには、演出制御手段が、非報知状態から報知状態への移行を条件に、電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で演出手段を制御する構成となっている。つまり、操作手順の報知が行われない非報知状態から操作手順の報知を行う報知状態に移行して演出方法が変わったときでも、電力モードは変わらず、節電モードを維持することを規定している。この構成自体に特別な作用効果はなく、本件訂正発明の構成Tを規定することは、当業者であれば容易である。

<当審による判断>
本件訂正発明の構成Tの「前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御」する構成とすることは、甲第1ないし甲第5号証に記載も示唆もされていない。
そして、本件訂正発明は、上記相違点11に係る前記構成Tを備えることにより、演出手段による演出のための消費電力が大きくなりがちであるAT制御状態においての有効な節電となり、また、遊技者にとって有利であるAT制御状態において節電により演出手段の消費電力の抑制を行っても、遊技者が遊技を止める可能性が低く、スロットマシン1の稼働率が低下しにくくなる効果(本件特許明細書の段落【0017】、【0382】を参照。)を奏するものである。
したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。
よって、甲1発明に、甲第2ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、本件訂正発明の上記相違点11に係る構成に到達することはできない。

(イ)相違点13について
平成29年9月14日付け意見書において、特許異議申立人は、本件訂正発明の構成X1?X3について次のように主張する。
<特許異議申立人の主張の概要>(第11頁第12行?第15頁第16行)
新たに提示した甲第5号証(特開2011-234965号公報)には、AT中に報知されている押順と、違う押順を操作すると、遊技の内部状態が変わるという技術思想が開示されている(段落【0100】、【0138】、【0153】、【0256】、【0259】、【0266】及び図7)。
そして、甲第1号証(特開2009-247543号公報)の【0081】には、省エネモード時処理では、枠装飾装置や遊技盤に設けられた装飾用の各種LEDを消灯し、遊技の演出に対応した各種LEDの点灯を不能とし、その後、スピーカのボリュームを最小にして、各種LEDやスピーカ等の電気的装置の状態を、消費電力を低減する状態とすることが記載されている。甲第1号証では、省エネモードの種類は一つであるが、【0129】には、省エネモードを複数段にして、より遊技者の好みに応じた省エネモードを実現できるようにしてもよいことが記載されている。甲第1号証では、パチンコ遊技機の場合を例に説明されているが、【0160】には、スロットマシンなどの全ての遊技機に適用可能であることが記載されている。
したがって、甲第1号証に記載されている甲1発明に、甲第5号証に記載されている事項を組み合わせることによって、本件訂正発明の構成X1?X3、Yのように、報知されている操作手順とは異なる操作手順で操作されたときは節電モードの内容が変わり、その変わった節電モードに基づく消費電力で演出手段が制御される、という構成とすることは、当業者であれば容易である。

<当審による判断>
確かに、特許異議申立人の主張するように、甲第5号証(特開2011-234965号公報)には、AT中に報知されている押順と、違う押順を操作すると、遊技の内部状態が変わるという技術思想が開示され、甲第1号証(特開2009-247543号公報)には、省エネモードを複数段にして、より遊技者の好みに応じた省エネモードを実現できるようにしてもよいこと(段落【0129】)や、パチンコ遊技機の場合の例を、スロットマシンなどの全ての遊技機に適用可能である(段落【0160】)ことについて記載されている。
しかしながら、甲第1、5号証には、報知されている操作手順とは異なる操作手順で操作されたときに変化される内部状態を、節電モードの内容とすることについては記載も示唆もされておらず、甲1発明に、甲第5号証に記載されている事項を組み合わせることによっても報知されている操作手順と異なる操作手順で操作された場合に、節電モードの内容が変わる構成とすることは、当業者といえども容易に想到し得たものということはできない。
そして、本件訂正発明は、上記相違点13に係る前記構成X1?X3を備えることにより、遊技者が節電モード中に操作手順を誤った場合でも、消費電力を1段階低くするように電力設定を変更することにより操作手順の報知の簡素化を軽減するため、遊技者が連続してAT制御中における押し順を誤ってしまうことを防止することができるという効果(本件特許明細書の段落【0355】を参照。)を奏するものである。
また、甲第2?4号証においても、報知されている操作手順とは異なる操作手順で操作されたときに変化される内部状態を、節電モードの内容とすることについては記載も示唆もされていない。
したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。
よって、甲1発明に、甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、本件訂正発明の構成X1?X3に到達することはできない。

(ウ)相違点14について
<特許異議申立人の主張の概要>
平成29年9月14日付け意見書における、特許異議申立人の、本件訂正発明の構成Yに関する主張は、本件訂正発明の構成X1?X3に関する主張とまとめて同一箇所(第11頁第12行?第15頁第16行)においてなされている。

<当審による判断>
本件訂正発明の構成Yにおける「電力モード設定手段によって設定されたモード」は、本件訂正発明の構成X1?X3により設定されたものであり、本件訂正発明は、前記構成Yを備えることにより、構成X1?X3を備えることによる効果と同様の効果である、遊技者が節電モード中に操作手順を誤った場合でも、消費電力を1段階低くするように電力設定を変更することにより操作手順の報知の簡素化を軽減するため、遊技者が連続してAT制御中における押し順を誤ってしまうことを防止することができるという効果(本件特許明細書の段落【0355】を参照。)を奏するものである。
そして、上記(イ)で検討したように、甲1発明に、甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、本件訂正発明の構成X1?X3に到達することはできない以上、本件訂正発明の構成Yに到達することはできない。

(エ)まとめ
上記(ア)?(ウ)において検討したとおり、相違点11、13、14に係る本件訂正発明の構成は、甲1発明に、甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項を適用しても、当業者が容易になし得たものであるとはいうことはできない。

よって、相違点1?10、12について検討するまでもなく、本件特許発明は、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得たものであるとはいうことはできない。

(2)特許異議申立理由について
当審による平成29年4月24日付けの取消理由通知は、前記第3 2及び3で検討したように、特許異議申立の理由を包含するものであることから、特許異議申立理由は、「5 当審の判断(1)取消理由について」において検討済みである。

第4 むすび
以上のことから、取消理由通知に記載した取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の遊技を行なう遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大当り遊技状態のように消費電力が増大するような遊技状態であっても、スピーカおよびライトなどの出力量を下げることにより各種報知の出力にかかる消費電力を抑えることで、遊技店の電力負担を軽減することができる遊技機があった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-098103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の遊技機は、消費電力を抑えた節電状態で遊技を行なった場合でも遊技者にとっては何らメリットがなく、却って節電したことによって演出が簡素化するために遊技者が遊技に対して面白みを感じなくなり、遊技機の稼働率の低下に繋がる虞があった。
【0005】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、節電によって演出が簡素化しても稼働率の低下を防止することができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
遊技履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
所定の演出を行なう演出手段と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、
第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、
前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態起制御し、
前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、
前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、
前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、
前記操作手順報知手段は、
前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記電力モード設定手段は、
前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する。
【0007】
このような構成によれば、第1モードよりも消費電力が小さい第2モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、遊技機の稼働率の低下を防止することができる。
【0008】
(2) (1)の遊技機において、
前記有利度合設定手段は、前記電力設定手段により設定された前記第2モードの消費電力が前記第1モードの消費電力に比べて小さいほど、より高い有利度合いを設定する(たとえば、大節電モードに設定されたときは、通常モード、小節電モード、および中節電モードに設定されたときよりも有利度合いが高い。また、中節電モードに設定されたときは、通常モードおよび小節電モードに設定されたときよりも有利度合いが高い。また、小節電モードに設定されたときは、通常モードに設定されたときよりも有利度合いが高い)。
【0009】
このような構成によれば、節電によって消費電力が抑えられた演出手段による演出と特典の付与に関する有利度合いとを考慮して、遊技者の好みに合った第2モードに設定することができる。
【0010】
(3) (1)または(2)の遊技機において、
前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときの方が前記第1モードに設定されたときよりも、前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなることを報知する有利報知手段(たとえば、スロットマシン1における液晶表示器51、パチンコ遊技機700における演出表示装置709)をさらに備える。
【0011】
このような構成によれば、遊技者に対して節電することによるメリットを把握させることができる。
【0012】
(4) (3)の遊技機において、
前記有利報知手段は、前記電力設定手段により前記第2モードに設定されたときに、当該第2モードに設定された旨と、前記第2モードに設定されたときの方が前記第1モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(たとえば、スロットマシン1における液晶表示器51の画面の一部、パチンコ遊技機700における演出表示装置709の画面の一部)において併せて報知する。
【0013】
このような構成によれば、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0014】
(5) (1)?(4)の遊技機において、
前記電力設定手段は、遊技者の操作に基づき前記第1モードと前記第2モードとに切替設定する。
【0015】
このような構成によれば、節電によって消費電力が抑えられた演出手段による演出と特典の付与に関する有利度合いとを考慮して、遊技者自身が自分の好みに合った第2モードに設定することができる。
【0016】
(6) (1)?(5)の遊技機において、
前記電力設定手段は、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な有利遊技状態(たとえば、スロットマシン1におけるAT制御中、パチンコ遊技機700における時短制御中)であることを条件に、前記第1モードから前記第2モードに切替設定する。
【0017】
このような構成によれば、有利遊技状態は演出手段による演出のための消費電力が大きくなりがちであるため、節電がより有効になる。また、有利遊技状態は遊技者にとって有利であるため遊技者が遊技を止める可能性が低くなる。そのため、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技機の稼働率が低下しにくくなる。
【0018】
(7) (1)?(6)の遊技機において、
前記特典付与手段は、遊技者の遊技履歴(たとえば、スロットマシン1におけるビッグボーナスの回数、総ゲーム数、パチンコ遊技機700における大当たりの発生回数、演出表示装置709において図柄が変動する回数)に基づいた前記所定の条件が成立したときに前記特典を付与する。
【0019】
このような構成によれば、遊技履歴に基づいた所定の条件が成立したときに特典が付与されるため、遊技履歴自体には興味がない遊技者に対しても興趣を向上させることができる。
【0020】
(8) (1)?(7)の遊技機において、
前記特典付与手段は、遊技者の遊技履歴に基づき、各々が少なくとも一以上の特典を含んだ有利度合いの異なる複数の特典グループ(たとえば、音楽コンテンツ選択用テーブル)の中から所定の特典グループを選択して当該特典を付与する特典グループ選択手段(たとえば、スロットマシン1におけるサブ制御部91、パチンコ遊技機700における演出制御基板780)を含み、
前記特典グループ選択手段は、前記第2モードに設定されたときには前記第1モードに設定されたときよりも、複数の前記特典グループの中から遊技者にとって有利度合いの高い特典グループを選択する(たとえば、図39に示すように、節電モードに設定されたときには通常モードに設定されたときよりも、1段階上の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択する)。
【0021】
このような構成によれば、遊技履歴に基づいて選択される特典グループの有利度合いを異ならせることができる。これにより、付与される特典に差を設けて、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、節電することによって有利度合いの高い特典グループが選択されるため、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、遊技機の稼働率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態におけるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造を示す図である。
【図3】可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。
【図6】取りこぼし出目の種類、取りこぼし出目の図柄組合せ、および取りこぼし出目に関連する技術事項について説明するための図である。
【図7】遊技状態の遷移を説明するための図である。
【図8】一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
【図9】一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
【図10】再遊技役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
【図11】ベル役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
【図12】遊技システムを示す図である。
【図13】携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図14】管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図15】(a)は、メインメニュー画面を示す図である。(b)は、パスワード入力後の画面を示す図である。(c)は、終了確認画面を示す図である。
【図16】(a)は、パスワード入力モードの選択を決定する態様を示す図である。(b)は、パスワードの入力態様を示す図である。(c)は、パスワードの入力態様を示す図である。
【図17】(a)は、パスワードの入力態様を示す図である。(b)は、パスワードの入力態様を示す図である。(c)は、パスワードの入力が完了する態様を示す図である。
【図18】(a)は、2次元コード作成モードの選択を決定する態様を示す図である。(b)は、2次元コードの表示態様を示す図である。
【図19】(a)は、電力設定モードの選択を決定する態様を示す図である。(b)は、通常モードまたは節電モードの選択を決定するモード選択画面を示す図である。(c)は、節電モード設定の選択を決定する節電モード選択画面を示す図である。
【図20】節電モード別取得コイン数決定用テーブルを説明するための図である。
【図21】(a)は、大節電モード中における液晶表示器の表示態様を示す図である。(b)は、1000ゲーム消化後の大節電モード中における液晶表示器の表示態様を示す図である。(c)は、1000ゲーム消化後の大節電モード中における液晶表示器の表示態様を示す図である。(d)は、コインが付与される際の液晶表示器の表示態様を示す図である。
【図22】(a)は、通常モード中におけるAT制御中のスロットマシンの演出態様を説明するための図である。(b)は、通常モード中におけるAT制御中の液晶表示器の表示態様を説明するための図である。
【図23】(a)は、小節電モード中におけるAT制御中のスロットマシンの演出態様を説明するための図である。(b)は、小節電モード中におけるAT制御中の液晶表示器の表示態様を説明するための図である。
【図24】(a)は、中節電モード中におけるAT制御中のスロットマシンの演出態様を説明するための図である。(b)は、中節電モード中におけるAT制御中の液晶表示器の表示態様を説明するための図である。
【図25】(a)は、大節電モード中におけるAT制御中のスロットマシンの演出態様を説明するための図である。(b)は、大節電モード中におけるAT制御中の液晶表示器の表示態様を説明するための図である。
【図26】電力設定モード選択時電力設定処理を実行するためのフローチャートである。
【図27】電力設定モード記憶時電力設定処理を実行するためのフローチャートである。
【図28】電力設定変更処理を実行するためのフローチャートである。
【図29】AT抽選テーブルを説明するための図である。
【図30】電力設定反映処理を実行するためのフローチャートである。
【図31】本発明の第2実施形態におけるパチンコ遊技機の全体構造を示す正面図である。
【図32】パチンコ遊技機における大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
【図33】本発明の第2実施形態におけるパチンコ遊技機の内部構造を示す図である。
【図34】(a)は、通常モード中における時短制御中のパチンコ遊技機の演出態様を説明するための図である。(b)は、通常モード中における時短制御中の演出表示装置の表示態様を説明するための図である。
【図35】(a)は、小節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機の演出態様を説明するための図である。(b)は、小節電モード中における時短制御中の演出表示装置の表示態様を説明するための図である。
【図36】(a)は、中節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機の演出態様を説明するための図である。(b)は、中節電モード中における時短制御中の演出表示装置の表示態様を説明するための図である。
【図37】(a)は、大節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機の演出態様を説明するための図である。(b)は、大節電モード中における時短制御中の演出表示装置の表示態様を説明するための図である。
【図38】(a)は、音楽コンテンツ選択用テーブル(SSランク用)を説明するための図である。(b)は、音楽コンテンツ選択用テーブル(Sランク用)を説明するための図である。(c)は、音楽コンテンツ選択用テーブル(Aランク用)を説明するための図である。(d)は、音楽コンテンツ選択用テーブル(Bランク用)を説明するための図である。
【図39】コンテンツの選択処理の概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【0024】
スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
【0025】
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0026】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号21)」、「リプa(たとえば、左リール2Lの領域番号20)」、「ベル(たとえば、左リール2Lの領域番号19)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号18)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号13)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号12)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号11)」、「リプb(たとえば、左リール2Lの領域番号10)」、「ブランク(たとえば、左リール2Lの領域番号7)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号3)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄(ただし、図3では文字のみを表記し、絵柄は省略している)が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
【0027】
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
【0028】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0029】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0030】
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出用スイッチ56(以下、チャンスボタン56ともいう)が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。演出用スイッチ56は、後述するようにスロットマシン1における消費電力の設定や2次元コードの作成などを行なう際に用いられる。
【0031】
本実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス(以下、ボーナスともいう)、また、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の遊技状態に関わらず、全ての遊技状態において「3」が定められている。
【0032】
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0033】
また、前面扉1bの左端、上端、および右端には、それぞれ複数のLEDから構成される枠ナビLED71L、71C、71Rが設けられている。枠ナビLED71L、71C、71Rは、後述するAT制御中に点灯することによってナビ演出を実行する。具体的に、枠ナビLED71Lは、前面扉1bの左端において垂直方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによって3つのストップスイッチ8L、8C、8Rのうちのストップスイッチ8Lの押し順をナビするようになっている。枠ナビLED71Cは、前面扉1bの上端において水平方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによってストップスイッチ8Cの押し順をナビするようになっている。枠ナビLED71Rは、前面扉1bの上端において水平方向に一列に複数のLEDが並んで構成されており、これらが点灯することによってストップスイッチ8Rの押し順をナビするようになっている。
【0034】
さらに、後述する電力設定モードにおいて省エネモードに設定された場合には、枠ナビLED71L、71C、71Rをそれぞれを構成する複数のLEDのうち、一部のLEDのみが点灯するように制御される。たとえば、図1は、中節電モードに設定されたスロットマシン1において、ストップスイッチ8Lの押し順をナビする一例を示しているが、この場合、枠ナビLED71Lを構成する複数のLEDのうち上から5個のLEDのみが点灯し、その他のLEDは消灯するように制御されている。なお、中節電モード中において点灯するLEDの数は5個に限らずその他の数のLEDを点灯してもよい。
【0035】
また、透視窓3を通して表示されるリール2L、2C、2Rの上方には、それぞれセンターナビLED72L、72C、72Rが設けられている。センターナビLED72L、72C、72Rは、後述するAT制御中において点灯することによってナビ演出を実行する。具体的に、センターナビLED72Lは、左リール2Lの上方に設けられ、点灯することによってストップスイッチ8Lの押し順をナビするようになっている。センターナビLED72Cは、中リール2Cの上方に設けられ、点灯することによってストップスイッチ8Cの押し順をナビするようになっている。センターナビLED72Rは、右リール2Rの上方に設けられ、点灯することによってストップスイッチ8Rの押し順をナビするようになっている。
【0036】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0037】
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB(ビッグボーナス)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述するBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0038】
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0039】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0040】
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0041】
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
【0042】
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0043】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、1種類の入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。
【0044】
入賞ラインL1は、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインである。なお、入賞ラインは、L1に示すラインに限らず、複数の入賞ラインを含んでいてもよい。たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
【0045】
規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
【0046】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0047】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、有効化された入賞ラインL1上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0048】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0049】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0050】
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインL1上に表示させることができる。
【0051】
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0052】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0053】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0054】
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0055】
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0056】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0?65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0057】
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0058】
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0059】
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0060】
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
【0061】
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
【0062】
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
【0063】
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
【0064】
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
【0065】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rなどの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
【0066】
また、本実施の形態においては、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rなどの演出手段の消費電力を遊技者によって設定することが可能である。具体的には、後述するように、遊技者により演出用スイッチ56が操作されることで、電力設定が可能となり、消費電力を抑えない通常モードと、消費電力を抑えた節電状態となる節電モードとのうちから何れかのモードを選択可能となっている。そして、通常モードに設定した場合には、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rなどの演出手段は通常通りの消費電力で各種演出を実行するが、節電モードに設定した場合には、スピーカ53、54は出力音を消音することで消費電力を抑え、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rは消灯することで消費電力を抑えて、簡素化した演出を実行する。
【0067】
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rなどの演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
【0068】
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rを例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する駆動物を備えた表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
【0069】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rの駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、電源復帰時からの時間を計時する計時装置97、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0070】
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
【0071】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0072】
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
【0073】
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
【0074】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0075】
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cに何れかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
【0076】
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0077】
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
【0078】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
【0079】
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cに何れかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
【0080】
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0081】
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
【0082】
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。たとえば、ボーナス(後述するビッグボーナス、レギュラーボーナス)、通常遊技状態(RT1)、RT0、2?4の何れであるかなどの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしてもよい。
【0083】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0084】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数など、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ、SB)および入賞フラグが格納されるワークである。
【0085】
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
【0086】
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
【0087】
なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行なわれた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、たとえば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
【0088】
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
【0089】
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0090】
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
【0091】
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、通常遊技状態に制御される。
【0092】
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
【0093】
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
【0094】
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
【0095】
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置の入賞ラインL1上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、がある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、取りこぼし出目の種類、取りこぼし出目の図柄組合せ、および取りこぼし出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図7は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
【0096】
本実施の形態におけるスロットマシンは、図7に示すように、メイン制御部41により、RT1(通常遊技状態)、RT0(高チャンスゾーン)、RT2(高RT)、RT3(低チャンスゾーン)、RT4(内部中RT)、ボーナス状態のうち、何れかに制御される。なお、遊技状態がボーナス状態以外の遊技状態を一般遊技あるいは一般遊技状態と称する。
【0097】
RT1とは、後述する再遊技役に当選する確率が最も低く、遊技者が遊技全体を通して最も長く遊技する可能性が高い遊技状態である。RT0とは、RT1よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT2とは、RT0のみから移行可能であり、RT0?4の遊技状態の中で最も再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT3とは、ボーナス状態が終了すると移行する遊技状態である。RT4とは、RT1、RT0、RT2の遊技状態においてBBもしくはRBに当選したときに移行し、BBもしくはRBに入賞したときにはボーナス状態に移行する遊技状態である。ボーナス状態とは、BBに入賞した場合は所定の終了条件が成立するまでBBが行なわれ、RBが入賞した場合は所定の終了条件が成立するまでRBが行なわれる遊技状態である。
【0098】
RT1においては、32ゲームが行なわれ、当該32ゲーム全てが消化した場合に遊技状態がRT0へ移行する。また、32ゲームの間にBBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
【0099】
RT0においては、後述する昇格リプ(リプレイ3)に入賞した場合に、遊技状態がRT2へ移行する。また、後述する転落リプ(リプレイ4、リプレイ5)に入賞した場合に、遊技状態がRT1へ移行する。また、BBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
【0100】
RT2においては、後述する取りこぼし出目が導出された場合に、遊技状態がRT0へ移行する。また、BBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
【0101】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1は、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。本実施の形態においては、RT0およびRT2の遊技状態のみATへの制御が可能となっている。
【0102】
RT4においては、BBもしくはRBに入賞した場合に、遊技状態がボーナス状態へ移行する。
【0103】
ボーナス状態においては、所定の終了条件が成立した場合にRT3へ遊技状態が移行する。ここで、所定の終了条件とは、後述するBB1もしくはBB2が行なわれたときには351枚以上のメダルを獲得したことであり、BB3が行なわれたときには216枚以上のメダルを獲得したことであり、RB1もしくはRB2が行なわれたときには5ゲーム遊技もしくは何らかの入賞役に5回入賞したことである。
【0104】
RT3においては、後述する取りこぼし出目が導出された場合に、遊技状態がRT0へ移行する。
【0105】
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1?3(以下、各々のビッグボーナスをBB1?3ともいう)と、2種類のレギュラーボーナス1、2(以下、レギュラーボーナスをRB1、2ともいう)とが含まれる。
【0106】
BB1は、入賞ラインL1に「白7-白7-白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインL1に「黒7-黒7-黒7」、もしくは「リプb-黒7-リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインL1に「星7-星7-星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
【0107】
BB1?BB3の何れかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
【0108】
BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、351枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、216枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
【0109】
RB1は、入賞ラインL1に「白7-白7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。また、RB2は、入賞ラインL1に「星7-星7-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RB1またはRB2に入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、5ゲーム遊技もしくは何れかの入賞役に5回入賞することを条件として終了する。
【0110】
図7に示すように、BB1?BB3およびRB1、RB2の何れかに内部当選してから入賞するまでは、RT4に遊技状態が制御される。RT4では、リプレイに当選する確率がRT1であるときよりも高確率となる。また、BB1?BB3やRB1、RB2が終了した後は、RT3に遊技状態が制御される。
【0111】
内部抽選においてBB1?BB3およびRB1、RB2のうち何れかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1?BB3およびRB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」、「リプb」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1?BB3およびRB1、RB2のうち何れかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
【0112】
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1、1枚役2、メロン、ベル1、ベル2、9枚役1?8、BB役が含まれる。
【0113】
小役のうちイチゴ1は、入賞ラインL1に「イチゴ-ANY-ベル」、「イチゴ-ANY-メロン」、「イチゴ-ANY-バナナ」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴ1が入賞すると、2枚メダルが払い出される。イチゴ1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ1を構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0114】
小役のうちイチゴ2は、入賞ラインL1に「黒7-ANY-白7」、「黒7-ANY-星7」、「黒7-ANY-ベル」、「バナナ-ANY-白7」、「バナナ-ANY-星7」、「バナナ-ANY-ベル」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴ2が入賞すると、2枚メダルが払い出される。イチゴ2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ2を構成する左リール2Lの図柄(「黒7」、「バナナ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0115】
小役のうち1枚役1は、入賞ラインL1に「ベル-星7-ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役1が入賞すると、1枚メダルが払い出される。1枚役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、1枚役1を構成する中リール2Cの図柄(「星7」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0116】
小役のうち1枚役2は、入賞ラインL1に「星7-ブランク-黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役2が入賞すると、1枚メダルが払い出される。1枚役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、1枚役2を構成する左リール2Lの図柄(「星7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0117】
小役のうちメロンは、入賞ラインL1に「白7-メロン-ベル」、「ベル-メロン-ベル」、「ブランク-メロン-ベル」、「リプa-メロン-リプa」、「リプa-メロン-イチゴ」、「リプa-メロン-ブランク」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると、5枚メダルが払い出される。メロンは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、メロンを構成する中リール2Cの図柄(「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0118】
小役のうちベル1は、入賞ラインL1に「ベル-ベル-ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1が入賞すると、9枚メダルが払い出される。ベル1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞する。ベル1を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「ベル」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいて5コマ以内に配置されているためである。
【0119】
小役のうちベル2は、入賞ラインL1に「リプa-ベル-リプa」、「リプa-ベル-リプb」、「リプb-ベル-リプa」、「リプb-ベル-リプb」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2が入賞すると、9枚メダルが払い出される。ベル2は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞する。ベル2を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「ベル」)、右リール2Rの図柄(「リプa」、「リプb」)は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいて5コマ以内に配置されているためである。
【0120】
次に、小役のうち9枚役1?8について説明する。9枚役1?8は、後述するようにベル1、ベル2を取りこぼした場合に入賞する可能性のある役である。
【0121】
小役のうち9枚役1は、入賞ラインL1に「リプa-イチゴ-メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役1が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役1を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0122】
小役のうち9枚役2は、入賞ラインL1に「リプa-イチゴ-バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役2が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役2を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0123】
小役のうち9枚役3は、入賞ラインL1に「リプa-ブランク-メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役3が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役3は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役3を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0124】
小役のうち9枚役4は、入賞ラインL1に「リプa-ブランク-バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役4が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役4は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役4を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0125】
小役のうち9枚役5は、入賞ラインL1に「リプb-イチゴ-メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役5が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役5は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役5を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0126】
小役のうち9枚役6は、入賞ラインL1に「リプb-イチゴ-バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役6が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役6は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役6を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0127】
小役のうち9枚役7は、入賞ラインL1に「リプb-ブランク-メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役7が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役7は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役7を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0128】
小役のうち9枚役8は、入賞ラインL1に「リプb-ブランク-バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役8が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役8は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役8を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
【0129】
小役のうちBB役は、BB中のみ入賞する役であり、入賞ラインL1に「リプa-イチゴ-イチゴ」、「リプa-イチゴ-ブランク」、「リプa-ブランク-イチゴ」、「リプa-ブランク-ブランク」、「リプb-イチゴ-イチゴ」、「リプb-イチゴ-ブランク」、「リプb-ブランク-イチゴ」、「リプb-ブランク-ブランク」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。BB中にBB役が入賞すると、9枚メダルが払い出される。また、BB役が当選した場合は、9枚役1?8が必ず同時当選するため、BB役に当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず、取りこぼすことなく何れかの役に入賞することができる。また、BB役と同時当選する役には、9枚役1?8が含まれていればよく、これに加えて、たとえばイチゴ1、2やメロン、その他の役が含まれていてもよい。
【0130】
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1?6が含まれる。再遊技役の何れかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0131】
リプレイ1は、入賞ラインL1に「リプa-リプa-リプa」、「リプa-リプa-リプb」、「リプb-リプa-リプa」、「リプb-リプa-リプb」、の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ1を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「リプa」、「リプb」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプともいう。
【0132】
リプレイ2は、入賞ラインL1に「ベル-リプa-ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ2を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。リプレイ2は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプともいう。
【0133】
リプレイ3は、入賞ラインL1に「リプa-リプa-メロン」、「リプa-リプa-バナナ」、「リプb-リプa-メロン」、「リプb-リプa-バナナ」、の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ3を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「メロン」、「バナナ」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0の状態においてリプレイ3に入賞した後は、RT0よりもリプレイ当選確率がさらに向上したRT2に制御される。このため、リプレイ3は、以下では昇格リプともいう。
【0134】
また、RT2へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選しない限り、取りこぼし出目が導出されるまでの間、当該RT2への制御が維持される。
【0135】
リプレイ4は、入賞ラインL1に「リプa-リプa-ベル」、「リプb-リプa-ベル」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ4を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ4については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0においてリプレイ4に入賞したときには、RT1に制御される。このため、リプレイ4は、以下では転落リプともいう。
【0136】
リプレイ5は、入賞ラインL1に「ベル-リプa-メロン」、「ベル-リプa-バナナ」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ5を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「メロン」、「バナナ」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ5については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0においてリプレイ5に入賞したときには、RT1に制御される。このため、リプレイ5は、以下では転落リプともいう。
【0137】
リプレイ6は、BB2に内部当選中の場合にのみ当選する再遊技役である。
リプレイ6は、入賞ラインL1に「リプa-リプa-ブランク」、「リプb-リプa-ブランク」の何れかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ6は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプレイ6を構成する右リール2Rの図柄(「ブランク」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
[取りこぼし出目]
次に、図6を参照して取りこぼし出目について説明する。取りこぼし出目は、後述するようにベル1、ベル2を構成する図柄を入賞ラインL1上に引込むことができず、さらに9枚役1?8を構成する図柄を入賞ラインL1上に引込むことができない場合に導出される役である。RT2およびRT3の遊技状態ときに取りこぼし出目が導出されると、RT0への制御が作動される。
【0138】
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目1は、入賞ラインL1に揃う「リプa-イチゴ-ベル」、「リプa-ブランク-ベル」、「リプb-イチゴ-ベル」、「リプb-ブランク-ベル」の何れかの組合せである。
【0139】
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目2は、入賞ラインL1に揃う「リプa-ベル-メロン」、「リプa-ベル-バナナ」、「リプb-ベル-メロン」、「リプb-ベル-バナナ」の何れかの組合せである。
【0140】
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目3は、入賞ラインL1に揃う「星7-イチゴ-メロン」、「星7-イチゴ-バナナ」、「星7-ブランク-メロン」、「星7-ブランク-バナナ」、「メロン-イチゴ-メロン」、「メロン-イチゴ-バナナ」、「メロン-ブランク-メロン」、「メロン-ブランク-バナナ」、「バナナ-イチゴ-メロン」、「バナナ-イチゴ-バナナ」、「バナナ-ブランク-メロン」、「バナナ-ブランク-バナナ」の何れかの組合せである。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図8、図9を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せおよび判定値数について説明する。図8、図9においては、各々、左2列により、“抽選対象役の名称”およびその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、および当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図8、図9では、判定値数として、たとえば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2?6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。
【0141】
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0?65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「495」が設定されている抽選対象役(図8のRT0?RT3における弱イチゴA)の当選確率は、495/65536となる。
【0142】
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
【0143】
図8は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
【0144】
遊技状態が、RT0?RT3のうち何れかであるときには、弱イチゴA?F、1枚役A?L、メロンA?F、不問ベル、左ベルA?D、中ベルA?D、右ベルA?D、RB1、2、BB1?3が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。
【0145】
弱イチゴAとは、イチゴ2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴBとは、イチゴ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴCとは、イチゴ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴDとは、イチゴ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴEとは、イチゴ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴFとは、イチゴ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。なお、本実施の形態においては、弱イチゴAに当選したときには、後述するAT抽選テーブルに基づきATに制御されるときに必要となるナビストックの付与数が抽選によって決定される。ここで、ナビストック数とは、後述するように、ATに制御可能となる期間を示し、ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、ATに制御されるようになっている。
【0146】
強イチゴAとは、イチゴ1+イチゴ2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴBとは、イチゴ1+イチゴ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴCとは、イチゴ1+イチゴ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴDとは、イチゴ1+イチゴ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴEとは、イチゴ1+イチゴ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴFとは、イチゴ1+イチゴ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。なお、本実施の形態においては、強イチゴAに当選したときには、後述するAT抽選テーブルに基づきATに制御されるときに必要となるナビストックの付与数が抽選によって決定される。
【0147】
1枚役Aとは、1枚役1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Bとは、1枚役2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Cとは、1枚役1+RB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Dとは、1枚役2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Eとは、1枚役1+RB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Fとは、1枚役2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Gとは、1枚役1+BB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Hとは、1枚役2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Iとは、1枚役1+BB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Jとは、1枚役2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Kとは、1枚役1+BB3を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Lとは、1枚役2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
【0148】
メロンAとは、メロンを読み出す抽選対象役をいう。メロンBとは、メロン+RB1を読み出す抽選対象役をいう。メロンCとは、メロン+RB2を読み出す抽選対象役をいう。メロンDとは、メロン+BB1を読み出す抽選対象役をいう。メロンEとは、メロン+BB2を読み出す抽選対象役をいう。メロンFとは、メロン+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
【0149】
不問ベルとは、ベル1+ベル2+9枚役1?8を読み出す抽選対象役をいう。左ベルAとは、ベル2+9枚役1+9枚役4を読み出す抽選対象役をいう。左ベルBとは、ベル2+9枚役2+9枚役3を読み出す抽選対象役をいう。左ベルCとは、ベル2+9枚役5+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。左ベルDとは、ベル2+9枚役6+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。中ベルAとは、ベル1+9枚役1+9枚役6を読み出す抽選対象役をいう。中ベルBとは、ベル1+9枚役2+9枚役5を読み出す抽選対象役をいう。中ベルCとは、ベル1+9枚役3+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。中ベルDとは、ベル1+9枚役4+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。右ベルAとは、ベル1+9枚役1+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。右ベルBとは、ベル1+9枚役3+9枚役5を読み出す抽選対象役をいう。右ベルCとは、ベル1+9枚役2+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。右ベルDとは、ベル1+9枚役4+9枚役6を読み出す抽選対象役をいう。
【0150】
RB1とは、RB1を読み出す抽選対象役をいう。RB2とは、RB2を読み出す抽選対象役をいう。BB1とは、BB1を読み出す抽選対象役をいう。BB2とは、RB2を読み出す抽選対象役をいう。BB3とは、BB3を読み出す抽選対象役をいう。
【0151】
遊技状態がRT4であるときには、弱イチゴA、強イチゴA、1枚役A、1枚役B、メロンA、不問ベル、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
【0152】
図9は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
【0153】
不問リプとは、リプレイ1+リプレイ2を読み出す抽選対象役をいう。リプAとは、リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプBとは、リプレイ1+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプCとは、リプレイ2+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプDとは、リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプEとは、リプレイ1+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプFとは、リプレイ2+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプGとは、リプレイ1+リプレイ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。リプHとは、リプレイ1+リプレイ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。リプIとは、リプレイ1+リプレイ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。リプJとは、リプレイ1+リプレイ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。リプKとは、リプレイ1+リプレイ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
【0154】
遊技状態が、RT0?RT3の何れかであるときには、不問リプおよびリプC?Kが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。また、遊技状態が、RT4のときには、不問リプおよびリプA?Fが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
【0155】
次に、BB1?BB3中におけるRB1の抽選対象役および判定値数を説明する。
BB1?BB3中におけるRB1であるときには、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1+1枚役2+メロン+ベル1+ベル2+9枚役1?8、およびベル1+ベル2+9枚役1?8+BB役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
【0156】
次に、BB1?BB3中におけるRB2の抽選対象役および判定値数を説明する。
BB1?BB3中におけるRB2であるときには、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1+1枚役2+メロン+ベル1+ベル2+9枚役1?8、およびベル1+ベル2+9枚役1?8が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
【0157】
次に、RB中の抽選対象役および判定値数を説明する。
RB中であるときには、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1+1枚役2+メロン+ベル1+ベル2+9枚役1?8、ベル1+ベル2+9枚役1?8+イチゴ1+イチゴ2、ベル1+ベル2+9枚役1?8+1枚役1+1枚役2、およびベル1+ベル2+9枚役1?8+メロンが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せを入賞ラインL1に揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0?65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
【0158】
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役の何れかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
【0159】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
【0160】
また、RB1、2、BB1?3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。たとえば、イチゴに当選したときに、RB1、2、BB1?3のうち何れかに同時当選している割合は、弱イチゴA?Fのうち何れかに当選しているときよりも、強イチゴA?Fのうち何れかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴA?Fおよび強イチゴA?F各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱イチゴA?F当選時と強イチゴA?F当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB1、2、BB1?3のうち何れかに同時当選している可能性を予測することができる。
【0161】
また、一般遊技状態においては、図8に示すように、左ベルA?D各々の判定値数が「830」に設定されており、左ベルA?Dの何れかが830×4/65536=3320/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。また、中ベルA?D各々の判定値数が「1600」に設定されており、中ベルA?Dの何れかが1600×4/65536=6400/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。また、右ベルA?D各々の判定値数が「1600」に設定されており、右ベルA?Dの何れかが1600×4/65536=6400/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。このように、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dにおいては、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
【0162】
次に、図9の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役の当選確率を比較する。RT0においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「83」が、リプC?Fが読み出されるときの判定値数として「11500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT0において何れかのリプレイに当選する確率は、46100/65536となる。また、このうち、RT0からRT2に昇格させる可能性のあるリプレイ3を含むのはリプC?Fであり、その何れかに当選する確率は、11500×4/65536=46000/65536となる。また、RT0からRT1に転落させる可能性のあるリプレイ4、5を含むのはリプC?Fであり、その何れかに当選する確率は、11500×4/65536=46000/65536となる。このように、RT0において、RT2に昇格する確率とRT1に転落する確率とは、同じ確率となるように設定されている。なお、RT0においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
【0163】
RT1においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「6961」が、リプC?Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT1において何れかのリプレイに当選する確率は、8978/65536となる。なお、RT1においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
【0164】
RT2においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「46755」が、リプC?Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT2において何れかのリプレイに当選する確率は、48772/65536となる。なお、RT2においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
【0165】
RT3においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「8961」が、リプC?Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT3において何れかのリプレイに当選する確率は、10978/65536となる。なお、RT3においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
【0166】
RT4においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「5018」が、リプA?Fが読み出されるときの判定値数として「1000」が設定されている。よって、RT4において何れかのリプレイに当選する確率は、11018/65536となる。
【0167】
これらより、本実施の形態においては、何れかのリプレイに当選する確率が、RT0またはRT2であるときに、RT1、RT3、およびRT4であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT0またはRT2は、RT1、RT3、およびRT4であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
【0168】
また、RT0では、リプレイの当選確率が高くなるものの転落リプであるリプレイ4およびリプレイ5の当選確率も高くなるため、後述するATに制御されていないときには当該RT0を維持させること、および昇格リプであるリプレイ3を入賞させてRT2に制御させることが困難となるように構成されている。
【0169】
次に、BB1?3中におけるRB1であるときには、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1+1枚役2+メロン+ベル1+ベル2+9枚役1?8の判定値数が「65527」、ベル1+ベル2+9枚役1?8+BB役の判定値数が「9」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
【0170】
また、BB1?3中におけるRB2であるときには、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1+1枚役2+メロン+ベル1+ベル2+9枚役1?8の判定値数が「65535」に設定されており、ベル1+ベル2+9枚役1?8の判定値数が「1」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
【0171】
また、RB1、2中であるときには、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1+1枚役2+メロン+ベル1+ベル2+9枚役1?8の判定値数が「1」、ベル1+ベル2+9枚役1?8+イチゴ1+イチゴ2の判定値数が「21845」、ベル1+ベル2+9枚役1?8+1枚役1+1枚役2の判定値数が「21845」、ベル1+ベル2+9枚役1?8+メロンの判定値数が「21845」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
【0172】
何れかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
【0173】
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
【0174】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0175】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0176】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左リール2Lおよび中リール2Cが停止しているか、左リール2Lおよび右リール2Rが停止しているか、中リール2Cおよび右リール2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、何れかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0177】
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0?167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0?20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
【0178】
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0?20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0?20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
【0179】
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0180】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、先ず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、先ずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0181】
また、何れか1つのリールが停止したとき、または何れか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0182】
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
【0183】
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
【0184】
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0185】
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
【0186】
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
【0187】
また、本実施の形態では、引込コマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0188】
本実施の形態では、何れかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインL1上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインL1上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
【0189】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインL1に最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
【0190】
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインL1上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0191】
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
【0192】
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、リプAなど)には、図10に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
【0193】
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
【0194】
図10は、再遊技役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、不問リプに当選しているときには、遊技者によるリール2L、2C、2Rの停止順序がいずれの順番であっても、リプレイ1もしくはリプレイ2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0195】
リプAに当選しているときには、順押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3もしくはリプレイ6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。なお、リプレイ6は、BB2に内部当選している場合にのみ入賞するよう制御される。一方、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4もしくはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0196】
リプBに当選しているときには、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4もしくはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0197】
リプCに当選しているときには、中左押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、中左押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4もしくはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0198】
リプDに当選しているときには、中右押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、中右押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4もしくはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0199】
リプEに当選しているときには、逆挟み押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、逆挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4もしくはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0200】
リプFに当選しているときには、逆押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、逆押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4もしくはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0201】
なお、上記以外の再遊技役(リプG?K)に当選しているときには、不問リプと同様に、遊技者によるリールの停止順序がいずれの順番であっても、リプレイ1もしくはリプレイ2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0202】
このように、昇格リプであるリプレイ3を入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している再遊技役の種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT0においてリプA?Fの何れかに当選したとしても、当選している再遊技役の種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT2に制御されるようにすることができる。
【0203】
次に、小役のうちベル役が当選しているときには、図11に示すように、当選したベル役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
【0204】
図11は、ベル役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、不問ベルに当選しているときには、遊技者によるリールの停止順序がいずれの順番であっても、ベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0205】
左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1もしくは9枚役4を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0206】
左ベルBに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2もしくは9枚役3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0207】
左ベルCに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役5もしくは9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0208】
左ベルDに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役6もしくは9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0209】
中ベルAに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1もしくは9枚役6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0210】
中ベルBに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2もしくは9枚役5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0211】
中ベルCに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役3もしくは9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0212】
中ベルDに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役4もしくは9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0213】
右ベルAに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1もしくは9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0214】
右ベルBに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役3もしくは9枚役5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0215】
右ベルCに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2もしくは9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0216】
右ベルDに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役4もしくは9枚役6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0217】
さらに、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1もしくはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1?8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0218】
具体的に、9枚役1?9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が右リール2Rであった場合には、取りこぼし出目1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。また、9枚役1?9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が中リール2Cであった場合には、取りこぼし出目2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。また、9枚役1?9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が左リール2Lであった場合には、取りこぼし出目3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行なう。
【0219】
このように、ベル1もしくはベル2を入賞させるための操作手順として、当選しているベル役の種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2またはRT3において左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dの何れかに当選したとしても、当選しているベル役の種類を特定することができない限り、ベル1もしくはベル2を入賞させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、ベル1もしくはベル2を入賞し難くして取りこぼし出目を導出させ易くし、その結果、RT0に制御され易くすることができる。
[遊技システム]
上記のような構成を有するスロットマシン1は、図12に示すように、インターネット網900に接続された管理サーバ1200とともに遊技システム1001を構成する。スロットマシン1および管理サーバ1200は、2次元コード読み取り機能およびインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介してデータのやり取りを行なうことが可能とされている。
[携帯端末]
図13は、本実施の形態における携帯端末1100の構成の一例を示すブロック図である。図13を参照して、携帯端末1100は、制御部110と、記憶部120と、操作部130と、表示部140と、音声入出力部150と、無線通信部160と、アンテナ161と、赤外線通信部180と、カメラ部190とを含む。
【0220】
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリなどの半導体メモリで構成される。記憶部120は、携帯端末1100の各種機能を制御部110に実行させるためのアプリケーションプログラムなどのプログラムやデータを記憶する。
【0221】
操作部130は、電話番号や各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。操作部130は、ユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータを制御部110に受渡す。
【0222】
表示部140は、演出表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部140は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部140は、制御部110から受けた文字データおよび画像データを表示する。
【0223】
音声入出力部150は、マイクおよびスピーカで構成される。音声入出力部150は、外部からマイクに入力された音声を電気信号に変えて、制御部110に受渡し、制御部110からの電気信号を音声に変換して、スピーカで外部に出力する。
【0224】
無線通信部160は、他の携帯端末1100またはサーバからアンテナ161で受信した信号を制御部110に受渡し、制御部110から他の携帯端末1100またはサーバへ送信する信号をアンテナ161から出力させる。
【0225】
赤外線通信部180は、他の装置から赤外線で受信した信号を制御部110に受渡し、他の装置へ送信する信号を制御部110から受取り、赤外線で送信する。
【0226】
カメラ部190は、撮影対象を撮像して、撮像された画像を画像データに変換して、変換された画像データを制御部110に出力する。本実施の形態においては、2次元コードを撮像する。
【0227】
制御部110は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下「MPU」という)で構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムに従って、記憶部120、操作部130、音声入出力部150、無線通信部160、赤外線通信部180、またはカメラ部190から入力されたデータを処理して、記憶部120、表示部140、音声入出力部150、無線通信部160、または赤外線通信部180に出力する。
【0228】
なお、本実施の形態においては、携帯端末1100は、音声入出力部150を含んでも含まなくてもよい。
[管理サーバ]
図14は、本実施の形態における管理サーバ1200の構成の一例を示すブロック図である。図14を参照して、管理サーバ1200は、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部260とを含む。
【0229】
記憶部220は、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAMなどの揮発性メモリなどの半導体メモリ、および、ハードディスクなどの外部記憶装置で構成される。記憶部220には、管理サーバ1200の各種機能を制御部210に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。
【0230】
操作部230は、キーボードおよびマウスなどの入力装置で構成される。操作部230は、管理サーバ1200の管理者などのユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータを制御部210に受渡す。
【0231】
表示部240は、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやEL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から受けた文字データおよび画像データを表示する。
【0232】
通信部260は、携帯端末1100または他のサーバから、インターネット網900を介して受信したデータを制御部210に受渡し、制御部210からインターネット網900を介して携帯端末1100または他のサーバに送信するデータを出力する。
【0233】
制御部210は、MPUで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたプログラムに従って、記憶部220、操作部230、または通信部260から入力されたデータを処理して、記憶部220、表示部240、または通信部260に出力する。
[メインメニュー]
上記のような構成を有する遊技システム1001においては、スロットマシン1が備える液晶表示器51に表示されたメインメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、管理サーバ1200において発行されたパスワードを入力することにより、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行なうことが可能となる。
【0234】
ここで、パスワード入力によって引き継ぐことのできる遊技履歴とは、本実施の形態においては、前回遊技までに発生したビッグボーナス(BB1?3)の入賞回数および総ゲーム数である。
【0235】
また、本実施の形態においては、管理サーバ1200において遊技者が獲得している仮想的なコインが遊技者毎に管理されている。このコインは、金コインおよび銀コインの2種類あり、銀コイン10枚で金コイン1枚の価値に相当する。遊技者は、携帯端末1100などを用いてインターネットから管理サーバ1200にアクセスすることにより、その仮想的なコインを用いてサイト内でアバターのアイテムを購入したり音楽や画像などのコンテンツデータを購入したりすることができるようになっている。
【0236】
なお、このコインは、入賞の発生による遊技結果に応じて払い出されるメダルとは異なり、遊技者の遊技履歴に基づき遊技者に付与されるようになっている。具体的には、後述する電力設定によって、通常モードに設定された場合には、ビッグボーナス(BB1?3)に5回入賞する毎に遊技者に銀コイン1枚が付与され、また、節電モードに設定された場合には、1000ゲーム実行する毎に、後述する図20の節電モード別取得コイン数決定用テーブルに基づき、さらに遊技者に金コインや銀コインが付与されるようになっている。
【0237】
なお、この他に、コインを付与する条件を成立させるための遊技履歴は、たとえば前回遊技までの遊技時間、メダルの払出枚数、メダルの純増枚数、演出設定などであってもよい。また、予め定められた達成条件が成立したことを条件に付与される経験値を所定数獲得する毎にレベルを加算するものであって、当該レベルに応じた演出や特典を付与するものであれば、当該レベルを遊技履歴として引き継ぐものであってもよい。
【0238】
図15(a)には、液晶表示器51に表示されたメインメニュー画面が示されている。メインメニュー画面は、1ゲーム終了時から賭数が設定されるまでの間に遊技者により演出用スイッチ56が操作されることによって液晶表示器51に表示されるようになっている。メインメニュー画面には、「パスワード入力」、「簡単スタート」、「会員登録」、「終了」のメニュー項目が選択可能に表示される。
【0239】
メインメニュー画面が表示されている状態では、図15(a)(b)に示すように、ストップスイッチ8Lが操作されることで、左側のメニュー項目に移動し、ストップスイッチ8Rが操作されることで右側のメニュー項目に移動する。そして、演出用スイッチ56が操作されることで手前に表示されているメニュー項目が選択される。また、メニュー項目として「終了」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56が操作されるか、ストップスイッチ8Cが一定時間以上操作されると、図15(c)に示すように、「YES」「NO」を選択可能な終了確認画面が表示され、終了確認画面にてストップスイッチ8L、8R、演出用スイッチ56を操作し、「YES」「NO」のうち「YES」を選択することで、基本画面(メインメニュー画面に移行する前の通常画面)に戻るようになっている。また、何も操作されずに画面毎に定められた時間が経過することでも基本画面に戻る。
[パスワード入力]
図16(a)に示すように、メインメニュー画面においてストップスイッチ8L、8Rおよび演出用スイッチ56を操作して「パスワード入力」を選択することにより、図16(b)に示すパスワード入力画面が表示される。パスワード入力画面では、図16(c)に示すように、ストップスイッチ8L、8Rを操作することで文字が移動し、図17(a)に示すように、演出用スイッチ56を操作することで、手前に表示されている文字が選択されることとなる。
【0240】
パスワード入力画面においては、1文字選択する毎に、次の文字が選択可能となる。また、「1文字戻る」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56を操作することで、手前の文字を再度選択可能となる。そして、8文字のパスワードを選択すると、決定欄に移動し、図17(b)に示すように、「1文字戻る」以外の文字が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56を操作することで、パスワードが決定される。
【0241】
そして、入力したパスワードが正規のパスワードであると認証された場合には、図17(c)に示すように、パスワード入力OK画面が表示される。パスワード入力OK画面は、演出用スイッチ56を操作するか、画面毎に定められた時間が経過することで基本画面に切り替わる。なお、パスワードが正規のパスワードであると認証されなかった場合には、パスワード入力NG画面(図示略)が表示される。パスワード入力NG画面も、演出用スイッチ56を操作するか、画面毎に定められた時間が経過することで基本画面に切り替わる。
【0242】
パスワードが正規のパスワードであると認証されると、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域および獲得コイン格納領域の値が初期化されるとともに、パスワードから解析される直近の遊技履歴を示す情報がRAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域に設定され、これに伴い以前の遊技履歴に応じたビッグボーナス(BB1?3)の入賞回数および総ゲーム数が引き継がれることとなる。また、この際、入力されたパスワードそのものがRAM91cに割り当てられたパスワード格納領域に格納されるようになっている。
【0243】
ここで、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域には、パスワードを入力し、正規のパスワードと認証されてからの遊技履歴(ビッグボーナスの入賞回数およびゲーム数)が蓄積されるようになっている。また、RAM91cに割り当てられた獲得コイン格納領域には、遊技履歴に応じて遊技者に付与された獲得コイン数の履歴が蓄積されるようになっている。そして、遊技者が遊技を終える場合には、当該遊技者の遊技履歴および獲得コイン数の履歴を特定可能な2次元コードを取得し、2次元コードから特定される内容を管理サーバ1200が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
[2次元コード作成]
パスワード入力後や後述する簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面では、図18(a)に示すように、「2次元コード作成」、「データクリア」、「終了」、「電力設定」のメニュー項目が表示されるようになっており、このパスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面において、図18(a)に示すように「2次元コード作成」のメニュー項目を選択することにより、2次元コードが生成され、図18(b)に示すように、生成された2次元コードが液晶表示器51に表示される。このようにして表示される2次元コードには、管理サーバ1200上の更新ページの所在を示すURL、ゲーム開始時に入力されたパスワード、ならびに、遊技の進行に応じて更新された個人履歴格納領域に記憶されている遊技履歴(ビッグボーナスの入賞回数および総ゲーム数)、ならびに、獲得コイン格納領域に記憶されている獲得コイン数の履歴が格納されている。
【0244】
そして、この2次元コードを携帯端末1100により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1200のURLに遊技者がアクセスすることで、2次元コードから特定される内容が管理サーバ1200が備える遊技者データベースの内容に反映されるようになっている。
【0245】
また、パスワードが認証されてから2次元コードが表示されるまでの間は、新たなパスワードの入力が禁止されるようになっており、2次元コードが表示され、その表示がクリアされると、パスワード格納領域に格納されているパスワードと、個人履歴格納領域に記憶されている遊技履歴と、獲得コイン格納領域に格納されている獲得コイン数の内容とが全てクリアされ、再びパスワードの入力が許可されるようになっている。
【0246】
このように、本実施の形態のスロットマシン1では、遊技を開始する際に、管理サーバにおいて発行されたパスワードを入力することで、以前遊技を行った際の遊技履歴に対してこれから行なわれる遊技の履歴を反映させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある遊技を行わせることができる。また、新たな遊技履歴および獲得コイン数の履歴を特定するために出力される2次元コードにパスワードが含まれるため、パスワードを発行する管理サーバ1200において2次元コードに含まれるパスワードに基づきパスワードの発行を受けた遊技者本人であるか判別することが可能となり、第三者が他人のパスワードを入手して遊技を行ない2次元コードを取得したり、他人の2次元コードを取得したりしても、この2次元コードから特定される遊技履歴などを自らのものに反映させることはできない。これによりパスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワードおよび2次元コードの流用や盗用を防止することができる。
[演出用スイッチの長押しによるスタート]
また、本実施の形態では、管理サーバ1200への登録を済ませている遊技者であれば、演出用スイッチ56を操作するのみで、パスワードを入力せず、遊技履歴を蓄積可能な遊技を開始することが可能となる。
【0247】
詳しくは、遊技の開始操作、本実施の形態では演出用スイッチ56を一定時間以上操作すること(以下、演出用スイッチ56の長押しとする)で、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域の遊技履歴および獲得コイン格納領域の獲得コイン数の履歴が初期化される。
【0248】
そして、個人履歴格納領域には、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作からの遊技履歴が蓄積され、獲得コイン格納領域には、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作からの獲得コイン数の履歴が蓄積される。
【0249】
そして、遊技者が遊技を終える場合に、遊技の終了操作(メインメニュー画面において「2次元コード作成」を選択)を行なうと、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がされてからの遊技履歴および獲得コイン数の履歴に基づく2次元コードが生成され、表示される。
【0250】
そして、遊技者は、携帯端末1100にて、この表示された2次元コードを取得して管理サーバ1200にアクセスすることで、2次元コードから特定される遊技履歴および獲得コイン数の履歴を、当該遊技者の所持する携帯端末1100の端末識別情報に対応して遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
【0251】
演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作により遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なり、管理サーバ1200上の更新ページの所在を示すURLと、個人履歴格納領域に記憶されている遊技履歴と、獲得コイン格納領域に格納されている獲得コイン数とが格納されている。
【0252】
そして、この2次元コードを携帯端末1100により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1200のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が遊技者データベースに既に登録されているか否かが判定され、アクセスした携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が既に登録されている場合には、一致する端末識別情報に対応して、遊技者データベースの内容が更新されるようになっている。
【0253】
このように本実施の形態のスロットマシン1においては、既に管理サーバ1200に登録されている遊技者であれば、演出用スイッチ56を長押しするのみで、パスワードを入力することなく、パスワードを入力した場合と同様に遊技を行なうことが可能となる。そして、遊技終了時には、演出用スイッチ56の長押しに伴う遊技の開始操作がされてから終了までの遊技履歴および獲得コイン数の履歴を特定可能な2次元コードが表示される。そして、遊技終了時に表示された2次元コードにて管理サーバ1200にアクセスすることで、管理サーバ1200側では、当該遊技履歴などを送信した携帯端末の端末識別情報が、管理サーバ1200の遊技者データベースに既に登録されているか否かを判断し、既に登録されている場合には、遊技者データベースの内容が2次元コードから特定される遊技履歴および獲得コイン数の履歴に更新されることとなる。このため、既に端末識別情報が遊技者データベースに登録されている遊技者であれば、パスワードの発行を受けることなく、遊技履歴の蓄積機能を利用することが可能となり、その後、遊技の終了操作により表示された2次元コードで管理サーバ1200にアクセスするだけで、その間の遊技履歴および獲得コイン数の履歴を管理サーバ1200に登録・蓄積させることが可能となる。
[簡単スタート]
本実施の形態では、管理サーバ1200からパスワードの発行を受けるためには、予め携帯端末1100などで管理サーバ1200にアクセスし、会員登録などにより携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)を登録しておく必要がある。なお、本実施の形態では、図16(a)に示す、パスワード入力前のメインメニュー画面にて「会員登録」を選択することで管理サーバ1200の会員登録ページの所在を示すURLが特定される2次元コードが生成されて表示されるようになっており、携帯端末1100にて2次元コードを読み取ることにより簡単に管理サーバ1200の会員登録ページにアクセスできるようになっている。
【0254】
また、本実施の形態では、予め管理サーバ1200にアクセスして会員登録を済ませていない遊技者であっても、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。
【0255】
具体的には、図16(a)に示すメインメニュー画面から「簡単スタート」を選択することで、初回開始時用の2次元コードが表示される。この2次元コードには、管理サーバ1200上の仮登録ページの所在を示すURLと、開始時乱数と、が格納されており、この2次元コードを携帯端末1100により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1200のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末1100に割り当てられた端末識別情報(SIMデータ)と、2次元コードから特定される開始時乱数と、が対応付けて仮登録されるようになっている。
【0256】
一方、スロットマシン1では、「簡単スタート」を選択すると、RAM91cに割り当てられた個人履歴格納領域の遊技履歴および獲得コイン格納領域の獲得コイン数の履歴が初期化される。
【0257】
そして、個人履歴格納領域には、「簡単スタート」が選択されてからの遊技履歴が蓄積され、獲得コイン格納領域には、簡単スタートの選択時からの獲得コイン数の履歴が蓄積される。
【0258】
そして、遊技者が遊技を終える場合には、当該遊技者の遊技履歴および獲得コイン数を特定可能な2次元コードを取得し、2次元コードから特定される内容を管理サーバ1200が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
【0259】
「簡単スタート」を選択して遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なり、管理サーバ上の本登録ページの所在を示すURL、および、開始時乱数格納領域に格納されている開始時乱数、ならびに、個人履歴格納領域に記憶されている遊技履歴、ならびに、獲得コイン格納領域に格納されている獲得コイン数が格納されている。
【0260】
そして、この2次元コードを携帯端末1100により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1200のURLにアクセスすることで、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)が仮登録されているか否かが判定され、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)が仮登録されている場合には、仮登録されている端末識別情報に対応する開始時乱数と、2次元コードから特定される開始時乱数と、が一致するかが判定され、一致したことを条件に、端末識別情報に対応付けて、2次元コードから特定される遊技履歴および獲得コイン数の履歴が登録され、遊技者のデータが本登録されるようになっており、以後、これらのデータに基づいてパスワードの発行を受けることが可能となる。
【0261】
このように本実施の形態のスロットマシン1では、「簡単スタート」を入力することで、開始時乱数を取得し、この開始時乱数を特定可能な2次元コードが表示されるのみで、パスワードを入力することなく、パスワードを入力した場合と同様に遊技を行なうことが可能となる。そして、遊技終了時には、「簡単スタート」を入力してから終了までの遊技履歴および獲得コイン数の履歴と、「簡単スタート」入力時に取得した開始時乱数と、を特定可能な2次元コードが表示される。そして、遊技者は、遊技開始時に表示された2次元コードにおいて管理サーバ1200にアクセスして仮登録しておき、遊技終了時に表示された2次元コードにて管理サーバ1200にアクセスすることで、管理サーバ1200側では、遊技終了時に送信された2次元コードから特定される開始時乱数と、管理サーバ1200に仮登録されている開始時乱数と、が一致したことを条件に、当該2次元コードから特定される遊技履歴および獲得コイン数の履歴を新規に登録することが可能となる。このため、初めて遊技履歴の蓄積機能を利用する遊技者は、遊技を行なう前に予め管理サーバ1200にアクセスして会員登録を行なう必要がなく、「簡単スタート」の入力により表示された2次元コードで管理サーバ1200にアクセスするだけで、パスワードを入力したのと同様の遊技を開始することが可能となり、その後、遊技の終了操作により表示された2次元コードで管理サーバ1200にアクセスするだけで、その間の遊技履歴および獲得コイン数の履歴を管理サーバ1200に登録・蓄積させることが可能となる。
[電力設定]
また、本実施の形態においては、パスワード入力後や後述する簡単スタートによる遊技開始後において、図19(a)に示すように「電力設定」を選択することにより、各種演出手段の消費電力を抑える節電モードに設定することができる。なお、本実施の形態においては、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後に1回のみ電力設定が可能であり、遊技終了後に2次元コードを出力することにより、電力設定はクリアされて強制的に通常モードに設定されるようになっている。
【0262】
具体的に、本実施の形態においては、節電状態ではない通常モードまたは節電状態である節電モードの何れかに設定可能である。そして、通常モードに設定されている場合には、ビッグボーナス(BB1?3)に5回入賞する毎に、銀コインが1枚付与され、節電モードに設定されている場合には、通常モードに設定された時と同様にビッグボーナスに5回入賞する毎に銀コインが1枚付与されることに加えて、さらに、1000ゲーム実行する毎に金コインや銀コインが付与されるようになっている。これにより、通常モードに設定された場合よりも節電モードに設定された場合の方が、遊技者にとってはより多くのコイン、あるいはより価値の高いコインが付与される可能性が高いため、遊技者にとっては有利であるといえる。
【0263】
これにより、通常モードよりも消費電力が小さい節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるようにコインを付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0264】
図19(a)に示すように、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面から「電力設定」が選択されることで、図19(b)に示すように、「通常モード」または「節電モード」を選択可能なモード選択画面に移行する。モード選択画面においては、「節電モード」の下方に「節電モードを選ぶとコイン大量GETチャンス!!」の文字画像が表示されている。
【0265】
このように、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも、コインの付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなることを報知することによって、遊技者に対して節電することによるメリットを把握させることができる。
【0266】
図19(b)のモード選択画面において、節電モードが選択されると、図19(c)に示すように、さらに詳細に節電モードを設定可能な節電モード選択画面に移行する。具体的には、「小節電モード」、「中節電モード」、「大節電モード」の3つの節電モードが選択可能に表示される。なお、本実施の形態においては、後述するように、大節電モード、中節電モード、小節電モードの順に、演出手段の消費電力を小さくすることができ節電効果が大きくなっている。そして、節電効果の大きい順(大節電モード、中節電モード、小節電モードの順)に、1000ゲーム毎に付与されるコインの価値が大きくなり、遊技者にとって有利となるようになっている。
【0267】
具体的には、図20に示す節電モード別取得コイン数決定用テーブルに基づき、1000ゲーム毎にコインが付与されるようになっている。なお、この電力設定モード別取得コイン数決定用テーブルは、RAM91cに格納されている。本実施の形態においては、図20に示すように、小節電モードに設定された状態で1000ゲーム実行する毎に、銀コインが1枚付与されるようになっている。また、中節電モードに設定された状態で1000ゲーム実行する毎に、金コインが1枚付与されるようになっている。また、大節電モードに設定された状態で1000ゲーム実行する毎に、銀コインが1枚、金コインが1枚付与されるようになっている。
【0268】
なお、節電モード別に付与されるコインの数や種類は、図20に示す値に限定する必要はなく、大節電モード、中節電モード、小節電モードの順に付与されるコインの価値が大きくなり、遊技者にとって有利であればよい。
【0269】
図20に示すように、設定された節電モードに応じて獲得できるコインの価値が異なるため、図19(c)の節電モード選択画面には、「どれか一つを選んでね、節電効果が大きいほどコイン大量GET!!」の文字画像が表示されることで、遊技者に対して節電効果の大きい節電モードを促すようになっている。
【0270】
このように、節電モードの消費電力が通常モードの消費電力に比べて小さいほど、より高い有利度合いを設定するため、節電によって消費電力が抑えられた演出手段による演出とコインの付与に関する有利度合いとを考慮して、遊技者の好みに合った節電モードに設定することができる。
【0271】
また、遊技者の操作に基づき通常モードと節電モードとに切替設定することができるため、節電によって消費電力が抑えられた演出手段による演出とコインの付与に関する有利度合いとを考慮して、遊技者自身が自分の好みに合った節電モードに設定することができる。
【0272】
さらに、図19(c)の節電モード選択画面において、何れかの節電モードが選択されると、選択された節電モード設定で遊技が開始される。たとえば、図21は、大節電モードに設定されてからコインが付与されるまでの液晶表示器51における表示態様を示している。
【0273】
図19(c)の節電モード選択画面において何れかの節電モードに設定されると、図21(a)に示すように、液晶表示器51にキャラクタが表示され、「節電モード開始!!」の文字画像が表示される。
【0274】
また、画面の左上には、通常ゲージ511と、節電ゲージ512とが表示される。この通常ゲージ511は、通常モード、節電モード(大節電モード、中節電モード、小節電モードの順)の何れにおいても表示され、ビッグボーナスに1回入賞する毎にゲージが徐々に溜まるようになっている。そして、通常ゲージ511は、ビッグボーナスに5回入賞することで満タンになり、銀コインが1枚付与されるようになっている。また、節電ゲージ512は、通常モード、節電モード(大節電モード、中節電モード、小節電モードの順)の何れにおいても表示されるが、節電モードに設定された場合のみ点灯されるようになっている。つまり、通常モードに設定された場合、節電ゲージ512は消灯して灰色に表示される。節電ゲージ512は、1ゲーム消化する毎にゲージが徐々に溜まるようになっており、1000ゲーム消化することで満タンになり、図20に示す節電モード別取得コイン数決定用テーブルに基づき節電モード別にコインが付与されるようになっている。
【0275】
また、画面の右上には、設定された節電モードの名称とその省エネ度合いが表示される。図21(a)に示す例では、「大節電モード中(省エネ50%)」の文字画像が表示されている。
【0276】
次に、節電モードに設定された状態で1000ゲーム消化した場合は、図21(b)に示すように、節電ゲージ512が満タンになり、キャラクタが飛び跳ねる画像とともに、「節電ゲージMAX、コインGET!」の文字画像が表示される。
【0277】
そして、図21(c)に示すように、キャラクタがお辞儀をする画像とともに、「節電ご協力ありがとうございます」の文字画像が表示される。
【0278】
その後、図21(d)に示すように、金コインと銀コインの画像とともに、「大節電ポイントにより、金コイン1枚、銀コイン1枚GET!!」の文字画像が表示される。なお、図21(C)および図21(d)に示す画像は、節電ゲージ512が満タンになったときに表示されるものに限らず、遊技終了後に表示されてもよい。たとえば、遊技終了後に2次元コードが表示されるときに一緒に図21(C)および図21(d)に示す画像が表示されてもよい。
【0279】
このように、節電モードに設定されたときに、節電モードに設定された旨(図21の例では、「大節電モード中」の文字画像、および節電ゲージ512が点灯)と、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりもコインの付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨(図21の場合は、「節電ゲージMAX、コインGET!」の文字画像)とを液晶表示器51の特定部において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによるコインの付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0280】
また、遊技者の遊技履歴(ビッグボーナスの入賞回数、総ゲーム数)に基づいた所定の条件(ビッグボーナスに5回入賞、1000ゲーム消化)が成立したときに特典(コイン)が付与されるため、遊技履歴自体には興味がない遊技者に対しても興趣を向上させることができる。
【0281】
以上のように、節電モード中において節電ゲージ512が満タンに溜まると、図20に示す節電モード別取得コイン数決定用テーブルに基づき付与されるコインがRAM91cに割り当てられた獲得コイン格納領域に獲得コイン数として格納され、再び節電ゲージ512が空に表示される。なお、これを繰り返すことにより、獲得コイン格納領域に格納された獲得コイン数は累積記憶され、図18(b)に示すように、生成された2次元コードに格納されて遊技者が所有する携帯端末1100によって取得されるようになっている。
【0282】
次に、本実施の形態における各種電力設定時の演出態様について説明する。本実施の形態においては、図19で説明したように、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後において電力設定が可能だが、実際には、ATに制御されたときにのみ電力設定が反映される。
[通常モード]
図22(a)は、通常モード中におけるAT制御中のスロットマシン1の演出態様を説明するための図である。また、図22(b)は、通常モード中におけるAT制御中の液晶表示器51の表示態様を説明するための図である。なお、この例の場合、AT制御中におけるストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示している。
【0283】
図22(a)に示すように、通常モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、スピーカ53、54により「左だ!!」という音声出力により、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。さらに、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。これにより、遊技者は、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、ストップスイッチ8Lを押すことが分かるようになる。なお、図22(a)においては、ストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示しているが、ストップスイッチ8Cの押し順をナビする場合は、枠ナビLED71C、センターナビLED72Cが点灯し、さらにスピーカ53、54による音声出力がある。また、ストップスイッチ8Rの押し順をナビする場合も、枠ナビLED71RおよびセンターナビLED72Rが点灯し、さらにスピーカ53、54による音声出力がある。
【0284】
このように、通常モード中においては、スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rによるナビ演出が実行されるようになっている。
【0285】
また、図22(b)に示すように、通常モード中における液晶表示器51においては、画面の左上において、通常ゲージ511および節電ゲージ512が表示されているが、通常ゲージ511は点灯し、節電ゲージ512は消灯している。そして、画面の右上において、「通常モード中(省エネ0%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の中央においては、野球のシーン画像が表示されている。本実施の形態においては、ATに制御されると、このように野球のシーン画像が表示されて、バッターによるナビ演出が実行される。通常モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。
[小節電モード]
図23(a)は、小節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1の演出態様を説明するための図である。また、図23(b)は、小節電モード中におけるAT制御中の液晶表示器51の表示態様を説明するための図である。なお、この例の場合、AT制御中におけるストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示している。
【0286】
図23(a)に示すように、小節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、通常モード中に比べると、スピーカ53、54による音声出力が停止しており、スピーカ53、54における消費電力分が抑えられている。なお、図23(a)においては、ストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示しているが、ストップスイッチ8Cの押し順をナビする場合は、枠ナビLED71CおよびセンターナビLED72Cが点灯し、スピーカ53、54による音声出力が停止するようになっている。また、ストップスイッチ8Rの押し順をナビする場合も、枠ナビLED71RおよびセンターナビLED72Rが点灯し、スピーカ53、54による音声出力が停止するようになっている。
【0287】
このように、小節電モードにおいては、通常モードに比べて少ない種類の演出手段を用いてナビ演出が実行され、これにより、スピーカ53、54による消費電力分が抑えられるようになっている。しかしながら、スピーカ53、54による音声出力が停止されたとしても、他の枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rによるナビ演出は実行されるため、遊技者に対しては最低限のナビ演出が実行されるようになっている。
【0288】
このように、通常モードよりも消費電力が小さい小節電モードに設定された場合でも遊技者にとって有利となる操作手順が報知されるため、節電しながらでも最低限の操作手順を遊技者に報知することにより遊技者が知りたい情報を報知することができる。その結果、節電しながらでも演出による遊技性を確保でき、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0289】
また、図23(b)に示すように、小節電モード中における液晶表示器51においては、画面の左上において、通常ゲージ511および節電ゲージ512が表示されており、通常ゲージ511および節電ゲージ512はともに点灯している。そして、画面の右上において、「小節電モード中(省エネ10%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の中央においては、野球のシーン画像が表示されている。小節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。
【0290】
さらに、小節電モード中においては、ピッチャーのセリフとして、「ナビストックボールはまだあるぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ATに制御されるときに必要となるナビストックの有無を遊技者に対して報知するようになっている。
【0291】
また、小節電モード中においては、所定の確率で、バッターが持つバットの長さが長くなる小プレミア演出が実行される場合がある。このような演出が実行された場合には、ビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを50%の信頼度で報知するようになっている。つまり、この場合、残りの50%はガセ報知となる。そのため、遊技者は、このようなバットの長さが長くなる小プレミア演出が実行されたときには、50%の信頼度でビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを認識することができるため、小プレミア演出の実行が遊技者にとって有利となる特典であるといえる。
【0292】
このように、通常モードよりも消費電力が小さい小節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典(ナビストックの有無の報知、小プレミア演出の実行)を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0293】
また、小節電モードに設定されたときに、小節電モードに設定された旨と、小節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも特典(ナビストックの有無の報知、小プレミア演出の実行)の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(液晶表示器51の画面上におけるピッチャーのセリフ画像、バッターの演出)において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典(ナビストックの有無の報知、小プレミア演出の実行)の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0294】
また、小節電モードに設定されたときには、通常モードに設定されたときには行なわれない特別報知態様(小プレミア演出によるナビ演出)で操作手順が報知されるため、節電によって操作手順の報知が簡素化しても遊技者を楽しませることができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
[中節電モード]
図24(a)は、中節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1の演出態様を説明するための図である。また、図24(b)は、中節電モード中におけるAT制御中の液晶表示器51の表示態様を説明するための図である。なお、この例の場合、AT制御中におけるストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示している。
【0295】
図24(a)に示すように、中節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、枠ナビLED71Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。また、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、小節電モード中に比べると、枠ナビLED71Lは、構成する複数のLEDのうち、一部(上半分)のLEDのみが点灯して残りの下半分のLEDは消灯している。これにより、一部(下半分)のLEDにおける消費電力分が抑えられている。なお、図24(a)においては、ストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示しているが、ストップスイッチ8Cの押し順をナビする場合は、センターナビLED72Cが点灯し、枠ナビLED71Cにおいては一部のLEDのみが点灯して残りのLEDは消灯するようになっている。また、ストップスイッチ8Rの押し順をナビする場合も、センターナビLED72Rが点灯し、枠ナビLED71Rにおいては一部のLEDのみが点灯して残りのLEDは消灯するようになっている。
【0296】
このように、中節電モードにおいては、小節電モードに比べて少ない数の演出手段を用いてナビ演出が実行され、これにより、枠ナビLED71L、71C,71Rを構成する一部のLEDによる消費電力分が抑えられるようになっている。しかしながら、枠ナビLED71L、71C,71Rを構成する一部のLEDが消灯したとしても、枠ナビLED71L、71C,71Rを構成する残りの一部のLED、およびセンターナビLED72L、72C、72Rによるナビ演出は実行されるため、遊技者に対しては最低限のナビ演出が実行されるようになっている。
【0297】
このように、通常モードおよび小節電モードよりも消費電力が小さい中節電モードに設定された場合でも遊技者にとって有利となる操作手順が報知されるため、節電しながらでも最低限の操作手順を遊技者に報知することにより遊技者が知りたい情報を報知することができる。その結果、節電しながらでも演出による遊技性を確保でき、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0298】
また、図24(b)に示すように、中節電モード中における液晶表示器51においては、画面の左上において、通常ゲージ511および節電ゲージ512が表示されており、通常ゲージ511および節電ゲージ512はともに点灯している。そして、画面の右上において、「中節電モード中(省エネ30%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の中央においては、野球のシーン画像が表示されている。中節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。
【0299】
さらに、中節電モード中においては、ピッチャーのセリフとして、「ナビストックボールは3個以上あるぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ATに制御されるときに必要となるナビストックの残数が所定個数以上あることを遊技者に対して報知するようになっている。
【0300】
また、中節電モード中においては、所定の確率で、バッターがバットをぐるぐる回す中プレミア演出が実行される場合がある。このような演出が実行された場合には、ビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを70%の信頼度で報知するようになっている。つまり、この場合、残りの30%はガセ報知となる。そのため、遊技者は、このようなバッターがバットをぐるぐる回す中プレミア演出が実行されたときには、70%の信頼度でビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを認識することができるため、中プレミア演出の実行が遊技者にとって有利となる特典であるといえる。
【0301】
このように、通常モードおよび小節電モードよりも消費電力が小さい中節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典(ナビストックの残数が所定個数以上ある旨の報知、中プレミア演出の実行)を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0302】
また、中節電モードに設定されたときに、中節電モードに設定された旨と、中節電モードに設定されたときの方が通常モードおよび小節電モードに設定されたときよりも特典(ナビストックの残数が所定個数以上ある旨の報知、中プレミア演出の実行)の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(液晶表示器51の画面上におけるピッチャーのセリフ画像、バッターの演出)において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典(ナビストックの残数が所定個数以上ある旨の報知、中プレミア演出の実行)の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0303】
また、中節電モードに設定されたときには、通常モードおよび小節電モードに設定されたときには行なわれない特別報知態様(中プレミア演出によるナビ演出)で操作手順が報知されるため、節電によって操作手順の報知が簡素化しても遊技者を楽しませることができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
[大節電モード]
図25(a)は、大節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1の演出態様を説明するための図である。また、図25(b)は、大節電モード中におけるAT制御中の液晶表示器51の表示態様を説明するための図である。なお、この例の場合、AT制御中におけるストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示している。
【0304】
図25(a)に示すように、大節電モード中におけるAT制御中のスロットマシン1においては、センターナビLED72Lが点灯することにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。しかしながら、中節電モード中に比べると、枠ナビLED71Lが消灯しており、枠ナビLED71Lにおける消費電力分が抑えられている。なお、図25(a)においては、ストップスイッチ8Lの押し順をナビする演出態様を示しているが、ストップスイッチ8Cの押し順をナビする場合は、センターナビLED72Cのみが点灯し、枠ナビLED71Cは消灯したままとなる。また、ストップスイッチ8Rの押し順をナビする場合も、センターナビLED72Rのみが点灯し、枠ナビLED71Rは消灯したままとなる。
【0305】
このように、大節電モードにおいては、中節電モードに比べて少ない種類の演出手段を用いてナビ演出が実行され、これにより、枠ナビLED71L、71C,71Rによる消費電力分が抑えられるようになっている。しかしながら、枠ナビLED71L、71C,71Rが消灯したままとなっていても、センターナビLED72L、72C、72Rによるナビ演出は実行されるため、遊技者に対しては最低限のナビ演出が実行されるようになっている。
【0306】
このように、通常モード、小節電モード、および中節電モードよりも消費電力が小さい中節電モードに設定された場合でも遊技者にとって有利となる操作手順が報知されるため、節電しながらでも最低限の操作手順を遊技者に報知することにより遊技者が知りたい情報を報知することができる。その結果、節電しながらでも演出による遊技性を確保でき、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0307】
また、図25(b)に示すように、大節電モード中における液晶表示器51においては、画面の左上において、通常ゲージ511および節電ゲージ512が表示されており、通常ゲージ511および節電ゲージ512は点灯している。そして、画面の右上において、「大節電モード中(省エネ50%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の中央においては、野球のシーン画像が表示されている。大節電モード中においては、バッターのセリフとして「左を狙うぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ストップスイッチ8Lの押し順のナビが実行される。
【0308】
さらに、大節電モード中においては、ピッチャーのセリフとして、「ナビストックボールは4個あるぞ!!」の文字画像が表示されることにより、ATに制御されるときに必要となるナビストックの残数を遊技者に対して明確に報知するようになっている。
【0309】
また、大節電モード中においては、所定の確率で、バッターが鬼のキャラクタになる大プレミア演出が実行される場合がある。このような演出が実行された場合には、ビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを100%の信頼度で報知するようになっている。つまり、この場合、ガセ報知はないといえる。そのため、遊技者は、このようなバッターが鬼のキャラクタになる大プレミア演出が実行されたときには、100%の信頼度でビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを認識することができるため、大プレミア演出の実行が遊技者にとって有利となる特典であるといえる。
【0310】
このように、通常モード、小節電モード、および中節電モードよりも消費電力が小さい大節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典(ナビストックの残数を明確に報知、大プレミア演出の実行)を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
【0311】
また、大節電モードに設定されたときに、大節電モードに設定された旨と、大節電モードに設定されたときの方が通常モード、小節電モード、および中節電モードに設定されたときよりも特典(ナビストックの残数を明確に報知、大プレミア演出の実行)の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(液晶表示器51の画面上におけるピッチャーのセリフ画像、バッターの演出)において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典(ナビストックの残数を明確に報知、大プレミア演出の実行)の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0312】
また、大節電モードに設定されたときには、通常モード、小節電モード、および中節電モードに設定されたときには行なわれない特別報知態様(大プレミア演出によるナビ演出)で操作手順が報知されるため、節電によって操作手順の報知が簡素化しても遊技者を楽しませることができ、スロットマシン1の稼働率の低下を防止することができる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、先ず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
【0313】
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
【0314】
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
【0315】
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、先ず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。
【0316】
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
【0317】
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行なう内部抽選処理を行なう。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
【0318】
また、内部抽選処理では、BB1?3およびRB1、2の何れかに当選したときに、RT4に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT4フラグの値を設定など)が行なわれる。
【0319】
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
【0320】
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33L、33C、33Rにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施の形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、たとえば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かに関わらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
【0321】
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうち何れかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
【0322】
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5で示した何れかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。
【0323】
入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1?3およびRB1、2のうち何れかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
【0324】
また、RT0における入賞判定処理において、リプレイ3(昇格リプ)に入賞したと判定されたときには、RT2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定など)が行なわれる。RT0における入賞判定処理において、リプレイ4もしくはリプレイ5(転落リプ)に入賞したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT1の値を設定など)が行なわれる。
【0325】
また、RT2、RT3において取りこぼし出目が入賞ラインL1に停止していると判定されたときには、RT0に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT0の値を設定など)が行なわれる。
【0326】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払い出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
【0327】
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
【0328】
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行なわれる。
【0329】
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT3の値を設定など)が行なわれる。
【0330】
また、RT1中における払出処理では、当該RT1中において消化したゲーム数を特定可能に計数し、消化したゲーム数が32ゲームに到達したか否かを判定し、32ゲームに到達したと判定したときにRT0に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT0の値を設定など)が行なわれる。
【0331】
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT0?RT4の何れであるか、BBであるか、非BB中のRBであるかなど)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
【0332】
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0333】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT0?RT4、ボーナス状態の間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、先ず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
【0334】
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。
【0335】
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
【0336】
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタ、各種フラグを設定する領域、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。なお、本実施の形態においては、電力設定の種別を判定する電力設定フラグをRAM91cの所定領域に格納する。また、RAM91cには、前述したように、遊技履歴を格納する個人履歴格納領域および獲得コイン数の履歴を格納する獲得コイン格納領域が設けられている。
【0337】
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
【0338】
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)などによりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
【0339】
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態などに応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理、および各種演出手段による消費電力を設定するための消費電力設定処理が行なわれる。
[電力設定モード選択時電力設定処理]
サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定モード選択時電力設定処理を実行することにより、遊技者により選択された電力設定をセットする。図26は、電力設定モード選択時電力設定処理を実行するためのフローチャートである。
【0340】
図26に示すように、先ず、サブ制御部91は、SA11において、電源復帰時から5分間経過したか否かを判定する。ここで、「電源復帰時」とは、スロットマシン1に対する電力供給が停止している状態からスロットマシン1に対して電力の供給が開始されるときをいう。サブ制御部91は、SA11において、電源復帰時から5分間経過していないと判定したときには、電力設定モード選択時電力設定処理を終了する。
【0341】
一方、サブ制御部91は、SA11において、電源復帰時から5分間経過したと判定したときには、SA12において、節電モードの選択済みか否かを判定する。即ち、2次元コードを出力した後に1回でも節電モードの選択がされたか否かを判定する。サブ制御部91は、SA12において、すでに節電モードの選択済みであると判定したときには、電力設定モード選択時電力設定処理を終了する。
【0342】
一方、サブ制御部91は、SA12において、未だ節電モードの選択済みではないと判定したときには、SA13において、電力設定モードの選択を受付開始する。つまり、図19(a)に示すように、遊技者による電力設定モードの選択を可能にする
サブ制御部91は、SA13において、電力設定モードの選択を受付開始した後、SA14において、節電モードの選択があったか否かを判定する。つまり、図19(b)に示すように、遊技者による節電モードの選択があったか否かを判定する。
【0343】
サブ制御部91は、SA14において、遊技者による節電モードの選択がないと判定して所定時間経過したときには、SA15において、通常モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。
【0344】
一方、サブ制御部91は、SA14において、遊技者による節電モードの選択があったと判定したときには、SA16において、各節電モードのうちの何れかの選択があったか否かを判定する。つまり、図19(c)に示すように、遊技者による複数の節電モードのうちの何れかの節電モードの選択があったか否かを判定する。
【0345】
サブ制御部91は、SA16において、何れの節電モードの選択もないと判定して所定時間経過したときには、SA15において、通常モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。一方、サブ制御部91は、SA16において、何れかの節電モードの選択があったと判定したときには、SA17において、選択された節電モードに基づき電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。その後、サブ制御部91は、電力設定モード選択時電力設定処理を終了する。
【0346】
このように、電源復帰時から5分間経過したことを条件に、通常モードから節電モードに切替設定することができるため、電源復帰の直後に節電モードに設定されることにより故障であると誤認されてしまう不都合を防止することができる。
[電力設定モード記憶時電力設定処理]
サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定モード記憶時電力設定処理を実行することにより、電源復帰前に節電モードに基づく電力設定フラグがRAM91cの所定領域にすでにセットされていた場合に、セットされていた節電モードに基づく電力設定フラグを有効化する。たとえば、前日に他の遊技者により電力設定された状態で、当該他の遊技者が2次元コードを作成することなしにそのまま遊技を終えた場合において、その翌日にスロットマシン1の電源を立ち上げた直後に遊技者が遊技を行なった場合が考えられる。図27は、電力設定モード記憶時電力設定処理を実行するためのフローチャートである。
【0347】
図27に示すように、先ず、サブ制御部91は、SA21において、電源復帰時から5分間経過したか否かを判定する。サブ制御部91は、SA21において、電源復帰時から5分間経過していないと判定したときには、電力設定モード記憶時電力設定処理を終了する。
【0348】
一方、サブ制御部91は、SA21において、電源復帰時から5分間経過したと判定したときには、RAM91cの所定領域にすでにセットされていた節電モードに基づく電力設定フラグを有効化する。その後、サブ制御部91は、電力設定モード記憶時電力設定処理を終了する。
【0349】
これにより、たとえば、スロットマシン1の電源復帰前において他の遊技者により設定されていた節電モードを電源復帰時から5分間は無効化された状態とし、電源復帰時から5分間経過した後に有効化することができる。このように、電源復帰時から5分間経過したことを条件に、通常モードから節電モードに切替設定することができるため、電源復帰の直後に節電モードに設定されることにより故障であると誤認されてしまう不都合を防止することができる。
[電力設定変更処理]
サブ制御部91は、消費電力制御処理に含まれる電力設定変更処理を実行することにより、AT制御中におけるナビ演出においてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を間違えた場合にナビ演出を行なう演出手段の簡素化を軽減する。図28は、電力設定変更処理を実行するためのフローチャートである。
【0350】
図28に示すように、先ず、サブ制御部91は、SA31において、メイン制御部41から、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドを受信したか否かを判定する。サブ制御部91は、SA31において、入賞判定コマンドを受信していないと判定したときには、電力設定変更処理を終了する。
【0351】
一方、サブ制御部91は、SA31において、入賞判定コマンドを受信したと判定したときには、SA32において、受信した入賞判定コマンドに基づき入賞の有無および入賞役を特定する。その後、サブ制御部91は、SA33において、入賞判定コマンドに基づき入賞していたか否かを判定する。
【0352】
サブ制御部91は、SA33において、入賞していたと判定したときには、電力設定変更処理を終了する。一方、サブ制御部91は、SA33において、入賞していなかったと判定したときには、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役か否かを判定する。
【0353】
サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役ではないと判定したときには、電力設定変更処理を終了する。一方、サブ制御部91は、SA34において、入賞しなかった入賞役は、ナビをしたゲームに対応する入賞役であると判定したときには、SA35において、現在の電力設定は節電モード中か否かを判定する。
【0354】
サブ制御部91は、SA35において、現在の電力設定は節電モード中ではない、つまり通常モード中であると判定したときには、電力設定変更処理を終了する。一方、サブ制御部91は、SA35において、現在の電力設定は節電モード中であると判定したときには、SA36において、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更して電力設定フラグをRAM91cの所定領域にセットする。つまり、現在の節電モードが大節電モードに設定されていれば、中節電モードに設定変更する。また、現在の節電モードが中節電モードに設定されていれば、小節電モードに設定変更する。また、現在の節電モードが小節電モードに設定されていれば、通常モードに設定変更する。その後、サブ制御部91は、電力設定変更処理を終了する。
【0355】
このように、節電モードに設定されたときにAT制御中におけるナビ演出においてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を間違えた場合には、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更して切替設定する。これにより、遊技者が節電モード中に操作手順を誤った場合でも、消費電力を1段階低くするように電力設定を変更することにより操作手順の報知の簡素化を軽減するため、遊技者が連続してAT制御中における押し順を誤ってしまうことを防止することができる。
[AT抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるAT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。ここで、本実施の形態において、AT抽選は、遊技状態がRT0?RT3である場合において強イチゴAもしくは弱イチゴAが当選したことを契機として実行される。なお、AT抽選においては、付与されるナビストック数を決定する抽選を実行する。
【0356】
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
【0357】
図29は、AT抽選テーブルを説明するための図である。AT抽選テーブルにおいては、AT抽選対象役に対応して、ナビストック数ごとの付与される確率が設定されている。たとえば、強イチゴAに当選した場合においては、付与されるナビストック数が0個に決定される確率が10%、1個に決定される確率が5%、2個に決定される確率が5%、3個に決定される確率が20%、4個に決定される確率が30%、5個に決定される確率が30%に設定されている。また、弱イチゴAに当選した場合においては、付与されるナビストック数が0個に決定される確率が10%、1個に決定される確率が30%、2個に決定される確率が30%、3個に決定される確率が15%、4個に決定される確率が10%、5個に決定される確率が5%に設定されている。
【0358】
このように、AT抽選によって、ATに制御されるためのナビストック数は、0?5個の中から決定されるようになっており、たとえば0?2個に決定されるよりも、3?5個に決定される方が遊技者にとって有利であるといえる。
【0359】
また、強イチゴAに当選した場合において、ナビストック数が0?2個に決定される確率は20%であり、3?5個に決定される確率は80%である。一方、弱イチゴAに当選した場合において、ナビストック数が0?2個に決定される確率は70%であり、3?5個に決定される確率は30%である。このように、強イチゴAに当選した場合は、ナビストック数が0?2個に決定されるよりも3?5個に決定される可能性の方が高く設定されており、弱イチゴAに当選した場合は、ナビストック数が3?5個に決定されるよりも0?2個に決定される可能性の方が高く設定されている。そのため、強イチゴAに当選した場合は、弱イチゴAに当選した場合よりも遊技者にとって有利であるといえる。
【0360】
なお、付与されるナビストック数、およびナビストック数ごとの付与される確率は、図29に示す値に限定する必要はない。
【0361】
サブ制御部91は、AT抽選において1個以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨およびナビストック数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1消費してATに制御可能となる。
【0362】
なお、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数を獲得したときには、ATフラグから特定されるナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
【0363】
たとえば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選が行なわれる場合には、当該AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、たとえば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであってもよく、AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであってもよい。
【0364】
本実施の形態においては、AT抽選条件が成立する毎に実行されるAT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
【0365】
なお、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選においてさらにナビストック数を獲得したときには、上乗せ加算するものに限らず、今回付与されたナビストック数に書き換えるものであってもよい。この場合、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグを今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を示すATフラグに書き換えることであってもよい。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、RT0、あるいはRT2であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
【0366】
具体的に、サブ制御部91は、RT1において32ゲーム消化された時点でATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。このとき、遊技状態がRT1からRT0へ移行すると同時にナビストック数を1消費して、ATに制御する。なお、AT中におけるRT0においてリプレイ3(昇格リプ)の入賞によりRT2に制御されたときには、当該RT2においても当該ATへの制御が継続される。
【0367】
一方、サブ制御部91は、AT中におけるRT0においてリプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)の入賞によりRT1に制御されたときには、非ATに制御する。なお、RT1に移行したときに所有しているナビストックは、RT1における32ゲームの消化後にRT0へ移行するまで持ち越される。
【0368】
また、サブ制御部91は、AT中におけるRT2において取りこぼし出目が導出されたときには、当該RT0においても当該ATへの制御が継続される。
【0369】
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行なうことにより、RT0、RT2におけるATであるときには、消化したゲーム数を計数する。本実施の形態では、ナビストックを1消費することにより50ゲームの間、ATに制御される。サブ制御部91は、計数したゲーム数が50ゲームに達したと判定した場合にナビストックが残っていれば、51ゲーム目から再びナビストックを1消費することにより追加で50ゲームの間、ATに制御する。一方、サブ制御部91は、計数したゲーム数が50ゲームに達したと判定した場合にナビストックが残っていなければ、50ゲームに到達したときに非ATに制御する。
【0370】
非ATに制御されたときには、ナビ演出が実行されない。これにより、RT0においては、リプレイ3(昇格リプ)の入賞が発生しにくくなるとともに、リプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)が発生しやすくなる。また、RT2においては、取りこぼし出目が導出しやすくなる。そのため、RT0やRT2での遊技が継続されることを極力防止することができる。
[ナビ演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
【0371】
ここで、本実施の形態においては、RT1での所定ゲーム数を消化する前の残り所定ゲーム(本実施の形態においては、残り5ゲーム)、つまりRT1でのゲーム数が32ゲームであれば28ゲーム目から32ゲーム消化するまでの間に示唆演出が行なわれる。示唆演出とは、RT1の遊技状態におけるAT抽選でナビストックが付与されたか否かを示唆する演出、つまり、RT1終了後にATに制御されるか否かを煽る演出である。
【0372】
また、上述した示唆演出が終了した時点、つまり、RT1において所定ゲーム数を消化してRT0へ移行するときにナビストックを所有していれば、ナビ演出が実行される。なお、RT0におけるナビ対象役は、リプA?F、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dである。
【0373】
また、その後、リプレイ3(昇格リプ)に入賞することにより、RT2へ移行するが、そのときにナビ演出が実行されていれば、RT2においてもナビ演出は継続される。なお、RT2におけるナビ対象役は、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dである。
【0374】
このように、本実施の形態におけるATは、RT0およびRT2の遊技状態にのみナビ演出が実行される。
【0375】
リプA?Fのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が報知される。たとえば、リプAに当選したときのナビ演出としては、「順押し」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。また、スピーカ53、54による音声出力、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72Rによる点灯により、ナビ演出がなされる。これにより、遊技者は、リプレイ3(昇格リプ)に入賞してRT2へ移行し易くなるとともに、リプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)の入賞を回避してRT1へ移行することを防止することができる。
【0376】
左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。これにより、遊技者は、ベル1もしくはベル2に入賞してメダルを取得し易くなるとともに、RT2の状態においては取りこぼし出目が導出されることを回避してRT0へ移行することを防止することができる。
【0377】
なお、ナビ演出の態様は、上記に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。
【0378】
また、サブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品を用いて実行する。
【0379】
遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中であるときには、たとえば、液晶表示器51に「通常中」といったメッセージを表示するなどの演出が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、たとえば、液晶表示器51に「AT中」といったメッセージを表示するなどの演出が行なわれる。
[電力設定反映処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれる電力設定反映処理を行なうことにより、AT制御中においてRAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する。図30は、電力設定反映処理を実行するためのフローチャートである。
【0380】
図30に示すように、先ず、サブ制御部91は、SA41において、AT制御中であるか否かを判定する。サブ制御部91は、SA41において、AT制御中ではないと判定したときには、電力設定反映処理を終了する。
【0381】
一方、サブ制御部91は、SA41において、AT制御中であると判定したときには、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づく消費電力に応じて、AT制御中においてナビ演出をする演出手段(スピーカ53、54、枠ナビLED71L、71C、71R、およびセンターナビLED72L、72C、72R)の演出を制御する。
【0382】
このように、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なAT制御状態であることを条件に、RAM91cの所定領域にセットされた電力設定に基づき演出手段を制御する。つまり、遊技者により通常モードから節電モードに電力設定を変更していた場合には、AT制御状態であることを条件に、通常モードから節電モードに切替設定する。これにより、AT制御状態は演出手段による演出のための消費電力が大きくなりがちであるため、節電がより有効になる。また、AT制御状態は遊技者にとって有利であるため遊技者が遊技を止める可能性が低くなる。そのため、節電によって演出手段の消費電力を抑えてもスロットマシン1の稼働率が低下しにくくなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、前述した第1の実施形態におけるスロットマシン1をパチンコ遊技機700に置き換えた場合について説明する。
【0383】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機700の全体の構成について説明する。図31は、パチンコ遊技機700の正面図である。図32は、大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
【0384】
パチンコ遊技機700は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機700は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠702を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品などが取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤706を除く)とを含む構造体である。
【0385】
ガラス扉枠702の下部表面には打球供給皿(上皿)703がある。打球供給皿703の上面には、演出図柄(飾り図柄)の変動表示において特定の演出が実行されるときに操作されるチャンスボタン7111が設けられている。このチャンスボタン7111は、第1の実施の形態で説明したスロットマシン1の演出用スイッチ56に対応する。
【0386】
打球供給皿703のチャンスボタン7111が設けられている辺りの前面には、各種設定項目などを選択するときに操作される選択ボタン7112A,7112Bが設けられている。この選択ボタン7112A,7112Bは、第1の実施形態で説明したスロットマシン1の図15から図18のような画面の表示時におけるストップスイッチ8L,8Rに対応する。
【0387】
打球供給皿703の下部には、打球供給皿703に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿704や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)705が設けられている。また、ガラス扉枠702の背面には、遊技盤706が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤706は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤706の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域707が形成されている。遊技領域707には、遊技球を誘導するための、多数の釘が植設されている。
【0388】
また、遊技領域707の上方には、時短制御中において点灯する右打ちナビLED740a、704b、740c、740d、740eが配列されている。右打ちナビLED740a、704b、740c、740d、740eは、遊技領域707の左方向から右方向に向けた矢印の形をしており、これらが点灯することによって、遊技者に対して右打ちする旨を報知することができるようになっている。なお、右打ちとは、打球操作ハンドル(操作ノブ)705の操作によって、遊技領域707の右方向を狙って遊技球を弾発させる打ち方をいう。
【0389】
遊技領域707の中央付近には、演出表示装置(LCD)で構成された演出表示装置709が設けられている。演出表示装置709では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示などの各種の変動態様で実行される。演出表示装置709は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置709では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置709は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置709で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0390】
遊技盤706における演出表示装置709の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)708aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器708aは、0?9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器708aは、0?9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤706における演出表示装置709の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)708bが設けられている。第2特別図柄表示器708bは、0?9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器708bは、0?9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
【0391】
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0?9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bは、それぞれ、たとえば、00?99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
【0392】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器708aと第2特別図柄表示器708bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
【0393】
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口713または第2始動入賞口714に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0394】
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口713に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口714に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ7560のRAM755の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
【0395】
パチンコ遊技機700には、遊技者が打球操作ハンドル705を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域707に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域707を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域707に入り、その後、遊技領域707を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口713に入り第1始動口スイッチ713aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器708aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口713への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0396】
遊技球が第2始動入賞口714に入り第2始動口スイッチ714aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器708bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置709において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口714への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0397】
演出表示装置709は、第1特別図柄表示器708aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器708bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器708aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器708bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器708aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器708bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置709において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器708a、第2特別図柄表示器708b、および、演出表示装置709は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
【0398】
演出表示装置709では、変動表示を開始するときに、たとえば、左,中,右の演出図柄のすべてが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(たとえば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
【0399】
演出表示装置709の下方には、第1始動入賞口713を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口713に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第1始動口スイッチ713aによって検出される。
【0400】
また、第1始動入賞口(第1始動口)713を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口714(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)715が設けられている。第2始動入賞口714に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第2始動口スイッチ714aによって検出される。可変入賞球装置715は、ソレノイド716によって開放状態とされる。可変入賞球装置715が開放状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口714に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置715が開放状態になっている状態では、第1始動入賞口713よりも、第2始動入賞口714に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口714に入賞しない。なお、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口714に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
【0401】
以下、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0402】
可変入賞球装置715が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置715に向かう遊技球は第2始動入賞口714に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口713は演出表示装置709の直下に設けられているが、演出表示装置709の下端と第1始動入賞口713との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口713の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口713の周辺での釘の配列を遊技球を第1始動入賞口713に導きづらくして、第2始動入賞口714の入賞率の方を第1始動入賞口713の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0403】
第1特別図柄表示器708aの下部には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器718aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器708aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
【0404】
第2特別図柄表示器708bの下部には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器718bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器708bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
【0405】
また、演出表示装置709の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部718cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部718dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
【0406】
なお、この実施の形態では、第2始動入賞口714に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置715が設けられているが、第1始動入賞口713および第2始動入賞口714のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
【0407】
演出表示装置709における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置709の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
【0408】
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物などを模した演出表示であり、図柄(演出図柄など)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置709の背景画像の表示態様(たとえば、色など)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
【0409】
また、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。特別可変入賞球装置720は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開放状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置720は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置720が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置720に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
【0410】
特別可変入賞球装置720は、第1特別図柄表示器708aまたは第2特別図柄表示器708bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド721によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ723で検出される。
【0411】
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置720が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。なお、本実施の形態では、1ラウンドで1回だけ特別可変入賞球装置720を開放状態とする制御例を示したが、これに限らず、1ラウンドで2回などの複数回、特別可変入賞球装置720を開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。
【0412】
演出表示装置709の下部には、普通図柄表示器710が設けられている。普通図柄表示器710は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
【0413】
演出表示装置709の右にはゲート732Rが設けられ、演出表示装置709の左にはゲート732Lが設けられている。遊技球が何れか一方のゲート732L、732Rを通過すると、その遊技球の通過がそれぞれのゲートスイッチ732a、ゲートスイッチ732bで検出される。遊技球の通過が検出されると、普通図柄表示器710の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置715の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口714に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。また、特に、ゲート732Rは、遊技球が通過し易い状態と遊技球が通過し難い状態とに変化させるための可動片が設けられている。
【0414】
本実施の形態において、時短制御中は、ゲート732Rが遊技球の通過し易い状態に変化する。そのため、時短制御中においては、ゲート732Rを狙って右打ちすることにより、ゲート732Rに遊技球が入り易くなり、普通図柄を変動させ易くすることができる。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合には、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ開放状態になるため、その結果、遊技者にとって有利な状態(第2始動入賞口714に遊技球が入賞可能な状態)となる。
【0415】
普通図柄表示器710の近傍には、ゲート732Rを通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器741が設けられている。ゲート732Rへの遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ732a、bによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器741は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器710の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器741においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
【0416】
遊技盤706の遊技領域707の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED725が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口726がある。また、遊技領域707の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ727L、727Rが設けられている。遊技領域707の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728cが設けられている。たとえば、天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728cは、繰返し変動パターンとしての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときには、点滅する制御が行なわれる。
【0417】
繰返し変動パターンとは、特別図柄および演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに特定の演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行するような変動パターンをいう。ここで、特定の演出表示は、たとえば、再変動をする演出表示などの演出表示であり、所定回数繰返し実行可能な演出表示であれば、たとえば予告表示などの再変動表示以外の演出表示であってもよい。この実施形態では、繰返し変動パターンの一例として、再変動を特定の演出表示として所定回数繰返し実行可能である擬似連の変動パターンを用いる例を説明する。
【0418】
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
【0419】
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(擬似連再変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置709において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
【0420】
また、左枠LED728bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED751が設けられ、右枠LED728cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED752が設けられている。天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728cおよび装飾LED725は、パチンコ遊技機700に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
【0421】
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機700に隣接して設置される(図示せず)。
【0422】
次に、図32の当り種別表においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図32に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、2ラウンドの大当り遊技状態と同様の開放回数および開放時間の小当り遊技状態となる。
【0423】
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
【0424】
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置720の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
【0425】
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
【0426】
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
【0427】
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
【0428】
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
【0429】
なお、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、15ラウンドの大当りについて通常大当りが設けられている例を示す。また、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りのいずれか一方、または、両方について「通常大当り」を設けてもよい。また、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りの両方について通常大当りが設けられていなくてもよい。
【0430】
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置715の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置715の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置715が開放状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口714への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器708a,708bや演出表示装置709における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口714への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
【0431】
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口714への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置715、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置715への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
【0432】
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
【0433】
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
【0434】
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御される場合と、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御されない場合とがある。なお、大当りの遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限された電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
【0435】
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
【0436】
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。なお、前述の通常大当りのように、大当り遊技状態終了後に大当り確率の状態が低確率状態となるものについて、たとえば電チューサポート制御を行なう場合には、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である「低確高ベース状態」となる。
【0437】
図32に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、突確大当りが設けられている。
【0438】
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
【0439】
また、通常大当りにおいては、時短状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
【0440】
突確大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。突確大当りにおいては、確変状態が、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続する。
【0441】
突確大当りは、ラウンド数が少なく (2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」と呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。この実施形態では、2ラウンドの確変大当りを、「突確大当り」と呼ぶ。このような突確大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
【0442】
小当りは、小当りとなったときの遊技状態(小当り遊技状態)において、突確大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当り(有利状態)である。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における大当り確率およびベース状態のような遊技状態が維持される当りである。なお、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突確大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突確大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突確大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置720の開放態様が、突確大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置720を開放する当りであればよい。
【0443】
低確低ベース状態において突確大当りとすることが決定されると、当該突確大当りの大当り遊技状態の終了後においては、高確低ベース状態となるので、ベース状態が、低確低ベース状態において小当りとすることが決定されたときの小当り遊技状態終了後の状態と同じ低ベース状態となる。これにより、低確低ベース状態において、大入賞口が2回開放される当りが生じたときに、突確大当りであるのか、小当りであるのかを遊技者が識別しにくいようにすることが可能となり、遊技の面白味が向上する。
【0444】
なお、通常大当りとしては、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。また、確変大当りとしては、確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確低ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。また、突確大当りとしては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)とする制御が行なわれる大当りであってもよい。
【0445】
図33は、パチンコ遊技機700の内部構造を示す図である。なお、パチンコ遊技機700の内部構造においては、遊技球を払い出す球払出装置797を制御する払出制御基板737も設けられている。図33に示すように、主基板731には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機700を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)7560が搭載されている。
【0446】
遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラムなどを記憶するROM754、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM755、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU756およびI/Oポート部757を含む。この実施の形態では、ROM754およびRAM755は遊技制御用マイクロコンピュータ7560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU756のほかRAM755が内蔵されていればよく、ROM754は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部757は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ7560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路7503が内蔵されている。
【0447】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてCPU756がROM754に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ7560(またはCPU756)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU756がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板731以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0448】
乱数回路7503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路7503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0449】
乱数回路7503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能などの各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0450】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、乱数回路7503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM754などの所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ7560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ7560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路7503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路7503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0451】
遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、第1始動口スイッチ713aまたは第2始動口スイッチ714aへの始動入賞が生じたときに乱数回路7503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
【0452】
また、RAM755は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM755の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電などが生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電などの発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM755の全部が、電源バックアップされているとする。
【0453】
遊技制御用マイクロコンピュータ7560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ7560などに供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ7560などは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ7560などは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560などの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560などの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
【0454】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ7560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
【0455】
また、ゲートスイッチ732a、b、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714aおよびカウントスイッチ723からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ7560に与える入力ドライバ回路758も主基板731に搭載されている。また、可変入賞球装置715を開閉するソレノイド716、および、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置720を開閉するソレノイド721を遊技制御用マイクロコンピュータ7560からの指令にしたがって駆動する出力回路759も主基板731に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報などの情報出力信号をホールコンピュータなどの外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板731に搭載されている。
【0456】
この実施の形態では、演出制御基板780に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板777を介して遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置709の表示制御を行なう。そして、演出制御基板780は、中継基板777を介して遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信して、音声出力基板770を制御することにより、スピーカ727L、727Rから音声を出力する。
【0457】
また、この実施の形態では、演出制御基板780には、チャンスボタン7111からの操作信号が入力され、チャンスボタン7111からの操作信号に応じて演出および図15から図19で説明した画面などでの決定操作を実行する。
【0458】
また、この実施の形態では、演出制御基板780には、選択ボタン7112A,7112Bからの操作信号が入力され、選択ボタン7112A,7112Bからの操作信号に応じて図15から図19で説明した画面などでの選択操作を実行する。
【0459】
以上の構成を有する本発明の第2実施形態に係るパチンコ遊技機700においては、第1実施形態で説明したスロットマシン1の遊技履歴であるビッグボーナス(BB1?3)の入賞回数および総ゲーム数を、演出表示装置709における図柄の変動表示の結果、大当りとなった回数、および演出表示装置709において図柄が変動する回数に置換えることによって、第1実施形態の内容を第2実施形態に適用することができる。なお、この場合において、第1実施形態のスロットマシン1におけるメイン制御部41は第2実施形態のパチンコ遊技機700における遊技制御用マイクロコンピュータ7560に、スロットマシン1におけるサブ制御部91はパチンコ遊技機700における演出制御基板780に、スロットマシン1における液晶表示器51はパチンコ遊技機700における演出表示装置709に対応する。
【0460】
たとえば、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様に、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後において、図19(a)に示すように「電力設定」を選択することにより、各種演出手段の消費電力を抑える節電モードに設定することができる。
【0461】
そして、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、たとえば、通常モードに設定されている場合には、大当りが5回発生する毎に、銀コインが1枚付与される。そして、節電モードに設定されている場合には、通常モードに設定された時と同様に大当りが5回発生する毎に銀コインが1枚付与されることに加えて、さらに、演出表示装置709において図柄が変動する回数が1000回転に達する毎に金コインや銀コインが付与される。これにより、通常モードに設定された場合よりも節電モードに設定された場合の方が、遊技者にとってはより多くのコインが付与される可能性が高いため、遊技者にとっては有利であるといえる。
【0462】
これにより、通常モードよりも消費電力が小さい節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるようにコインを付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0463】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様に、図19(b)に示すように、「通常モード」または「節電モード」を選択可能なモード選択画面に移行する。
【0464】
これにより、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも、コインの付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなることを報知することによって、遊技者に対して節電することによるメリットを把握させることができる。
【0465】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様に、図19(c)に示すように、さらに詳細に節電モードを設定可能な節電モード選択画面に移行する。また、何れかの節電モードに設定された場合には、図20に示す節電モード別取得コイン数決定用テーブルのように、演出表示装置709において図柄が変動する回数が1000回転に達する毎に対応するコインが付与される。
【0466】
これにより、節電モードの消費電力が通常モードの消費電力に比べて小さいほど、より高い有利度合いを設定するため、節電によって消費電力が抑えられた演出手段による演出とコインの付与に関する有利度合いとを考慮して、遊技者の好みに合った節電モードに設定することができる。
【0467】
また、遊技者の操作に基づき通常モードと節電モードとに切替設定することができるため、節電によって消費電力が抑えられた演出手段による演出と特典の付与に関する有利度合いとを考慮して、遊技者自身が自分の好みに合った節電モードに設定することができる。
【0468】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様に、図21(a)?(d)に示すように、節電モードの開始から節電ポイントによりコインが付与されるまでの表示態様が演出表示装置709においてなされる。
【0469】
これにより、節電モードに設定されたときに、節電モードに設定された旨と、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりもコインの付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを演出表示装置709の特定部において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによるコインの付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0470】
また、遊技者の遊技履歴(大当りの発生回数、演出表示装置709において図柄が変動する回数)に基づいた所定の条件(大当りが5回発生、演出表示装置709において図柄が変動する回数が1000回転に達成)が成立したときに特典(コイン)が付与されるため、遊技履歴自体には興味がない遊技者に対しても興趣を向上させることができる。
また、第1実施形態に係るスロットマシン1におけるAT制御を、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700における時短制御に置き換えることによって、第1実施形態の内容を第2実施形態に適用することができる。
【0471】
たとえば、以下、図34?図37を用いて、本発明の第2実施形態に係るパチンコ遊技機700における通常モード時および節電モード時のパチンコ遊技機700の演出態様および演出表示装置709の表示態様を説明する。
[通常モード]
図34(a)は、通常モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700の演出態様を説明するための図である。また、図34(b)は、通常モード中における時短制御中の演出表示装置709の表示態様を説明するための図である。
【0472】
図34(a)に示すように、通常モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700においては、スピーカ727L、727Rにより「右打ち!!」という音声出力により、右打ちのナビが実行される。また、右打ちナビLED740a、740b、740c、740d、740eが点灯することによっても右打ちのナビが実行される。これにより、遊技者は、右打ちをすることでゲート遊技球の入り易いゲート732Rを狙うようになる。
【0473】
また、図34(b)に示すように、通常モード中における演出表示装置709においては、画面の左上において、通常ゲージ811および節電ゲージ812が表示されているが、通常ゲージ811は点灯し、節電ゲージ812は消灯している。そして、画面の右上において、「通常モード中(省エネ0%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の右下においては、「右打ちせよ!!」の文字画像が表示されることにより、右打ちのナビが実行される。
[小節電モード]
図35(a)は、小節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700の演出態様を説明するための図である。また、図35(b)は、小節電モード中における時短制御中の演出表示装置709の表示態様を説明するための図である。
【0474】
図35(a)に示すように、小節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700においては、右打ちナビLED740a、740b、740c、740d、740eが点灯することによって右打ちのナビが実行される。しかしながら、通常モード中に比べると、スピーカ53、54による音声出力が停止しており、スピーカ727L、727Rにおける消費電力分が抑えられている。
【0475】
このように、小節電モードにおいては、通常モードに比べて少ない種類の演出手段を用いてナビ演出が実行され、これにより、スピーカ727L、727Rによる消費電力分が抑えられるようになっている。しかしながら、スピーカ727L、727Rによる音声出力が停止されたとしても、他の右打ちナビLED740a、740b、740c、740d、740eによるナビ演出は実行されるため、遊技者に対しては最低限のナビ演出が実行されるようになっている。
【0476】
このように、通常モードよりも消費電力が小さい小節電モードに設定された場合でも遊技者にとって有利となる操作手順が報知されるため、節電しながらでも最低限の操作手順を遊技者に報知することにより遊技者が知りたい情報を報知することができる。その結果、節電しながらでも演出による遊技性を確保でき、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0477】
また、図35(b)に示すように、小節電モード中における演出表示装置709においては、画面の左上において、通常ゲージ811および節電ゲージ812が表示されており、通常ゲージ811および節電ゲージ812はともに点灯している。そして、画面の右上において、「小節電モード中(省エネ10%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の右下においては、「右打ちせよ!!」の文字画像が表示されることにより、右打ちのナビが実行される。
【0478】
また、小節電モード中においては、所定の確率で、画面の左下において「確変潜伏」の文字画像が表示される場合がある。このような文字画像が表示された場合には、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを50%の信頼度で報知するようになっている。つまり、この場合、残りの50%はガセ報知となる。そのため、遊技者は、このような「確変潜伏」の文字画像が表示されたときには、50%の信頼度で現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを認識することができるため、遊技者にとって有利であるといえる。
【0479】
このように、通常モードよりも消費電力が小さい小節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0480】
また、小節電モードに設定されたときに、小節電モードに設定された旨と、小節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(演出表示装置709の画面左下)において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
[中節電モード]
図36(a)は、中節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700の演出態様を説明するための図である。また、図36(b)は、中節電モード中における時短制御中の演出表示装置709の表示態様を説明するための図である。
【0481】
図36(a)に示すように、中節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700においては、右打ちナビLED740a、740b、740cが点灯することによって右打ちのナビが実行される。しかしながら、小節電モード中に比べると、右打ちナビLED740d、740eは消灯しており、右打ちナビLED740d、740eにおける消費電力分が抑えられている。
【0482】
このように、中節電モードにおいては、小節電モードに比べて少ない数の演出手段を用いてナビ演出が実行され、これにより、右打ちナビLED740d、740eによる消費電力分が抑えられるようになっている。しかしながら、右打ちナビLED740d、740eが消灯したとしても、他の右打ちナビLED740a、740b、740cによるナビ演出は実行されるため、遊技者に対しては最低限のナビ演出が実行されるようになっている。
【0483】
このように、通常モードおよび小節電モードよりも消費電力が小さい中節電モードに設定された場合でも遊技者にとって有利となる操作手順が報知されるため、節電しながらでも最低限の操作手順を遊技者に報知することにより遊技者が知りたい情報を報知することができる。その結果、節電しながらでも演出による遊技性を確保でき、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0484】
また、図36(b)に示すように、中節電モード中における演出表示装置709においては、画面の左上において、通常ゲージ811および節電ゲージ812が表示されており、通常ゲージ811および節電ゲージ812はともに点灯している。そして、画面の右上において、「中節電モード中(省エネ30%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の右下においては、「右打ちせよ!!」の文字画像が表示されることにより、右打ちのナビが実行される。
【0485】
また、中節電モード中においては、所定の確率で、画面の左下において「確変潜伏」の文字画像が表示される場合がある。このような文字画像が表示された場合には、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを70%の信頼度で報知するようになっている。つまり、この場合、残りの30%はガセ報知となる。そのため、遊技者は、このような「確変潜伏」の文字画像が表示されたときには、70%の信頼度で現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを認識することができるため、遊技者にとって有利であるといえる。
【0486】
このように、通常モードおよび小節電モードよりも消費電力が小さい中節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0487】
また、中節電モードに設定されたときに、中節電モードに設定された旨と、中節電モードに設定されたときの方が通常モードおよび小節電モードに設定されたときよりも特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(演出表示装置709の画面左下)において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
[大節電モード]
図37(a)は、大節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700の演出態様を説明するための図である。また、図37(b)は、大節電モード中における時短制御中の演出表示装置709の表示態様を説明するための図である。
【0488】
図37(a)に示すように、大節電モード中における時短制御中のパチンコ遊技機700においては、右打ちナビLED740aのみが点灯することによって右打ちのナビが実行される。しかしながら、中節電モード中に比べると、右打ちナビLED740b、740c、740d、740eは消灯しており、右打ちナビLED740b、740c、740d、740eにおける消費電力分が抑えられている。
【0489】
このように、大節電モードにおいては、中節電モードに比べて少ない数の演出手段を用いてナビ演出が実行され、これにより、右打ちナビLED740b、740c、740d、740eによる消費電力分が抑えられるようになっている。しかしながら、右打ちナビLED740b、740c、740d、740eが消灯したとしても、他の右打ちナビLED740aによるナビ演出は実行されるため、遊技者に対しては最低限のナビ演出が実行されるようになっている。
【0490】
このように、通常モード、小節電モード、および中節電モードよりも消費電力が小さい大節電モードに設定された場合でも遊技者にとって有利となる操作手順が報知されるため、節電しながらでも最低限の操作手順を遊技者に報知することにより遊技者が知りたい情報を報知することができる。その結果、節電しながらでも演出による遊技性を確保でき、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0491】
また、図37(b)に示すように、大節電モード中における演出表示装置709においては、画面の左上において、通常ゲージ811および節電ゲージ812が表示されており、通常ゲージ811および節電ゲージ812はともに点灯している。そして、画面の右上において、「大節電モード中(省エネ50%)」の文字画像により遊技者に対して現在の電力設定を報知している。また、画面の右下においては、「右打ちせよ!!」の文字画像が表示されることにより、右打ちのナビが実行される。
【0492】
また、大節電モード中においては、所定の確率で、画面の左下において「確変潜伏」の文字画像が表示される場合がある。このような文字画像が表示された場合には、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを100%の信頼度で報知するようになっている。つまり、この場合、ガセ報知はないといえる。そのため、遊技者は、このような「確変潜伏」の文字画像が表示されたときには、100%の信頼度で現在の遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを認識することができるため、遊技者にとって有利であるといえる。
【0493】
このように、通常モード、小節電モード、および中節電モードよりも消費電力が小さい大節電モードに設定することによって遊技者に対して有利となるように特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)を付与することができる。このように、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
【0494】
また、大節電モードに設定されたときに、大節電モードに設定された旨と、大節電モードに設定されたときの方が通常モード、小節電モード、および中節電モードに設定されたときよりも特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを特定部(演出表示装置709の画面左下)において併せて報知するため、実際に節電されたときに、節電されたことによる特典(「確変潜伏」の文字画像の表示)の付与に関する有利度合いを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して節電することによるメリットをより把握させることができる。
【0495】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、第1実施形態に係るスロットマシン1と同様に、演出制御基板780に搭載されている演出制御手段によって、図26に示した電力設定モード選択時電力設定処理および図27に示した電力設定モード記憶時電力設定処理を実行してもよい。
【0496】
これにより、電源復帰時から5分間経過したことを条件に、通常モードから節電モードに切替設定することができるため、電源復帰の直後に節電モードに設定されることにより故障であると誤認されてしまう不都合を防止することができる。
【0497】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、時短制御期間中にゲートスイッチ732aで所定個数以上検出されなかった場合に、図28で示した電力設定変更処理におけるSA36のように、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更してもよい。
【0498】
これにより、節電モードに設定されたときに時短制御中においてナビ演出がされたにも関わらず、操作手順を誤って右打ちをしなかった場合でも、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更することにより操作手順の報知の簡素化を軽減するため、遊技者が連続して時短制御中において操作手順を誤って右打ちをしないような事態を防止することができる。
【0499】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において、時短制御中であることを条件に、図30で示した電力設定反映処理におけるSA42のように、通常モードから節電モードに切替設定してもよい。
【0500】
これにより、時短制御中は演出手段による演出のための消費電力が大きくなりがちであるため、節電がより有効になる。また、時短制御中は遊技者にとって有利であるため遊技者が遊技を止める可能性が低くなる。そのため、節電によって演出手段の消費電力を抑えてもパチンコ遊技機700の稼働率が低下しにくくなる。
【0501】
さらに、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700においては、確変大当りの連続回数に基づき、ランク分けされた音楽コンテンツが特典として付与されていてもよい。具体的には、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から遊技終了までに発生した確変大当りの連続回数に基づいた音楽コンテンツが抽選によって決定され、その音楽コンテンツをダウンロードするためのURLが、遊技終了後に取得される2次元コードに格納されるようになっている。
【0502】
図38は、各種音楽コンテンツ選択用テーブルを説明するための図である。なお、この音楽コンテンツ選択用テーブルは、演出制御基板780に搭載されている記憶手段に格納されている。図38に示すように、特典として付与される音楽コンテンツは、SSランク、Sランク、Aランク、Bランクにランク分けされており、SSランク、Sランク、Aランク、Bランクの順にダウンロードできる曲数が多くなっている。そのため、SSランク、Sランク、Aランク、Bランクの順に遊技者にとって有利度合いの高い音楽コンテンツ選択用テーブルといえる。
【0503】
たとえば、図38(a)に示すSSランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルにおいては、音楽が5曲収録されたコンテンツSSが、5組の歌手別にコンテンツSS1?5に区分して格納されている。そして、コンテンツSS1?5は、それぞれ20%の抽選確率で決定されるようになっている。
【0504】
また、図38(b)に示すSランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルにおいては、音楽が3曲収録されたコンテンツSが、5組の歌手別にコンテンツS1?5に区分して格納されている。そして、コンテンツS1?5は、それぞれ20%の抽選確率で決定されるようになっている。
【0505】
また、図38(c)に示すAランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルにおいては、音楽が2曲収録されたコンテンツAが、5組の歌手別にコンテンツA1?5に区分して格納されている。そして、コンテンツA1?5は、それぞれ20%の抽選確率で決定されるようになっている。
【0506】
また、図38(d)に示すBランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルにおいては、音楽が1曲収録されたコンテンツBが、5組の歌手別にコンテンツB1?5に区分して格納されている。そして、コンテンツB1?5は、それぞれ20%の抽選確率で決定されるようになっている。
【0507】
第2実施形態に係るパチンコ遊技機700は、上記のような音楽コンテンツ選択用テーブルを用いることにより、確変連続回数に応じたランクの音楽コンテンツを遊技者に対して付与するようになっている。
【0508】
図39は、演出制御基板780に搭載されている演出制御手段が実行するコンテンツの選択処理の概要を説明するための図である。
【0509】
図39に示すように、遊技中において10連続確変大当りを達成した場合には、通常モード時において図38(b)に示すSランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択される。この場合、Sランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルに基づき、コンテンツS1?5のうちの何れかの音楽コンテンツが抽選によって決定される。
【0510】
また、遊技中において5連続確変大当りを達成した場合には、通常モード時において図38(c)に示すAランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択される。この場合、Aランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルに基づき、コンテンツA1?5のうちの何れかの音楽コンテンツが抽選によって決定される。
【0511】
また、遊技中において3連続確変大当りを達成した場合には、通常モード時において図38(d)に示すBランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択される。この場合、Bランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルに基づき、コンテンツB1?5のうちの何れかの音楽コンテンツが抽選によって決定される。
【0512】
さらに、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700においては、節電モードに設定されたときには通常モードに設定されたときよりも、遊技者にとって有利度合いの高い音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるようになっている。
【0513】
たとえば、図39に示すように、遊技中において10連続確変大当りを達成した場合には、通常モード時ではSランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるのに対して、節電モード時ではより有利度合いの高いSSランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるようになっている。
【0514】
また、遊技中において5連続確変大当りを達成した場合には、通常モード時ではAランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるのに対して、節電モード時ではより有利度合いの高いSランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるようになっている。
【0515】
また、遊技中において3連続確変大当りを達成した場合には、通常モード時ではBランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるのに対して、節電モード時ではより有利度合いの高いAランク用の音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるようになっている。
【0516】
このように、連続大当り回数に基づいて選択される音楽コンテンツ選択用テーブルの有利度合いを異ならせることができる。これにより、付与される特典に差を設けて、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、節電することによって有利度合いの高い音楽コンテンツ選択用テーブルが選択されるため、節電によって演出手段の消費電力を抑えても遊技者に対してメリットのある遊技を提供することができ、パチンコ遊技機700の稼働率の低下を防止することができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[特典について]
本実施の形態においては、遊技の結果に応じて付与される遊技価値とは異なる特典を次のようにして説明した。たとえば、第1実施形態におけるスロットマシン1においては、特典を、サイト内でアバターのアイテムを購入したり音楽や画像などのコンテンツデータを購入したりすることができる仮想的なコイン(銀コイン、金コイン)として説明した。また、AT制御中に行なわれるナビストック数に関する報知やプレミア演出であるとして説明した。また、たとえば、第2実施形態におけるパチンコ遊技機700においては、特典を、サイト内でアバターのアイテムを購入したり音楽や画像などのコンテンツデータを購入したりすることができる仮想的なコイン(銀コイン、金コイン)として説明した。また、時短制御中に行なわれる確変潜伏の報知であるとして説明した。しかしながら、これに限らず、以下のようなものであってもよい。
【0517】
(1)たとえば、特典は、サイト内で使用できるアバターや、アバターのアイテムであってもよい。また、特典は、サイト内で遊べるミニゲームなどであってもよい。また、特典は、サイト内からダウンロードできる携帯端末1100の表示部の壁紙や、携帯端末1100で利用できるアプリケーションソフトなどであってもよい。
【0518】
(2)また、特典は、所定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイントであってもよい。
【0519】
(3)また、特典は、遊技中において通常では行なわれない新たな演出であってもよい。たとえば、アニメをモチーフとした遊技機であれば、特典は、当該アニメの貴重なシーンの特典映像であってもよい。
【0520】
(4)また、スロットマシン1においては、特典は、設定される設定値を示唆する演出やボーナス確定を示唆する演出など、遊技者にとって有利な情報を報知する演出であってもよい。
【0521】
(5)また、パチンコ遊技機700において、第1保留記憶表示部718cにおける第1保留記憶数の表示や第2保留記憶表示部718dにおける第2保留記憶数の表示態様を変更するなどして、大当りが確定していることを遊技者に予告する先読み予告演出をするものであれば、特典として、先読み予告演出の信頼度を通常よりも高くするものであってもよい。
【0522】
(6)また、特典は、遊技において登場するキャラクタの種類を遊技者自身が設定できるものであってもよい。また、特典は、遊技者にとって期待度の高い演出を行なうキャラクタを遊技者自身が設定できるものであってもよい。たとえば、キャラクタAとキャラクタBが登場する演出であれば、遊技者が好むキャラクタAが登場する演出が行なわれたときには、遊技者にとって期待度が高いものであることが分かるように設定できるものであってもよい。また、キャラクタBを好む遊技者であれば、キャラクタAとキャラクタBとを入れ替えて、キャラクタBが登場する演出が行なわれたときには、遊技者にとって期待度が高いものであることが分かるように設定できるものであってもよい。
[特典が付与されるための所定の条件について]
本実施の形態においては、特典が付与される所定の条件を次のようにして説明した。たとえば、第1実施形態におけるスロットマシン1においては、ビッグボーナスに5回入賞または1000ゲーム実行することを条件にして特典であるコインを付与することを説明した。また、たとえば、第2実施形態におけるパチンコ遊技機700においては、大当りが5回発生または演出表示装置709において図柄が変動する回数が1000回転に達することを条件にして特典であるコインを付与することを説明した。しかしながら、これに限らず、以下のようなものであってもよい。
【0523】
(1)たとえば、スロットマシン1においては、小役の入賞回数や再遊技役の入賞回数など、ビッグボーナス以外の入賞回数に基づいて所定の条件を設定するものであってもよい。また、入賞回数に限らず、内部当選した回数であってもよい。また、遊技中の演出時に遊技者に対して要求される操作に遊技者が応じた回数に基づいて所定の条件を設定するものであってもよい。
【0524】
(2)また、メダルや遊技球の払出し数や純増数に基づいて所定の条件を設定するものであってもよい。
【0525】
(3)また、特典を付与するか否かを抽選によって決定するものであってもよく、当該抽選に当選することを所定の条件としてもよい。
【0526】
(4)また、特典を付与するか否かを決定するミニゲームを行なうものであってもよく、当該ミニゲームで勝利することを所定の条件としてもよい。
【0527】
本実施の形態においては、特典が付与される所定の条件を次のようにして説明した。たとえば、第1実施形態におけるスロットマシン1においては、AT制御中を条件にして特典であるナビストック数に関する報知やプレミア演出を行なうことを説明した。また、たとえば、第2実施形態におけるパチンコ遊技機700においては、時短制御中を条件にして特典である確変潜伏の報知を行なうことを説明した。しかしながら、これに限らず、以下のようなものであってもよい。
【0528】
(5)たとえば、スロットマシン1においては、ビッグボーナスなどの大当り中であることを条件にしてもよい。
【0529】
(6)また、パチンコ遊技機700においては、確変大当りなどの大当り中であることを条件にしてもよいし、高確率状態であることを条件にしてもよい。
【0530】
(7)また、所定の遊技時間が経過したことを条件にしてもよいし、遊技機が設置される遊技店の開店開始から所定時間内であることを条件にしてもよい。
[特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについて]
本実施の形態においては、特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを、通常モードと節電モードとで次のようにして異ならせることを説明した。たとえば、通常モードに設定した場合は、所定の条件が成立した場合に銀コイン1枚を付与し、節電モードに設定した場合は、通常モードと同様に銀コイン1枚が付与されることに加えて、さらに、図20に示す節電モード別取得コイン数決定用テーブルに基づき銀コインや金コインが付与されることを説明した。しかしながら、コインの種類や枚数はこれらに限定する必要はなく、その他のコインの種類や枚数を設定してもよく、通常モードに設定したときよりも節電モードに設定したときの方が遊技者にとって有利であればよい。
【0531】
また、特典が、所定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイントであれば、通常モードに設定したときよりも節電モードに設定したときの方がポイント数が多く付与されるようにしてもよい。さらに、節電モードに設定した場合でも、演出手段の消費電力が小さい(節電効果の大きい)ほど、ポイント数がさらに多く付与されるようにしてもよい。
【0532】
また、特典が、遊技中において通常では行なわれない新たな演出であれば、通常モードに設定したときよりも節電モードに設定したときの方が遊技者にとって人気が高い演出を行なうものであってもよい。さらに、節電モードに設定した場合でも、演出手段の消費電力が小さい(節電効果の大きい)設定ほど、遊技者にとって人気がさらに高い演出を行なうものであってもよい。
【0533】
また、スロットマシン1において、特典が、設定される設定値を示唆する演出やボーナス確定を報知する演出であれば、通常モードに設定したときよりも節電モードに設定したときの方が設定値を示唆する演出やボーナス確定を示唆する演出を行ない易くするものであってもよい。さらに、節電モードに設定した場合でも、演出手段の消費電力が小さい(節電効果の大きい)設定ほど、設定値やボーナス確定をより明確に報知するものであってもよい。
[電力設定について]
本実施の形態においては、電力設定を、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から遊技終了して2次元コードを作成するまでの間に1回に限りできるものとして説明した。しかしながら、これに限らず、パスワード入力や簡単スタートによる遊技開始をすることなく、いつでも設定できるようにしてもよい。
【0534】
また、1回に限らず、遊技中であれば何回でも設定変更できるようにしてもよい。なお、この場合、特典が付与される所定の条件が成立するまでの間において、最も多くの時間に設定された電力設定に基づき特典の付与に関する有利度合いを異ならせてもよい。また、特典が付与される所定の条件が成立するまでの間における遊技時間のうち、半分以上の時間に節電モードに設定されていない場合は、通常モードで設定されたものであると判断するものであってもよい。
【0535】
また、本実施の形態においては、電力設定のうち、節電モードが3段階(大節電モード、中節電モード、小節電モード)に設定されているが、これに限らず、5段階などその他の段階数であってもよい。また、スピーカの音量調整つまみのように、無段階で演出手段の消費電力を設定できる手段を用いて、遊技者が望む値の消費電力に設定できるものであってもよい。
【0536】
また、本実施の形態においては、遊技者がスロットマシン1の演出用スイッチ56やパチンコ遊技機700のこのチャンスボタン7111を遊技者が操作することにより電力設定をするものとして説明したが、これに限らず、店員などの遊技店側が設定できるものであってもよい。なお、この場合、スロットマシン1においては、前面扉1bを開けた筐体1aの内部に電力設定をするためのスイッチを設け、パチンコ遊技機700においては、本体の裏側に電力設定をするためのスイッチを設けることにより、遊技者によっては電力設定ができないようにする方が好ましい。これにより、遊技店側としては、電力設定により節電モードに設定することにより、消費電力を抑えることができるとともに、遊技者に対しては、特典の付与に関する有利度合いが高いことをアピールすることで集客を図ることができる。
【0537】
また、電力設定は、スロットマシン1の演出用スイッチ56やパチンコ遊技機700のチャンスボタン7111を用いることに限らず、その他のボタン(スロットマシン1のMAXBETスイッチ6や新たに設けたボタンなど)を用いてもよい。
【0538】
また、本実施の形態においては、節電モードに設定された場合には、スピーカの出力音を停止したり、LEDを消灯したりして消費電力を抑えるものであるとして説明したが、これに限る必要はない。たとえば、スピーカであれば出力音のボリュームを小さくすることにより、消費電力を抑えるものであってもよい。また、LEDであれば、点灯する輝度を低くすることにより、消費電力を抑えるものであってもよい。
【0539】
また、本実施の形態においては、節電モードに設定された旨と、節電モードに設定されたときの方が通常モードに設定されたときよりも特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨とを併せて報知する手段として、スロットマシン1の液晶表示器51やパチンコ遊技機700の演出表示装置709を用いていたが、これに限らず、たとえば、遊技機に設けられたLEDなどその他の手段を用いてもよい。
[電力設定モード選択時電力設定処理について]
本実施の形態においては、電力設定モード選択時電力設定処理において、電源復帰時から5分間経過後に電力設定を切替可能として説明したが、これに限らず、電源復帰時から10分間経過後など、その他、電源復帰時から所定時間経過後に切替可能とするものであってもよい。
[電力設定モード記憶時電力設定処理について]
本実施の形態においては、電力設定モード記憶時電力設定処理において、電源復帰時から5分間経過後にすでに設定されていた電力設定が反映されるものであるとして説明したが、これに限らず、電源復帰時から10分間経過後など、その他、電源復帰時から所定時間経過後に設定が反映されるものであってもよい。
[電力設定変更処理について]
本実施の形態においては、ナビ演出がされていたにも関わらず遊技者が操作手順を誤った場合には、省エネ度合いを1段階低くするように電力設定を変更するものであるとして説明した。しかしながら、これに限らず、省エネ度合いを2段階低くするように電力設定を変更するものであってもよく、さらには、通常モード設定に変更するものであってもよい。
【0540】
また、スロットマシン1において、ボーナスとナビ対象である小役が同時当選するものであれば、当該ナビ対象である小役を遊技者が操作手順を誤って取りこぼした場合は、ボーナス当選を優先して電力設定の省エネ度合いを1段階低くしないものであってもよい。
[AT制御時のプレミア演出について]
本実施の形態においては、プレミア演出が行なわれたときには、ビッグボーナス(BB1?3)に内部当選したことを節電モードに応じた信頼度で報知するものであるとして説明した。しかしながら、これに限らず、たとえば、イチゴなどの小役の内部当選やナビストック数を報知するものであってもよい。この場合、消費電力の小さい節電モードに設定されるほど、より信頼度の高い報知がされたり、また、報知する対象が多くなるものであってもよい。
【0541】
また、たとえば、バッターが鬼となる大プレミア演出の場合はホームランが出る演出を実行し易くし、ホームランが出る演出が実行された場合は、さらに金コインなどの特典が付与されるようなものであってもよい。
[コンテンツの選択処理について]
本実施の形態においては、パチンコ遊技機700において、図38の音楽コンテンツ選択用テーブルを用いて付与される特典に差を設けていた。しかしながら、これに限る必要はない。
【0542】
たとえば、付与される特典は、音楽コンテンツに限らず、映像コンテンツやアプリケーション、遊技店でサービスを受けられるポイント、サイト内でアバターやアイテムを購入できる仮想的なコインであってもよい。
【0543】
また、音楽コンテンツ選択用テーブルを選択するために基づく条件である大当りの連続回数は、図39に示すように、3連続回数、5連続回数、10連続回数に限らず、その他の回数であってもよい。さらに、大当り連続回数に限らず、遊技開始からの演出表示装置709において図柄が変動する回数や遊技時間などであってもよい。
【0544】
また、節電モードに設定されたときは、通常モードに設定されたときよりも1段階上のランクの音楽コンテンツ選択用テーブルを選択するものに限らず、2段階上のランクの音楽コンテンツ選択用テーブルを選択するなど、適宜設定可能である。
【0545】
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機700において行なわれるコンテンツの選択処理は、第1実施形態に係るスロットマシン1においても適用してもよい。この場合、たとえば、AT連続回数やボーナス入賞回数に基づき音楽コンテンツ選択用テーブルを選択するようにしてもよい。さらに、第1実施形態に係るスロットマシン1においても、節電モードに設定されたときは、通常モードに設定されたときよりも1段階上のランクの音楽コンテンツ選択用テーブルを選択するようにしてもよい。
[AT抽選について]
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、AT抽選によって、付与されるナビストック数を決定する場合を説明した。しかしながら、ナビストックを用いずに、たとえば、ATに制御されるゲーム数を抽選によって決定してもよい。この場合、弱イチゴAに当選したときよりも強イチゴAに当選したときの方が多くのゲーム数に当選するように抽選確率を設定していてもよい。
【0546】
また、ATを2種類に区別し、一方を通常のAT、他方を有利ATとして、制御中における有利度を異ならせるようにしてもよい。たとえば、有利ATは、通常ATよりも、AT制御中における小役やボーナスへの入賞確率などを異ならせるようにしてもよい。
【0547】
また、AT抽選によって、ATが継続される所定の条件を決定してもよい。所定の条件として、たとえば、所定のメダルの払い出し枚数や純増枚数を決定してもよく、ATに制御した後はその枚数に達するまでATを制御させるようにしてもよい。
【0548】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1においては、強イチゴAおよび弱イチゴAに当選したときのみAT抽選を実行していた。しかしながら、これに限らず、強イチゴB?F、弱イチゴB?Fに当選したときにAT抽選を実行していてもよい。また、他の役に当選したときに抽選してもよい。
[ナビ対象役について]
本実施の形態におけるスロットマシン1のナビ対象役は、RT0であるときには、リプA?F、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dであり、RT2であるときには、左ベルA?D、中ベルA?D、および右ベルA?Dであったが、これに限らず、他の役であってもよい。また、たとえば、ナビ対象役に、メロンやイチゴを含め、当選したときにメロンに当選した旨あるいはイチゴに当選した旨を報知するようにしてもよい。
[フリーズ演出について]
本実施の形態におけるスロットマシン1において、ストップスイッチ8L、8C、8Rやスタートスイッチ7などゲーム進行において操作される操作手段の操作を強制的に無効にするフリーズ制御を行なうようにしてもよい。たとえば、ボーナス終了後1ゲーム目にBB1もしくはBB2に当選した場合に、フリーズ制御を行なうようにしてもよい。
[その他の変形例について]
本実施の形態におけるスロットマシン1において、ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行なうものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行なうものであってもよく、所定数減算する処理を行なうものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行なうものであってもよく、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行なうかを決定し、該決定された処理を行なうものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
【0549】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
【0550】
さらに、本実施の形態におけるスロットマシン1において、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちの何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るものであってもよい。
【0551】
本実施の形態におけるスロットマシン1において、50ゲーム消化することにより、1のナビストックに対するATを終了させる例について説明した。しかし、1のナビストックに対応してATに制御する期間としては、予め定められた回数分ゲーム消化する期間に限らず、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化する期間、ナビ対象役に当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達するまでの期間、特定の入賞役(たとえばイチゴなど)に当選した回数が所定回数に到達するまでの期間などであってもよい。
【0552】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0553】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、41a メインCPU、41b ROM、41c RAM、42 乱数回路、43 パルス発振器、51 液晶表示器、56 演出用スイッチ、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a サブCPU、91b ROM、91c RAM、53,54 スピーカ、71L,71C,71R 枠ナビLED、72L,72C,72R センターナビLED、1001 遊技システム、1100 携帯端末、1200 管理サーバ、700 パチンコ遊技機、705 打球操作ハンドル、706 遊技盤、707 遊技領域、708a 第1特別図柄表示器、708b 第2特別図柄表示器、709 演出表示装置、710 普通図柄表示器、713 第1始動入賞口、713a 第1始動口スイッチ、714 第2始動入賞口、714a 第2始動口スイッチ、715 可変入賞球装置、718a 第1特別図柄保留記憶表示器、718b第2特別図柄保留記憶表示器、718c 第1保留記憶表示部、718d 第2保留記憶表示部、720 特別可変入賞球装置、727L,727R スピーカ、731 主基板、732R ゲート、732L ゲート、732a ゲートスイッチ、732b ゲートスイッチ、780 演出制御基板、740a,740b,740c,740d 右打ちナビLED。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
遊技価値が用いられて賭数が設定されたときに前記可変表示部を変動表示可能とし、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機であって、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段と、
表示結果を導出する制御を行なう導出制御手段と、
遊技の結果に応じて前記遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
遊戯履歴に応じて成立する所定の条件が成立したことに基づき、携帯端末を介して前記遊技機と通信可能な管理サーバによって管理されたサイト内でコンテンツデータと交換可能な特典を付与する特典付与手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いを設定する有利度合設定手段と、
所定の演出を行なう演出手段と、
前記演出手段の消費電力が所定の値である通常モードと当該通常モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい節電モードとのうちのいずれかに設定する電力モード設定手段と、
前記電力モード設定手段により設定されたモードに基づいた消費電力で前記演出手段を制御する演出制御手段と、
前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いについての情報を報知する有利度合報知手段とを備え、
前記有利度合設定手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには前記通常モードに設定されたときよりも高い有利度合いを設定し、
前記有利度合報知手段は、前記電力モード設定手段により前記節電モードに設定されたときには、前記通常モードに設定されたときよりも前記特典の付与に関する遊技者にとっての有利度合いが高くなる旨を報知し、
第1遊技状態と、前記遊技価値を用いることなく前記可変表示部の変動表示を可能とする再遊技表示結果の導出が許容される確率が前記第1遊技状態よりも高い第2遊技状態とを含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御する遊技状態制御手段と、
前記導出操作手段の操作手順を報知する操作手順報知手段とをさらに備え、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が特定決定結果である場合において、前記導出操作手段が第1操作手順で操作されたときには第1表示結果を導出し、前記導出操作手段が第2操作手順で操作されたときには第2表示結果を導出し、
前記遊技状態制御手段は、前記第2遊技状態において、前記第1表示結果が導出されたときには当該第2遊技状態を維持し、前記第2表示結果が導出されたときには前記第1遊技状態に制御し、
前記操作手順報知手段は、前記操作手順の報知が可能となる報知状態において前記事前決定手段の決定結果が前記特定決定結果であるときには前記演出手段を用いて前記第1操作手順を報知し、
前記演出制御手段は、前記操作手順の報知が行なわれない非報知状態において、前記節電モードに設定されているときには、当該非報知状態から前記報知状態への移行を条件に、前記電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御し、
前記電力モード設定手段によって設定される前記節電モードには、小節電モードと、当該小節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい中節電モードと、当該中節電モードよりも前記演出手段の消費電力が小さい大節電モードとが含まれ、
前記演出手段は、音を出力する音出力手段と、画像を表示する表示手段と、複数の発光部品で構成された発光手段とを含み、
前記操作手順報知手段は、
前記通常モードにおいては、前記発光手段を構成するすべての発光部品、前記音出力手段および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記小節電モードにおいては、前記音出力手段を用いることなく、前記発光手段を構成するすべての発光部品および前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記中節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を構成する前記複数の発光部品のうちの一部の発光部品を用いることなく、前記表示手段および当該一部の発光部品以外の発光部品を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記大節電モードにおいては、前記音出力手段および前記発光手段を用いることなく、前記表示手段を用いて前記導出操作手段の操作手順を報知し、
前記電力モード設定手段は、
前記報知状態において、前記大節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記中節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記中節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記小節電モードに設定し、
前記報知状態において、前記小節電モード中に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、前記通常モードに設定し、
前記演出制御手段は、前記報知状態において、前記電力モード設定手段によって前記節電モードに設定されている場合に前記第1操作手順が報知されたにも関わらず前記第2操作手順で前記導出操作手段が操作されて前記第2表示結果が導出されたときには、当該電力モード設定手段によって設定されたモードに基づく消費電力で前記演出手段を制御する、遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-10-11 
出願番号 特願2011-273498(P2011-273498)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 池谷 香次郎川口 聖司  
特許庁審判長 服部 和男
特許庁審判官 金田 理香
長崎 洋一
登録日 2016-08-19 
登録番号 特許第5988571号(P5988571)
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 渡辺 敏章  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
代理人 平木 祐輔  
代理人 伊藤 匠  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  

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